JP2021148479A - 電気制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】、電気制御装置において、素子の温度と内部温度とをそれぞれ精度良く検出しつつ、プロセッサにおける温度センサとの接続ポート数が過度に多くなることを抑制する。【解決手段】電気制御装置10は、素子30と、温度に応じて電気抵抗値が変化する第1温度センサ61であって電源に抵抗器を介して直列接続されて素子温度を検出するための第1温度センサと、温度に応じて電気抵抗値が変化する第2温度センサ62であって第1温度センサに比べて素子から遠くに配置され、電源70に抵抗器80を介して直列接続され、第1温度センサに直列接続されて電気制御装置の内部温度を検出するための第2温度センサと、第1温度センサと第2温度センサとを電気的に接続する配線50に対して電気的に接続されて接続部51における電圧値を特定し、電圧値を利用して素子温度と内部温度とを検出するプロセッサ25と、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、電気制御装置に関する。
近年、車両等に搭載された電装品等を制御するために、いわゆるECUと呼ばれる電気制御装置が多々用いられている。電気制御装置では、スイッチング素子などの多数の素子が用いられており、これらの素子を過電流による焼損から保護することが求められる。特許文献1には、保護対象のスイッチング素子の近傍にサーミスタを配置し、かかるサーミスタの出力電圧(温度相当電圧)と過電流判定電圧とを比較して、温度相当電圧が過電流判定電圧を超えた場合に、スイッチング素子に対するゲート電圧の印加を停止し、スイッチング素子をオフ状態にする技術が開示されている。かかる技術では、サーミスタがいわばスイッチング素子の温度(温度相当電圧)を検出する素子として用いられている。サーミスタは、スイッチング素子の温度を検出する以外にも、電気制御装置の内部温度を検出する目的でも用いられる。かかる内部温度は、例えば、電気制御装置の内部温度が上昇した場合に、運転者や保守者に対して警告を行うなどを目的として検出される。
特許文献1の技術では、スイッチング素子の温度を検出することはできるものの、内部温度、すなわち電気制御装置の内部全体を代表する温度を検出することはできない。また、スイッチング素子温度検出用のサーミスタと、電気制御装置の内部温度検出用のサーミスタとをそれぞれ独立して設ける構成では、それぞれのサーミスタの出力電圧を検知するために、マイクロコンピュータ等が有するプロセッサにおいて、各サーミスタから延びる配線を接続するために2つの接続ポート、例えばアナログディジタル変換ポート(A/Dポート)を使用することとなり、温度検出以外の他の機能のためにA/Dポートが使用できなくなるおそれがある。
上記の問題は、サーミスタに限らず、サーモカップルや熱電対など、温度に応じて電気抵抗値が変化する任意の温度センサにおいて共通する。また、温度検出対象素子が、スイッチング素子に限らず任意の種類の素子である場合においても共通する。このため、電気制御装置において、素子の温度と内部温度とをそれぞれ精度良く検出しつつ、プロセッサにおける温度センサとの接続に使用する接続ポート数が過度に多くなることを抑制可能な技術が望まれる。
本開示の一形態として、電気制御装置(10)が提供される。この電気制御装置は、素子(30)と、温度に応じて電気抵抗値が変化する第1温度センサ(61)であって、前記素子の温度である素子温度を検出するための第1温度センサと、温度に応じて電気抵抗値が変化する第2温度センサ(62)であって、前記第1温度センサに比べて前記素子から遠くに配置され、電源(70)に抵抗器(80)を介して直列接続され、且つ、前記第1温度センサに直列接続され、前記電気制御装置の内部温度を検出するための第2温度センサと、前記第1温度センサと前記第2温度センサとを電気的に接続する配線(50)に対して電気的に接続され、前記配線との接続部(51)における電圧値を特定し、前記電圧値を利用して前記素子温度と前記内部温度とを検出するプロセッサ(25)と、を備える。
この形態の電気制御装置によれば、素子温度を検出するための第1温度センサと、第1温度センサに比べて素子から遠くに配置され、電源に抵抗器を介して直列接続され、且つ、第1温度センサに直列接続され、電気制御装置の内部温度を検出するための第2温度センサと、第1温度センサと第2温度センサとを互いに電気的に接続する配線に対して電気的に接続され、配線との接続部における電圧値を特定し、電圧値を利用して素子温度と内部温度とを検出するプロセッサとを備えるので、第1温度センサにより素子温度を検出できると共に、第1温度センサに比べて素子から遠くに配置された第2温度センサにより素子の発熱の影響を抑えつつ内部温度を精度良く検出できる。加えて、第1温度センサと第2温度センサとをそれぞれ独立してプロセッサに接続する構成に比べて、プロセッサにおける接続ポートを減らすことができる。このように上記形態の電気制御装置によれば、素子の温度と内部温度とをそれぞれ精度良く検出しつつ、プロセッサにおける温度センサとの接続に使用する接続ポート数が過度に多くなることを抑制できる。
