JP2021153549A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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和之 松田
Kazuyuki Matsuda
和之 松田
大智 加藤
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Abstract

【課題】設置スペースがスプールの糸巻胴部の溝深さの影響を受け難く、効率的な肉抜きによるスプール軽量化を可能にするとともに、着脱作業性を悪化させることなく安定した良好な音を発することができる発音機構を備えた魚釣用スピニングリールを提供する。【解決手段】本発明の魚釣用スピニングリールの発音機構60は、釣糸が巻回されるスプール20の糸巻胴部22の後部内側部S2に設けられる支持部材62と、支持部材62に変位可能に支持される発音部材64と、スプール軸12に設けられ、発音部材64が係脱する凹凸部68aを周面に有する音出し部材68とを備える。支持部材62は、スプール20の回転に制動力を付与するドラグ装置18が収容される収容部S1と後部内側部S2とに糸巻胴部22内を画定するスプール20の内側底部25に抜け止め嵌着される。【選択図】 図3

Description

本発明は、魚釣用スピニングリールに関し、特に、釣糸の繰り出しに伴うスプールの回転状態を報知する発音機構に特徴を有する魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールは、回転操作可能に設けられるハンドルをリール本体の後部側に備えるとともに、ハンドルの回転操作により回転駆動されるロータと、スプール軸を介して前後方向に往復駆動されるスプールとをリール本体の前部に備えて成り、ロータが回転されつつスプールが前後動することによってスプールに釣糸が均等に巻回されるようになっている。また、一般に、魚釣用スピニングリールは、スプールの回転に制動力を付与するドラグ装置を備えており、それに伴って、釣糸の繰り出しに伴うスプールの回転状態を報知する発音機構が設けられている。
前記発音機構は、スプール軸とこれに回転可能に摩擦結合するスプールとの相対回転によって発音するようになっており、スプール軸及びスプールのうちの一方に設けられて周方向に凹凸部を有する音出し部材と、スプール軸及びスプールのうちの他方に設けられて音出し部材の凹凸部に係脱する発音部材とによって構成されている。
このような構成の発音機構は、従来から様々な形態のものが知られており、例えば、特許文献1及び特許文献2には、スプール軸に音出し部材を回転不能に固定するとともに、釣糸が巻回されるスプールの糸巻胴部を画定しつつ径方向外側に広がるようにリール本体の後部へと延在するスプールの後部フランジの内側底部に発音部材をバネ付勢しつつ揺動可能に設けて成る発音機構が開示されている。
また、特許文献3には、スプールの糸巻胴部の内周面に凹凸部を形成して音出し部材を構成するとともに、スプール軸に回り止め嵌合する保持部材に発音部材をバネ付勢しつつ移動可能に設けて成る発音機構が開示されている。
実開昭48−4895号公報 実開昭55−77969号公報 特開平9−187199号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示される発音機構では、釣糸が巻回される糸巻胴部を画定するスプールの後部フランジの内側底部に発音部材を設けるようにしているため、糸巻き量を規定する糸巻胴部の溝深さによっては、後部フランジの内側底部に対する発音部材の装着が困難となる場合がある。すなわち、スプールは、釣種によって糸巻き量が異なり、それに応じて糸巻胴部の溝深さも様々であることから、溝深さが浅いと、その影響を受けて糸巻胴部を画定するスプールの後部フランジの内側底部領域が狭くなり、発音部材の取り付け位置が制限される或いは取り付けスペースを確保できないといった事態も生じかねず、設計の自由度が低下してしまう結果となる。また、スプールの後部フランジの内側底部領域に発音部材の取り付けスペースを確保しようとすると、効率的な肉抜きによるスプールの軽量化が図れなくなるといった不具合も生じ得る。
また、特許文献1及び特許文献2に開示される発音機構では、発音部材がネジ部材を介してスプールの後部フランジの内側底部に取着されるとともに後部フランジ寄り(スカート部に近接する径方向外方の後部側)に配設されていることから、発音部材の着脱作業性が悪いという問題もある。
