本開示をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。以下の実施の形態では、本開示のコンピュータプログラムを適用したデジタルチケットシステムについて説明する。
図1は、本実施形態のデジタルチケットシステム100の概要図である。デジタルチケットシステム100は、利用者端末装置1、提供者端末装置2、支払者端末装置3、及び情報処理装置4を含む。デジタルチケットシステム100は、情報処理装置4の処理によって提供されるデジタルチケットのプラットフォーム上で運用される。プラットフォームは、利用者が実際にサービス又は商品をキャッシュレスで享受でき、実際の利用に則した料金が確定した場合には支払者から提供者へ支障なく料金が支払われることを可能とするデジタルチケットを提供する。
本開示のプラットフォームでは、1つ1つの取引に対してデジタル帳票DFが起票され、起票されたデジタル帳票DFを元にデジタルチケットが発行されて利用者によって利用可能となる。本開示のプラットフォームは、サービス又は商品の内容は、デジタル帳票DFが起票された後に決定することを許容し、支払者として利用者自身のみならず、利用者の雇用者、利用者のスポンサーであることを許容する。
本開示のプラットフォームでは、利用者、提供者、又は支払者のいずれか1つから、サービス(商品)を受けたい、サービス(商品)のユーザを募集しているといったリクエストを受け付ける。プラットフォームは、リクエストにマッチするサービス提供者、支払者、又は利用者等を募集し、利用者、提供者及び支払者の情報及び料金が確定した場合に、支払者から提供者への料金の支払いが実行されることを保証する。決済サービスは別途異なるシステムであってよく、本開示のプラットフォームは、決済サービスが使用する支払の根拠となるデジタル帳票DFを作成する。プラットフォームにおいて支払者は、料金が確定した場合に、利用者が確実にサービス又は商品を享受したかを確認した上で料金を提供者へ支払うことが可能である。提供者は、利用者自身又は利用者の雇用者等である支払者から料金を確実に回収することができる。利用者はキャッシュレスでサービス又は商品を享受できる。
提供者及び支払者は夫々、デジタルチケットシステム100におけるサービスに参画し、利用者はサービスの提供を受けることができるプラットフォームを利用するために、以下チケットアプリと称するコンピュータプログラムを自身のコンピュータにインストールし、プラットフォーム事業者と契約する。プラットフォーム事業者との契約で発行されるアカウントの種別によって、このチケットアプリを使用する利用者、提供者及び支払者のコンピュータは夫々、利用者端末装置1、提供者端末装置2、及び、支払者端末装置3となる。
利用者端末装置1、提供者端末装置2、及び支払者端末装置3は、ネットワークNを介して情報処理装置4と、通信接続することができる。ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが含まれる。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれる。利用者端末装置1、提供者端末装置2、及び支払者端末装置3は夫々、情報処理装置4と公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して通信接続が可能である。支払者端末装置3は、専用線を介して情報処理装置4と通信接続が可能であってもよい。
本実施形態のデジタルチケットシステム100では、チケットアプリに基づいて利用者端末装置1が、提供者端末装置2によって発行済みのデジタル帳票DFに基づくデジタルチケットを取得することができる。取得されたデジタルチケットに基づいて利用者は、デジタルチケットの元となるデジタル帳票DFに示される提供者によるサービス又は商品を享受することができる。
本実施形態のデジタルチケットシステム100では特に、特定の利用者に、複数のデジタルチケットを組み合わせたパッケージの作成権限を与え、パッケージの作成・編集を可能とする。特定でない利用者は、パッケージ単位でデジタルチケットを検索することが可能になる。なお「特定の利用者」は、デジタルチケットに基づくサービス又は商品を直接に利用する「利用者」でなく、サービス又は商品の利用の利便性を高くするキュレータの立場の利用者である。パッケージの作成権限に基づく処理を実行可能な点以外の処理は、利用者の利用者端末装置1と共通するので、以下、利用者端末装置1にてパッケージの作成処理が実行するものとして説明する。
以下、デジタルチケットシステム100におけるデジタルチケットのパッケージ化を実現するための構成及び具体的処理について説明する。
図2は、デジタルチケットシステム100の利用者端末装置1の構成を示すブロック図である。利用者端末装置1はスマートフォン等の無線通信機能を有するコンピュータを用いる。利用者端末装置1は、制御部10、記憶部11、通信部12、表示部13、操作部14、読取部15及び位置情報取得部16を備える。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部10は、プロセッサ、メモリ、記憶部11及び通信部12を集積した1つのハードウェア(SoC:System On a Chip)として構成されていてもよい。制御部10は、記憶部11に記憶されている端末用のチケットアプリ1Pに基づいて情報処理装置4と通信接続することが可能であり、後述するサービス利用に係る情報を表示し、操作を受け付ける。
記憶部11は、フラッシュメモリを用い、チケットアプリ1Pを含む制御部10が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部11には、サービスの利用者を識別する利用者IDとなるアカウント情報が記憶されている。制御部10は、利用者IDに対応するアカウント情報及びチケットアプリ1Pに基づき、利用者向けのグラフィカルインタフェースを表示部13に表示させ、利用者用のアプリケーションとして情報処理装置4と情報を送受信する。
