JP2019041508A - 電力供給システム - Google Patents

電力供給システム Download PDF

Info

Publication number
JP2019041508A
JP2019041508A JP2017162499A JP2017162499A JP2019041508A JP 2019041508 A JP2019041508 A JP 2019041508A JP 2017162499 A JP2017162499 A JP 2017162499A JP 2017162499 A JP2017162499 A JP 2017162499A JP 2019041508 A JP2019041508 A JP 2019041508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
current
power supply
power
loads
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017162499A
Other languages
English (en)
Inventor
広樹 新田
Hiroki Nitta
広樹 新田
武 戸倉
Takeshi Tokura
武 戸倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2017162499A priority Critical patent/JP2019041508A/ja
Publication of JP2019041508A publication Critical patent/JP2019041508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Direct Current Feeding And Distribution (AREA)

Abstract

【課題】小型化や軽量化を図ることが可能な電力供給システムを提供する。【解決手段】電源1の電力を複数の負荷21〜23に供給する電力供給システム100は、一端が電源1と電気的に接続するヒューズ2と、ヒューズ2の他端と複数の負荷21〜23の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチ11a、12a、13aと、半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部41を有し、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御する制御装置40と、を備え、制御装置40は、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指示信号を受信した場合に、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aをオンにするタイミングをずらして、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aをオンする。【選択図】図1

Description

本発明は、電力供給システムに関するものである。
電源から与えられる電力を複数の負荷に分配して給電するための各給電路に分散して設けられた複数の半導体リレーを有し、その各半導体リレーが前記各負荷への給電状態を制御するリレーユニットと、リレーユニットの過熱を検出する過熱検出手段と、各半導体リレーを制御して各負荷への給電状態を制御する制御手段、を備える車載電源制御装置が知られている。
この車載電源制御装置において、上記の制御手段は、各半導体リレーを制御して各負荷への給電状態を制御する一方、過熱検出手段により過熱が検出された場合には、複数の負荷のうちの、予め定められた条件に従って決定される駆動中の少なくとも一部の負荷への給電をオフする(例えば特許文献1参照)。
特開2003−72487号公報
電源の電力を複数の半導体リレーを介して複数の負荷に供給する場合、上記従来技術を含めて一般的には、過電流から負荷を保護するために、電源と複数の半導体リレーの間には溶断性のヒューズが設けられている。しかしながら、上記従来技術では、複数の負荷へ同時に給電する場合、給電した際に発生する突入電流の総和によりヒューズが溶断しないよう、ヒューズの定格電流を大きくする必要がある。また、突入電流により溶断しないよう、ヒューズを設けている電線の電線径を大きくする必要がある。このため、電力供給システムが大型化又は重量化してしまう、という問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、小型化や軽量化を図ることが可能な電力供給システムを提供することである。
[1]本発明に係る電力供給システムは、電源の電力を複数の負荷に供給する電力供給システムであって、一端が前記電源と電気的に接続するヒューズと、前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチと、前記半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部を有し、前記複数の半導体スイッチのオン及びオフを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記複数の半導体スイッチを同時にオンさせる指示信号を受信した場合に、前記複数の半導体スイッチをオンにするタイミングをずらして、前記複数の半導体スイッチをオンする電力供給システムである。
[2]上記発明において、前記制御装置は、前記電源から前記負荷へ前記電力を供給する優先順位を記憶している記憶部を有し、前記優先順位に基づいて、前記タイミングをずらしてもよい。
[3]上記発明において、前記電力供給システムは、前記複数の負荷にそれぞれ設けられ、前記電源から前記負荷に流れる電流を検出する複数の電流センサをさらに備え、前記記憶部は、前記半導体スイッチがオンした際に発生する突入電流の特性を、前記複数の負荷にそれぞれ対応づけて記憶しており、前記制御装置は、前記記憶部から読み出した前記突入電流の特性と、前記半導体スイッチがオンした際に前記電流センサにより検出された前記電流とを比較することで、前記負荷に異常があるか否かを判定し、前記負荷に異常があると判定した場合には、前記優先順位を下げてもよい。
[4]上記発明において、前記ヒューズは、それぞれの一端が前記電源と電気的に接続する複数のヒューズを含み、前記複数の半導体スイッチは、前記複数のヒューズの他端と前記複数の負荷の間をそれぞれ電気的に接続してもよい。
