JP2021156568A - 重油脱硫装置用熱交換器の洗浄方法 - Google Patents
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
Description
(1)重油脱硫装置用熱交換器の洗浄方法であって、
15℃における密度が0.85〜1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.00質量%以下である重油脱硫装置用被処理油を90.0〜99.0容量%含有するとともに、
接触分解軽油、接触分解残渣油および潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトから選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40.0〜80.0質量%である燃料油基材を1.0〜10.0容量%含有する洗浄用鉱油を、
重油脱硫装置用熱交換器に流通する
ことを特徴とする重油脱硫装置用熱交換器の洗浄方法、
(2)前記重油脱硫装置用熱交換器に対し、重油脱硫装置用被処理油のみを流通させた後、前記洗浄用鉱油を流通させる処理を繰り返し行う上記(1)に記載の洗浄方法、
(3)前記洗浄方法が以下の式(I)
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用鉱油を流通させる前に流通させた重油脱硫装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用鉱油を流通させたときの洗浄用鉱油の流通量(L)、Cは前記洗浄用鉱油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用鉱油を流通させることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の洗浄方法、
(4)前記重油脱硫装置用被処理油が、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留軽油、減圧蒸留残渣油および低硫黄重油から選ばれる一種以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の洗浄方法
を提供するものである。
15℃における密度が0.85〜1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.00質量%以下である重油脱硫装置用被処理油を90.0〜99.0容量%含有するとともに、
接触分解軽油、接触分解残渣油および潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトから選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40.0〜80.0質量%である燃料油基材を1.0〜10.0容量%含有する洗浄用鉱油を、
重油脱硫装置用熱交換器に流通する
ことを特徴とするものである。
重油脱硫装置用被処理油のアスファルテン含有量が上記範囲内にあることにより、熱交換器に付着する汚れを低減または抑制し易くなり、また、洗浄処理後に重油脱硫装置から得られる重質留分を工業炉やボイラーなどで使用した際に、スラッジ堆積量を容易に抑制することができる。
なお、本出願書類において、沸点範囲は、JIS K2254:1998により測定される値を意味する。
重油脱硫装置用被処理油の90容量%留出温度が上記範囲内であることにより、熱交換器の汚れ原因と考えられる重質なワックス留分の含有量が抑制され、効果的に汚れを低減することができる。
なお、本出願書類において、90容量%留出温度は、JIS K2254:1998で測定される値を意味する。
燃料油基材の芳香族分含有量が上記範囲内にあることにより、洗浄用鉱油が優れた溶解力を発揮して、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
燃料油基材の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、熱交換器の汚れ原因と考えられる重質なワックス留分の含有量が抑制され、効果的に汚れを低減することができる。
燃料油基材のアスファルテン含有量が上記範囲内であることにより、重油脱硫装置用熱交換器に付着する汚れを容易に低減または抑制することができる。また、洗浄処理後に重油脱硫装置から得られる重質留分を工業炉やボイラーなどで使用した際に、スラッジ堆積量を容易に抑制することができる。
燃料油基材が上記留分を含むことにより、重油脱硫装置への影響を抑制しつつ、重油脱硫装置用被処理油の処理量をさほど落とすことなく、重油脱硫装置の連続運転を止めずに熱交換器に付着した汚れを低減させることができる。
接触分解軽油の芳香族分含有量が上記範囲内であることにより、混合して得られる洗浄用鉱油の溶解力が向上し、効果的に重油脱硫装置用熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
接触分解軽油の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、燃料用基材を重油脱硫装置用被処理油に混合する際、重質なワックスの含有量が容易に抑制され、効果的に汚れを低減できる。
接触分解軽油のアスファルテン含有量が上記範囲内にあることにより、重油脱硫装置用熱交換器に付着する汚れを容易に低減または抑制することができる。また、洗浄処理後に重油脱硫装置から得られる重質留分を工業炉やボイラーなどで使用した際に、スラッジ堆積量を容易に抑制することができる。
