JP2021156602A - 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム - Google Patents

誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム Download PDF

Info

Publication number
JP2021156602A
JP2021156602A JP2020054253A JP2020054253A JP2021156602A JP 2021156602 A JP2021156602 A JP 2021156602A JP 2020054253 A JP2020054253 A JP 2020054253A JP 2020054253 A JP2020054253 A JP 2020054253A JP 2021156602 A JP2021156602 A JP 2021156602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric material
parameters
dielectric
resonance component
calculated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020054253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7370060B2 (ja
Inventor
亮 坂巻
Ryo Sakamaki
亮 坂巻
雅弘 堀部
Masahiro Horibe
雅弘 堀部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2020054253A priority Critical patent/JP7370060B2/ja
Publication of JP2021156602A publication Critical patent/JP2021156602A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7370060B2 publication Critical patent/JP7370060B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Abstract

【課題】電磁界シミュレーション又は標準サンプルを用いることなく、マイクロ波帯においても、誘電体材料の誘電正接の高精度な評価を可能にする、誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システムを提供する。【解決手段】誘電体材料の評価装置であって、誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S1、S2)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする演算処理部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、チタン酸バリウムに代表されるセラミックス等の誘電体材料の誘電特性を計測するための、誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システムに関する。
近年、移動体通信機器の小型化や高性能化に伴い、マイクロ波回路構成用の誘電体基板の物性値、特に比誘電率εや誘電正接tanδといった誘電特性の、高精度な計測が必要とされている。
本発明者らは、誘電体材料の評価方法や装置について、研究開発を進め、既に提案や報告をしている(特許文献1、2、非特許文献1、2参照)。例えば、特許文献1では、高周波プローブを伝送線路の中ほどに接触させることにより、共振現象を発生させ、さらに、プローブ位置を変え、その時の電気特性の差分から誘電体基板の比誘電率の測定をする手法を提示した。該手法は、プローブ後方反射法と称される。非特許文献1では、さらにシミュレーションを用いることにより、誘電正接の導出も可能であることを示した。非特許文献2では、プローブ後方反射法と伝送線路理論を組み合わせ、さらに標準サンプルを用いることにより、マイクロ波帯からサブミリ波帯に至る周波数(3GHz〜340GHz)において、比誘電率と誘電正接の測定が可能であることを示した。また、特許文献2では、固定高周波プローブのZ軸方向の位置の位置決め機構について提案した。
特開2019−158652号公報 国際公開2017/203876号
Jap.J.Appl.Phys.,57,11UE01(2018) Jap.J.Appl.Phys.,58,SLLE02(2019)
従来、マイクロ波の中でも、センチメートル波帯(3〜30GHz)、ミリ波帯(30GHz〜0.3THz)、サブミリ波(0.3〜3THz)における、比誘電率や誘電正接の正確な評価手法の開発が望まれてきた。特に、移動体通信(5G)等で用いられるKaバンド(26〜40GHz)、レーダー・通信衛星等で用いられるVバンド(40〜75GHz)、さらに移動体通信(6G)(テラヘルツ帯等)等において、誘電体材料の誘電特性の高精度な測定が強く望まれている。
特許文献1及び非特許文献1、2の計測装置では、特に誘電正接の評価には、電磁界シミュレーション(非特許文献1参照)或いは標準サンプル(非特許文献2参照)が必要であった。また、電磁界シミュレーションはミリ波帯では信頼性が低下するという問題がある。また、標準サンプルを用いた評価手法も、評価結果はあくまで標準サンプルに対する相対値が導出できるのであって、絶対測定とはなっていない、という問題がある。
