JP2021148444A - 時計用モータ制御装置、ムーブメント、時計、時計用モータ制御プログラム及び時計用モータ制御方法 - Google Patents

時計用モータ制御装置、ムーブメント、時計、時計用モータ制御プログラム及び時計用モータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】衝撃により、ロータが正転方向に回転しても、ロータの向きを元に戻すことができる時計用モータ制御装置時計を提供する。【解決手段】時計用モータ制御装置は、指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御するモータ制御装置である。このモータ制御装置は、前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定部と、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する補正部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、時計用モータ制御装置、ムーブメント、時計、時計用モータ制御プログラム及び時計用モータ制御方法に関する。
現在、ステッピングモータを使用して指針を駆動させる時計が広く流通している。このような時計では、落下等の衝撃を受け、指針が動いてしまった場合、指針の動きが輪列を介してステッピングモータのロータを回転させ、指針が表示している時刻にずれが生じてしまうことがある。このようにして生じる時刻のずれを補正する技術として、例えば、特許文献1に開示されているアナログ電子時計がある。
特許第4751573号公報
特許文献1に開示されているアナログ電子時計は、衝撃検出回路と、チョッパー増幅用波形成形回路と、インバータと、制御回路とを備える。衝撃検出回路の衝撃検出抵抗は、衝撃によって生じたステップモータの逆起電力を検出する。チョッパー増幅用波形成形回路は、この逆起電力を所定の周期およびチョッパー幅を有して増幅する。インバータは、この衝撃検出信号を閾値と比較し、閾値を超えたとき衝撃を検出する。制御回路は、衝撃検出時にロックパルスを信号ラインを介してステップモータに供給し、ロータの回転を制動して秒針の時刻が狂うことを防止する。
上述したアナログ電子時計は、衝撃によりロータが回転した方向に関わらず、同じロックパルスを供給する。衝撃を受けることにより、時刻針が反時計周り方向に回転した場合、アナログ電子時計は、ロータの向きに関わらずロータの回転を制動する磁極を発生させることができる。しかし、衝撃を受けることにより、時刻針が時計周り方向に回転した場合、ロータの向きによっては、ロックパルスにより発生する磁極により同じ方向に更にロータが回転してしまい、時刻針が更にずれてしまうことがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、衝撃により、ロータが正転方向に回転しても、ロータの向きを元に戻すことができる時計、時計用モータ制御プログラム及び時計用モータ制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計用モータ制御装置は、指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御装置であって、前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定部と、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する補正部と、を備える。
また、本発明の一態様に係る時計用モータ制御装置において、前記補正部は、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する。
また、本発明の一態様に係る時計用モータ制御装置において、前記回転方向判定部は、前記コイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える第1物理現象、及び前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2物理現象、の発生回数及び発生順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であるか前記逆転方向であるかを判定する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るムーブメントは、上述した時計用モータ制御装置のいずれか一つと、前記ステッピングモータと、を備える。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計は、上述したムーブメントを備える。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計用モータ制御プログラムは、指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御プログラムであって、コンピュータに、前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定機能と、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する補正機能と、を実現させる。
また、本発明の一態様に係る時計用モータ制御プログラムにおいて、前記補正機能は、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る時計用モータ制御方法は、指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御方法であって、前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定し、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定した場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する。
また、本発明の一態様に係る時計用モータ制御方法は、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する。
本発明によれば、衝撃により、ロータが正転方向に回転しても、ロータの向きを元に戻すことができる時計、時計用モータ制御プログラム及び時計用モータ制御方法を提供することができる。