接触分解残渣の芳香族分含有量が上記範囲内であることにより、混合して得られる洗浄用鉱油の溶解力が向上し、効果的に重油脱硫装置用熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
〜580℃であることが好ましく、410〜580℃であることがより好ましく、420〜580℃であることがさらに好ましい。
接触分解残渣油の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、燃料用基材を重油脱硫装置用被処理油に混合する際、重質なワックスの含有量が容易に抑制され、効果的に汚れを低減できる。
接触分解残渣油のアスファルテン含有量が上記範囲内にあることにより、重油脱硫装置用熱交換器に付着する汚れを容易に低減または抑制することができる。また、洗浄処理後に重油脱硫装置から得られる重質留分を工業炉やボイラーなどで使用した際に、スラッジ堆積量を容易に抑制することができる。
上記フルフラール等で抽出した残分は、ラフィネートと称される潤滑油基油として使用されることから、エキストラクトは工業的には潤滑油製造工程で得られるものである。
エキストラクトの芳香族分含有量が上記範囲内にあることにより、混合して得られる洗浄用鉱油の溶解力が向上し、効果的に重油脱硫装置用熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
エキストラクトの90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、燃料用基材を重油脱硫装置用被処理油に混合する際、重質なワックスの含有量が容易に抑制され、効果的に汚れを低減できる。
エキストラクトのアスファルテン含有量が上記範囲内であることにより、重油脱硫装置用熱交換器に付着する汚れを低減または抑制することができる。また、洗浄処理後に重油脱硫装置から得られる重質留分を工業炉やボイラーなどで使用した際に、スラッジ堆積量を抑制することができる。
重油脱硫装置用被処理油としては、上述したものと同様のものを挙げることができる。
重油脱硫装置用被処理油を流通した後の燃料油基材を含有する洗浄用鉱油の流通は定期的に行ってもよいし、非定期的に行ってもよいが、定期的に行うことが好ましい。
このように、重油脱硫装置用被処理油の流通と、燃料油基材を含有する洗浄用鉱油の流通を交互に行うことにより、重油脱硫装置装置の連続運転を止めずに重油脱硫装置用熱交換器に付着した汚れを十分にかつ簡便に低減することができる。
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用鉱油を流通させる前に流通させた重油脱硫装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用鉱油を流通させたときの洗浄用鉱油の流通量(L)、Cは前記洗浄用鉱油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用鉱油を流通させることが好ましい。
式(I)において、重油脱硫装置用被処理油のみを流通させた後、洗浄用鉱油を流通させる処理を繰り返し行ったときは、重油脱硫装置用被処理油のみの流通とその直後の洗浄用鉱油の流通を1つの処理として、各処理時における、重油脱硫装置用被処理油の流通量をV1(L)、洗浄用鉱油の流通量をV2(L)として、上記比を算出する。
(1)原料油
重油脱硫装置用被処理油として、表1に示す物性を有する脱硫重油1を用意するとともに、燃料油基材として、表1に示す物性を有する接触分解残渣油(SLO)1を用意した。
上記重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油1)を90.0容量%、SLO1を10.0容量%の割合で混合して洗浄用鉱油1とした。
図1に概略断面図で示すように、重質油タンクT1に貯蔵されホットプレートHPにより70℃に加温された1.2Lの上記重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油1)を、同じく(図示しない)リボンヒーターにより流路全体が70℃に維持された流通配管c(直径6.5mm)内にポンプPを用いて毎分20mLで送液しつつ、上記重油脱硫装置用被処理油の流通配管内にヒーターロッドR(ステンレス鋼製、長さ200mm、直径6mm)を配置した加熱ヒーターHTを設定温度400℃で加熱して上記重質油タンクT1に返送する操作を40分間継続した後、バルブV1を切り替え、洗浄タンクT2に貯蔵された洗浄用鉱油1を毎分10mLで10分間通油した。この際バルブV2を開くことで洗浄用鉱油が原料タンクに混入しないようにした。
このとき、加熱ヒーターHTの下流側に設けられ150℃に加温されたフィルターFで加熱ヒーターHTから流出する堆積物(汚れ)を捕集したときの、フィルターFの入口および出口間における差圧を測定した。結果を表2および図2に示す。
洗浄用鉱油を通油せず、重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油1)を50分間継続して送液した以外は、実施例1と同一の条件でフィルターFの入口および出口間における差圧を測定した。
結果を表2および図2に示す。
