JP2021153543A - フレッシュ廃液を利用した飼料 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレッシュ廃液を元にして、新規な配合飼料などを提供する。【解決手段】微生物で発酵させたフレッシュである発酵フレッシュを含有することを特徴とする配合飼料によって達成される。このとき、フレッシュは、廃棄される廃棄フレッシュであることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、コーヒーなどに利用するコーヒーホワイトナーであるフレッシュの廃液を利用した新規な飼料及びその製造方法などに関する。
世界的な魚貝類の需要の増大や水産資源の減少により、安価で効率的な養殖魚飼料の開発が期待されている。現在の魚貝類の主な飼料は、南米から輸入されている魚粉である。しかし、中国などの養殖産業の急激な拡大により、世界的に魚粉の品不足が懸念されている。
また、養殖産業の拡大に対し、様々な食品廃棄物から養殖魚用の飼料開発が広く行われている。近年、プロバイオテックス、すなわち人体に良い影響を与える微生物(善玉菌)やそれらを含む製品や食品が注目を集めている。乳酸菌に代表される善玉菌を食品から摂取することで、腸内の悪玉細菌の増殖を抑え、消化系のバランスを改善し、体内環境を整えることで病気の発生を未然に抑えられると言われている。しかし、プロバイオテックスの技術を利用した養殖魚飼料の開発は少なく、例えば特許文献1などが抽出される程度であった。
特開2015−172019号公報
特許文献1には、きのこ廃菌床を含む培養基で乳酸菌を培養して得られる乳酸菌発酵物を含む魚介類用の免疫賦活剤に関する技術が開示されている。但し、この技術分野についての歴史は浅く、更なる開発の余地が残されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フレッシュ廃液を元にして、新規な配合飼料などを提供することにある。
本発明者は、上記問題を解決するため、フレッシュを発酵させたものを利用することにより、新規飼料を提供できることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
本明細書中において、フレッシュとは、コーヒーなどに加える小型のクリームであるコーヒーホワイトナーのことを意味しており、主として植物性油脂を原料として製造されたものを言う。
本発明者の一人は、フレッシュの製造・販売に関する業務に接しており、毎日のように相当量のフレッシュが廃棄されている事態を憂慮していた。このため、廃棄されるフレッシュ(特にフレッシュを製造する前後に発生してしまう廃棄フレッシュ)を有効利用する方策を探していた。廃棄フレッシュには、高含量のタンパク質(20%)や脂質(40%)が含まれており乳酸菌の生育に適している。乳酸菌はフレッシュ中でスムーズに発酵し、pHが4.2程度まで低下することで防腐効果も高められる。また、発酵フレッシュ(以下、「発酵F」ということがある)を添加することにより、養殖魚に対するプロバイオテックス効果が期待される。
こうして、上記問題を解決するための発明に係る配合飼料は、微生物で発酵させたフレッシュである発酵フレッシュを含有することを特徴とする。
発酵フレッシュとは、フレッシュ(好ましくは廃棄フレッシュ)を原材料として、微生物(例えば乳酸菌)で発酵させたもの(発酵物)を意味する。
フレッシュ廃液の発酵物の製造方法は、以下(a)、(b)の工程、すなわち、(a)フレッシュ廃液をタンクに集める廃液回収工程、(b)前記廃液回収工程で回収されたフレッシュ廃液に乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)を添加し、15℃〜25℃で2日間〜40日間に渡って保温する発酵工程、を経て得られることを特徴とする。
前記フレッシュ廃液は、フレッシュ製造工程で生じる廃棄物であることが好ましい。すなわち、フレッシュ廃液として、フレッシュ製造前に機械を通して生ずる廃棄物および製造後の洗浄で生ずる廃棄物(廃棄フレッシュ)であることが好ましい。
