JP2021146335A - アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置 - Google Patents

アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置 Download PDF

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Yoshinori Tatsumi
慶展 辰巳
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Abstract

【課題】木質バイオマス灰の飛灰からアルカリ金属を効率的に除去してセメント原料として有効利用するための、アルカリ金属除去方法を提供する。【解決手段】本発明は、木質バイオマスの燃焼灰の飛灰からアルカリ金属を除去する方法であって、飛灰を微粉と粗粉に分級する工程(a)と、工程(a)で得られた粗粉を塩素源と共に加熱して加熱処理物を得る工程(b)と、工程(a)で得られた微粉と工程(b)で得られた加熱処理物とを水洗する工程(c)とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置に関する。特に、本発明は、木質バイオマスの燃焼灰をセメント原料等として有効利用するための、アルカリ金属除去方法及びアルカリ金属除去装置に関する。
樹木の幹や枝、切削チップ、おが粉、樹皮、木質ペレット、PKS(palm kernel shell)、建築廃材等の木質バイオマスについては、発電用ボイラ等の燃料とする技術開発に並行して、木質バイオマスの燃焼で発生する燃焼灰(以後、「木質バイオマス灰」と称する場合がある。)の有効利用技術についても開発が進められている。
木質バイオマス灰は、例えば石炭灰やごみ焼却灰等と比較すると、アルカリ金属、特にカリウムの含有量が多いことが特徴である。そのため、例えば、多量に発生する石炭灰やごみ焼却灰の有効利用を可能にしているセメント原料化技術を木質バイオマス灰に適用する場合、セメントがアルカリ金属成分を忌避成分とするために木質バイオマス灰からアルカリ金属を除去することが必要となる。更に、木質バイオマス灰の飛灰からアルカリ金属が除去できれば、石炭灰(フライアッシュ)がそうであるように、木質バイオマス灰の飛灰をコンクリート混和材やセメント混合材とする用途開発等も可能になる。
木質バイオマス灰からアルカリ金属成分を除去する技術として、例えば、下記特許文献1には、バグフィルタで集塵された木質バイオマス灰(飛灰)を、所定の分級点で分級してカリウム濃度の高い微粉燃焼灰を分別して回収する、燃焼装置及び燃焼灰処理方法が開示されている。
特開2017−122550号公報
しかしながら、木質バイオマス灰の飛灰は、全ての粒度の灰にアルカリ金属が存在するため、微粉に存在するアルカリ金属を除去するだけではセメント原料等とするには不十分である。
上記の課題に鑑み、本発明は、木質バイオマス灰の飛灰(以後、「バイオマス灰」と称する場合もある。)からアルカリ金属を効率的に除去してセメント原料等として有効利用するための、アルカリ金属除去方法及びその方法の実施に用いるアルカリ金属除去装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、バイオマス灰に含まれるアルカリ金属には水溶性のものと水に難溶性(以後、単に「難溶性」と称する。)なものの2種類が存在すること、並びに、バイオマス灰のうち粒度の小さい微粉側には水溶性のアルカリ金属が多く存在する一方、粒度の大きい粗粉側には難溶性のアルカリ金属が多く存在することを見出した。
更に、本発明者らは、難溶性のアルカリ金属は、塩素源と一緒に加熱する処理(いわゆる「塩化焙焼」)によって水溶性塩(アルカリ金属塩化物)に変化させられることを見出した。
そして、本発明者らは、上記の新たな知見から、バイオマス灰の粗粉に含まれる難溶性のアルカリ金属を塩化焙焼を用いて水溶性塩とした後、バイオマス灰の微粉と共に水洗することで、効果的且つ効率的にバイオマス灰に含まれるアルカリ金属を除去できることを見出した。
すなわち、本発明は、木質バイオマスの燃焼灰の飛灰からアルカリ金属を除去する方法であって、
前記飛灰を微粉と粗粉に分級する工程(a)と、
前記工程(a)で得られた前記粗粉を塩素源と共に加熱して加熱処理物を得る工程(b)と、
前記工程(a)で得られた前記微粉と、前記工程(b)で得られた前記加熱処理物とを水洗する工程(c)とを含むことを特徴とする。
上記方法によれば、工程(a)によって予めバイオマス灰(飛灰)が微粉と粗粉とに分級される。上述したように、バイオマス灰の微粉には水溶性のアルカリ金属が多く含まれるため、そのまま水洗することでアルカリ金属を除去できる。また、バイオマス灰の粗粉には難溶性を示すアルカリ金属が多く含まれるが、工程(b)において塩素源と共にこの粗粉が加熱されることで塩化焙焼が行われ、かかるアルカリ金属は水溶性塩に変化する。この結果、バイオマス灰の微粉側に含まれるアルカリ金属と、バイオマス灰の粗粉側に含まれるアルカリ金属の双方を、工程(c)に係る水洗処理によって水に溶解させて除去できる。
前記工程(a)は、5μm以上30μm以下を分級点として分級する工程であるものとしても構わない。
上記方法によれば、排出元が異なるバイオマス灰であっても、ほとんどのバイオマス灰について全体量の20質量%以上50質量%以下に相当する微粉を確保することができる。言い換えれば、工程(b)に係る加熱処理を行う対象となる粗粉は、バイオマス灰の全体量に対して50質量%以上80質量%以下に相当する。つまり、バイオマス灰の全体を加熱する必要がないため、高い加熱効率でアルカリ金属の除去が可能となる。
前記工程(b)は、650℃以上1200℃以下の温度で加熱する工程であるものとしても構わない。
上記方法によれば、バイオマス灰の粗粉に含まれる難溶性のアルカリ金属を、高い割合で水溶性塩に変化できる。加熱温度が650℃未満である場合には、温度が低いために塩化焙焼が生じ難くなることがある。また、加熱温度が1200℃を超える場合には、バイオマス灰の部分的な溶融や大径化が生じて塩化焙焼の反応速度が遅くなることがある。
なお、本発明者らの鋭意研究の結果、バイオマス灰の粗粉にはカリウムがカリ長石(KAlSi38)の形態で含まれる場合があることが分かった。特に、カリ長石成分を多く含む場合には、1000℃〜1200℃の温度で加熱することによって、アルカリ金属塩に変化させやすくなる。
前記工程(b)は、酸素濃度10%以下の雰囲気下で加熱する工程であるものとしても構わない。
本発明者らの鋭意研究の結果、塩化焙焼を低酸素濃度の雰囲気で行うことで、アルカリ金属を更に高効率で除去できることを新たに見出した。この理由は、低酸素濃度の雰囲気で塩化焙焼を行うことで、塩素の揮発が抑制された結果、アルカリ金属をアルカリ金属塩化物に変化させやすくなったものと考えられる。詳細は、「発明を実施するための形態」の項で、実施例を参照しつつ後述される。
