JP2021147975A - 挟み込み回避装置 - Google Patents

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潤也 小澤
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Abstract

【課題】ドアをボディとの間に挟み込み回避対象体が存在するか否かを容易な構成で検知し、検知した場合には、ドアの閉動作を停止して挟み込みを回避できる挟み込み回避装置を提供する。【解決手段】挟み込み回避装置は、例えば、取得部と、判定部と、制御部と、を備える。取得部は、車両のボディの開口部の縁部の少なくとも一部または開口部を閉塞する開閉自在なドアの周縁部の少なくとも一部に配置された静電容量センサが出力する静電容量値と、ドアのドア開度値と、を取得する。判定部は、静電容量値が所定の第1閾値以上でありドアが閉動作する際のドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、開口部の縁部とドアの間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う。制御部は、挟み込み回避対象体が存在すると判定された場合に、ドアの閉動作を停止させる。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、挟み込み回避装置に関する。
近年、車両において、モータ等の駆動源を用いて、ドアを自動的に開閉するオートスイングドアの実用化が進められている。オートスイングドアは、例えば、運転席ドアや助手席ドア、後部座席ドア、バックドア等において、ユーザ(搭乗員等)による個別のドア開閉スイッチの操作により指定したドアが自動開閉するように構成されている。オートスイングドアは、一度ドア開閉スイッチを操作すると、開動作または閉動作が継続するため、ドアと車両のボディとの間に障害物(例えば、手や指等)が存在するような場合には、それを検知してドアの開閉動作を停止させるような構成が必要になる。例えば、特許文献1には、バックドア側およびボディ側の両方に静電容量センサを搭載し、バックドアとボディとの間に存在する障害物を検出構成が開示されている。
特開2019−18632号公報
特許文献1の技術の場合、ドアがボディに接近した場合にボディの静電容量の影響を受けて、ボディを障害物として誤検出することを抑制するように構成している。つまり、ドア(バックドア)側およびボディ側の両方に静電容量センサを搭載して、ボディの静電容量をキャンセルするように構成している。そのため、複数の静電容量センサが必要であったり、相互のセンサの調整が必要であったりするため、全体構成が煩雑になるとともに、コスト増加の原因になるという問題があった。
そこで、本発明の課題の一つは、ドアとボディとの間に挟み込み回避対象体が存在か否かを容易な構成で検知し、挟み込み回避対象体を検知した場合、ドアの閉動作を停止して挟み込みを回避できる挟み込み回避装置を提供することにある。
本発明の実施形態にかかる挟み込み回避装置は、例えば、取得部と、判定部と、制御部と、を備える。取得部は、車両のボディの開口部の縁部の少なくとも一部または開口部を閉塞する開閉自在なドアの周縁部の少なくとも一部に配置された静電容量センサが出力する静電容量値と、ドアのドア開度値と、を取得する。判定部は、静電容量値が所定の第1閾値以上でありドアが閉動作する際のドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、開口部の縁部とドアの間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う。制御部は、挟み込み回避対象体が存在すると判定された場合に、ドアの閉動作を停止させる。この構成によれば、例えば、ドアの閉動作によってドアとボディが接近する際に、静電容量センサが設置されたドアまたはボディのいずれか一方に対して接近する他方の静電容量値の影響が出にくい範囲を挟み込み回避対象体の検出範囲としている。その結果、ドアが閉動作する場合に接近してくるドアまたはボディの誤検出を回避し、挟み込み回避対象体の検知精度を向上し、ドアの閉動作制御に反映さることができる。また、静電容量センサは、ドア側またはボディ側のいずれか一方のみでよいため、部品点数の削減、調整の簡略化等によるコスト削減に寄与できる。
本発明の実施形態にかかる挟み込み回避装置の取得部は、例えば、ボディの開口部の縁部の少なくとも一部のみに配置された静電容量センサの静電容量値を取得するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、ドアがボディに接近する前やドア開度が十分に大きな場合に、静電容量センサによって挟み込みが発生する可能性のある位置に挟み込み回避対象体が存在することが検出できる。その結果、より早い段階で挟み込みの可能性を検知し、ドアの閉動作制御に反映させることができる。
本発明の実施形態にかかる挟み込み回避装置の取得部は、例えば、ボディに対してドアを開閉自在に接続するヒンジ部が設けられていない非ヒンジ接続側よりヒンジ部が設けられたヒンジ接続側に近い位置に配置された静電容量センサの静電容量値を取得するよういにしてもよい。この構成によれば、例えば、ドアが閉動作する場合、非ヒンジ接続側よりヒンジ接続側(ドアの旋回軸に近い側)の方が、早くドアとボディとの隙間が狭くなるとともに、挟み込みが発生した場合の圧力が大きい。したがって、挟み込みを確実に回避したい領域について、より早く挟み込み回避対象体の検知ができる。また、静電容量センサの全長を短くすることができるので、コスト軽減に寄与できるとともに、静電容量値の変化がより顕著に検出し易くなる。その結果、検知精度の向上に寄与できる。
