JP2021145482A - 診断装置、診断方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光発電システムにおいて、配線の施工状態の正常/非正常を判別可能にし、施工品質を向上させる。【解決手段】診断装置は、太陽電池の電流電圧特性を取得することS101と、電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することS103と、短絡電流値および開放電圧値に基づいて正規化された電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することS105と、算出されたサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することS106と、を実行する制御部を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、太陽電池を用いた太陽光発電システムの施工状態を診断可能な診断装置、診断方法およびプログラムに関する。
太陽光をエネルギー源として直接的に発電する太陽電池を用いた太陽光発電システムでは、太陽電池の電流電圧特性(「I−V特性」ともいう)、または、電圧発電力(P−V特性ともいう)を測定し、当該測定結果に基づいて、架台や屋上等に設けられた当該太陽電池の動作状態を把握することが知られている。例えば、特許文献1では、太陽電池の異常を判定するための基準となる電流電圧特性を簡易に取得し、太陽電池の異常を判定する、とされる技術が開示されている。太陽電池のI−V特性やP−V特性の測定は、一般的にIVカーブトレーサを用いて計測される。
ここで、太陽光発電システムにおいては、セルと称する発電単位を複数に直並列させてモジュール化した太陽電池モジュールを構成単位として施工が行われる。太陽光発電システムの施工においては、複数の太陽電池モジュールを直列に接続させた構成のストリング、当該ストリングをさらに並列に接続させた構成の太陽電池アレイ(または、単に「アレイ」)が採用される。そして、発電電力の規模に応じて、複数の太陽電池アレイが架台や屋上等に設けられる。
特開2012−186409号公報
上述したように、太陽光発電システムは複数の太陽電池モジュールを含んで構成される。このため、太陽電池モジュール間を接続する配線数は、発電電力の規模大きさに比例して増大することになる。太陽光発電システムの施工現場においては、カーブトレーサで計測されたI−V特性やP−V特性のグラフ形状を見て太陽電池モジュール間やストリング間、アレイ間の配線状態の正常/非正常を判断している。しかしながら、上記グラフ形状から、上記配線状態の正常/非正常を判断するためには、作業者の知識や経験に依存しており、判断品質にばらつきがある。上記配線状態に施工不良(配線忘れ、接続ミス等)が生じた場合には、発電電力量の低下を招くことになり、設計時に意図した発電量が得られない。また、ストリングや、複数のストリングを並列に接続させる太陽電池アレイが含まれる場合には、ストリング間やアレイ間の電圧バランスが崩れるため、当該ストリングやアレイを構成する太陽電池モジュールの故障を引き起こす虞がある。
ところで、特許文献1に開示の技術では、太陽電池モジュールの定格から異常判断の基準になる基準IVカーブ特性を求め、当該基準IVカーブの面積と、計測された実測IVカーブの面積との差分から、正常と非正常との切り分けを行っている。しかしながら、特許文献1に開示の技術では、各面積間の差分から正常と非正常との切り分けを行うのみで、非正常の種類までは判別されない。例えば、複数の太陽電池モジュールを直列に接続させたストリング間を接続する配線の配線忘れや誤配線等は判別できない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を判別可能にし、太陽光発電システムにおける
施工品質を向上させる技術を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明に係る診断装置は、
1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する診断装置であって、
前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
を実行する制御部を備えることを特徴とする。
ここで、「第1特性値」が電圧値の場合には「第2特性値」は電流値であり、「第1特性値」が電流値の場合には「第2特性値」は電圧値である。これにより、短絡電流(Isc)から開放電圧(Voc)に到達するまで、第1特性値が電圧値の場合には、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化傾向を示すIVカーブ曲線の形状において、最大電力点近傍における電流値の減少傾向が低電流側、低電圧側にシフトするダレの有無が判定できる。太陽電池を構成するストリング間を接続する配線の接続不良が生じた場合には、当該配線不良による発電電流の減少が、IVカーブ曲線のダレとして生ずることになる。本発明によれば、ダレの有無に基づいて、施工後の太陽電池30を構成するストリング間の接続配線状態が診断可能になる。また、本発明においては、正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを評価値として採用するため、作業者の知識や経験に依存しない均一な判断基準が提供できる。本発明によれば、IVカーブデータの最大電力点近傍の形状に基づいて、太陽電池を構成するストリング間の、接続配線の施工状態の正常/非正常が判別可能になり、太陽光発電システムにおける施工品質が向上できる。
また、本発明において、前記制御部は、前記正規化された電流電圧特性において、少なくとも前記短絡電流値、前記電力値が最大になるサンプル点の第1特性値または第2特性値、前記開放電圧値の3点によって形成される角度値を算出するとともに、算出された前記角度値と第1判定閾値との大小比較の判定結果に基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断するようにしてもよい。これにより、少なくとも、IVカーブデータから、短絡電流値、開放電圧値、最大電力点を求めることで、電力値が最大になるサンプル点近傍の電圧増加または減少に伴う電流値の勾配、電流増加または減少に伴う電圧値に勾配が変化する度合いを評価する評価値として、上記3点のなす角度(優角、劣角)を算出できる。本発明によれば、ストリング構成を含む太陽電池の接続配線の施工不良を短絡電流値、開放電圧値、最大電力点によって形成される角度を、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いの判断基準として採用できる。
また、本発明において、前記制御部は、前記正規化された電流電圧特性において、前記電力値が最大になるサンプル点の近傍における、第1特性値の増加または減少に伴って推移する第2特性値の変化に関する曲率半径を算出するとともに、算出された前記曲率半径
と第2判定閾値との大小比較の判定結果に基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断するようにしてもよい。これにより、IVカーブデータから、少なくとも、最大電力点近傍の、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化や、電流値の増加または減少に伴って推移する電圧値の変化に関する曲率半径を、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いの判断基準として採用できる。
また、本発明において、前記制御部は、さらに、前記太陽光発電モジュールを構成する材料種別毎の、前記太陽電池の発電状態が正常状態における前記電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いの基準を用いて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断するようにしてもよい。これにより、太陽電池30を構成するパネルの種別に個別対応可能な判断基準が提供できる。
また、本発明において、前記制御部は、さらに、前記正規化された電流電圧特性のサンプル点毎の第1特性値および第2特性値に基づいて前記サンプル点毎の電力値を算出するとともに、連続するサンプル点間の差分電力値の符号の正負が反転する回数が所定回数を超えるときには、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかの診断を停止するようにしてもよい。これにより、IVカーブデータにおいて、例えば、電圧増加に伴って電流値の減少傾向が変化する肩部分が複数に存在する段差が生じている場合には、ダレによる診断が停止されるため、段差によるダレの誤検出が防止できる。本発明によれば、ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を診断する診断精度の劣化が防止できる。
