JP2021150187A - 端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法、端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法、および端子圧着検査装置 - Google Patents

端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法、端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法、および端子圧着検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】芯線切れ不良を検査する際の基準として用いられる閾値を簡易に決定する方法を提供する。【解決手段】電線の被覆材および芯線がそれぞれインシュレーションバレル、ワイヤバレルに端子圧着を行う第1端子圧着工程S11と、電線の芯線がワイヤバレルに固着されずかつ被覆材がインシュレーションバレルに端子圧着を行う第2端子圧着工程S15と、第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する第2端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μMを算出する工程S17と、M本のうちのN本の芯線が切れた電線に端子を圧着する場合の差分割合の平均値μNを算出する工程S18と、第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する第1端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを用いて、M本のうちのN本の芯線が切れた電線に端子圧着を行ったか否かを判定するための閾値TNの範囲内の値を設定する工程S19とを包含する。【選択図】図8

Description

本発明は、電線の端部に端子が圧着されてなる端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法、電線の端部に端子が良好に圧着されたか否かを検査する際に良否判定の基準として用いられる閾値を決定する方法、および端子圧着検査装置に関する。
従来から、ワイヤハーネスの製造等において、複数本の芯線とそれら芯線を被覆する被覆材とからなる電線の端部に、端子を圧着する端子圧着装置が用いられている。端子が良好に圧着されなかった端子付き電線は不良品となる。そこで従来から、良品と不良品とを区別するために、端子圧着の際に端子が良好に圧着されたか否かを検査することとしている。
端子圧着の検査方法として、端子圧着装置による端子圧着の進行度合いと端子圧着装置に発生する圧力との関係を表す圧力波形を利用する方法が知られている。例えば特許文献1にそのような検査方法が記載されている。特許文献1に記載された方法では、良品サンプルの圧力波形を基準波形とし、検査対象の圧力波形と基準波形との差分が閾値よりも小さければ良品と判定し、閾値以上であれば不良品と判定する。
閾値の決定に際しては、端子圧着装置を用いて良品サンプルおよび不良品サンプルを実際に加工し、それら良品サンプルおよび不良品サンプルの圧力波形を取得する。そして、それら良品サンプルおよび不良品のサンプルの圧力波形に基づいて、統計的な処理により閾値を決定する。
特開2014−56796号公報
端子圧着不良の原因の一つとして、一部の芯線が切れた電線(以下、芯線切れ電線という)に端子を圧着してしまうことがある。従来、芯線切れ電線の不良品サンプルを作製する場合、ユーザは、端子圧着装置に電線がセットされた状態において、ニッパなどの工具を用いて芯線を手動で切断していた。しかし、ユーザが工具を用いて芯線を切断する作業には、多くの作業時間がかかるという課題があった。また、作業の難易度が高いという課題があった。また、芯線を切る作業の再現性をとることが難しいという課題があった。特に、切断の長さおよび方向の再現性をとることが難しいという課題があった。
従来は、芯線切れ本数を簡易に推定する方法がなかったため、ユーザが工具を用いて芯線切れ電線の不良品サンプルを作製していた。しかし、芯線切れ本数を簡易に推定することができれば、ユーザが工具を用いて不良品サンプルを作製する必要はない。また、芯線切れ本数を簡易に推定することができれば、良否判定以外の用途においても有用である。
本発明の目的の一つは、端子付き電線の芯線切れ本数を簡易に推定することができる方法を提供することである。本発明の目的の他の一つは、芯線切れ不良を検査する際の基準として用いられる閾値を簡易に決定することのできる方法、および、その閾値を用いて良否判定を行う端子圧着検査装置を提供することである。
本発明に係る端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法は、複数本の芯線と前記芯線を囲む被覆材と前記芯線および前記被覆材の先端に圧着された端子とを有する端子付き電線の芯線切れ本数を、端子圧着装置による端子圧着の進行度合いと前記端子圧着装置に発生する圧力との関係を表す圧力波形を用いて推定する方法である。前記推定方法は、M(ただし、Mは2以上の自然数)本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られた第1電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第1端子とを準備し、前記第1電線の被覆材および芯線がそれぞれ前記第1端子のインシュレーションバレルおよびワイヤバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第1電線に前記第1端子を圧着する処理を複数回行う第1端子圧着工程と、前記第1端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形を算出する工程と、前記端子圧着装置により検査対象の電線に端子を圧着する処理を行う検査対象圧着工程と、前記検査対象圧着工程における圧力波形を取得する工程と、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記検査対象圧着工程の圧力波形の差分割合である検査対象差分割合を算出する工程と、前記検査対象差分割合が、芯線切れ本数毎に予め定められた判定基準範囲に含まれるか否かに基づいて、芯線切れ本数を推定する工程と、を含む。