実施形態に係る時計の構成の一例を示す図である。 実施形態に係るモータ駆動回路及びステッピングモータの一例を示す図である。 実施形態に係るロータを回転させる場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。 実施形態に係る時計がチョッパ増幅を実行する場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。 実施形態に係るロータが衝撃により回転した場合におけるロータの挙動とコイルの端子に誘起される誘起電圧との対応関係の一例を示す図である。 実施形態に係るロータが衝撃により正転方向に1ステップ回転した後、ロータの回転を制動する目的で発生させた磁極により正転方向に更に1ステップ回転することを説明するための図である。 実施形態における時計がコイルの端子に印加する衝撃抑制パルス及び逆転駆動パルスと、これら二つの電圧パルスを発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。 実施形態に係る時計がコイルに逆転駆動パルスを印加し、ロータを逆転方向に回転させる場合におけるロータの挙動の一例を示す図である。 実施形態に係る時計がコイルの端子に印加する衝撃抑制パルスと、この衝撃抑制パルスを発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。 実施形態に係る時計が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図1から図6を参照しながら、実施形態に係る時計の一例について説明する。図1は、実施形態に係る時計の構成の一例を示す図である。図1に示すように、時計1は、発振回路101と、分周回路102と、制御回路103と、パルス発生回路104と、モータ駆動回路105と、ステッピングモータ106と、時計ケース107と、アナログ表示部108と、ムーブメント109と、指針110と、カレンダ表示部111と、回転方向判定回路112と、補正回路113とを備える。発振回路101、分周回路102、制御回路103、パルス発生回路104、モータ駆動回路105、回転方向判定回路112及び補正回路113は、時計1が備える時計用モータ制御装置を構成している。
発振回路101は、所定の周波数を有する信号を発生させ、発生した信号を分周回路102に送信する。分周回路102は、発振回路101から受信した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生させ、発生した時計信号を制御回路103に送信する。制御回路103は、分周回路102から受信した時計信号等に基づいて、時計1の各部に制御信号を送信し、時計1の各部の動作を制御する。
パルス発生回路104は、制御回路103から受信した制御信号に基づいて、ステッピングモータ106を駆動する駆動パルスを発生させ、発生した駆動パルスをモータ駆動回路105に出力する。駆動パルスは、後述するステッピングモータ106のロータ202を1ステップ、すなわち180度正転方向に回転させるための、櫛歯状の電圧パルスである。また、ここで言う正転方向は、指針110を時計周りに回転させるために後述するロータ202が回転する方向である。一方、逆転方向は、正転方向と反対の方向である。
また、パルス発生回路104は、制御回路103から受信した制御信号に基づいて、チョッパ信号を発生させ、発生したチョッパ信号をモータ駆動回路105に出力する。チョッパ信号は、後述する端子ОUT1及び端子ОUT2に出力される電圧応答を増幅させるためにの、電圧パルスである。
さらに、パルス発生回路104は、制御回路103から受信した制御信号に基づいて、制動パルスを発生させる。制動パルスは、ロータ202の磁極を吸引し、ロータ202の回転を制動するための、電圧パルスである。
図2は、実施形態に係るモータ駆動回路及びステッピングモータの一例を示す図である。図2に示すように、モータ駆動回路105は、トランジスタTP1と、トランジスタTP2と、トランジスタTP3と、トランジスタTP4と、トランジスタTN1と、トランジスタTN2と、検出抵抗Rs1と、検出抵抗Rs2と、端子ОUT1と、端子ОUT2とを備える。
トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、PチャネルのMОSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であり、ローレベルのゲート信号を受信するとオンになり、ハイレベルのゲート信号を受信するとオフになる。また、トランジスタTN1及びトランジスタTN2は、NチャネルのMОSFETであり、ローレベルのゲート信号を受信するとオフになり、ハイレベルのゲート信号を受信するとオンになる。なお、ハイレベルの電位は、モータ駆動回路105の電源電圧であるVDDと等しい電位である。また、ローレベルの電位は、0V又は基準電圧であるVSSと等しい電位である。
トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3及びトランジスタTP4のソースは、互いに電気的に接続されており、これらのトランジスタTP1からトランジスタTP4のソースには、モータ駆動回路105の電源電圧であるVDDが供給される。トランジスタTP3のドレインは、検出抵抗Rs1の一端に電気的に接続されている。また、トランジスタTP1のドレイン、トランジスタTN1のドレイン及び検出抵抗Rs1の他端は、端子ОUT1に電気的に接続されている。トランジスタTP4のドレインは、検出抵抗Rs2の一端に電気的に接続されている。また、トランジスタTP2のドレイン、トランジスタTN2のドレイン及び検出抵抗Rs2の他端は、端子ОUT2に電気的に接続されている。トランジスタTN1及びトランジスタTN2のソースは、互いに電気的に接続されており、これらのトランジスタTN1、トランジスタTN2のソースには、0V又は基準電圧であるVSSが供給される。また、端子ОUT1及び端子ОUT2は、図示されていないコンパレータの入力端子に接続されている。さらに、このコンパレータの基準入力端子には、後述する基準電圧Vcompが入力される。
図2に示すように、ステッピングモータ106は、ステータ201と、ロータ202と、ロータ収納用貫通孔203と、内ノッチ204と、内ノッチ205と、外ノッチ206と、外ノッチ207と、磁心208と、コイル209とを備える。