本発明によれば、複数の半導体スイッチをオンにするタイミングをずらして複数の半導体スイッチをオンさせるため、ヒューズに流れる突入電流の総和が低減され、ヒューズの大きさを抑制できる。その結果、ヒューズを設けている電線の電線径が小さくなるので、電力供給システムの小型化や軽量化を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力供給システムを示すブロック図である。 図2は、電流マップを説明するための図である。 図3(A)は、2つの半導体スイッチをオンさせるタイミングをずらした結果、各負荷に流れる電流の推移を示し、図3(B)は、図3(A)に示すタイミングで各半導体スイッチがオンした場合の、ヒューズ2に流れる電流の推移を示す。 図4(A)は、2つの半導体スイッチが同時にオンした結果、各負荷に流れる電流の推移を示し、図4(B)は、図4(A)に示すタイミングで各半導体スイッチがオンした場合の、ヒューズ2に流れる電流の推移を示す。 図5は、本発明の第2実施形態に係る電力供給システムを示すブロック図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係る電力供給システムを示すブロック図である。 図7(A)は、負荷の電流マップを示す図であり、図7(B)は、負荷に流れる電流の実測値を示す図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係る電力供給システムを示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における電力供給システム100は、バッテリなどの電源から出力される電力を、複数の負荷に供給するシステムである。電力供給システム100は、例えば電気自動車等の車両に搭載されており、車両に設けられたバッテリの電力を、パワーウィンド、電動チルトテレスコピックステアリング、パワーシート、電動サンシェード、ランプ、ナビゲーションシステム、又は、エアーコンデョナ等の負荷に供給する。この電力供給システム100は、図1に示すように、電源1、ヒューズ2、電力線3、電力分配装置10、負荷21〜23、上位コントローラ30、及び制御装置40を備えている。
電源1は、例えば、車両に搭載される直流電源である。このような電源1としては、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の2次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタ等を用いることができる。
電源1は、ヒューズ2、電力線3、及び電力分配装置10を介して負荷21〜23に対して電力を供給している。負荷21〜23の具体例としては、上述したパワーウィンド、電動チルトテレスコピックステアリング、パワーシート、電動サンシェード等が挙げられる。負荷21〜23には、車載に搭載されたその他の電装部品を含めてもよい。負荷21の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス11と接続し、負荷22の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス12と接続し、負荷23の一端は電力分配装置10に設けられた半導体デバイス13と接続している。また、負荷21〜23の他端は、グランドと接続している。なお、図1では、負荷21〜23の他端をグランドと接続しているが、これに限定されない。
ヒューズ2は、電源1と電力分配装置10の間を接続する電力線3に設けられているメインヒューズである。ヒューズ2は、電源1から流れてくる定格以上の大電流から負荷21〜23を保護するために設けられている。ヒューズ2の一端は、電源1と電気的に接続している。ヒューズ2の他端は、電力分配装置10に設けられた半導体デバイス11〜13と電力線3を介して電気的に接続している。
ヒューズ2は、溶断特性を有している。溶断特性とは、ヒューズ2の定格電流を超える電流(溶断電流)が流れた際に、予め決められた時間内で溶断する特性である。この溶断特性は、溶断電流の大きさ、雰囲気温度、又はヒューズ2の種類に応じて異なる。例えば、定格電流が30Aのヒューズであれば、仮に90Aの溶断電流がこのヒューズに流れ続けた場合、このヒューズは数秒で溶断する。また、仮に50Aの溶断電流がこのヒューズに流れ続けた場合には、このヒューズは数分で溶断する。ヒューズ2の溶断特性は、後述する制御装置40の記憶部42に予め記憶されている。
電力分配装置10は、図1に示すように、半導体デバイス11〜13を備えている。電力分配装置10には、電源1の電力がヒューズ2及び電力線3を介して供給される。図1の例では、ヒューズ2の他端と接続する電力線3は、電力分配装置10の中で3本に分岐している。分岐された3本の電力線3は、半導体デバイス11〜13にそれぞれ接続されている。これにより、電源1と半導体デバイス11〜13は、ヒューズ2及び電力線3を介して電気的に接続され、電源1の電力は、半導体デバイス11〜13それぞれに供給される。
電力分配装置10は、半導体デバイス11〜13の動作に応じて、電源1の電力を負荷21〜23へ供給又は遮断する。半導体デバイス11〜13としては、例えば、後述する半導体スイッチ11a、12a、13aを含み、この半導体スイッチ11a、12a、13aの制御回路、加熱保護回路、及び/又は電流検出回路等を含むIPD(Intelligent Power Device)等のICが挙げられる。このIPD等のICは、加熱保護回路、及び/又は電流検出回路等により、半導体スイッチの異常を診断する自己診断機能を有している。また、電力分配装置10としては、例えば、複数の半導体デバイス11〜13を搭載したECU等が挙げられる。
ここで、電力分配装置には、半導体デバイス11〜13の代わりに、溶断性のある機械式のヒューズを用いることが一般的であったが、この機械式のヒューズでは、負荷の異常等により一度溶断してしまうと交換作業が発生し、手間がかかることがあった。このため、機械ヒューズの代わりに、上述したIPD等の自己診断機能を有する半導体スイッチを用いることに関心が集まっている。この半導体スイッチは、自己診断機能により異常を検知して負荷への電力を遮断したとしても、交換作業を必要とせずに、通電作業だけで復帰するなどの利点を有する。このため、このような半導体スイッチは半導体ヒューズと呼ばれている。
半導体デバイス11は、半導体スイッチ11aと当該半導体スイッチ11aと並列に接続された還流ダイオード11bを含んでいる。同様に、半導体デバイス12は、半導体スイッチ12aと当該半導体スイッチ12aと並列に接続された還流ダイオード12bを含み、半導体デバイス13は、半導体スイッチ12aと当該半導体スイッチ12aと並列に接続された還流ダイオード12bを含んでいる。還流ダイオード11b、12b、13bは、電流が負荷21、22、又は23から電源1の方向に流れるのを防止するために設けられている。具体的に、還流ダイオード11bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード11bのアノード電極は負荷21と接続している。同様に、還流ダイオード12bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード12bのアノード電極は負荷22と接続している。また、還流ダイオード13bのカソード電極はヒューズ2の他端と接続し、還流ダイオード13bのアノード電極は負荷23と接続している。