なお、塩化焙焼の際の雰囲気中の酸素濃度は、10%以下とするのがより好ましく、5%以下とするのが特に好ましい。なお、雰囲気に含まれる酸素以外の気体としては、典型的には窒素であるが、二酸化炭素等、他の気体が含まれていても構わない。
前記工程(b)で利用される前記塩素源は、廃プラスチック及び無機化合物塩素が混入された可燃性廃棄物を含むものとしても構わない。
上記方法によれば、塩素含有率が高いためにリサイクル用途に乏しい廃棄物等を、バイオマス灰に含まれるアルカリ金属の除去のために有効活用できる。
前記工程(b)で利用される前記塩素源は、80mm以下の大きさであるものとしても構わない。
上記大きさの塩素源を工程(b)に係る加熱処理で利用することで、粗粉に含まれる難溶性のアルカリ金属を高い割合で水溶性塩に変化できる。塩素源の大きさが80mmよりも大きい場合、工程(b)に係る加熱処理中に塩素源からの塩素の揮発が十分に生じず、バイオマス灰の塩化焙焼が生じ難くなることがある。なお、この塩素源の大きさとは、篩いの目開きの大きさであって、大きさが80mm以下とは目開き80mmの篩いを通過するものを指す。
前記工程(b)は、前記粗粉の全アルカリ金属成分のモル量(A)に対する、前記塩素源の全塩素のモル量(B)の比率(B/A)が、1以上5以下の範囲内で混合された、前記粗粉と前記塩素源との混合物を加熱する工程であるものとしても構わない。
上記方法によれば、粗粉に含まれる難溶性のアルカリ金属の多くを効率的に水溶性塩に変化させることができる。前記B/Aの値が5を超えると、塩化焙焼に寄与しない塩素が残存してしまい、一部の塩素源を無駄にするおそれがある。また、前記B/Aの値が1を下回る場合には、工程(b)の完了後に得られた加熱処理物にも、依然として難溶性のアルカリ金属が一定程度含まれるおそれがある。
前記アルカリ金属除去方法は、前記工程(a)で得られた前記粗粉を粉砕して粗粉粉砕物を得る工程(d)を有し、
前記工程(b)は、前記工程(d)で得られた前記粗粉粉砕物を前記塩素源と共に加熱する工程であるものとしても構わない。
粗粉には、難溶性のアルカリ金属が全体的に満遍なく含まれていることが想定される。上記方法のように、加熱工程(b)の前に粉砕処理(d)を行うことでアルカリ金属の露出面積が増加するため、加熱工程(b)において塩素含有物に含まれる塩素との反応性が向上し、より高効率でアルカリ金属塩化物に変化させることができる。
また、本発明に係るアルカリ金属除去装置は、木質バイオマスの燃焼灰の飛灰からアルカリ金属を除去するための装置であって、
前記飛灰を微粉と粗粉に分級する分級装置と、
前記分級装置で得られた前記粗粉を塩素源と共に加熱して加熱処理物を得る加熱装置と、
前記分級装置で得られた前記微粉と、前記加熱装置で得られた前記加熱処理物とを水洗する水洗装置とを備えることを特徴とする。
上記装置によれば、難溶性のアルカリ金属を多く含むバイオマス灰の粗粉に対して選択的に塩化焙焼を適用することが可能となり、バイオマス灰からのアルカリ金属の除去を効率的に行うことができる。
前記分級装置は、サイクロン型エアセパレータ等の回転羽根付きの遠心式空気分級機で構成されていても構わない。
かかる構成によれば、バイオマス灰の分級点の調整が容易化されると共に、分級処理を連続的に行うことが可能となる。
前記加熱装置がロータリーキルンで構成されていても構わない。
かかる構成によれば、加熱装置内において、バイオマス灰の粗粉と塩素源が良好に混合され、且つ、均質に加熱されるため、アルカリ金属の塩化焙焼を効率的に生じさせることが可能であるとともに、そのような加熱処理を連続的に実施できる。なお、前記ロータリーキルンの燃焼方式は特に限定されず、内燃式でも外熱式であっても構わない。
前記アルカリ金属除去装置は、前記加熱装置に対して、酸素濃度10%以下の燃焼用ガスを導入するガス源を備えるものとしても構わない。
かかる構成によれば、加熱装置内で粗粉と塩化物とを加熱する際の雰囲気を低酸素濃度にできるため、粗粉に含まれるアルカリ金属を、高効率でアルカリ金属塩化物に変化させることができる。
前記アルカリ金属除去装置は、前記分級装置で得られた前記粗粉を粉砕する粉砕装置を備え、
前記加熱装置は、前記粉砕装置で粉砕された状態の前記粗粉を前記塩素源と共に加熱するものとしても構わない。
本発明によれば、バイオマス灰からアルカリ金属を効率的に除去できる。これにより、例えばバイオマス灰をセメント原料等に活用することができる。
本発明に係るアルカリ金属除去方法の手順を模式的に示すフローチャートである。 本発明に係るアルカリ金属除去装置の一構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明に係るアルカリ金属除去装置の別の構成例を模式的に示すブロック図である。 本発明に係るアルカリ金属除去方法の手順の別の例を模式的に示すフローチャートである。 加熱雰囲気と加熱温度を異ならせて真砂土を加熱したときの、カリウム除去率の結果を示すグラフであり、後述の表8の結果に対応する。 加熱雰囲気を異ならせて塩化カルシウムを加熱したときのTG曲線である。 加熱雰囲気に含まれる酸素濃度を異ならせてバイオマス灰の粗粉を加熱したときの、カリウム除去率と酸素濃度の関係を示すグラフであり、後述の表9の結果に対応する。
本発明が適用されるバイオマス灰は、アルカリ金属(Na,K)を塩化物、炭酸塩、硫酸塩、又はケイ酸塩ガラスとして含有し、R2O換算(R2O=Na2O+0.658×K2O)で3質量%以上50質量%以下程度含んでいる。このアルカリ金属の態様の内、塩化物、炭酸塩、硫酸塩は水溶性であり、ケイ酸塩ガラスは難溶性である。
そして、アルカリ金属の水溶性塩である塩化物、炭酸塩、及び硫酸塩はバイオマス灰の微粉側に多く存在し、難溶性のケイ酸塩ガラスはバイオマス灰の粗粉側に多く存在している。
本発明のアルカリ金属除去方法によれば、バイオマス灰に含まれるアルカリ金属の濃度を、上記R2O換算で2.0質量%以下、より典型的には1.5質量%以下にまで低減できるので、バイオマス灰をセメント原料等として有効利用することが可能となる。なお、バイオマス灰中のアルカリ金属の濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した方法などが好ましく例示される。
以下、本発明についてより具体的に図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、これら図面とともに説明する態様に限定されるものではない。
