JP2021151407A - バンド及びリスト機器 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1には、粉末冶金法を用いて製造された金属焼結体によって駒部材を形成し、これをピンで連結させてバンドを形成する技術が記載されている。
金属製の駒部材を備えるバンドは意匠性に優れ、高級感を演出することができる。
粉末冶金法によってバンドの駒部材を形成する場合、適宜肉抜きを行う等、複雑な形状に成型することは難しく、加工に手間を要するとの問題がある。
内部に空洞部を有し、金属粉末射出成型法によって製造された金属製の駒部材を備えていることを特徴としている。
図1に示すように、本実施形態において、腕時計100は、電子機器としての時計本体1と、この時計本体1に取り付けられたバンド2とを備えている。
時計ケース10の開口部には、ガラス等の透明な部材で構成される風防部材11が開口部を覆うように取り付けられている。
時計ケース10の側部には、押釦や竜頭で構成される操作ボタン12が設けられている。
また、時計ケース10の上下両端部(図1において上下端部)、つまり時計の12時方向側の端部及び6時方向側の端部には、バンド2が取り付けられるバンド取付部15が形成されている。
図2及び図3に示すように、本実施形態において、バンド2は、複数の駒部材3を連結することで構成されている。
各駒部材3における、バンド2の延在方向の一方側には凸部32が形成されている。また、バンド2の延在方向において凸部32の逆側には凸部32に対応する凹部34が形成されている。凹部34は凸部32に対応する形状となっており、駒部材3は連結状態において、凸部32が隣接する駒部材3の凹部34内に受け入れられた受入れ状態となる。
駒部材3は、ある程度の強度を保ちつつ、できだけ軽量化することが望まれる。このため、駒部材3には、肉厚の部分と肉抜きされた肉薄の部分とが適宜配置されることが好ましい。この点、従来のように粉末冶金法によってバンドの駒部材を形成する手法では、適宜肉抜きを行う等、複雑な形状に成型することは難しく、切削工程が必要となるため、加工に手間を要する。
また、例えば板金によって駒部材を形成する手法では、板厚が一定であるため、部分ごとに厚みを変えることができなかった。
これに対して金属粉末射出成型法を用いて駒部材3を形成する場合には、樹脂を成型する場合と同様に、各種の形状を少ない工程で簡易に形成することができる。これにより強度が必要な部分には厚みを持たせ、それ以外の部分ではできるだけ肉抜きを行うことで駒部材3の内部に空洞等を形成し、強度の確保と軽量化とを両立させることができる。
以下、具体的な構成について詳説する。
本実施形態における金属製の部材である駒部材3は、複数の構成部品により形成されている。
具体的には、図4及び図5に示すように、各駒部材3は、バンド2の表面に対応する第一部品4と、バンド2の裏面に対応する第二部品5とで構成される。本実施形態では、第一部品4及び第二部品5がともに金属粉末射出成型法を用いて形成されている。
図6及び図7に示すように、第一部品4は、本体部41と、本体部41におけるバンド2の幅方向の両側部にそれぞれ配置された外側部43とを有している。一対の外側部43は本体部41からバンド2の延在方向の一側にずれて配置されている。これにより、本体部41の一部が外側部42から突出した突出部42とされ、突出部42の逆側には本体部41と外側部43との間に凹部44が形成される。
なお、本体部41の内側であって第一の係合部45以外の部分は、強度を損なわない程度にできる限り薄肉に形成されている。なお、部分的にリブ等を形成して強度を増す構成としてもよい。
一対の外側部43の自由端側には、バンド2の幅方向における対応位置にそれぞれ貫通孔47が形成されている。
第一部品4と同様に、一対の外側部53は本体部51からバンド2の延在方向の一側にずれて配置されている。これにより、本体部51の一部が外側部53から突出した突出部52とされ、突出部52の逆側には本体部51と外側部53との間に凹部54が形成される。
厚肉部55におけるバンド2の幅方向のほぼ中央部分には、第一部品4における第一の係合部45に対応する第二の係合部56が形成されている。