一方、特許文献3に開示される発音機構は、ドラグ装置が収容されるスプールの糸巻胴部内の領域に密封状態で配設されているため、音がこもってしまい、歯切れの良い大きい音質及び音量が得られないとともに、発音機構の着脱作業性が悪いという問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、設置スペースがスプールの糸巻胴部の溝深さの影響を受け難く、効率的な肉抜きによるスプール軽量化を可能にするとともに、着脱作業性を悪化させることなく安定した良好な音を発することができる発音機構を備えた魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、釣糸が巻回されるスプールをリール本体に支持されたスプール軸に回転可能に支持し、釣糸の繰り出しで前記スプールが前記スプール軸に対して回転することにより発音する発音機構を備えた魚釣用スピニングリールであって、前記発音機構は、釣糸が巻回される前記スプールの糸巻胴部の後部内側部に設けられる支持部材と、前記支持部材に変位可能に支持される発音部材と、前記スプール軸に設けられ、前記発音部材が係脱する凹凸部を周面に有する音出し部材とを備え、前記支持部材は、前記スプールの回転に制動力を付与するドラグ装置が収容される収容部と前記後部内側部とに前記糸巻胴部内を画定する前記スプールの内側底部に抜け止め嵌着されることを特徴とする。
上記構成によれば、前述した特許文献1及び特許文献2のように釣糸が巻回される糸巻胴部を画定するスプールの後部フランジの内側底部ではなく、糸巻胴部の内側に、発音機構の構成要素が設けられているため、発音機構の設置スペースがスプールの糸巻胴部の溝深さの影響を受け難く、したがって、糸巻胴部の溝深さによって発音機構の構成要素の取り付け位置が制限される或いは取り付けスペースを確保できないといった事態を回避でき、設計の自由度を高めることができるとともに、効率的な肉抜きによるスプールの軽量化を図ることもできるようになる。
また、上記構成によれば、スプールの回転に制動力を付与するドラグ装置が一般に配設されるスプールの糸巻胴部の前部内側部ではなく後部内側部に発音機構の構成要素が設けられるため、音をこもらせることなく歯切れの良い大きい音質及び音量を得ることができる。
また、上記構成によれば、支持部材(したがって、支持部材に支持される発音部材)は、前述した特許文献1及び特許文献2のようにネジ部材を用いることなく且つスプールの後部フランジの内側底部で後部フランジ寄りに配設されるのではなく、また、前述した特許文献3のようにドラグ装置が一般に配設されるスプールの糸巻胴部の前部内側部に配設されるのではなく、ドラグ装置が収容される収容部と後部内側部とに糸巻胴部内を画定するスプールの内側底部に抜け止め嵌着されているにすぎないため、支持部材、ひいては、支持部材に関連付けられる発音機構の各構成要素の着脱作業性を従来に比して向上させることができる。また、このように収容部と後部内側部とを画定するスプールの内側底部に発音機構の構成要素を配設するようにすれば、発音機構の構成要素の設置スペースを安定的に且つ効率的に確保できるとともに、発音機構の構成要素が配設される後部内側部をドラグ装置が収容される糸巻胴部内の密封領域(収容部)から内側底部によって分離でき、音をこもらせずに良好な発音を実現できる。また、限られた糸巻胴部内の空間を効率的に分配して発音機構をコンパクトに収容することも可能になる。
なお、上記構成において、「後部」とは、スプール軸の軸方向に沿う方向でスプールに巻回される釣糸の繰り出し方向側を「前部」とした場合に、それと反対側の部分を言うものとする。
また、上記構成において、発音部材は、スプール軸に対して交差する径方向に延びる支持部材の支持部に変位可能に支持されることが好ましい。これによれば、前述した特許文献1及び特許文献2のようにスプール軸と平行な軸部に発音部材が変位可能に支持されず、スプール軸に対して交差する径方向に延びる支持部材の支持部に発音部材が変位可能に支持されるようになるため、発音部材が釣糸繰り出し時のスプール回転の遠心力の影響を受けず、したがって、発音状態が変化することなく安定するとともに、限られた糸巻胴部内の空間内に発音部材をコンパクトに収容することもできる。
また、上記構成において、支持部材は、スプールの内側底部に抜け止め嵌着される環状支持体を有してもよい。この場合、環状支持体は、内側底部から後部へ向けて延びてスプール軸に回転可能に支持されるスプールの筒状部に嵌着されることが好ましい。これによれば、スプールの糸巻胴部の後部内側部に支持部材を簡単に且つ省スペースで取着できるとともに、スプールの内側底部に対する環状支持体の抜け止め嵌着を容易ならしめることができる。この場合、環状支持体は、筒状部の外周に嵌着されてもよく或いは内周に嵌着されてもよく、また、釣糸の繰り出しで回転するスプールに連れ回り可能にスプールの筒状部に摩擦結合されることが好ましい。