一方、表2および図2より、比較例1では洗浄用鉱油を通液しないために、フィルターFの入口および出口間における差圧が時間経過とともに上昇していることが分かる。
一方、比較例1では、洗浄用鉱油を通油していないことから、フィルターFの入口および出口間の差圧が時間経過とともに上昇し、重油脱硫装置用被処理油の流通量の増加とともにヒーターロッドRに付着する汚れが増加していることが分かる。
(1)原料油
重油脱硫装置用被処理油として、表4に示す物性を有する脱硫重油2を用意するとともに、燃料油基材として、表4に示す物性を有する接触分解残渣油2(SLO2)を用意した。
上記重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油2)を90.0容量%、SLOを10.0容量%の割合で混合して洗浄用鉱油2とするとともに、脱硫重油2を92.0容量%、SLO2を8.0容量%の割合で混合して洗浄用鉱油3とした。
図1に概略断面図で示すように、重質油タンクT1に貯蔵されホットプレートHPにより70℃に加温された1.2Lの上記重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油2)を、同じく(図示しない)リボンヒーターにより流路全体が70℃に維持された流通配管c(直径6.5mm)内にポンプPを用いて毎分20mLで送液しつつ、上記重油脱硫装置用被処理油の流通配管内にヒーターロッドR(ステンレス鋼製、長さ200mm、直径6mm)を配置した加熱ヒーターHTを設定温度400℃で加熱して上記重質油タンクT1に返送する操作を200分間継続した後、バルブV1を切り替え、洗浄タンクT2に貯蔵された洗浄用鉱油2を毎分20mLで5分間通油した。この際バルブV2を開くことで洗浄用鉱油2が原料タンクに混入しないようにした。
このとき、加熱ヒーターHTの下流側に設けられ150℃に加温されたフィルターFで加熱ヒーターHTから流出する堆積物(汚れ)を捕集したときの、フィルターFの入口および出口間における差圧を測定した。結果を表5および図3に示す。
(1)原料油
重油脱硫装置用被処理油として、実施例2で用いた脱硫重油2を用意するとともに、燃料油基材として、実施例2で用いた接触分解残渣油2(SLO2)を用意した。
上記重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油2)を92.0容量%、SLO2を8.0容量%の割合で混合して洗浄用鉱油3とした。
(2)洗浄方法
洗浄用鉱油2に代えて洗浄用鉱油3を用いた以外は、実施例2(2)と同一の条件で処理し、フィルターFの入口および出口間における差圧を測定した。
結果を表5および図3に示す。
洗浄用鉱油を通油せず、重油脱硫装置用被処理油(脱硫重油2)を
205分間継続して送液した以外は、実施例2と同一の条件でフィルターFの入口および出口間における差圧を測定した。
結果を表5および図3に示す。
一方、表5および図3より、比較例2では洗浄用鉱油を通液しないために、フィルターFの入口および出口間における差圧が時間経過とともに上昇していることが分かる。
一方、比較例2では、洗浄用鉱油を通油していないことから、フィルターFの入口および出口間の差圧が時間経過とともに上昇し、重油脱硫装置用被処理油の流通量の増加とともにヒーターロッドRに付着する汚れが増加していることが分かる。
V1、V2 :切り替えバルブ
HP :ホットプレート
c :流通配管
HT :加熱ヒーター
R :ヒーターロッド
P :ポンプ
F :フィルター
Claims (4)
- 重油脱硫装置用熱交換器の洗浄方法であって、
15℃における密度が0.85〜1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.00質量%以下である重油脱硫装置用被処理油を90.0〜99.0容量%含有するとともに、
接触分解軽油、接触分解残渣油および潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトから選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40.0〜80.0質量%である燃料油基材を1.0〜10.0容量%含有する洗浄用鉱油を、
重油脱硫装置用熱交換器に流通する
ことを特徴とする重油脱硫装置用熱交換器の洗浄方法。 - 前記重油脱硫装置用熱交換器に対し、重油脱硫装置用被処理油のみを流通させた後、前記洗浄用鉱油を流通させる処理を繰り返し行う請求項1に記載の洗浄方法。
- 前記洗浄方法が以下の式(I)
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用鉱油を流通させる前に流通させた重油脱硫装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用鉱油を流通させたときの洗浄用鉱油の流通量(L)、Cは前記洗浄用鉱油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用鉱油を流通させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。 - 前記重油脱硫装置用被処理油が、常圧蒸留残渣油、減圧蒸留軽油、減圧蒸留残渣油および低硫黄重油から選ばれる一種以上である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の洗浄方法。
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