ステータ201は、例えば、図2に示すように、U字状に湾曲しており、磁性材料で作製されている部材である。ロータ202は、円柱状に形成されており、ステータ201に形成されたロータ収納用貫通孔203に対して回転可能な状態で挿入されている。また、ロータ202は、着磁されているため、N極及びS極を有する。ロータ202は、正転方向に回転することにより輪列を介して指針110を時計周りに回転させ、逆転方向に回転することにより輪列を介して指針110を反時計周りに回転させる。
内ノッチ204及び内ノッチ205は、ロータ収納用貫通孔203の壁面に形成された切り欠きであり、ステータ201に対するロータ202の停止位置を決定している。すなわち、例えば、図2に示すように、コイル209が励磁されていない場合、ロータ202は、ロータ202の磁極軸が内ノッチ204と内ノッチ205とを結ぶ線分と直交する位置で静止する。
外ノッチ206及び外ノッチ207は、それぞれ湾曲しているステータ201の内側及び外側に形成されている切り欠きであり、ロータ収納用貫通孔203との間に過飽和部を形成している。ここで、過飽和部は、ロータ202の磁束により磁気飽和せず、コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなる部分である。
磁心208は、磁性材料で作製されている棒状の部材であり、ステータ201の両端と接合されている。コイル209は、磁心208に巻き付けられている。コイル209の一端は、端子ОUT1に接続されており、コイル209の他端は、端子ОUT2に接続されている。コイル209は、指針110を時計周りに回転させる正転方向又は正転方向と反対の方向である逆転方向にロータ202を回転させるための磁束を発生させる。
図3は、実施形態に係るロータを回転させる場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。
端子OUT1に上述した駆動パルスを発生させる場合、ロータ202の磁極軸が内ノッチ204と内ノッチ205とを結ぶ線分と直交した状態で静止している状態で、パルス発生回路104は、図3の右半分に示したゲート信号を、トランジスタTP1からトランジスタTP4、トランジスタTN1、トランジスタTN2に入力する。具体的には、パルス発生回路104は、トランジスタTP3及びトランジスタTP4にハイレベルのゲート信号を入力し、トランジスタTP2及びトランジスタTN2にローレベルのゲート信号を入力する。また、パルス発生回路104は、これと同時に、トランジスタTP1及びトランジスタTN1に櫛歯状のゲート信号を入力する。
これにより、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTP2は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。また、トランジスタTN2は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。さらに、トランジスタTP1及びトランジスタTN1は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。
この場合、図3に示すように、端子ОUT2の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT1に櫛歯状の駆動パルスが出力される。そして、図2に示すように、VDD、トランジスタTP2、端子ОUT2、コイル209、端子ОUT1、トランジスタTN1、VSSの経路で駆動電流が流れ、コイル209に磁束Φが発生する。ロータ202のN極及びS極が当該磁束によりステータ201に発生したN極及びS極それぞれと反発することにより、ロータ202は、θ方向からθ方向に回転する。この回転は、正転方向への1ステップ回転の一例である。したがって、駆動電流Idrvは、ロータ202を正転方向に1ステップ回転させるために流れる電流であるといえる。
一方、端子OUT2に上述した駆動パルスを発生させる場合、ロータ202の磁極軸が内ノッチ204と内ノッチ205とを結ぶ線分と直交した状態で静止している状態で、パルス発生回路104は、図3の左半分に示したゲート信号を、トランジスタTP1からトランジスタTP4、トランジスタTN1、トランジスタTN2に入力する。具体的には、パルス発生回路104は、トランジスタTP3及びトランジスタTP4にハイレベルのゲート信号を入力し、トランジスタTP1及びトランジスタTN1にローレベルのゲート信号を入力する。また、パルス発生回路104は、これと同時に、トランジスタTP2及びトランジスタTN2に櫛歯状のゲート信号を入力する。
これにより、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ハイレベルのゲート信号を受信してオフになる。トランジスタTP1は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。また、トランジスタTN1は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。さらに、トランジスタTP2及びトランジスタTN2は、櫛歯状のゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。
この場合、図3に示すように、端子ОUT1の電圧がハイレベルとなり、端子ОUT2に櫛歯状の駆動パルスが出力される。そして、VDD、トランジスタTP1、端子ОUT1、コイル209、端子ОUT2、トランジスタTN2、VSSの経路で駆動電流が流れ、コイル209に磁束Φと反対方向の磁束が発生する。ロータ202のN極及びS極が当該磁束によりステータ201に発生したN極及びS極それぞれと反発することにより、ロータ202は、θ方向からθ方向に回転する。この回転は、正転方向への1ステップ回転の一例である。したがって、この駆動電流は、上述した駆動電流Idrvが流れる場合(図2の場合)と比較して、ロータ202のN極の向きが反対である場合に、ロータ202を正転方向に1ステップ回転させるために流れる電流であるといえる。
図4は、実施形態に係る時計がチョッパ増幅を実行する場合にコイルの二つの端子それぞれに発生する信号、及びこれらの信号を発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号、の一例を示す図である。