A.第1実施形態:
A−1.装置構成:
図1に示す電気制御装置10は、本実施形態においては、いわゆるECU(Electric Control Unit)により構成されている。電気制御装置10、例えば、車両に搭載され、車両が備えるドア、ライト、空調、パワーウィンドウなどの動作制御や、エンジン制御、操舵、制動といった車両の挙動に関わる制御を行うために用いられる。
A−1.装置構成:
図1に示す電気制御装置10は、本実施形態においては、いわゆるECU(Electric Control Unit)により構成されている。電気制御装置10、例えば、車両に搭載され、車両が備えるドア、ライト、空調、パワーウィンドウなどの動作制御や、エンジン制御、操舵、制動といった車両の挙動に関わる制御を行うために用いられる。
電気制御装置10は、図示しない筐体内に収容された基板11上に、MPU(Micro-processing unit)20や、図示しないメモリ装置や、様々な素子や、電源70などが搭載されて構成されている。図1では、電気制御装置10が備える素子の例として、スイッチング素子30と、第1温度センサ61と、第2温度センサ62と、抵抗器80とが表されている。
MPU20は、アナログディジタル変換用ポート21(以下、「A/Dポート21」と呼ぶ)と、プロセッサ25と、を備える。A/Dポート21は、配線53および配線50を介して第1温度センサ61および第2温度センサ62と接続されている。A/Dポート21には、配線53と配線50との接続部51における電圧値に対応するアナログ信号が入力される。プロセッサ25は、A/Dポート21に入力されたアナログ信号をディジタル信号に変換し、変換後のディジタル信号が示す電圧値を、接続部51における電圧値として特定し、かかる電圧値を利用して素子温度と内部温度とを検出する。これら温度の検出方法の詳細は後述する。
スイッチング素子30は、本実施形態では、ゲート端子31、ソース端子32、およびドレイン端子33を備えるnチャネル型のMOSFETにより構成されている。なお、nチャネル型のMOSFETに限らず、バイポーラトランジスタや、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、任意の種類のスイッチング素子により構成されてもよい。ゲート端子31は、制御用配線29を介してMPC20に接続されている。ドレイン端子33は、ヒートスプレッダ40に接して配置されている。
ヒートスプレッダ40は、インテグレーテッドヒートスプレッダとも呼ばれ、発熱体であるスイッチング素子30と放熱器として機能する基板11との間に配置され、放熱効率を向上させるために用いられる。
第1温度センサ61は、スイッチング素子30の温度(以下、「素子温度」と呼ぶ)を検出するために用いられる。第1温度センサ61は、温度に応じて電気抵抗値が変化するサーミスタにより構成されている。具体的には、本実施形態では第1温度センサ61は、NTCサーミスタにより構成され、自身の温度が上昇すると電気抵抗値が低下する特性を有する。図1に示すように、第1温度センサ61の一方の端子は、ヒートスプレッダ40に接して配置されている。このため、スイッチング素子30の温度変化がヒートスプレッダ40を介して第1温度センサ61に伝達し、スイッチング素子30の温度変化に応じて第1温度センサ61の電気抵抗値も変化することとなる。第1温度センサ61の他方の端子は、後述する配線50に接続されている。
第2温度センサ62は、基板11において、第1温度センサ61に比べてスイッチング素子30からより遠くに配置され、電気制御装置10の内部温度(以下、単に「内部温度」と呼ぶ)、換言すると電気制御装置10が備える筐体内の温度を検出するために用いられる。第2温度センサ62の配置位置は、基板11においてスイッチング素子30よりもMPU20により近い位置ということもできる。このような配置位置とすることにより、スイッチング素子30の発熱に伴う温度変化が、第2温度センサ62において検知する温度変化、すなわち電気抵抗値の変化に過度に影響を与えることを抑制でき、電気制御装置10の内部全体を代表する温度を精度良く検出できる。第2温度センサ62は、第1温度センサ61と同様に、温度に応じて電気抵抗値が変化するサーミスタ、具体的にはNTCサーミスタにより構成されている。上述の第1温度センサ61と第2温度センサ62とは、配線50を介して互いに直列に接続されている。第2温度センサ62において配線50と接続されている端子とは異なる他方の端子には、プルアップ抵抗として機能する抵抗器80を介して電源70が接続されている。
