JP2021157402A - 磁気ドットアレイおよび磁気ドットアレイ計算素子 - Google Patents
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Abstract
Description
第2の態様によると、磁気ドットアレイは、第1の態様の磁気ドットアレイにおいて、複数の前記磁性部材の前記第1方向の一方の端部に電気的に接続されている第1配線と、 複数の前記磁性部材の前記第1方向の前記一方の端部とは異なる他方の端部に電気的に接続されている第2配線と、を有する。
第3の態様によると、磁気ドットアレイ計算素子は、第2の態様の磁気ドットアレイと、前記第1配線および前記第2配線を介して、複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つに入力信号を書込み、複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つに所定の電圧を印加し、複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つから出力信号を読み出す、制御部と、を備える。
以下で参照する各図に矢印で示したX方向、Y方向およびZ方向はそれぞれ直交する方向であるとともに、X方向、Y方向およびZ方向のそれぞれは各図において同一の方向を示している。
以下では、各矢印の示す方向を、それぞれ+X方向、+Y方向および+Z方向と呼ぶ。また、X方向の位置をX位置、Y方向の位置をY位置、Z方向の位置をZ位置と呼ぶ。
以下、図1および図2を参照して、第1実施形態の磁気ドットアレイ1について説明する。
図1は、第1実施形態の磁気ドットアレイ1の概要を示す図であり、図1(a)は、磁気ドットアレイ1の斜視図を示す図である。磁気ドットアレイ1は、磁性体を含む磁気ドット素子としての磁性部材10を複数有している。
すなわち、第1実施形態の磁気ドットアレイ1においては、複数の磁性部材10が、X方向とY方向に沿って直方格子状に配置されている。
それぞれのアクティブエリア33の、それぞれの制御線32よりも−X側であるソースは、それぞれ第2接続部17を介して、それぞれの磁性部材10の−Z側と電気的に接続されている。
なお、図1(a)においては、図面の複雑化を避けるために、基板35、絶縁膜36、第1接続部16、第2接続部17、第1配線30、第2配線31、およびアクティブエリア33の表示を省略している。
Y方向に配置される磁性部材10の数、および第1配線30の数も、図1(a)および図1(b)に示した4個に限られるわけではなく、任意の個数で良い。
なお、第1磁性体12は、他の例として、Tb(テルビウム)、およびFe(鉄)を主成分とする膜により構成されていても良い。
バリア層13は、一例として、マグネシウム(Mg)の酸化物(例えば、MgO)を主成分とする酸化物膜である。
なお、磁性部材10のそれぞれの部分(下部電極11、第1磁性体12、バリア層13、第2磁性体14、および上部電極15)を構成する物質は、上記の物質に限られるわけではなく、他の物質を用いても良い。
磁性部材10の−Z方向に形成されている第2接続部17は、下部電極11と同じ材料により、一体的に形成されていても良い。
第1接続部16のX方向およびY方向の長さ(幅)Rは、一例として5nm以上、かつ100nm以下である。
磁性部材10の+Z側の端部である上部電極15とX方向磁性増強部20bとの間の間隔Dは、一例として10nm以上である。また、X方向磁性増強部20bのZ方向の厚さは、一例として0.5nm以上、かつ10nm以下である。
X方向磁性増強部20bの±X方向の端部と磁性部材10の±X方向の縁部がX方向にオーバーラップする場合には、機械的な干渉を避けるために、第1接続部16の幅Rを、磁性部材10の幅Wよりも小さくする。
なお、十分な静磁気結合が得られる場合には、X方向磁性増強部20bのZ位置を、磁性部材10のZ位置と同じ位置、すなわち、磁性部材10のZ方向の長さの範囲と重なる位置に配置しても良い。
また、第1接続部16および磁性増強部20についても、同様にスパッタ法およびリソグラフィ法により形成することができる。
ここで、X方向は第1面であるXY面内の第2方向ということができ、Y方向はXY面(第1面)内の方向であって第2方向(X方向)と直交する方向ということができる。
以下、図3を参照して、変形例の磁気ドットアレイ1aについて説明する。なお、変形例の磁気ドットアレイ1aは多くの部分が、上述した第1実施形態の磁気ドットアレイ1と共通する。従って、以下では、第1実施形態の磁気ドットアレイ1との相違点について主に説明し、共通の構成については、同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