パルス発生回路104は、例えば、トランジスタTP1、トランジスタTP2、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTN1及びトランジスタTN2に対して図4に示したゲート信号を出力する。
これにより、トランジスタTP3及びトランジスタTP4は、ローレベルのゲート信号を受信してオンになる。また、トランジスタTN1及びトランジスタTN2は、ローレベルのゲート信号を受信してオフになる。さらに、トランジスタTP1及びトランジスタTP2は、周期的なゲート信号を受信してオンとオフとを繰り返す。この周期的なゲート信号は、チョッパ信号と呼ばれる。また、例えば、図4に示すように、この周期的なゲート信号の周期は244マイクロ秒であり、1周期当たりにおいて、ゲート信号がハイレベルとなっている時間は30.5マイクロ秒である。
トランジスタTP1及びトランジスタTP2がオンとなっている間、図2に示した第1誘起電流Irs3及び第2誘起電流Irs4は、トランジスタTP1、端子ОUT1、コイル209、端子ОUT2、トランジスタTP2を通る第1経路を流れる。一方、トランジスタTP1及びトランジスタTP2がオフとなっている間、図2に示した第1誘起電流Irs3及び第2誘起電流Irs4は、トランジスタTP3、検出抵抗Rs1、端子ОUT1、コイル209、端子ОUT2、検出抵抗Rs2、トランジスタTP4を通る第2経路を流れる。
トランジスタTP1及びトランジスタTP2がオンからオフに切り替わる瞬間、すなわち第1誘起電流Irs3又は第2誘起電流Irs4が流れる経路が第1経路から第2経路に切り替わる瞬間、経路内のインピーダンスが大きくなる。これにより、図4に示すように、端子ОUT1及び端子ОUT2にスパイク状の電圧応答が出力される。なお、当該スパイク状の電圧応答は、図2に示した状態からロータを正転方向に1ステップ回転させた後、実施形態に係る時計に対して、ロータを正転方向に1ステップ回転させる衝撃が加えられた場合に発生する電圧応答の一例である。また、図4に示すように、当該スパイク状の電圧応答には、上述した基準電圧Vcompが設定されている。
図1に戻り、時計ケース107は、発振回路101、分周回路102、制御回路103、パルス発生回路104、モータ駆動回路105、ステッピングモータ106、アナログ表示部108、ムーブメント109、指針110、カレンダ表示部111、回転方向判定回路112及び補正回路113を収納している筐体である。
アナログ表示部108は、目盛りが刻まれた文字盤である。ムーブメント109は、時計1の各部を駆動させるための機械式の機構である。また、ムーブメント109は、発振回路101、分周回路102、制御回路103、パルス発生回路104、モータ駆動回路105、回転方向判定回路112及び補正回路113を含む時計用モータ制御装置と、ステッピングモータ106とを備える。指針110は、時針、分針、秒針その他の針を含む。カレンダ表示部111は、ステッピングモータ106により駆動され、日付を表示する。
回転方向判定回路112は、第1物理現象及び第2物理現象の発生回数及び発生順序に基づいて、ロータ202が衝撃により回転した方向を判定する。第1物理現象は、コイル209に流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流をコイル209に流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える現象である。第2物理現象は、コイル209に流れた駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流をコイルに流す第2誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える現象である。また、これらの所定の閾値は、例えば、上述した基準電圧Vcompである。
補正回路113は、ロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であると判定された場合、コイル209に逆転駆動パルスを印加する。また、補正回路113は、このような場合、コイル209に逆転駆動パルスを印加する前に、コイル209に衝撃抑制パルスを更に印加してもよい。なお、補正回路113の詳細については後述する。
図5は、実施形態に係るロータが衝撃により回転した場合におけるロータの挙動とコイルの端子に誘起される誘起電圧との対応関係の一例を示す図である。以下の説明では、図2に示したX方向とY方向により区切られた第I象限、第II象限、第III象限及び第IV象限を使用する。また、図2に示すように、第I象限及び第II象限によって構成される領域と第III象限及び第IV象限によって構成される領域との境界には、水平磁極が位置している。
図5(A)は、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態でロータ202が落下等の衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転した場合におけるロータ202の挙動と、コイル209の端子に誘起される誘起電圧と、の対応関係の一例を示している。
図5(A)に示した軌跡A0は、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態から、第IV象限と第I象限との境界まで、正転方向に回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(A)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(A)に示すように、端子ОUT1に出力された第1誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(A)に示した軌跡A1は、ロータ202のN極が、第IV象限と第I象限との境界の方向に向いている状態からから、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態を経て、ロータ202のN極が外ノッチ206の手前を向くまで回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(A)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(A)に示すように、端子ОUT2に出力された第2誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(A)に示した軌跡A2は、反時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202が時計周りに回転する様子を表している。この場合、ロータ202が軌跡A0で表される回転状態にある場合と同様に、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(A)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(A)に示すように、端子ОUT1に出力された第1誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