上記推定方法によれば、検査対象差分割合(第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する検査対象圧着工程の圧力波形の差分割合)に基づいて芯線切れ本数を推定する。そのため、端子付き電線の芯線切れ本数を簡易に推定することができる。
前記推定方法は、M本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られていない第2電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第2端子とを準備し、前記第2電線の芯線が前記第2端子のワイヤバレルに固着されず、かつ、前記第2電線の被覆材が前記第2端子のインシュレーションバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第2電線に前記第2端子を圧着する処理を複数回行う第2端子圧着工程と、前記第2端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第2端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μを算出する工程と、M本のうちのN(ただし、NはM以下の自然数)本の芯線が切れた電線に端子を圧着する場合の差分割合の平均値μを、Nが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数Fを用いて、μ=F・μとして算出する工程と、前記差分割合の平均値μに基づいて、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲を設定する工程と、を含んでいてもよい。
上記推定方法によれば、第1端子圧着工程を行うことにより、第1端子圧着工程の平均の圧力波形を良品サンプルの圧力波形として取得する。また、第2端子圧着工程において、第2電線の芯線が第2端子のワイヤバレルに固着されず、第2電線の被覆材が第2端子のインシュレーションバレルに固着されるようにして端子圧着を行うことにより、第2電線をM本の芯線の全てが切れた芯線切れ電線と擬似的に見なして、不良品サンプルの圧力波形を取得する。そして、良品サンプルの圧力波形(第1端子圧着工程の平均の圧力波形)に対する不良品サンプルの圧力波形(第2端子圧着工程の圧力波形)の差分割合を用いて、N本の芯線が切れた電線の場合の差分割合を推定し、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲を設定する。そのため、上記推定方法によれば、芯線切れ電線の判定基準範囲を設定するために、ユーザがニッパなどの工具を用いて芯線を手動で切断する必要はない。よって、端子付き電線の芯線切れ本数を簡易に推定することができる。
N本の芯線切れ電線の判定基準範囲は適宜に設定できるが、前記推定方法は、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第1端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを算出する工程を含み、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲として、μ−3σ〜μ+3σの範囲の一部または全部を設定してもよい。
前記関数Fは特に限定されず、ユーザが適宜に設定することができる。例えば、前記関数F=N/Mであってもよい。また、電線の芯線の本数Mが比較的多い場合には、少しの芯線が切れていても圧力波形はさほど変わらない傾向がある。そのような場合には、XをMよりも小さな自然数として、前記関数F=N/(M−X)としてもよい。
良品と不良品とにおいて、圧力波形の差分が顕著に表れるのは圧力が高い領域である。差分が顕著に表れる領域の部分波形を用いることにより、推定の精度を高めることができる。そこで、圧力波形として、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形のうち圧力が最大値の70%以上となる領域の一部または全部の部分波形を用いるようにしてもよい。
前記端子圧着装置は、端子および電線を支持するアンビルと、クリンパと、前記クリンパを前記アンビルに対して接近および離反させるアクチュエータと、を備え、圧力波形は、前記クリンパの位置と前記アンビルまたは前記クリンパに発生する圧力との関係を表す波形であってもよい。
本発明に係る端子圧着検査の良否判定の閾値決定方法は、端子圧着装置による端子圧着の進行度合いと前記端子圧着装置に発生する圧力との関係を表す圧力波形を用い、予め定めた基準波形に対する検査対象の圧力波形の差分割合が閾値以下か否かに基づいて端子圧着の良否を判定する端子圧着検査において、前記閾値を決定する方法である。前記閾値決定方法は、M(ただし、Mは2以上の自然数)本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られた第1電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第1端子とを準備し、前記第1電線の被覆材および芯線がそれぞれ前記第1端子のインシュレーションバレルおよびワイヤバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第1電線に前記第1端子を圧着する処理を複数回行う第1端子圧着工程と、前記第1端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形を算出する工程と、M本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られていない第2電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第2端子とを準備し、前記第2電線の芯線が前記第2端子のワイヤバレルに固着されず、かつ、前記第2電線の被覆材が前記第2端子のインシュレーションバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第2電線に前記第2端子を圧着する処理を複数回行う第2端子圧着工程と、前記第2端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第2端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μを算出する工程と、M本のうちのN(ただし、NはM以下の自然数)本の芯線が切れた電線に端子を圧着する場合の差分割合の平均値μを、Nが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数Fを用いて、μ=F・μとして算出する工程と、前記差分割合の平均値μを用いて、M本のうちのN本の芯線が切れた電線に端子圧着を行ったか否かを判定するための閾値Tを設定する工程と、を含む。