また、本発明は、1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する診断方法であって、
前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、短絡電流(Isc)から開放電圧(Voc)に到達するまで、第1特性値が電圧値の場合には、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化傾向を示すIVカーブ曲線の形状において、最大電力点近傍における電流値の減少傾向が低電流側、低電圧側にシフトするダレの有無が判定できる。太陽電池を構成するストリング間を接続する配線の接続不良が生じた場合には、当該配線不良による発電電流の減少が、IVカーブ曲線のダレとして生ずることになる。本発明によれば、ダレの有無に基づいて、施工後の太陽電池30を構成するストリング間の接続配線状態が診断可能になる。また、本発明においては、正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを評価値として採用するため、作業者の知識や経験に依存しない均一な判断基準が提供できる。本発明によれば、IVカー
ブデータの最大電力点近傍の形状に基づいて、太陽電池を構成するストリング間の、接続配線の施工状態の正常/非正常が判別可能になり、太陽光発電システムにおける施工品質が向上できる。
さらに、本発明は、1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
を実行させることを特徴とする。
本発明に係るプログラムによれば、短絡電流(Isc)から開放電圧(Voc)に到達するまで、第1特性値が電圧値の場合には、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化傾向を示すIVカーブ曲線の形状において、最大電力点近傍における電流値の減少傾向が低電流側、低電圧側にシフトするダレの有無が判定できる。太陽電池を構成するストリング間を接続する配線の接続不良が生じた場合には、当該配線不良による発電電流の減少が、IVカーブ曲線のダレとして生ずることになる。本発明によれば、ダレの有無に基づいて、施工後の太陽電池30を構成するストリング間の接続配線状態が診断可能になる。また、本発明においては、正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを評価値として採用するため、作業者の知識や経験に依存しない均一な判断基準が提供できる。本発明によれば、IVカーブデータの最大電力点近傍の形状に基づいて、太陽電池を構成するストリング間の、接続配線の施工状態の正常/非正常が判別可能になり、太陽光発電システムにおける施工品質が向上できる。
本発明によれば、ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を判別可能にし、太陽光発電システムにおける施工品質を向上できる。
本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1におけるストリング構成を接続する配線状態と、I−Vカーブとの関係を説明する図である。 本発明の実施例1における正常/非正常におけるI−Vカーブの変化傾向を説明する図である。 本発明の実施例1における非正常状態のダレが生じたI−Vカーブの特徴を説明する図である。 本発明の実施例1における診断装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明の実施例1における診断装置のより詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1において、判定に係る各種データの一例を示す図である。 本発明の実施例1における診断処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る診断装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例2におけるパネル定格値の一例を示す図である。 本発明の実施例2における診断処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例3に係る診断装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例3におけるI−Vカーブの段差領域を説明する図である。 本発明の実施例3における診断処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施例4におけるIVカーブでの曲率半径の変化を説明する図である。 本発明の実施例4におけるIVカーブデータを用いた曲率半径の算出処理を説明する図である。 本発明の実施例4における電流関数の1階微分および2階微分を求める処理を説明する図である。
〔適用例〕
以下、本発明の適用例について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の適用例に係る診断装置20と連携可能な太陽光発電システム1の機略構成を示すブロック図である。図1には、太陽光発電システム1を構成するパワーコンディショナ(PCS)10と接続される、太陽電池30と、商用電力系統(単に系統ともいう)40と、負荷50とが例示されている。本発明の適用例に係る診断装置20は、パワーコンディショナ(PCS)10と所定の通信回線を介して接続される。
図1に示すように、太陽電池30は、発電単位であるセル33aを複数に直並列させてモジュール化した太陽電池モジュール33を構成単位として施工される。ここで、ストリング32は、1以上の太陽電池モジュール33がバイパスダイオードを介して直列に組合せられて接続された構成である。また、太陽電池アレイ31は、上記ストリング32を並列に組み合わせて接続させた構成である。太陽電池30を構成する各アレイの出力電流は、それぞれブロッキングダイオード15を通じてPCS10に入力される。PCS10は、太陽電池30で発電された直流電力を交流電力に変換するためのユニットである電力変換部10aと、太陽電池30のI−V特性を測定するためのI−Vカーブ計測処理が行われる制御部10bとを備える。なお、PCS10においては、各ブロッキングダイオードを通じて入力された電流の総和を検出するための電流センサ11、電力変換部10aの入力端子間の電圧を検出するための電圧センサ12が設けられている。I−Vカーブ計測処理においては、制御部10bは、電力変換部10aを制御し、動作点電圧(電力変換部10aの入力電圧(DCV))を変化させながら、当該入力電圧(DCV)に対応する入力電流(DCI)を測定する。測定の結果、所定のステップ単位で変化させた入力電圧値および当該入力電圧値に応じて測定された入力電流値の複数の組合せが取得される。取得された測定結果は、太陽電池30のI−V特性を示すデータとして診断装置20に送信される。
図2から図4に示すように、太陽電池30の状態が正常なときには、一般的にI−Vカーブは、短絡電流(Isc)を開始点として、電圧増加に伴って電流値が緩やかに減少し、太陽電池30の発電出力が最大電力となる最大電力点の最大電力点電流(Impp)および最大電力点電圧(Vmpp)に推移変化する。そして、最大電力点を経過すると、I−Vカーブは、電圧増加に伴って電流値が相対的に急峻に下降変化し、開放電圧(Voc
)に到達するように推移する。これに対し、太陽電池30の各アレイを構成する、複数に並列されたストリング間の配線接続が正常状態と異なる場合(非正常状態)には、電圧増加に伴うI−Vカーブの形状が変化する。具体的には、非正常状態の最大電力点が相対的に低電圧側、低電流側にシフトする傾向がある。また、短絡電流から最大発電電力点に至る電流値の減少変化の勾配、および、最大発電電力点から開放電圧に到達するまでの電流値の減少変化の勾配が、相対的に低電流側に傾く。
本適用例に係る診断装置20は、太陽電池30の施工後にPCS10を介して測定された、当該太陽電池のI−V特性を示すデータに基づいて、最大電力点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを判定する。具体的には、図4に示すように、I−V特性を示すデータから、特性値(正規化された短絡電流値、開放電圧値、最大電力点における電流値および電圧値)を特定する。そして、上記特性値に基づいて、IVカーブ上における上記特性値に対応する3つの計測点のなす角度(優角、劣角)を、最大電力点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを示す評価値として算出する。そして、算出された角度が、判定基準である所定の閾値を超えるときには、IVカーブにダレが生じていると判定し、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常状態と診断する。