本発明の実施形態にかかる挟み込み回避装置の判定部は、例えば、第1閾値を静電容量センサと挟み込み回避対象体とが対面する場合の最小面積に基づいて決定するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、挟み込み回避対象体の最小部位、例えば、ユーザの小指等がドアとボディとの間に進入しないように第1閾値を設定できる。つまり、ドアがボディに接近し、小指等が入り得ないような範囲を挟み込み回避対象体の検知範囲から除き、静電容量センサを配置したドアまたはボディの一方に対し他方の静電容量値による影響を除き、挟み込み回避対象体の誤検知の発生を抑制することができる。
本発明の実施形態にかかる挟み込み回避装置の取得部は、例えば、さらに、ドアを自動開閉させる電動機の電流値を取得し、判定部は、静電容量値が所定の第1閾値以上でありドアが閉動作する際のドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、またはドアの閉動作時に電流値が所定の第2閾値以上になった場合に、開口部の縁部とドアの間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行うようにしてもよい。この構成によれば、例えば、静電容量値の変化が生じない絶縁体で構成される挟み込み回避対象体、例えば、荷物や衣類(絶縁体製の手袋等)等が、挟み込みが発生し得る領域に存在する場合でもドアの閉動作を停止させることが可能になり、挟み込み回避の適用範囲を拡大することができる。
図1は、実施形態にかかる挟み込み回避装置を搭載可能な、車両の例示的かつ模式的な上面視図である。 図2は、実施形態にかかる挟み込み回避装置(挟み込み回避部)をCPUで実現する場合の構成を例示的かつ模式的に示すブロック図である。 図3は、実施形態にかかる挟み込み回避装置で利用する静電容量センサの構成を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。 図4は、実施形態にかかる挟み込み回避装置で利用する静電容量センサの配置場所を示す例示的かつ模式的な車両の部分的な側面図である。 図5は、実施形態にかかる挟み込み回避装置において、挟み込み回避対象体としてのユーザの指がドアとボディとの間に存在し、それを検知する場合を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図6は、実施形態にかかる挟み込み回避装置において、挟み込み回避対象体としてのユーザの小指または手のひらを検知した場合の静電容量値の変化を示す例示的な説明図である。 図7は、実施形態にかかる挟み込み回避装置において、ドア検知時と小指を検知した場合の静電容量値の変化、およびマスク領域を示す例示的な説明図である。 図8は、実施形態にかかる挟み込み回避装置の挟み込み回避対象体の検知およびドアの制御処理を説明する例示的なフローチャートである。 図9は、実施形態にかかる挟み込み回避装置の挟み込み回避対象体の検知およびドアの制御処理を説明する他の例示的なフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態の挟み込み回避装置は、車両のボディと当該ボディの開口部を閉塞する開閉自在なドアとの間に挟み込み回避対象体、例えば、車両利用者(ユーザ)の身体の一部(手や指等)や荷物等が存在することを、静電容量センサの静電容量値の変化によって検知する。そして、挟み込み回避対象体が検知された場合には、閉動作しているドアの閉動作を停止させることで、挟み込みを事前に回避する挟み込み回避処理を実行する。なお、以下に示す実施形態において、挟み込み回避装置は、開閉動作するドアとしてモータ等の駆動源の制御により自動開閉する、いわゆる、オートスイングドアを採用する車両に適用する場合を一例として説明する。
図1は、本実施形態の挟み込み回避装置を含むECU(electronic control unit)10を搭載可能な車両12の例示的かつ模式的な上面視図である。前述したように、車両12は、電動モータ等を含む開閉機構(アクチュエータ)によって自動開閉するオートスイングタイプのドア14を搭載する車両である。なお、図1において、挟み込み回避処理を車両12の前席の例えば運転席ドア14aについて適用する例を説明するが、助手席ドアドア14b、後部座席右ドア14c、後部座席左ドア14dおよびバックドア(トランクドア)14eについても同様に適用可能であるため、その説明は省略する。なお、以下の説明でドアを特に区別する必要がない場合は、ドア14と記載する。
ドア14は、車両12のボディ16とヒンジ部を介して開閉自在に支持されている。車両12において、ユーザによって、運転席ドア14a〜後部座席左ドア14dの車室内のアームレストやバックドア14e等に設置されたドア開閉スイッチ(不図示)が操作されると、ECU10がドア14に内蔵されたドア開閉機構20を作動させ、操作対象のドア14を自動的に開閉させる。また、ユーザにより運転席ドア14a〜後部座席左ドア14dのアウタードアハンドル(不図示)または車室内側のインナードアハンドル(不図示)が操作されてドアラッチ(不図示)の係合が解除されると、ドア14に内蔵されたドアスイッチ(不図示)がオンすると共に、ECU10によりドア開閉機構20が作動させられ、操作対象のドア14が自動的に開閉する。また、物理的なスイッチを用いず、ユーザ等の乗員が乗り込みを完了したことを、例えばセンサ(例えばカメラ等)で検知して、ドア開閉機構20を動作させ、ドア14を自動的に開閉(閉動作)するようにしてもよい。