上記方法によれば、第1端子圧着工程を行うことにより、第1端子圧着工程の平均の圧力波形を良品サンプルの圧力波形として取得する。また、第2端子圧着工程において、第2電線の芯線が第2端子のワイヤバレルに固着されず、第2電線の被覆材が第2端子のインシュレーションバレルに固着されるようにして端子圧着を行うことにより、第2電線をM本の芯線の全てが切れた芯線切れ電線と擬似的に見なして、不良品サンプルの圧力波形を取得する。そして、良品サンプルの圧力波形(第1端子圧着工程の平均の圧力波形)に対する不良品サンプルの圧力波形(第2端子圧着工程の圧力波形)の差分割合を用いて、N本の芯線が切れた電線の場合の差分割合を推定し、その推定に基づいて閾値Tを設定する。そのため、上記方法によれば、N本の芯線が切れた不良品サンプルの圧力波形を取得するために、ユーザがニッパなどの工具を用いて芯線を手動で切断する必要はない。よって、工具を用いて芯線を手動で切断する作業を行うことによるデメリット、すなわち、多くの作業時間を要したり、作業難易度が高くなったり、作業の再現性を確保しにくいといったデメリットを解消することができ、閾値を簡易に決定することができる。
前記閾値Tは前記差分割合の平均値μを用いて適宜に設定することができるが、前記の閾値の決定方法は、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第1端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを算出する工程を含み、前記閾値Tを設定する工程において、前記閾値Tとして、+3σ〜μ−3σの範囲内の値を設定するようにしてもよい。
前記関数Fは特に限定されず、ユーザが適宜に設定することができる。例えば、前記関数F=N/Mであってもよい。また、電線の芯線の本数Mが比較的多い場合には、少しの芯線が切れていても圧力波形はさほど変わらない傾向がある。そのような場合には、XをMよりも小さな自然数として、前記関数F=N/(M−X)としてもよい。
良品と不良品とにおいて、圧力波形の差分が顕著に表れるのは圧力が高い領域である。差分が顕著に表れる領域の部分波形を用いることにより、検査の精度を高めることができる。そこで、圧力波形として、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形のうち圧力が最大値の70%以上となる領域の一部または全部の部分波形を用いるようにしてもよい。
前記端子圧着装置は、端子および電線を支持するアンビルと、クリンパと、前記クリンパを前記アンビルに対して接近および離反させるアクチュエータと、を備え、圧力波形は、前記クリンパの位置と前記アンビルまたは前記クリンパに発生する圧力との関係を表す波形であってもよい。
本発明に係る端子圧着検査装置は、前記方法により決定された閾値と予め定められた基準波形とを記憶する記憶部と、端子圧着装置により端子圧着が行われたときに圧力波形を取得する圧力波形取得部と、前記圧力波形と前記基準波形との差分を算出する算出部と、前記圧力波形と前記基準波形との差分が前記閾値以下か否かに基づいて、端子圧着の良否を判定する良否判定部と、を備えたものである。
本発明によれば、端子付き電線の芯線切れ本数を簡易に推定することができる方法を提供することができる。また、芯線切れ不良を検査する際の基準として用いられる閾値を簡易に決定することができる。また、その閾値を用いて良否判定を行う端子圧着検査装置を提供することができる。
端子圧着装置の正面図である。 端子圧着装置の側面図である。 端子圧着検査装置の構成図である。 端子圧着検査装置の機能ブロック図である。 端子圧着検査方法のフローチャートである。 圧力波形の説明図である。 端子が圧着された電線(第1電線)の側面図であり、芯線がワイヤバレルに固着され、被覆材がインシュレーションバレルに固着された状態を表す。 端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法のフローチャートである。 第1端子圧着工程の平均の圧力波形および第2端子圧着工程の圧力波形を表す図である。 端子が圧着された電線(第2電線)の側面図であり、芯線がワイヤバレルに固着されず、被覆材がインシュレーションバレルに固着された状態を表す。 良品サンプルの平均の圧力波形に対する不良品サンプルの圧力波形の差分割合を測定する試験の結果を表すグラフであり、(a)は芯線本数M=7の結果、(b)は芯線本数M=19の結果、(c)は芯線本数M=37の結果を表す。 良品サンプルおよび芯線切れ電線の差分割合の確率密度分布を表す図である。 端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法のフローチャートである。 判定基準範囲の説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。詳細は後述するが、本実施形態に係る端子圧着検査では、端子圧着装置1による端子圧着の進行度合いと端子圧着装置1に発生する圧力との関係を表す圧力波形を用い、予め定めた基準波形に対する検査対象の圧力波形の差分割合が閾値以下か否かに基づいて、端子圧着の良否を判定する。
まず、図1および図2を参照しながら、端子圧着装置1の構成について説明する。なお、以下に説明する端子圧着装置1は一例に過ぎず、本発明が適用される端子圧着装置の構成は何ら限定されない。本発明は、公知の各種端子圧着装置を用いた端子圧着検査に適用可能である。
図1は端子圧着装置1の正面図、図2は端子圧着装置1の側面図である。端子圧着装置1は、アンビル2と、昇降可能なクリンパ3と、クリンパ3を昇降させるモータ4とを備えている。ここではモータ4は、回転位置を検出可能なサーボモータにより構成されている。ただし、モータ4の種類は特に限定されず、サーボモータ以外のモータであってもよい。モータ4は、アンビル2に対しクリンパ3を接近および離反させる電動式のアクチュエータの一例である。しかし、アクチュエータはモータ4に限定される訳ではない。アクチュエータとして、クリンパ3を昇降可能な任意のアクチュエータを用いることができる。
