JP2021155322A - 半導体素子用下地基板の製造方法、半導体素子の製造方法、半導体素子用下地基板、半導体素子用エピタキシャル基板、および半導体素子 - Google Patents

半導体素子用下地基板の製造方法、半導体素子の製造方法、半導体素子用下地基板、半導体素子用エピタキシャル基板、および半導体素子 Download PDF

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【課題】特性の優れた半導体素子を実現可能な下地基板およびこれを用いた半導体素子を提供する。【解決手段】半導体素子用下地基板の製造方法が、板状のZnドープGaN単結晶を得る単結晶取得工程と、板状のZnドープGaN単結晶の少なくとも一方主面にアッシングダメージ層を形成するダメージ層形成工程と、を備え、ダメージ層形成工程においては、一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cm2の励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときのバンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が10%以上となるように、一方主面をプラズマアッシングすることによって、アッシングダメージ層を形成する、ようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子に関し、特に、HEMT(高電子移動度トランジスタ)の下地基板に関する。
13族窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界、高い飽和電子速度を有することから次世代の高周波/ハイパワーデバイス用半導体材料として注目されている。例えば、AlGaNからなる障壁層とGaNからなるチャネル層とを積層してなるHEMT(高電子移動度トランジスタ)素子は、13族窒化物材料特有の大きな分極効果(自発分極効果とピエゾ分極効果)により積層界面(ヘテロ界面)に高濃度の二次元電子ガス(2DEG)が生成するという特徴を活かしたものである(例えば、非特許文献1参照)。
このようなHEMTは、一般的に、GaNとは異種の材料である半絶縁性SiCからなるウエハーを、下地基板に用いて作製される。それゆえ、チャネル層のGaNと基板のSiCとの格子定数の違いに起因した多数の欠陥がデバイス層に発生し、これに伴う特性の低下が少なからず生じる。
こうした特性の低下を抑制するべく、HEMTの下地基板として、結晶性が良い半絶縁性GaNウエハーが求められている。近年、Znがドープされることにより半絶縁性とされたGaNウエハーが、開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、GaNウエハーにAlGaN/GaNを含むトランジスタ構造をエピタキシャル成長させると、得られたエピタキシャル膜とGaNウエハーとの界面にSiが検出されることが、すでに公知である(例えば、非特許文献2参照)。
特許第5039813号公報
"Highly Reliable 250W High Electron Mobility Transistor Power Amplifier", TOSHIHIDE KIKKAWA, Jpn. J. Appl. Phys. 44,(2005),4896 "III-nitride heterostructure field-effect transistors grown on semi-insulating GaN substrate without regrowth interface charge", J.P.Liu, J.-H.Ryou, D.Yoo, Y.Zhang, J.Limb, C.A.Horne, S.-C.Shen, R.D.Dupuis, A.D.Hanser, E.A.Preble, and K.R.Evans, Applied Physics Letters 92, 133513 (2008); doi: 10.1063/1.2906372
特許文献1が開示するような、Znドープされた半絶縁性GaNウエハーを下地基板とし、デバイス層を13族窒化物層としてHEMTを作製した場合、下地基板とデバイス層との格子定数差の問題は生じないため、HEMTの特性が向上することが期待される。
しかしながら、半絶縁性GaNウエハーを用いてHEMTを作製しても、期待される特性が得られないことがある。具体的には、作製したHEMTのオフ状態において、大きなリーク電流が発生してしまうことがある。
本発明の発明者は、係る課題に対処するべく鋭意検討を進めるなかで、HEMTを動作させた時のリーク電流の程度と、該HEMTに用いているGaNウエハーのフォトルミネッセンススペクトルとの間に、関連性があることを見出し、この点に着目して、本発明に想到するに至った。