図1は、本発明に係るアルカリ金属除去方法の手順を模式的に示すフローチャートである。また、図2は、図1に示すアルカリ金属除去方法を実施する装置(以下、「アルカリ金属除去装置」と称する。)の一例を模式的に示すブロック図である。図2において、バイオマス灰等の固体及び水等の液体の流れを矢印付きの実線で示し、気体の流れを矢印付き破線で示している。後述する図3においても同様である。
図1に示すように、本発明に係るアルカリ金属除去方法は、分級処理工程S1、加熱処理工程S2、及び水洗処理工程S3を含む。
また、図2に示すように、本発明に係るアルカリ金属除去装置1は、分級装置3、加熱装置7、及び水洗装置9を備えて構成される。
以下、図1に示す各工程での処理内容につき、適宜図2を参照しながら詳述する。
(分級処理工程S1)
分級処理工程S1は、供給されたバイオマス灰BA1を、水溶性のアルカリ金属塩を多く含む微粉BA2と、難溶性のアルカリ金属塩を多く含む粗粉BA3とに分離し、各別に回収する工程である。図2に示すアルカリ金属除去装置1では、分級装置3によって分級処理工程S1が実行される。
ここで、バイオマス灰の微粉BA2(以下、単に「微粉BA2」と略記する。)とは、定められた分級点よりも粒径の細かいバイオマス灰を指し、バイオマス灰の粗粉BA3(以下、単に「粗粉BA3」と略記する。)とは、前記分級点よりも粒径の粗いバイオマス灰を指す。分級処理工程S1において定められる分級点は、好ましくは5μm以上30μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下であり、特に好ましくは5μm以上10μm以下である。
本明細書において、バイオマス灰の粒径とは、断りのない限り、エチルアルコールを溶媒として用いたレーザ回折粒度分布測定法による測定値を指す。なお、入手できる一般的なバイオマス灰の粒径は、燃料であるバイオマスの種類、バイオマスを燃焼するボイラの形式や運転方法によって異なるが、レーザ回折粒度分布測定法によるD50値が15μm以上35μm以下であって、粒径の最大値(D100)は150μm以上1000μm以下である。なお、D50値とは、体積基準の粒度分布において累積50%での粒径を意味する。
分級装置3としては、乾式で、バイオマス灰BA1を上述したようなμmオーダーの分級点で分級できる装置であれば特に限定されず、例えば慣性分級装置、遠心分級装置、重力式分級装置等が好適に使用でき、特に1μm以上20μm以下の粒径での分級を得意とする点から、サイクロン型エアセパレータやターボクラシファイヤ等、回転羽根付きの遠心式空気分級機の使用が好ましい。図2に示す実施形態では、分級装置3がサイクロン型エアセパレータで構成されている場合が図示されている。
分級装置3には、バイオマス灰BA1の貯槽が付設されていてもよい。さらに、かかる貯槽からバイオマス灰BA1を定量的に分級装置3に供給するための供給装置が付設されていてもよい。これらの貯槽や供給装置は、受入れたバイオマス灰BA1の状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
この分級処理工程S1が、工程(a)に対応する。
(加熱処理工程S2)
加熱処理工程S2は、分級処理工程S1で分級されることで得られた粗粉BA3を塩素源CLと共に加熱する工程である。この加熱処理工程S2により、粗粉BA3に含まれる難溶性のアルカリ金属塩が、水溶性のアルカリ金属塩(アルカリ金属塩化物)に変化する。図2に示すアルカリ金属除去装置1では、加熱装置7によって加熱処理工程S2が実行される。
図2に示すアルカリ金属除去装置1は、受入れた塩素源CLを加熱装置7へ供給するための塩素源供給装置5を備えている。塩素源CLとしては、塩素を含んだものであれば特に限定されないが、廃ポリ塩化ビニル等のモノマー中に有機塩素を少なくとも一つ含む廃プラスチックや、塩化カルシウム等の無機化合物塩素が混入する可燃性廃棄物を好適に利用できる。塩素源供給装置5には、受入れた塩素源CLの貯槽が付設されていてもよい。
塩素源CLは、塩素を0.8質量%以上含有するのが好ましく、1.2質量%以上含有するのがより好ましく、2質量%以上含有するのが特に好ましい。なお、ここでいう塩素源CL中の塩素の濃度は、周知の方法で測定することができ、例えば、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した方法を利用することができる。
塩素源CLは、加熱装置7において粗粉BA3との良好な混合状態を形成しつつ塩素源CLからの塩素の揮発を十分に生じさせてアルカリ金属の塩化揮発を効率的に生じさせる観点から、好ましくは80mm以下の大きさであり、より好ましくは40mm以下の大きさであり、特に好ましくは10mm以下の大きさである。なお、塩素源CLの大きさとは、塩素源CLが通過する最小の篩いの目開きを指す。
上記の観点から、塩素源供給装置5に付設された貯槽の上流側に、受入れた塩素源CLから粗大物を除去するための分級装置や粗大物を所定の粒度にするための粉砕分級装置が付設されていてもよい。これらの分級装置や粉砕分級装置は、受入れた塩素源CLの状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
塩素源供給装置5には、排出量調整バルブ等の排出量調整装置が付設されて加熱装置7への塩素源CLの供給量を調整することが可能になっている。したがって、この排出量調整装置を適切に制御することで、加熱装置7に供給される塩素量を適切に管理することが可能になる。
より具体的には、加熱処理工程S2で処理される粗粉BA3と塩素源CLの割合は、単位時間中に加熱処理工程に供せられる粗粉BA3中の全アルカリ金属成分のモル量(A)に対する、単位時間中に加熱処理工程に供せられる塩素源CL中の全塩素のモル量(B)の比率(B/A)の値が1以上5以下となるように、設定されるのが好ましい。なお、前記比率(B/A)の値は、2以上5以下であるのがより好ましい。比率(B/A)の値が1.5を下回ると、塩素量が少ないために粗粉BA3中のアルカリ金属成分のうち、塩素と反応できないアルカリ金属成分が多く残存してしまう場合がある。また、逆に比率(B/A)の値が5を超えると、揮発、散逸する塩素量が多くなって設備の腐食の進行を早めてしまう場合がある。
加熱装置7は、上述したように、粗粉BA3と塩素源CLとを一緒に加熱する。具体的には、塩素源供給装置5からは塩素源CLが、分級装置3の排出口3bからは粗粉BA3が、それぞれ加熱装置7に供給され、加熱装置7において塩素源CLと粗粉BA3とが一緒に加熱される。これにより、粗粉BA3内のアルカリ金属と塩素源CLから揮発した塩素とが反応して水溶性のアルカリ金属塩が生成される。
加熱処理工程S2における加熱温度は、粗粉BA3中のアルカリ金属と塩素源CL中の塩素による塩化焙焼を効率的に生じさせつつ、粗粉BA3を溶融させない観点から、650℃〜1200℃が好ましく、800℃〜1200℃がより好ましい。加熱温度が650℃未満であると塩化焙焼の反応が不十分となり、場合によっては水溶性アルカリ金属塩が生成しないか、生成効率が低くなることがある。一方、加熱温度が1200℃を超えると、粗粉BA3に部分的な溶融や大径化が生じて水溶性アルカリ金属塩の生成効率が低下する場合がある。