通信部12は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介した情報処理装置4との無線通信を実現する無線通信モジュールである。通信部12は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイス、又は、キャリア通信用モジュールを用いる。
表示部13は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部14は、利用者の操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部14は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部13で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
読取部15は、提供者ID等のコードを読み取るリーダである。読取部15は、バーコードリーダ、カメラ、及び無線タグリーダの内の少なくともいずれか1つである。読取部15は、それらのいずれをも含み、コードの提示態様によっていずれかを選択的に使用してコードを読み取ってもよい。読取部15は読み取ったコードを制御部10へ通知する。
位置情報取得部16は、利用者端末装置1の位置情報を取得するデバイスである。位置情報取得部16は、GPS(Global Positioning System)受信デバイスを用いるか、又は、通信部12のWi-Fi によって位置情報を特定するデバイスを用いてもよい。
図3は、デジタルチケットシステム100の提供者端末装置2の構成を示すブロック図である。提供者端末装置2は上述したようにタブレット端末等の通信機能を有するコンピュータを用いる。サービスを実際に提供するスタッフではなくサポートスタッフ又は管理者が使用する提供者端末装置2は、デスクトップ、ラップトップ型のパーソナルコンピュータを用いてもよい。
提供者端末装置2は、制御部20、記憶部21、通信部22、表示部23、操作部24及び読取部25を備える。
制御部20は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されているチケットアプリ2Pに基づいて情報処理装置4と通信接続が可能であり、サービス提供に係る情報を表示し、操作を受け付ける。
記憶部21は、フラッシュメモリを用いチケットアプリ2Pを含む制御部20が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部21には、サービス提供者を識別する提供者IDに対応するアカウント情報が記憶されている。記憶部21は、提供者端末装置2を操作する個別のスタッフを個々に識別する情報を記憶していてもよい。制御部20は、提供者IDに対応するアカウント情報及びチケットアプリ2Pに基づき、提供者向けのグラフィカルインタフェースを表示部23に表示させ、情報処理装置4と情報をやり取りする。
通信部22は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介した情報処理装置4との無線通信を実現する無線通信モジュールである。通信部22は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイス、又は、キャリア通信用モジュールを用いる。
表示部23は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部24は、サービス提供者の操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部24は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部23で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
読取部25は、他の機器から情報を読み取るリーダである。読取部25は、バーコードリーダ、又はカメラであってもよい。読取部25は、サービスの料金を計算するための他の装置(レジ端末、メータ)と接続されるインタフェースであってもよい。料金は、操作部24を用いて入力されてもよい。
読取部25は、後述するように利用者端末装置1から提示された利用者IDを読み取るリーダとして機能してもよい。この場合、読取部25はバーコードリーダ、カメラ、又は近距離無線通信モジュールであり、サービス又は商品の顧客である利用者の利用者IDを含む情報を取得する。読取部25は読み取った情報を制御部20へ通知する。提供者端末装置2は位置情報取得部を備えてもよい。
提供者端末装置2は、サービスがタクシー事業であればタクシーメータ、飲食店であればレジ端末、宿泊業であればチェックインチェックアウトシステムから料金を取得できるようにしてあれば汎用コンピュータに提供者用のチケットアプリ2Pをインストールし、提供者IDを対応付けることで構成される。
図4は、デジタルチケットシステム100の支払者端末装置3の構成を示すブロック図である。支払者端末装置3は上述したように、支払者である企業の経理部門、利用者の上長で決済権利を有する管理者、又はスポンサーとなり得る利用者により使用される。支払者端末装置3は、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータでもよいし、経理部門のスタッフによって個々に管理されるタブレット端末、スマートフォンであってもよい。
支払者端末装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33及び操作部34を備える。
