JP5593328B2 - 全原油ファウリングを低減するための原油への高分子量ナフテンテトラ酸の添加 - Google Patents

全原油ファウリングを低減するための原油への高分子量ナフテンテトラ酸の添加 Download PDF

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Description

開示される主題は、製油所および石油化学プラントでの全原油(又は原油全体)、ブレンド(又は混合物)およびフラクション(又は画分)の処理に関する。特に、開示される主題は、製油所(又は石油精製)処理装置でのファウリングを低減するために高分子量ナフテンテトラ酸(naphthenic tetra-acid)をベース原油に添加することによる原油ファウリング低減に関する。
ファウリングは、処理設備の表面上への望ましくない物質の蓄積と一般に定義される。石油処理では、ファウリングは、熱交換器表面上への望ましくない炭化水素ベース沈着物の蓄積である。それは、精製および石油化学処理システム(又は設備)のデザイン(又は設計)および運転におけるほぼ普遍的な問題と認められてきたし、2つの態様で装置の運転に影響を及ぼす。第1に、ファウリング層は低い熱伝導率を有する。これは、伝熱に対する抵抗を増加させ、熱交換器の有効性を低下させる。第2に、沈着が起こるにつれて、断面積は減少し、それは、装置にわたって圧力損失の増加を引き起こし、熱交換器での非効率的な圧力および流れを生み出す。
石油タイプの流れに関連した熱交換器でのファウリングは、化学反応、腐食、不溶性物質の沈着、および流体と熱交換壁との間の温度差によって不溶性にされた物質の沈着を含む多くのメカニズムに由来し得る。例えば、本発明者らは、図1および2に例えば示されるように、低硫黄、低アスファルテン(LSLA:low-sulfur low asphaltene)原油および高硫黄、高アスファルテン(HSHA:high-sulfur high asphaltene)原油ブレンドが、酸化鉄(さび)粒子状物質が存在するときに、ファウリングの顕著な増加を被ることを示した。
急速なファウリングのより一般的な基本的原因の1つは、特に、原油アスファルテンがヒーターチューブ表面温度に曝され過ぎるときに起こるコークの形成である。交換器の反対側の液体は全原油よりはるかに熱く、比較的高い表面またはスキン温度をもたらす。アスファルテンは油から沈澱し、これらの熱い表面に付着し得る。急速なファウリングの別の一般的な原因は、塩および粒子状物質の存在に起因する。塩/粒子状物質は原油から沈澱し、熱交換器の熱い表面に付着し得る。無機汚染物質は、全原油およびブレンドのファウリングで開始役割および促進役割の両方を果たす。酸化鉄、炭酸カルシウム、シリカ、塩化ナトリウムおよびカルシウムは全て、ファウリングされたヒーターロッドの表面におよびコーク沈着の全体にわたって直接付着することが分かった。
とりわけ後方系列(late-train)交換器での、かかる表面温度への長期の暴露は、有機化合物およびアスファルテンのコークへの熱分解を可能にする。コークは次に断熱材として働き、装置を通過する油を表面が加熱するのを妨げることによって熱交換器の伝熱効率損失に関与する。塩、沈降物および粒子状物質は、予熱系列(pre-heat train)熱交換器、炉および他の下流装置のファウリングに主な役割を果たすことが示された。脱塩装置はそれでもやはり、製油所がかかる汚染物質を除去しなければならない唯一の機会であり、効率の悪さは、原油供給物とかかる物質のキャリーオーバーにしばしば起因する。
製油所における油のブレンディングは一般的であるが、ある種のブレンドは非相溶であり、処理設備を急速に汚し得るアスファルテンの沈澱を引き起こす。原油の不適切な混合は、伝熱効率を低下させることが知られているアスファルテンの沈降を引き起こし得る。未処理原油のほとんどのブレンドは潜在的に非相溶であるわけではないが、いったん非相溶ブレンドが得られると、生じる急速なファウリングおよびコーキングは通常、短時間に精製プロセスをシャットダウンすることを要求する。製油所をより利益をもたらすレベルに戻すために、ファウリングされた熱交換器はきれいにする必要があり、それは典型的には、下に議論するように、運転の停止を必要とする。
熱交換器管内ファウリングは、損失効率、処理能力、および追加のエネルギー消費のために石油製油所に毎年数億ドルのコストをかける。エネルギーの増加コストで、熱交換器ファウリングはプロセス収益性により大きい影響を及ぼす。石油製油所および石油化学プラントはまた、伝熱設備での全原油、ブレンドおよびフラクションの熱処理中に起こるファウリングの結果として必要とされる洗浄のために高い運転コストを被る。多くのタイプの製油所設備がファウリングによって影響を受けるが、コスト見積は、予熱系列交換器での全原油、ブレンドおよびフラクションのファウリングのために損益の大部分が起こることを示した。