特許文献1では、比誘電率の評価は可能であったが、2つの位置での測定の差分を用いた誘電正接の評価は困難であった。
本発明は、上述した問題を解決しようとするものであり、マイクロ波帯およびミリ波帯においても、誘電特性、特に誘電正接を高精度で評価できる、誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システムを提供することを目的の1つとする。また、電磁界シミュレーション或いは標準サンプルを用いることなく、マイクロ波帯およびミリ波帯においても、誘電体材料の誘電特性の評価を可能にする、評価方法、評価装置及び評価システムを提供することを目的の1つとする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有するものである。
(1) 評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、前記2箇所の位置で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする、演算処理部と、を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価装置。
(2) 前記(1)記載の誘電体材料の評価装置は、評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、誘電体材料上の導体パターンに接触する一対のプローブを備え、前記一対のプローブのうちの一方のプローブに対する、他方のプローブの誘電体材料に対する位置を移動させて、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価装置。
(3) 前記演算処理部において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、前記(1)記載の誘電体材料の評価装置。
(4) 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、前記(1)記載の、誘電体材料の評価装置。
(5) 高周波電気特性評価装置に付属する高周波プローブを、誘電体材料の伝送線路の中ほどに接触させ、前記高周波プローブの位置を移動させて少なくとも2箇所の位置で、高周波電気特性評価装置により複素電力比の周波数特性を取得する工程と、前記2箇所で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する第1の演算処理工程と、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法を用いて、誘電正接を導出する第2の演算処理工程とを、少なくとも備えることを特徴とする、誘電体材料の評価方法。
(6) 前記第1の演算処理工程において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、前記(5)記載の誘電体材料の評価方法。
(7) 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、前記(5)記載の、誘電体材料の評価方法。
(8) 評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、誘電体材料上の導体パターンに接触する一対のプローブと、前記一対のプローブのうちの一方のプローブに対する、他方のプローブの誘電体材料に対する位置を移動させて、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、前記2箇所の位置で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする、演算処理部と、を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価システム。
(9) 前記演算処理部において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、前記(8)記載の誘電体材料の評価システム。
(10) 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、前記(8)記載の、誘電体材料の評価システム。
本発明の誘電体材料の評価装置、評価方法及び評価システムは、マイクロ波帯においても、誘電特性、特に誘電正接を高精度で評価できる効果を有する。
本発明では、電磁界シミュレーションを用いる必要がなくなり、より高精度な評価が実現できる。また、本発明では、標準サンプルを用いる必要がなくなり、評価工程の簡素化、評価速度の向上、装置の小型化が実現できる。
本発明に係る評価装置の主要部を説明する図である。 本発明に係る評価装置を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態の誘電体材料の評価方法は、高周波電気特性評価装置に付属する高周波プローブを、伝送線路の中ほどに接触させ、前記高周波プローブの位置を所定の距離シフトさせるたびに、高周波電気特性評価装置により複素電力比の周波数特性を取得する工程と、前記2箇所で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する第1の演算処理工程と、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法を用いて、誘電正接を導出する第2の演算処理工程とを、少なくとも備える。