制御部30は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するROM又はRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部30は、記憶部31に記憶されている支払者向けのチケットアプリ3Pに基づき、情報処理装置4と通信接続が可能であり、後述する支払承認に関する情報を表示し、操作を受け付ける。
記憶部31は、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive )を用いる。記憶部31は、チケットアプリ3Pを含む制御部30が参照するプログラム及びデータを記憶する。記憶部31には、支払者を識別する支払者IDとなるアカウント情報が記憶されている。記憶部31には、図4に示すように、支払者の企業に所属する利用者の利用者ID、及び利用者の属性を含む利用者情報を含む支払者DB301が記憶されていてもよい。経理部門で使用される支払者端末装置3の支払者DB301には、決済が完了した経費情報が含まれてもよい。
制御部30は、記憶部31に記憶されている支払者IDに対応するアカウント情報及び支払者向けのチケットアプリ3Pに基づき、支払者向けのグラフィカルインタフェースを表示部33に表示させ、情報処理装置4と情報をやり取りする。
通信部32は、情報処理装置4との通信接続を実現するネットワークカードである。支払者端末装置3は、公衆通信網N3を介して情報処理装置4に通信接続してもよいし、専用線を介して情報処理装置4と通信接続してもよい。
表示部33は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部34は、企業の経理部門のスタッフの操作を受け付けるインタフェースであり、キーボード及びポインティングデバイスを用いる。操作部34は、スピーカ及びマイクロフォン等を用い、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
チケットアプリ1P,2P,3Pは、コンピュータの種別(ラップトップ、デスクトップか、スマートフォン又はタブレット端末か)に対しては異なるが、機能は共通するコンピュータプログラムである。利用者端末装置1の記憶部11に利用者IDに対応するアカウント情報のみならず、プラットフォーム事業者との契約の上で支払者IDに対応するアカウント情報も記憶されている場合、利用者端末装置1は、支払者端末装置3にもなり得る。即ち利用者はアカウントの切り替えによって、上長の承認者即ち支払者権限で振る舞うことも可能である。同様にして利用者端末装置1は、提供者端末装置2にも切り替わることが可能である。勿論、チケットアプリ1P,2P,3Pは、利用者向け、サービス提供者向け、及び支払者向けに夫々特化したコンピュータプログラムとして提供されてもよい。
図5は、情報処理装置4の構成を示すブロック図である。情報処理装置4は、サーバコンピュータを用いる。本実施の形態において以下では、情報処理装置4は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能又は処理を分散させてもよい。
情報処理装置4は、制御部40、記憶部41、通信部42及び入出力部44を備える。制御部40は、CPU又はGPUを用いたプロセッサであり、内蔵するメモリを用いて各構成部を制御して処理を実行する。制御部40は、記憶部41に記憶されている情報処理プログラム4Pに基づく情報処理を実行する。
記憶部41は、ハードディスク又はSSDを用いる。記憶部41は、情報処理プログラム4Pを記憶しているほか、制御部40が参照する他のプログラム及びデータを記憶する。
通信部42は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2における通信を実現する。制御部40は、通信部42により公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して利用者端末装置1、提供者端末装置2又は支払者端末装置3との間で情報の送受信が可能である。
入出力部44は、プラットフォームに関する各種情報を記憶するサービスDB(Data Base :データベース)401との接続インタフェースである。サービスDB401は、記憶部41内に構築されてもよい。
サービスDB401は、利用者DB402、提供者DB403、支払者DB404、帳票DB405及び募集条件DB406を含む。
図6は、利用者DB402に記憶される情報の内容例を示す図である。利用者DB402は、利用者IDに対応付けて利用者の名前等の属性を記憶している。属性には利用者の電話番号、メールアドレス等の連絡先情報、所属する企業名、社員ID等が含まれるとよい。利用者DB402は、利用者IDに対応付けて利用者が所属する企業による経費に計上する場合のデフォルトの支払者を識別する支払者IDを記憶している。経費に計上する場合の勘定科目と関連付けたデフォルトの業務番号が記憶されていてもよい。利用者DB402は、利用者の銀行口座を識別する情報、又は利用者個人のクレジットカードの情報である支払情報を記憶する。
本実施の形態では、利用者DB402には、特定の利用者である利用者の利用者ID、属性、名称等が記憶されている。図6に示す内容例では、特定の利用者向けに付される利用者IDに対応付けて、利用者の名前又は名称を含む属性が記憶されることが示されている。図6に示すように、個人である同一人物は、サービス又は商品の提供を受ける利用者として、かつ、デジタルチケットをパッケージ化する権限を持つ特定の利用者として、記憶されることが許可される。同一人物は、利用者IDの切り替えによって、利用者又は特定の利用者として利用者端末装置1を使用し、各々で可能な処理を実行する。