なお、環状支持体の形状は、スプールの内側底部の筒状部に嵌着できる環状のものであればよく、環状部の一部を切り欠いたC字状等、その形状は限定されない。
また、上記構成において、支持部材は、スプールの筒状部と環状支持体との間に配設される環状弾性部材によって筒状部に摩擦結合されて抜け止め係合されることが好ましい。これによれば、支持部材を簡単且つ確実にスプールの筒状部に摩擦結合できるだけでなく、筒状部からの支持部材の抜けを防止する(支持部材の軸方向の動きを規制する)抜け止め機構、及び、筒状部に対して支持部材を摩擦結合させる(スプールに連れ回り可能に支持部材を回転方向で規制する)回転規制機能の2つの機能を環状弾性部材が兼ね備えることとなり、少ない部品点数で複数の機能を実現でき、部品数を減らして組み立て作業性を向上させ、製造コストも低減できる。
また、上記構成において、発音部材は、支持部に揺動可能にバネ付勢支持される揺動部材であってもよく、或いは、音出し部材の凹凸部に係脱可能に弾発係合する径方向に移動可能なピン、更には、基部が支持部に固定支持された先端部にバネ性を有する弾性片であっても構わない。
本発明によれば、設置スペースがスプールの糸巻胴部の溝深さの影響を受け難く、効率的な肉抜きによるスプール軽量化を可能にするとともに、着脱作業性を悪化させることなく安定した良好な音を発することができる発音機構を備えた魚釣用スピニングリールが得られる。
本発明の一実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部断面を伴う側面図である。 図1の魚釣用スピニングリールのスプール部分の拡大断面図である。 図2のA方向から見た発音機構の側面図である。 発音機構の第1の変形例を示す図3に対応する図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 発音機構の第2の変形例を示すスプール軸の軸方向に沿う要部拡大断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの構成部材について説明する。なお、本明細書中において、「前」とは、後述するスプールが位置される側を、「後」とは、後述するハンドル6が位置される側を言うものとする。
図1〜図3は本発明の一実施形態を示している。図1に示されるように、本実施形態に係る魚釣用スピニングリール1は、公知のように、リール本体2と、フライヤ軸(図示せず)を介してリール本体2の前部に回転可能に装着されたロータ4と、ハンドル6とを備えており、ハンドル6とロータ4の前記フライヤ軸とがリール本体2に内蔵された周知のギヤ列機構(図示せず)によって連結されて、ハンドル6の回転操作によりロータ4が回転するようになっている。
ロータ4には一対の支持アーム8が一体的に成形され、各支持アーム8の先端には、半環状のベール10が図示しないベール支持部材を介して釣糸巻取位置と釣糸放出位置との間でそれぞれ反転自在に取り付けられている。
また、前記フライヤ軸を貫通して前後に進退可能なスプール軸12がリール本体2に支持されており、スプール軸12は、リール本体1に内蔵された周知の往復動機構(図示せず)によりロータ5の回転に連動してリール本体2の前後方向(図中、左右方向)に往復動するようになっている。
図2に明確に示されように、ロータ4から前方に突出するスプール軸12の端部外周には円筒状のスプール支持部材15が回り止め嵌合状態で取着されており、このスプール支持部材15には、ドラグ装置18を介してスプール20が回転可能に摩擦結合されている。
スプール20は、釣糸が巻回される糸巻胴部22を有する。糸巻胴部22は、所定の溝深さDを有しており、スプール20の径方向外側に突出するようにスプール20の前端部に形成される前部フランジ19と、スプール20の後部側で径方向外側にスカート状に広がるようにリール本体2の後部へと延在する筒状の後部フランジ21とによって画定される。
また、スプール20は、ドラグ装置18が収容される収容部S1と、後述する発音機構の構成要素が配設される後部内側部S2とに糸巻胴部22内を画定する内側底部25を有する。内側底部25は、糸巻胴部22の内周面から径方向内側へ向けて環状に延在しており、その中央には、リール本体2の後部へ向けて軸方向に延びる筒状部26を形成している。筒状部26は、本実施形態では内側底部25と一体に形成されて後部内側部S2内で内側底部25から軸方向に延在しており、スプール支持部材15との間に介挿された軸受50,52を介して、スプール支持部材15(スプール軸12)に回転可能に支持されている。