また、本適用例に係る診断装置20は、図15から図17に示すように、I−V特性を示すデータから、最大電力点近傍の電圧増加に伴う電流値の勾配が変化する度合いを示す評価値として、最大電力点近傍の曲率半径Rを算出する。そして、算出された曲率半径が、判定基準値である所定の閾値を超えるときには、当該IVカーブにダレが生じていると判定し、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常状態と診断する。この結果、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工不良が判別可能になり、太陽光発電システムにおける施工品質が向上できる。なお、太陽電池30のI−V特性を示すデータとして取得された電圧値の推移を用いても、電流値の推移と同様にして評価できることは言うまでもない。
〔実施例1〕
以下では、本発明の実施例に係る診断装置について、図面を用いて、より詳細に説明する。
<システム構成>
図1は、本発明の実施例に係る太陽光発電システムの機略構成を示すブロック図である。本実施例における診断装置20は、太陽光発電システム1を構成するパワーコンディショナ(PCS)10と所定の通信回線を介して接続可能な情報処理装置である。本実施例に係る太陽光発電システム1においては、パワーコンディショナ(以下、「PCS」とも称す)10は、太陽電池30と、商用電力系統(単に系統ともいう)40と、負荷50とに接続される装置である。太陽電池30は、発電単位であるセル33aを複数に直並列させてモジュール化した太陽電池モジュール(以下、単に「モジュール」ともいう)33を構成単位として施工される。太陽光発電システム1においては、複数のモジュール33が組み合わされて使用される。図1に示すように、ストリング32は、1以上の太陽電池モジュール33がバイパスダイオードを介して直列に組合せられて接続された構成であり、太陽電池アレイ31a、31b、31c、31dは、それぞれ、ストリング32を並列に組み合わせて接続させた構成である。図1の太陽電池30においては、3個のモジュール33を直列に接続させたストリング32を、さらに3列に並列させて接続させた太陽電池アレイ(以下、単に「アレイ」ともいう)を4段に備えて構成される。以下においては、図1に示す太陽電池30のモジュール構成を説明例として採用するが、本実施形態に係る診断装置20の診断対象は、図1に示すモジュール構成に限定されない。例えば、太陽電池30を構成する一段のアレイが、9個の直列接続されたモジュール33によるストリン
グ構成であってもよい。太陽電池30を構成する各アレイの出力電流は、それぞれブロッキングダイオード15を通じてPCS10に入力される。
PCS10は、電力変換部10aと、制御部10bとを備える。電力変換部10aは、太陽電池30で発電された直流電力を交流電力に変換するためのユニットであり、太陽電池30によって発電された直流電力を昇圧するDC/DCコンバータと、当該昇圧された電力を商用電力系統40と同期のとれた交流電力に変換するDC/ACコンバータを含み構成される。図示するように、電力変換部10aと各アレイのブロッキングダイオード15との間は、各ブロッキングダイオード15を通じて出力される直流電流の総和が電力変換部10aに入力するように接続されている。また、PCS10においては、各ブロッキングダイオードを通じて入力された電流の総和を検出するための電流センサ11、電力変換部10aの入力端子間の電圧を検出するための電圧センサ12が設けられている。なお、PCS10においては、電流センサ11、電圧センサ12以外のセンサも設けられている。
制御部10bは、プロセッサ(CPU、MPU,DSP等)、ゲートドライバ、診断装置20と通信を行うための通信インタフェース回路等を含んで構成されるユニットである。制御部10bには、電流センサ11と電圧センサ12を含む各種のセンサの出力が入力される。制御部10bでは、各種センサを通じて検出された情報に基づいて、太陽電池30の発電出力が最大となる最大電力(電流×電圧の値)点あるいは最適動作点で電力変換部10aが動作するように最大電力点追従制御(Maximum power point tracking、MPPT)が行われる。また、本実施例では、制御部10bを通じて、太陽電池30のI−V特性を測定するためのI−Vカーブ計測処理が行われる。
I−Vカーブ計測処理においては、制御部10bは、電力変換部10aを制御し、動作点電圧(電力変換部10aの入力電圧(DCV))を変化させながら、当該入力電圧(DCV)に対応する入力電流(DCI)を測定する。測定の結果、所定のステップ単位で変化させた入力電圧値および当該入力電圧値に応じて測定された入力電流値の複数の組合せが取得される。制御部10bは、取得された測定結果を太陽電池30のI−V特性を示すデータとして診断装置20に送信する。
本実施例に係る診断装置20は、太陽光発電システム1の備える太陽電池30について、ストリング32を構成するモジュール間の接続配線状態の正常/非正常を診断する機能を有する情報処理装置である。本診断装置においては、制御部10bを通じて測定されたI−V特性を示すデータに基づいて、ストリング32を構成するモジュール間を接続する配線の接続状態が正常状態であるか、非正常状態であるかが診断される。
図2は、ストリング構成を接続する配線状態と、I−Vカーブとの関係を説明する図である。図2においては、図1に示す4段のアレイ31a、31b、31c、31dのそれぞれに含まれる3並列のストリング32の接続状態を異ならせて計測されたI−V特性データに基づく曲線グラフ(I−Vカーブ)が、実線で表されて例示される。なお、以下では、並列するストリング32を、図2の上側から順に、「32a」、「32b」、「32c」とも称する。また、図2において、I−Vカーブと縦軸の交点は、太陽電池30の短絡電流(Isc)を表し、I−Vカーブと横軸の交点は、開放電圧(Voc)を表す。
図2において、(a)には、アレイ31aのストリング32cの正極側配線がアレイ31b側に接続され、アレイ31bのストリング32aの正極側配線がアレイ31a側に接続された状態で計測されたI−Vカーブが例示される。(b)には、アレイ31aのストリング32b、32cの正極側配線がアレイ31b側に接続され、アレイ31bのストリング32a、32bの正極側配線がアレイ31a側に接続された状態で計測されたI−V
カーブが例示される。同様にして、(c)には、アレイ31aのストリング32cの負極側配線がアレイ31b側に接続され、アレイ31bのストリング32aの負極側配線がアレイ31a側に接続された状態で計測されたI−Vカーブが例示される。(d)には、アレイ31aのストリング32b、32cの負極側配線がアレイ31b側に接続され、アレイ31bのストリング32a、32bの負極側配線がアレイ31a側に接続された状態で計測されたI−Vカーブが例示される。
図2の、(a)から(d)に例示されるI−Vカーブを相対的に比較したときに、ストリング数や極性に応じて、短絡電流(Isc)が異なることがわかる。また、I−Vカーブの形状はそれぞれに滑らかであることがわかる。すなわち、短絡電流(Isc)を開始点として、電圧増加に伴って電流値が緩やかに減少し、太陽電池30の発電出力が最大電力となる最大発電電力点(PM)の最大電力点電流および最大電力点電圧に推移変化する。そして、最大発電電力点を経過すると、I−Vカーブは、電圧増加に伴って電流値が相対的に急峻に下降変化し、開放電圧(Voc)に到達するように推移する。但し、ストリング数や極性に応じて短絡電流(Isc)が異なるため、最大発電電力点に至るまでの電流値の推移変化を表す勾配、および、最大発電電力点の経過後の開放電圧(Voc)に到達するまでの電流値の推移変化を示す勾配が異なることがわかる。なお、I−Vカーブ上において、電圧増加に伴って電流値の減少傾向が相対的に急峻に変化する部分領域を「肩部分」とも称する。
図3は、図2で説明したI−Vカーブの変化傾向を説明する図である。図3において、破線で示されるグラフg1は、ストリング単位での配線接続が正常状態におけるI−Vカーブの変化傾向を表し、実線で示されるグラフg2は、ストリング単位での配線接続が非正常状態におけるI−Vカーブの変化傾向を表している。なお、図2で説明したように、ストリング単位での配線接続が非正常状態の場合には、短絡電流(Isc)が変化する。このため、図3の縦軸は、短絡電流で正規化された電流規模を表し、同様にして横軸は開放電圧で正規化された電圧規模を表している。また、グラフg1上に示される計測点PM1は、正常状態における最大発電電力点を表し、グラフg2上に示される計測点PM2は、非正常状態における最大発電電力点を表す。