なお、以下に説明する特定の利用者は、デジタルチケットを利用可能とするプラットフォーム上で、利用者、提供者、及び支払者に加えた新たな立場になる「代理店」として扱われてもよい。特定の提供者が「代理店」であってもよい。
図7は、提供者DB403に記憶される情報の内容例を示す図である。提供者DB403は、サービス又は商品の提供者の提供者IDに対し、提供者の名前等の属性、提供者の種別等を記憶する。提供者IDは、提供者が組織的である場合に直接的なサービス提供スタッフ、例えばタクシーの運転手、飲食店の店舗又は飲食店のスタッフID等で識別されてもよいし、事業者毎に識別されてもよい。提供者DB403は、提供者への料金の入金用銀行口座を識別する情報を記憶する。
図8は、支払者DB404に記憶される情報の内容例を示す図である。支払者DB404は、支払者の支払者IDを対応付けて支払者である企業の名称等の属性を記憶する。支払者DB404は、支払者の引き落とし用、払込用の銀行口座を識別する情報を記憶する。
支払者IDは支払者である企業からの申請に応じてプラットフォーム事業者によって発行される。利用者IDは、支払者からの申請に、支払者の組織に属する利用者の分だけ発行される。利用者IDは、個人的に発行されてもよく、この場合支払者のデフォルトは利用者自身である。利用者DB402、及び支払者DB404に記憶される情報は、発行された支払者ID又は利用者IDに対応付けて支払者によって支払者端末装置3から遠隔で登録されてもよい。提供者DB403に記憶される情報も、サービス又は商品の提供者からの加盟申請に応じて管理者により発行される提供者IDに対応付けて登録されてよい。
図9は、帳票DB405に記憶される情報の内容例を示す図である。帳票DB405は、デジタル帳票DFを記憶する。デジタル帳票DFは、取引ID、発行日時、利用開始日時、利用終了日時、利用目的、利用したサービス又は商品の名称、詳細内容、金額、利用者の利用者ID、サービス又は商品を提供する提供者の提供者ID、支払者の支払者IDを含む。デジタル帳票DFは、個人負担又は経費処理かの種別を含む。経費処理の場合には勘定項目を識別できるように業務番号が含まれるとよい。デジタル帳票DFは、パッケージの対象であるか否かの区分も含む。1回の利用に対して支払者と利用者自身とで費用が分担される場合、第2の支払者として利用者ID又は他の支払者の支払者IDが含まれる。デジタル帳票DFは、利用者の利用者ID、サービス又は商品を提供する提供者の提供者ID、及び支払者の支払者IDの内のいずれかが1つで発行可能な情報である。デジタル帳票DFは、後述するようにサービス提供の進行状況に沿って順次完成される。デジタル帳票DFは、決済に必要な情報がサービス完了後に確定することを許容する。
図10は、募集条件DB406に記憶される情報の内容例を示す図である。募集条件DB406は、情報処理装置4へ送信される利用者端末装置1、提供者端末装置2又は支払者端末装置3からのリクエストに含まれる募集条件の内容を記憶する。募集条件は、募集を識別するための募集IDに対応付けられ、料金、サービス又は商品の内容等の条件の内容と、募集によって起票されたデジタル帳票DFの取引IDとを含む。募集が終了すると情報処理装置4によって募集条件は消去される。
このように構成されるデジタルチケットシステム100をコントロールする情報処理装置4は、利用者ID、提供者ID及び支払者IDの内の少なくとも1つが定まるとデジタル帳票DFを起票する。利用者IDは、サービス又は商品の享受に関する取引における利用者、即ちサービス又は商品を利用する者が誰であるかを示す。提供者IDは、利用者に提供されるサービス又は商品が何であるか、即ち利用者にサービス又は商品を提供するのが誰であるかを示す。支払者IDは、サービス又は商品に対する対価を誰が支払うかを示す。
情報処理装置4は、利用者IDを指定した利用者端末装置1からの起票リクエスト、提供者IDを指定した提供者端末装置2からの起票リクエスト、又は支払者IDを指定した支払者端末装置3からの起票リクエストのいずれかに基づいてデジタル帳票DFを起票し、これに基づくデジタルチケットを利用可能に発行することができる。情報処理装置4は、発行したデジタルチケットに基づくサービスの提供が完了し、料金が確定し、支払者が誰になるか、起票したデジタル帳票DFにおける全ての情報が確定した場合に支払の根拠となるデジタル帳票DFを完成させる。情報処理装置4は、完成したデジタル帳票DFを元にして決済サービスへ決済を要求することが可能であり、決済が完了すると経費情報を作成して支払者端末装置3へ送信することが可能である。
デジタルチケットの利用時の処理について説明する。情報処理装置4は、利用者(特定の利用者を含む)、提供者、又は支払者のいずれか1つから、サービス(商品)を受けたい、サービス(商品)のユーザを募集しているといったリクエストを受け付け、デジタル帳票DFを起票する。
図11は、デジタル帳票DFが完成していく過程の一例を示す概要図である。図11はA、B、Cの順にデジタル帳票DFの各項目が埋まる過程を示している。図11Aに示すように、起票の段階では、決済又は経費処理に必要な項目である(1)取引を識別する情報(取引ID)、(2)提供されたサービス又は商品の内容を示す情報(項目)、(3)料金、(4)サービス又は商品の提供者(支払先)、(5)サービス又は商品の利用者、(6)料金の支払者の内、(5)が定まることで(1)が採番されている状態である。リクエストで「支払方法」が「経費処理」として指定されている場合、(6)の支払者は、利用者が所属する企業に仮決定される。このように、本開示におけるプラットフォームでは、利用者、支払者、又は提供者のみしか定まっていない段階で決済、経費処理の元となるデジタル帳票DFを起票することを可能とする。
図11に示したように利用者が最初に定まる場合の他に、提供者のみが最初に定まる場合、支払者のみが最初に定まる場合でも同様である。