前記フレッシュ廃液は、フレッシュを希釈したものであることが好ましい。すなわち、フレッシュ廃液の成分(例えば、タンパク質・脂質など)の比率が、フレッシュの成分比率と同等であることが好ましい。
別の発明に係る配合飼料は、発酵フレッシュを含有することを特徴とする。配合飼料とは、ヒトの食料ではなく、家畜・家禽・養魚などを飼育するために餌として与えられる物を意味する。このとき、配合飼料は、淡水魚または海水魚用の飼料であることが好ましい。また、配合飼料は、家畜または家禽用の飼料であることが好ましい。
本発明によれば、廃棄フレッシュを利用して、有用な発酵Fを製造できる。このとき、(1)廃棄フレッシュを有効に利用し、(2)プロバイオテックス効果のある発酵Fを製造でき、(3)発酵による酸性化によって発酵Fの防腐効果を得られるという一石三鳥の効果が得られる。発酵Fは、プロバイオテックスの観点から、養殖魚飼料としてだけでなく、豚や家禽飼料のサプリメントとしても利用できる。
実施例5において、3種類の発酵Fを与えたときのラットの摂食量を示すグラフである。 実施例5において、3種類の発酵Fを与えたときのラットの摂水量を示すグラフである。 実施例5において、3種類の発酵Fを与えたときのラットの糞量を示すグラフである。 実施例6において、2種類の発酵Fを与えたときのラットの摂取量を示すグラフである。 実施例6において、2種類の発酵Fを与えたときのラットの体重を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施できる。
本発明者が考慮した研究ステップは、下記の通りである。(1)廃棄フレッシュに乳酸菌を投与し、発酵させることで発酵Fを作製する、(2)発酵Fを作製するための発酵温度、発酵時間、振盪・攪拌とpHや凝固状況との関係の解明する、(3)魚粉を含む配合飼料に種々の濃度の発酵Fを添加して配合飼料を作製する、(4)発酵F添加配合飼料が淡水魚や海産魚用の飼料として有効であることを確認する。ステップの研究を行うことによって、本発明を有効に提供することができた。
廃棄フレッシュを発酵させる場合に、発酵に適した乳酸菌を用いて効率よく発酵させる技術の開発が必要条件である。この必要条件を満たす廃棄フレッシュの発酵技術であれば特に限定されるものではないが、本発明者が保有する乳酸菌KY-2株(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)は、廃棄フレッシュを効率よく発酵させて発酵Fができる技術を確立していることから、発酵に用いる細菌として乳酸菌KY-2を用いることが望ましい。
本乳酸菌KY-2株は、30年近く牛乳のヨーグルト発酵に使用されており、安全性の面で問題はない。本菌株は30℃付近で発酵させると効果的であるが、発酵可能な温度は4℃〜40℃と広範囲である。KY-2株は、菌の塊をつくるので、その塊を牛乳またはフレッシュに植え継ぐことにより、容易に継代培養することが可能である。KY-2株の発酵物は、酸性であるため、発酵工程で無菌室などを必要とせず、通常の工場で発酵乳または発酵Fの製造を行える。
ラットを使った実験によれば、50%の発酵Fを含む飼料を与えた場合には、食欲は対照区より旺盛だったため、養豚・家禽・ペット(犬・猫など)などの飼料のサプリメントとして期待できる。上記のデータより、発酵Fを添加した配合飼料は、海産魚、淡水魚、養豚、家禽、ペットなどの飼料のサプリメントに対して適用できる。
<実地例1>
乳酸菌KY-2株の16SrDNAの解析を行った結果((株)テクノスルガ・ラボ)、Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides であることが分かった(表1、配列番号1)。
Figure 2021153543
<実地例2>
廃棄フレッシュとして、フレッシュ廃液を回収したものを用いた(廃液回収工程)。このとき、フレッシュ廃液として、フレッシュを製造するフレッシュ製造工程で生じた廃棄物、すなわちフレッシュ製造前に機械を通して生じた廃棄物および/またはフレッシュ製造後の洗浄で生じた廃棄物を用いた。このフレッシュ廃液は、フレッシュを希釈したものに等しく、フレッシュ廃液の成分比率は、フレッシュの成分比率(例えば、タンパク質・脂質など)と同等であった。