図3において、正常状態の最大発電電力点PM1と非正常状態の最大発電電力点PM2とを比較すると、PM2は、相対的に低電圧側、低電流側に位置することがわかる。非正常状態においては、発電電力が低下するためである。また、グラフg1とグラフg2との形状を比較すると、短絡電流から最大発電電力点に至る電流値の減少変化の勾配、および、最大発電電力点から開放電圧に到達するまでの電流値の減少変化の勾配が変化していることがわかる。電流値の推移変化の勾配は、正常状態に比べて、相対的に低電流側に傾いていることがわかる。したがって、ストリング構成を含む太陽電池30の施工後に計測されたI−V特性を示すデータに基づいて、図3に示す変化傾向を判定することにより、ストリング構成を含む太陽電池30の接続配線の施工不良を判別可能になる。なお、本実施形態では、上記非正常状態における最大発電電力点の低電圧側、低電流側への変化、および、電圧増加に伴う電流値の減少勾配の変化を「IVカーブのダレ」または単に「ダレ」とも称する。
図4は、非正常状態のダレが生じたI−Vカーブの特徴を説明する図である。図4(a)に示すように、正常状態における太陽電池30のI−Vカーブの形状は、最大発電電力点(PM)を変曲点として、短絡電流(Isc)から開放電圧(Voc)に到達するように推移する凸状曲線である。一方、図4(b)に示すように、非正常状態における太陽電池30のI−Vカーブ形状は、正常状態と同様に最大発電電力点を変曲点とする凸状曲線ではあるが、相対的に最大発電電力点が低電流側および低電圧側にシフトするため、短絡電流、最大発電電力点、開放電圧の3点のなす角度(優角、劣角)が正常状態の角度とは
異なることになる。具体的には、図5(b)に示すように、非正常状態では上記3点のなす角度において、劣角は正常状態よりも大きくなり、優角は正常状態よりも小さくなる。
本実施例において診断装置20は、太陽電池30の施工後にPCS10を介して測定された、当該太陽電池のI−V特性を示すデータに基づいて、ダレの有無を判定する。具体的には、図5で説明したように、I−V特性を示すデータから短絡電流値および開放電圧値を特定し、計測されたデータを正規化する。また、正規化されたデータ列から最大発電電力点を求め、当該電力点の電流値および電圧値を特定する。そして、正規化された短絡電流値、開放電圧値、最大発電電力点の電流値および電圧値に基づいて、当該3点のなす角度(優角、劣角)を算出する。以下では、上記3点のなす角度として劣角を算出するとして説明するが、判定に係る角度は優角であってもよいことは言うまでもない。本実施例に係る診断装置20は、算出された劣角が所定の閾値を超えるときには、I−Vカーブにダレが生じていると判定し、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常状態と診断する。
<装置構成>
図5は、診断装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、診断装置20は、接続バス26によって相互に接続されたプロセッサ21、主記憶装置22、補助記憶装置23、通信IF24、入出力IF25を構成要素に含むコンピュータである。主記憶装置22および補助記憶装置23は、診断装置20が読み取り可能な記録媒体である。上記の構成要素はそれぞれ複数に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
プロセッサ21は、診断装置20全体の制御を行う中央処理演算装置である。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ21は、例えば、補助記憶装置23に記憶されたプログラムを主記憶装置22の作業領域に実行可能に展開し、当該プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことで所定の目的に合致した機能を提供する。但し、プロセッサ21が提供する一部または全部の機能が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によっ
て提供されてもよい。同様にして、一部または全部の機能が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等
の専用LSI(large scale integration)、その他のハードウェア回路で実現されても
よい。本実施形態では、診断装置20のプロセッサ21は、「制御部」の一例である。
主記憶装置22は、プロセッサ21が実行するプログラム、当該プロセッサが処理するデータ等を記憶する。主記憶装置22は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置23は、プロセッサ21等により実行されるプログラムや、動作の設定情報などを記憶する記憶媒体である。補助記憶装置23は、例えば、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリ、USBメモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等を含む。通信IF24は、診断装置20とPCS10といっ
た他の装置とを接続させるための通信インタフェースである。通信IF24は、他の機器との接続方式に応じて適宜の構成を採用できる。入出力IF25は、診断装置20に接続される入力デバイス、出力デバイスとの間でデータの入出力を行うインタフェースである。入出力IF25を通じて、診断結果が診断装置20のLCD等の表示デバイスや、診断装置20に接続されたプリンタ等の出力デバイスに出力される。なお、太陽電池30の、正常/非正常状態に関する診断結果は、通信IF24に接続された他の装置(スマートフォン、データサーバ、PCS等)に通知されてもよい。
<機能構成>
図6は、本実施例に係る診断装置20のより詳細な機能構成の一例を示すブロック図である。本実施例に係る診断装置20は、機能要素として、IVカーブデータ読み込み部110と、特性値抽出部120と、ダレ判定部130と、判定基準保持部140と、判定結果表示部150と、判定結果送信部160を備える。本実施例に係る診断装置20は、プロセッサ21が補助記憶装置23等に格納されたソフトウェアプログラムの実行を通じて上記機能要素を提供することで、正規化された短絡電流値、開放電圧値、最大発電電力点の3点のなす角度に基づいて、I−V特性におけるダレの有無を判定する。
図6において、IVカーブデータ読み込み部110は、通信IF24を通じて接続されたPCS10から、所定の場所(架台や屋上等)に設けられた太陽電池30のI−V特性を示すデータ(IVカーブデータ)を取得する。取得されたIVカーブデータは、例えば、日時情報、PCS10を識別する識別番号等と関連付けされて、補助記憶装置23の所定の領域に格納される。図7は、本実施例の診断装置20における判定に係るデータ例を示す図である。図7(a)には、PCS10によって取得された太陽電池30のIVカーブデータの一例が示される。図7(a)においては、開放電圧(Voc)から短絡電流(Isc)に至る動作領域において、動作点電圧を変化させて取得されたテーブル形式のIVカーブデータが例示される。図7(a)に示すように、IVカーブデータは、動作点電圧を変化させるサンプリング番号(j)と、当該番号に対応付けされた電圧値(電圧(V_j)[V])、電流値(電流(I_j[A])によって構成される。なお、図7(b)には、後述する判定基準部120に保持されるテーブル形式の判定基準値の一例が示される。
特性値抽出部120は、PCS10から取得されたIVカーブデータからダレの有無を判定するための特性値を抽出する。具体的には、実測されたIVカーブデータから開放電圧値と、短絡電流値とを抽出する。また、当該IVカーブデータから計測点毎の電力値を求め、当該電力値が最大になる計測点(最大発電電力点)を特定する。そして、抽出された計測点の電圧値および電流値を抽出する。特性値抽出部120は、IVカーブデータから抽出した特性値(開放電圧値、短絡電流値、電力値が最大になる計測点の電圧値および電流値)をダレ判定部130に引き渡す。
ダレ判定部130においては、IVカーブデータから抽出した特性値(開放電圧値、短絡電流値、電力値が最大になる計測点の電圧値および電流値)と、判定基準保持部140に保持された判定基準値とに基づいて、I−V特性におけるダレの有無が判定される。具体的には、以下に示す式(1)から式(3)を用いて判定対象の3点(開放電圧値、短絡電流値、最大発電電力点)のなす実測角度が算出され、当該実測角度と判定基準値との大小比較により、I−V特性におけるダレの有無が判定される。なお、判定基準値(Thr)は、図7(b)に示すように、実測角度に対する判定閾値(図例では、「0.9」)として格納される。また、判定基準値(Thr)は、太陽光発電システム1を利用する需要家の運用条件に応じて任意に設定できる。