なお、後述するように、粗粉BA3に含まれるアルカリ金属の存在形態によっては、より好ましい温度条件が異なる。粗粉BA3には、アルカリ金属が長石の形態で含まれる場合があり、この形態での存在量が多い場合には、800℃程度の温度条件では塩化焙焼による効果が十分には得られないことがあるため、1000℃〜1200℃とするのがより好ましい。ただし、粗粉BA3に含まれるカリ長石の含有量によっては、800℃程度でも粗粉BA3に含まれるアルカリ金属をアルカリ金属塩に効率的に変化させることができるため、加熱温度については800℃〜1200℃の範囲内で適宜調整されるものとしても構わない。
加熱処理工程S2における加熱時間は、加熱温度に応じて10分間以上2時間以下の範囲内で適宜設定すればよい。この加熱時間は、粗粉BA3中のアルカリ金属と塩素源CL中の塩素とを十分に反応させる観点から、加熱温度が高い場合には短く、加熱温度が低い場合には長くする必要がある。具体的には、加熱温度が650℃の場合は30分間以上2時間以下、加熱温度が1000℃の場合は10分間以上30分間以下とするのが好適である。
加熱装置7内の雰囲気は、特に制限されず、酸化雰囲気でも還元雰囲気でもよい。図2に示す例では、吸気ファン33から燃焼用の大気G1が加熱装置7内に送り込まれている。
ただし、本発明者らの鋭意研究の結果、この加熱処理工程S2が特に800℃以上のような高温下で行われる場合には、加熱時の雰囲気を低酸素濃度にすることで、アルカリ金属をより高い効率でアルカリ金属塩化物に変化させられることを新たに見出した。具体的には、雰囲気中の酸素濃度を10%以下とするのが好ましく、5%以下とするのがより好ましい。なお、雰囲気中の酸素濃度の下限値は0%であり、典型的には窒素雰囲気である。
この理由として、本発明者らは、雰囲気中に含まれる酸素が多い場合(例えば大気雰囲気)には、以下の(1)式の反応が支配的になり、雰囲気中に含まれる酸素が少ない場合(例えば窒素雰囲気)には、以下の(2)式の反応が支配的になるためと考えている。なお、以下の(1)式及び(2)式では、塩素源CLの例としてCaCl2(塩化カルシウム)を挙げている。実施例を参照して後述されるように、Cl2(塩素)の揮発速度よりもCaCl2の揮発速度の方が遅いことが確認された。
CaCl2(s) + 1/2O2(g) → CaO(s) + Cl2(g) …(1)
CaCl2(s) → CaCl2(g) …(2)
ここで、(1)式の反応によって塩素の揮発が顕著になるのは、加熱温度が特に850℃を超えるような高温になった場合であり、1000℃を超えるとより顕著に現れる。つまり、加熱処理工程S2は、800℃以上、より典型的には1000℃以上のような高温下で行われる場合には、雰囲気を低酸素濃度とするのが好ましい。
加熱装置7における水溶性のアルカリ金属塩の生成反応を効率的に生じさせるために、粗粉BA3と塩素源CLは十分に混合された状態で加熱されることが望ましい。かかる観点から、加熱装置7を内燃式ロータリーキルンで構成することができる。焼成炉が回転運動するロータリーキルンであれば、被加熱処理物である粗粉BA3と塩素源CLとの混合及び撹拌を物理的且つ連続的に行いながら、加熱処理を行うことが可能である。
加熱装置7(典型的にはロータリーキルン)における加熱雰囲気を大気G1とする場合には、加熱装置7に対して燃焼用空気としての大気G1が吸気ファン33から供給される。ロータリーキルンでは、吸気ファン33によって内燃バーナ31の燃焼用空気として用いられた大気G1が、キルン内部を粗粉BA3と塩素源CLの流れに対して向流する方向に流れた後、燃焼排ガスG2としてキルン外に排出される。
また、加熱雰囲気を低酸素濃度の気体(例えば窒素)とする場合には、図3に示すように、ガス源34から吸気ファン33を通じて低酸素濃度のガスG1aが加熱装置7内に送り込まれる。ここでいうガス源34としては、空気から酸素を分離する空気分離装置としても構わないし、他の燃焼炉からの排ガスが排出されるガス排出路としても構わない。更に、図2に示すように、加熱装置7に対して吸気ファン33を通じて大気を流入させながら、吸気量と燃料の焚量を調整することで、加熱装置7内の雰囲気の酸素濃度を低下させるものとして構わない。
なお、加熱装置7は、粗粉BA3と塩素源CLとの混合物を650℃〜1200℃の温度範囲で加熱できるものであれば特に限定されず、固定炉、ストーカ炉、ロータリーキルン、流動床炉、竪型炉、多段炉等の加熱炉が使用できる。なかでも、物理的撹拌が行えるという観点からは、上記のロータリーキルンが好ましい。
なお、アルカリ金属及び塩素は、加熱処理の際には共に揮発しやすい成分であることから、燃焼排ガスG2にアルカリ金属と塩素が含まれる場合がある。よって、例えば、加熱装置7の排気系の煙道中で、温度がアルカリ金属の塩化物の凝固点を下回る箇所において、当該塩化物の析出が生じる場合がある。かかる塩化物は、回収して肥料等に用いることも可能である。
また、加熱装置7には、供給された粗粉BA3の貯槽が付設されていてもよい。さらに、かかる貯槽から粗粉BA3を定量的に加熱装置7に供給するための供給装置が付設されていてもよい。これらの貯槽や供給装置は、供給された粗粉BA3の状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
加熱装置7からは、難溶性のアルカリ金属が水溶性塩に変化した粗粉BA3と、塩素源CLの焼却残渣との混合物である加熱処理物P1が排出される。排出された加熱処理物P1は、水洗装置9に送出される。
この加熱処理工程S2が、工程(b)に対応する。
(粉砕処理工程S1a)
図4に示すように、分級処理工程S1によって分級された粗粉BA3に対して、粒度を細かくするための粉砕処理工程S1aが行われた後に、加熱処理工程S2に送られるものとしても構わない。図3に示すアルカリ金属除去装置1は、この粉砕処理工程S1aの実行が予定されている例が模式的に示されており、粉砕装置4によって粉砕処理工程S1aが実行される。
粗粉BA3には、難溶性のアルカリ金属塩が全体的に満遍なく含まれていることが想定される。加熱処理工程S2の前にこの粉砕処理工程S1aが実行されることで、アルカリ金属の露出面積が増加するため、加熱処理工程S2において塩素源CLに含まれる塩素との反応性が向上し、より高効率でアルカリ金属塩化物に変化させることができる。粉砕処理工程S1aによって粗粉BA3が粉砕されることで得られた粗粉粉砕物BA3aが、加熱処理工程S2に供される。ただし、この粉砕処理工程S1aを加熱処理工程S2の前段で行うか否かは任意である。