本実施形態において、第二の係合部56は、第一の係合部45に対応する形状の切欠き部であり、第一部品4の第一の係合部45と第二部品5の第二の係合部56とは互いに組み合わされるようになっている。
第一の係合部45と第二の係合部56との組合せ状態において、貫通孔46と貫通孔57とが連通し、バンド2の幅方向に延在する第一の貫通孔35が内部に形成された凸部32が構成される。
なお、本体部51の裏側(内側)であって厚肉部55や円筒部58以外の部分は、強度を損なわない程度にできる限り薄肉に形成されている。なお、部分的にリブ等を形成して強度を増す構成としてもよい。
一対の外側部53の自由端側には、バンド2の幅方向における対応位置にそれぞれ貫通孔59が形成されている。
貫通孔59は、第一部品4の貫通孔47に対応する位置に設けられており、外側部53が外側部43に嵌め込まれた状態において貫通孔59と貫通孔47とが連通し、バンド2の幅方向に延在する第二の貫通孔(貫通孔47及び貫通孔59)が内部に形成された凹部34が構成される。
第二部品5の本体部51の外側面は、バンド2を腕に装着した際に腕に触れる部分である。本体部51の外側の面に溝部60を設けることで、汗等の水分を逃がしてバンド2と腕との間に湿気がこもるのを防ぐことができる。また、溝や窪みを設けることで、肉抜きした分、軽量化を図ることができる。
第一の係合部45及び第二の係合部56は、第一の貫通孔35に連結ピン7が挿入されることで組合せ状態が維持される。これにより、駒部材3が構成される。
本実施形態では、連結ピン7の他、Cリング8が第一の貫通孔35に挿入されるようになっている。これにより、連結ピン7のガタつきや抜け落ちが防止される。
このようにして構成された駒部材3は、第一部品4及び第二部品5の内部を適宜肉抜きしていることで、内部に空洞部を有している。
凹部34が隣接する駒部材3の凸部32を受け入れた受け入れ状態において、凸部32の第一の貫通孔35と凹部34の第二の貫通孔とが連通する。この状態において、連結ピン7を、第一の貫通孔35及び第二の貫通孔に挿通する。これにより第一部品4及び第二部品5の組合せ状態が維持されるとともに、凸部32が凹部34内に受け入れられた受入れ状態が維持され、隣接する駒部材3同士が連結される。
そして、バンド2として必要な長さ分駒部材3を連結させることでバンド2が完成する。
さらに、バンド2の端部に位置する駒部材3aの本体取付部31を時計本体1のバンド取付部15に取り付ける。これによって、バンド2を備える腕時計100が完成する。
そして、このバンド2を電子機器である時計本体1に取り付けることで、意匠性に優れ、かつ軽量な腕時計を実現することができる。
これにより、樹脂による成型品と同様に、各種の複雑な形状を簡易な工程で実現することができる。このため、加工の手間を省きつつ、適宜内部の肉抜きを行い、駒部材3の内部に空洞部を設けることができ、金属製のバンド2としての優れた高級感を演出しつつ、軽量化を図ることができる。
そして本実施形態では、複数の構成部品は、バンド2の表面に対応する第一部品4と、バンド2の裏面に対応する第二部品5である。
このため、例えばバンド2の表面側に配置される部品と裏面側に配置される部品とで材質を変えたり、表面加工を変えて風合いに変化を持たせたりすることができ、バリエーションに富んだバンド2を実現することができる。
このように、駒部材3を構成する2つの部品が互いに組み合わせられる形状を有し、そこに互いに連通する第一の貫通孔35を設ける場合にも、金属粉末射出成型法によって簡易な工程で実現することができる。
このように、連結ピン7によって簡易に2つの部品を組み合わせることができ、駒部材3の組立てが容易となる。
そして、本実施形態では、凹部34には、凸部32が凹部34内に受け入れられた受入れ状態において第一の貫通孔35に対応する位置に、バンド2の幅方向に延在する第二の貫通孔(貫通孔47及び貫通孔59)が形成されており、受入れ状態において前第一の貫通孔35と第二の貫通孔とが連通し、連結ピン7は第一の貫通孔35及び第二の貫通孔に挿通可能であって、第一の貫通孔35及び第二の貫通孔に連結ピン7が挿通されることで受入れ状態が維持される。
これにより、連結ピン7による連結のみで、駒部材3の組立てと、駒部材3同士の連結とを完了させることができる。このため、部品点数が減るとともに、組立て工数も削減することができる。