実測角度の算出にあたり、ダレ判定部130においては、式(1)を用いて電力最大時の電圧値(V1)が正規化される。
V_norm=V1/Voc ・・・式(1)
ここで、「V_norm」は、開放電圧(Voc)によって正規化された電力最大点におけ
る電圧値(V1)である。
同様にして、式(2)を用いて電力最大時の電流値(I1)が正規化される。
I_norm=I1/Isc ・・・式(2)
ここで、「I_norm」は、短絡電流(Isc)によって正規化された電力最大点におけ
る電流値(I1)である。
そして、式(3)を用いて、ダレ判定に係る実測角度(θ)が求められる。
θ=cos−1((a1×b1+a2×b2)/(√((a1)+(a2)
×(√((b1)+(b2)
・・・式(3)
a1=0−V_norm
a2=1−V_norm
b1=1−I_norm
b2=0−I_norm
そして、ダレ判定部130は式(1)から(3)を用いて求められた実測角度(θ)と、判定基準値保持部140に保持された判定基準値(Thr)との大小比較を行い、取得されたIVカーブデータにダレが存在するか否かを判定する。実測角度(θ)に対する判定は、以下の式(4)を用いて行われる。
θ≦Thr ・・・・式(4)
実測角度(θ)が、判定基準値(Thr)以下の場合には、取得されたIVカーブデータにダレは存在しないと判定される。すなわち、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は正常状態と診断される。一方、実測角度(θ)が、判定基準値(Thr)を超える場合には、取得されたIVカーブデータにダレが存在すると判定し、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常状態と診断される。
ダレ判定部130は、実測角度(θ)と判定基準値(Thr)とに基づいて処理された判定結果を判定結果表示部150および判定結果送信部160に引き渡す。判定結果表示部150は、例えば、診断装置20の備えるLCD等の表示デバイス上に、判定結果を表示させる。診断装置20の表示画面には、例えば、PCS10から取得されたデータに基づくIVカーブとともに、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態が正常または非正常であることが表示される。また、判定結果送信部160は、診断装置20に接続されたPCS10や、他の装置(スマートフォン、サーバ、他のPCS等)に対して、判定結果を送信する。判定結果は、例えば、太陽光発電システム1を識別する識別情報(例えば、PCS10の識別番号)、日時情報とともに、取得されたIVカーブとともに送信される。診断装置20と接続される装置においては、当該太陽光発電システムについての、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線に関する施工状態の正常/非正常に係る診断結果が、PCS10から取得されたデータに基づくIVカーブとともに閲覧することが可能になる。
<処理の流れ>
図8は、本実施例に係る診断装置20で提供される診断処理の一例を示すフローチャートである。図8のフローにおいては、PCS10を通じて取得されたIVカーブデータに基づいて、太陽電池モジュール間を接続する配線状態の正常/非正常状態が診断される。診断装置20は、通信IF24を通じて接続されたPCS10から、実測されたI−V特性を示す電圧値および電流値(IVカーブデータ)を取得する(ステップS101)と、取得したIVカーブデータを補助記憶装置23の所定の領域に記憶し、処理はステップS102に進む。ステップS102においては、取得されたIVカーブデータの各計測点における電力値(電流値×電圧値)が算出される。算出された電力値は、IVカーブデータのデータ番号(データNo)とともに主記憶装置22の所定の領域に一時的に記憶されると、処理はステップS103に進む。ステップS103においては、計測点毎に算出された電力値の大小比較が行われ、電力値が最大となる最大電力値の電圧値(V_m)と電流
値(I_m)が取得される。ステップS103の処理後、処理はステップS104に進む
ステップS104では、IVカーブデータの中から開放電圧値(V_o)と短絡電流値
(I_i)が取得されると、処理がステップS105に進む。ステップS105において
は、式(1)から式(3)を用いて、IVカーブデータのダレ判定用の角度(実測角度(θ))が算出される。具体的には、式(1)の「V1」および「Voc」のそれぞれに電圧値(V_m)および開放電圧値(V_o)が代入され、電力最大点における正規化された電圧値(V_norm)が求められる。同様にして、式(2)「I1」および「Isc」のそ
れぞれに電流値(I_m)および短絡電流値(I_i)が代入され、電力最大点における正規化された電流値(I_norm)が求められる。そして、式(3)を用いてダレ判定に係る
実測角度(θ)が算出されると、処理はステップS106に進む。
ステップS106においては、実測角度(θ)と判定基準値保持部140に保持された判定基準値(Thr)との大小比較が行われ、取得されたIVカーブデータの正常/非正常が判定される。すなわち、実測角度(θ)が、判定基準値(Thr)以下の場合には、取得されたIVカーブデータにダレは存在しない正常な状態と判定される。一方、実測角度(θ)が、判定基準値(Thr)を超える場合には、取得されたIVカーブデータにダレが存在する非正常な状態と判定される。ステップS106の処理後、処理はステップS107に進む。ステップS107では、判定結果が診断装置20の備える表示デバイス等の表示部に表示され、また、通信部である通信IF24を通じて接続された他の装置(PCS10、スマートフォン、サーバ等)に送信される。例えば、診断装置20と通信IF24を通じて接続される装置においては、太陽光発電システム1について、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態が正常であるか非正常であるかの診断結果が、PCS10から取得されたデータに基づくIVカーブとともに閲覧可能になる。ステップS107の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、IVカーブデータの特性値(開放電圧値、短絡電流値、最大電力値の電圧値および電流値)に基づいて、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態が正常であるか非正常であるかが診断できる。具体的には、正規化された短絡電流値から電力最大値における電流値までの、電圧増加に伴う電流値の減少変化の勾配、および、正規化された電力最大値における電流値から開放電圧値に至るまでの、電圧増加に伴う電流値の減少変化の勾配に基づいて、IVカーブデータの正常/非正常が判定される。本実施例においては、上記電流値の減少変化の勾配を判定するために、IVカーブデータにおける3点の特性値(開放電圧値、短絡電流値、最大電力値)のなす実測角度(θ)を算出する。そして、算出された実測角度(θ)と判定基準値(Thr)との大小比較により、IVカーブデータのダレの有無を判定する。この結果、実測角度(θ)が判定基準値(Thr)以下の場合には、取得されたIVカーブデータにダレは存在しないと判定し、太陽電池30の各ストリング間を接続する配線の施工状態は正常と診断される。また、実測角度(θ)が判定基準値(Thr)を超える場合には、取得されたIVカーブデータにダレが存在すると判定し、太陽電池30の各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常と診断される。本実施形態によれば、ストリング構成を含む太陽電池の接続配線の施工不良を判別可能にするとともに判断基準の均一化をはかり、太陽光発電システムにおける施工品質を向上させる技術が提供できる。
〔実施例2〕
図9は、実施例2に係る診断装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。実施例2においては、診断装置20は、機能要素として、パネル定格値保持部210をさらに備える。実施例2に係る診断装置20においては、パネル定格値保持部210に保持されたパネルの種類(例えば、非結晶、結晶等)に対応するパネル定格値に基づいて、IVカ
ーブデータのダレの有無が判定される。本実施例では、太陽電池30を単に「パネル」または「太陽電池パネル」ともいう。本実施例においては、太陽光発電に係るパネルの種類に個別対応が可能なIVカーブデータのダレ判定が提供できる。本実施例によれば、ストリング構成を含む太陽電池の接続配線の施工不良の判別精度を高めることができる。なお、図9において、実施例1と同様の構成については同様の符号を用いて詳細な説明を省略するとともに、実施例1との相違点を主に説明する。
