JP2021158184A - コンデンサ - Google Patents

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庸平 橋本
Yohei Hashimoto
庸平 橋本
光一 仲田
Koichi Nakata
光一 仲田
竜太 井上
Ryuta Inoue
竜太 井上
啓佑 松平
Keisuke Matsudaira
啓佑 松平
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Abstract

【課題】 本開示の技術は、たとえば、封口部材と樹脂層の間に隙間が形成されたとしても、この隙間における電解液の滞留を抑制可能な封止構造を提供することを目的とする。【解決手段】 コンデンサ(2)はコンデンサ本体(4)と、樹脂層(8)とを含む。コンデンサ本体は、外装ケース(10)と、前記外装ケースの開口部に取付けられた封口部材(14)とを含む。樹脂層は、前記封口部材の外側に配置される。前記封口部材のガス透過度(q1)で割った前記樹脂層のガス透過度(q2)が0.1以上である。【選択図】 図1

Description

本開示は、封口部材の外側に配置された樹脂層を含むコンデンサなどに関する。
コンデンサの端子リードは台座の外側面に引き出されて折り曲げられ、たとえば回路基板などの配線板にはんだ付けされる。このような実装に用いられるコンデンサは、表面実装型のコンデンサと呼ばれている。この表面実装型のコンデンサの汎用性は高く、たとえば自動車に用いられる。
コンデンサが自動車内などの屋外に設置されると、コンデンサの設置周囲の環境温度が上昇する。このため、コンデンサは、高温環境に耐える必要がある。たとえば、コンデンサの封口体と台座の間に樹脂層を形成し、コンデンサの密閉性が高められる(たとえば、特許文献1)。斯かる構成によれば、コンデンサの耐熱性を向上させることができる。この樹脂層および台座を設けたコンデンサでは、台座に挿通孔が形成され、コンデンサの端子リードが挿通孔を通って台座の外側(実装面側)に配置される。
特開平6−338439号公報
ところで、コンデンサの製造過程において、封口部材と樹脂層の間に隙間が形成されることがある。この隙間自体は、コンデンサの性能を低下させるものではない。しかしながら、封口部材を透過した電解液のガスがこの隙間で液化して、電解液がこの隙間に留まると、本来絶縁部材で占められる場所に、導電性の電解液が偶発的に存在することになる。そのため、封口部材と樹脂層の間の隙間は、コンデンサのユーザーに不安を与えるという課題がある。
特許文献1は斯かる課題を開示も示唆もしておらず、特許文献1に開示された構成は斯かる課題を解決することができない。
そこで、本開示の技術は、たとえば、封口部材と樹脂層の間に隙間が形成されたとしても、この隙間における電解液の滞留を抑制可能な封止構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の第1の側面によれば、コンデンサはコンデンサ本体と、樹脂層とを含む。コンデンサ本体は、外装ケースと、前記外装ケースの開口部に取付けられた封口部材とを含む。樹脂層は、前記封口部材の外側に配置される。前記封口部材のガス透過度で割った前記樹脂層のガス透過度が0.1以上である。
上記コンデンサにおいて、前記封口部材と前記樹脂層の間に隙間が形成されてもよく、該隙間は外部と遮断されていてもよい。
上記コンデンサにおいて、前記樹脂層のガス透過係数が前記封口部材のガス透過係数よりも小さく、かつ前記樹脂層が、前記封口部材よりも薄くてもよい。
上記コンデンサは、前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置される台座をさらに含んでもよい。前記樹脂層は、前記台座と前記封口部材の間に配置されてもよい。
本開示の技術によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 封口部材のガス透過度に対する樹脂層のガス透過度が調整されているので、コンデンサの封口部材と樹脂層の間に隙間が生じたとしても、温度上昇時のコンデンサにおいて、この隙間内の電解液のガスの圧力を調整することができる。そのため、隙間内のガスが常温に冷えたとしても、隙間内での液状の電解液の発生が構造的に抑制される。