廃棄フレッシュに乳酸菌KY-2を接種し、種々の発酵温度(4, 25, 30℃)で35日間発酵させ(発酵工程)、定期的にpHと凝固の度合いを測定した結果を表2に示した。配合飼料の調製には30℃で3日間発酵させた発酵Fを用いた。
Figure 2021153543
廃棄フレッシュはpH6.8であったが、乳酸菌を投与して30℃で保存すると、急速に酸性化し、6日目でpH4.21まで低下した。その後は徐々にpHが上昇し、35日目ではpH5.29となった。25℃で保存した場合、30℃で保存した場合に比べると、酸性化は若干緩やかであったが、6日目でpH4.17まで低下した。その後は徐々にpHが上昇し、35日目ではpH4.91となった。4℃保存では、酸性化は最後まで緩やかに進行し、35日目ではpH4.54となった。凝固に関してはいずれの温度でも1日目から弱い凝固が見られた。30℃と25℃では3日目くらいから強く凝固し、最後まで強い凝固は維持された。しかしながら4℃では最後まで強い凝固は観察されなかった。
<実地例3> 発酵F添加飼料を用いた淡水魚コイの飼育試験
コイ飼育試験飼料の成分を表3に示した。
Figure 2021153543
各試験区の飼料に発酵Fを0(対照区)、5%及び10%添加し、大豆粕、米糠、米粉などを加えて成分の割合を調整した。各飼料の成分は表3に示すように、タンパク質含量は 45.2〜48.7%、脂質含量は 16.3〜22.7%、糖質は12.3〜13.6%、灰分は14.4〜16.3%、水分4.5〜5.1%であった。
市販のコイ稚魚を対照区、5%発酵F区、10%発酵F区の水槽(17×17×17cm)で飼育した。各試験区には4つの水槽を割り当て、各水槽に12匹のコイの稚魚を入れ、合計48匹を飼育した。各試験区で飼育するコイ稚魚は合計144匹使用した。飼育は閉鎖系の循環水槽を用い、水温は16℃で、1日あたり3回(7:00, 15:00, 20:00)食べ残しがないように給餌した。各供試魚の体重と体長を測定し、平均値で表した。
発酵Fを0%, 5%及び10%添加した配合飼料でコイを41日間飼育したときの体重を測定した結果を表4に示した。体重増加率は対照区では154%、5%区では155%で両区でほとんど差は見られなかった。しかしながら、10%区では239%と体重の増加率が高かった。
Figure 2021153543
発酵Fを5%と10%添加した配合飼料でコイを41日間飼育したときの体長を測定した結果を表5に示した。発酵廃乳を5%と10%添加した配合飼料でコイを41日間飼育したときの体長を測定した結果、体長の増加率はコントロール区では170%、5%区では172%で両区でほとんど差は見られなかった。しかしながら、10%区では239%と増加率が大きかった。
Figure 2021153543
<実地例4> 発酵F添加飼料を用いた海産魚マダイ稚魚の飼育試験
マダイ稚魚飼育試験飼料の成分を表6に示した。各試験区の飼料に発酵Fを0(対照区), 5, 10, 15%添加し、大豆粕、米糠、米粉などで成分の割合を調整した。
Figure 2021153543
市販のマダイ稚魚を対照区、5%発酵F区、10%発酵F区、15%発酵F区の水槽(17×17×17cm)で飼育した。各試験区には3つの水槽を割り当て、各水槽に15匹のマダイ稚魚を入れ、合計45匹を飼育した。各試験区で飼育するマダイ稚魚は合計180匹使用した。飼育は閉鎖系の循環水槽を用い、水温は16℃で、1日あたり3回(7:00, 15:00, 20:00)に分けて給餌し、食べ残しがないようにした。各供試魚の体重と体長を測定し、平均値で表した。
発酵Fを5, 10, 15%添加した配合飼料でマダイ稚魚を35日間飼育したときの体重を測定した結果を表7と表8に示した。表7にはマダイ稚魚の体重を、表8には体重増加量をそれぞれ示した。体重の増加率はコントロール区で248%、5%区で248%、 10%区で255%、15%区では282%であった。また、対照区と比較して5%、10%、15%発酵F区ではそれぞれ1.02倍、1.06倍、1.21培の体重増加が見られた。
Figure 2021153543