粉砕処理工程S1aによって粉砕された後の粗粉粉砕物BA3aの粒径は、好ましくは5mm以下、より好ましくは4mm以下、特に好ましくは3mm以下である。粗粉粉砕物BA3aの粒径の下限値に特に制限はないが、後段で実行される上記の加熱処理工程S2において、燃焼排ガスによって粗粉粉砕物BA3aが加熱装置7の加熱炉の外に排出されないようにする観点から、1μm以上である。
粉砕装置4は、粒径が5mm以下となるように、塊状の粗粉BA3を粉砕することが望ましく、その設備仕様は塊状の粗粉BA3の性状に応じて適宜設定すればよい。粉砕装置4は、複数の装置の組み合わせであってもよい。
具体的には、粉砕装置4としては、チューブミル、竪型ローラーミル、ジョークラッシャ、ジャイレトリクラッシャ、コーンクラッシャ、インパクトクラッシャ、ロールクラッシャ及びエアロフォールミル等が好適に使用できる。なお、これらの装置を複数組合せて粉砕装置4とする場合、各粉砕機の間に分級機を併設して閉回路粉砕システムを構築することによって、粒度の揃った粗粉粉砕物BA3aを効率的に得ることができる。この場合の分級機としては、所定の分級点で粗粉粉砕物BA3aを分級できるものであれば特に限定されず、篩い(面内運動篩い、振動篩い)、重力式分級機、慣性力式分級機、サイクロン等の遠心式分級機、サイクロンエアセパレータ等の回転羽根付きの遠心式分級機等が好適に使用できる。なかでも、設備の簡便性と操作、調整の容易性からサイクロンエアセパレータ等の回転羽根付きの遠心式分級機が好ましい。粉砕装置4として、分級機や篩い網が内蔵された粉砕機を用いることもできる。
この粉砕処理工程S1aが、工程(d)に対応する。
(水洗処理工程S3)
水洗処理工程S3は、分級処理工程S1において分離回収された微粉BA2と、加熱処理工程S2で得られた加熱処理物P1とを水洗する工程である。この水洗処理工程S3により、微粉BA2及び加熱処理物P1に含まれる水溶性のアルカリ金属塩が溶解除去される。図2に示すアルカリ金属除去装置1では、水洗装置9によってこの水洗処理工程S3が実行される。
この水洗処理工程S3で用いられる溶媒としては、水が好ましい。
水洗装置9では、分級装置3で分離回収されて排出口3aから供給された微粉BA2、及び/又は加熱装置7から供給された加熱処理物P1と、水W1とを混合してスラリーLr1を生成した後、スラリーLr1の撹拌を継続して、微粉BA2及び/又は加熱処理物P1中の水溶性のアルカリ金属塩を水に溶解させる。
一例として、図2に示す水洗装置9には、微粉BA2と加熱処理物P1の供給ホッパ11、及び水W1の供給装置13が付設されている。また、水洗装置9には、微粉BA2及び/又は加熱処理物P1と水W1の混合、並びに、前記混合によって生成されたスラリーLr1を攪拌するためのスラリー攪拌装置35が付設されている。スラリー攪拌装置35としては、例えば、一般的な、パドル型やスクリュー型のものを用いればよく、図2に示す実施形態では撹拌翼を備えている。
供給ホッパ11の上流側に、受入れた加熱処理物P1中の大径物を適当な大きさに粉砕するための粉砕装置が付設されていてもよい。この粉砕装置は、加熱処理工程S2から供給された加熱処理物P1の状態に応じて適宜に使用するようにしてもよい。
水溶性のアルカリ金属塩の水への溶解度は非常に高く、また水温を変えてもその溶解度は大きく変わらない。このため、水洗処理工程S3で用いられる溶媒としては、常温の水を、微粉BA2と加熱処理物P1との混合物(以下、「水洗処理物」と称する場合がある。)の合量(質量)の3倍量以上、好ましくは4倍量以上、より好ましくは5倍量以上の量だけ用いればよい。
水洗処理工程S3における、水洗処理物と水からなるスラリーLr1の撹拌時間は、10分以上が好ましく、15分以上がより好ましく、20分以上が特に好ましい。通常、水溶性アルカリ金属塩は水に非常に溶けやすいので、スラリーLr1の撹拌に特段の条件は必要とならない。
かかる水洗処理工程S3によって、バイオマス灰BA1が分級されてなる、微粉BA2及び粗粉BA3の双方に含まれていたアルカリ金属が、いずれも水に溶解される。アルカリ金属が水に溶解された状態のスラリーLr1は、後段に設置された固液分離装置17によって、含水率が有効に低減されてセメント原料等として利用可能な固体物(ケーキC1)と排水W3とに分離される。
スラリーLr1を固液分離装置17に輸送する際には、スラリー用渦巻きポンプ、ピストンポンプ、及び、モーノポンプ、ホースポンプ等の汎用のスラリー液用輸送装置(不図示)を用いればよい。
固液分離装置17としては、フィルタープレス、加圧葉状濾過装置、スクリュープレス、ベルトプレス、ベルトフィルター等の汎用のろ過装置等を用いればよい。図2に示す実施形態では、固液分離装置17がフィルタープレスで構成されている場合が図示されている。
固液分離装置17には、洗浄水W2の供給装置15が付設されており、輸送されたスラリーLr1を、水洗処理物のケーキC1(固相)と、アルカリ金属を含む排水W3(液相)とに分離する。このとき、ケーキC1は洗浄水W2で洗浄されつつ分離される。洗浄水W2としては、常温の水を、水洗処理物の質量の3倍量以上、好ましくは4倍量以上、より好ましくは5倍量以上の量だけ用いればよい。
固液分離装置17によって分離されたケーキC1は、アルカリ金属成分の濃度が2.0質量%以下、より典型的には1.5質量%以下にまで低減されているので、セメント原料等に有効に利用することができる。ここでいうアルカリ金属の濃度とは、周知の方法での分析値、例えば、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠した方法による分析値や、酸分解試料についてのICP発光分光分析法による分析値を指す。
この水洗処理工程S3が、工程(c)に対応する。
通常、バイオマス灰BA1に含有される全アルカリ金属成分の内、水溶性塩の形態をとるアルカリ金属成分は、モル換算で、全体100%中の25%以上45%以下であり、難溶性塩の形態をとるアルカリ金属成分は、全体100%中の55%以上75%以下である。
また、バイオマス灰BA1に含有される全アルカリ金属成分の内、粒径30μm以下のバイオマス灰、すなわち微粉BA2中に含有される全アルカリ金属成分は、モル換算で、全体100%中の40%以上60%以下であり、その内、70%以上90%以下が水溶性のアルカリ金属成分である。
したがって、分級処理工程S1においてバイオマス灰BA1から微粉BA2と粗粉BA3に分級した後、水洗処理工程S3において微粉BA2に対して水洗することによって、バイオマス灰BA1に含有される全アルカリ金属成分の内30%以上50%以下を除去することができる。
なお、分級処理工程S1におけるバイオマス灰BA1の分級点を10μmとした場合には、分級処理工程S1で分級された粒径10μm以下の微粉BA2に対して水洗処理工程S3において水洗することで、バイオマス灰BA1に含有される全アルカリ金属成分の内20%以上35%以下を除去することができる。