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、特性の優れた半導体素子を実現可能な下地基板およびこれを用いた半導体素子を提供することを、目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、半導体素子用下地基板の製造方法であって、板状のZnドープGaN単結晶を得る単結晶取得工程と、前記板状のZnドープGaN単結晶の少なくとも一方主面にアッシングダメージ層を形成するダメージ層形成工程と、を備え、前記ダメージ層形成工程においては、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときのバンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が10%以上となるように、前記一方主面をプラズマアッシングすることによって、前記アッシングダメージ層を形成する、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係る半導体素子用下地基板の製造方法であって、前記ダメージ層形成工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に係る半導体素子用下地基板の製造方法であって、前記ダメージ層形成工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、半導体素子用下地基板の製造方法であって、板状のZnドープGaN単結晶を得る単結晶取得工程と、前記板状のZnドープGaN単結晶の少なくとも一方主面をプラズマアッシングするアッシング工程と、を備え、前記アッシング工程においては、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときのバンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が10%以上となるように、前記一方主面をプラズマアッシングする、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第4の態様に係る半導体素子用下地基板の製造方法であって、前記アッシング工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第5の態様に係る半導体素子用下地基板の製造方法であって、前記アッシング工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第1ないし第6の態様のいずれかに係る半導体素子用下地基板の製造方法であって、前記単結晶取得工程が、サファイア基板を含む種結晶基板の上にZnドープGaN単結晶を成長させる結晶成長工程と、前記ZnドープGaN単結晶から前記サファイア基板を剥離する剥離工程と、前記剥離工程により得られた前記ZnドープGaN単結晶を板状に加工することにより前記板状のZnドープGaN単結晶を得る加工工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、半導体素子の製造方法であって、第1ないし第7の態様のいずれかに係る半導体素子用下地基板の前記一方主面の上にGaNからなるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層の上にInAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層を形成する、バリア層形成工程と、前記バリア層の上に、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を形成する、電極形成工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、半導体素子用の下地基板であって、少なくとも一方主面にアッシングダメージ層を備えるZnドープGaN単結晶からなり、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときの、バンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が、10%以上である、ことを特徴とする。
本発明の第10の態様は、第9の態様に係る半導体素子用下地基板であって、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下である、ことを特徴とする。
本発明の第11の態様は、第10の態様に係る半導体素子用下地基板であって、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下である、ことを特徴とする。
本発明の第12の態様は、半導体素子用のエピタキシャル基板であって、第9ないし第11の態様のいずれかに係る半導体素子用下地基板である下地基板と、前記下地基板の前記一方主面の上に形成された、GaNからなるチャネル層と、前記チャネル層の上に形成された、InAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層と、を備えることを特徴とする。