半導体スイッチ11a、12a、13aとしては、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の電圧制御型の半導体素子を用いることができる。本実施形態では、nチャネルのMOSFETを用いているが、pチャネルのMOSFETでもよい。
半導体スイッチ11a、12a、13aは、エミッタ電極と、ソース電極と、ゲート電極と、を有している。半導体スイッチ11a、12a、13aのドレイン電極は、電力線3を介してヒューズ2の他端と接続している。半導体スイッチ11aのソース電極は負荷21と接続し、半導体スイッチ12aのソース電極は負荷22と接続し、半導体スイッチ13aのソース電極は負荷23と接続している。また、半導体スイッチ11aのゲート電極、半導体スイッチ12aのゲート電極、及び半導体スイッチ13aのゲート電極は、それぞれ配線4、5、6を介して、制御装置40の駆動部43と接続している。配線4〜6はそれぞれ独立した配線である。半導体スイッチ11a、12a、13aのゲート電極は、駆動部43から出力される駆動信号により、それぞれ独立に制御される。
半導体スイッチ11a、12a、13aは、制御部44からゲート電極に出力される駆動信号によりオン又はオフに切替えられる。半導体スイッチ11aの動作を例に挙げて説明する。
半導体スイッチ11aは、駆動信号の電圧がゲート電極−ソース電極間の閾値電圧(Vgs)よりも高い場合に、ドレイン電極とソース電極の間が電気的に導通し、オン状態となる。反対に、半導体スイッチ11aは、駆動信号の電圧がゲート電極−ソース電極間の閾値電圧よりも低い場合に、ドレイン電極とソース電極の間が電気的に遮断し、オフ状態となる。なお、この閾値電圧は、半導体スイッチ11aの製造プロセスや材料に応じて異なる電圧だが、特に限定されるものではない。
半導体スイッチ11aのオン状態では、ドレイン電極とソース電極の間は導通しているため、電源1と負荷21は、ヒューズ2、電力線3、及び半導体スイッチ11aを介して電気的に接続された状態になる。そのため、半導体スイッチ11aのオン状態では、電源1から負荷21の方向に電流が流れ、電源1の電力は負荷21に供給される。
反対に、半導体スイッチ11aのオフ状態では、ドレイン電極とソース電極の間は遮断しているため、電源1と負荷21は、電気的に遮断された状態になる。そのため、半導体スイッチ11aのオフ状態では、電源1から負荷21の方向に電流が流れず、電源1の電力は負荷21へ供給されない。つまり、半導体スイッチ11aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷21へ供給又は遮断することができる。
また、図1に示すように、半導体デバイス11は負荷21に対応し、半導体デバイス12は負荷22に対応し、半導体デバイス13は負荷23に対応している。半導体スイッチ12a、13aについても、半導体スイッチ11aと同様の動作をするため、半導体スイッチ12aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷22へ供給又は遮断することができる。また、半導体スイッチ13aのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を負荷23へ供給又は遮断することができる。つまり、各負荷に対応している半導体デバイスの制御をすることで、具体的には、半導体スイッチのオン及びオフを制御することで、電源1の電力を各負荷へ供給又は遮断をすることができる。
なお、図1では、3つの負荷21〜23に対応するように、電力分配装置10は3つの半導体デバイス11〜13を設ける構成を例示したが、これに限定されるものではない。電力分配装置10は、負荷の数に対応した数の半導体デバイスを設けることができる。例えば、n個の負荷に対して電源1の電力を供給する場合には、電力分配装置10は、n個の半導体デバイスを設ける。nは1以上の自然数である。このとき、電力線3は電力分配装置10の中でn本に分岐され、n本の電力線はn個の半導体デバイスと接続する。これにより、n個の負荷と電源1との間の電気的な導通及び遮断を、それぞれ独立して切り替えることができる。
上位コントローラ30は、車両に設けられた各種装置の情報を管理するコントローラである。本実施形態の上位コントローラ30は、電源1の電力を負荷21〜23に対してどのように分配させるかを管理する。上位コントローラ30は、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフの指示として指示信号を制御装置40の受信部41に出力する。この指示信号には、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフのタイミングに関する情報が含まれている。上位コントローラ30は、例えば、運転者が全ての電装部品を操作可能な状態、いわゆる、イグニッションオン状態になると、制御装置40に指示信号を出力する。
制御装置40は、上位コントローラ30からの指示信号に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御する制御装置である。例えば、制御装置40には、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されるマイクロコンピュータが挙げられる。
制御装置40は、図1に示すように、受信部41、記憶部42、駆動部43、及び制御部44を有している。受信部41は、上位コントローラ30と通信可能な装置である。上位コントローラ30との通信手段は特に限定されない。受信部41は、上位コントローラ30から、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフの指示信号を受け、受信した指示信号を制御部44へ出力する。
記憶部42は、ROM、RAM等のような情報を記憶する記憶媒体で構成されている。記憶部42は、制御部44が実行する、半導体スイッチ11a、12a、13aのオン及びオフを制御するプログラムを記憶している。また、上述したように、記憶部42はヒューズ2の溶断特性を記憶している。
さらに、記憶部42は、電源1から負荷21〜23へ電力を供給する優先順位を記憶している。この優先順位は、負荷21〜23に対する電力供給の序列を示している(以降、負荷の優先順位とも称する)。なお、この優先順位は、負荷の種類や、負荷としての機器又はシステムの動作シーケンスに応じて予め決定される。
また、記憶部42は、半導体スイッチ11a、12a、13aがオンした際に発生する突入電流の時系列データを記憶している。突入電流とは、半導体スイッチ11a、12a、又は13aがオフ状態からオン状態となった際に、電源1から負荷21、負荷22、又は負荷23の方向に一時的に流れる大電流である。記憶部42は、突入電流の時系列データを、例えば、横軸が時間、縦軸が電流のマップ(以降、電流マップとも称す)を記憶している。