(2) コンデンサに隙間が生じたとしても、電解液が隙間に滞留することが抑制される。
(3) ガス透過度の調整により隙間での電解液の滞留が構造的に抑制されるので、ユーザーの不安を取り除くことができる。
実施の形態に係るコンデンサの一例を示す断面図である。 ガス透過の一例を示す図である。 隙間における液溜りを説明するための図である。 隙間を有するコンデンサの一例を示す図である。 試験用のコンデンサを示す図である。 変形例に係るコンデンサの一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施の形態等を説明する。

実施の形態
図1は第1の実施の形態に係るコンデンサの一例を示す断面図である。図1に示す構成は一例であって、斯かる構成に本開示の技術が限定されるものではない。
コンデンサ2は電子部品の一例であり、たとえば電解コンデンサまたは電気二重層コンデンサである。このコンデンサ2はコンデンサ本体4と台座6と樹脂層8とを備えている。コンデンサ本体4は、外装ケース10とコンデンサ素子12と封口部材14とを備えている。台座6はコンデンサ本体4の封口部材14側に設置され、樹脂層8は台座6とコンデンサ本体4の封口部材14の間に配置されている。なお、封口部材14と樹脂層8の間に隙間が形成されていてもよく、隙間がなくてもよい。また、台座6と樹脂層8の間に隙間が形成されていてもよく、隙間がなくてもよい。台座6と樹脂層8の間の隙間は、樹脂層8を透過した電解液のガスを、台座6の外側に導くことができる。コンデンサ2は回路基板などの配線板に実装可能である。
コンデンサ本体4は、単体でコンデンサとして用いることができる。外装ケース10内にコンデンサ素子12が封入され、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられている。封口部材14は、たとえば絶縁性ゴムで形成されている。
外装ケース10は、たとえば有底筒状のアルミニウムケースである。外装ケース10の開口の先端部はほぼ直角に折り曲げられ、そのため外装ケース10の底とは反対側の端部(以下、「開放端」という)は、平坦面を有している。
コンデンサ素子12は、陽極箔と陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回させた巻回素子であって、同一素子面より端子リード16−1、16−2が導出している。このコンデンサ素子12には、電解液を含浸させている。
端子リード16−1、16−2は、たとえば導電性のよい金属で形成されている。端子リード16−1は陽極側端子であって、コンデンサ素子12の陽極箔から引き出されるリード部と配線板に実装される端子部とを備える。リード部と端子部は、溶接等により接続され一体化されている。端子リード16−2は陰極側端子であって、コンデンサ素子12の陰極箔から引き出されるリード部と配線板に実装される端子部とを備える。端子リード16−1と同様に、リード部と端子部は溶接等により接続されて一体化されている。リード部はたとえば円柱状であり、端子部は、たとえば配線板への実装面側を平坦化し、断面を矩形形状にしたものである。端子リード16−1、16−2は、封口部材14を貫通し、コンデンサ本体4の外側に露出している。
台座6は、コンデンサ本体4の封口部材14側に設置されている。台座6は絶縁合成樹脂などの絶縁板で形成されている。この絶縁合成樹脂は、配線板に実装する際の加熱に耐える程度の耐熱性を有していればよく、たとえばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ユリア樹脂、液晶ポリマー(LCP)、フェノール樹脂、またはエポキシ樹脂である。台座6は、挿通孔18−1、18−2と、周壁22と、ガイド溝24−1、24−2とを備えている。