本発明の第13の態様は、半導体素子であって、下地基板と、前記下地基板の一方主面の上に形成されてなる、GaNからなるチャネル層と、前記チャネル層の上に形成されてなる、InAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層と、前記バリア層の上に形成されてなる、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、を備え、前記下地基板が、少なくとも前記一方主面にアッシングダメージ層を備え、かつ、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときの、バンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が、10%以上である、ZnドープGaN単結晶基板である、ことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、第13の態様に係る半導体素子であって、前記下地基板が、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下であるZnドープGaN単結晶基板である、ことを特徴とする。
本発明の第15の態様は、第14の態様に係る半導体素子であって、前記下地基板が、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下であるZnドープGaN単結晶基板である、ことを特徴とする。
本発明の第1ないし第15の態様によれば、リーク電流が1×10−6A/mm以下にまで低減された半導体素子を実現することができる。
特に、第2、第3、第5、第6、第10、第11、第14、および第15の態様によれば、ドレイン電流の低下を回避しつつ、リーク電流が1×10−6A/mm以下にまで低減された半導体素子を実現することができる。
特に、第3、第6、第11、および第15の態様によれば、ドレイン電流が低下しない範囲でリーク電流が1×10−7A/mm以下にまで低減された半導体素子を、実現することができる。
HEMT素子20の断面構造を、模式的に示す図である。 下地基板1の作製手順を模式的に示す図である。 サンプルID7の下地基板1についてのPLスペクトルである。
本明細書中に示す周期表の族番号は、1989年国際純正応用化学連合会(International Union of Pure Applied Chemistry:IUPAC)による無機化学命名法改訂版による1〜18の族番号表示によるものであり、13族とはアルミニウム(Al)・ガリウム(Ga)・インジウム(In)等を指し、14族とは、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)等を指し、15族とは窒素(N)・リン(P)・ヒ素(As)・アンチモン(Sb)等を指す。
<HEMT素子および下地基板>
図1は、本発明に係る半導体素子の一実施形態としてのHEMT素子20の断面構造を、模式的に示す図である。HEMT素子20は、本発明に係る半導体素子用エピタキシャル基板の一実施形態としてのHEMT素子用のエピタキシャル基板10を含んで構成される。
エピタキシャル基板10は、半導体素子用下地基板の一実施形態としての下地基板1と、チャネル層2と、バリア層3とを備える。また、HEMT素子20は、エピタキシャル基板10の上に(バリア層3の上に)ソース電極5とドレイン電極6とゲート電極7とを設けたものである。なお、図1における各層の厚みの比率は、実際のものを反映したものではない。
なお、図1においては1つのデバイスチップとしてのHEMT素子20の構造を示しており、実際のHEMT素子20は、いわゆる多数個取りの手法により作製される。すなわち、下地基板1はさらにはエピタキシャル基板10は、いわゆる母基板としてのウエハーの状態で作製され、係る一のウエハーに二次元的に繰り返される電極パターンを形成した後、これを分断してチップ化することで、多数個のHEMT素子20が作製される。ただし、以下の説明においては、簡単のため、特に断らない限りは、母基板の状態のものも区別せず、単に下地基板1やエピタキシャル基板10と称し、同一の符号を付すものとする。
下地基板1は、Znが1×1016cm−3以上ドープされた(0001)面方位のGaN基板であり、室温における比抵抗が1×10Ωcm以上であって半絶縁性を呈する。係る下地基板1は、例えば、フラックス(Flux)法によって作製することができる。母基板としての下地基板1のサイズに特に制限はないが、ハンドリング(把持、移動など)の容易さなどを考慮すると、数百μm〜数mm程度の厚みを有するのが好適である。
ただし、下地基板1においては、少なくともその一方主面側の表層部分に、アッシングダメージ層1dが形成されてなる。アッシングダメージ層1dは、上述のフラックス法およびその後の加工を経て得られた板状のGaN単結晶の少なくとも一方主面に対し、アッシング処理を行うことによって意図的に形成される、極薄のダメージ層である。アッシング処理(プラズマアッシング処理)は、公知のアッシング装置(アッシャー)を用いて行うことが出来る。アッシングダメージ層1dはおおよそ1nm〜300nm程度の厚みに形成される。
なお、アッシング処理とは一般に、プラズマ化したガスを照射することにより、半導体におけるレジスト残渣を除去する処理として知られているが、本実施の形態においては、そうした場合と同様に発生させたArプラズマを、板状とされたGaN単結晶の少なくとも一方主面に照射することにより、その表層部分にダメージを与える処理を、指し示すものとする。