起票されたデジタル帳票DFに基づき、利用者、提供者、又は支払者が未決のデジタルチケットが情報処理装置4、利用者、提供者、又は支払者によって検索可能に提供され、デジタルチケットマーケットが形成される。デジタルチケットマーケット上で、情報処理装置4によって、デジタル帳票DFで未決の利用者、提供者、及び支払者のマッチングが実行される。利用者及び提供者が確定してサービス(商品)が提供され、支払者が確定した場合、デジタル帳票DFが完成する。完成したデジタル帳票DFに基づき決済が行なわれる。
デジタルチケットのパッケージ化の処理について以下、フローチャート及び画面例を参照して説明する。図12及び図13は、情報処理装置4における処理手順の一例を示すフローチャートである。
情報処理装置4の制御部40は、特定の利用者の利用者IDによってログインされている利用者端末装置1から、検索リクエストを受信する(ステップS401)。
制御部40は、利用者IDが未確定であってステップS401で受信した検索リクエストの検索条件にマッチするデジタル帳票DFを、帳票DB405にて検索する(ステップS402)。制御部40は、マッチするデジタル帳票DFが抽出できたか否かを判断する(ステップS403)。
ステップS403にて抽出できたと判断された場合(S403:YES)、制御部40は、抽出されたデジタル帳票DFの提供者、条件等のデータを、利用者が未確定のデジタルチケットデータとして利用者端末装置1へ送信し(ステップS404)、処理をステップS411へ進める。
ステップS403にて抽出できないと判断された場合(S404:NO)、制御部40は、検索条件に基づいてデジタル帳票DFを起票する(ステップS405)。ステップS405で起票されるデジタル帳票DFは、サービス又は商品の内容を特定するための内容特定情報のみが含まれる。
制御部40は、検索条件を募集条件DB406に記憶する(ステップS406)。募集条件DB406には、募集IDとステップS405で起票されたデジタル帳票DFの取引IDとが対応付けられて記憶される。募集条件DB406では、制御部40は募集IDに対応付けて募集中であることを示す情報を記憶しておく。
制御部40は、募集条件DB406に記憶した条件に対応するサービス種別等に応じてステップS401で受信した検索リクエストの条件に対応する提供者の提供者IDを抽出する(ステップS407)。
制御部40は、ステップS407で抽出された提供者IDの提供者に対し、ステップS401で受け付けた検索リクエストの条件に含まれる内容を対応付ける(ステップS408)。ステップS408において制御部40は具体的には、ステップS407で抽出した提供者IDに対し、ステップS406で記憶した募集の条件の募集IDを対応付けて記憶する。
ステップS408の対応付けにより、抽出された提供者IDの提供者端末装置2にて、対応付けられた募集の一覧を表示させることができる。ステップS408では、抽出された提供者IDでログインされている提供者端末装置2に対し、募集内容をプッシュ通知してもよい。
制御部40は、ステップS407で抽出された提供者IDの提供者から、募集に対する応募を受け付ける(ステップS409)。
制御部40は、受け付けた応募の内容に含まれる提供者、条件等のデータを、利用者が未確定のデジタルチケットデータとして利用者端末装置1へ送信する(ステップS410)。
制御部40は、利用者端末装置1からパッケージ対象の選定通知を受信したか否かを判断する(ステップS411)。ステップS411で選定通知を受信しないと判断された場合(S411:NO)、制御部40は、ステップS401へ処理を戻して更に検索リクエストを受信する(S401)。
ステップS411で選定通知を受信したと判断された場合(S411:YES)、制御部40は、利用者端末装置1からパッケージ対象として選定された複数のデジタルチケットに対応するデジタル帳票DFの取引IDを取得する(ステップS412)。制御部40は、取得した複数のデジタルチケットの元となるデジタル帳票DF夫々に、提供者の提供者IDを追記する(ステップS413)。制御部40はステップS413にて、「代理店」の立場として、特定の利用者に対応する支払者ID(特定の利用者と同一人である支払者に付与されている支払者ID)をデジタル帳票DFに追記してもよい。
制御部40は、取得した複数のデジタルチケットの元となるデジタル帳票DF夫々の取引IDに対し、パッケージを識別するパッケージIDを発行する(ステップS414)。
制御部40は、パッケージIDに対応付けて、利用者端末装置1の特定の利用者の利用者ID及び、パッケージの対象となったデジタル帳票DFの取引IDをサービスDB401に記憶する(ステップS415)。制御部40は、パッケージの対象になったデジタル帳票DFに、パッケージ対象であることを示すデータを付加する(ステップS416)。
制御部40は、パッケージID及びパッケージ対象となったデジタル帳票DFに含まれる提供者等の情報を利用者端末装置1へ送信し(ステップS417)、利用者端末装置1から同一内容のパッケージのセット数を受け付ける(ステップS418)。
制御部40は、ステップS418で受け付けたパッケージのセット数分に応じて、パッケージを作成する(ステップS419)。ステップS419で制御部40は、セット数分だけ、ステップS402−S416の処理を繰り返し実行する。これにより、パッケージのセット数分だけ、利用者端末装置1の特定の利用者の利用者ID及び、パッケージの対象となったデジタル帳票DFの取引IDが、サービスDB401に記憶される。
制御部40は、ステップS414で発行したセット数分のパッケージIDを利用者端末装置1へ通知し(ステップS420)、処理を終了する。
図12及び図13のフローチャートに示した処理手順が実行された後、パッケージIDが対応付けられた取引IDのデジタル帳票DFは、少なくとも利用者IDは未定とする。利用者IDに、上述したように特定の利用者の利用者IDをデジタル帳票DFの利用者IDとして記憶し、デジタルチケットを購入した状態にしておき、後に本来の利用者の利用者IDに書き換えられるようにしてもよい。サービスが完了する前であれば、利用者IDは書き換えが可能である。