熱交換器ファウリングは、洗浄工程のためのコストのかかるシャットダウンを製油所に頻繁に用いさせる。現在、ほとんどの製油所は、化学的または機械的洗浄を行うために熱交換器を運転休止にすることによって熱交換器管束のオフライン洗浄を実施している。この洗浄は、予定時間もしくは慣例を、または実際の監視ファウリング状態をベースにすることができる。かかる状態は、熱交換効率の損失を評価することによって決定することができる。しかしながら、オフライン洗浄は運転を中断する。これは非生産の期間が存在すると予想されるため、小さい製油所にとって特に負担となり得る。
ナフテン酸は、微量成分としてほとんどの原油中におよびかなりより大きい濃度で幾つかの生分解油中に存在するカルボン酸である。原油中の全酸は、KOHでの滴定によって半定量化され、全酸価(TAN:total acid number)の観点から表される。高TAN油の酸性度は、生産および精製の両方でエマルジョンおよび腐食問題を引き起こす可能性がある。最近ナフテン酸ナトリウムおよびカルシウムと同定された固体沈着物は、生産のかなりの損害および損失をもたらし得る。
ある種の条件下では、酸性原油中に存在するナフテン酸は、併産水中に存在するCa+2イオンで沈澱してナフテン酸カルシウム固形分を形成するであろう。様々な金属ナフテン酸塩を形成する他のカチオン(例えば、ナトリウム、第一鉄およびマグネシウム)がより少ない程度に含まれる。この固体沈澱物は、油−水分離器および脱塩装置中に主として蓄積するが、ナフテン酸塩はまた管およびパイプライン中に沈着し得る。
多くの研究が、カルシウム沈着物に関与するナフテン酸を特性化するために進められてきた。ARN酸と称される、特異な系統の高分子量テトラカルボン酸がナフテン酸カルシウム沈着物に関与する主成分であることが最近分かった(ARNは頭字語ではないが、「ワシ」に対する古ノルウェー語である)。ARN酸は、それぞれ長い脂肪族鎖の末端に4個のカルボン酸基を持った、極性先端を持った四指状の分子を形成する高分子量分子である。ARN酸は、特異な系統の〜C80テトラカルボン酸である。ARN酸の大部分は、主な酸の1つが1232amuの分子量およびC80142の分子式を有して、約1228〜約1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する。ARN酸は芳香族またはアルケン官能が存在しないし、第四級炭素は存在しない。ARN酸は、4〜8部位の不飽和(または4〜8個のシクロペンチル環)を有することができ、古細菌C80脂質に由来すると考えられる。
質量1232の主なARN酸の提案された構造は、6:17,10:18,10’:18’,6’’:17’’,10’’:18’’,10’’:18’’)−ヘキサシクロ−20−ビス−16,16’’−ビフィタン−1,1’,1’’,1’’’−テトラカルボン酸である。この分子は、非特許文献1に記載されているように、それぞれ3個の五環系環がC20メチル基で結合によって結合した、2個のビフィタニル二酸を含有する。非特許文献1は、参照することによって本明細書にそのまま組み込まれる。
古細菌C80イソプレノイドテトラ酸の代表的な構造は下に示される:
Figure 0005593328
4個のカルボン酸基は、分子の異常に高い反応性を提供する。4個のカルボン酸基は、それらが二価の金属イオンと配位するときに高分子塩を生み出す傾向がある。この織り込まれたポリマー様構造は、空気と接触すると硬化する非常に粘着性のある沈着物をもたらす。
Lutnaes B.F., Brandal φ., Sjoeblom J., and Krane J. (2006) Archaeal C80 isoprenoid tetraacids responsible for naphthenate deposition in crude oil processing, Organic & Biomolecular Chemistry 4, 616-620
粒子状物質がファウリングを促進し得る、およびアスファルテンが熱分解されるまたはコーク化されることになる前に加熱表面から粒子状物質およびアスファルテンの沈澱/付着を防ぎ得ることが必要である。コーキングメカニズムは温度および時間の両方を必要とする。時間的要因は、粒子状物質を表面から離れて保つことによって、およびアスファルテンを溶液に保つことによって大きく低減することができる。ファウリングのかかる低減および/または排除は、コストのかかるファウリング軽減選択肢の必要性をまた低減しながら、延長した運転長さ(より少ない洗浄)、向上した性能およびエネルギー効率につながるであろう。
開示される主題の目的および利点は、本発明の実施によって分かるだけでなく、次に続く説明に述べられ、その説明から明らかであろう。本発明の追加の利点は、添付の図面からだけでなく、明細書およびそれのクレームに特に指摘される方法およびシステムによって実現されるおよび達成されるであろう。
具象化されるおよび広範に記載されるような、これらのおよび他の利点を達成するためにならびに本発明の一態様に従って、本発明は、原油製油所(又は石油精製)構成要素でのファウリングの低減方法を含む。本方法は、ベース原油を準備(又は提供)する工程と;高分子量ナフテンテトラ酸を準備(又は提供)する工程と;有効量の高分子量ナフテンテトラ酸をベース原油に添加して原油混合物を形成する工程と;原油混合物を原油製油所構成要素に供給する工程とを含む。ベース原油は、全原油(又は原油全体)または少なくとも2種の原油のブレンドの1つであることができる。原油製油所構成要素は、熱交換器、炉、蒸留塔、スクラバー、反応器、液体ジャケット付きタンク、パイプスチル、コーカー、またはビスブレーカーであることができる。