パネル定格値保持部210は、太陽光発電システム1において採用された発電単位(セル)を構成する材料種別(結晶、非結晶、GaAs系、有機等)に個別対応したパネル定格値を保持する。パネル定格値には、当該材料種別に対応した太陽電池30におけるIVカーブのダレを判定するための基準特性値(開放電圧値、短絡電流値、最大電力値における電圧値および電流値)が格納される。そして、本実施例のダレ判定部130では、パネル定格値と、IVカーブデータから求められた実測角度(θ)と、判定基準値(Thr)とに基づいて、IVカーブデータにダレが存在するか否かを判定する。
図10は、パネル定格値保持部210に保持されたパネル定格値の一例を示す図である。パネル定格値においては、発電単位の種類に個別対応した開放電圧値(Voc)、短絡電流値(Isc)、最大電力点における電圧値(Vpmax)および電流値(Ipmax)が単位
とともに格納される。図10においては、開放電圧値として「121V」、短絡電流値として「2.2A」、最大電力点における電圧値および電流値として「95V」と「1.95A」が例示されている。
ダレ判定部130は、実施例1と同様にして、IVカーブデータから抽出した特性値(開放電圧値、短絡電流値、電力値が最大になる計測点の電圧値および電流値)に基づいて、式(1)から式(3)を用いて、実測角度(θr)を算出する。また、ダレ判定部130は、パネル定格値に基づいてダレ判定の基準になる基準角度(θs)を算出する。基準角度(θs)は、式(1)から式(3)に、パネル定格値に格納された開放電圧値、短絡電流値、最大電力値の電圧値(Vpmax)および電流値(Ipmax)を代入して算出される。
そして、本実施例のダレ判定部130は、実測角度(θr)と、基準角度(θs)と、判定基準値保持部140に保持された判定基準値(Thr)とを用いて、パネルの種類に対応するIVカーブデータのダレ判定を行う。実測角度(θr)に対する判定は、以下の式(5)または式(6)を用いて行われる。
|θr−θs|≦Thr ・・・式(5)
|θr−θs|/(θs)≦Thr ・・・式(6)
式(5)においては、実測角度(θr)の基準角度(θs)からの変化量(角度変化量)が、判定基準値(Thr)を用いて判定される。また、式(6)においては、上記変化量の基準角度(θs)に対する割合が、判定基準値(Thr)を用いて判定される。
実測角度(θr)と基準角度(θs)との差分の絶対値が、式(5)の比較条件を満たすときには、取得されたIVカーブデータにダレは存在しないと判定され、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は正常と診断される。一方、式(5)の比較条件を満たさないときには、取得されたIVカーブデータにダレが存在していると判定され、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常と診断される。式(6)においても同様にして、比較条件を満たすときにはダレは存在しないと判定されて、各ストリング間を接続する配線の施工状態は正常と診断される。また、比較条件を満たさないときにはダレは存在しないと判定されて、各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常と診断される。
図11は、本実施例に係る診断装置20で提供される診断処理の一例を示すフローチャ
ートである。図11のフローにおいては、IVカーブデータの実測角度(θr)、基準角度(θs)、判定基準値(Thr)に基づいて判定されたダレの有無により、太陽電池30を構成する各ストリング間の接続配線の正常/非正常が診断される。本診断装置は、実施例1と同様にして通信IF24を通じて接続されたPCS10から、実測されたI−V特性を示す電圧値および電流値(IVカーブデータ)を取得する(ステップS101)と、取得したIVカーブデータを補助記憶装置23の所定の領域に記憶し、処理はステップS102に進む。ステップS102以降においては、図8示すステップS102からステップS105と同様の処理が実行され、ダレ判定に係る実測角度(θr)が算出されると処理がステップS111に進む。
ステップS111においては、パネル定格値保持部210に保持されたパネル定格値に基づいて基準角度(θs)が算出される。そして、実測角度(θr)と、基準角度(θs)と、判定基準値(Thr)とを変数として、式(5)または式(6)を用いて大小比較が行われ、パネルの種類に個別対応したIVカーブデータの正常/非正常が判定される。すなわち、式(5)または式(6)に示す比較条件を満たすときには、IVカーブデータにダレは存在しない正常な状態と判定される。一方、式(5)または式(6)に示す比較条件を満たさないときには、IVカーブデータにダレが存在する非正常な状態と判定される。ステップS111の処理後、処理はステップS107に進み、実施例1と同様の処理が実行される。ステップS107の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、パネル定格値保持部210に保持されたパネルの種類に対応するパネル定格値に基づいて基準角度(θs)が算出され、当該基準角度と、実測角度(θr)と、判定基準値(Thr)とを用いて、パネルの種類に個別対応したIVカーブデータのダレが判定できる。本実施例においては、ダレが存在しないと判定される場合には、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は正常と診断する。また、ダレが存在すると判定される場合には、太陽電池30を構成する各ストリング間を接続する配線の施工状態は非正常と診断される。本実施例によれば、太陽光発電に係るパネルの種類に個別対応が可能なIVカーブデータのダレ判定が提供できるため、ストリング構成を含む太陽電池の接続配線の施工不良の判別精度が向上できる。
〔実施例3〕
図12は、実施例3に係る診断装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。実施例3においては、診断装置20は、機能要素として、後述する段差を判定する段差判定部310をさらに備える。実施例3に係る診断装置20においては、実施例2で説明したパネルの種類が異なるIVカーブデータを対象として、さらに段差の有無を判定するため処理が行われる。本実施例においては、段差判定処理を行うことにより、IVカーブデータのダレの誤検出を抑制する。なお、図12において、実施例1、実施例2と同様の構成については同様の符号を用いて詳細な説明を省略するとともに、実施例2との相違点を主に説明する。
図13は、I−Vカーブにおける段差領域を説明する図である。図13(a)において、一点鎖線で示されるグラフg3は、正常状態におけるI−Vカーブの推移変化を表し、実線で示されるグラフg4は、段差領域を有するI−Vカーブの推移変化を表す。また、縦軸は電流(A)を表し、横軸は電圧(V)を表す。なお、I−Vカーブと縦軸の交点は、太陽電池30の短絡電流(Isc)を表し、I−Vカーブと横軸の交点は、開放電圧(Voc)を表す。
グラフg3に示すように、太陽電池30の状態が正常なときのI−V特性は、一般的に短絡電流を開始点として電圧増加に伴って電流値が緩やかに減少し最大電力点に到達する
。そして、最大電力点以降では、電圧増加に伴う電流値の減少傾向が急峻となり、開放電圧に到達する。ここで、I−Vカーブにおいて、電圧増加に伴って電流値の減少傾向が相対的に急峻に変化する部分を「肩部分」と表現すれば、I−Vカーブ曲線の形状は、最大電力点を含む領域g3aを肩部分とする凸状曲線である。これに対し、グラフg4に示すように、電圧増加に伴って電流値の減少傾向が変化する肩部分が、低電圧側領域(肩部分g4a)と高電圧側領域(肩部分g4b)の2か所に生じる場合がある。この場合には、肩部分g4aとg4bとの間の推移領域g4cにおいては、電圧増加に伴う電流値の減少傾向が、一旦、急峻に変化した後、再び緩やかな減少傾向で推移することになる。本実施例では、このような電流値の減少傾向が生ずる推移領域g4cを「段差領域」または単に「段差」という。
図3で説明したように、本実施形態が判定対象とするダレが生ずる場合のI−Vカーブ曲線の形状は、図13(a)のグラフg3と同様に最大電力点を含む領域を肩部分とする凸状曲線である。しかしながら、図13(a)のグラフg4のように、I−Vカーブにおいて段差領域g4cが存在する場合には、実施例1および2で説明したダレ判定において誤検出が生じ、ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を診断する診断精度が劣化する虞がある。このため、本実施例においては、段差を判定する段差判定部310を備え、取得されたIVカーブデータが段差領域の存在を示す場合には、ダレ判定の処理を終了させることで、ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を診断する診断精度の劣化を防止する。