本実施形態では、互いに同一の温度環境下における第1温度センサ61の電気抵抗値と第2温度センサ62の電気抵抗値とは互いに同じである。
A−2.温度検出処理:
図2に示す温度検出処理は、素子温度および内部温度を検出するための処理であり、プロセッサ25において電源がオンされると実行される。
図2に示す温度検出処理は、素子温度および内部温度を検出するための処理であり、プロセッサ25において電源がオンされると実行される。
プロセッサ25は、スイッチング素子30が動作しないオフ時におけるA/Dポート21への入力電圧に基づき、第2温度センサ62の電気抵抗値を特定する(ステップS105)。ステップS105において特定される電気抵抗値を「オフ時抵抗値」とも呼ぶ。
プロセッサ25は、ステップS105で特定されたオフ時抵抗値に基づき、内部温度を特定する(ステップS110)。オフ時には、発熱体としてのスイッチング素子30が動作しないことから第1温度センサ61の周囲の環境温度と、第2温度センサ62の周囲の環境温度とは、互いにほぼ同じである。このため、各温度センサ61、62における電圧降下分(分圧)は互いにほぼ同じとなる。これにより、第2温度センサ62の電気抵抗値が求められ、かかる電気抵抗値から内部温度が特定されることとなる。なお、ステップS110で特定された内部温度は、MPU20が有する図示しないメモリに記憶される。
プロセッサ25は、スイッチング素子30を動作させる指令があるか否かを判定する(ステップS115)。プロセッサ25は、MPU20とは異なる外部装置、例えば、CAN(Control Area Network)を介して電気制御装置10に接続されている他のECUや、基板11に配置されている他のプロセッサから入力される「スイッチング素子30を動作させる指示」に応じて、スイッチング素子30を動作させる。或いは、プロセッサ25は、スイッチング素子30を動作させる指令を、自ら作成して送信且つ受信し、これに応じてスイッチング素子30を動作させる。したがって、ステップS115では、このような指令を受信するか否かが判定される。
スイッチング素子30を動作させる指令が無いと判定された場合(ステップS115:NO)、処理はステップS105に戻る。これに対して、スイッチング素子30を動作させる指令があると判定された場合(ステップS115:YES)、プロセッサ25は、スイッチング素子30を動作させる(ステップS120)。このため、スイッチング素子30はオン状態となり、スイッチング素子30は、動作に応じて発熱し、スイッチング素子30およびヒートスプレッダ40の近傍の温度は上昇することとなる。なお、このステップS120は、温度検出処理の一ステップとしてではなく、温度検出処理とは独立した他の処理として実行されてもよい。
プロセッサ25は、A/Dポート21から入力される入力電圧を測定する(ステップS125)。プロセッサ25は、ステップS125で測定された入力電圧と、オフ時抵抗値とに基づき、第1温度センサ61の抵抗値を特定する(ステップS130)。上述のように、第2温度センサ62は、スイッチング素子30およびヒートスプレッダ40から大きく離れて配置されているため、スイッチング素子30およびヒートスプレッダ40の温度上昇が生じた場合でも、第2温度センサ62の近傍の温度変化は小さい。このため、ステップS125が実行されるときの第2温度センサ62の電気抵抗値はオフ時抵抗値とほぼ等しい。したがって、ステップS125で測定された入力電圧と、このときの第2温度センサ62の電気抵抗値に相当する「オフ時抵抗値」とから、第1温度センサ61の電気抵抗値を求めることができる。
プロセッサ25は、ステップS130で特定された第1温度センサ61の電気抵抗値(オン時抵抗値)に基づき素子温度を特定する(ステップS135)。プロセッサ25は、スイッチング素子30の停止させる指令があるか否かを判定する(ステップS140)。スイッチング素子30の停止させる指令が無いと判定された場合(ステップS140:NO)、処理は上述のステップS120に戻る。
スイッチング素子30の停止させる指令があると判定された場合(ステップS140:YES)、プロセッサ25は、スイッチング素子30を停止させる(ステップS145)。ステップS145の完了後、処理は上述のステップS105に戻る。
上述の温度検出処理により検出される素子温度および内部温度は、様々な用途に用いられる。例えば、素子温度が所定の閾値温度以上になった場合に、スイッチング素子30の動作を強制的に停止させるという処理に用いられたり、内部温度が所定の閾値温度以上になった場合に警報を出力するという処理に用いられたりできる。