次に、電流マップについて、図2を参照しながら説明する。図2は、電流マップを説明するための図である。記憶部42は、図2に示すような、横軸が時間、縦軸が電流値であらわされる電流の推移をマップ化して記憶している。
例えば、図2に示す電流マップは、半導体スイッチ11aがオンすることで、電源1から負荷21へ流れる電流値(縦軸)を示すデータであって、実験により得られたデータの一例である。図2に示す例では、時間0(原点)において、半導体スイッチ11aのゲート電極に電圧が印加されて、半導体スイッチ11aのドレイン電極とソース電極の間が導通する。時間0〜tmaxでは、ドレイン電極とソース電極の導通により、電源1から負荷21の方向に突入電流が発生し、電流値は上昇する。時間tmaxで、突入電流のピーク(電流値Imax)が発生する。時間tmax〜tstaでは、負荷21が有する容量等により充電され、突入電流は電流値Imaxから減少する。時間tstaに、電流値は負荷21の定常電流Istaに収束し、時間tsta以降、電流値は定常電流Istaを維持する。
また、記憶部42は、電流マップを負荷21〜23それぞれに対応づけて記憶している。すなわち、記憶部42は、半導体スイッチ12aがオン状態となった際に、電源1から負荷21へ流れる突入電流の電流マップを、負荷21と対応づけて記憶している。同様に、記憶部42は、半導体スイッチ12aがオン状態となった際に、電源1から負荷22へ流れる突入電流の電流マップを、負荷22と対応づけて記憶している。また、記憶部42は、半導体スイッチ13aがオン状態となった際に、電源1から負荷23へ流れる突入電流の電流マップを、負荷23と対応づけて記憶している。電流マップは、各負荷の特性、電力線3の配線長又は材料、電力分配装置10と各負荷間を接続する配線の配線長又は材料、雰囲気温度などを考慮して実験的に求めることが好ましい。
図1に戻り、制御装置40について説明する。駆動部43には、制御部44から半導体スイッチ11a、12a、13aをオン及びオフする制御信号が入力される。駆動部43は、これらの制御信号の電圧を、半導体スイッチ11a、12a、13aの動作電圧までレベルシフトさせて、半導体デバイス11〜13へ出力する駆動回路である。なお、本実施形態では、制御装置40に駆動部43を設けているが、半導体スイッチの動作電圧の範囲と制御部44が出力する制御信号の電圧範囲が同じ範囲であれば、駆動部43を設ける必要はない。また、駆動部43を設ける位置は特に限定されず、駆動部43を電力分配装置10の中に設けてもよい。
制御部44は、記憶部42に記憶されたプログラムを実行することで、制御装置40の機能を実現させる動作回路としてのCPUで構成される。なお、動作回路として、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いてもよい。
制御部44には、受信部41を介して上位コントローラ30から指示信号が入力される。制御部44は、この指示信号に応じて、半導体スイッチ11a、12a、13aをオン及びオフさせる制御信号をそれぞれ生成し、生成した複数の制御信号を駆動部43に出力する。また、制御部44は、記憶部42にアクセスすることができ、記憶部42に記憶されている、ヒューズ2の溶断特性、負荷の優先順位及び各負荷の電流マップを読み出す。
次に、制御部44が実現する機能について説明する。制御部44は、上位コントローラ30の指示より、半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる必要がある場合、ヒューズ2の溶断特性及び負荷の優先順位に基づいて、半導体スイッチ11a、12a、13aをオンにするタイミングをずらす。例えば、制御部44は、半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指示信号を受信すると、半導体スイッチ11aをオンさせるタイミングを、半導体スイッチ12a、13aをオンさせるタイミングよりも遅らせる。
制御部44は、ヒューズ2の溶断特性に基づいて、半導体スイッチ12a、13aをどの程度遅らせてオンさせるか(遅延量)を決定する。例えば、制御部44は、負荷21〜23の電流マップを記憶部42から読み出して、各負荷の電流マップを重畳させて、突入電流の総和をあらわす予測マップを作成する。そして、制御部44は、この予測マップとヒューズ2の溶断電流とを比較して、突入電流の総和が溶断電流を超えないように、半導体スイッチ12a、13aをオンさせるタイミングを決定する。遅延量の目安として、数msec程度が好ましい。この程度の時間であれば、電装部品又はシステムの起動時間に対する、車両の乗員の違和感を低減できる。なお、遅延量の決定方法は上記方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。
例えば、遅延量として一定値(例えば、1msec)を予め決定しておいて、その遅延量を記憶部42に記憶させてもよい。そして、制御部44は、記憶部42から読み出した遅延量を用いて、複数の半導体をオンにするタイミングを一律にずらしてもよい。また、制御部44は、複数の半導体をオンにするタイミングを、この遅延量の整数倍毎に間隔を設けてずらしてもよい。
また、制御部44は、負荷の優先順位を参照して、タイミングをずらす半導体スイッチ11a、12a、13aを予め決定しておく。例えば、負荷21が最も高い優先順位(電力供給が最も必要な負荷)であれば、制御部44は、半導体スイッチ12a、13aを半導体スイッチ11aよりも遅らせてオンさせる制御信号を生成する。また、制御部44は、半導体スイッチ11aをオンさせるタイミングを、上位コントローラ30の指示と同じタイミングとなるように、制御信号を生成する。これにより、各負荷の電源投入シーケンスに与える影響を低減させつつ、優先順位が高い負荷から順に、電源1の電力を供給することができる。
制御部44は、上記方法により、各半導体スイッチ11a、12a、13aをオンさせるタイミングを決定すると、このタイミングの情報が含まれる制御信号を、駆動部43に出力する。
次に、複数の半導体スイッチをオンさせるタイミングをずらした時に、ヒューズ2に流れる突入電流への影響について、図3を参照しながら説明する。図3(A)は、2つの半導体スイッチをオンさせるタイミングをずらした結果、各負荷に流れる電流の推移を示し、図3(B)は、図3(A)に示すタイミングで各半導体スイッチがオンした場合の、ヒューズ2に流れる電流の推移を示す図である。図3(A)において、一点鎖線は、半導体スイッチ11aがオンした直後に負荷21に流れる電流を示し、点線は、半導体スイッチ12aがオンした直後に負荷22に流れる電流を示す。
なお、以降では、説明の便宜上、図1に示す負荷21〜23のうち、負荷21、22を用いて説明する。この場合、上位コントローラ30は、2つの半導体スイッチ11a、12aを同時にオンさせる指示信号を制御部44に出力するが、上位コントローラ30が同時にオンさせようとする半導体スイッチの数は、特に限定されない。