下地基板1におけるアッシングダメージ層1dの形成の程度は、アッシングダメージ層1dが形成されてなる一方主面の側に対し励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射することで得られるフォトルミネッセンス(PL)スペクトルの、GaNバンド端発光(ピーク波長363nm)の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比によって、相対的に把握することが出来る。以下、係る発光強度の比を単にPL強度比と称する。概略的にいえば、係るPL強度比が大きいほど、アッシングダメージ層1dが顕著に形成される傾向がある。
本実施の形態においては、PL強度比が10%以上の値となるようにアッシング処理を行った下地基板1を、用いるものとする。その技術的意義については後述する。
チャネル層2は、GaNからなり、下地基板1のアッシングダメージ層1dの上に(隣接)形成されてなる層である。チャネル層2は、100nm〜3000nm程度の厚みに形成される。
また、バリア層3は、チャネル層2の上に形成されてなる層である。バリア層3は、InAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)なる組成式にて表される13族窒化物からなる。バリア層3は、3nm〜50nm程度の厚みに形成される。
チャネル層2とバリア層3との間が、ヘテロ接合界面となる。なお、チャネル層2とバリア層3との間に図示しないスペーサ層が設けられる態様であってもよい。スペーサ層は例えば、AlNにて1nm〜3nm程度の厚みに形成される。この場合、チャネル層2とスペーサ層との界面からバリア層3とスペーサ層との界面に至る領域が、ヘテロ接合界面領域となる。
ソース電極5とドレイン電極6とは、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有する金属電極である。ソース電極5とドレイン電極6とは、例えば、Ti/Al/Ni/Auからなる多層電極として形成されるのが好適である。ソース電極5およびドレイン電極6は、バリア層3との間にオーミック性接触を有してなる。ソース電極5およびドレイン電極6は、真空蒸着法とフォトリソグラフィープロセスとにより形成されるのが好適な一例である。なお、両電極のオーミック性接触を向上させるために、電極形成後、650℃〜1000℃の間の所定温度の窒素ガス雰囲気中において数十秒間の熱処理を施すのが好ましい。
ゲート電極7は、それぞれに十数nm〜百数十nm程度の厚みを有する金属電極である。ゲート電極7は、例えば、Pd/Auからなる多層電極として構成されるのが好適である。ゲート電極7は、バリア層3との間にショットキー性接触を有してなる。ゲート電極7は、真空蒸着法とフォトリソグラフィープロセスとにより形成されるのが好適な一例である。
以上のような構成を有する本実施の形態に係るHEMT素子20においては、上述のように、一方主面側でのPLスペクトルにおけるPL強度比が10%以上である下地基板1が用いられる。係る下地基板1の一方主面にチャネル層2とバリア層3とを含むHEMT構造が設けられたHEMT素子20においては、オフ状態におけるリーク電流が1×10−6A/mm以下に低減される。なお、この1×10−6A/mm以下という範囲は、HEMT素子において実用上許容されるリーク電流の範囲である。PL強度比が大きいほどリーク電流は低減される傾向にある。例えば、当該PL強度比が25%以上である下地基板1を用いた場合には、オフ状態におけるリーク電流が1×10−7A/mm以下にまで低減される。
なお、PL強度比は、アッシング処理の際のICPパワーとバイアスパワーとを適宜に調整することで、制御可能である。
このように、下地基板1にアッシングダメージ層1dを設けることで、リーク電流が低減される理由は、以下のように推察される。
まず、アッシングダメージ層1dを備えていない従来のHEMT素子の場合、非特許文献2における指摘と同様、GaNウエハーとその上に成膜されたHEMT構造などのエピタキシャル膜との界面にSiが検出される。係るSiは、例えばMOCVD法などによりHEMT構造をエピタキシャル形成する際に使用される成膜装置において炉材として用いられている石英(石英部材)に由来するほか、成膜前あるいは成膜中にGaNウエハーが例えば大気などの所定の雰囲気に曝露されていた場合には、当該雰囲気中を浮遊するSi系化合物がGaNウエハーの表面に付着・吸着したものにも由来する。このSiがドーパントとして働くことで、作製したHEMT素子のオフ状態でリークが発生するものと考えられている。
これに対し、本実施の形態に係るHEMT素子20の場合、下地基板1のアッシングダメージ層1dがアクセプタタイプの不純物準位を形成して自由電子を補償することで、たとえ下地基板1とエピタキシャル膜との界面に上述の石英部材や雰囲気中を浮遊するSi系化合物に由来するSiが検出される場合であっても、Siをドーパントとするリーク電流は低減されるものと考えられる。
ただし、PL強度比が105%を上回る下地基板1を用いる場合、オン状態におけるドレイン電流が低下する。これは、アッシングダメージ層1dのダメージの程度が過度に大きくなり、その上に設けるチャネル層2さらにはバリア層3の結晶性が低下するためであると考えられる。それゆえ、好ましくは、PL強度比が10%以上で105%以下である下地基板1が用いられる。なお、リーク電流の低減が求められる一方で、ドレイン電流を考慮する必要がない場合であれば、PL強度比が25%以上の下地基板1を用いる態様であってよい。