更に、粗粉BA3に多く含まれる、難溶性塩の形態をとるアルカリ金属成分については、塩素源CLと共に加熱されることで塩化焙焼され、水溶性塩に変化させられる。この結果、水洗処理工程S3において水洗することで、その多くが除去される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明するために具体的な試験例を示すが、本発明はこれら試験例の態様に限定されるものではない。
(検証1)
バイオマス灰BA1として、PKSを主燃料とするバイオマス発電プラント(循環流動層ボイラ)の排ガス集塵機(バグフィルタ)で捕集された飛灰を用いた。下記表1には、アルカリ金属については酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で、その他の化学成分にはペレット試料の蛍光X線分析法による分析で得られた、バイオマス灰BA1の化学組成を示す。なお、表1内の「R2O」とは、上述したように、本組成物中の全アルカリ金属成分量として「R2O=Na2O+0.658×K2O」で算定された値を示す。
また、表1に示すバイオマス灰BA1のレーザ回折・散乱法に基づく粒度分布を測定したところ、D10値が4.4μm、D50値が19.5μm、D90値が63.5μmであった。
Figure 2021146335
塩素源CLとしては、バイオマス灰の粗粉BA3中のアルカリ金属成分R2Oの含有量A(mol)に対する塩素源CL中の塩素含有量B(mol)の比率、B/A=2となる量の、目開き1mmの篩いを全通した廃ポリ塩化ビニルの破砕物が用いられた。
実施例における、分級処理工程S1、加熱処理工程S2、及び水洗処理工程S3の主要操作因子は、以下のように設定された。
(分級処理工程S1)
バイオマス灰BA1の分級点:10μm
(加熱処理工程S2)
粗粉BA3と塩素源CLの混合物に対する加熱温度と加熱時間:950℃±25℃×15分間
(水洗処理工程S3)
水W1の使用量:微粉BA2と加熱処理物P1との混合物の質量の4倍
撹拌時間:10分間
固液分離装置17での洗浄水W2の使用量:ケーキC1の質量の4倍
比較例として、全ての粒度のバイオマス灰BA1に水洗処理工程S3のみを行った。このときの操作因子は以下のように設定された。
水W1の使用量:微粉BA2と加熱処理物P1との混合物の質量の4倍
撹拌時間:10分間
固液分離装置17での洗浄水W2の使用量:ケーキC1の質量の4倍
各工程を経た後のバイオマス灰が含有する全アルカリ金属成分量(R2O)を、酸分解試料のICP発光分光分析法で確認した。分析結果を表2に示す。なお、表2中の質量割合とは、バイオマス灰BA1が100質量%に対する、微粉BA2と粗粉BA3への分級割合(質量%)を示す値である。
Figure 2021146335
表2から分かるとおり、単に全粒度のバイオマス灰BA1に対して水洗処理工程(S3)を実行した場合、処理前のバイオマス灰BA1に含まれるアルカリ金属の割合が4.3質量%であったのに対し、処理後のケーキC1に含まれるアルカリ金属の割合が2.8質量%となり、低下割合は35質量%程度であった。
これに対し、本発明のアルカリ金属除去方法によれば、全量を水洗処理する前に、全体の7割を加熱処理するだけで、処理後のケーキC1に含まれるアルカリ金属の割合を1.4質量%にまで低下できており、処理前のバイオマス灰BA1と比較して含有アルカリ金属の割合を70質量%程度減少できている。これにより、ケーキC1に含まれるアルカリ金属の割合を、比較例よりも大幅に低下できていることが分かる。すなわち、本発明のアルカリ金属除去方法によれば、粗粉BA3に多く含まれる難溶性のアルカリ金属を塩化焙焼によって水溶性のアルカリ金属塩に変化させた後に水洗処理が行われたことで、比較例よりもアルカリ金属を多く除去できたものと考えられる。
なお、表2において、バイオマス灰BA1に含まれるアルカリ金属成分量の割合よりも、分級処理工程S1実行後に得られた微粉BA2に含まれるアルカリ金属成分量の割合が上昇しているのは、相対的に粗粉BA3よりも微粉BA2にアルカリ金属成分が多く含まれていることによるものである。ただし、上記のとおり、微粉BA2に含まれるアルカリ金属には水溶性のアルカリ金属塩が多く含まれているため、後段に実施される水洗処理工程S3によって、その多くが除去される。
(検証2)
バイオマス灰BA1に対して、分級点を10μmとして分級処理工程S1を実施し、得られた粗粉BA3に対して異なる2パターンの加熱条件で加熱処理工程S2を行った後、水洗処理工程S3を実行した。
加熱処理工程S2で投入された塩素源CLの種類及び量は、検証1と同様とした。また、水洗処理工程S3の実施条件は、撹拌時間を30分間とした点を除いて検証1と共通とした。
表3には、原粉としてのバイオマス灰BA1、分級処理工程S1で得られた微粉BA2及び粗粉BA3について、アルカリ金属については酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で、その他の化学成分にはペレット試料の蛍光X線分析法による分析で得られた、それぞれの化学組成を示す。
Figure 2021146335
また、表4には原粉としてのバイオマス灰BA1、分級処理工程S1で得られた微粉BA2及び粗粉BA3のそれぞれに対するXRD解析結果を示す。なお、表4では、XRD解析の結果、存在が確認されたものを「○」、微量に存在が確認されたものを「△」、存在が全く確認されなかったものを「×」と表記している。
Figure 2021146335
表5に、本検証実験で得られた結果を示す。
Figure 2021146335
なお、表5において、K除去率は以下の(3)式で算定された値が採用された。後述する他の検証においても算定方法は共通である。
K除去率=[d1−{(1−d2)−d3}×d4]/d1 …(3)
ただし、(3)式内の各記号は、それぞれ以下の値である。
d1: 加熱処理前のアルカリ金属含有物(バイオマス灰の粗粉BA3。後述する検証4では真砂土)に含まれるK(カリウム)の含有率(濃度)
d2: 加熱処理工程S2によるアルカリ金属含有物の重量減少率
d3: 水洗処理工程S3によるアルカリ金属含有物の重量減少率
d4: 固液分離後に得られたケーキC1に含まれるKの含有率(濃度)
なお、実験で利用されたバイオマス灰の粗粉BA3の、処理前のK含有率d1=3.4%であった。
表5の結果によれば、加熱処理工程S2において、雰囲気を窒素とし、且つ加熱温度を高めることで、アルカリ金属としてのK(カリウム)が効率的に除去できることが示唆される。
この理由の一つとして、表4に示すように、粗粉BA3には微粉BA2と比べてK(カリウム)が長石(カリ長石)の形態で多く存在していることが考えられる。カリ長石を多く含むバイオマス灰以外の材料として真砂土が存在するが、真砂土についても、後述する検証4の結果が示すように、加熱温度を1000℃以上に高めることでK除去率が高められることが分かる。