図3(A)に示すように、制御装置40により、半導体スイッチ12aは、半導体スイッチ11aがオンするタイミングよりも、時間tonだけ遅れてオンする。そのため、負荷21へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax1)と、負荷22へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax2)を分散させることができる。その結果、ヒューズ2には、図3(B)に示すような電流が流れる。
ここで、ヒューズ2の選定について説明する。一般的には、図1の例のように、電力分配装置10を介して電源1の電力を複数の負荷へ供給する電力供給システムの場合、各負荷を過電流から保護するため、ヒューズ2には、溶断特性のある機械式のヒューズが用いられる。上述したように、半導体スイッチがオンすると、一時的に突入電流が発生するため、ヒューズ2の選定には、各負荷の定常電流だけでなく、各負荷に流れる突入電流を考慮する必要がある。例えば、図3(B)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12)がヒューズ2に発生する場合、このピークよりも高い電流値Ithで溶断するようなヒューズ2を選定することが考えられる。
図3(B)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12)は、図3(A)に示す負荷21に流れる定常電流(電流値Ista1)と、負荷22へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax2)の総和と同程度となる。定常電流の大きさと突入電流の大きさは、一般的に数倍以上の差があるため、図3(B)に示す突入電流のピークは、負荷22へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax2)が支配的になる。負荷21の定常電流を考慮することなく、負荷22の突入電流を基準として、ヒューズ2を選定することができるため、ヒューズ2の選定が容易となる。
一方、上位コントローラ30の指示通りに、半導体スイッチ11a、12aを同時にオンさせると、図4(A)に示すように、負荷21へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax1)と、負荷22へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax2)を分散させることができない。そのため、ヒューズ2には、図4(B)に示すような一時的な過電流が流れる。なお、図4(A)は、2つの半導体スイッチが同時にオンした結果、各負荷に流れる電流の推移を示し、図3(A)に対応する図である。図4(B)は、図4(A)に示すタイミングで各半導体スイッチがオンした場合の、ヒューズ2に流れる電流の推移を示す図である。図4(A)の一点鎖線及び点線は、図3(A)の一転鎖線及び点線に対応するため、図3(A)の説明を援用する。
図4(B)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12 )は、図4(A)に示す負荷21に流れる突入電流のピーク(電流値Imax1)と、負荷22へ流れる突入電流のピーク(電流値Imax2)の総和と同程度となる。そのため、各負荷の突入電流の総和を考慮して、ヒューズ2を選定しなければならない。例えば、図4(B)に示す突入電流のピーク(電流値Imax12 )がヒューズ2に発生する場合、このピークよりも高い電流閾値Ith で溶断するようなヒューズ2を選定しなければならない。その結果、各負荷の突入電流のピーク(電流値Imax1、電流値Imax2)に対して、定格電流が過剰に大きいヒューズ2を選定しなければならず、ヒューズ2の大きさを抑制することができない。
これに対して、本実施形態では、図3(A)及び図3(B)を参照しながら説明したように、制御装置40は、複数の半導体スイッチ11a、12a、13aを同時にオンさせる指令に対して、これらの半導体スイッチをオンにするタイミングをずらして、半導体スイッチをオンする。これにより、ヒューズ2に流れる突入電流が低減され、各負荷の突入電流のピークに対して、定格電流が過剰に大きいヒューズ2を選定する必要がなくなる。その結果、ヒューズ2の溶断を防止するとともに、ヒューズ2の大きさを抑制できる。また、ヒューズ2に流れる電流量が低減されるため、電力線3の電線径を小さくすることもできる。これにより、電力供給システム100全体の小型化や軽量化という効果も得られる。
また、本実施形態では、制御装置40は、電源1から負荷21〜23へ電力を供給する優先順位を記憶している記憶部42を有しており、この優先順位に基づいて、半導体スイッチをオンにするタイミングをずらしている。これにより、他の負荷よりも先に電力が必要な負荷に対して優先的に電力を供給できるため、電源投入シーケンスに与える影響を抑制できる。
本実施形態における「電源1」は本発明における「電源」の一例に相当し、本実施形態における「ヒューズ2」は本発明における「ヒューズ」の一例に相当する。本実施形態における「半導体スイッチ11a、12a、13a」は本発明における「複数の半導体スイッチ」の一例に相当する。本実施形態における「負荷21〜23」は本発明における「複数の負荷」の一例に相当する。本実施形態における「受信部41」は本発明における「受信部」の一例に相当する。本実施形態における「制御装置40」は本発明における「制御装置」の一例に相当する。本実施形態における「電力供給システム100」は本発明における「電力供給システム」の一例に相当する。
次に、上述した実施形態と異なる方法で電力供給の優先順位を付ける電力供給システム200の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る電力供給システム200を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
ユーザーコントローラ50は、制御装置140が備える記憶部42に対してアクセス可能な装置である。ユーザーコントローラ50は、制御装置140が備える入力部45と接続している。ユーザーコントローラ50としては、例えば、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。また、入力部45としては、例えば、OBDコネクタが挙げられる。ユーザーコントローラ50は、入力部45とケーブル等の配線により接続されている。なお、ユーザーコントローラ50はパーソナルコンピュータに、入力部45はOBDコネクタに、それぞれ限定されるものではない。
ユーザーコントローラ50は、入力部45を介して、記憶部42に記憶されている優先順位の情報に対して、読み出し及び書き込みの作業を実行する。例えば、ユーザーは、ユーザーコントローラ50を操作して、記憶部42を構成するRAMやROMから優先順位の情報を読み出す。そして、ユーザーは、ユーザーコントローラ50を操作して優先順位を変更し、変更した優先順位を記憶部42に書き込む。