より好ましくは、HEMT素子20には、PL強度比が25%以上80%以下であるように作製した下地基板1を用いる。係る場合、ドレイン電流が低下しない範囲でリーク電流を1×10−8A/mm以下にまで低減することができる。
<下地基板の作製>
次に、上述の態様にてアッシングダメージ層1dを備える(母基板としての)下地基板1の作製手順について、より詳細に説明する。図2は、係る下地基板1の作製手順を模式的に示す図である。
まず、フラックス法によりZnドープGaN単結晶120を作製する。そのためには、初めに、図2(a)に示すように、作製したい下地基板1の直径と同程度の直径を有するc面サファイア基板101を用意し、その表面に、図2(b)に示すように、MOCVD(有機金属化学的気相成長)法にて、450℃〜750℃の温度にてGaN低温バッファ層102を10nm〜50nm程度の厚みに成膜し、その後、厚さ1μm〜10μm程度のGaN薄膜103を1000℃〜1200℃の温度にてMOCVD法により成膜し、種基板として利用可能なMOCVD−GaNテンプレート110を得る。
次に、得られたMOCVD−GaNテンプレート110を種基板とし、その一方主面上に、Naフラックス法を用いてZnドープGaN単結晶120を形成する。
具体的には、まず、図示しないアルミナるつぼ内にMOCVD−GaNテンプレート110を載置し、続いて、該アルミナるつぼ内に、金属Gaを10g〜60g、金属Naを15g〜90g、金属Znを0.1g〜5g、Cを10mg〜500mg、それぞれ充填する。なお、これらの材料の充填量は、最終的に得られる下地基板1におけるZnのドープ量が1×1016cm−3以上となるように定められる。
係るアルミナるつぼを図示しない加熱炉に入れ、炉内温度を800℃〜950℃とし、炉内圧力を3MPa〜5MPaとして、20時間〜400時間程度加熱し、その後、室温まで冷却する。冷却終了後、アルミナるつぼを炉内から取り出す。そして、MOCVD−GaNテンプレート110の上に300μm〜3000μmの厚さで堆積してなる褐色のZnドープGaN単結晶120の表面を、ダイヤモンド砥粒を用いて研磨し、その表面を平坦化させる。これにより、図2(c)に示すような、サファイア基板101上にZnドープGaN単結晶120が備わるFlux−GaNテンプレートが得られる。
次いで、レーザーリフトオフ法により、Flux−GaNテンプレートからサファイア基板101を剥離する。これは、図2(c)に示すようにサファイア基板101の側からレーザー光LBを0.1mm/秒〜100mm/秒の走査速度で走査しつつ照射することによって、実現される。レーザー光LBとしては、例えば、波長355nmのNd:YAGの3次高調波を用いるのが好適である。係る場合、パルス幅は1ns〜1000ns、パルス周期は1kHz〜200kHz程度であればよい。照射に際しては、レーザー光LBを適宜に集光して、光密度を調整するのが好ましい。また、レーザー光LBの照射は、Flux−GaNテンプレートをサファイア基板101と反対側から30℃〜600℃程度の温度で加熱しつつ行うのが好ましい。
レーザーリフトオフ法によって図2(d)に示すようにサファイア基板101が分離されることで、ZnドープGaN単結晶120が得られる。
続いて、図2(e)に示すようにZnドープGaN単結晶120を所定の厚みのZnドープGaN単結晶基板(GaNウェハー)121に加工する。係る加工としては、研磨処理が例示される。ただし、フラックス法により成長させたZnドープGaN単結晶120の厚みが十分に大きい場合や、あるいはさらに、係るZnドープGaN単結晶120から複数枚のGaNウエハー121を得ようとする場合には、研削処理によって適宜の厚みとされたZnドープGaN単結晶120が研磨される態様であってもよい。
GaNウエハー121が得られると、その一方主面に対し、アッシング処理を行う。アッシング処理は、図2(f)に示すように、公知のアッシング装置においてGaNウエハー121の少なくとも一方主面にArのプラズマPZを照射することにより行う。その際のArガスの流量は10sccm〜100sccmであればよく、また、圧力は0.1Pa〜10Paであればよい。
係るアッシング処理によって、図2(g)に示す、一方主面の表層部分にアッシングダメージ層1dが形成された、下地基板1が得られる。上述したように、アッシング処理の程度は、ICPパワーとバイアスパワーとを適宜に調整することで、調整可能であり、かつ、PL強度比によって相対的に把握可能である。
それゆえ、当該下地基板1を用いて作製したHEMT素子20において、1×10−6A/mm以下というリーク電流を実現するべく、PL強度比が10%以上となる下地基板1を作製することも、ICPパワーとバイアスパワーの組み合わせを適宜の値に調整することにより実現される。