上述の温度検出処理によれば、電気制御装置10の内部温度が変化した場合にも、オフ時抵抗値に基づき内部温度を精度良く検出できる。また、スイッチング素子30およびヒートスプレッダ40の温度が変化した場合にも、オフ時抵抗値とオン時抵抗値に基づき素子温度を精度良く検出できる。
以上説明した第1実施形態の電気制御装置10によれば、素子温度を検出するための第1温度センサ61と、第1温度センサ61に比べてスイッチング素子30から遠くに配置され、電源70に抵抗器80を介して直列接続され、且つ、第1温度センサ61に直列接続され、電気制御装置10の内部温度を検出するための第2温度センサ62と、第1温度センサ61と第2温度センサ62とを互いに電気的に接続する配線50に対して電気的に接続され、配線50との接続部51における電圧値を特定し、電圧値を利用して素子温度と内部温度とを検出するプロセッサ25とを備えるので、第1温度センサ61により素子温度を検出できると共に、第1温度センサ61に比べてスイッチング素子30から遠くに配置された第2温度センサ62によりスイッチング素子30の発熱の影響を抑えつつ内部温度を精度良く検出できる。加えて、第1温度センサ61と第2温度センサ62とをそれぞれ独立してプロセッサ25に接続する構成に比べて、プロセッサ25における使用接続ポート数(A/Dポート数)を減らすことができる。このように、第1実施形態の電気制御装置10によれば、スイッチング素子30の素子温度と内部温度とをそれぞれ精度良く検出しつつ、プロセッサ25における温度センサとの接続に使用する接続ポート数(A/Dポート数)が過度に多くなることを抑制できる。
また、第1温度センサ61は、ヒートスプレッダ40に接しているので、第1温度センサ61を、ヒートスプレッダ40を介してスイッチング素子30に熱的に接続させることができる。このため、第1温度センサ61を利用して素子温度を精度良く検出できる。
また、プロセッサ25は、スイッチング素子30が動作しないオフ状態において特定される電圧値と、スイッチング素子30が動作しているオン状態において特定される電圧値と、を利用して、素子温度を特定するので、スイッチング素子30およびヒートスプレッダ40の温度が変化した場合にも、オフ時抵抗値と、オン時抵抗値に基づき素子温度を精度良く検出できる。
B.第2実施形態:
第2実施形態の電気制御装置10は、MPU20が備えるメモリ装置に、予め素子温度決定テーブルTBが記憶されている点において、図1に示す第1実施形態の電気制御装置10と異なる。第2実施形態の電気制御装置10のその他の構成は、図1に示す第1実施形態の電気制御装置10と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態の電気制御装置10は、MPU20が備えるメモリ装置に、予め素子温度決定テーブルTBが記憶されている点において、図1に示す第1実施形態の電気制御装置10と異なる。第2実施形態の電気制御装置10のその他の構成は、図1に示す第1実施形態の電気制御装置10と同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、素子温度決定テーブルTBには、オフ時入力電圧ごとに、オン時入力電圧と素子温度とが対応付けられている。「オフ時入力電圧」とは、スイッチング素子30がオフ状態においてA/Dポート21に入力される信号により特定される接続部51の電圧値を意味する。また、「オン時入力電圧」とは、スイッチング素子30がオン状態においてA/Dポート21に入力される信号により特定される接続部51の電圧値を意味する。図3の例では、入力電圧が電圧v1の場合のオン時入力電圧と素子温度との対応関係L1と、入力電圧が電圧v2の場合のオン時入力電圧と素子温度との対応関係L2とが、具体的且つ模式的に表されている。2つの対応関係L1、L2において、横軸はオン時入力電圧を示し、縦軸は素子温度を示す。対応関係L2では、比較が容易なように、対応関係L1を破線で併記している。
本実施形態では、オフ時入力電圧がより大きいほど、オン時入力電圧に対応付けられている素子温度はより高い温度となるように、素子温度決定テーブルTBは設定されている。したがって、図3に示すように、同じオン時入力電圧値であっても、オフ時入力電圧が電圧v2である場合の素子温度は、電圧v1である場合の素子温度よりも高い値に設定されている。このような設定の理由について説明する。オフ時入力電圧がより高い場合には、オフ時における第2温度センサ62の電圧降下がより小さいこと、すなわち、第2温度センサ62の電気抵抗値がより小さいことを意味する。第2温度センサ62の電気抵抗値がより小さい場合に、オン時入力電圧が同じであれば、それは、第1温度センサ61の電気抵抗値も同様により小さな値である状況、すなわち、スイッチング素子30の温度がより高い値であることを意味する。このため、同じオン時入力電圧値であっても、オフ時入力電圧がより大きな電圧である場合の素子温度は、より小さな電圧である場合の素子温度よりも高い値に設定されている。なお、素子温度決定テーブルTBの具体的な設定値は、予め実験やシミュレーション等により決定されて設定されている。