有効量の高分子量ナフテンテトラ酸のベース原油への添加は好ましくは、少なくとも30パーセントまでファウリングを低減する。一実施形態での高分子量ナフテンテトラ酸の有効量は、重量基準で百万部当たり約50〜約1000部(wppm)である。好ましくは、高分子量ナフテンテトラ酸は、1230原子質量単位(amu)を超える原子分子量を有するARN酸である。別の実施形態に従って、高分子量ナフテンテトラ酸は、ナフテン酸カルシウム塩から抽出される。ナフテン酸カルシウム塩は、ナフテン酸カルシウム沈着物であって、原油の生産から生じる沈着物から抽出することができる。
開示される主題の別の態様は、ファウリングされた原油製油所構成要素を運転する工程と原油混合物をファウリングされた原油製油所構成要素に供給する工程とによるファウリングされた原油製油所構成要素のオンライン洗浄方法を含む。原油混合物は、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む。高分子量ナフテンテトラ酸の有効量は、重量基準で百万部当たり約100〜500部である。
別の態様によれば、開示される主題には、粒子状物質またはアスファルテンファウリングに関連したファウリング条件を経る(又は経由する)ことができるシステム(又は設備)が含まれる。このシステムは、少なくとも1つの原油製油所構成要素、および原油製油所構成要素と流体連絡(又は連結)した混合物であって、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む混合物を含む。一実施形態に従って、原油は高中和価(HNN:high neutralization number)原油である。HNN原油は、高溶解力分散力(HSDP:high solvency dispersive power)油であることができる。
別の態様によれば、開示される主題には、ファウリング軽減が向上した原油であって、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む原油が含まれる。高分子量ナフテンテトラ酸の有効量は、重量基準で百万部当たり約100〜約500部(wppm)である。高分子量ナフテンテトラ酸はARN酸であることができる。特に、一実施形態に従って、典型的なARN酸は古細菌C80イソプレノイドである。一実施形態では、ARN酸は、約1228〜約1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有することができる。別の実施形態では、ARN酸は、約1230原子質量単位(amu)超の原子分子量を有する。本発明は、これらの例に限定されることを意図されず;むしろ、様々な原子分子量の様々な高分子量ナフテンテトラ酸が十分に本発明の範囲内であると考えられる。
別の態様によれば、開示される主題には、ファウリング軽減が向上したかまたはオンライン洗浄効果のある原油の製造方法であって、ベース原油を提供する工程と、有効量の高分子量ナフテンテトラ酸をベース原油に添加して原油混合物を形成する工程とを含む方法が含まれる。
開示される主題のこれらのおよび他の特徴は、添付の図面と併用されて、開示される主題の原理を例として例示する、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
次に、開示される主題を、添付の図面を参照して説明する。
開示される主題に従って用いられるAlcor熱液体プロセスシミュレーター(Alcor Hot Liquid Process Simulator)(AHLPS)の略図である。 低硫黄、低アスファルテン(LSLA)原油のファウリングへの粒子状物質の影響を例示するグラフである。 高硫黄、高アスファルテン(HSHA)原油ブレンドのファウリングへの粒子状物質の影響を例示するグラフである。 有効量の高分子量ナフテンテトラ酸がブレンドに添加されるときに粒子状物質での原油ブレンドのファウリングへの影響を例示するグラフである。
次に、開示される主題の様々な態様について言及する。本発明の方法および相当する工程を、本明細書に提供される図および例を参照して説明する。
開示される主題に従って、原油製油所でのファウリングの低減方法が提供される。ファウリングのこの低減は、高分子量ナフテンテトラ酸をベース原油に添加する工程と、この混合物を原油製油所構成要素に供給する工程とによって達成される。有効量の高分子量ナフテンテトラ酸およびベース原油を含む原油混合物は、ファウリングのかなりの低減を示す。これは、例えば、熱交換器などの、原油製油所構成要素内での改善された伝熱および流れをもたらす。あるいはまた、高分子量ナフテンテトラ酸を含有するブレンド用原油が使用されてもよい。この酸を含有するブレンド用原油は、ブレンドされた供給原料が原油製油所構成要素に供給される前にベース原油とブレンドされる。