このように、本実施形態では、ユーザーにより、電源1から負荷21〜23へ電力を供給する優先順位の変更が可能である。これにより、複数の負荷が電力分配装置10に接続されていても、ユーザーが所望する優先順位で、各負荷へ電力を供給することができる。また、一度決定した優先順位を途中で変更できるため、負荷の状態に応じて優先順位を変更する等、柔軟な対応が可能となる。
次に、上述した2つの実施形態と異なる方法で、電力供給の優先順位を付ける電力供給システム300の一例について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る電力供給システム300を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
本実施形態では、電力分配装置210は、図6に示すように、電流センサ15〜17を備えている。電流センサ15〜17は、直流を測定するセンサである。
電流センサ15〜17は、負荷21〜23それぞれに対して設けられており、電源1から負荷21〜23の方向に流れる電流をそれぞれ検出する。電流センサ15は、半導体スイッチ11aのソース電極と負荷21の間に直列に挿入されている。
電流センサ15は、電源1から負荷21の方向に流れる電流を検出し、信号線を介して検出値を制御装置240に設けられた制御部244に出力する。電流センサ16は、半導体スイッチ12aのソース電極と負荷22の間に直列に挿入されている。電流センサ16は、電源1から負荷21の方向に流れる電流を検出し、信号線を介して検出値を制御装置240に設けられた制御部244に出力する。電流センサ17は、半導体スイッチ13aのソース電極と負荷23の間に直列に挿入されている。電流センサ17は、電源1から負荷23の方向に流れる電流を検出し、信号線を介して検出値を制御装置240に設けられた制御部244に出力する。なお、図6の例では、電流センサ15〜17は、電力分配装置210に設けているが、電力分配装置210の外側に設けてもよい。電流センサ15〜17の設置位置は、各負荷の入力インピーダンス、半導体デバイス11〜13と負荷21〜23の間の配線インピーダンス等を考慮して決めるのが好ましい。
本実施形態の制御装置240は、負荷21〜23の異常を検出できる制御部244を備えている。制御部244は、記憶部42に記憶されている各負荷の電流マップを読み出す。制御部244は、電流センサ15〜17の検出値と、各負荷の電流マップを比較して、負荷21〜23に異常があるか否かを判定する。
次に、制御部244による負荷21〜23の異常検出方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、負荷21〜23の異常を検出する方法を説明するための図である。図7(A)は、負荷の電流マップを示す図であり、図2に対応する図である。図7(B)は、負荷に流れる電流の実測値を示す図である。なお、説明の便宜上、図7(A)は負荷21の電流マップ、図7(B)は負荷21に流れる電流の実測値であって、電流センサ15の検出結果とする。
制御部244は、図7(A)に示すように、予め記憶部42に記憶されている負荷21の電流マップを、負荷21の正常状態における電流の推移として扱う。制御部244は、電流マップと、電流センサ15で検出された電流の実測値を比較して、負荷21に異常が発生しているか否かを判定する。例えば、制御部244は、図7(B)に示すような電流の実測値を、電流センサ15から取得すると、突入電流のピーク(電流値Imax )と電流マップの突入電流のピーク(電流値Imax)との差分を算出する。そして、制御部244は、算出した差分が誤差範囲内であるか否かを判定する。制御部244は、実測値の突入電流のピーク(電流値Imax )が電流マップの突入電流のピーク(電流値Imax)に対して誤差範囲外であれば、負荷21に異常が生じていると判定する。反対に、制御部244は、実測値の突入電流のピーク(電流値Imax )が電流マップの突入電流のピーク(電流値Imax)に対して誤差範囲内であれば、負荷21は正常であると判定する。
なお、実測値と電流マップの比較を用いて、負荷の異常を検出する方法は、上記方法に限られず、例えば、図7(A)に示す電流マップの定常電流(電流値Ista)と、図7(B)に示す実測値の定常電流(電流値Ista )の比較から負荷21の異常を判定してもよい。また、例えば、図7(A)に示す電流マップにおける突入電流のピークが発生する時間tmaxと、図7(B)に示す実測値における突入電流のピークが発生する時間tmax の比較から負荷21の異常を判定してもよい。
制御部244は、負荷21に異常が生じていると判定すると、負荷21の異常を車両の乗員に報知する。例えば、制御部244は、車両に搭載されたディスプレイに警告表示させるために、表示装置(不図示)に異常検出の信号を出力する。なお、異常を報知する方法は上記の方法に限定されず、例えば、運転者が視認できる位置にある車内のランプを点灯させてもよい。
また、制御部244は、異常を報知するとともに、記憶部42に記憶されている負荷21の優先順位の情報を更新する。例えば、予め記憶部42に記憶されている負荷21の優先順位が最も高く、負荷22の優先順位が次に高い場合、制御部244は、記憶部42にアクセスして、負荷21の優先順位を下げるとともに、負荷22の優先順位を繰り上げる処理を実行する。
このように、本実施形態では、電力供給システム300は、複数の負荷21〜23のそれぞれに設けられ、電源1から各負荷21〜23に流れる電流を検出する複数の電流センサ15〜17を備えている。また、記憶部42は、電流マップを、複数の負荷21〜23にそれぞれ対応づけて記憶している。制御装置240は、記憶部42から読み出した電流マップと、複数の電流センサ15〜17により検出された電流とを比較することで、負荷に異常があるか否かを判定し、負荷に異常があると判定した場合には、電力供給の優先順位を下げる。半導体スイッチがオンした直後に負荷の異常を検出できるため、定常状態で発生し得る異常を予知することができる。
本実施形態における「電流センサ15〜17」は本発明における「電流センサ」の一例に相当する。本実施形態における「記憶部42」は本発明における「記憶部」の一例に相当する。本実施形態における「電流マップ」は本発明における「突入電流の特性」の一例に相当する。
次に、上述した3つの実施形態と異なる方法で電力供給の優先順位を付ける電力供給システム400の一例について、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の第4実施形態に係る電力供給システム400を示す概要図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
電力供給システム400は、図8に示すように、電源1、ヒューズ2、8、電力線3、9、25、負荷21〜24、上位コントローラ30、電力分配装置110、及び制御装置340を備えている。