ドア開閉機構20は、例えば、運転席ドア14a〜後部座席左ドア14dやバックドア14eに内蔵される。ドア開閉機構20は、駆動源としてのモータ(DCモータ)と、当該モータのロータの回転位置を検出する回転センサと、モータの駆動時の電流値を検出する電流検出部(電流検出センサ)と、減速機等の伝動機構と、スピンドルユニット等を含む。スピンドルユニットは、対応するドア14により支持されると共に伝動機構を介してモータにより回転駆動されるハウジングと、先端が対応するドア14に連結されると共にハウジングの回転に伴って当該ハウジングに対して軸方向に進退移動するねじスピンドルとを含む。ドア開閉機構20は、ドア開閉スイッチやアウタードアハンドル、インナードアハンドル等の操作に基づいて各種演算を行うECU10の制御によって動作する。すなわち、ECU10の制御により、モータがスピンドルユニットのハウジングを回転駆動することで、操作対象のドア14を所望の開度(ドア開度)に開くとともに閉じることが可能となる。また、スピンドルユニットにおけるねじのピッチは、ユーザがドア14を手動で開閉させた際にスムーズにドア14が回動すると共に良好なドアチェック機能が確保されるように定められる。なお、ドア開閉機構20には、モータのロータの回転を減速・停止させる例えば電磁摩擦式のブレーキが設けられてもよい。ドア開閉機構20に関しては、ドア14の開閉動作およびその停止動作等が可能であれば、他の構成でもよく、周知のドア開閉機構を利用することができる。
ECU10は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、挟み込み回避処理を実行する。具体的には、ECU10は、CPU(Central Processing Unit)10aの他、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および記憶部等を備える。CPU10a、ROM、およびRAMは、同一の回路基板内に設けられていてもよい。
CPU10aは、ROM等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。CPU10aは、例えば、静電容量センサが検出する静電容量値やドア開閉機構20のモータの電流値等に基づき、ドア14とボディ16との間に挟み込み回避対象体が存在するか否かを検知し、検知した場合にはドア14の閉動作を停止する挟み込み回避処理(挟み込み回避装置)を実現する。ECU10には、挟み込み回避装置以外を実現するためのCPU、例えば、空気調和装置を制御するためのCPUや、照明装置を制御するためのCPU等、車両12を制御するための他のCPUが含まれてもよい。また、CPU10aにおいて、挟み込み回避装置以外の機能を実現するようにしてもよい。
図2は、実施形態にかかる挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)をECU10のCPU10aで実現する場合の構成を例示的かつ模式的に示すブロック図である。CPU10aは、ROMから読み出した挟み込み回避プログラムを実行することにより、図2に示すように挟み込み回避部22を実現する。
挟み込み回避部22は、挟み込み回避処理を実行するために、取得部24、判定部26、ドア制御部28等のモジュールを含む。なお、挟み込み回避部22は、通常ドア開閉動作、例えば前述したようにユーザによって、ドア開閉スイッチやアウタードアハンドル、またはインナードアハンドル等が操作された場合に、ドア14を自動開閉する機能を有する。そして、挟み込み回避部22は、通常ドア開閉動作のうち閉動作が実行されている場合に、挟み込み回避対象体を検知した場合に、ドア14の閉動作の停止を実行する。取得部24は、主として車両12のボディ16の開口部30(図1参照)の縁部の少なくとも一部または開口部30を閉塞するドア14の周縁部の少なくとも一部に配置された静電容量センサ32が出力する静電容量値と、ドア14のドア開度値と、を取得する。なお、本実施形態では、静電容量センサ32をボディ16の開口部30の縁部に配置する場合を説明する。判定部26は、静電容量値が所定の第1閾値以上でありドア14が閉動作する際のドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、開口部30の縁部とドア14の間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う。そして、ドア制御部28は、挟み込み回避対象体が存在すると判定された場合に、ドア14の閉動作を停止させる。以下、取得部24、判定部26、ドア制御部28の詳細を説明する。
取得部24は、スイッチ情報取得部24a、静電容量値取得部24b、ドア開度取得部24c、モータ電流値取得部24d等の詳細モジュールを備える。
スイッチ情報取得部24aは、前述したようにドア開閉スイッチ34が操作(例えば押下)されたことを示すスイッチ情報を取得する。なお、図2では、図示を省略しているが、スイッチ情報取得部24aは、アウタードアハンドルやインナードアハンドル等が操作された場合にも、同様にスイッチ情報を取得する。スイッチ情報取得部24aは、取得したスイッチ情報をドア制御部28に逐次提供する。
静電容量値取得部24bは、車両12のボディ16の開口部30の縁部(図1参照)の少なくとも一部に配置された静電容量センサ32が出力する静電容量値を取得し、判定部26に逐次提供する。