挿通孔18−1、18−2は、端子リード16−1、16−2に対応する位置に形成されている孔である。コンデンサ本体4から突出している一対の端子リード16−1、16−2は、台座6に形成された一対の挿通孔18−1、18−2を貫通し、台座6の外側面側、つまり台座6の実装面側に引き出されている。
周壁22は、台座6の周囲部であって外装ケース10の開放端の外側に配置され、外装ケース10の開放端を囲っている。周壁22の内側面は、有底筒状の外装ケース10の外周に沿わせるため、たとえば円形状を有する。
ガイド溝24−1、24−2は、台座6の実装面に形成され、挿通孔18−1、18−2から外側に延びている。端子リード16−1、16−2の端子部は、ガイド溝24−1、24−2に沿って相反方向に折り曲げられて、ガイド溝24−1、24−2に配置されている。そのため、ガイド溝24−1、24−2は、端子リード16−1、16−2の端子部をガイドする。なお、ガイド溝24−1、24−2に代えて、ガイド突起を台座6の実装面に設けてもよい。ガイド溝24−1、24−2またはガイド突起により実装時のコンデンサ2の安定性を確保することができる。
樹脂層8は、外装ケース10の開放端の内側であって、台座6と封口部材14の間に備えられる。この樹脂層8は、封口部材14の外側に配置され、封口部材14の外側表面のたとえば全面またはほぼ全面を覆い、封口部材14の外側面を封止する。樹脂層8は、コンデンサ本体4の密封性を高めつつ、封口部材14を透過した電解液のガスの排出を可能にする。
樹脂層8を形成する樹脂は、たとえば封口部材14の外側を封止する封止樹脂であって、充填時には液状であるが、充填後に固化する。充填時には、液状の樹脂がコンデンサ本体4と台座6の間の隙間を満たし、充填後には、樹脂が固化して樹脂層8を形成する。樹脂層8を形成する樹脂は、台座6、外装ケース10および封口部材14に対して親和性があり、気体の遮断性を有すればよく、アルミニウムの線膨張係数(約23×10-6/℃)に近い線膨張係数を有し、硬化する際の収縮量が少なく、非吸湿性を有することが好ましい。樹脂は、たとえばエポキシ樹脂、アルキッド系樹脂、ウレタン樹脂、熱硬化性樹脂、または紫外線硬化樹脂であればよい。また、エポキシ樹脂は、たとえば酸無水物を用いた二液混合型のエポキシ樹脂であってもよいし、一液型のエポキシ樹脂であってもよい。樹脂層8のガス透過度(gas transmission rate)q2は、封口部材14のガス透過度q1の0.1倍以上の値を有している。
ガス透過度は、封口部材14、樹脂層8などの部材のガスの透過のし易さを表す指標であって、たとえば部材を透過するガス(たとえば電解液のガス)の、単位面積、単位時間および部材両面間の単位分圧差当たりのモル数である。ガス透過度は、ガス透過係数(gas permeability coefficient)および部材の厚さにより次の式(1)で表される。
ガス透過度=ガス透過係数/厚さ ・・・(1)
このガス透過度およびガス透過係数は、たとえば日本産業規格JIS K 6275−1:2009「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−ガス透過性の求め方−第1部:差圧法」およびJIS K 7126−1:2006「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第1部:差圧法」において定義され、これらの日本産業規格に記載されている試験により求めることができる。
たとえばガス透過係数が1.0×10-3であり厚さが1.7×10-3mである封口部材14のガス透過度q1は、式(1)から約0.59となる。たとえばガス透過係数が0.6×10-3であり厚さが0.8×10-3mである樹脂層8のガス透過度q2は、式(1)から0.75となる。
複層材料中のガスの移動は、直列に接続された抵抗に流れる電流の考え方と同じように考えることができる。電流Iはガスの流速Jに対応し、電圧Vは部材両面間の分圧差ΔPに対応し、電気抵抗Rは部材のガス透過度qの逆数に対応する。電流I、電圧Vおよび電気抵抗Rの関係は、オームの法則により式(2)で表されるので、ガスの流速J、分圧差ΔPおよびガス透過度qの関係は、式(3)で表される。