図4に示す第2実施形態の温度検出処理は、ステップS130が省略されている点と、ステップS135に代えてステップS135aを実行する点とにおいて、図2に示す第1実施形態の温度検出処理と異なる。第2実施形態の温度検出処理におけるその他の手順は、第1実施形態の温度検出処理と同じであるので、同一の手順には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
ステップS125の完了後、プロセッサ25は、ステップS105の実行時に測定されたオフ時入力電圧と、ステップS125において測定されたオン時入力電圧とに基づき、図3に示す素子温度決定テーブルTBを参照して素子温度を特定する(ステップS135a)。ステップS135aの完了後、上述のステップS140が実行される。
以上説明した第2実施形態の電気制御装置10は、第1実施形態の電気制御装置10と同様な効果を有する。加えて、オフ時入力電圧、すなわちオフ状態において特定される電圧値が大きい場合に、電圧値が小さい場合に比べてより高い温度を素子温度として決定するので、内部温度の変化の影響を抑えつつ素子温度を精度良く決定できる。また、オン時入力電圧、すなわちオン状態において特定される電圧値が大きい場合に、小さい場合に比べてより低い温度を素子温度として特定するので、NTCサーミスタの特性に応じて精度良く素子温度を決定できる。
C.第3実施形態:
図5に示す第3実施形態の電気制御装置10aは、単一のMPU20aに対して、2つのスイッチング素子30a、30bが接続されている点において、第1実施形態の電気制御装置10と異なる。
図5に示す第3実施形態の電気制御装置10aは、単一のMPU20aに対して、2つのスイッチング素子30a、30bが接続されている点において、第1実施形態の電気制御装置10と異なる。
MPU20aは、2つのA/Dポート21a、21bを2つ備える点と、各A/Dポートから入力されるアナログ信号を利用して、内部温度に加えて、2つのスイッチング素子30a、30bの素子温度をそれぞれ検出する点とにおいて、第1実施形態のMPU20と異なる。
2つのスイッチング素子30a、30bは、第1実施形態のスイッチング素子30と同じ構成を有する。同様に、図5に示す2つのヒートスプレッダ40a、40bは、いずれも第1実施形態のヒートスプレッダ40と同じ構成を有する。また、図5に示す2つの第1温度センサ61a、61bは、いずれも第1実施形態の第1温度センサ61と同じ構成を有する。また、図5に示す2つの第2温度センサ62a、62bは、いずれも第1実施形態の第2温度センサ62と同じ構成を有する。また、図5に示す2つの電源70a、70bは、いずれも第1実施形態の電源70と同じ構成を有する。また、図5に示す2つの抵抗器80a、80bは、第1実施形態の抵抗器80と同じ構成を有する。また、2つの配線50a、50bは、いずれも第1実施形態の配線50と同じ構成を有する。また、2つの配線53a、53bは、いずれも第1実施形態の配線53と同じ構成を有する。また、2つの制御用配線29a、29bは、いずれも第1実施形態の制御用配線29と同じ構成を有する。
MPU20aが備えるA/Dポート21aには、配線53aと配線50aとの接続部51aにおける電圧を示すアナログ信号が入力される。同様に、MPU20aが備えるA/Dポート21bには、配線53bと配線50bとの接続部51bにおける電圧を示すアナログ信号が入力される。
プロセッサ25は、第1実施形態の温度検出処理と同じ処理を、2つのスイッチング素子30a、30bについてそれぞれ実行する。本実施形態では、ステップS110では、第2温度センサ62aのオフ時抵抗値に基づき特定される内部温度と、第2温度センサ62bのオフ時抵抗値に基づき特定される内部温度と、をそれぞれ特定し、これら特定された2つの内部温度の平均値を、電気制御装置10aの内部温度として特定するようにしている。なお、平均値に代えて、いずれか一方の内部温度、例えば、より2つのスイッチング素子30a、30bから離れている側の第2温度センサの抵抗値に基づき特定される内部温度を、電気制御装置10aの内部温度として特定してもよい。