静電容量センサ32は、図3に示されるように、センサ電極として長尺の一般導線32aを用いて、その周りを絶縁体である例えばゴム等の封止部材32bで封止して構成することができる。なお、図3において、一般導線32aは、銅線等の導体32a1を被覆材32a2で被覆したものを使用し、その周囲を封止部材32bで覆っている。封止部材32bは、一般導線32aに対する絶縁性を維持するとともに、気密性および水密性を維持する。また、図4に示されるように、ボディ16の開口部30の縁部に沿って静電容量センサ32を配置する際の配置姿勢を安定させ易くする形状維持機能を備える。なお、図3に示す例では、静電容量センサ32のセンサ電極として一般導線32aをゴム等の封止部材32bで封止した例を示したが、センサ電極は導体であれば、材質や形態は適宜変更可能であり、例えば、プリント基板等を利用することもできる。また、封止部材32bも絶縁体であれば材質や形態は適宜変更可能である。なお、静電容量センサ32を開口部30の縁部に設置した場合に、封止部材32bは、静電容量センサ32に対してボディ16に近い裏面側部32b1の厚みを、挟み込み回避対象体の検出面となる表面側部32b2より厚くしてもよい。この場合、ボディ16の静電容量の影響を受け難くすることが可能で、静電容量センサ32の性能向上に寄与できる。
静電容量センサ32は、開口部30の縁部に完全に沿わせてもよいが、図4に示されるように、車両12の開口部30の車両前方側には、ダッシュボード16aが存在する場合が多い。ダッシュボード16aが存在する領域では、ドア14が閉動作した場合、挟み込み回避対象体としての例えば、ユーザの手や指は、当該ダッシュボード16aとドア14との間に挟まれる可能性がある。したがって、ダッシュボード16aが存在する部分では、ダッシュボード16aが存在する領域への挟み込み回避対象体の進入を検知するために、静電容量センサ32の配置位置をダッシュボード16aの縁部としている。また、図4の場合、静電容量センサ32は、連続した1本の静電容量センサ32を開口部30の縁部に沿って配置する例を示しているが、ユーザの指等が静電容量センサ32に触れた場合に変化する静電容量の絶対値は非常に小さい。そこで、静電容量センサ32を例えば、数十cm(例えば、50cm)程度の短尺のセンサとして、複数短尺の静電容量センサ32を配置することにより、開口部30における有効な検知領域を確保するようにしてもよい。なお、静電容量センサ32の配置を開口部30の一部とする場合は、ボディ16に対してドア14を開閉自在に接続するヒンジ部18が設けられていない非ヒンジ接続側(図4の領域R側)よりヒンジ部18が設けられたヒンジ接続側(図4の領域F側)に近い位置に配置するようにしてもよい。この場合、ドア14が閉動作する場合、非ヒンジ接続側よりヒンジ接続側(ドアの旋回軸に近い側)の方が、早くドア14とボディ16との隙間が狭くなるとともに、挟み込みが発生した場合に挟み込み回避対象体にかかる圧力が大きい。したがって、領域R側に優先的に静電容量センサ32を配置することにより、挟み込みを確実に回避したい領域について、より早く挟み込み回避対象体の検知ができる。また、静電容量センサの全長を短くすることができるので、コスト軽減に寄与できるとともに、静電容量値の変化がより顕著に検出し易くなる。その結果、検知精度の向上に寄与できる。
図5は、図4における位置A−Aにおける断面図であり、挟み込み回避対象体を例えばユーザの指Hとした場合、ボディ16とドア14との間に指Hが存在する(挟まれる)状況で、指Hがボディ16に触れる箇所を示している。静電容量センサ32は、図5に示されるように、指H等が挟まれる可能性がある場合に触れる箇所に設置される。静電容量センサ32が、ボディ16側に配置されることにより、ドア14が大きく開いているときもセンシングを行うことができる。このとき、静電容量センサ32に指H等が触れていなければ、静電容量センサ32は一定の静電容量値(基準容量値)を出力する。この場合、挟み込み回避対象体が非存在と判定され、ドア14の閉動作は許容される。一方、静電容量センサ32に指H等が触れているときは、静電容量センサ32は指Hに応じて増加した静電容量値を出力する。この場合、挟み込み回避対象体が存在する判定され、ドア14の閉動作が不可となる。つまり、未然に挟み込みを防止することができる。なお、ドア14が閉動作中に挟み込み回避対象体(指H等)が静電容量センサ32に触れていない状況でも、ドア14に押されることで静電容量センサ32に触れさせることができるため、ドア14によって、挟み込み回避対象体が圧迫を受ける前の段階で、当該挟み込み回避対象体(指H等)の存在を検知することができる。なお、図5の場合、静電容量センサ32は、開口部30の外縁部に沿って配置されているゴム等で構成されるシール部材16bに固定されている。静電容量センサ32をシール部材16bの位置に配置することにより、静電容量センサ32が雨等の水分に接触する可能性を低減しやすくなり、静電容量センサ32の誤検出を低減することができる。なお、雨等による影響を低減する点においては、静電容量センサ32をドア14の周縁部に配置するよりボディ16の開口部30側に設置する方が有利である。
図2に戻り、ドア開度取得部24cは、ドア開度検出部36の出力をするドア開度を取得する。ドア開度検出部36は、ドア14の開度を検出する機械式センサであってもよいし非接触型のセンサであってもよい。なお、本実施形態のように、ドア14がオートスイングドアの場合、ドア開閉機構20のドアモータ38(電動機)の回転位置を検出する回転センサをドア開度検出部36として利用してもよいし、ドア開閉機構20に含まれるスピンドルユニットのスピンドルの進退位置を検出する位置センサをドア開度検出部36として利用してもよい。また、ドア開度取得部24cは、ドア制御部28の制御信号に基づきドア開度値を検出するようにしてもよい。ドア開度取得部24cは、ドア14の全開位置(例えば、開度=90°)、全閉位置(開度=0°)およびその間の開度を逐次取得し、判定部26に提供する。なお、判定部26は、静電容量値取得部24bから取得する静電容量値に基づいて、ドア14が全閉しているか否か、半開しているか否か等の判定を行うこともできる。