あるいはまたはさらに、ファウリングされた原油製油所構成要素のオンライン洗浄方法がまた提供される。本方法は、ファウリングされた原油製油所構成要素を運転する工程と、ブレンドされた原油をファウリングされた原油製油所構成要素に供給する工程とを含む。ブレンドされた原油は、ベース原油と有効量の高分子量ナフテンテトラ酸とのブレンドを含む。特に、高分子量ナフテンテトラ酸は、伝熱効率および回収される炉コイル−入口温度(CIT:coil-inlet temperature)を改善するべく既にファウリングされた原油予熱系列交換器および他の製油所構成要素のオンライン洗浄を行うためにブレンドされる原油に添加することができる。高分子量ナフテンテトラ酸を含む原油混合物はまた、コーキングが熱交換器表面に影響を及ぼし得る前に定期的な保守スケジュールでいかなる沈着物および/または沈澱物をも除去するために熱交換設備を通してフラッシュすることができる。伝熱効率の向上は、エネルギー節約および環境上の利益をもたらす。
一般に、ベース原油は、全原油、2種以上の原油のブレンドまたはそれらの画分からなることができる。ベース原油への高分子量ナフテンテトラ酸の添加は、原油製油所構成要素でのファウリングを低減するのに有効である。原油製油所構成要素は一般に、ファウリングを受けやすい、または受けやすい可能性がある、油精製プロセスなどの、粗炭化水素を精製するためのプロセスの装置または手段を意味する。原油製油所構成要素には、熱交換器、炉、原油予熱器、コーカー予熱器、または任意の他のヒーター、FCCスラリーボトム、脱ブタン装置交換器/塔、製油所施設での他の供給物/流出物交換器および炉空気予熱器、製油所施設でのフレア圧縮機構成要素および石油化学施設でのスチームクラッカー/改質装置チューブなどの伝熱構成要素が含まれるが、それらに限定されない。原油製油所構成要素には、分留塔または蒸留塔、スクラバー、反応器、液体ジャケット付きタンク、パイプスチル、コーカーおよびビスブレーカーなどの、伝熱が行われる可能性がある他の手段もまた含まれ得る。原油製油所構成要素が、チューブ、パイプ、邪魔板ならびに上述の粗炭化水素製油所構成要素の任意の1つのインターナルである、任意の1つを少なくとも部分的に構成する、および/または任意の1つと直接に流体連結している他のプロセス輸送メカニズムをまた包含できることは理解される。
高分子量ナフテンテトラ酸の添加は、粒子状物質誘発ファウリングおよび/またはアスファルテンファウリングを低減するかまたは防ぐのに特に好適であるが、それらに限定されるものではない。粒子状物質誘発ファウリングは一般に、可変量の有機または無機粒子状物質の存在によって主として引き起こされるファウリングを意味する。有機粒子状物質(沈澱したアスファルテンおよびコーク粒子などの)には、プロセス条件の変化(例えば、温度、圧力、または濃度変化)または供給流れの組成の変化(例えば、化学反応の発生による変化)時に溶液から析出した不溶性物質が含まれるが、それらに限定されるものではない。無機粒子状物質には、シリカ、酸化鉄、硫化鉄、アルカリ土類金属酸化物、塩化ナトリウム、塩化カルシウムおよび他の無機塩が含まれるが、それらに限定されるものではない。これらの粒子状物質の一主要源は、脱塩および/または他の粒子状物質除去プロセス中の不完全な固形分除去に起因する。固形分は、伝熱設備の表面積を変更することによる物理的効果のために原油およびブレンドのファウリングを促進し、壁温度でのより長いホールドアップ時間を可能にし、アスファルテンおよび/または原油からのコーク形成を引き起こす。
高分子量ナフテンテトラ酸は、上に定義されたような有機および無機粒子状物質を含む、粒子状物質を含有する原油に添加することができる。原油は、任意の量のかかる粒子状物質を含有し得る。
有効量の高分子量ナフテンテトラ酸は、粒子状物質誘発ファウリングを低減するかまたは防ぐ。高分子量ナフテンテトラ酸の存在は、ベース原油中の粒子状物質の量が原油製油所設備または構成要素の表面に付着するのを防ぐかまたは低減し、それによって粒子状物質がファウリングの促進に及ぼす影響を軽減する。
一般に、高分子量ナフテンテトラ酸は、それぞれ長い脂肪族鎖の末端に4個のカルボン酸基を持った、極性先端を持った四指状の分子を形成する分子であるが、限定するものではない。一実施形態に従って、高分子量ナフテンテトラ酸は、1230原子質量単位(amu)超の原子分子量を有する。
例えば、一実施形態に従って、高分子量ナフテンテトラ酸はARN酸である。ARN酸は、特異な系統の〜C80テトラカルボン酸である。ARN酸の大部分は、主な酸の1つが1232amuの分子量を有して、約1228〜約1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する。ARN酸は芳香族またはアルケン官能が存在しないし、第四級炭素は存在しない。ARN酸は、4〜8部位の不飽和(または4〜8個のシクロペンチル環)を有することができる。