なお、下地基板1上へのチャネル層2およびバリア層3の形成は、例えばMOCVD法によって実現される。MOCVD法による層形成は、チャネル層2がGaNにて形成され、バリア層3がAlGaNにて形成される場合であれば、Ga、Alについての有機金属(MO)原料ガス(TMG、TMA)と、アンモニアガスと、水素ガスと、窒素ガスとをリアクタ内に供給可能に構成されてなる公知のMOCVD炉を用い、リアクタ内に載置した下地基板1を所定温度に加熱しつつ、各層に対応した有機金属原料ガスとアンモニアガスとの気相反応によって生成するGaN結晶やAlGaN結晶を下地基板1上に順次に堆積させることによって行える。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、HEMT素子の下地基板として、ZnドープGaN単結晶からなり、かつ、その一方主面にPL強度比が10%以上となるようにアッシングダメージ層を設けた下地基板を用いることで、HEMT素子におけるリーク電流を低減することが出来る。さらには、PL強度比が105%以下となるようにすることで、ドレイン電流の低下を回避することが出来る。
<変形例>
上述の実施の形態においては、PL強度比を求める際のPL測定に用いるレーザー光を、励起波長が325nmで励起強度が800W/cmのHe−Cdレーザーであるとしているが、これは必須の態様ではなく、他の励起波長および励起強度のレーザー光を使用し、その際に得られるPLスペクトルに基づいてPL強度比の好適な条件範囲を定めることも可能である。ただし、その場合は通常、PL強度比の好適な条件範囲は、上述の実施の形態とは異なるものとなる。
(実施例1)
下地基板1におけるアッシングダメージ層1dの形成条件が異なる12種類の下地基板1(サンプルID1〜ID12)を作製し、比抵抗値とPL強度比とを求めた。さらに、それぞれの下地基板1を用いてHEMT素子20を作製し、オフ状態のリーク電流と、オン状態のドレイン電流とを測定した。
それぞれの下地基板1の作製には、Naフラックス法を適用した。まず、直径2インチ、厚さ0.43mmのc面サファイア基板101の表面に、550℃にてGaN低温バッファ層を70nm成膜し、その後、厚さ10μmのGaN薄膜を1050℃にてMOCVD法により成膜し、種基板として利用可能なMOCVD−GaNテンプレートを得た。
ついで、得られたMOCVD−GaNテンプレートを種基板として、Naフラックス法を用いてZnドープGaN単結晶層を形成した。その際、アルミナるつぼに充填する材料におけるZnの添加量が1.0mol%となるようにした。具体的には、金属Gaを40g、金属Naを35g、金属Znを200mg、それぞれ充填した。係るアルミナるつぼを加熱炉に入れ、炉内温度を870℃とし、炉内圧力を13MPaとして、約100時間加熱し、その後、室温まで冷却した。
冷却終了後、アルミナるつぼの中から、褐色のGaNの単結晶が堆積しているMOCVD−GaNテンプレートを取り出し、レーザーリフト法でサファイア基板101を取り除いた。これにより、ZnドープGaN単結晶120が得られた。さらに、その表面及び裏面を研磨することで、300μmの厚みのGaNウエハー121を得た。
続いて、未実施の場合も含め、相異なるアッシング条件でGaNウエハー121の一方主面にアッシング処理を行い、12種類の下地基板1を得た。アッシング処理には公知のアッシング装置(アッシャー)を用いた。Ar流量は50sccm、圧力は10Paで一定とする一方、ICPパワーは100W、150W、200W、300W、400Wの5水準とし、バイアスパワーは50W、100W、200W、250W、300Wの5水準とし、両者の組み合わせを11通りに違えた。
得られたそれぞれの下地基板1について、2重リング法で比抵抗を測定すると、全て10Ω・cm以上の高い抵抗を示した。これにより、下地基板1は半絶縁性を呈することが確認された。
次に、それぞれの下地基板1に対し、励起波長325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度で照射して、PL測定を行い、PLスペクトルを取得した。
図3はサンプルID7の下地基板1についてのPLスペクトルである。図3においては、ピーク波長363nmのシャープなピークとして現れているGaNのバンド端発光と、係るバンド端発光よりも長波長領域に現れているピーク波長約500nmのブロードなピークの発光とが確認される。他の全ての下地基板1のPLスペクトルにおいても、図3と同様の2通りの発光が現れた。
表1に、それぞれの下地基板1(サンプルID1〜ID12)に対するアッシング処理の際のICPパワーおよびバイアスパワーの値と、PLスペクトルに基づいて算出されるPL強度比の値を、一覧にして示す。
Figure 2021155322
表1からは少なくとも、アッシング処理した下地基板1(サンプルID2〜12)においては未処理の下地基板1(サンプルID1)よりもPL強度比大きくなること、および、ICPパワーとバイアスパワーの値の組み合わせを違えることによってPL強度比が異なる下地基板1が得られることが、確認される。
次に、それぞれの下地基板1を用いてHEMT素子20を作製した。具体的にはまず、MOCVD法によって、厚みが1μmのGaNからなるチャネル層2と、厚みが25nmのAl0.2Ga0.8Nからなるバリア層3とをこの順に成膜して、(母基板としての)エピタキシャル基板10を得た。