デジタル帳票DFの取引IDに、パッケージID及びパッケージ作成者の利用者IDが対応付けられていることにより、支払者からサービス又は商品の提供者への支払い時に、デジタル帳票DFがパッケージ対象であり、またパッケージ作成者を判別できる。したがって、支払者と提供者とパッケージ作成者との間の契約によって、サービス完了時に料金を自動的にパッケージ用の料金に計算することが可能である。
また上述の処理の内、ステップS409で応募が受け付けられなかった場合でも、内容特定情報(東京から大阪への移動等)のみ決まっている状態で、複数の取引IDに対してパッケージIDを発行してもよい。
図14及び図15は、利用者端末装置1におけるパッケージの作成処理手順の一例を示すフローチャートである。
利用者端末装置1の制御部10は、特定の利用者が使用する場合、パッケージの作成メニューを表示部13に表示する(ステップS101)。制御部10は、作成メニューが選択されると(ステップS102)、デジタルチケットの検索条件の入力画面を表示し(ステップS103)、検索条件を受け付ける(ステップS104)。検索条件は、サービス又は商品の内容、サービス又は商品の提供場所又は時間を含むとよい。
制御部10は、ステップS104で受け付けた検索条件で、デジタルチケットの元となるデジタル帳票DFの検索リクエストを情報処理装置4へ送信する(ステップS105)。
情報処理装置4では、図12及び図13のフローチャートに示したように、検索リクエストに基づいてデジタル帳票DFを抽出するか、又は起票したデジタル帳票DFに対する提供者を募集することによって、検索条件にマッチするデジタル帳票DFを探し出す。
制御部10は、ステップS105の検索リクエストに応じて送信された、デジタルチケットの候補に対応するデジタル帳票DFの提供者、サービス又は商品の内容を特定する内容特定情報を含むデータを受信する(ステップS106)。
制御部10は、受信したデータに基づき、デジタルチケットの候補の提供者、内容特定情報を含む候補リストを表示部13に表示し(ステップS107)、候補リストから選定を受け付ける(ステップS108)。
制御部10は、選定されたデジタルチケットに対応する取引IDを選定通知と共に情報処理装置4へ送信する(ステップS109)。
制御部10は、選定通知に応じて発行されたパッケージIDを受信し(ステップS110)、表示部13に表示する(ステップS111)。ステップS111で制御部10は、パッケージIDと共にパッケージ名を受け付ける入力画面を表示し、パッケージ名を受け付けてもよい
制御部10は、同一のパッケージについてのセット数の受付画面を表示し(ステップS112)、セット数を受け付け(ステップS113)、受け付けたセット数を情報処理装置4へ送信する(ステップS114)。
制御部10は、セット数に応じて作成されたパッケージのデータを受信し(ステップS115)、受信したデータに基づいてパッケージの内容を表示し(ステップS116)、処理を終了する。
図12−図15のフローチャートに示した処理手順を、画面例を参考に説明する。
図16−図19は、利用者端末装置1で表示される画面例を示す図である。図16は、特定の利用者の利用者IDで使用される場合のメニュー画面131を示す。メニュー画面131は、パッケージ作成メニュー132を含む。メニュー画面131には、図16に示すように、利用者としてデジタルチケットのデジタル帳票DFを検索したり、デジタル帳票DFの起票をリクエストしたりするためのチケットリクエスト用のインタフェースが含まれてよい。
図16のメニュー画面131にてパッケージ作成メニュー132が操作部14にて選択された場合、制御部10は、表示部13にパッケージの作成用画面を表示する。図17は、図16で示した画面でパッケージ作成メニュー132が選択された場合に表示されるパッケージ作成画面133を示す。パッケージ作成画面133は、含まれるチケット毎に、検索条件の入力画面134及び検索リクエストを送信するための「検索」インタフェース135を含む。
図18は、図17に示したパッケージ作成画面133にて、「検索」インタフェース135が選択された後の表示例を示す。検索によって東京から大阪に移動するための交通機関、大阪での宿泊施設の候補が表示されている。パッケージ作成画面133は、候補を選定してパッケージにするための選定インタフェース136と、選定されたチケット候補を通知する選定通知インタフェース137とを含む。選定通知インタフェース137が選択された場合、制御部10は、選定通知を送信する(S109)。
図19は、図18で示したパッケージ作成画面133にて、選定通知インタフェース137が選択された場合に表示される例である。図19のパッケージ作成画面133は、選定された提供者と、パッケージに対して発行されたパッケージIDとを含む。図19のパッケージ作成画面133は、セット数に応じたパッケージの追加のためのインタフェース138を含む。インタフェース138が選択された場合、利用者端末装置1の制御部10は、セット数を送信し(S114)、これにより、セット数分の同一内容のデジタルチケットのパッケージが作成される。
図19に示すパッケージ作成画面133は、パッケージ名の入力画面139と、パッケージの内容をサービスDB401に登録するためのインタフェース140とを含む。インタフェース140が選択された場合、利用者端末装置1の制御部10は、入力画面139に入力されたテキストを取得して、情報処理装置4へ送信する。