ARN酸は、その実験式がC80142であり、その構造が6:17,10:18,10’:18’,6’’:17’’,10’’:18’’,10’’:18’’)−ヘキサシクロ−20−ビス−16,16’’−ビフィタン−1,1’,1’’,1’’’−テトラカルボン酸である、古細菌C80イソプレノイドであることができるが、これは例示を目的とし、限定するものではない。このC80イソプレノイド分子は、それぞれ3個の五環系環がC20メチル基で結合によって結合した、2個のビフィタニル二酸を含有し、その構造は、
Figure 0005593328
で表される。
ある種の条件下では、酸性原油中に存在するナフテン酸は、併産水中に存在するCa+2イオンで沈澱してナフテン酸カルシウム沈着物を形成するであろう。高分子量ナフテンテトラ酸は、幾つかの原油の生産中に生じるナフテン酸カルシウム沈着物に関与する。それ故、開示される主題に使用される高分子量ナフテンテトラ酸は、ナフテン酸カルシウム沈着物であって、高分子量ナフテンテトラ酸カルシウム塩を含む沈着物から抽出することができる。高分子量ナフテンテトラ酸をナフテン酸カルシウム沈着物から、特に沈着物中に含有されるナフテン酸カルシウム塩から抽出するかまたは単離するための好適な方法は、2008年12月23日出願の米国仮特許出願第61/193,791号明細書に記載されている。典型的には、ナフテン酸カルシウム沈着物は、高中和価(HNN)原油の生産中に生じる。
あるいはまた、高分子量ナフテンテトラ酸は、ナフテン酸カルシウム塩から直接抽出することができる。
本発明に従って、原油製油所構成要素でのファウリングを低減するのに有効な量の高分子量ナフテンテトラ酸がベース原油に添加される。この有効量は、ベース原油およびベース原油中に存在する粒子状物質の量に依存するであろうが、一般に、高分子量ナフテンテトラ酸の有効量は、重量基準で百万部当たり少なくとも50部(wppm)である。
本発明の一態様に従って、高分子量ナフテンテトラ酸は、精製プロセスに導入される前に、または精製プロセスの冒頭にベース原油に添加される。あるいはまた、高分子量ナフテンテトラ酸は、精製プロセスへの導入前にベース原油とブレンドされる、原油中に含有されていてもよい。あるいはまた、高分子量ナフテンテトラ酸は、例えば任意の好適な場所で、ファウリングを低減するかまたは防ぐことが望まれる特定の粗炭化水素製油所成分の上流で導入することができる。高分子量ナフテンテトラ酸の導入のための任意の好適な技法を用いることができる。高分子量ナフテンテトラ酸は、精製プロセスを最適化するために単独でまたはファウリングを低減することもしくはある他のプロセスパラメーターを改善することのどちらかに貢献する他の化合物および/または添加剤と組み合わせて、ベース原油に添加することができる。
さらに、開示される主題に関連して記載されたような、ベース原油への高分子量ナフテンテトラ酸、特にARN酸の添加は、ファウリングを低減するおよび/または軽減するための他の技法と組み合わせることができる。かかる技法には、(i)それらの開示が参照により特に本明細書に全体を援用される、米国特許出願第11/436,602号明細書および同第11/436,802号明細書に記載されているような、熱交換器管での低エネルギー表面および改質スチール表面の提供、(ii)その開示が参照により特に全体を本明細書に援用される、米国特許出願第11/436,802号明細書に記載されているような、制御された機械的振動の使用、(iii)その開示が参照により特に全体を本明細書に援用される、「Reduction of Fouling in Heat Exchangers」という表題の、2007年6月19日出願の、米国特許出願第11/802,617号明細書に記載されているような、表面コーティングと組み合わせることができる、流体脈動および/または振動の使用、(iv)その開示が参照により特に全体を本明細書に援用される、米国特許出願第11/641,754号明細書に記載されているような、熱交換器管上での電解研磨および/または表面コーティングおよび/または改良処理の使用、ならびに(v)その開示が参照により特に全体を本明細書に援用される、「A Method of Reducing Heat Exchanger Fouling in a Refinery」という表題の、2006年12月20日出願の、米国特許出願第11/641,755号明細書に記載されているような、それの組み合わせが含まれるが、それらに限定されない。このように、開示される主題は、それらが添付のクレームおよびそれらの等価物の範囲内にあるという条件で、本明細書での方法の修正および変形をカバーすることが意図される。
上述に基づいて、本明細書での開示される主題はまた、ファウリング軽減が向上した原油であって、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を少なくとも含む原油を含むことは明らかである。同様に、ベース原油を提供する工程と、有効量の高分子量ナフテンテトラ酸をベース原油に添加して原油混合物を形成する工程とを含む、ファウリング軽減が向上したかまたはオンライン洗浄効果のあるかかる原油の製造方法が開示される。原油およびかかる原油の製造方法の追加の態様および詳細は、上述されている。