変形例の磁気ドットアレイ1aにおいては、上述のそれぞれの方位角の方向に隣接する2つの磁性部材10の間に、それぞれ磁性増強部20が配置されている。
また、磁気ドットアレイ1、1aの用途によっては、第1配線30および第2配線31の一方、または両方を有していなくても良い。
(1)以上の第1実施形態および変形例の磁気ドットアレイ1、1aは、磁性体(12、14)を含み第1方向(Z方向)と交差する第1面(XY面)に沿って2次元に配置されている複数の磁性部材10と、複数の磁性部材10の相互間に配置された磁性体からなる磁性増強部20と、を備えている。
この構成により、磁気ドットアレイ1、1aに含まれる複数の磁性部材10の間の静磁気結合を増強させることができる。
また、磁性増強部20により磁性部材10の間の静磁気結合が増強されるため、磁性部材10の配置の間隔を広げることができ、すなわち磁性部材10の微細度を緩めることができる。これにより、磁気ドットアレイ1、1aを製造する際の歩留まりを向上させることができる。
以下、図4を用いて、第2実施形態の磁気ドットアレイ計算素子50について説明する。なお、磁気ドットアレイ計算素子50に含まれる構成のうち、上述した磁気ドットアレイ1にも含まれるものについては、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
磁気ドットアレイ1の−X側には、磁気ドットアレイ1に含まれる第1配線30a〜30jおよび第2配線31a〜31jに所定の電気信号(電圧)を供給する、行制御部42が配置されている。
列制御部41および行制御部42を、合わせてまたは個々に、制御部40とも呼ぶ。
また、行制御部42は、それぞれ対になる第1配線30a〜30jと第2配線31a〜31jとの間の電気抵抗に相当する量も検出する。
このような列制御部41および行制御部42の構成についても、MRAMにおいてこれらに対応する部材の構成と共通しているので、詳細な説明は省略する。
第2グループ10G2は、複数の磁性部材10のうち、−Y側の端部から数えて(3m+2)番目の行に配置されている磁性部材10を含む。
第3グループ10G3は、複数の磁性部材10のうち、−Y側の端部から数えて3m番目の行に配置されている磁性部材10を含む。
図5(a)は、第1グループ10G1の磁性部材10に接続される第1配線30a、30d、30g、30jに印加される電圧である電圧信号Vaの時間変化を示している。
図5(c)は、第3グループ10G3の磁性部材10に接続される第1配線30c、30f、30iに印加される電圧である電圧信号Vcの時間変化を示している。
なお、上記の入力信号により第2磁性体14の磁化の向きを制御する技術は、例えば電圧書込み型のMRAMにおいて磁気記憶素子中の磁化の向きの制御する技術と同様である。
以下では、磁性部材10の中の第2磁性体14の磁化の向きのことを、単に、磁性部材10の磁化の向きとも呼ぶ。
第2実施形態の磁気ドットアレイ計算素子50では、上述した非特許文献1に記載される計算素子と同様に、上述のような磁場の非線形な加算現象を利用して、計算を行うものである。
信号の読出しにおいて、初めに列制御部41は、制御線32a〜32hのうち、信号を読み出すべき列に配置されている磁性部材10に対応する制御線(例えば制御線32d)に、図1(b)および図1(c)に示したMOSトランジスタ34を導通させる電圧を印加する。そして、信号を読み出すべき列以外の列に対応する制御線には、MOSトランジスタ34を非導通とさせる電圧を印加する。
なお、読み出された信号の処理については、後述する。
以下では、時刻T11からT17まで、または時刻T21からT27までに行われる一連の処理を1ステップと呼ぶ。
従って、磁気ドットアレイ計算素子50においては、磁性増強部20により、ある時点での信号に対し、それよりも過去、あるいはそれよりも未来の信号による影響を非線形に加算することができる。
なお、信号の読出しについても、必ずしも複数の磁性部材10の全てから信号を読み出す必要はなく、少なくとも1つの磁性部材10から信号を読み出せばよい。
(3)第2実施形態の磁気ドットアレイ計算素子50は、上述の第1実施形態および各変形例の磁気ドットアレイ1、1aと、第1配線30および第2配線31を介して、複数の磁性部材10の少なくなくとも1つに入力信号を書込み、複数の磁性部材10の少なくなくとも1つに所定の電圧を印加し、複数の磁性部材10の少なくなくとも1つから出力信号を読み出す、制御部40と、を備えている。