以上説明した第2実施形態の電気制御装置10aは、第1実施形態の電気制御装置10と同様な効果を有する。加えて、電気制御装置10aが2つのスイッチング素子30a、30bを備える構成においても、それぞれのスイッチング素子30a、30bの素子温度を精度良く特定し、且つプロセッサ25における使用接続ポート数(A/Dポート数)が過度に多くなることを抑制できる。
D.第4実施形態:
図6に示す第4実施形態の電気制御装置10bは、2つのA/Dポート21a、21bに代えて第1実施形態と同じA/Dポート21を備える点と、2つの第2温度センサ62a、62bに代えて第1実施形態と同じ第2温度センサ62を備える点と、2つの電源70a、70bに代えて第1実施形態と同じ電源70を備える点と、2つの抵抗器80a、80bに代えて第1実施形態と同じ抵抗器80を備える点と、2つの配線53a、53bに代えて第1実施形態と同じ配線53を備える点と、切替器55を新たに備える点とにおいて、図5に示す第3実施形態の電気制御装置10aと異なる。第4実施形態の電気制御装置10bにおけるその他の構成は、第3実施形態の電気制御装置10bと同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6に示す第4実施形態の電気制御装置10bは、2つのA/Dポート21a、21bに代えて第1実施形態と同じA/Dポート21を備える点と、2つの第2温度センサ62a、62bに代えて第1実施形態と同じ第2温度センサ62を備える点と、2つの電源70a、70bに代えて第1実施形態と同じ電源70を備える点と、2つの抵抗器80a、80bに代えて第1実施形態と同じ抵抗器80を備える点と、2つの配線53a、53bに代えて第1実施形態と同じ配線53を備える点と、切替器55を新たに備える点とにおいて、図5に示す第3実施形態の電気制御装置10aと異なる。第4実施形態の電気制御装置10bにおけるその他の構成は、第3実施形態の電気制御装置10bと同じであるので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
配線50aにおいて第1温度センサ61aと接続された端部とは反対側の端部には、接続部52aが形成されている。同様に、配線50bにおいて第1温度センサ61bと接続された端部とは反対側の端部には、接続部52bが形成されている。本実施形態では、配線53は、A/Dポート21と第2温度センサ62とを接続する配線として機能する。そして、配線53の途中には、接続部51cが形成されている。
切替器55は、接続部51cと、2つの接続部52a、52bのうちのいずれかと、を選択的に切り替えて互いに接続する。切替器55は、プロセッサ25からの指令により接続先を切り替える。
第4実施形態では、プロセッサ25は、温度検出処理を実行する際に、各ステップにおいて、接続部51cの接続先を接続部52aにして当該ステップを実行し、次に接続先を接続部52bに切り替えて当該ステップを実行する。なお、接続先の切替順序は、逆であってもよい。
以上説明した第4実施形態の電気制御装置10bは、第1実施形態の電気制御装置10と同様な効果を有する。
E.他の実施形態:
(E−1)各実施形態において、第1温度センサ61、61a、61b、62、62a、62bは、いずれもNTCサーミスタにより構成されていたが、PTCサーミスタにより構成されてもよい。PTCサーミスタにより構成される場合には、温度に対する抵抗値の特性がNTCサーミスタと逆になる。したがって、例えば、第2実施形態においては、オフ時入力電圧が大きい場合に、小さい場合に比べてより低い温度が素子温度として特定され、オン時入力電圧が大きい場合に、小さい場合に比べてより高い温度が素子温度として特定される。なお、サーミスタに限らず、サーもカップルや、白金、ニッケル、銅などを用いたRTD(Resistance Temperature Detector)など、温度に応じて電気抵抗値が変化する任意の種類の温度センサによって構成されてもよい。
(E−1)各実施形態において、第1温度センサ61、61a、61b、62、62a、62bは、いずれもNTCサーミスタにより構成されていたが、PTCサーミスタにより構成されてもよい。PTCサーミスタにより構成される場合には、温度に対する抵抗値の特性がNTCサーミスタと逆になる。したがって、例えば、第2実施形態においては、オフ時入力電圧が大きい場合に、小さい場合に比べてより低い温度が素子温度として特定され、オン時入力電圧が大きい場合に、小さい場合に比べてより高い温度が素子温度として特定される。なお、サーミスタに限らず、サーもカップルや、白金、ニッケル、銅などを用いたRTD(Resistance Temperature Detector)など、温度に応じて電気抵抗値が変化する任意の種類の温度センサによって構成されてもよい。