例えば、開示される主題のさらに別の態様に従って、粒子状物質またはアスファルテンファウリングに関連したファウリング条件を経ることが可能なシステム(又は設備)が提供される。このシステムは、少なくとも1つの原油製油所(又は石油精製)構成要素、ならびに原油製油所構成要素と流体連絡(又は連結)した混合物であって、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む混合物を含む。かかるシステムの追加の態様および詳細は、上述されている。
本発明の特定の形態が記載されてきたが、様々な修正を本発明の精神および範囲から逸脱することなく行い得ることは当業者に明らかであろう。
本出願は、下に提示される実施例を用いてさらに記載される。かかる実施例の使用は例示的であるにすぎず、本発明のまたは任意の例示される用語の範囲および意味を決して限定するものではない。
実施例1
Alcor HLPS(熱液体プロセスシミュレーター)試験装置は、原油への粒子状物質の添加がファウリングにどのような影響を及ぼすか、ならびに高分子量ナフテンテトラ酸の添加がファウリングの低減および軽減にどのような影響を及ぼすかを測定するために使用される。図1に例示されるように、試験配置は、原油の原料供給物を含有するリザーバ10を含む。原油の原料供給物は、全原油を含有するベース原油または2種以上の原油を含有するブレンド原油を含有してもよい。原料供給物をおおよそ150℃/302°Fの温度に加熱し、次に垂直配向の加熱ロッド12を含有するシェル11へ供給する。加熱ロッド12は、炭素鋼(1018)から形成されている。加熱ロッド12は、熱交換器中の管をシミュレートする。加熱ロッド12を、370℃/698°Fまたは400℃/752°Fの表面温度に電気的に加熱し、試行の間ずっとかかる温度に維持する。原料供給物を、おおよそ3.0mL/分の流量で加熱ロッド12を横切ってポンピングする。使用済み原料供給物をリザーバ10の上方部に集める。使用済み原料供給物を、密封ピストンによって未処理の原料供給物油から分離し、それによってワンススルー運転を可能にする。試験の間ずっとガスが油に溶解したままであることを確保するためにシステムを窒素(400〜500psig)で加圧する。熱電対読みを、バルク流体入口および出口温度についてならびにロッド12の表面について記録する。
一定の表面温度試験の間ずっと、ファウラントが加熱面上に沈着し、堆積する。ファウラント沈着物はコークに熱分解する。コーク沈着物は、その上を通過する油を加熱する表面の効率および/または能力を低下させる断熱効果をもたらす。出口バルク流体温度の生じた低下は、ファウリングが続くので時間とともに続く。温度のこの低下は、出口液体ΔTまたはdTと言われ、原油/ブレンドの種類、試験条件および/または、塩、沈降物もしくは他のファウリング促進物質の存在などの、他の効果に依存し得る。標準Alcorファウリング試験は180分間実施される。長時間にわたる出口液体温度の全低下によって測定されるような、全ファウリングは、ΔT180またはdt180と言われ、観察される出口温度(T出口)マイナス最高観察出口温度T出口最高(おそらくいかなるファウリングも不存在下に達成される)である。
Alcorファウリングシミュレーション系を用いて原油中の粒子状物質の存在が製油所構成要素または装置のファウリングに及ぼす影響を試験した。2つの流れ:原油対照および200重量ppmの酸化鉄(Fe)粒子入りの同じ原油をAlcor装置で試験した。図2および3で例示されるように、粒子状物質を含有しない類似の原油と比較したときに酸化鉄(Fe)粒子の存在下でファウリングは増加する。例示の目的でおよび限定の目的ではなく、2種の原油、低硫黄、低アスファルテンまたはLSLA全原油および高硫黄、高アスファルテンまたはHSHA原油を、ベース原油の例として試験した。これらの油を、原油のある種の分類を代表するものとして選択した。これらの原油の使用は例示目的のためであるにすぎず、開示される主題は、LSLA原油およびHSHA原油での適用のみに限定されないことが意図される。実際に、開示される主題は、製油所構成要素でファウリングを経験するおよび/または生み出す全ての全およびブレンド原油ならびにそれらの調合物で適用されることが意図される。
実施例2
実施例1で上に記載されたおよび図1に例示されるAlcorファウリングシミュレーション系を用いて高分子量ナフテンテトラ酸、特にARNテトラ酸の添加が基油のファウリングに及ぼす影響を測定した。2つの流れ:「対照ブレンドA」として200重量ppmの酸化鉄(Fe)粒子を含有する原油AとBとのブレンド、及びその同じ流れに約150重量ppmの高分子量ナフテンテトラ酸、具体的にはARNテトラ酸を入れたものを、Alcor装置で試験した。図4に例示されるように、時間とともに(ファウリングによる)出口温度の低下は、250重量ppmの高分子量ナフテンテトラ酸、具体的にはARNテトラ酸を含有するプロセス流れについてこのテトラ酸なしの原油対照ブレンドと比べてより少ない。図4に例示されるように、高分子量ナフテンテトラ酸、具体的にはARNテトラ酸は、ファウリングを低減するのに有効であった。特に、ARNテトラ酸は、酸化鉄粒子状物質と接触する流れでファウリングを顕著に低減するのに有効であった。図4に描かれるように、高分子量ナフテンテトラ酸の添加は44パーセントだけファウリングを低減した。