I=V/R ・・・(2)
J=ΔP・q ・・・(3)
直列に接続された第1の電気抵抗R1と第2の電気抵抗R2を有する抵抗器の電気抵抗Rは、以下の式(4)で表される。
R=R1+R2 ・・・(4)
ガス透過度q1の封口部材14とガス透過度q2の樹脂層8を有する複層材料のガス透過度qは、式(4)において、電気抵抗R、R1、R2をそれぞれ1/q、1/q1、1/q2に置き換えると求められる。つまり、この複層材料のガス透過度qは、以下の式(5)、(6)で表される。
1/q=1/q1+1/q2 ・・・(5)
q=(q1・q2)/(q1+q2) ・・・(6)
たとえばガス透過度q1が0.59である既述の封口部材14とガス透過度q2が0.75である既述の樹脂層8を含む複層材料のガス透過度qは、式(6)から約0.33となり、この複層材料の厚さは2.5×10-3mとなる。たとえばガス透過係数が1.0×10-3であり厚さが2.5×10-3mである封口部材14のガス透過度q1は、式(1)から0.4となる。樹脂層8のガス透過係数が封口部材14のガス透過係数よりも小さいと、複層材料のガス透過度qが、複層材料と同じ厚さを有する封口部材14のガス透過度q1よりも小さくなる。つまり、複層材料のガス遮蔽機能が、同じ厚さを有する封口部材14のガス遮蔽機能よりも高められ、ガス化した電解液の蒸散抑制機能が高められる。
ガス透過度q、q1、q2は、樹脂層8および封口部材14などの部材のガス透過係数または厚さを調整することにより調整可能である。ガス透過係数は、基材または添加剤の調整により調整することができる。
図2は、封口部材および樹脂層のガス透過の一例を示している。図2では、説明のために簡略化されたコンデンサ2が図示されている。図2において、矢印は、電解液のガスの流速J、つまりガスの透過量を表している。また図2では、樹脂層8と封口部材14の間に隙間26が配置されている。
外装ケース10の内部30に収容されている電解液32は、コンデンサ2の温度上昇によりガス化する。そのため、電解液32のガス34が外装ケース10の内部30に発生し、外装ケース10の内部圧力が上昇する。内部圧力の上昇は、封口部材14の両面間に分圧差を生じさせ、ガス34の一部が封口部材14を透過して隙間26に流れ込む。ガス34の流入により、隙間26の圧力が上昇する。隙間26の圧力上昇は、樹脂層8の両面間に分圧差を生じさせ、ガス34の一部が樹脂層8を透過して外部に流出し、ガス34が蒸散される。
蒸散の定常状態では、図2に示すように、樹脂層8を透過するガス34の流速J2が封口部材14を透過するガス34の流速J1と等しくなる。外部圧力(つまり大気圧)がP、内部30の圧力がP+ΔP1(つまり、外部圧力Pに対する圧力差がΔP1)、隙間26の圧力がP+ΔP2(つまり、外部圧力Pに対する圧力差がΔP2)であるとき、J1およびJ2は、式(3)から、式(7)で表される。
J1=J2=(ΔP1−ΔP2)・q1=ΔP2・q2 ・・・(7)
隙間26の圧力差ΔP2は、式(7)から、式(8)で表される。
ΔP2=ΔP1・q1/(q1+q2) ・・・(8)
式(8)は、樹脂層8のガス透過度q2が大きくなると、隙間26の圧力差ΔP2および隙間26の圧力(P+ΔP2)が小さくなることを表している。
封口部材14および樹脂層8のガス透過度q1、q2がそれぞれ、たとえば0.59、0.75であるとき、隙間26の圧力差ΔP2は、式(8)からΔP1の約0.44倍であり、封口部材14および樹脂層8のガス透過度の比率(以下、「透過度比率」という)は、約1.28になる。透過度比率は、封口部材14のガス透過度q1で割った樹脂層8のガス透過度q2、つまりq2/q1により定義される。