このように、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態で、ロータ202が落下等の衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転した場合、初めに、第1誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第1誘起電圧が、端子ОUT1に出力される。次に、第2誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第2誘起電圧が、端子ОUT2に出力される。次に、第1誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第1誘起電圧が、端子ОUT1に出力される。この現象を検出した場合、回転方向判定回路112は、落下等の衝撃でロータ202が正転方向に1ステップ回転したと判定する。
図5(B)は、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態でロータ202が落下等の衝撃を受けて逆転方向に1ステップ回転した場合におけるロータ202の挙動と、コイル209の端子に誘起される誘起電圧と、の対応関係の一例を示している。
図5(B)に示した軌跡B0は、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態から、第III象限と第II象限との境界まで、逆転方向に回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(B)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(B)に示すように、端子ОUT2に出力された第2誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えているが、ロータ202の角速度が遅く、軌跡B0の角度範囲が狭いため、基準電圧Vcompを超えている範囲が狭くなっている。なお、端子ОUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(B)に示した軌跡B1は、ロータ202のN極が、第III象限と第II象限との境界の方向に向いている状態から、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態を経て、時計周りの角速度がゼロになるまで、ロータ202が回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(B)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(B)に示すように、端子ОUT1に出力された第1誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(B)に示した軌跡B2は、時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202が反時計周りに回転する様子を表している。この場合、ロータ202が軌跡B0で表される回転状態にある場合と同様に、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(B)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(B)に示すように、端子OUT2に出力された第2誘起電圧は、Vcompを超えない。また、端子OUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限される。
このように、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態で、ロータ202が落下等の衝撃を受けて逆転方向に1ステップ回転した場合、初めに、第2誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第2誘起電圧が、端子ОUT2に出力される。次に、第1誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第1誘起電圧が、端子ОUT1に出力される。その後、第2誘起電圧の絶対値は、基準電圧Vcompを超えない。この現象を検出した場合、回転方向判定回路112は、落下等の衝撃でロータ202が逆転方向に1ステップ回転したと判定する。
図5(C)は、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態でロータ202が落下等の衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転した場合におけるロータ202の挙動と、コイル209の端子に誘起される誘起電圧と、の対応関係の一例を示している。