電源1は、ヒューズ2、電力線3、25及び電力分配装置110を介して、負荷21、22に対して電力を供給している。また、電源1は、ヒューズ8、電力線9、25及び電力分配装置110を介して負荷23、24に対して電力を供給している。電源1と接続する電力線25は、2本に分岐してそれぞれヒューズ2、8の一端と接続している。
本実施形態では、電源1と電力分配装置110の間に2つのヒューズ2、8が設けられている。以降では、ヒューズ2を介して電源1の電力が供給される負荷21、22を第1グループと称し、ヒューズ8を介して電源1の電力が供給される負荷23、24を第2グループと称する。なお、図8の例では、電源1と電力分配装置110の間に2つのヒューズを設けているため、第1グループと第2グループの2つのグループであらわせるが、グループの数は特に限定されず、複数のグループであってもよい。例えば、電源1と電力分配装置110の間には、ヒューズをm個設けてもよい。m個は1以上の自然数である。また、第1グループ及び第2グループともに、2つの負荷が含まれているが、各グループの負荷の数は特に限定されない。例えば、第1グループの負荷の数と、第2グループの負荷の数は異なっていてもよい。
電力分配装置110は、第1グループに対応した、半導体デバイス11、12を備え、第2のグループに対応した、半導体デバイス13、14を備えている。それぞれの半導体デバイスに含まれる半導体スイッチ11a、12a、13a、及び14aのゲート電極には、制御装置340の駆動部343から駆動信号が入力される。なお、半導体デバイス、半導体スイッチの説明は、上述した実施形態の説明を援用する。
制御装置340は、各グループごとに、ヒューズの溶断特性、負荷の優先順位、及び電流マップを記憶している記憶部342と、上述した実施形態に係る制御部44が実現する機能を、各グループごとに実行する制御部344を有する。
記憶部342は、第1グループの情報として、ヒューズ2の溶断特性、負荷21、22の優先順位、及び負荷21、22の電流マップを記憶している。また、記憶部342は、第2グループの情報として、ヒューズ8の溶断特性、負荷23、24の優先順位、及び負荷23、24の電流マップを記憶している。なお、各グループごとに記憶している情報については、上述した実施形態の説明を援用する。
制御部344は、上位コントローラ30からの指示信号により、複数の半導体スイッチを同時にオンさせる必要がある場合、各グループごとに、半導体スイッチをオンさせるタイミングをずらす。例えば、半導体スイッチ11a、12a、13a、14aを同時にオンさせる指示信号が入力されると、制御部344は、第1グループの負荷の優先順位に基づいて、半導体スイッチ11a、12aをオンさせるタイミングをずらすとともに、第2グループの負荷の優先順位に基づいて、半導体スイッチ13a、14aをオンさせるタイミングをずらす。なお、半導体スイッチをオンさせるタイミングをずらす方法については、上述した実施形態の説明を援用する。
例えば、負荷21が負荷22よりも優先順位が高く、かつ、負荷23が負荷24よりも優先順位が高いものとする。この場合、制御部344は、半導体スイッチ11a、12a、13a、14aを同時にオンさせる指示信号が入力されると、第1グループの処理として、半導体スイッチ12aを半導体スイッチ11aよりも遅らせてオンさせる。また、制御部344は、第2グループの処理として、半導体スイッチ14aを半導体スイッチ13aよりも遅らせてオンさせる。
制御部344が上記処理を実行した結果、半導体スイッチ11a、13aは、上位コントローラ30が指示するタイミングと同じタイミングでオンし、半導体スイッチ12aは半導体スイッチ11aよりも遅れてオンし、半導体スイッチ14aは半導体スイッチ13aよりも遅れてオンする。そのため、負荷21と負荷23に対しては、同じタイミングで電力が供給され、負荷22と負荷24に対しては、このタイミングよりも遅れて電力が供給される。なお、制御部344は、各グループごとに遅延量を設定することができ、半導体スイッチ12aと半導体スイッチ14aを同じタイミングでオンさせなくてもよい。
このように、本実施形態では、それぞれの一端が電源1と電気的に接続する複数のヒューズ2、8を備えている。また、半導体スイッチ11a、12aはヒューズ2の他端と負荷21、22の間をそれぞれ電気的に接続し、半導体スイッチ13a、14aはヒューズ8の他端と負荷23、24の間をそれぞれ電気的に接続している。これにより、優先順位が最も高い負荷が複数存在したとしても、これらの負荷に対して同時に電力を供給することができ、その結果、電源投入のタイミングのズレを小さくしなければならない複雑な電源投入シーケンスに対して、柔軟に対応できるとともに、各ヒューズの大きさを抑制できる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…電源
2…ヒューズ
3…電力線
4…配線
5…配線
6…配線
10…電力分配装置
11…半導体デバイス
11a…半導体スイッチ
11b…還流ダイオード
12…半導体デバイス
12a…半導体スイッチ
12b…還流ダイオード
13…半導体デバイス
13a…半導体スイッチ
13b…還流ダイオード
21…負荷
22…負荷
23…負荷
30…上位コントローラ
40…制御装置
41…受信部
42…記憶部
43…駆動部
44…制御部

Claims (4)

  1. 電源の電力を複数の負荷に供給する電力供給システムであって、
    一端が前記電源と電気的に接続するヒューズと、
    前記ヒューズの他端と前記複数の負荷の間にそれぞれ電気的に接続された複数の半導体スイッチと、
    前記半導体スイッチのオン及びオフの指示信号を受ける受信部を有し、前記複数の半導体スイッチのオン及びオフを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記複数の半導体スイッチを同時にオンさせる指示信号を受信した場合に、前記複数の半導体スイッチをオンにするタイミングをずらして、前記複数の半導体スイッチをオンする電力供給システム。
  2. 請求項1に記載の電力供給システムであって、
    前記制御装置は、前記電源から前記負荷へ前記電力を供給する優先順位を記憶している記憶部を有し、前記優先順位に基づいて、前記タイミングをずらす電力供給システム。
  3. 請求項2に記載の電力供給システムであって、
    前記電力供給システムは、前記複数の負荷にそれぞれ設けられ、前記電源から前記負荷に流れる電流を検出する複数の電流センサをさらに備え、
    前記記憶部は、前記半導体スイッチがオンした際に発生する突入電流の特性を、前記複数の負荷にそれぞれ対応づけて記憶しており、
    前記制御装置は、前記記憶部から読み出した前記突入電流の特性と、前記半導体スイッチがオンした際に前記電流センサにより検出された前記電流とを比較することで、前記負荷に異常があるか否かを判定し、
    前記負荷に異常があると判定した場合には、前記優先順位を下げる電力供給システム。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の電力供給システムであって、