Figure 2021153543
35日間飼育したときの生存率はコントロール、5%発酵F区、10%発酵F区、15%発酵F区で、それぞれ80%、88.9%、73.3%、86.7%であった。
発酵Fを5, 10, 15%添加した配合飼料でマダイ稚魚を35日間飼育したときの体長を測定した結果を表9と表10に示した。表9にはマダイ稚魚の体長を、表10には体長増加量をそれぞれ示した。体長の増加率は対照区では154%、5%区では153%で両区でほとんど差は見られなかった。しかしながら、10%区では160%、15%区で166%に増加した。また、体長の増加率を対照区と比較すると、5%、10%、15%発酵F区ではそれぞれ1.01倍、1.14倍、1.22培の体長増加が見られた。
Figure 2021153543
Figure 2021153543
各試験区で飼育されたタイ稚魚の成分分析
各試験区(対照、5%、10%、15%発酵F添加飼料区で35日間飼育されたマダイ稚魚の全魚体の成分を分析した。表11に示すように発酵廃乳添加区はいずれも対照区よりタンパク質含量が若干少なく、脂質含量が増加していた。
Figure 2021153543
<実地例5> ラットの飼育試験
発酵Fは、従来の飼料に比べると酸味が強いと考えられた。このため、発酵Fをブタなどの家畜の配合飼料に添加したときの影響を確認するために、ラットを使って摂取の可否について検討した。3種類の発酵Fは下記のように調製した。
・酸性凝固発酵(F25℃):廃棄フレッシュに乳酸菌を加え、25℃で3日間発酵させて得られた凝固発酵Fを低温室で数日間保管したもの。
・中性凝固発酵(F37℃):廃棄フレッシュに乳酸菌を加え、37℃で12時間発酵させて得られた凝固発酵Fを食塩水と蒸留水で数回洗浄後、低温室で1〜2ヶ月間保管したもの。
・酸性凝固発酵F37℃:廃棄フレッシュに乳酸菌を加え、37℃で12時間発酵させて得られた凝固発酵Fを低温室で数日間保管したもの。
配合飼料として、上記3種類の各凝固発酵Fと基礎飼料(実験動物用粉末飼料MF(オリエンタル酵母)とを等量ずつ混ぜて作成したものを用いた。
ラットは6週齢の雄性Wistar Ratを使用した。
ラット(全飼育ラット数として19匹)を下記の通りに分け、ゲージに入れて、1週間投与試験を行った。なお、水は自由に摂取させた。
A群.酸性凝固発酵(F25℃)飼育区:全6匹を2ゲージに分け、それぞれ3匹ずつ飼育した。
B群.中性凝固発酵(F37℃)飼育区:全7匹を2ゲージに分け、4匹及び3匹ずつ飼育した。
C群.酸性凝固発酵(F37℃)飼育区:全6匹を2ゲージに分け、それぞれ3匹ずつ飼育した。
(1)ラットの3種類の発酵Fに対する摂食試験
発酵FはpHが約4.5と酸性なため、ラットが摂餌するのかどうかを調べた。実験は2種類の酸性凝固発酵Fと、対照として中性凝固発酵Fを用いて行った。その結果、図1に示すように、2種類の酸性の発酵Fと、中性に調整した発酵Fとの間において、摂取量に差異は認められなかった。
(2)ラットの3種類の発酵Fに対する摂水試験
図2に示すように、摂水量に関してはC区の酸性発酵Fが少なく、B区の中性発酵FではC区よりわずかに高い摂水量を示した。それに対して、A区の酸性発酵Fでは3日目と4日目にかなり高い摂水量を示し、それ以外の日では他の区と同じような摂水傾向を示した。
(3)ラットの3種類の発酵Fの摂取後の糞量
図3に示すように、糞の量に関しては3群の間で殆ど差異は認められなかった。いずれの群についても、糞の形状は正常であったことから、いずれの発酵Fもマウスに悪い影響は与えないことが判明した。
<実地例6> ラットに対する発酵Fの機能性の検討
次に、発酵Fがラットに与える効果について確認した。3種類の飼料は下記のように調製した。
・コントロール区:基礎飼料として、実験動物用粉末飼料(MF(オリエンタル酵母))。
・10% YOG:基礎飼料に酸性凝固発酵(F25℃)を10%加えたもの。
・50% YOG :基礎飼料に酸性凝固発酵(F25℃)を50%加えたもの。
酸性凝固発酵(F25℃)として、廃棄フレッシュに乳酸菌を加え、25℃で3日間発酵させて得られた凝固発酵Fを低温室で数日間保管したものを用いた。