図5(C)に示した軌跡C0は、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態から、第III象限と第II象限との境界まで、正転方向に回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(C)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(C)に示すように、端子ОUT2に出力された第2誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(C)に示した軌跡C1は、ロータ202のN極が、第III象限と第II象限との境界の方向に向いている状態から、θの方向に向いている状態を経て、反時計周りの角速度がゼロになるまで、ロータ202が回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(C)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(C)に示すように、端子ОUT1に出力された第1誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(C)に示した軌跡C2は、反時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202が時計周りに回転する様子を表している。この場合、ロータ202が軌跡C0で表される回転状態にある場合と同様に、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(C)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(C)に示すように、端子OUT2の第2誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
このように、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態で、ロータ202が落下等の衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転した場合、初めに、第2誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第2誘起電圧が、端子ОUT2に出力される。次に、第1誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第1誘起電圧が、端子ОUT1に出力される。次に、第2誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第2誘起電圧が、端子ОUT2に出力される。この現象を検出した場合、回転方向判定回路112は、落下等の衝撃でロータ202が正転方向に1ステップ回転したと判定する。
図5(D)は、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態でロータ202が落下等の衝撃を受けて逆転方向に1ステップ回転した場合におけるロータ202の挙動と、コイル209の端子に誘起される誘起電圧と、の対応関係の一例を示している。
図5(D)に示した軌跡D0は、ロータ202のN極が、θの方向に向いている状態から、第IV象限と第I象限との境界まで、逆転方向に回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(D)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(D)に示すように、端子ОUT1に出力された第1誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えているが、ロータ202の角速度が遅く、軌跡D0の角度範囲が狭いため、基準電圧Vcompを超えている範囲が狭くなっている。なお、端子ОUT2に出力された第1誘起電圧は、トランジスタTP2の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(D)に示した軌跡D1は、ロータ202のN極が、第IV象限と第I象限との境界の方向に向いている状態から、θの方向に向いている状態を経て、時計周りの角速度がゼロになるまで、ロータ202が回転する様子を表している。この場合、図2に示した駆動電流Idrvと同一の方向に第2誘起電流Irs4が流れる。第2誘起電流Irs4に対応している第2誘起電圧は、図5(D)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力される。また、図5(D)に示すように、端子ОUT2に出力された第2誘起電圧の一部は、基準電圧Vcompを超えている。なお、端子ОUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限されている。
図5(D)に示した軌跡D2は、時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202が反時計周りに回転する様子を表している。この場合、ロータ202が軌跡D0で表される回転状態にある場合と同様に、図2に示した駆動電流Idrvと反対の方向に第1誘起電流Irs3が流れる。第1誘起電流Irs3に対応している第1誘起電圧は、図5(D)に示すように、ハイレベルよりも低いスパイク状の電圧応答として端子ОUT1に出力され、ハイレベルよりも高いスパイク状の電圧応答として端子ОUT2に出力される。また、図5(D)に示すように、端子OUT2に出力された第2誘起電圧は、Vcompを超えない。また、端子OUT1に出力された第2誘起電圧は、トランジスタTP1の寄生ダイオードにより一定以下に制限される。
このように、ロータ202のN極が図2に示したθ方向を向いている状態で、ロータ202が落下等の衝撃を受けて逆転方向に1ステップ回転した場合、初めに、第1誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第1誘起電圧が、端子ОUT1に出力される。次に、第2誘起電圧の絶対値が基準電圧Vcompを超えるような第2誘起電圧が、端子ОUT2に出力される。その後、第1誘起電圧の絶対値は、基準電圧Vcompを超えない。この現象を検出した場合、回転方向判定回路112は、落下等の衝撃でロータ202が逆転方向に1ステップ回転したと判定する。
図6は、実施形態に係るロータが衝撃により正転方向に1ステップ回転した後、ロータの回転を制動する目的で発生させた磁極により正転方向に更に1ステップ回転することを説明するための図である。
回転方向判定回路112が、図6の左側に示すように、ロータ202のN極がθの方向を向いている状態でロータ202が落下等の衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転したと判定した場合、パルス発生回路104は、図2に示した磁束Φと反対方向の磁束を発生させる制動パルスを発生させる。これにより、ロータ202のN極及びS極が当該磁束により発生した磁極に吸引されるため、ロータ202の正転方向への回転が抑制される。