(E−2)各実施形態において、スイッチング素子30、30a、30bに代えて、他の種類の任意の素子を用いてもよい。例えば、ダイオードなどの他の種類の能動素子や、抵抗器、コイル等の受動素子であってもよい。本開示によれば、これらの素子の素子温度を精度良く検出しつつ、プロセッサにおける温度センサとの接続に使用する接続ポート数が過度に多くなることを抑制できる。
(E−3)各実施形態の電気制御装置10、10a、10bは、あくまでも一例であり、様々に変更可能である。例えば、各実施形態においてヒートスプレッダ40、40a、40bを省略してもよい。電気制御装置10、10a、10bは、複数の基板11を備えていても良い。スイッチング素子30、30a、30bのスイッチング動作を制御するMPUを、内部温度および素子温度を測定するためのMPU20とは別のMPUとして構成してもよい。第3実施形態において、2つの電源70a、70bを互いに共通する単一の電源70に置き換えてもよい。各実施形態の電気制御装置10、10a、10bは、車両に限らず、航空機やロボット等の任意の移動物に搭載されてもよく、また、固定された装置に搭載されてもよい。なお、本開示は、上記各実施形態の他、種々の形態で実現することも可能である。例えば、電気制御装置の内部温度および素子温度を検出する方法、かかる方法を実現するためのコンピュータプログラム、かかるコンピュータプログラムを記録した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…電気制御装置、30…素子、61…第1温度センサ、62…第2温度センサ、70…電源、80…抵抗器、50…配線、51…接続部、25…プロセッサ
Claims (4)
- 電気制御装置(10)であって、
素子(30)と、
温度に応じて電気抵抗値が変化する第1温度センサ(61)であって、前記素子の温度である素子温度を検出するための第1温度センサと、
温度に応じて電気抵抗値が変化する第2温度センサ(62)であって、前記第1温度センサに比べて前記素子から遠くに配置され、電源(70)に抵抗器(80)を介して直列接続され、且つ、前記第1温度センサに直列接続され、前記電気制御装置の内部温度を検出するための第2温度センサと、
前記第1温度センサと前記第2温度センサとを電気的に接続する配線(50)に対して電気的に接続され、前記配線との接続部(51)における電圧値を特定し、前記電圧値を利用して前記素子温度と前記内部温度とを検出するプロセッサ(25)と、
を備える、電気制御装置。 - 請求項1に記載の電気制御装置において、
前記素子に接触するヒートスプレッダ(40)を、さらに備え、
前記第1温度センサは、前記ヒートスプレッダに接している、電気制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の電気制御装置において、
前記素子は、スイッチング素子であり、
前記プロセッサは、前記スイッチング素子が動作しないオフ状態において特定される前記電圧値と、前記スイッチング素子が動作しているオン状態において特定される前記電圧値と、を利用して、前記素子温度を特定する、電気制御装置。 - 請求項3に記載の電気制御装置において、
前記第1温度センサと前記第2温度センサとは、いずれもNTCサーミスタにより構成され、
前記プロセッサは、
前記オフ状態において特定される前記電圧値が大きい場合に、小さい場合に比べてより高い温度を前記素子温度として特定し、
前記オン状態において特定される前記電圧値が大きい場合に、小さい場合に比べてより低い温度を前記素子温度として特定する、電気制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020046154A JP2021148479A (ja) | 2020-03-17 | 2020-03-17 | 電気制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=77848314
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JP2020046154A Pending JP2021148479A (ja) | 2020-03-17 | 2020-03-17 | 電気制御装置 |
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Country | Link |
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-
2020
- 2020-03-17 JP JP2020046154A patent/JP2021148479A/ja active Pending
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