コンデンサ2の温度が低下すると、ガス34が電解液32に戻る。既述の圧力差ΔP2が小さいと、図3のAに示すように、目視可能な電解液32が隙間26に生じることがなく、隙間26における電解液32の滞留を抑制できる。これに対し、既述の圧力差ΔP2が所定の圧力差を超えると、温度が低下しガス34が飽和に達すると、ガス34が液滴として封口部材14の表面に付着するようになり、さらに温度が低下すると、図3のBに示すように、電解液32が隙間26内で発生して滞留する。後述の試験結果では、圧力差比率(つまりΔP2/ΔP1)が0.91以下であると、液溜りの発生が抑制されている。したがって、後述の試験結果によれば、既述の所定の圧力差は、0.91・ΔP1以下であることが好ましい。なお、後述の試験結果では、既述の透過度比率が0.1以上であり樹脂層8のガス透過度q2が封口部材14のガス透過度q1の0.1倍以上であると、液溜りの発生が抑制されている。
〔コンデンサの製造工程〕
コンデンサの製造工程は、本開示のコンデンサの製造方法の一例であって、この製造工程は、コンデンサ本体4の形成工程、台座6の形成工程、台座6をコンデンサ本体4に取付ける取付工程、端子リード16−1、16−2の成形工程、および樹脂の注入工程を含む。
コンデンサ本体4の形成工程では、先ず、端子リード16−1を接続した陽極箔と端子リード16−2を接続した陰極箔の間にセパレータを介在させて巻回して、コンデンサ素子12を形成する。コンデンサ素子12に電解液を含浸させ、このコンデンサ素子12を外装ケース10に封入後、外装ケース10の開口部に封口部材14が取付けられ、コンデンサ本体4が形成される。外装ケース10は、たとえばアルミニウムから形成される。
台座6の形成工程では、台座6を絶縁合成樹脂から既述の形状に形成する。なお、本実施の形態では、コンデンサ素子12に電解液を含浸して電解コンデンサを形成したが、これに限らず、導電性高分子を含浸させて固体電解質層を形成したコンデンサ素子12に電解液を含浸させるハイブリッド型コンデンサとしてもよい。
台座6の取付工程では、台座6の挿通孔18−1、18−2にコンデンサ本体4の端子リード16−1、16−2を貫通させる。そして、台座6を移動させて台座6をコンデンサ本体4の封口部材14側に取付ける。
端子リード16−1、16−2の成形工程では、端子リード16−1、16−2が台座6のガイド溝24−1、24−2に沿って折り曲げられ、端子リード16−1、16−2の端子部がガイド溝24−1、24−2に配置される。この成形工程により、台座6がコンデンサ本体4に固定される。
樹脂の注入工程では、たとえば台座6の図示しない樹脂注入孔から注入された液状の樹脂が、コンデンサ本体4と台座6の間に充填される。注入された樹脂がコンデンサ本体4と台座6の間で樹脂層8を形成する。樹脂注入にはたとえばディスペンサなどの樹脂注入装置が用いられる。
実施の形態によれば、次のような作用または効果が得られる。
(1) 図4に示すように、封口部材14と樹脂層8の間に、外部と遮断された隙間26が生じたとしても、温度上昇時のコンデンサ2において、隙間26内のガスの圧力を調整することができる。そのため、隙間26内のガスが常温に冷えたとしても、電解液が生じにくくできる。
(2) コンデンサ2に隙間26が生じたとしても、電解液32が隙間26に滞留することが抑制される。
(3) 封口部材14と樹脂層8の間に隙間26があると、コンデンサ2のユーザーが、この隙間26内の電解液32の滞留を心配することがある。しかしながら、ガス透過度の調整により構造的に電解液32の滞留を抑制することで、ユーザーの不安を取り除くことができる。
実施例に係るコンデンサ2は、実施の形態に係るコンデンサ2と同様の構成を有する。実施例に係るコンデンサ2の封口部材14および樹脂層8は、以下の表に示されているガス透過係数、厚さおよびガス透過度q1、q2を有する材料で形成されている。比較例に係るコンデンサは、0.1未満である透過度比率を除き、実施の形態に係るコンデンサ2と同様の構成を有する。比較例に係るコンデンサの封口部材14および樹脂層8は、以下の表に示されているガス透過係数、厚さおよびガス透過度q1、q2を有する材料で形成されている。
Figure 2021158184
Figure 2021158184
なお、材料「EPDM」は、エチレン・プロピレン・ジエンゴムである。