しかし、制動パルスを印加しても、ロータ202の正転方向への回転が抑制され得なかった場合、図6の右側に示すように、N極がθの方向の近傍に向くまで、ロータ202は正転方向に回転する。この場合、ロータ202のN極及びS極が制動パルスにより発生した磁極により反発されるため、ロータ202は、更に正転方向に1ステップ回転してしまう。そこで、衝撃によりロータ202が正転方向に回転したと判定された場合、補正回路113は、コイル209に衝撃抑制パルスを印加し、コイル209に逆転駆動パルスを印加する。
図7は、実施形態における時計がコイルの端子に印加する衝撃抑制パルス及び逆転駆動パルスと、これら二つの電圧パルスを発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号と、の一例を示す図である。図7に示した期間T71において、回転方向判定回路112が、ロータ202が衝撃を受けて正転方向に1ステップ回転したと判定した場合、補正回路113は、図7に示した期間T72において、コイル209に衝撃抑制パルスP1を印加し、逆転駆動パルスP2を印加する。
衝撃抑制パルスP1は、ロータ202が衝撃を受けて正転方向に回転し始め、N極がθの方向に近い方向に向いている期間T71に、コイル209に印加される。衝撃抑制パルスP1は、制動パルスと同様に、図2に示した磁束Φと反対方向の磁束を発生させる。これにより、ロータ202のN極及びS極が当該磁束により発生した磁極に吸引されるため、ロータ202の正転方向への回転速度が抑制される。
逆転駆動パルスP2は、図6の右側に示すように、ロータ202のN極がθの方向に向いた状態から、ロータ202を逆転方向に1ステップ回転させるために、コイル209に印加される。
図8は、実施形態に係る時計がコイルに逆転駆動パルスを印加し、ロータを逆転方向に回転させる場合におけるロータの挙動の一例を示す図である。
図8に示した軌跡E0は、ロータ202のN極がθの方向に向いている状態から、正転方向に内ノッチ205の手前まで、ロータ202が回転する様子を表している。この場合、補正回路113は、図8に示すように、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTP2及びトランジスタTN2にハイレベルのゲート信号を入力し、トランジスタTP1及びトランジスタTN1にローレベルのゲート信号を入力する。これにより、補正回路113は、端子OUT1の電圧をハイレベルとし、端子OUT2の電圧をローレベルとし、ロータ202のN極の近傍にN極を発生させ、ロータ202のS極の近傍にS極を発生させている。
図8に示した軌跡E1は、反時計周りの角速度がゼロになった後、ロータ202のN極が内ノッチ204の手前に向いている状態まで、ロータ202が逆転方向に回転する様子を表している。この場合、補正回路113は、図8に示すように、トランジスタTP3、トランジスタTP4及びトランジスタTN1にハイレベルのゲート信号を入力し、トランジスタTP1、トランジスタTP2及びトランジスタTN2にローレベルのゲート信号を入力する。これにより、補正回路113は、端子OUT1の電圧をローレベルとし、端子OUT2の電圧をハイレベルとし、ロータ202のN極の近傍にS極を発生させ、ロータ202のS極の近傍にN極を発生させている。
図8に示した軌跡E2は、ロータ202のN極が内ノッチ204の手前に向いている状態から、ロータ202のN極がθの方向に向いている状態まで、ロータ202が逆転方向に回転する様子を表している。この場合、補正回路113は、図8に示すように、トランジスタTP3、トランジスタTP4、トランジスタTP2及びトランジスタTN2にハイレベルのゲート信号を入力し、トランジスタTP1及びトランジスタTN1にローレベルのゲート信号を入力する。これにより、補正回路113は、端子OUT1の電圧をローレベルとし、端子OUT2の電圧をハイレベルとし、ロータ202のN極の近傍にS極を発生させ、ロータ202のS極の近傍にN極を発生させている。
図9は、実施形態に係る時計がコイルの端子に印加する衝撃抑制パルスと、この衝撃抑制パルスを発生させるためにトランジスタのゲートに入力されるゲート信号の一例を示す図である。図9に示した期間T91において、回転方向判定回路112が、ロータ202が衝撃を受けて逆転方向に1ステップ回転したと判定した場合、補正回路113は、図9に示した期間T92において、コイル209に衝撃抑制パルスP3を印加する。
衝撃抑制パルスP3は、ロータ202が衝撃を受けて逆転方向に回転し終わりつつあり、N極がθ0の方向に近い方向に向いている期間T91に、コイル209に印加される。衝撃抑制パルスP3は、図2に示した磁束Φと反対方向の磁束を発生させる。これにより、ロータ202のN極及びS極が当該磁束により発生した磁極と反発するため、ロータ202の逆転方向への回転速度が抑制される。
次に、図10を参照しながら実施形態に係る時計の動作の一例を説明する。図10は、実施形態に係る時計が実行する処理の一例を示すフローチャートである
ステップS10において、回転方向判定回路112は、ロータ202が衝撃により回転した方向を判定する。すなわち、回転方向判定回路112は、ロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であるか逆転方向であるかを判定する。
ステップS20において、補正回路113は、ステップS10でロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であると判定されたか否かを判定する。補正回路113は、ステップS10でロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であると判定されたと判定した場合(ステップS20:YES)、処理をステップS30に進める。一方、補正回路113は、ステップS10でロータ202が衝撃により回転した方向が逆転方向であると判定されたと判定した場合(ステップS20:NO)、処理をステップS30に進める。
ステップS30において、補正回路113は、コイル209に衝撃抑制パルスを印加し、逆転駆動パルスを印加する。
ステップS40において、補正回路113は、コイル209に衝撃抑制パルスを印加する。