このため、高級感のある外観を備えつつ、軽量なバンドを有する腕時計100を実現することができる。
駒部材は、金属粉末射出成型法によって製造された金属製の構成部品を含む、複数の構成部品により形成されていればよく、例えば、第一部品4及び第二部品5のいずれかが樹脂によって形成された樹脂部品であってもよい。異なる材料で形成された部品を組み合わせることで、よりバリエーション豊かなバンド2を実現することができる。
例えば、第一部品4及び第二部品5に、それぞれ断面形状半円形の凹部を形成し、両部品を嵌め合わせた時に貫通孔として断面形状が円形となるようにしてもよい。
バンド2は、その一部に金属製の駒部材を含んでいればよく、全ての駒部材3が金属粉末射出成型法を用いて形成されていなくてもよい。例えば、樹脂製の駒部材と本実施形態で示した金属製の駒部材3とが交互に配置されていてもよい。これにより意匠性に富んだバンド2を実現することができる。
また、樹脂製の部品を混在させることで、バンド2全体をさらに軽量化することも可能となる。
また、例えば、バンド2を構成する駒部材のうち、衝撃を受けた際に力が加わりやすい部分には内部に空洞を有さない金属製の駒部材、軽量化を図る部分には本実施形態で示したような内部に空洞を有する駒部材3を配置する等、異なる構成の駒部材を混在させて適宜配置してもよい。
本実施形態では、第一の係合部45や第二の係合部56、貫通孔46や貫通孔57、厚肉部55、円筒部58、溝部60等を金属粉末射出成型によって形成する場合を例示したが、金属粉末射出成型法によって形成することのできる形状はここに例示したものに限定されない。
例えば、各種のロゴやロット番号等の刻印を金属粉末射出成型法によって形成してもよい。この場合には、別途刻印工程を経ることなく、ロゴ等が刻印された状態の駒部材3(駒部材3を構成する第一部品4や第二部品5等)を得ることができる。
駒部材は内部に空洞部を有するように、金属粉末射出成型法によって一体的に製造された金属製の部材であってもよい。
バンドを備える機器であれば、本発明のバンド2を広く適用することができる。
また、バンド2が、リスト機器に適用される場合、リスト機器は腕時計に限定されない。例えば、各種の生体情報測定装置、歩数計、高度計、気圧計等の各種機器に適用することができる。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
内部に空洞部を有し、金属粉末射出成型法によって製造された金属製の駒部材を備えていることを特徴とするバンド。
<請求項2>
前記金属製の駒部材は、複数の構成部品により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバンド。
<請求項3>
金属粉末射出成型法によって製造された金属製の構成部品を含む、複数の構成部品により形成される駒部材を備え、
前記複数の構成部品は、内部に空洞部を設けるように係合されることを特徴とするバンド。
<請求項4>
前記複数の構成部品は、樹脂によって形成された樹脂部品を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバンド。
<請求項5>
前記複数の構成部品は、前記バンドの表面に対応する第一部品と、前記バンドの裏面に対応する第二部品であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のバンド。
<請求項6>
前記空洞部は、前記第一部品と前記第二部品との間に設けられることを特徴とする請求項5に記載のバンド。
<請求項7>
前記第一部品には、第一の係合部が形成され、前記第二部品には、前記第一の係合部に対応する第二の係合部が形成されており、前記第一の係合部と前記第二の係合部とは互いに組み合わされる形状とされ、組合せ状態において前記バンドの幅方向に延在する第一の貫通孔が内部に形成された凸部が構成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のバンド。
<請求項8>
前記第一の貫通孔に挿入される連結部材をさらに備え、
前記第一の係合部及び前記第二の係合部は、前記第一の貫通孔に前記連結部材が挿入されることで組合せ状態が維持されることを特徴とする請求項7に記載のバンド。