図20は、パッケージテーブル4011の内容例を示す図である。パッケージテーブル4011は、パッケージIDと対応付けられた作成者の識別情報及び取引IDを記憶する。図20に示すように、パッケージIDには、作成者によって入力されたパッケージ名を対応付けて記憶してもよい。また図20に示すように、同一のパッケージIDが発行されたデジタル帳票DFの取引IDが対応付けて記憶されている。情報処理装置4の制御部40は、パッケージテーブル4011の取引IDを検索することで、同一のパッケージIDが付されたデジタル帳票DFの取引IDを判別することができる。
このように作成されるデジタルチケットのパッケージを利用する方法について説明する。以下で説明する利用者は、パッケージの作成者となった特定の利用者ではなく、デジタルチケットを実際に用いる利用者である。なお以下の説明において利用者端末装置1の操作は、サービスを受ける利用者自身でなく、家族、秘書等、利用者IDの使用が許可されたオペレータによって実行されてよい。
図21及び図22は、デジタルチケットの検索処理手順の一例を示すフローチャートである。図21及び図22は、デジタルチケットの利用者を決定するまでの処理手順を示す。利用者によって、利用者端末装置1にてデジタルチケットを検索するメニューが選択された場合に、利用者端末装置1及び情報処理装置4が以下の処理手順を実行する。
利用者端末装置1の制御部10は、検索条件を画面上で受け付け(ステップS301)、検索条件に基づくデジタルチケットの検索リクエストを情報処理装置4へ送信する(ステップS302)。検索リクエストは、サービス又は商品の内容特定情報、時間、場所、又はパッケージを探すか否か等の検索条件を含む。
情報処理装置4は、検索リクエストを受信すると(ステップS501)、制御部40は、検索リクエストの検索条件に、パッケージを探す条件が含まれているか否かを判断する(ステップS502)。パッケージを探す条件が含まれていると判断された場合(S502:YES)、制御部40は、サービスDB401のパッケージテーブル4011を参照し(ステップS503)、サービス又は商品等の条件に合致する内容特定情報が対応付けられているパッケージを抽出する(ステップS504)。
制御部40は、抽出したパッケージのパッケージIDに対応付けられている取引IDのデジタル帳票DFを帳票DB405で検索し(ステップS505)、利用者IDが未確定であるデジタル帳票DFが対応付けられているパッケージのパッケージIDに絞り込む(ステップS506)。
制御部40は、絞り込み後のパッケージに含まれる取引IDのデジタル帳票DFからサービス又は商品の内容を特定する情報を、パッケージ毎に読み出し(ステップS507)、候補として、パッケージIDに対応付けて利用者端末装置1へ送信する(ステップS508)。
ステップS502でパッケージを探す条件が含まれていないと判断された場合(S502:NO)、制御部40は、帳票DB405を参照し(ステップS509)、サービス又は商品等の条件に合致する内容特定情報が対応付けられているデジタル帳票DFを、候補として抽出する(ステップS510)。
制御部40は、抽出したデジタル帳票DFに含まれる、提供者、支払者、パッケージの対象であるか否かの区分を含むデータを利用者端末装置1へ送信する(ステップS511)。
利用者端末装置1は、検索リクエストに応じて送信された、パッケージ又はデジタル帳票DFの候補を受信し(ステップS303)、制御部10は、候補を表示する(ステップS304)。制御部10はステップS304において、候補のデジタル帳票DFの内容を表示するに際し、パッケージの対象であるという区分が含まれるデジタル帳票DFについては、強調して表示し、同一のパッケージに含まれるデジタル帳票DFのデータも併せて表示するとよい。
制御部10は、候補から使用するパッケージ又はデジタル帳票DFに基づくデジタルチケットの選択、及びデジタルチケットを経費利用するか否かの区分を受け付ける(ステップS305)。制御部10は、選択されたパッケージのパッケージID、又はデジタル帳票DFの取引ID、選択された区分を情報処理装置4へ送信する(ステップS306)。
情報処理装置4では選択されたパッケージのパッケージID又はデジタル帳票DFの取引ID、及び区分を受信する(ステップS512)。制御部40は、選択されたパッケージIDのパッケージに含まれるデジタル帳票DF、又は選択されたデジタル帳票DFの利用者に、送信元の利用者端末装置1に対応する利用者IDを追記する(ステップS513)。制御部40は、区分に応じて支払者の支払者IDをデジタル帳票DFに追記する(ステップS514)。ステップS514において制御部40は、経費利用の区分が選択されている場合、利用者DB402を参照し、決定した利用者IDに対してデフォルトとして対応付けられている支払者IDをデジタル帳票DFに記憶し、私的利用の区分が選択されている場合、利用者自身を支払者とする支払者IDをデジタル帳票DFに記憶する。
制御部40は、確定した利用者が、確定した提供者に向けて、場合によってはパッケージ化されたデジタルチケットの利用者であることを証明するデータを出力するためのデータを作成し、デジタル帳票DFに追記し(ステップS515)、処理を終了する。
図21及び図22のフローチャートに示した処理手順により、利用者IDが記憶されたデジタル帳票DFに基づいてパッケージ化されたものも含め、利用者IDの利用者に対し、デジタルチケットが利用可能になる。
図23は、利用者端末装置1におけるチケット検索画面141を示す図である。図23では、パッケージを探す条件を含まない検索リクエストを送信した場合に表示される候補の例を示す。図23に示すように、検索の結果、抽出されたデジタル帳票DFに、パッケージの対象である区分が含まれている場合、対応する項目に、星印が付された、パッケージ用の検索インタフェース142が示されている。これにより、利用者は、パッケージ化されていることを認識して、より利便で経済的なデジタルチケットを探すことができる。