実施例に係るコンデンサ2および比較例に係るコンデンサの試験のために、図5に示す試験用のコンデンサ102を作成した。コンデンサ102のコンデンサ素子112は、カットされた端子リード116を有し、コンデンサ102は、カットされた端子リード116に設置された電解紙128を含むとともに、この電解紙128上に樹脂層108を含んでいる。樹脂層108は、樹脂のポッティングおよび硬化により形成され、外装ケース110の開口部を塞いでいる。コンデンサ102は、封口部材114と電解紙128の間に隙間126を有している。なお、コンデンサ102では、実施の形態で既述した台座6が省略されている。
実施例および比較例に係るコンデンサ102に対して、日本産業規格JIS C 5101−18:2019「電子機器用固定コンデンサ−第18部:品種別通則−表面実装用固定アルミニウム固体(MnO2)及び非固体電解コンデンサ」および低温におけるガスの液化を踏まえ、次の試験を行う。
[試験] 105℃放置試験を120時間行った後に−20℃で15分間放置する。
試験結果は、以下の通りである。
Figure 2021158184
試験結果では、透過度比率が0.1〜1.28の範囲で液溜りの発生数が0であった。透過度比率を0.1以上とすることで、液溜りの発生を抑制できることが確認された。
上記実施の形態または実施例について、特徴事項、利点または変形例等を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態および実施例に係るコンデンサ2は台座6を含んでいる。しかしながら、たとえば図5に示されている試験用のコンデンサ102のように、コンデンサ2は台座6を含まなくてもよい。樹脂層8の配置により、コンデンサ2は既述の実施の形態の効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態および実施例に係るコンデンサ2は、封口部材14の外側表面の全面またはほぼ全面を覆う樹脂層8を有している。しかしながら、図6に示すように、台座6が突出部28を含んでいてもよい。突出部28は、たとえば台座6の本体設置面に配置され、挿通孔18−1、18−2の周囲に形成され、挿通孔18−1、18−2を囲っている。突出部28は、台座6と封口部材14の間に注入される樹脂が挿通孔18−1、18−2に侵入するのを抑制することができる。
以上説明したように、本開示の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本開示の技術は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本開示の範囲に含まれることは言うまでもない。
本開示の技術は、広く電子機器に利用でき、有用である。
2、102 コンデンサ
4 コンデンサ本体
6 台座
8、108 樹脂層
10、110 外装ケース
12、112 コンデンサ素子
14、114 封口部材
16−1、16−2、116 端子リード
18−1、18−2 挿通孔
22 周壁
24−1、24−2 ガイド溝
26、126 隙間
28 突出部
30 内部
32 電解液
34 ガス
128 電解紙

Claims (4)

  1. 外装ケースと、前記外装ケースの開口部に取付けられた封口部材とを含むコンデンサ本体と、
    前記封口部材の外側に配置された樹脂層と
    を備え、
    前記封口部材のガス透過度で割った前記樹脂層のガス透過度が0.1以上であることを特徴とするコンデンサ。
  2. 前記封口部材と前記樹脂層の間に隙間が形成され、該隙間は外部と遮断されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記樹脂層のガス透過係数が前記封口部材のガス透過係数よりも小さく、かつ前記樹脂層が、前記封口部材よりも薄いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記コンデンサ本体の前記封口部材側に設置される台座をさらに備え、
    前記樹脂層は、前記台座と前記封口部材の間に配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のコンデンサ。
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