以上、実施形態に係る時計1について説明した。時計1は、上述した第一物理現象及び第二物理現象の発生回数及び発生順序に基づいて、ロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であるか逆転方向であるかを判定する。そして、時計1は、ロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であると判定された場合、コイル209に逆転駆動パルスを印加する。これにより、時計1は、正転方向にロータ202が衝撃を受けて回転してもロータ202の向きを元に戻すことができる。
また、時計1は、ロータ202が衝撃により回転した方向が正転方向であると判定された場合、コイル209に逆転駆動パルスを印加する前に、コイル209に衝撃抑制パルスを更に印加する。これにより、時計1は、正転方向にロータ202が衝撃を受けて回転してもロータ202の向きを更に確実に元に戻すことができる。
なお、上述した時計1が備える機能の全部又は一部は、プログラムとしてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、このプログラムがコンピュータシステムにより実行されてもよい。コンピュータシステムは、OS、周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置、インターネット等のネットワーク上のサーバ等が備える揮発性メモリ(Random Access Memory:RAM)である。なお、揮発性メモリは、一定時間プログラムを保持する記録媒体の一例である。
また、上述したプログラムは、伝送媒体、例えば、インターネット等のネットワーク、電話回線等の通信回線により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
また、上述したプログラムは、上述した機能の全部又は一部を実現するプログラムであってもよい。なお、上述した機能の一部を実現するプログラムは、上述した機能をコンピュータシステムに予め記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるプログラム、いわゆる差分プログラムであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明したが、具体的な構成が上述した実施形態に限られるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更等も含まれる。
1…時計、101…発振回路、102…分周回路、103…制御回路、104…パルス発生回路、105…モータ駆動回路、106…ステッピングモータ、107…時計ケース、108…アナログ表示部、109…ムーブメント、110…指針、111…カレンダ表示部、112…回転方向判定回路、113…補正回路、201…ステータ、202…ロータ、203…ロータ収納用貫通孔、204,205…内ノッチ、206,207…外ノッチ、208…磁心、209…コイル、Idrv…駆動電流、Irs3…第1誘起電流、Irs4…第2誘起電流、OUT1,OUT2…端子、Rs1,Rs2…検出抵抗、A0,A1,A2,B0,B1,B2,C0,C1,C2,D0,D1,D2…軌跡、T71,T72…期間、TN1,TN2,TP1,TP2,TP3,TP4…トランジスタ、Vcomp…基準電圧

Claims (9)

  1. 指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御装置であって、
    前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定部と、
    前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する補正部と、
    を備える時計用モータ制御装置。
  2. 前記補正部は、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する、
    請求項1に記載の時計用モータ制御装置。
  3. 前記回転方向判定部は、前記コイルに流れた駆動電流と同一の方向に流れる第1誘起電流を前記コイルに流す第1誘起電圧の絶対値が所定の閾値を超える第1物理現象、及び前記駆動電流と反対の方向に流れる第2誘起電流を前記コイルに流す第2誘起電圧の絶対値が前記所定の閾値を超える第2物理現象、の発生回数及び発生順序に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であるか前記逆転方向であるかを判定する、
    請求項1または2に記載の時計用モータ制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の時計用モータ制御装置と、
    前記ステッピングモータと、
    を備えるムーブメント。
  5. 請求項4に記載のムーブメントを備える時計。
  6. 指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定する回転方向判定機能と、
    前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する補正機能と、
    を実現させる時計用モータ制御プログラム。
  7. 前記補正機能は、前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する、
    請求項6に記載の時計用モータ制御プログラム。
  8. 指針を時計周りに回転させる正転方向、または前記正転方向と反対の方向である逆転方向、に回転するロータ、および前記ロータを回転させるための磁束を発生させるコイル、を備えるステッピングモータを制御する時計用モータ制御方法であって、
    前記コイルに発生する誘起電圧に基づいて、前記ロータが衝撃により回転した方向を判定し、
    前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定した場合、前記コイルに、前記ロータを前記逆転方向に回転させるための逆転駆動パルスを印加する、
    時計用モータ制御方法。
  9. 前記ロータが衝撃により回転した方向が前記正転方向であると判定された場合、前記コイルに逆転駆動パルスを印加する前に、前記コイルに衝撃抑制パルスを更に印加する、
    請求項8に記載の時計用モータ制御方法。
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