図24は、利用者端末装置1におけるチケット検索画面141を示す図である。図24のチケット検索画面141は、図23に示した検索インタフェース142が選択された場合に表示される画面である。図23でチケットがパッケージ対象であることを示すために表示されていた検索インタフェース142が選択された場合、制御部10は、対象のチケットを含むパッケージが含む他のチケットのデータを、図24に示すように表示する。図24のチケット検索画面141には、制御部10がパッケージテーブル4101から取得したパッケージに含まれるチケットのデジタル帳票DFの取引IDと、取引Dに基づいて帳票DB405から取得される内容特定情報とが含まれる。またチケット検索画面141は、選択されたパッケージを利用した場合の料金が表示されている。料金は、パッケージを作成した特定の利用者、及び、提供者との間で決定された価格、または条件に含まれる割引額等に基づいて算出された価格である。
図24のチケット検索画面141には、パッケージの利用意思を示すためのインタフェース143が含まれている。インタフェース143が操作部14によって選択された場合、制御部10は、パッケージID、パッケージに含まれるチケットのデジタル帳票DFの取引ID、選択される経費利用か否かの区分を情報処理装置4へ送信する(S306)。これにより、パッケージに含まれるデジタルチケットが、利用者によって使用可能となる。なおこの時点において、各デジタルチケットの詳細な内容を示す内容特定情報は未確定のままでよい。例えば、東京都内から大阪市内への移動に関して「JJ鉄道」の「特急A」がサービス内容であることは確定しているが、日時等は未確定であってよい。利用者も後から変更可能であってもよい。
このようにパッケージ化されたデジタルチケットは、どのような行程を経て利用されるものであるかが、利用前にある程度決定されている。図24のチケット検索画面141の場合、パッケージには大阪での1泊の宿泊には、東京からの移動手段及び東京への帰路の移動手段のデジタルチケットが前後に利用されることが決まっている。これにより、提供者が異なるデジタルチケットの元となるデジタル帳票DFの組み合わせが明確になるので、デフォルト以外の支払者が支払を申し出るきっかけともなり得る。利用後に、デジタル帳票DFの起票時の条件等を、提供者が検討することができたり、組み合わせの利用促進のために、パッケージ利用者にクーポンを発行したり、といった促進施策も可能になる。
次に、利用者が決定して利用可能になったデジタルチケットの利用について説明する。
図25は、デジタルチケットの利用処理手順の一例を示すフローチャートである。
利用者端末装置1の制御部10は、チケットアプリ1Pに基づいて、自身が所有するデジタルチケット、即ち自身の利用者IDが記憶されているデジタル帳票DFに基づくデジタルチケットの内容の一覧を表示部13に表示する(ステップS601)。
制御部10は、表示された一覧から、使用するデジタルチケットの選択を受け付け(ステップS602)、選択されたデジタルチケットの取引IDに基づいて、提供者に向けて、提供者からサービス又は商品の提供を受けることができるデジタルチケットの利用者であることを示すためのデータを情報処理装置4から取得する(ステップS603)。ステップS603で取得するデータは、例えば二次元コードである。
ステップS603では、交通系ICカードのID番号と、利用者IDとを利用者DB402にて紐付けておき、交通系ICカードのID番号を提供者に出力するものであってもよい。異なる事業者からのサービス又は商品を組み合わされたパッケージであるときであっても、各事業者のシステムで、サービスを受ける権利の証を読み取り可能な形態で表示できればよい。
制御部10は、取得したデータを出力する(ステップS604)。ステップS604において制御部10は、表示部13にデータ、例えば二次元コードを出力してもよいし、通信部12又は読取部15によって、提供者端末装置2へデータ、例えば交通系ICカードのID番号を出力してもよい。
ステップS604によってデジタルチケットによるサービス又は商品の利用が可能になる。以後制御部10は、サービス又は商品の進行状況をモニタし(ステップS605)、10は、提供者端末装置2から、情報処理装置4経由で、サービス又は商品の提供が完了し、料金が確定したことを、料金を受信することで検知すると(ステップS606)、料金を表示部13に表示する(ステップS607)。ステップS607で表示される料金は、情報処理装置4によって、提供者、支払者及び利用者の間、更にパッケージ化されているか否かの区分に応じて、決定されるとよい。
制御部10は、料金の確認を利用者から操作部14により受け付け(ステップS608)、確認通知を情報処理装置4へ送信し(ステップS609)、処理を終了する。
なおデジタル帳票DFに基づくデジタルチケットの利用については、特願2019−100590に記載した内容を援用する。
図26は、デジタルチケットの利用処理手順の他の一例である。図26のフローチャートの内、図25のフローチャートに示した処理手順と共通する手順については同一のステップ番号を付して詳細な説明を省略する。
制御部10は、ステップS601及びS602に代替して、位置情報取得部16に基づいて利用者端末装置1の位置データ及び現在時刻を取得し(ステップS611)、位置データ及び時刻に基づいて利用可能であるデジタルチケットを自動的に選択する(ステップS612)。
制御部10は、選択されたデジタルチケットに対し、図25のフローチャートに示した処理手順のステップS603以降の処理を実行する。
パッケージの被利用数に応じて、特定の利用者に向けて提供者又は情報処理装置4を管理する管理者からポイント付与等の報酬が支払われるシステムが組み込まれてもよい。この場合、情報処理装置4におけるデジタル帳票DFの管理をブロックチェーン上で行ない、特定の利用者へマイクロペイを適用してもよい。
上述のように開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。