図1に示すように、アンビル2の側方には、端子供給装置5が配置されている。端子供給装置5は、複数の端子10が繋がってなる端子群11をアンビル2に向けて順次供給するように構成されている。クリンパ3とアンビル2との間に電線12および端子10を配置した状態でクリンパ3が下降すると、端子10はクリンパ3により、隣の端子10から切り離されると共に電線12に圧着される。本実施形態では、モータ4、クリンパ3、およびアンビル2は、端子10に圧力を加えることによって端子10を電線12に圧着させる圧着部を構成している。
電線12の端部に端子10を圧着する際に、圧着部には圧力が生じる。本実施形態では、圧着部に発生する圧力を検出する圧力センサ21が設けられている。ここでは圧力センサ21は、アンビル2に接続された圧電素子により構成されている。ただし、圧力センサ21の具体的構成は何ら限定されない。圧電素子に限らず、圧力を検出し得る任意のセンサを好適に用いることができる。圧力センサ21はアンビル2に直接接続されていてもよいが、本実施形態では間接的に接続されている。すなわち、圧力センサ21とアンビル2との間に、他の部材が介在している。圧力センサ21は、圧着部のいずれかの箇所に発生する圧力を検出するように配置されていればよく、必ずしもアンビル2に接続されている必要はない。圧力センサ21は、例えば、クリンパ3に接続されていてもよい。また、端子圧着に伴って発生する圧力を検出できる限り、圧着部以外の箇所に接続されていてもよい。
圧力センサ21は、コントローラ20に電気的に接続されている。なお、「電気的に接続されている」とは、有線または無線により通信可能に接続されていることを意味する。コントローラ20は、端子圧着装置1に内蔵されたマイクロコンピュータであってもよく、端子圧着装置1の外部に設置されたコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)であってもよい。本実施形態では、圧力センサ21とコントローラ20とは、電線により接続されている。圧力センサ21は、圧力を受けると、その圧力の大きさに応じた電圧値または電流値を出力するように構成されている。コントローラ20は、圧力センサ21から受ける電圧または電流の値に基づいて、圧着部に発生した圧力を検出する。
次に、端子圧着検査装置50について説明する。図3に示すように、本実施形態に係る端子圧着検査装置50は、前述の圧力センサ21と、A/D変換器22と、コントローラ20と、ディスプレイ26とを備えている。端子圧着検査装置50は、更に、ハードディスクなどの外部の記憶装置27を備えていてもよい。コントローラ20は、CPU30と、ROM24と、RAM25とを含んでいる。モータ4にはサーボアンプ8が接続され、サーボアンプ8はコントローラ20に接続されている。
図4は、コントローラ20の機能ブロック図である。コントローラ20は、圧力波形の基準波形および閾値を記憶する記憶部41と、端子圧着装置1において端子圧着を行ったときに圧力波形を取得する圧力波形取得部42と、取得した圧力波形と基準波形との差を算出する算出部43と、取得した圧力波形と基準波形との差が閾値以内か否かを判定する良否判定部44とを備えている。本実施形態では、圧力波形取得部42、算出部43、および良否判定部44は、CPU30が所定のプログラムを実行することにより実現される。記憶部41はROM24により実現される。ただし、記憶部41として外部の記憶装置27を用いることも可能である。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、端子圧着の検査方法について説明する。端子圧着の良否の検査は、端子圧着装置1による端子圧着の度に行われる。まず、端子圧着装置1において端子圧着が行われ、圧力波形取得部42が圧力波形Wを取得する(ステップS1)。なお、圧力波形Wとは、端子圧着装置1による端子圧着の進行度合いと端子圧着装置1に発生する圧力との関係を表す波形である。ここでは図6に示すように、端子圧着の進行度合いをクリンパ3の位置(以下、クリンパ位置という)で表すものとする。ただし、端子圧着の進行度合いを表すパラメータはクリンパ位置に限らず、例えば、クリンパ3の移動距離、クリンパ3の速度、クリンパ3の加速度、モータ4に供給される電流、モータ4の回転位置、端子圧着動作開始後の経過時間などの他のパラメータであってもよい。
端子圧着の際、クリンパ3は下降する。図中のP0はクリンパ3が端子10に接触したときのクリンパ位置を表し、P1はクリンパ3の下死点の位置を表す。図6に示すように、圧力は、クリンパ3が端子10に接触した後、下死点に至るまで上昇する。端子圧着の検査の際、圧力波形WとしてP0からP1の全体領域の波形を用いてもよいが、P0からP1のうちの一部の領域(例えば、P2からP1の領域)の波形を用いてもよい。例えば、良品と不良品との差が顕著に発生する領域の波形を利用することにより、検査の精度を高めることができる。また、圧力波形Wとして、P0からP1のうちの複数の領域の波形を組み合わせて利用してもよい。圧力波形Wの利用態様は特に限定されない。
圧力波形取得部42が圧力波形Wを取得した後、算出部43は記憶部41から基準波形WTを読み出し、圧力波形Wと基準波形WTとの差分を算出する(ステップS2)。なお、基準波形WTとは、予め良好であることが確認された端子圧着のときに取得された圧力波形のことである。ここで、圧力波形Wと基準波形WTとの差分とは、圧力波形Wの積分値と基準波形WTの積分値との差分(例えば、P2からP1の領域の波形を用いる場合、図6のハッチング部分の面積)のことである。
次に、良否判定部44が記憶部41から閾値を読み込み、圧力波形Wと基準波形WTとの差分が閾値以内か否かを判定する(ステップS3)。そして、良否判定部44は、上記差分が閾値以内であれば端子圧着は良好と判定し(ステップS4)、上記差分が閾値よりも大きければ不良と判定する(ステップS5)。以上が端子圧着の検査方法である。
図7は、端子10が圧着された電線12の側面図である。電線12は、複数の芯線12aと、芯線12aを囲む被覆材12bとを有している。芯線12aは金属などの導体からなり、被覆材12bは合成樹脂などの絶縁体からなっている。端子10は金属などの導体からなり、芯線12aに固着される部分であるワイヤバレル10aと、被覆材12bに固着される部分であるインシュレーションバレル10bとを有している。
端子圧着不良の原因の一つとして、一部の芯線12aが切れた電線(芯線切れ電線)12に端子10を圧着してしまうことがある。次に、図8のフローチャートを参照しながら、このような芯線切れ不良を検査する際に良否判定の基準となる閾値を決定する方法について説明する。
以下の説明では、電線12の芯線12aの本数をM本とし、ユーザが推定したい芯線切れ本数をN本とする。なお、Mは2以上の自然数であり、NはM以下の自然数である。図7に示すように、端子10が圧着される電線12の芯線12aのストリップ長(被覆材12bから露出している芯線12aの長さ)をsとする。