モータ電流値取得部24dは、ドア14がオートスイングドアの場合、ドアモータ38の駆動時の電流値を検出する電流検出部38a(電流検出センサ)から電流値を逐次取得し、判定部26に提供する。ドアモータ38がドア14を開閉動作させる場合、ドア14に何ら物体が接触していない場合や風等の影響を受けていない場合等、外的負荷がかかっていない定常駆動状態の場合、開閉開始から開閉動作中、そして開閉停止に至るまで開始時、動作中、停止時でそれぞれ所定の電流値が出力される。一方、ドア14に外的負荷がかかった場合、例えば、ユーザの身体の一部がドア14に接触した場合、定常駆動状態に比べて電流値が上昇する。したがって、ドアモータ38の電流値の変化が所定の第2閾値以上になったか否かを監視することにより、挟み込みの可能性の有無を検知することができる。なお、風等の影響により電流値が上昇する場合、開閉開始から電流値が上昇するのに比べ、ドア14に物体が接触して電流値が上昇する場合、ドア14の開閉動作中には突然上昇する。判定部26は、この違いに基づき、ドア14に物体が接触したか否かを判別することができる。
判定部26は、取得部24が取得した静電容量値、ドア開度値、ドアモータ38の電流値等に基づき、ボディ16とドア14との間に挟み込み回避対象体(指H等)が存在するか否かを判定する。
図6は、挟み込み回避対象体としてのユーザの小指または手のひらを検知した場合の静電容量値の変化を示す例示的な説明図である。なお、図6において横軸が経過時間で、縦軸が静電容量値である。図6において、基準容量Csは静電容量センサ32のまわりの環境により発生する一定の静電容量値である。静電容量センサ32に何も触れていなければ静電容量値は基準容量Csを示す。一方、静電容量センサ32に、挟み込み回避対象体として、例えば小指が触れた場合(時刻T)、検知容量Cxaの静電容量が発生する。この時、静電容量センサ32は、基準容量Csから検知容量Cxaが足された静電容量値を出力することになる。本実施形態の場合、挟み込み回避対象体の最小のものをユーザの小指とて、小指以上の大きさのものを挟み込み回避対象体として検出するものとする。
静電容量Cは、簡易的にC=εS/dによって求めることができる。ここで、εは誘電体の誘電率、Sは静電容量センサ32に接近する導体(この場合、小指)の面積、dは静電容量センサ32と導体(小指)との距離である。したがって、静電容量は静電容量センサ32に接近する導体の大きさに比例する。つまり、小指が静電容量センサ32に接触した場合の静電容量の変化量の例えば5〜8割程に接触閾値Ctを設定すれば、挟み込み回避対象体として最小と考えられる小指が静電容量センサ32に接触したことを検知可能となる。換言すれば、静電容量センサ32と挟み込み回避対象体とが対面する場合の最小面積に基づいて接触閾値Ct(第1閾値)を設定すれば、挟み込み回避対象体としての最小物体を検知することができる。なお、図6おいて、小指より大きな手のひらが静電容量センサ32に時刻Tで接触した場合は、検知容量Cxaより大きな検知Cxbが静電容量センサ32から出力されることになる。
ところで、静電容量センサ32をボディ16の開口部30の縁部に配置した場合、ドア14も導体であるため、ドア14が閉動作してボディ16に接近する場合、特にドア14の全閉状態の直前で、ドア14を挟み込み回避対象体(例えば、指H)として誤検知する場合がある。図7は、ドア14を検知した場合と、小指を検知した場合の静電容量値の変化を示す例示的な説明図である。なお、図7において、縦軸が静電容量値で、横軸がドア14のドア開度である。図7に示されるように、ドア14が閉動作する場合、静電容量センサ32が出力する静電容量値は、破線mで示されるように、ボディ16の開口部30の縁部に設置された静電容量センサ32にドア14が接近するのにしたがい上昇し、ドア14の全閉位置Xで最大となる。一方、静電容量センサ32に小指等が接近する場合、実線nで示されるように、静電容量値が急激に上昇し、ドア開度Y(挟み込みが発生した時点)で最大となる。前述したように、小指の存在を検知するために、接触閾値Ctを小指が示す静電容量の変化量の例えば5割程に設定すると、小指が存在しない場合でもドア14の接近により小指が存在すると判定される静電容量値が出力される場合がある。そこで、判定部26は、ドア開度取得部24cが取得したドア開度情報に基づき、ドア開度が0°(ドア全閉)から例えば10°までの間(マスク領域P)で静電容量値を無視するものとする。つまり、判定部26は、静電容量値が所定の接触閾値Ct(第1閾値)以上であり、ドア14が閉動作する際のドア開度値が所定の下限値(例えば10°)に到達していない場合、開口部30の縁部とドア14の間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う。一方、静電容量値が所定の接触閾値Ct(第1閾値)以上であっても、ドア14が閉動作する際のドア開度値が所定の下限値(例えば10°)に到達している場合、開口部30の縁部とドア14の間に挟み込み回避対象体が存在しないと見なす判定を行う。その結果、ドア14を挟み込み回避対象体(例えば小指等)と誤検知することが抑制できる。
なお、車両12は車種によって静電容量センサ32がドア14を誤検知するドア開度が異なるため、車種ごとにマスク領域Pを設定することが望ましい。この設定は、車両12の設計段階、車両12の出荷段階等で行うことができる。また、ディーラ等においても実施できる。また、別の実施形態では、判定部26は、ドア14の閉動作中にラッチスイッチが半閉状態と判断した時から静電容量センサ32の静電容量値を無視するようにしても、同様にドア14の誤検知を実施することができる。