本発明の実施形態の誘電体材料の評価装置は、評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、前記2箇所の位置で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする、演算処理部と、を備える。また、評価対象である誘電体材料の所定の方向(X軸方向と呼ぶ。)に離隔した位置において、誘電体材料上の導体パターンに接触する一対のプローブと、一対のプローブのうち、一方のプローブに対する他方のプローブの誘電体材料に対するX軸方向の位置を所定の距離ずつシフトさせるたびに、複素電力比の周波数特性を計測測定する高周波電気特性装置とを備えることができる。
本発明は、伝送線路上の複数の位置にプローブを移動させ、それぞれの位置において測定したSパラメータのデータセットから式(1)(2)を用いて差分であるSresを抽出して非理想的な成分を除去することに着目したものである。
Sパラメータとは、測定対象に対してiポートから複素平面で表現される電力を入力した時、jポートへの出力された複素平面で表現される複素電力の比である。この時のSパラメータはSijとして表現される。i=jの場合は測定対象の反射特性、i≠jの時は透過特性を評価することになる。式(2)は、測定されたSパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換する式である。式(1)は、二つの測定されたSパラメータ(S、S)から共振成分(Sres)を抽出する式である。
Figure 2021156602
誘電体材料の評価において、測定における寄生インピーダンスの影響を除去することが必要である。寄生インピーダンスの影響を除去するためには、予め寄生インピーダンスの大きさを評価しておく必要がある。従来技術の非特許文献1では、シミュレーションを用いて予め寄生インピーダンスの評価を行なっていた。一方、非特許文献2では標準サンプルを測定することによって、寄生インピーダンスの評価をおこなっていた。しかしこれらの手法はミリ波帯では利用が困難となる。本発明においては、式(1)において2つの位置での測定の差分を取得することによって、寄生インピーダンスの影響を除去することができる。2つの位置での測定の差分を用いる手法は、特許文献1でも提案されている。しかしながら、特許文献1の場合は、得られた2つの複素電力比から、共振周波数を取得して、その共振周波数を解析する。そのため、比誘電率の評価は可能であったが、2つの位置での測定の差分を用いた誘電正接の評価は実施していない。本発明では、式(1)を用いて誘電正接の評価が可能であることを見出した。
図1と図2は、本発明の実施形態に係る評価方法の前提となる、誘電体材料の誘電特性の計測方法を説明する図である。図1は、図2の評価装置の主要部のみを図示する。誘電特性の計測対象物である誘電体材料3(図2に示す。図1では略す。)の上に設けられた導体パターン1の表面には、その一方の端部(図1における左端)から他方に端部(図1における右端)に向けて移動する可動高周波プローブ2aと、他方の端部に固定された固定高周波プローブ2bが電気的に接触している。図1において、長さLの導体パターン1のX軸方向の左端を、原点とし、長手方向をX軸としたとき、X=Xのとき、可動高周波プローブ2aの基板左端までの距離(ライン長)はX、可動高周波プローブ2aと固定高周波プローブ2bまでの距離は、L−Xとなる。また、X=X’のとき、可動高周波プローブ2aの基板左端までの距離(ライン長)はX’、可動高周波プローブ2aと固定高周波プローブ2bまでの距離は、L−X’となる。
図2の評価装置を詳細に説明する。図2の評価装置は、プローブステーションのサンプルステージ6と、可動高周波プローブ2aと固定高周波プローブ2bと、同軸ケーブル4a、4bと、ベクトルネットワークアナライザ5と、演算処理部7とを備える。ベクトルネットワークアナライザ5は、高周波電気特性評価装置の一例である。高周波電気特性評価装置は、ベクトルネットワークアナライザに制限されない。例えば、周波数掃引をしながら複素電力を出力できる装置と、複素電力を入力して測定可能なパワーメータと、方向性結合器等で構成してもよい。
図2では、プローブステーションのサンプルステージ6上に、計測対象物である誘電体材料3が位置決めして載置されている。可動高周波プローブ2aと固定高周波プローブ2bは、プローブステーションに設けられるプローブステージ(図示せず)に支持されている。可動高周波プローブ2aは、より具体的には、可動高周波プローブ本体部材20aと、その中央に配置されたシグナル端子22aと、該シグナル端子の左右両側に配置された2個のグランド端子21aとから構成される。同様に、固定高周波プローブ2bは、より具体的には、固定高周波プローブ本体部材20bと、その中央に配置されたシグナル端子22bと、該シグナル端子の左右両側に配置された2個のグランド端子21bとから構成される。図2では、可動高周波プローブ2a、固定高周波プローブ2bからなる一対の高周波プローブの各端子が、誘電体材料3上の導体パターン1の左右両端にそれぞれ接触するよう配備されている。本実施形態では、導体パターン1は、中央部に位置するシグナルラインと、その両サイドに位置するグランドラインとに、電気的に3分割されている。グランドラインには、可動高周波プローブ2aの左右両側に配置された2個のグランド端子21aが接触する。シグナルラインには、中央のシグナル端子22aが接触する。各端子から延びる信号線は、それぞれ同軸ケーブル4aと4bとを形成し、ベクトルネットワークアナライザ5の両接続端子にそれぞれ接続されている。