図13(b)は、I−V特性において段差領域が存在する場合の、電力電圧特性(P−V特性)を説明する図である。図13(b)の一点鎖線で表されたグラフg5に示すように、太陽電池30の状態が正常な場合のP−Vカーブ曲線の形状は、最大電力点を含む領域を肩部分とする凸状曲線となる。一方、図13(b)の実線で表されたグラフg4に示すように、I−V特性において段差領域が存在する場合には、段差領域をはさみ、少なくも低電圧側の電力値ピーク点と高電圧側の電力値ピーク点の2つのピーク点が存在することになる。
本実施例の段差判定部310は、図13(b)に示すPVカーブに基づいて、ダレ判定対象のIVカーブデータ内に段差領域が存在するか否かを判定する。具体的には、段差判定部310は、最大電力点を取得する際に、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力を求め、当該差分電力の正負符号を記録する。図13(a)に示すように、段差領域が存在しない場合には、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力の正負符号は、最大電力点を境として、マイナス符号からからプラス符号に転じる。一方、図13(b)に示すように、段差領域が存在する場合には、低電圧側の電力値ピーク点を境に、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力の正負符号は、低電圧側の電力値ピーク点を境として、一旦、マイナス符号からからプラス符号に転じる。そして、当該正負符号は、段差領域において再びマイナス符号に変化し、高電圧側の電力値ピーク点を境として再びマイナス符号からからプラス符号に転じることになる。したがって、本実施例の段差判定部310においては、最大電力点を取得する際に、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力を求め、当該差分電力の正負符号を記録することで、少なくとも正負符号が転じる計測点が複数に存在することを判別できる。具体的には、短絡電流値を開始点として開放電圧値に到達するまでの間に、正負符号が転じる計測点数が「1」の場合には、段差領域は存在しないと判定すればよい。また、短絡電流値を開始点として開放電圧値に到達するまでの間に、正負符号が転じる計測点数が「1」を超える場合には、段差領域は存在すると判定してもよい。段差判定部310の判定結果は、ダレ判定部130に引き渡される。
図14は、本実施例に係る診断装置20で提供される診断処理の一例を示すフローチャートである。図14のフローにおいては、IVカーブデータから算出された電力値に基づ
いて、当該IVカーブ内に段差領域が存在するか否かが判定される。そして、IVカーブに段差領域が存在しない場合には、IVカーブデータの実測角度(θr)、基準角度(θs)、判定基準値(Thr)に基づいて判定されたダレの有無により、太陽電池30を構成する各ストリング間の接続配線の正常/非正常が診断される。
本診断装置は、実施例1と同様にして通信IF24を通じて接続されたPCS10から、実測されたI−V特性を示す電圧値および電流値(IVカーブデータ)を取得する(ステップS101)と、取得したIVカーブデータを補助記憶装置23の所定の領域に記憶し、処理はステップS102に進む。ステップS102においては、取得されたIVカーブデータの各計測点における電力値(電流値×電圧値)が算出される。算出された電力値は、IVカーブデータのデータ番号(データNo)とともに主記憶装置22の所定の領域に一時的に記憶される。また、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力が求められ、当該差分電力の正負符号が記録される。ステップs102の処理後、処理はステップS121に進む。
ステップS121においては、低電圧側の計測点P−1との間の差分電力の正負符号に基づいて、IVカーブデータ内に段差領域が存在するか否かが判断される。段差領域の存在は、差分電力の正負符号の転換回数により判定される。IVカーブデータ内に段差領域が存在すると判定される場合には(ステップS121,“Yes”)、本ルーチンを一旦終了する。一方、IVカーブデータ内に段差領域が存在しないと判定される場合には(ステップS121,“No”)、処理はステップS103に進む。ステップS103以降においては、図11示すステップS103からステップS107と同様の処理が実行される。ステップS107の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、取得されたIVカーブデータに基づいて、当該データ内に段差領域が存在するか否かが判定される。段差領域が存在しないと判定される場合には、基準角度(θs)と、実測角度(θr)と、判定基準値(Thr)とを用いて、パネルの種類に個別対応したIVカーブデータのダレが判定される。そうでない場合には、ダレ判定の処理が終了する。この結果、ダレ判定の誤検出を抑制し、太陽電池30の各ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を診断する診断精度の劣化が防止できる。
〔実施例4〕
実施例1から実施例3においては、IVカーブデータにおける、短絡電流から最大発電電力点に至る電流値の減少変化の勾配、および、最大発電電力点から開放電圧に到達するまでの電流値の減少変化の勾配を、短絡電流値、開放電圧値、最大電力点における電圧値および電流値に基づいて特定した。具体的には、IVカーブデータから短絡電流値、開放電圧値、最大電力点における電圧値および電流値を特性値として抽出し、当該特性値に基づいて短絡電流値、開放電圧値、最大電力点のなす実測角度を算出した。本実施例においては、最大電力点近傍の電圧値、電流値の推移変化から電圧増加に伴って減少変化する電流値の曲率半径(R)を算出する。そして、算出された曲率半径(R)の大小比較に基づいて、IVカーブデータにおけるダレの有無を判定する。
図15は、IVカーブにおける曲率半径(R)の変化を説明する図である。図15(a)には、正常時における短絡電流から開放電圧に至るIVカーブの推移形状を表し、図15(b)は非正常時におけるIVカーブの推移形状を表す。また、図例において塗潰された点はそれぞれの最大電力点PMを表し、最大電力点PMに隣接する破線円はそれぞれ、最大電力点近傍における曲率半径Rを表している。なお、図15の縦軸は正規化電流を表し、横軸は正規化電圧を表している。図15(a)と(b)に示されるIVカーブの推移形状を比較すると、非正常時においては、電圧増加に伴う電流値の減少変化にダレが生じ
るため、最大電力点PM近傍の曲率半径Rは相対的に大きくなることがわかる。
本実施例では、実測されたIVカーブデータから正規化された最大電力点を特定し、当該電力点を含む近傍の5計測点に基づいて、最大電力点近傍の曲率半径Rを算出する。曲率半径Rの算出により、最大電力点近傍の電圧値の増加に伴う電流値の減少勾配の評価が可能になる。
図16は、IVカーブデータを用いた曲率半径Rの算出処理を説明する図である。図16に示すように、本実施例においては、正規化された最大電力点PMの正規化電流値(Ipmt)および正規化電圧値(Vpmt)に基づいて、IVカーブ曲線上の曲率半径Rを算出する。曲率半径Rは、図16の領域Z1に示すように、以下の式(7)を用いて求められる
R=〔1+f´(a)3/2/(|f″(a)|) ・・・式(7)
式(7)において、「a」は、最大電力点PMにおける正規化電圧値(Vpmt)を表し
、「f(a)」はIVカーブ上において電圧増加に伴って減少変化する電流関数を表す。つまり、「a」が最大電力点PMにおける正規化電圧値(Vpmt)のときには「f(a)
」は最大電力点PMの正規化電流値(Ipmt)となる。なお、「f´(a)」は“f(a
)”の微分を表し、「f″(a)」は“f(a)”の2階微分を表す。
本実施例においては、電圧増加に伴って減少変化する電流値の電流関数f(a)の、微分:f´(a)および2階微分:f″(a)は、それぞれ、図16の領域Z2に示す3つの計測点、および、領域Z3に示す5つの計測点の電流値と電圧値により算出される。最大電力点PMを挟み、低電圧側の所定数の計測点、および高電圧側の所定数の計測点により、電流関数f(a)の1階微分、2階微分が算出される。
図17は、最大電力点PMにおける電流関数f(a)の1階微分および、2階微分を求める処理を説明する図である。図17の領域Z4には、正規化されたIVカーブデータにおいて、電流関数f(a)上に連続する計測点A、B、C、D、Eが、低電圧側から順に例示されている。各計測点における電圧値および電流値は、それぞれ、(V_a、I_a)、(V_b、I_b)、(V_c、I_c)、(V_d、I_d)、(V_e、I_e)である。計測点Cにおける電流関数f(a)の1階微分は、以下の式(8)によって、当該計測点の低電圧側に隣接する計測点Bと高電圧側に隣接する計測点Dの電圧値および電流値の差分によって求めることができる。