ラットは6週齢の雄性Wistar Ratを使用した。
ラット(全飼育ラット数として25匹)を下記の通りに分け、ゲージに入れて、45日間の飼育試験を行った。
コントロール(CNT)区と10% YOG 区については、それぞれ8匹づつのマウスを、50% YOG区については、9匹のマウスを使用し、測定値として各区の平均値を用いた。
6週間飼育後に各ラットから採血し、血液成分について、各試験区の測定値の平均を算出した。
飼育試験中に体重増加率と血液成分をコントロール区と比較した。
(1)発酵Fが、ラットの摂取量に及ぼす影響
図4に示すように、摂食量については50%添加区が他の試験区と比較して多かった。また、いずれの区も時間の経過と共に摂食量が徐々に低下する傾向がみられた。
(2)発酵Fが、ラットの体重に及ぼす影響
図5に示すように、体重の増加については45日間の飼育期間中、各試験区(コントロール、10%Yog、50%Yog区)間で、殆ど差異は差異は認められなかった。Yog50%区では他の試験区と比較して摂食量が有意に多かったが、体重の増加に関してはいずれの試験区も差が無いことから、Yog50%区は消化率が低かったものと推測された。
(3)発酵Fが、ラットの血液に及ぼす影響
45日間飼育した10%添加区, 50%添加区及びコントロール区のラットの血液中の19項目(総蛋白、アルブミン、尿素窒素、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、クロール、カルシウム、無機リン、AST(GOT)、ALT(GPT)、アルカリフォスファターゼ、乳酸脱水素酵素、アミラーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、グルコース)について測定した。
結果を表12に示した。総コレステロール値はコントロール区と比較して10%区で若干低かったが、50%区では高い値を示した。しかしながら中性脂肪とHDLコレステロールはそれほど変わらなかったので、LDL-コレステロールが高いことが推測された。その他の項目では若干の差が見られたがいずれも正常値の範囲であった。上記の通り、50%の発酵乳を与えてもコントロールと比較して、総コレステロール値がいくらか高くなった以外はいずれも正常値の範囲であった。
以上の結果から、製造が容易な酸性ヨーグルトを飼料の50%と大量に投与しても、ラットの体重の増加や血液成分に悪い影響を与えないことが判明した。
Figure 2021153543
このように、本実施形態によれば、廃棄フレッシュを利用して、有用な発酵Fを製造できた。このとき、(1)廃棄物である廃棄フレッシュを有効に利用でき、(2)プロバイオテックス効果のある発酵Fを製造でき、(3)発酵による酸性化によって発酵Fの防腐効果を得られるという一石三鳥の効果が得られた。この発酵Fは、プロバイオテックスの観点から、養殖魚飼料としてだけでなく、豚や家禽飼料のサプリメントとしても利用できることが分かった。

Claims (5)

  1. 微生物で発酵させたフレッシュである発酵フレッシュを含有することを特徴とする配合飼料。
  2. 前記フレッシュは、廃棄される廃棄フレッシュであることを特徴とする請求項1に記載の配合飼料。
  3. 下記(a),(b)の工程を備えたフレッシュ廃液の発酵物の製造方法:
    (a)フレッシュ廃液をタンクに集める廃液回収工程、
    (b)前記廃液回収工程で回収されたフレッシュ廃液に乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides)を添加し、15℃〜25℃で2日間〜40日間に渡って保温する発酵工程。
  4. 前記フレッシュ廃液は、フレッシュを希釈したものであり、フレッシュ廃液の成分比率が、フレッシュの成分比率と同等である請求項3に記載の発酵物の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載の製造方法で得られた発酵物を含有し、家畜・家禽・養魚に与える配合飼料。
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