まず、ステップS11において、第1端子圧着工程を行う。第1端子圧着工程では、先端の被覆材12bが剥ぎ取られた電線(以下、第1電線という)12と端子(以下、第1端子という)10とを準備し、図7に示すように、第1電線12の被覆材12bおよび芯線12aがそれぞれ第1端子10のインシュレーションバレル10bおよびワイヤバレル10aに固着されるように、端子圧着装置1によって第1電線12に第1端子10を圧着する処理を複数回行う。なお、第1端子圧着工程で得られる端子付き電線は、良品サンプルとして位置づけられるものである。そのため、第1端子圧着工程では、芯線切れ不良が生じていないことを確認しておく。万一、芯線切れ不良が生じた場合には、良好な結果が得られるまで第1端子圧着工程をやり直す。
第1端子圧着工程の各回の端子圧着の際に、圧力波形を取得する(ステップS12)。通常、圧力波形は互いに微妙に相違するため、複数の圧力波形にはばらつきがあると考えられる。ステップS13では、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1(図9参照)を算出する。なお、この平均圧力波形W1は良品サンプルの平均の圧力波形であるので、前述の端子圧着検査(図5参照)の基準波形として利用することができる。ステップS14では、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1に対する各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを算出する。例えば、第1端子圧着工程の際に20回の端子圧着を行った場合、ステップS13ではそれら20回の平均の圧力波形を算出し、ステップS14ではそれら20回の差分割合の標準偏差σを算出する。なお、本明細書では特に断らない限り、差分割合とは、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1に対する圧力波形の差分割合を意味するものとする。
次に、ステップS15において、第2端子圧着工程を行う。第2端子圧着工程では、先端の被覆材12bが剥ぎ取られていない電線(以下、第2電線という)12と端子(以下、第2端子という)10とを準備し、図10に示すように第2電線12をストリップ長sの分だけ根元側(図10の左側)に後退させた状態で、端子圧着装置1により第2電線12に第2端子10を圧着する処理を複数回行う。言い換えると、第2電線12の芯線12aがワイヤバレル10aに固着されず、かつ、第2電線12の被覆材12bがインシュレーションバレル10bに固着されるように、第2電線12に第2端子10を圧着する処理を複数回行う。
第2端子圧着工程の際にも、各回の端子圧着の圧力波形を取得する(ステップS16)。次に、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1に対する第2端子圧着工程の各回の圧力波形W2(図9参照)の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μを算出する(ステップS17)。なお、圧力波形W1の積分値をS1、圧力波形W2の積分値をS2とした場合、圧力波形W2と圧力波形W1との差分ΔSはΔS=S1−S2であり、差分割合RはR=(S1−S2)/S1となる。
圧力波形には、クリンパ3が端子10に接触したときの位置P0から下死点の位置P1までの全体領域の波形を用いてもよいが、本実施形態では、P0からP1までの一部の領域の波形(部分波形)を用いることとする。ここでは、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1のうち、圧力が最大値の70%以上となる領域(P2〜P1)の全部の部分波形を用いる。ただし、圧力が最大値の70%以上となる領域の一部の部分波形を用いることも可能である。
次に、M本のうちのN本の芯線12aが切れた電線12に端子10を圧着する場合の差分割合の平均値μを算出する(ステップS18)。本発明者は、実際に芯線12aを切断した不良品サンプルを作製し、良品サンプルの平均の圧力波形に対する不良品サンプルの圧力波形の差分割合を測定する試験を行った。その結果の例を図11に示す。図11(a)〜(c)の横軸は芯線切れ本数Nを示し、縦軸は差分割合を示す。図11(a)はM=7の場合の試験結果、図11(b)はM=19の場合の試験結果、図11(c)はM=37の場合の試験結果を表す。
図11(a)〜(c)の各々から、差分割合は芯線切れ本数Nが多いほど大きくなる傾向があることが分かる。また、図11(a)〜(c)から、例えば芯線切れ本数Nが5本の場合であっても、差分割合は、M=7の場合は約21%、M=19の場合は約10%、M=37の場合は約7.5%であり、差分割合は芯線本数Mが多くなるほど小さくなる傾向があることが分かる。そこで、ステップS18では、Nが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数Fを用いて、N本の芯線12aが切れた電線12に端子10を圧着する場合の差分割合の平均値μを、μ=F・μという推定式で算出する。本実施形態では、関数F=N/Mとし、μ=(N/M)・μという式で差分割合の平均値μを算出する。
端子圧着の圧力波形にはばらつきがあるため、図12に実線で示すように、良品サンプル(第1端子圧着工程)の差分割合の確率密度分布は正規分布で近似可能である。また、N本の芯線切れ電線の場合にも、差分割合の確率密度分布は同様の正規分布で近似できると推定される。N本の芯線切れ電線の確率密度分布は、例えば図12に破線で示すような分布になると推定される。そのため、例えば、+3σ以上、かつ、μ−3σ以内の値を閾値Tに設定することにより、N本の芯線切れ電線の端子圧着と良好な端子圧着とを的確に区別することができる。
そこで、ステップS19において、N本の芯線切れ電線に端子圧着を行ったか否かを判定するための閾値Tとして、+3σ〜μ−3σの範囲内の値を設定する。良品サンプルおよびN本の芯線切れ電線の差分割合の確率密度分布が重複しない場合、閾値Tは+3σ〜μ−3σの範囲内で任意に設定可能であるが、例えば、T=μ−3σとする。以上が、芯線切れ不良を検査するための閾値の決定方法である。
なお、本実施形態では、良品サンプルおよびN本の芯線切れ電線の差分割合の確率密度分布は重複しないが(図12参照)、それらの確率密度分布が一部重複する場合には、例えば、0〜μの範囲内の値で閾値Tを任意に設定することができる。例えば、0<μ−3σ<μの場合に、T=μ−3σとしてもよい。