この構成により、磁気ドットアレイ計算素子50は、複数の磁性部材10の間の静磁気結合を増強させることができる。これにより、熱揺らぎ等により磁気的なノイズの影響を低減させ、すなわち計算性能を向上させることができる。
Claims (15)
- 磁性体を含み第1方向と交差する第1面に沿って2次元に配置されている複数の磁性部材と、
複数の前記磁性部材の相互間に配置された磁性体からなる磁性増強部と、
を備える、磁気ドットアレイ。 - 請求項1に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性部材は磁気トンネル接合を有する、磁気ドットアレイ。 - 請求項2に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁気トンネル接合は、前記第1方向に沿って順に配置されている第1磁性体と、バリア層と、第2磁性体とにより形成されている、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性部材と前記磁性増強部とは、前記第1方向の異なる位置に配置されている、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性部材の、前記第1面内の第2方向の長さと、前記第1面内の方向であって前記第2方向と直交する第3方向の長さとが等しい、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性増強部の前記第1面の面内方向の形状は、複数の前記磁性部材のうちの前記磁性増強部の近傍の2つの磁性部材の中心を結ぶ結合方向の長さが、前記結合方向と直交する方向の長さよりも大きい、磁気ドットアレイ。 - 請求項6に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性増強部の前記第1面の面内方向の形状は、複数の前記磁性部材のうちの前記磁性増強部の近傍の2つの磁性部材の中心を結ぶ方向に長軸を有する、楕円型形状である、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性部材の前記第1面の面内方向の長さは10nm以上、かつ300nm以下であり、複数の前記磁性部材の前記第1面の面内方向の間隔は10nm以上、かつ300nm以下である、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記第1面の面内方向における前記磁性増強部の端部と前記磁性部材の縁部との距離は0nm以上、かつ50nm以下である、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性増強部の前記第1方向の厚さは、0.5nm以上、かつ10nm以下である、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
複数の前記磁性部材は、直方格子状に配置されている、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
複数の前記磁性部材は、三角格子状に配置されている、磁気ドットアレイ。 - 請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の磁気ドットアレイにおいて、
複数の前記磁性部材の前記第1方向の一方の端部に電気的に接続されている第1配線と、
複数の前記磁性部材の前記第1方向の前記一方の端部とは異なる他方の端部に電気的に接続されている第2配線と、
を有する、磁気ドットアレイ。 - 請求項13に記載の磁気ドットアレイにおいて、
前記磁性部材と前記第2配線との間に、前記磁性部材と前記第2配線との電気的接続を制御するスイッチング素子を有する、磁気ドットアレイ。 - 請求項13または請求項14に記載の磁気ドットアレイと、
前記第1配線および前記第2配線を介して、
複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つに入力信号を書込み、
複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つに所定の電圧を印加し、
複数の前記磁性部材の少なくなくとも1つから出力信号を読み出す、制御部と、
を備える、磁気ドットアレイ計算素子。
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