内側底部25によって糸巻胴部22内の前側に画定される収容部S1内には、前述したようにドラグ装置18が収容されており、このドラグ装置18は、スプール20の回転に制動力を付与するようになっている。具体的には、ドラグ装置18は、公知のように、スプール20の内周面と相対回転不能に結合され且つスプール支持部材15の外周に相対回転可能に嵌合するドラグワッシャと、スプール支持部材15の外周に相対回転不能に嵌合し且つスプール20の内周面とフリー状態にあるドラグワッシャと、ワッシャ間に介挿される摩擦プレートとを含む積層状態のワッッシャ群を有しており、スプール軸12の先端部12aの外周面に形成されたネジ部(図示せず)にはドラグ調整ノブ40と係合する図示しないドラグ調整ナットが螺合し、このドラグ調整ナットとドラグ装置18との間に圧縮バネ45が介挿される。そして、ドラグ調整ノブ40の回転操作により、ドラグ装置18のワッシャ群に作用する圧縮バネ45のバネ圧が変化し、ドラグワッシャ間及びドラグワッシャと内側底部25のドラグ摩擦面25aとの間の摩擦結合力が変化して、スプール20へのドラグ力が調整されるようになっている。
内側底部25によって糸巻胴部22内の後側に画定される後部内側部S2内には、釣糸の繰り出しでスプール20がスプール軸12に対して回転することにより発音する発音機構60の構成要素が配設される。図2及び図3に示されるように、発音機構60は、その構成要素として、後部内側部S2内に設けられて筒状部26に支持される支持部材62と、この支持部材62に支持される発音部材64と、スプール支持部材15(したがって、スプール軸12)に支持される音出し部材68とを有する。なお、スプール支持部材15に支持される音出し部材68は、支持部材62と同様にその全部が又は一部が後部内側部S2内に位置されることが好ましいが、そうである必要はない。また、本実施形態では、支持部材62及びこれに支持される発音部材64が後部内側部S2内で筒状部26に支持され、音出し部材68がスプール支持部材15に支持されているが、その逆、すなわち、支持部材62及びこれに支持される発音部材64がスプール支持部材15に支持され、音出し部材68が後部内側部S2内で筒状部26に支持されてもよい。
支持部材62は、スプール20の内側底部25から延びる筒状部26に抜け止め嵌着される環状支持体62aと、環状支持体62aと一体に形成されてスプール軸12に対して交差する径方向に延びる支軸(支持部)62bとを有する。この場合、環状支持体62aは、筒状部26の外周面に形成された環状溝(周溝)26aに部分的に嵌合されており、環状溝26aの底部の環状凹部に嵌め込まれたOリング80を介して筒状部26に摩擦係合されてユニット化される。すなわち、環状支持体62aは、釣糸の繰り出しで回転するスプール20に連れ回り可能に筒状部26に摩擦結合されている。なお、環状支持体62aは、筒状部26の後端部に嵌め付けられた筒状の規制部材82によってその軸方向の動きが規制されている。
発音部材64は、支持部材62の支軸62bに移動可能にバネ付勢支持されている。具体的には、発音部材64は、その中央の取付部64fに形成された取付孔64eに支持部材62の支軸62bが嵌入されることによって支軸62bを中心に揺動可能となっており、取付部64fからスプール20の径方向に対して直交する方向に延びる第1のアーム64dと、取付部64fから音出し部材68へ向けて斜めに延びる第2のアーム64cとを有するとともに、支軸62bに巻回装着されたトーションバネ69によって第2のアーム64の端部の係止爪64aが音出し部材68の後述するラチェット歯68aと係合する方向に常時付勢されつつ回転可能に支軸62bの端部に係止される止め輪や止め螺子等で抜け止め支持されている。なお、第1のアーム64dの端部は、トーションバネ69の一端が取り付け固定されるバネ固定部64bを形成している。
音出し部材68は、スプール支持部材15(したがって、スプール軸12)に回り止め嵌合されており、発音部材64が係脱する凹凸部を周面に有している。具体的には、音出し部材68は、発音部材64の係止爪64aが係脱可能に係合する複数のラチェット歯68a、すなわち、スプール軸12の軸方向で発音部材64に向けて立ち上がるように延びる第1の歯面70とこの第1の歯面70の反対側で発音部材64に向けて立ち上がるように斜めに延びて頂点で第1の歯面70に接続する第2の歯面72とをそれぞれが有する複数のラチェット歯68aが全周にわたって設けられた歯車として形成されており、図3に矢印で示される一方向の回転(釣糸繰り出し方向のスプール20の回転)のみを伝えて反対の回転を伝えないラチェット機構を係止爪64aと協働して形成する。なお、音出し部材68は、スプール軸12に回り止め支持される座板79によってその軸方向の動きが規制されている。