可動高周波プローブ2aは、導体パターン1に対するX軸方向又はY軸方向の位置決めを行うプローブステージ(図示せず)に支持されている。一対のプローブのそれぞれについて誘電体材料に対するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向等の位置決めを独立して行う移動機構を備えることが好ましい。可動高周波プローブ2aのX軸方向又はY軸方向の位置については、工作機械などで使用されている位置決め機構と同様である。順路と復路で誤差が相殺されるため、X軸とY軸の位置決めに極端に高い精度は必要としない。可動高周波プローブ2a又は固定高周波プローブ2bのZ軸方向の位置については、例えば、プローブステージをZ軸に沿って少しずつ下降させて導体パターン1に接近させ、プローブからの入出力信号から算出される反射係数によりZ軸方向の最適位置を求めることができる(特許文献2参照)
ベクトルネットワークアナライザ5は、その片側ポートからの入射波に対するそれぞれのポートへの出射波の複素電力比(透過特性を示すS21あるいは反射特性を示すS11)、すなわち、伝送波電力/入射波電力(順方向の伝送係数)の、周波数特性を測定する装置である。入力する信号は何らかのパルスであればよく、特に制限はない。
本発明の実施形態の誘電体材料の評価方法は、具体的には、次の工程を含む。
[工程1] 高周波電気特性評価装置に付属する高周波プローブを、伝送線路の中ほどに接触させ、前記高周波プローブの位置を所定の距離シフトさせるたびに、高周波電気特性評価装置により複素電力比の周波数特性を取得する工程。
本実施形態では、まず可動高周波プローブ2aを、第1の位置Xにおいて複素電力比の周波数特性の測定を行なう。この時に得られた複素電力比をSとする。その後、可動高周波プローブ2aの位置を、第2の位置X’の位置に変更して、複素電力比の周波数特性の測定を行なう。この時に得られた複素電力比をSとする。S、S、Sresは、周波数によるので、S(f)、S(f)、Sres(f)とも記載する。
[工程2] その後、二つの測定されたSパラメータ(S、S)から共振成分(Sres)を抽出する工程。具体的には、式(1)及び(2)を用いて、Sresの算出を行なう。
本工程2は、非理想的な成分を除去する工程であり、測定における寄生インピーダンスの影響を除去するために必要な工程である。
[工程3] 得られた共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法を用いて、誘電正接tanδの導出を行う工程。
伝送線路理論では、伝送線路の形状因子(線路幅、厚み、表面粗さ等)から高周波線路の抵抗(R)、キャパシタンス(C)、インダクタンス(L)、コンダクタンス(G)成分を求めることができる。このうち、Gについては、tanδが変数の一つとなっている。本実施形態では、サブミリ波帯に至る周波数帯域(〜1THz)で利用できる伝送線路理論を用いて、R、C、Lを決定する。
共振成分Sres(f)から3dB法(非特許文献1参照)などを用いて、共振周波数frにおけるクォリティファクタQ(fr)値を求める。その後、測定結果であるQ(fr)値と式(3)〜(6)で計算される共振のクォリティファクタQline(fr)値が等しくなるようなtanδを求める。式中のFlowは、回路の幾何形状(線路の長さ、幅、厚み等)によって決まる係数である(非特許文献2参照)。式中のεは真空の誘電率、εは材料の比誘電率、ωは角周波数である。
Figure 2021156602
(第1の実施形態)
本実施形態においては、図1と図2の装置を用いて、工程1、2、3により、誘電正接を求める。
次に、本発明の実施形態における実施の結果を説明する。まず、公称比誘電率が9.8のアルミナ基板を準備した。前記アルミナ基板の上に金蒸着によって5mm長のコプレーナ伝送線路を形成した。その後、プローブ(可動高周波プローブ2a、固定高周波プローブ2b)を伝送線路の両端に配した。その後、可動高周波プローブ2aをX=0.0mm、0.8mm、0.9mmの位置に移動させて、各X、X’位置で各複素電力比(S、S2、0.8mm、S2、0.9mm)を取得した(工程1)。その後、式(1)及び式(2)を用いてSres、0.8mm、Sres、0.9mmを算出した(工程2)。得られたSresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法を用いることで、比誘電率と誘電正接の導出をおこなった(工程3)。
本発明実施形態を用いて導出した測定結果を次に示す。40GHzにおける比誘電率εの測定結果は、9.68となった。また、誘電正接tanδの評価結果は、3×10−5となった。これらの測定結果は、アルミナ(公称比誘電率が9.8)として妥当性のある値である。
上記実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明の誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システムは、電磁界シミュレーション又は標準サンプルを用いずに誘電特性を計測可能であり、誘電体材料の誘電特性を高精度で評価する装置や方法等として、産業上有用である。
1 導体パターン
2a 可動高周波プローブ
2b 固定高周波プローブ
3 誘電体材料
4a、4b 同軸ケーブル
5 ベクトルネットワークアナライザ
6 プローブステーションのサンプルステージ
7 演算処理部
20a 可動高周波プローブ本体部材
20b 固定高周波プローブ本体部材
21a、21b グランド端子
22a、22b シグナル端子