続いて、バリア層3の上面のソース電極5およびドレイン電極6の形成対象箇所に、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、Ti/Al/Ni/Au(それぞれの膜厚は25/75/15/100nm)からなるソース電極5およびドレイン電極6の電極パターンを形成した。その後、窒素中で800℃、30秒間の熱処理を行った。
続いて、バリア層3の上面のゲート電極7の形成対象個所に、フォトリソグラフィープロセスと真空蒸着法とを用いて、Ni/Au(膜厚6nm/12nm)からなるゲート電極7のパターンを形成した。なお、ゲート電極7は、ゲート長を1μmとし、ゲート幅を100μmとした。また、ソース電極5とゲート電極7の間隔は2μmとし、ゲート電極7とドレイン電極6の間隔を10μmとした。
最後に、ダイシングによりチップ化することで、多数個のHEMT素子20を得た。
得られたHEMT素子20に対し、ダイボンディングおよびワイヤボンディングを行ったうえで、ドレイン電圧100Vおよびゲート電圧−8Vを印加して、オフ状態とした際のリーク電流を測定した。さらに、ドレイン電圧10Vおよびゲート電圧2Vを印加して、オン状態とした際のドレイン電流を測定した。
表1には、それぞれの下地基板1(サンプルID1〜ID12)から作製したHEMT素子20におけるリーク電流とドレイン電流の値についても、併せて示している。
表1からは、下地基板1におけるPL強度が10%以上である場合にHEMT素子20におけるリーク電流が1×10−6A/mm以下になることが確認される。
また、PL強度比が105%以下の範囲では、PL強度比が大きくなるにつれてドレイン電流が微減する傾向があるが、PL強度比が105%を超えるとドレイン電流が大きく低下することも、確認される。
(実施例2)
PLスペクトルを得る際の励起強度とPL強度比との関係を確認する実験を行った。具体的には、サンプルID7の下地基板1を対象に、励起強度を100W/cmから1000W/cmまで100W/cmに違えてPL測定を行い、それぞれについてPL強度比を算出した。
表2に、PL測定時の励起強度と、得られたPL強度比とを一覧にして示す。
Figure 2021155322
表2からは、同じ下地基板1であっても、励起強度の違いによってPL強度比にも違いが生じることが確認される。このことは、下地基板1の一方主面におけるアッシングダメージ層1dの形成の程度をPL強度比に基づいて相対的に比較するには、励起強度を一定とする必要があることを意味している。
1 下地基板
1d アッシングダメージ層
2 チャネル層
3 バリア層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 ゲート電極
10 エピタキシャル基板
20 HEMT素子
101 サファイア基板
110 MOCVD−GaNテンプレート
120 ZnドープGaN単結晶
121 ZnドープGaN単結晶基板

Claims (15)

  1. 半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    板状のZnドープGaN単結晶を得る単結晶取得工程と、
    前記板状のZnドープGaN単結晶の少なくとも一方主面にアッシングダメージ層を形成するダメージ層形成工程と、
    を備え、
    前記ダメージ層形成工程においては、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときのバンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が10%以上となるように、前記一方主面をプラズマアッシングすることによって、前記アッシングダメージ層を形成する、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    前記ダメージ層形成工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  3. 請求項2に記載の半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    前記ダメージ層形成工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  4. 半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    板状のZnドープGaN単結晶を得る単結晶取得工程と、
    前記板状のZnドープGaN単結晶の少なくとも一方主面をプラズマアッシングするアッシング工程と、
    を備え、
    前記アッシング工程においては、前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときのバンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が10%以上となるように、前記一方主面をプラズマアッシングする、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    前記アッシング工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載の半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    前記アッシング工程においては、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下となるように、前記一方主面側をプラズマアッシングする、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の半導体素子用下地基板の製造方法であって、