なお、バイオマス灰BA1は、バイオマスが流動床炉で焼却されることで得られるのが一般的である。そして、この流動床で用いられる流動砂がバイオマス灰BA1に含まれる結果、流動砂由来のカリ長石がバイオマス灰BA1に混在しているものと推察される。流動砂は粒径が比較的大きいため、分級処理工程S1を経た後の粗粉BA3側に分配されやすい(表4参照)。
(検証3)
カリ長石を含むアルカリ金属含有物を塩素源CLと共に加熱する際の温度の影響について、真砂土を用いて検証を行った。表6には、アルカリ金属については酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で、その他の化学成分にはペレット試料の蛍光X線分析法による分析で得られた、検証に用いられた真砂土の化学組成を示す。
Figure 2021146335
また、表7には、この真砂土のXRD解析の分析結果を示す。表7によれば、真砂土においても、バイオマス灰の粗粉BA3と同様に、カリウムが長石(カリ長石)の形態で存在していることが確認される。なお、表7では、XRD解析の結果、存在が多数確認されたものを「◎」、存在が確認されたものを「○」、微量に存在が確認されたものを「△」と表記している。
Figure 2021146335
上記のアルカリ金属含有物としての真砂土に対し、真砂土に含まれるアルカリ金属成分としてのカリウムの含有量(mol)に対する2倍のモル数を有する塩素含有物(CaCl2試薬粉末)を混合した後、温度及び雰囲気を表7に示す条件に設定した状態で、恒温電気炉に60分間静置して加熱処理物P1とした。その後、検証1と同様の条件で水洗・固液分離処理を行い、ケーキC1を得た。
そして、得られたケーキC1について、アルカリ金属成分の含有量を、酸分解試料のICP発光分光分析法による分析で求めた。この結果を表8及び図5に示す。なお、真砂土の処理前のK含有率d1=3.6%であった。
Figure 2021146335
なお、表8において、試験条件を識別するための水準符号として、#B11や#B21等を用いているが、符号の#の次のアルファベットは、アルカリ金属含有物として利用されたサンプルの種別を示しており、「B」は真砂土に対応する。なお、後述する表9においては、#A11、#A21等の水準符号が用いられれるが、符号の#の次のアルファベット「A」は、アルカリ金属含有物として利用されたサンプルがバイオマス灰(粗粉BA3)であることを示すものである。
また、アルファベットの次に表示される数字(1,2)は、加熱時の雰囲気を示しており、「1」が大気雰囲気を含む15%以上の酸素濃度の場合に対応し、「2」が窒素雰囲気を含む10%以下の酸素濃度の場合に対応する。なお、最も末尾に付された数字は、相互を区別するための識別子に対応する。以下の表9においても同様である。
表8は、アルカリ金属含有物として真砂土を用いた場合において、塩素源CLの混合量を共通とした上で、加熱雰囲気を大気とした場合(水準#B11〜#B14)と、加熱雰囲気を窒素とした場合(水準#B21〜#B24)とで、それぞれ加熱温度を800℃〜1200℃で変化させたときの、カリウムの除去量の比較結果が示されている。図5は、表8の結果をグラフ化したものである。
水準#B12と水準#B22、水準#B13と水準#B23、及び水準#B14と水準#B24をそれぞれ対比すると、加熱温度が1000℃以上の場合には、加熱温度及び塩素源CLの混合量が同一であっても、大気雰囲気より窒素雰囲気の方がカリウム除去率が高いことが分かる。
これに対し、加熱温度が800℃の場合、水準#B11と水準#B21を対比すると、大気雰囲気と窒素雰囲気とで、カリウム除去率に実質的な差が認められない。この結果は、真砂土の場合、カリウムがカリ長石の形態で多く存在していることから、800℃では塩素との反応速度が低く、雰囲気による反応量の差が生じなかったことに由来するものと推定される。
つまり、表8及び図5の結果から、アルカリ金属を除去する対象物(アルカリ金属含有物)として真砂土を用いる場合、言い換えればカリ長石の形態でカリウムが多く含まれる材料を用いる場合には、加熱温度を1000℃以上とした上で、且つ加熱雰囲気を低酸素濃度とするのが好適であることが分かる。
この検証3の結果は、検証2の結果とも整合する。すなわち、検証2において、窒素雰囲気で且つ加熱温度を1000℃とした場合(水準#2)は、大気雰囲気で且つ加熱温度を950℃とした場合(水準#1)よりも、カリウムの除去率が向上した。この理由は、表4に示すように、粗粉BA3にはカリ長石の形態でカリウムが一定程度含まれているためであると考えられる。
(検証4)
検証3の結果から、加熱温度を高温とし、且つ低酸素濃度の雰囲気とすることで、アルカリ金属(特にカリウム)の除去率が向上した理由について、検証した。
塩素源CLとしての例である塩化カルシウムを熱重量示差熱分析装置(TG−DTA)に設置し、大気雰囲気と窒素雰囲気の2パターンでそれぞれ温度を変化させながら重量の変化の態様を計測した。この結果をTG曲線として図6に示す。なお、図6において横軸は温度[℃]を示し、縦軸は、処理前のサンプルの重量に対する、重量の減少量(処理後重量−処理前重量)の比率を示している。
図6によれば、800℃近傍まで加熱した場合、温度上昇による重量の減少はほとんど生じていない。しかし、850℃を超えるような温度条件になると、窒素雰囲気に比べて大気雰囲気の場合には、温度上昇に伴う重量の減少率が高いことが分かる。特に800℃〜1300℃の範囲内においては、窒素雰囲気で塩化カルシウムを加熱した場合、大気雰囲気の場合よりも重量の減少量は少ない。なお、窒素雰囲気の場合であっても、1200℃を超えるような温度条件下であれば、温度が上昇するに伴って重量の減少率は高まっていることが確認される。
大気のように酸素を多く含む雰囲気下で塩化カルシウムを加熱した場合、上述した(1)式の反応が支配的となり、塩素が揮発したことで重量が減少したものと考えられる。念の為、(1)式を再掲する。
CaCl2(s) + 1/2O2(g) → CaO(s) + Cl2(g) …(1)
一方で、酸素濃度が低い又は酸素を含まない雰囲気(ここでは窒素雰囲気)で塩化カルシウムを加熱した場合、上述した(2)式の反応が支配的となり、加熱対象物である塩化カルシウム自体が揮発したことで重量が減少したものと考えられる。念の為、(2)式を再掲する。
CaCl2(s) → CaCl2(g) …(2)