Claims (10)

  1. 評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、
    前記2箇所の位置で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする、演算処理部と、
    を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価装置。
  2. 前記請求項1記載の誘電体材料の評価装置は、
    評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、誘電体材料上の導体パターンに接触する一対のプローブを備え、
    前記一対のプローブのうちの一方のプローブに対する、他方のプローブの誘電体材料に対する位置を移動させて、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価装置。
  3. 前記演算処理部において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、請求項1記載の誘電体材料の評価装置。
  4. 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、請求項1記載の、誘電体材料の評価装置。
  5. 高周波電気特性評価装置に付属する高周波プローブを、誘電体材料の伝送線路の中ほどに接触させ、前記高周波プローブの位置を移動させて少なくとも2箇所の位置で、高周波電気特性評価装置により複素電力比の周波数特性を取得する工程と、
    前記2箇所で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する第1の演算処理工程と、
    前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法を用いて、誘電正接を導出する第2の演算処理工程とを、
    少なくとも備えることを特徴とする、誘電体材料の評価方法。
  6. 前記第1の演算処理工程において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、請求項5記載の誘電体材料の評価方法。
  7. 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、請求項5記載の、誘電体材料の評価方法。
  8. 評価対象である誘電体材料の所定の方向に離隔した位置において、誘電体材料上の導体パターンに接触する一対のプローブと、
    前記一対のプローブのうちの一方のプローブに対する、他方のプローブの誘電体材料に対する位置を移動させて、少なくとも2箇所の位置で、複素電力比の周波数特性を計測する高周波電気特性装置と、
    前記2箇所の位置で測定された前記複素電力比をそれぞれパラメータ(S、S)として、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出し、前記共振成分Sresから、サブミリ波伝送線路理論を用いた手法により誘電正接を導出する演算をする、演算処理部と、
    を備えることを特徴とする、誘電体材料の評価システム。
  9. 前記演算処理部において、2つの前記パラメータから共振成分Sresを算出する際、前記2つのパラメータを縦続接続回路で計算可能にするTパラメータに変換して、2つのパラメータ(S、S)から共振成分Sresを抽出することを特徴とする、請求項8記載の誘電体材料の評価システム。
  10. 誘電体材料の比誘電率及び誘電正接のうちの少なくともいずれかを評価することを特徴とする、請求項8記載の、誘電体材料の評価システム。