開示される主題は、1つ以上の特定の実施形態に関連して記載されてきたが、当業者は、多くの変更を開示される主題の精神および範囲から逸脱することなくそれに対して行い得ることを認めるであろう。これらの実施形態およびそれらの明らかな変形のそれぞれは、以下の請求項に述べられる、特許請求される発明の精神および範囲内に入ると考えられる。本発明はそれ故、請求項が権利を与えられる等価物の全範囲と一緒に添付の請求項の条項によってのみ限定されるべきである。

本発明のいくつかの態様を、以下記載する。
1.ベース原油を準備する工程;
高分子量ナフテンテトラ酸を準備する工程;
有効量の前記高分子量ナフテンテトラ酸を前記ベース原油に添加して原油混合物を形成する工程;及び
前記原油混合物を原油製油所構成要素に供給する工程
を含む、原油製油所構成要素でのファウリングの低減方法。
2.ファウリングされた原油製油所構成要素を運転する工程;及び
原油混合物を前記ファウリングされた原油製油所構成要素に供給する工程
を含む、ファウリングされた原油製油所構成要素のオンライン洗浄方法であって、
前記原油混合物が
ベース原油;及び
有効量の高分子量ナフテンテトラ酸
を含む工程を含む、オンライン洗浄方法。
3.前記高分子量ナフテンテトラ酸の有効量が、重量基準で百万部当たり少なくとも50部(wppm)である、上記1又は2に記載の方法。
4.前記高分子量ナフテンテトラ酸の有効量が、重量基準で百万部当たり約50〜約1000部(wppm)である、上記3に記載の方法。
5.前記高分子量ナフテンテトラ酸がナフテン酸カルシウム塩から抽出される、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
6.前記高分子量ナフテンテトラ酸が、原油の生産から生じるナフテン酸カルシウム沈着物から抽出される、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
7.前記原油が高中和価(HNN)原油である、上記6に記載の方法。
8.前記高分子量ナフテンテトラ酸がARN酸である、上記1〜4のいずれかに記載の方法。
9.前記ARN酸が約1228〜約1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する、上記8に記載の方法。
10.前記ARN酸が約1230原子質量単位(amu)より大きい原子分子量を有する、上記8に記載の方法。
11.前記ARN酸が、次の代表的な構造:
Figure 0005593328
を有する古細菌C 80 イソプレノイドである、上記8に記載の方法。
12.前記ベース原油が全原油または少なくとも2種の原油のブレンドである、上記1〜11のいずれか一項に記載の方法。
13.前記ベース原油は粒子状物質を含み、有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む原油混合物は、前記ベース原油中の前記粒子状物質が前記原油製油所構成要素の表面に付着することを防ぐ、上記1〜11のいずれかに記載の方法。
14.前記原油製油所構成要素が、熱交換器、炉、蒸留塔、スクラバー、反応器、液体ジャケット付きタンク、パイプスチル、コーカーおよびビスブレーカーから選択される、上記1〜13のいずれかに記載の方法。
15.前記高分子量ナフテンテトラ酸が混合用原油中に含有され、有効量の前記高分子量ナフテンテトラ酸をベース原油に添加して原油混合物を形成する工程が、前記ベース原油を前記混合用原油とブレンドすることを含む、上記1又は2に記載の方法。
16.少なくとも1つの原油製油所構成要素;
前記少なくとも1つの原油製油所構成要素と流体連絡した混合物であって、ベース原油および有効量の高分子量ナフテンテトラ酸を含む混合物
を含む、粒子状物質またはアスファルテンファウリングに関連したファウリング条件を経ることが可能なシステム。
17.ベース原油と有効量の高分子量ナフテンテトラ酸との混合物
を含む、ファウリング軽減が向上した原油。
18.前記高分子量ナフテンテトラ酸の有効量が、重量基準で百万部当たり少なくとも50部(wppm)である、上記16または請求項17に記載の混合物。
19.前記高分子量ナフテンテトラ酸がナフテン酸カルシウム塩から抽出される、上記16〜18のいずれかに記載の混合物。
20.前記高分子量ナフテンテトラ酸がARN酸である、上記16〜18のいずれかに記載の混合物。
21.前記ARN酸が約1228〜約1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する、上記20に記載の混合物。
22.前記ARN酸が約1230原子質量単位(amu)より大きい原子分子量を有する、上記20に記載の混合物。
23.前記高分子量ナフテンテトラ酸が、原油の生産中に生じるナフテン酸カルシウム沈着物から抽出される、上記16〜18のいずれかに記載の混合物。