    前記単結晶取得工程が、
    サファイア基板を含む種結晶基板の上にZnドープGaN単結晶を成長させる結晶成長工程と、
    前記ZnドープGaN単結晶から前記サファイア基板を剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程により得られた前記ZnドープGaN単結晶を板状に加工することにより前記板状のZnドープGaN単結晶を得る加工工程と、
    を備えることを特徴とする、半導体素子用下地基板の製造方法。
  8. 半導体素子の製造方法であって、
    請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の半導体素子用下地基板の前記一方主面の上にGaNからなるチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
    前記チャネル層の上にInAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層を形成する、バリア層形成工程と、
    前記バリア層の上に、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極を形成する、電極形成工程と、
    を備えることを特徴とする、半導体素子の製造方法。
  9. 半導体素子用の下地基板であって、
    少なくとも一方主面にアッシングダメージ層を備えるZnドープGaN単結晶からなり、
    前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときの、バンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が、10%以上である、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板。
  10. 請求項9に記載の半導体素子用下地基板であって、
    前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下である、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板。
  11. 請求項10に記載の半導体素子用下地基板であって、
    前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下である、
    ことを特徴とする、半導体素子用下地基板。
  12. 半導体素子用のエピタキシャル基板であって、
    請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の半導体素子用下地基板である下地基板と、
    前記下地基板の前記一方主面の上に形成された、GaNからなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成された、InAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層と、
    を備えることを特徴とする、半導体素子用エピタキシャル基板。
  13. 半導体素子であって、
    下地基板と、
    前記下地基板の一方主面の上に形成されてなる、GaNからなるチャネル層と、
    前記チャネル層の上に形成されてなる、InAlGaN(x+y+z=1、x≧0、y≧0、0<z<1)からなるバリア層と、
    前記バリア層の上に形成されてなる、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極と、
    を備え、
    前記下地基板が、
    少なくとも前記一方主面にアッシングダメージ層を備え、
    かつ、
    前記一方主面に励起波長が325nmのHe−Cdレーザーを800W/cmの励起強度にて照射してフォトルミネッセンス測定を行ったときの、バンド端発光の発光強度に対するバンド端より長波長側における発光の発光強度の比が、10%以上である、
    ZnドープGaN単結晶基板である、
    ことを特徴とする、半導体素子。
  14. 請求項13に記載の半導体素子であって、
    前記下地基板が、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が105%以下であるZnドープGaN単結晶基板である、
    ことを特徴とする、半導体素子。
  15. 請求項14に記載の半導体素子であって、
    前記下地基板が、前記フォトルミネッセンス測定を行ったときの前記発光強度の比が25%以上80%以下であるZnドープGaN単結晶基板である、
    ことを特徴とする、半導体素子。
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