1階微分(C)=((I_d)−(I_b))/((V_d)−(V_b)) ・・・式(8)
次に、計測点Cにおける電流関数f(a)の2階微分を求める場合には、以下の式(9)により、低電圧側に隣接する計測点Bの1階微分、および、高電圧側に隣接する計測点Dの1階微分の差分によって求めることができる。なお、計測点BおよびDの1階微分は、式(8)を用いて、それぞれの低電圧側に隣接する計測点(計測点A、計測点C)と高電圧側に隣接する計測点(計測点C、計測点E)の電圧値および電流値の差分に基づいて求めればよい。
2階微分(C):〔(1階微分(D)−1階微分(B))〕/((V_d)−(
V_b)) ・・・式(9)
以上、説明したように、本実施例においては、式(7)から式(9)を用いて、図15に示すIVカーブにおける最大電力点PM近傍の、電流減少に関する勾配を、曲率半径Rを用いて算出することが可能になる。本実施例の診断装置20は、実測されたIVカーブデータに基づいて、最大電力点PMを特定するとともに、当該電力点に対して低電圧側および高電圧側に隣接する所定数の計測点を特定すればよい。そして、特定された計測点の、正規化された電流値および電圧値に基づいて、当該IVカーブデータにおける曲率半径
Rを求めればよい。本実施例の診断装置20においては、算出された曲率半径Rをダレ判定の評価値として、実施例1から実施例3と同等の処理を行うことにより、最大電力点近傍の電圧増加に伴う電流減少の勾配変化を評価することができる。本実施例によれば、IVカーブデータにおける最大電力点近傍の曲率半径Rに基づいてダレ判定を行い、太陽電池30の各ストリング間を接続する配線の施工状態の正常/非正常を診断できる。
なお、実施例1から4においては、IVカーブデータとして取得された電流値の推移に基づいて評価するものとして説明したが、同様にして、IVカーブデータとして取得された電圧値の推移に基づいて評価できることは言うまでもない。
(その他)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本実施の形態の開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組合せて実施することができる。
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
情報処理装置その他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記何れかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
なお、以下には本発明の構成要件と実施例の構成とを対比可能とするために、本発明の構成要件を図面の符号付きで記載しておく。
<発明1>
1以上の太陽光発電モジュール(33)が直列に接続されたストリング構成(32)を含む太陽電池(30)の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する診断装置(20)であって、
前記太陽電池(30)について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態で
あるかを診断することと、
を実行する制御部(21)を備えることを特徴とする診断装置(20)。
1:太陽光発電システム1
10:パワーコンディショナ(PCS)
10a:電力変換部
10b:制御部
11:電流センサ
12:電圧センサ
15:ブロッキングダイオード
20:診断装置
21:プロセッサ
22:主記憶装置
23:補助記憶装置
24:通信IF
25:入出力IF
26:接続バス
30:太陽電池
31:太陽電池アレイ
32:ストリング
33:太陽電池モジュール
40:商用電力系統
50:負荷
110:IVカーブデータ読み込み部
120:特性値抽出部
130:ダレ判定部
140:判定基準保持部
150:判定結果表示部
160:判定結果送信部
210:パネル定格値保持部
310:段差判定部

Claims (7)

  1. 1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する診断装置であって、
    前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
    前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
    前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
    算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
    を実行する制御部を備えることを特徴とする診断装置。
  2. 前記制御部は、前記正規化された電流電圧特性において、少なくとも前記短絡電流値、前記電力値が最大になるサンプル点の第1特性値または第2特性値、前記開放電圧値の3点によって形成される角度値を算出するとともに、算出された前記角度値と第1判定閾値との大小比較の判定結果に基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する、請求項1に記載の診断装置。
  3. 前記制御部は、前記正規化された電流電圧特性において、前記電力値が最大になるサンプル点の近傍における、第1特性値の増加または減少に伴って推移する第2特性値の変化に関する曲率半径を算出するとともに、算出された前記曲率半径と第2判定閾値との大小比較の判定結果に基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する、請求項1に記載の診断装置。
  4. 前記制御部は、さらに、前記太陽光発電モジュールを構成する材料種別毎の、前記太陽電池の発電状態が正常状態における前記電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いの基準を用いて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する、請求項1から3の何れか一項に記載の診断装置。
  5. 前記制御部は、さらに、前記正規化された電流電圧特性のサンプル点毎の第1特性値および第2特性値に基づいて前記サンプル点毎の電力値を算出するとともに、連続するサンプル点間の差分電力値の符号の正負が反転する回数が所定回数を超えるときには、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかの診断を停止する、請求項1から4の何れか一項に記載の診断装置。
  6. 1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断する診断方法であって、
    前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
    前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
    前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値
    の勾配が変化する度合いを算出することと、
    算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
    を含むことを特徴とする診断方法。
  7. 1以上の太陽光発電モジュールが直列に接続されたストリング構成を含む太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断するコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記太陽電池について所定のサンプル数で計測された、電圧値の増加または減少に伴って推移する電流値の変化に関する電流電圧特性を取得することと、
    前記電流電圧特性が計測されたサンプル点毎の電圧値または電流値の一方の第1特性値および他方の第2特性値に基づいて、少なくとも短絡電流値、開放電圧値、電力値が最大になるサンプル点の第1特性値および第2特性値を特定することと、
    前記短絡電流値および前記開放電圧値に基づいて正規化された前記電流電圧特性において、電力値が最大になるサンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いを算出することと、
    算出された前記サンプル点近傍の第1特性値の増加または減少に伴う第2特性値の勾配が変化する度合いに基づいて、前記太陽電池の発電状態が正常状態であるか非正常状態であるかを診断することと、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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