本実施形態では、ステップS18において、N本の芯線切れの場合の差分割合の平均値μを、μ=(N/M)・μという式で算出することとした。しかし、関数FはF=N/Mに限定されない。例えば、芯線本数Mが多い場合、所定本数以上の芯線12aが切れていなければ、実質的に差分割合に変化が見られない場合がある。例えば、図11(c)は、芯線本数M=37の場合を表しているが、芯線切れ本数N=1の場合およびN=2の場合の差分割合は、芯線切れの無い場合(N=0)の差分割合と実質的に同一と見なすことができる。そこで、例えばMが比較的大きい場合、XをMよりも小さな自然数として、関数F=N/(M−X)としてもよい。例えば、Mが30以上の場合に、X=1また2として、上記差分割合の平均値μをμ=[N/(M−X)]・μという式で推定してもよい。例えば、M=37の場合に、X=1として、芯線切れ本数N=4の場合の差分割合の平均値μを、μ=[4/(37−1)]・μ=(1/9)・μという式で推定してもよい。
上記のように、関数FはNが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数であるが、その具体的内容は、試験結果等に基づいてユーザが適宜に設定することができる。
以上のように、本実施形態に係る閾値決定方法によれば、第1端子圧着工程を行うことにより、第1端子圧着工程の平均の圧力波形を良品サンプルの圧力波形として取得する。また、第2端子圧着工程において、第2電線12の芯線12aが第2端子10のワイヤバレル10aに固着されず、かつ、第2電線12の被覆材12bが第2端子10のインシュレーションバレル10bに固着されるようにして端子圧着を行うことにより、第2電線12をM本の芯線12aの全てが切れた芯線切れ電線と擬似的に見なして、不良品サンプルの圧力波形を取得する。そして、良品サンプルの圧力波形(第1端子圧着工程の平均の圧力波形)に対する不良品サンプルの圧力波形(第2端子圧着工程の圧力波形)の差分割合を用いて、N本の芯線12aが切れた電線の場合の差分割合を推定し、その推定に基づいて閾値Tを設定する。そのため、上記方法によれば、N本の芯線12aが切れた不良品サンプルの圧力波形を取得するために、ユーザがニッパなどの工具を用いて芯線12aを手動で切断する必要はない。よって、工具を用いて芯線12aを手動で切断する作業を行うことによるデメリット、すなわち、多くの作業時間を要したり、作業難易度が高くなったり、作業の再現性を確保しにくいといったデメリットを解消することができ、閾値Tを簡易に決定することができる。
許容される芯線切れ本数Nは、電線12の仕様によって定められる。高い信頼性が要求される用途に用いられる電線12では、芯線12aが1本切れただけで不良品となる。そのような場合、N=1として前記閾値Tを設定すればよい。一方、例えば、信頼性がそれほど要求されない用途に用いられる電線12では、Nを2以上の自然数(例えばN=3)として前記閾値Tを設定することができる。従来の方法では、例えば、N=1の場合の閾値を決定する際には、ユーザは工具を用いて芯線12aを1本切断することにより1本切れ電線の不良品サンプルを作製し、N=3の場合の閾値を決定する際には、ユーザは工具を用いて芯線12aを3本切断することにより3本切れ電線の不良品サンプルを作製する必要があった。すなわち、Nの数値毎に、ユーザは不良品サンプルを作製する必要があった。しかし、本実施形態によれば、前述の関数Fに含まれる変数Nに所望の数値を代入するだけで、当該Nの数値に対応した閾値を決定することができる。例えば、ユーザは、1本切れ電線の閾値を決定するときには変数NにN=1を代入し、3本切れ電線の閾値を決定するときには変数NにN=3を代入するだけで、それぞれの閾値を容易に決定することができる。本実施形態によれば、前述の処理(図8参照)を1回行うだけで、任意のNに対応する閾値を決定することができる。
前述したように、圧力波形として、クリンパ3が端子10に接触してから下死点に至るまでの全領域(図9のP0からP1までの全領域)の波形を利用してもよいが、良品と不良品とにおいて圧力波形の差分が顕著に表れるのは圧力が高い領域である。差分が顕著に表れる領域の部分波形を用いることにより、検査の精度を高めることができる。本実施形態では、第1端子圧着工程の平均の圧力波形W1のうち圧力が最大値の70%以上となる領域(P2からP1の領域)の部分波形を用いることとした。そのため、検査の精度を高めることができる。
ところで、図11(a)〜(c)を参照しながら前述したように、N本の芯線12aが切れた電線12に端子10を圧着する場合の差分割合の平均値μは、μ=F・μという式で推定することができる。そこで、予め差分割合の平均値μに基づいて、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲を設定しておき、検査対象の電線の差分割合がその判定基準範囲に含まれるか否かに基づいて、検査対象の電線の芯線切れ本数を推定することができる。
例えば、図11(a)に示すように芯線本数M=7の場合、芯線切れ本数N=1のときの差分割合は約5%、芯線切れ本数N=2のときの差分割合は約8%である。この場合、1本の芯線切れ電線の判定基準範囲として、5%±αの範囲を設定することができ、2本の芯線切れ電線の判定基準範囲として、8%±αの範囲を設定することができる。このように予め判定基準範囲を設定した上で、検査対象の電線に対して端子圧着を行い、その際の差分割合U%がU≒0であればN=0、U≒5であればN=1、U≒8であればN=2と推定することができる。
図13は、本実施形態に係る端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法のフローチャートである。ステップS11〜S18は、前述の閾値決定方法のステップS11〜S18と同様であるので、それらの説明は省略する。本実施形態に係る推定方法では、ステップS18の後、ステップS20に進み、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲Uとして、μ−3σ〜μ+3σの範囲を設定する。なお、これらステップS11〜S18およびS20は、検査対象の電線の検査に先立って行われる。ここでは、端子付き電線の製造と同時に検査が行われる。