以上のような構成を成す発音機構60によれば、スプール20の糸巻胴部22に巻回された釣糸が繰り出されてスプール20が図3に矢印で示される釣糸繰り出し方向に回転されると、スプール20と共に発音部材64も音出し部材68に対して回転し、それにより、発音部材64の係止爪64aが音出し部材68のラチェット歯68aとの係脱を繰り返すことによって、すなわち、発音部材64が揺動しつつ係止爪64aがそれぞれのラチェット歯68aを繰り返し乗り越えることで音出し部材68に切り換えし衝突することによってクリック音が発せられて、釣糸の繰り出しに伴うスプール20の回転状態が報知される。
以上説明したように、本実施形態によれば、前述した特許文献1乃至3のように釣糸が巻回される糸巻胴部22を画定するスプール20の後部フランジ21ではなく、糸巻胴部22の内側に、発音機構60の構成要素が設けられているため、発音機構60の設置スペースがスプール20の糸巻胴部22の溝深さDの影響を受け難く、したがって、糸巻胴部22の溝深さDによって発音機構60の構成要素の取り付け位置が制限される或いは取り付けスペースを確保できないといった事態を回避でき、設計の自由度を高めることができるとともに、効率的な肉抜きによるスプール20の軽量化を図ることもできるようになる。
また、本実施形態によれば、特許文献1及び特許文献2のようにスプール軸12と平行な軸部に発音部材60が移動可能に支持されておらず、スプール軸12に対して交差する径方向に延びる支持部材62の支軸62bに発音部材64が移動可能に支持されているため、発音部材64が釣糸繰り出し時のスプール回転の遠心力の影響を受けず、したがって、発音状態が変化することなく安定するとともに、限られた糸巻胴部22内の空間内に発音部材64をコンパクトに収容することもできる。
また、本実施形態によれば、ドラグ装置18が配設されるスプール20の糸巻胴部22の前部内側部、すなわち、収容部S1ではなく、内側底部25によって収容部S1から分離される後部内側部S2に発音機構60の構成要素が設けられるため、音をこもらせることなく歯切れの良い大きい音質及び音量を得ることができる。
また、本実施形態によれば、支持部材62(したがって、支持部材62に支持される発音部材64)は、前述した特許文献1及び特許文献2のようにネジ部材を用いることなく且つスプール20の後部フランジ21の内側底部で後部フランジ寄りに配設されるのではなく、また、前述した特許文献3のようにドラグ装置18が配設されるスプール20の糸巻胴部22の収容部S1に配設されるのではなく、収容部S1と後部内側部S2とに糸巻胴部22内を画定するスプール20の内側底部25に抜け止め嵌着されているにすぎないため、支持部材62、ひいては、支持部材62に関連付けられる発音機構60の各構成要素の着脱作業性を従来に比して向上させることができる。
図4及び図5は、発音機構の第1の変形例を示している。図示のように、本変形例に係る発音機構60Aでは、支持部材62(環状支持体62a)の外周に装着される環状弾性部材としてのOリング90によってスプール20の筒状部26に対する支持部材62の抜け止めと回転方向の摩擦抵抗付与(摩擦結合)とが成されている。すなわち、Oリング90は、スプール20の筒状部26からの支持部材62の抜けを防止する(支持部材62の軸方向の動きを規制する)抜け止め機構、及び、筒状部26に対して支持部材62を摩擦結合させる(スプール20に連れ回り可能に支持部材62を回転方向で規制する)回転規制機能の2つの機能を兼ねている。
具体的には、支持部材62の両側には外周の一部に切り欠き部62c,62cが設けられ、これらの切り欠き部62c,62cを除く支持部材62の外周に設けられた周溝62dに嵌り込むようにOリング90が支持部材62の全周にわたって巻着されている。そして、支持部材62の切り欠き部62c、62cを介して外部に露出されたOリング90の部位がスプール20の筒状部26の外周の環状溝(周溝)26aに係合し、それにより、筒状部26に対して支持部材62を軸方向及び回転方向で摩擦結合させる摩擦結合部95が形成されている。すなわち、これらの摩擦結合部95によって、支持部材62には回転方向及び軸方向のそれぞれで摩擦抵抗が作用し、支持部材62は、回転方向で摩擦抵抗を受けながら軸方向で動きが規制される(したがって、前述した実施形態のような規制部材82も不要となる)。なお、それ以外の構成は前述の実施形態の発音機構60と同じであり、したがって、前述した実施形態と同様の作用効果を有することができる。
図6は、発音機構の第2の変形例を示している。図示のように、本変形例に係る発音機構60Bの発音部材は、径方向に移動可能なピン96によって構成される。このピン96は、スプール支持部材15に回り止め嵌合された音出し部材68の内周に形成された凹凸部68a’に対して係脱可能に弾発係合するようになっている。