静電容量センサ32の出力する静電容量値に基づいて、挟み込み回避対象体の検知を行う場合、検知対象は、導体に限られる。例えば、荷物や衣服等のように絶縁体の物体の挟み込みは検知できない。そこで、判定部26は、前述したように、モータ電流値取得部24dが取得するドア14のドアモータ38が駆動する際に電流検出部38aによって検出され電流値を用いて、絶縁体の物体がボディ16の縁部とドア14との間に存在することを検知する。前述したように、ドア14に物体が挟まるときに、ドアモータ38に負荷がかかる。その結果、電流値が増加する為、ドアモータ38の電流値を監視することにより絶縁体の挟み込み検知が可能になる。つまり、判定部26は、静電容量値が接触閾値Ct(第1閾値)以上であり、ドア14が閉動作する際のドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、またはドア14の閉動作時に電流値が所定の第2閾値以上になった場合に、開口部30の縁部とドア14の間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う。したがって、判定部26は、静電容量センサ32から取得される静電容量値と電流検出部38aか電流検出部38aから取得される電流値とを併用することであらゆる物体の挟み込み検知が可能になる。
なお、挟み込み回避対象体(物体)が挟まる位置とドア開度の関係を考えると、ヒンジ部18側と比べ、ドア14端側(18から遠い側の縁部)の時の方が、物体を検知する際のドア開度が小さくなる。したがって、ドア開度に対しマスク領域Pを設定すると、ごく小さい物体がドア端側で挟まれる時、マスク領域Pで物体の検知をキャンセルしてしまう場合がある。この場合、図4において、領域Fで主として静電容量値を用いた挟み込み回避対象体の検知を行い、領域Rで主として電流値を用いた挟み込み回避対象体の検知を行うようにしてもよい。このように、静電容量値と電流値とを併用することにより、ドア開度の全域において、挟み込み回避対象体の検知を良好に実施できる。
図2に戻り、ドア制御部28は、スイッチ情報取得部24aが取得したドア開閉スイッチ34等の操作状態に基づいて、ドアモータ38を正転または逆転させたドア14の自動開閉を実行する。また、ドア14の閉動作の実行時に、判定部26によって、挟み込み回避対象体の検知が行われた場合、閉動作中のドア14のドアモータ38を停止し、ドア14の閉動作を停止する。つまり、挟み込み回避対象体がドア14に挟まれることを回避する。なお、ドア制御部28は、ドア14の閉動作を停止する場合、ドアモータ38を逆回転させてドア14を所定量(数度〜数十度)だけ開動作させた後、ドアモータ38を停止するようにしてもよい。この場合、挟み込み回避をより確実に行うことができる。
以上のように構成される挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)による挟み込み回避処理の一例を図8および図9を用いて説明する。まず、静電容量値とドア開度値を用いて挟み込み回避対象体の検知を行い、ドア14の制御を行う例を説明する。なお、挟み込み回避部22は、車両12のドア14毎に以下に説明する挟み込み回避処理を実行する。
挟み込み回避部22は、スイッチ情報取得部24aによってドア開閉スイッチ34等によるドア14の閉動作要求を行うスイッチ情報が取得されたか否かを確認する(S100)。ドア14の閉動作要求を行うドア開閉スイッチ34のスイッチ情報が取得されてない場合(S100のNo)、このフローを一旦終了する。一方、S100において、閉動作のスイッチ情報を取得した場合(S100のYes)、取得したスイッチ情報をドア制御部28に提供する。ドア制御部28は、ドア14の閉動作を要求するスイッチ情報を取得した場合、制御対象となるドア14のドアモータ38を閉動作方向に駆動し、ドア14の閉動作を開始する(S102)。また、ドア開度取得部24cは、ドア14の閉動作開始に伴い、閉動作しているドア14のドア開度値をドア開度検出部36から取得し(S104)、判定部26へ逐次提供する。
判定部26は、閉動作しているドア14のドア開度が「0°」(全閉状態)であるか否かを判定し、ドア開度が「0°」でない場合(S106のNo)、静電容量値取得部24bが閉動作を開始したドア14の静電容量値を取得する(S108)。そして、静電容量値の変化量が、接触閾値Ct(第1閾値)以上である場合(S110のYes)、ドア開度取得部24cが取得している閉動作中のドア14のドア開度が、所定の下限値Dt(例えば10°)に到達しているか否か判定する(S112)。閉動作中のドア14のドア開度が、下限値Dtに到達していない場合(S112のNo)、判定部26は、ボディ16の縁部とドア14との間に挟み込み回避対象体(例えば、指H等)が存在する(挟み込み回避対象体を検知した)と見なし、ドア14の閉動作を停止し(S114)、一旦、このフローを終了する。
S112において、閉動作中のドア14のドア開度が、下限値Dtに到達している場合(S112のYes)、ボディ16の縁部とドア14との間の空間は、既に挟み込み回避対象体が進入できる(挟まる)隙間ではないと判定する。つまり、判定部26は、静電容量値が、接触閾値Ct(第1閾値)以上となった原因は、ドア14の接近であり、挟み込み回避対象体の存在ではないと判定し、取得した静電容量値を無効とする。そして、ドア制御部28は、S102に移行してドア14の閉動作を継続して行い、以降の処理を行う。また、S106において、閉動作しているドア14のドア開度が「0°」の場合(S106のYes)、すなわち、ドア14が全閉した場合、ドア制御部28は、ドアモータ38を停止させ、ドア14の閉動作を停止する。