電線の検査の際には、端子圧着装置1により検査対象の電線に端子を圧着する処理を行う検査対象圧着工程(ステップS21)と、検査対象圧着工程における圧力波形を取得する工程(ステップS22)と、第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する検査対象圧着工程の圧力波形の差分割合(=検査対象差分割合)を算出する工程(ステップS23)と、が行われる。そして、検査対象差分割合が判定基準範囲Uに含まれるか否かに基づいて、芯線切れ本数が推定される(ステップS24)。例えば、図14に示すように、検査対象差分割合Uがμ−3σ〜μ+3σの範囲内に含まれる場合、芯線切れ本数NはN=2と推定される。
なお、上記判定基準範囲は一例に過ぎず、特に限定されない。判定基準範囲は、差分割合の平均値μに基づいて適宜に設定することができる。例えば、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲Uは、μ−3σ〜μ+3σの範囲の一部(例えば、μ−σ〜μ+σ)であってもよい。N本の芯線切れ電線の判定基準範囲の下限値は、μN−1+3σとしてもよい。N本の芯線切れ電線の判定基準範囲の上限値は、μN+1−3σとしてもよい。図14に示す例では、N本の芯線切れ電線の差分割合の確率密度分布は互いに重複しないが、確率密度分布が重複する場合には、重複する範囲における任意の値を下限値または上限値としてもよい。
本実施形態に係る端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法によれば、ユーザが工具等を用いて不良品サンプルを作製しなくても、判定基準範囲を設定することができる。判定基準範囲を容易に設定することができるので、端子付き電線の芯線切れ本数を簡易に推定することができる。
なお、芯線切れ本数の推定方法に関しても、関数FはF=N/Mに限定されない。関数F=N/(M−X)としてもよく、他の関数を用いてもよい。圧力波形についても特に限定されず、例えば、圧力が最大値の70%以上となる領域の全部または一部の部分波形を用いてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前述の実施形態は例示に過ぎない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、他にも様々な実施形態が可能である。
前記閾値決定方法(図8参照)および推定方法(図13参照)において、第1端子圧着工程(ステップS11)と第2端子圧着工程(ステップS15)との順序は特に限定されない。第1端子圧着工程の前に第2端子圧着工程を行うことも可能である。また、算出の工程(ステップS13、S14、S17、S18、S19、S20)は、第1端子圧着工程(ステップS11)および第2端子圧着工程(ステップS15)が終了した後、一括して実行してもよい。
1 端子圧着装置
2 アンビル
3 クリンパ
4 モータ
10 端子
12 電線
20 コントローラ
21 圧力センサ
41 記憶部
42 圧力波形取得部
43 算出部
44 良否判定部
50 端子圧着検査装置

Claims (14)

  1. 複数本の芯線と前記芯線を囲む被覆材と前記芯線および前記被覆材の先端に圧着された端子とを有する端子付き電線の芯線切れ本数を、端子圧着装置による端子圧着の進行度合いと前記端子圧着装置に発生する圧力との関係を表す圧力波形を用いて推定する方法であって、
    M(ただし、Mは2以上の自然数)本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られた第1電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第1端子とを準備し、前記第1電線の被覆材および芯線がそれぞれ前記第1端子のインシュレーションバレルおよびワイヤバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第1電線に前記第1端子を圧着する処理を複数回行う第1端子圧着工程と、
    前記第1端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、
    前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形を算出する工程と、
    前記端子圧着装置により検査対象の電線に端子を圧着する処理を行う検査対象圧着工程と、
    前記検査対象圧着工程における圧力波形を取得する工程と、
    前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記検査対象圧着工程の圧力波形の差分割合である検査対象差分割合を算出する工程と、
    前記検査対象差分割合が、芯線切れ本数毎に予め定められた判定基準範囲に含まれるか否かに基づいて、芯線切れ本数を推定する工程と、
    を含んだ、端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  2. M本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られていない第2電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第2端子とを準備し、前記第2電線の芯線が前記第2端子のワイヤバレルに固着されず、かつ、前記第2電線の被覆材が前記第2端子のインシュレーションバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第2電線に前記第2端子を圧着する処理を複数回行う第2端子圧着工程と、
    前記第2端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、
    前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第2端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μを算出する工程と、
    M本のうちのN(ただし、NはM以下の自然数)本の芯線が切れた電線に端子を圧着する場合の差分割合の平均値μを、Nが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数Fを用いて、μ=F・μとして算出する工程と、
    前記差分割合の平均値μに基づいて、N本の芯線切れ電線の判定基準範囲を設定する工程と、
    を含んだ、請求項1に記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  3. 前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第1端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを算出する工程を含み、