    前記ヒューズは、それぞれの一端が前記電源と電気的に接続する複数のヒューズを含み、
    前記複数の半導体スイッチは、前記複数のヒューズの他端と前記複数の負荷の間をそれぞれ電気的に接続する電力供給システム。
JP2017162499A 2017-08-25 2017-08-25 電力供給システム Pending JP2019041508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017162499A JP2019041508A (ja) 2017-08-25 2017-08-25 電力供給システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017162499A JP2019041508A (ja) 2017-08-25 2017-08-25 電力供給システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019041508A true JP2019041508A (ja) 2019-03-14

Family

ID=65726916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017162499A Pending JP2019041508A (ja) 2017-08-25 2017-08-25 電力供給システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019041508A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022255083A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 株式会社オートネットワーク技術研究所 給電制御装置及び給電制御方法
DE112021004810T5 (de) 2020-12-28 2023-07-27 Hitachi Astemo, Ltd. Fahrzeugsteuergerät

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60261750A (ja) * 1984-06-11 1985-12-25 Nissan Motor Co Ltd 車両用負荷駆動制御装置
JPH03190534A (ja) * 1989-12-19 1991-08-20 Nippondenso Co Ltd 車両用電力制御装置
JPH07164982A (ja) * 1993-12-17 1995-06-27 Toyota Motor Corp 電源供給システム
JP2008087534A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Furukawa Electric Co Ltd:The 車両用負荷制御システム
JP2010006360A (ja) * 2008-05-27 2010-01-14 Autonetworks Technologies Ltd 電源制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60261750A (ja) * 1984-06-11 1985-12-25 Nissan Motor Co Ltd 車両用負荷駆動制御装置
JPH03190534A (ja) * 1989-12-19 1991-08-20 Nippondenso Co Ltd 車両用電力制御装置
JPH07164982A (ja) * 1993-12-17 1995-06-27 Toyota Motor Corp 電源供給システム
JP2008087534A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Furukawa Electric Co Ltd:The 車両用負荷制御システム
JP2010006360A (ja) * 2008-05-27 2010-01-14 Autonetworks Technologies Ltd 電源制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112021004810T5 (de) 2020-12-28 2023-07-27 Hitachi Astemo, Ltd. Fahrzeugsteuergerät
WO2022255083A1 (ja) * 2021-06-03 2022-12-08 株式会社オートネットワーク技術研究所 給電制御装置及び給電制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11038371B2 (en) Power supply control device
US10654428B2 (en) Power supply control device
JP6935437B2 (ja) 電源装置
JP6396041B2 (ja) 車両及び故障検知方法
JP6329998B2 (ja) 電力制御用スイッチング素子の駆動回路
US20140091853A1 (en) Switching circuit
WO2018016225A1 (ja) 車載制御装置
US11940334B2 (en) Power supply control device
US20180244219A1 (en) Protector
JP2019041508A (ja) 電力供給システム
JP2013150547A (ja) 電力供給制御装置
JP2019041509A (ja) 電力供給システム
WO2018147103A1 (ja) スイッチ制御装置、スイッチ切替え方法及びコンピュータプログラム
JP2019198171A (ja) 電力供給装置
JP2019083393A (ja) 半導体リレー故障検出装置
JP5823144B2 (ja) 過電流保護装置
JP5778022B2 (ja) 車両用電源供給装置
JP2016080396A (ja) 給電制御装置及び電流検出装置
JP2019041198A (ja) 負荷制御装置及び負荷制御方法
JP2014075657A (ja) 電力供給制御装置
JP6037966B2 (ja) 車載機器および車輌ヒューズ溶断方法
JP2020167882A (ja) 電力分配装置、及び電力供給システム
US20230402835A1 (en) Power Supply Control Device
US11646729B2 (en) Power supply control device, open failure detection method and computer program
US11362504B2 (en) Over current sensing scheme for switch applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211109