具体的には、ピン96は、音出し部材68の凹凸部68a’に係脱自在に係合する例えば弾頭形状の係止部96aと、この係止部96aからスプール20の筒状部26へ向けて径方向に延びる軸部96bとから成り、スプール20の筒状部26に取り付けられた支持部材62Aに保持されている。支持部材62Aは、スプール20の筒状部26に回り止め結合され或いは回転可能に摩擦結合される環状支持体62Aaと、スプール軸12に対して交差する径方向に延びる支持部62Abとから成り、支持部62Abに対してピン96が径方向に移動可能に支持されている。また、ピン96は、支持部62Abに取着された圧縮バネ97によって係止部96aが音出し部材68の凹凸部68a’に係合する方向に常時付勢され、止め輪97aで抜け止めされている。なお、それ以外の構成は前述の実施形態の発音機構60と同じであり、したがって、前述した実施形態と同様の作用効果を有することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、前述した実施形態では、糸巻胴部の後部内側部がスプールの内側底部によって画定されているが、そのように後部内側部が内側底部によって画定されてドラグ装置から分離されている必要はない。また、発音部材、支持部材、音出し部材の形態も前述した実施形態のそれに限定されず、任意の形態を成すことができる。また、前述した実施形態では、環状弾性部材としてOリングが使用されているが、環状弾性部材は、支持部材を筒状部に摩擦結合して抜け止め係合させることができさえすれば、どのような形態及び材料の弾性部材であっても構わない。
1 魚釣用スピニングリール
2 リール本体
12 スプール軸
20 スプール
22 糸巻胴部
25 内側底部
26 筒状部
60 発音機構
62,62A 支持部材
62a 環状支持体
62b 支軸(支持部)
62Ab 支持部
64 発音部材
68 音出し部材
68a ラチェット歯(凹凸部)
68a’ 凹凸部
69 トーションバネ
90 Oリング(環状弾性部材)
96 ピン
97 圧縮バネ
S1 収容部
S2 後部内側部

Claims (8)

  1. 釣糸が巻回されるスプールをリール本体に支持されたスプール軸に回転可能に支持し、釣糸の繰り出しで前記スプールが前記スプール軸に対して回転することにより発音する発音機構を備えた魚釣用スピニングリールであって、
    前記発音機構は、
    釣糸が巻回される前記スプールの糸巻胴部の後部内側部に設けられる支持部材と、
    前記支持部材に変位可能に支持される発音部材と、
    前記スプール軸に設けられ、前記発音部材が係脱する凹凸部を周面に有する音出し部材と、
    を備え、
    前記支持部材は、前記スプールの回転に制動力を付与するドラグ装置が収容される収容部と前記後部内側部とに前記糸巻胴部内を画定する前記スプールの内側底部に抜け止め嵌着されることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記発音部材は、前記スプール軸に対して交差する径方向に延びる前記支持部材の支持部に変位可能に支持されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記支持部材は、前記スプールの前記内側底部に抜け止め嵌着される環状支持体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記支持部材の前記環状支持体は、前記内側底部から後部へ向けて延びて前記スプール軸に回転可能に支持される前記スプールの筒状部に嵌着されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. 前記支持部材の前記環状支持体は、釣糸の繰り出しで回転する前記スプールに連れ回り可能に前記スプールの前記筒状部に摩擦結合されることを特徴とする請求項4に記載の魚釣用スピニングリール。
  6. 前記支持部材は、前記スプールの前記筒状部と前記環状支持体との間に配設される環状弾性部材によって前記筒状部に摩擦結合されて抜け止め係合されることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用スピニングリール。
  7. 前記発音部材が前記支持部に揺動可能にバネ付勢支持されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
  8. 前記発音部材は、前記音出し部材の前記凹凸部に係脱可能に弾発係合する径方向に移動可能なピンであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
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