    N本の芯線切れ電線の判定基準範囲として、μ−3σ〜μ+3σの範囲の一部または全部を設定する、請求項2に記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  4. 前記関数F=N/Mである、請求項2または3に記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  5. XをMよりも小さな自然数として、前記関数F=N/(M−X)である、請求項2または3に記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  6. 圧力波形として、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形のうち圧力が最大値の70%以上となる領域の一部または全部の部分波形を用いる、請求項1〜5のいずれか一つに記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  7. 前記端子圧着装置は、端子および電線を支持するアンビルと、クリンパと、前記クリンパを前記アンビルに対して接近および離反させるアクチュエータと、を備え、
    圧力波形は、前記クリンパの位置と前記アンビルまたは前記クリンパに発生する圧力との関係を表す波形である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の端子付き電線の芯線切れ本数の推定方法。
  8. 端子圧着装置による端子圧着の進行度合いと前記端子圧着装置に発生する圧力との関係を表す圧力波形を用い、予め定めた基準波形に対する検査対象の圧力波形の差分割合が閾値以下か否かに基づいて端子圧着の良否を判定する端子圧着検査において、前記閾値を決定する方法であって、
    M(ただし、Mは2以上の自然数)本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られた第1電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第1端子とを準備し、前記第1電線の被覆材および芯線がそれぞれ前記第1端子のインシュレーションバレルおよびワイヤバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第1電線に前記第1端子を圧着する処理を複数回行う第1端子圧着工程と、
    前記第1端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、
    前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形を算出する工程と、
    M本の芯線と前記芯線を囲む被覆材とを有し、先端の被覆材が剥ぎ取られていない第2電線と、インシュレーションバレルおよびワイヤバレルを有する第2端子とを準備し、前記第2電線の芯線が前記第2端子のワイヤバレルに固着されず、かつ、前記第2電線の被覆材が前記第2端子のインシュレーションバレルに固着されるように、前記端子圧着装置により前記第2電線に前記第2端子を圧着する処理を複数回行う第2端子圧着工程と、
    前記第2端子圧着工程における各回の圧力波形を取得する工程と、
    前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第2端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合を算出し、当該差分割合の平均値μを算出する工程と、
    M本のうちのN(ただし、NはM以下の自然数)本の芯線が切れた電線に端子を圧着する場合の差分割合の平均値μを、Nが大きくなると増加しかつMが大きくなると減少する関数Fを用いて、μ=F・μとして算出する工程と、
    前記差分割合の平均値μを用いて、M本のうちのN本の芯線が切れた電線に端子圧着を行ったか否かを判定するための閾値Tを設定する工程と、
    を含んだ、端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  9. 前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形に対する前記第1端子圧着工程の各回の圧力波形の差分割合の標準偏差σを算出する工程を含み、
    前記閾値Tを設定する工程において、前記閾値Tとして、+3σ〜μ−3σの範囲内の値を設定する、請求項8に記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  10. 前記関数F=N/Mである、請求項8または9に記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  11. XをMよりも小さな自然数として、前記関数F=N/(M−X)である、請求項8または9に記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  12. 圧力波形として、前記第1端子圧着工程の平均の圧力波形のうち圧力が最大値の70%以上となる領域の一部または全部の部分波形を用いる、請求項8〜11のいずれか一つに記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  13. 前記端子圧着装置は、端子および電線を支持するアンビルと、クリンパと、前記クリンパを前記アンビルに対して接近および離反させるアクチュエータと、を備え、
    圧力波形は、前記クリンパの位置と前記アンビルまたは前記クリンパに発生する圧力との関係を表す波形である、請求項8〜12のいずれか一つに記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法。
  14. 請求項8〜13のいずれか一つに記載の端子圧着検査の良否判定に用いられる閾値の決定方法により決定された閾値と、予め定められた基準波形と、を記憶する記憶部と、
    端子圧着装置により端子圧着が行われたときに圧力波形を取得する圧力波形取得部と、
    前記圧力波形と前記基準波形との差分を算出する算出部と、
    前記圧力波形と前記基準波形との差分が前記閾値以下か否かに基づいて、端子圧着の良否を判定する良否判定部と、
    を備えた端子圧着検査装置。
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