<請求項9>
前記駒部材は、複数連結されて前記バンドを構成するものであり、前記バンドの延在方向において前記凸部の逆側には前記凸部に対応する凹部が形成されており、
前記駒部材は連結状態において、前記凸部が隣接する前記駒部材の前記凹部内に受け入れられることを特徴とする請求項8に記載のバンド。
<請求項10>
前記凹部には、前記凸部が前記凹部内に受け入れられた受入れ状態において前記第一の貫通孔に対応する位置に、前記バンドの幅方向に延在する第二の貫通孔が形成されており、
前記受入れ状態において前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔とは連通し、前記連結部材は前記第一の貫通孔及び前記第二の貫通孔に挿通可能であって、前記第一の貫通孔及び前記第二の貫通孔に前記連結部材が挿通されることで前記受入れ状態が維持されることを特徴とする請求項9に記載のバンド。
<請求項11>
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のバンドと、
電子機器と、
を備えることを特徴とするリスト機器。
2 バンド
3 駒部材
4 第一部品
5 第二部品
7 連結ピン
100 腕時計(リスト機器)
Claims (11)
- 内部に空洞部を有し、金属粉末射出成型法によって製造された金属製の駒部材を備えていることを特徴とするバンド。
- 前記金属製の駒部材は、複数の構成部品により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバンド。
- 金属粉末射出成型法によって製造された金属製の構成部品を含む、複数の構成部品により形成される駒部材を備え、
前記複数の構成部品は、内部に空洞部を設けるように係合されることを特徴とするバンド。 - 前記複数の構成部品は、樹脂によって形成された樹脂部品を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のバンド。
- 前記複数の構成部品は、前記バンドの表面に対応する第一部品と、前記バンドの裏面に対応する第二部品であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のバンド。
- 前記空洞部は、前記第一部品と前記第二部品との間に設けられることを特徴とする請求項5に記載のバンド。
- 前記第一部品には、第一の係合部が形成され、前記第二部品には、前記第一の係合部に対応する第二の係合部が形成されており、前記第一の係合部と前記第二の係合部とは互いに組み合わされる形状とされ、組合せ状態において前記バンドの幅方向に延在する第一の貫通孔が内部に形成された凸部が構成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のバンド。
- 前記第一の貫通孔に挿入される連結部材をさらに備え、
前記第一の係合部及び前記第二の係合部は、前記第一の貫通孔に前記連結部材が挿入されることで組合せ状態が維持されることを特徴とする請求項7に記載のバンド。 - 前記駒部材は、複数連結されて前記バンドを構成するものであり、前記バンドの延在方向において前記凸部の逆側には前記凸部に対応する凹部が形成されており、
前記駒部材は連結状態において、前記凸部が隣接する前記駒部材の前記凹部内に受け入れられることを特徴とする請求項8に記載のバンド。 - 前記凹部には、前記凸部が前記凹部内に受け入れられた受入れ状態において前記第一の貫通孔に対応する位置に、前記バンドの幅方向に延在する第二の貫通孔が形成されており、
前記受入れ状態において前記第一の貫通孔と前記第二の貫通孔とは連通し、前記連結部材は前記第一の貫通孔及び前記第二の貫通孔に挿通可能であって、前記第一の貫通孔及び前記第二の貫通孔に前記連結部材が挿通されることで前記受入れ状態が維持されることを特徴とする請求項9に記載のバンド。 - 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のバンドと、
電子機器と、
を備えることを特徴とするリスト機器。
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