そして、図6の結果からは、塩素の揮発速度が、塩化カルシウムの揮発速度よりも速いことを示唆するものである。つまり、例えば加熱処理工程S2において塩素源CLと粗粉BA3(又はその粉砕物BA3a)の混合物を1000℃程度で加熱することを想定すると、加熱装置7の加熱炉が大気雰囲気である場合には、塩素源CLから塩素が揮発しやすく、粗粉BA3に含まれるアルカリ金属との反応効率が低下してしまうことを意味する。これに対し、加熱装置7の加熱炉が窒素雰囲気である場合には、塩素の揮発が抑制される結果、塩素源CLに含まれる塩素と粗粉BA3に含まれるアルカリ金属との接触確率を高く維持することができ、アルカリ金属塩化物を高効率で生成できることが分かる。なお、この検証では、塩素源CLとしてCaCl2(塩化カルシウム)を用いる場合を取り上げたが、MgCl2(塩化マグネシウム)、BaCl2(塩化バリウム)の場合であっても、同様の結果が得られる。
(検証5)
加熱雰囲気に含まれる酸素濃度の影響を検証した。具体的には、検証2と同様の粗粉BA3に対し、加熱温度及び塩素源CLの混合量を共通とした上で(加熱温度800℃、Cl/K=1)、加熱雰囲気に含まれる酸素濃度を0%〜21%の範囲内で変化させたときの、カリウムの除去量を比較した。この結果を表9及び図7に示す。なお、図7は、表9の結果をグラフ化したものである。
Figure 2021146335
なお、表9において、雰囲気中の酸素濃度が0%の場合とは窒素雰囲気に対応し、雰囲気中の酸素濃度が21%の場合とは大気雰囲気に対応する。
図7によれば、雰囲気中の酸素濃度を0%〜10%の範囲内で変化させると、酸素濃度が増加するに連れて、ほぼ線形的にK除去率が低下していることが分かる。これに対し、酸素濃度が10%を超えると、K除去率の低下の程度は緩和されることが分かる。特に、酸素濃度が15%以上の場合には、K除去率の値について大気雰囲気の場合と大きな差が生じないことが分かる。
つまり、表9及び図7の結果からは、酸素濃度を10%以下として加熱処理を行うことで、加熱処理工程S2で利用される塩素源CLの量が同一であっても、カリウム除去率を高められることが分かる。この結果は、雰囲気中の酸素濃度を低くしたことで上記(1)式よりも(2)式の反応が支配的となった結果、塩素の揮発の進行が抑制されて塩素と粗粉BA3に含まれるアルカリ金属との接触確率が高く維持されて、アルカリ金属塩化物を高効率で生成できたことを示唆するものである。
なお、この検証5では、加熱温度が800℃として行われているが、検証2の結果(表5参照)及び検証3の結果(表8、図5参照)に鑑みると、加熱処理工程S2において粗粉BA3を塩素源CLと共に加熱する場合、加熱温度を1000℃以上にした上で、雰囲気の酸素濃度を10%以下とすることで、カリウムの除去率を更に高められることが示唆される。
1 :アルカリ金属除去装置
3 :分級装置
3a :排出口
3b :排出口
4 :粉砕装置
5 :塩素源供給装置
7 :加熱装置
9 :水洗装置
11 :供給ホッパ
13 :水供給装置
15 :洗浄水供給装置
17 :固液分離装置
31 :内燃バーナ
33 :吸気ファン
35 :スラリー攪拌装置
BA1 :バイオマス灰
BA2 :微粉
BA3 :粗粉
BA3a :粗粉粉砕物
C1 :ケーキ
CL :塩素源
G1 :大気
G1a :ガス
G2 :燃焼排ガス
Lr1 :スラリー
P1 :加熱処理物
W1 :水
W2 :洗浄水
W3 :排水

Claims (13)

  1. 木質バイオマスの燃焼灰の飛灰からアルカリ金属を除去する方法であって、
    前記飛灰を微粉と粗粉に分級する工程(a)と、
    前記工程(a)で得られた前記粗粉を塩素源と共に加熱して加熱処理物を得る工程(b)と、
    前記工程(a)で得られた前記微粉と、前記工程(b)で得られた前記加熱処理物とを水洗する工程(c)とを含むことを特徴とする、アルカリ金属除去方法。
  2. 前記工程(a)は、5μm以上30μm以下を分級点として分級する工程であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ金属除去方法。
  3. 前記工程(b)は、650℃以上1200℃以下の温度で加熱する工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ金属除去方法。
  4. 前記工程(b)は、酸素濃度10%以下の雰囲気下で加熱する工程であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  5. 前記工程(b)で利用される前記塩素源は、廃プラスチック及び無機化合物塩素が混入された可燃性廃棄物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  6. 前記工程(b)で利用される前記塩素源は、80mm以下の大きさであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  7. 前記工程(b)は、前記粗粉の全アルカリ金属成分のモル量(A)に対する、前記塩素源の全塩素のモル量(B)の比率(B/A)が、1以上5以下の範囲内で混合された、前記粗粉と前記塩素源との混合物を加熱する工程であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  8. 前記工程(a)で得られた前記粗粉を粉砕して粗粉粉砕物を得る工程(d)を有し、
    前記工程(b)は、前記工程(d)で得られた前記粗粉粉砕物を前記塩素源と共に加熱する工程であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去方法。
  9. 木質バイオマスの燃焼灰の飛灰からアルカリ金属を除去するための装置であって、
    前記飛灰を微粉と粗粉に分級する分級装置と、
    前記分級装置で得られた前記粗粉を塩素源と共に加熱して加熱処理物を得る加熱装置と、
    前記分級装置で得られた前記微粉と、前記加熱装置で得られた前記加熱処理物とを水洗する水洗装置とを備えることを特徴とする、アルカリ金属除去装置。
  10. 前記分級装置が回転羽根付きの遠心式空気分級機で構成されることを特徴とする請求項9に記載のアルカリ金属除去装置。
  11. 前記加熱装置がロータリーキルンで構成されることを特徴とする請求項9又は10に記載のアルカリ金属除去装置。
  12. 前記加熱装置に対して、酸素濃度10%以下の燃焼用ガスを導入するガス源を備えたことを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去装置。
  13. 前記分級装置で得られた前記粗粉を粉砕する粉砕装置を備え、
    前記加熱装置は、前記粉砕装置で粉砕された状態の前記粗粉を前記塩素源と共に加熱することを特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載のアルカリ金属除去装置。
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