また、S110において、静電容量値の変化量が、接触閾値Ct(第1閾値)未満の場合(S110のNo)、判定部26は、ボディ16の縁部とドア14との間に挟み込み回避対象体(例えば、指34等)は存在しないと見なし、S102に移行し、ドア14の閉動作を継続して行い、以降の処理を継続する。
このように、本実施形態の挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)によれば、ボディ16の開口部30の縁部に設けた静電容量センサ32で取得される静電容量値に基づき、ドア14をボディ16との間に挟み込み回避対象体(例えば、指や手等)の存在を一つの静電容量センサ32による簡易な構成で検出することができる。また、ドア14の開度情報を用いたマスク領域P(ドア開度の下限値Dt:例えば10°)を設けて、ドア開度値が下限値に達した場合には、取得した静電容量値を無効とする。その結果、ドア14の誤検知によるドア14の誤停止を回避し、挟み込み回避装置の動作信頼性の向上ができる。なお、静電容量センサ32をボディ16の開口部30の縁部側に配置することで、挟み込み回避対象体(例えば、指H等)が開口部30の縁部に接触した時点で、ドア14が、ボディ16から遠い場合でも挟み込み回避対象体の検知が可能になる。つまり、ユーザへの挟み込みに対する注意喚起を事前に行うことが可能になり、安全性の向上に寄与できる。例えば、ユーザが運転席に座った状態で、シートベルト等を引き出そうとして、ボディ16の縁部に触れていた場合、つまり、挟み込みの危険がある位置に手を置いている場合でも、ドア14の開度に拘わらず閉動作しているドア14を停止することができる。
図9は、静電容量値とドア開度値に加え、ドアモータ38の閉動作時の電流値を用いて挟み込み回避対象体の検知を行い、ドア14の制御を行う例を説明するフローチャートである。つまり、挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)が、挟み込み回避対象体として、導体に加え絶縁体も検知可能とする例である。
なお、図9のフローチャートは、図8のフローチャートに対して、閉動作中のドア14の電流値を取得する処理と、電流値の変化量が、予め設定した第2閾値Vt以上になったか否かを判定する処理が追加されるのみで、他の処理は同じである。したがって、同じ処理には同じステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
挟み込み回避部22は、ドア14の閉動作要求を行うスイッチ情報が取得されたか否か確認する(S100)。ドア14の閉動作要求を行うスイッチ情報が取得されてない場合(S100のNo)、このフローを一旦終了する。一方、S100において、閉動作のスイッチ情報を取得した場合(S100のYes)、スイッチ情報をドア制御部28に提供する。ドア制御部28は、ドア14の閉動作を要求するスイッチ情報を取得した場合、制御対象となるドア14のドアモータ38を閉動作方向に駆動し、ドア14の閉動作を開始する(S102)。また、ドア開度取得部24cは、ドア14の閉動作開始に伴い、閉動作しているドア14のドア開度値を取得し(S104)、判定部26へ逐次提供する。また、モータ電流値取得部24dは、ドア14の閉動作開始に伴い、閉動作しているドア14のドアモータ38の電流検出部38aから出力される電流値を取得し(S200)、逐次判定部26へ提供する。
判定部26は、閉動作しているドア14のドア開度が「0°」(全閉状態)であるか否かを判定し、ドア開度が「0°」でない場合(S106のNo)、静電容量値取得部24bが閉動作を開始したドア14の静電容量値を取得する(S108)。そして、静電容量値の変化量が、接触閾値Ct(第1閾値)以上である場合(S110のYes)、ドア開度取得部24cが取得している閉動作中のドア14のドア開度が、所定の下限値Dtに到達しているか否か判定する(S112)。閉動作中のドア14のドア開度が、下限値Dtに到達していない場合(S112のNo)、判定部26は、ボディ16の縁部とドア14との間に導体の挟み込み回避対象体(例えば、指H等)が存在する(挟み込み回避対象体を検知した)と見なし、ドア14の閉動作を停止し(S114)、一旦、このフローを終了する。
S112において、閉動作中のドア14のドア開度が、下限値Dtに到達している場合(S112のYes)、ボディ16の縁部とドア14との間の空間は、既に挟み込み回避対象体が進入できる(挟まる)隙間ではないと判定する。つまり、判定部26は、取得した静電容量値を無効とする。そして、ドア制御部28は、S102に移行してドア14の閉動作を継続して行い、以降の処理を行う。また、S106において、閉動作しているドア14のドア開度が「0°」の場合(S106のYes)、すなわち、ドア14が全閉した場合、ドア制御部28は、ドアモータ38を停止させ、ドア14の閉動作を停止する。
また、S110において、静電容量値の変化量が、接触閾値Ct(第1閾値)未満の場合(S110のNo)、判定部26は、さらに、モータ電流値取得部24dから取得した閉動作中のドア14のドアモータ38の電流値の変化量が予め設定した第2閾値Vt以上になったか否かを判定する(S202)。なお、車両12の車種や仕様によってドア14の大きさや重さ、ドアモータ38の性能等が異なるため、第2閾値は、車両12の設計時や出荷時等に、予め実施した試験等により決定された値に設定することができる。
S202において、閉動作中のドア14のドアモータ38の電流値の変化量が第2閾値Vt以上の場合(S202のYes)、判定部26は、ボディ16の開口部30の縁部とドア14との間に、挟み込み回避対象体が存在する(挟み込み回避対象体を検知した)と見なし、S114に移行し、ドア制御部28に、閉動作中のドア14を停止させる。この場合、判定部26は、電流値の上昇により導体、絶縁体に拘わらずドア14の閉動作に負荷を与える物体の接触があると判定可能となる。