24.前記原油が高中和価(HNN)原油である、上記16〜18のいずれかに記載の混合物。

Claims (12)

  1. ベース原油を準備する工程;
    高分子量ARNナフテンテトラ酸を準備する工程;
    重量基準で百万部当たり50〜1000部(wppm)の有効量の前記高分子量ARNナフテンテトラ酸を前記ベース原油に添加して原油混合物を形成する工程;及び
    前記原油混合物を原油製油所構成要素に供給する工程
    含み、
    前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1228〜1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する、又は前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1230原子質量単位(amu)より大きい原子分子量を有する、
    原油製油所構成要素でのファウリングの低減方法。
  2. ファウリングされた原油製油所構成要素を運転する工程;及び
    原油混合物を前記ファウリングされた原油製油所構成要素に供給する工程
    を含む、ファウリングされた原油製油所構成要素のオンライン洗浄方法であって、
    前記原油混合物が
    ベース原油;及び
    重量基準で百万部当たり50〜1000部(wppm)の有効量の高分子量ARNナフテンテトラ酸
    含み、
    前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1228〜1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する、又は前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1230原子質量単位(amu)より大きい原子分子量を有する、
    工程を含む、オンライン洗浄方法。
  3. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸がナフテン酸カルシウム塩から抽出される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が、原油の生産から生じるナフテン酸カルシウム沈着物から抽出される、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が、次の代表的な構造:
    Figure 0005593328
    有する、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記ベース原油が全原油または少なくとも2種の原油のブレンドである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ベース原油は粒子状物質を含み、有効量の高分子量ARNナフテンテトラ酸を含む原油混合物は、前記ベース原油中の前記粒子状物質が前記原油製油所構成要素の表面に付着することを防ぐ、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 前記原油製油所構成要素が、熱交換器、炉、蒸留塔、スクラバー、反応器、液体ジャケット付きタンク、パイプスチル、コーカーおよびビスブレーカーから選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が混合用原油中に含有され、有効量の前記高分子量ARNナフテンテトラ酸をベース原油に添加して原油混合物を形成する工程が、前記ベース原油を前記混合用原油とブレンドすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの原油製油所構成要素;
    前記少なくとも1つの原油製油所構成要素と流体連絡した混合物であって、ベース原油および重量基準で百万部当たり50〜1000部(wppm)の有効量の高分子量ARNナフテンテトラ酸を含む混合物
    含み、
    前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1228〜1236原子質量単位(amu)の範囲の分子量を有する、又は前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が1230原子質量単位(amu)より大きい原子分子量を有する、
    粒子状物質またはアスファルテンファウリングに関連したファウリング条件を経ることが可能なシステム。
  11. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸がナフテン酸カルシウム塩から抽出される、請求項10に記載のシステム
  12. 前記高分子量ARNナフテンテトラ酸が、原油の生産中に生じるナフテン酸カルシウム沈着物から抽出される、請求項10に記載のシステム
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