JP2020054253A 2020-03-25 2020-03-25 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム Active JP7370060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020054253A JP7370060B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020054253A JP7370060B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021156602A true JP2021156602A (ja) 2021-10-07
JP7370060B2 JP7370060B2 (ja) 2023-10-27

Family

ID=77917437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020054253A Active JP7370060B2 (ja) 2020-03-25 2020-03-25 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7370060B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116430124A (zh) * 2023-06-14 2023-07-14 赛恩领动(上海)智能科技有限公司 保险杠材料复介电常数的测试方法、装置、设备及介质

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017203876A1 (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 高周波プローブ位置補正技術
JP2019105541A (ja) * 2017-12-13 2019-06-27 日本無線株式会社 誘電体材料の定数測定装置
JP2019158652A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 国立研究開発法人産業技術総合研究所 誘電体材料評価装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017203876A1 (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 国立研究開発法人産業技術総合研究所 高周波プローブ位置補正技術
JP2019105541A (ja) * 2017-12-13 2019-06-27 日本無線株式会社 誘電体材料の定数測定装置
JP2019158652A (ja) * 2018-03-14 2019-09-19 国立研究開発法人産業技術総合研究所 誘電体材料評価装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116430124A (zh) * 2023-06-14 2023-07-14 赛恩领动(上海)智能科技有限公司 保险杠材料复介电常数的测试方法、装置、设备及介质
CN116430124B (zh) * 2023-06-14 2023-09-22 赛恩领动(上海)智能科技有限公司 保险杠材料复介电常数的测试方法、装置、设备及介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP7370060B2 (ja) 2023-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ghodgaonkar et al. A free-space method for measurement of dielectric constants and loss tangents at microwave frequencies
Narayanan Microstrip transmission line method for broadband permittivity measurement of dielectric substrates
US9941560B2 (en) Non-contact on-wafer S-parameter measurements of devices at millimeter-wave to terahertz frequencies
US20070029990A1 (en) Method and apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics of electronic device, and method for calibrating apparatus for measuring high-frequency electrical characteristics
CN111308221B (zh) 一种提取微波介质基板宽带连续介电特性的表征方法
Rashidian et al. A fast and efficient free-space dielectric measurement technique at mm-wave frequencies
JPWO2006090550A1 (ja) 伝送路材料の誘電率測定方法およびこの誘電率測定方法を用いた電子部品の電気特性測定方法
CN111880012B (zh) 微波介质基板宽带连续介电特性参数的检测方法
JP3404238B2 (ja) 高周波測定の校正標準器および校正法ならびに高周波用伝送線路の伝送損失の測定方法
JP7370060B2 (ja) 誘電体材料の評価方法、評価装置及び評価システム
JP7065502B2 (ja) 誘電体材料評価装置
JP2000046756A (ja) 金属層界面の導電率測定方法
Ardakani et al. Accurate on-wafer measurement technique for e-band mhmic communication systems
Kato et al. Improvement of transmission/reflection method for permittivity measurement using long fixtures with time-domain analysis approach
Sorensen et al. Design of TEM transmission line for probe calibration up to 40 GHz
JP3912429B2 (ja) 電子部品の高周波電気特性測定方法および装置、高周波電気特性測定装置の校正方法
Azeez et al. Establishing a new form of primary impedance standard at millimeter-wave frequencies
JP5566747B2 (ja) ミリ波伝送線路、これを用いた回路基板、および回路基板の測定方法
Kang One-port calibration of free-space material measurement system using planar offset short
Stec et al. Fast and accurate extraction of complex permittivity from surface imaging with SPDR scanner and hand-held VNAs
Orlob et al. Characterization of electromagnetic properties of molded interconnect device materials
Shitvov et al. Transmission/reflection measurement and near-field mapping techniques for passive intermodulation characterisation of printed lines
Hinojosa Permittivity characterization from open‐end microstrip line measurements
Ahn et al. An accurate and instantaneous permittivity measurement using modified multi-line method
CN117607771B (zh) 电磁信号测量校准系统及多端口矩阵变换校准方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7370060

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150