また、S202において、閉動作中のドア14のドアモータ38の電流値の変化量が第2閾値Vt未満の場合(S202のNo)、判定部26は、閉動作しているドア14は、何ら物体に接触することなく、定常通りに閉動作を行っている、つまり、ボディ16の縁部とドア14との間に挟み込み回避対象体(例えば、指H等の導体や荷物等の絶縁体等)は存在しないと見なし、S102に移行し、ドア14の閉動作を継続して行い、以降の処理を継続する。
このように、ドア14のドアモータ38の閉動作時の電流値に基づく判定処理を、挟み込み回避対象体の検知処理に加えることにより、挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)が検知できる挟み込み回避対象体の種類を導体のみならず絶縁体の物質にも広げることが可能となる。その結果、挟み込み回避装置の性能向上に寄与できるとともに、信頼性を向上することができる。
なお、上述した実施形態では、挟み込み回避部22(挟み込み回避装置)を、ドアモータ38等の駆動源の制御により自動開閉するオートスイングドアに適用する例を説明したが、例えば、閉動作を途中で停止する制動機構を備える手動ドアにも適用可能である。例えば、手動でドアを閉めている場合でも判定部26により挟み込み回避対象体が検知された場合には、手動ドアを途中で強制停止することで、挟み込みを回避することができる。また、手動操作のバックドア14eに適用する場合、挟み込み回避対象体を検知した場合、自重により閉まろうとするバックドア14eを途中で停止可能となり、挟み込みの回避が可能であり、安全性の向上に寄与できる。なお、図1では、ドア14は車両12の前後方向に開閉するオートスイングドアに挟み込み回避装置を適用する例を示したが、これに限らず、例えば、上下方向に開閉するスイングドア(いわゆる、ガルウイングドア)に適用してもよく、同様の効果を得ることができる。
また、上述した実施形態では、静電容量センサ32をボディ16側に配置する例を示したが、静電容量センサ32をドア14の周縁部に配置してもよい。この場合、挟み込み回避対象体がボディ16側に接触している場合、ドア14が挟み込み回避対象体に接近した時点で検知が行われる点と、マスク領域Pは、ボディ16の静電容量に対して設定される点が異なるのみで、同様な効果を得ることできる。
上述した挟み込み回避装置は、車両のボディの開口部の縁部の少なくとも一部または開口部を閉塞する開閉自在なドアの周縁部の少なくとも一部に静電容量センサ32を備える車両であれば、車両12の制御システムに挟み込み回避プログラムをインストールして実現可能である。この場合、挟み込み回避部22を実現するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、上述のプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ECU、10a…CPU、12…車両、14…ドア、16…ボディ、20…ドア開閉機構、22…挟み込み回避部(挟み込み回避装置)、24…取得部、24a…スイッチ情報取得部、24b…静電容量値取得部、24c…ドア開度取得部、24d…モータ電流値取得部、26…判定部、28…ドア制御部、30…開口部、32…静電容量センサ、34…ドア開閉スイッチ、36…ドア開度検出部、38…ドアモータ、38a…電流検出部。

Claims (5)

  1. 車両のボディの開口部の縁部の少なくとも一部または前記開口部を閉塞する開閉自在なドアの周縁部の少なくとも一部に配置された静電容量センサが出力する静電容量値と、前記ドアのドア開度値と、を取得する取得部と、
    前記静電容量値が所定の第1閾値以上であり前記ドアが閉動作する際の前記ドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、前記開口部の縁部と前記ドアの間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う判定部と、
    前記挟み込み回避対象体が存在すると判定された場合に、前記ドアの閉動作を停止させる制御部と、
    を備える、挟み込み回避装置。
  2. 前記取得部は、前記ボディの開口部の縁部の少なくとも一部のみに配置された前記静電容量センサの静電容量値を取得する、請求項1に記載の挟み込み回避装置。
  3. 前記取得部は、前記ボディに対して前記ドアを開閉自在に接続するヒンジ部が設けられていない非ヒンジ接続側より前記ヒンジ部が設けられたヒンジ接続側に近い位置に配置された前記静電容量センサの静電容量値を取得する、請求項1または請求項2に記載の挟み込み回避装置。
  4. 前記判定部は、前記第1閾値を前記静電容量センサと前記挟み込み回避対象体とが対面する場合の最小面積に基づいて決定する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の挟み込み回避装置。
  5. 前記取得部は、さらに、前記ドアを自動開閉させる電動機の電流値を取得し、
    前記判定部は、前記静電容量値が所定の第1閾値以上であり前記ドアが閉動作する際の前記ドア開度値が所定の下限値に到達していない場合、または前記ドアの閉動作時に前記電流値が所定の第2閾値以上になった場合に、前記開口部の縁部と前記ドアの間に挟み込み回避対象体が存在すると見なす判定を行う、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の挟み込み回避装置。
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