JP2021145185A - マルチスペクトル画像撮像装置、検査装置及びマルチスペクトル画像撮像方法 - Google Patents

マルチスペクトル画像撮像装置、検査装置及びマルチスペクトル画像撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被写体を撮像したマルチスペクトル画像を簡単な構成で取得できるマルチスペクトル画像撮像装置、検査装置及びマルチスペクトル画像撮像方法を提供する。【解決手段】マルチスペクトル画像撮像装置15は、画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタを有するイメージセンサ33と、光学フィルタ31と、変換部60とを備える。光学フィルタ31は、可視光波長領域内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもち、イメージセンサ33と被写体との間の光路上に配置される。変換部60は、イメージセンサ33から出力される第1撮像信号S1をカラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号S2に変換する。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチスペクトル画像撮像装置、検査装置及びマルチスペクトル画像撮像方法に関する。
例えば、特許文献1〜5には、マルチスペクトル画像撮像装置が開示されている。マルチスペクトル画像撮像装置は、撮像対象に分光感度特性の異なる複数バンドの画像を取得可能なマルチバンドカメラにより撮影を行うことで、マルチスペクトル画像を取得する。
特開2005−181038号公報 特開2010−122080号公報 特開2012−138652号公報 特開2008−136251号公報 国際公開第2016/031922号
しかしながら、従来のマルチスペクトル画像撮像装置においては、マルチバンドカメラの構造が複雑であるという課題がある。
本発明の目的は、被写体を撮像したマルチスペクトル画像を簡単な構成で取得できるマルチスペクトル画像撮像装置及びマルチスペクトル画像撮像方法を提供することにある。また、本発明の目的は、マルチスペクトル画像撮像装置により取得されたマルチスペクトル画像を基に被写体を検査する検査装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するマルチスペクトル画像撮像装置は、画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタを有するイメージセンサを備えたマルチスペクトル画像撮像装置であって、可視光波長領域内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもち、前記イメージセンサと被写体との間の光路上に配置される光学フィルタと、前記イメージセンサから出力される第1撮像信号を前記カラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号に変換する変換部とを備え、複数バンドの前記第2撮像信号のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域に感度をもつ。
この構成によれば、1つの光学フィルタにつき複数のマルチスペクトル画像を生成できる。
上記マルチスペクトル画像撮像装置は、互いに異なる前記分光透過率特性をもつ複数の前記光学フィルタと、複数の前記光学フィルタのうち前記光路上に配置される1つの光学フィルタを切り替える切替部と、前記イメージセンサおよび前記切替部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記切替部を制御して前記光路上に配置される1つの前記光学フィルタを時分割で順次切り替えるとともに、前記イメージセンサに時分割で被写体を撮像させることにより、前記イメージセンサが複数の時分割画像ごとに前記第1撮像信号を出力し、前記変換部は、複数の前記時分割画像ごとに、前記イメージセンサから出力される前記第1撮像信号をカラーフィルタ毎の撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行うことにより、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの前記第2撮像信号に変換する。前記第2撮像信号のバンド数は、前記カラーフィルタの色数よりも多くてもよい。
この構成によれば、光学フィルタが切り替えられることで、イメージセンサは光学フィルタごとに時分割で被写体を撮像するので、カラーフィルタの色数より多いバンド数のマルチスペクトル画像を生成できる。
上記マルチスペクトル画像撮像装置は、発光スペクトルが異なる複数の光源を備え、複数の前記光源のうち同時に発光させる前記光源の数を前記複数よりも少なくして、1ショット撮像期間中にそれぞれの光強度を制御しつつ時分割に発光させてもよい。
この構成によれば、電源の最大許容電流を低く抑えつつ被写体に可視光波長領域及び非可視光波長領域の光を照射することができる。よって、非可視光波長領域に少なくとも1バンドを含む複数バンドのマルチスペクトル画像を取得できる。また、光学フィルタにより得られる複数バンドの分光感度特性を光源の発光スペクトルで補正することもでき、より自由度の高いとマルチスペクトル撮像特性を実現できる。
上記マルチスペクトル画像撮像装置は、事前に与えられた基準となる被写体を撮像して得られる複数バンドの前記第2撮像信号に基づく画像中の特定領域を抽出する画像処理を行い、前記画像中の前記特定領域以外の全領域におけるバンドごとの前記第2撮像信号の積算値が、バンド間で等しくなるように、バンドごとの前記第2撮像信号の増幅率が設定されてもよい。
この構成によれば、複数バンドのマルチスペクトル画像を疑似カラー画像として取得できる。例えば、表示部に表示された複数バンドのマルチスペクトル画像をユーザが疑似カラー画像として視認できる。
上記課題を解決する検査装置は、上記マルチスペクトル画像撮像装置と、前記マルチスペクトル画像撮像装置が検査対象の被写体を撮像したときに出力した複数バンドの前記第2撮像信号に基づいて前記被写体を検査する検査処理部とを備える。
この構成によれば、複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて被写体を検査できる検査装置を簡単な構成で提供できる。
上記課題を解決するマルチスペクトル画像撮像方法は、画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタを有するイメージセンサを用いたマルチスペクトル画像撮像方法であって、可視光波長領域内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもつ光学フィルタが、前記イメージセンサと被写体との間の光路上に配置され、前記イメージセンサが前記光学フィルタを通して被写体を撮像する撮像ステップと、前記イメージセンサから出力される第1撮像信号を前記カラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号に変換する変換ステップとを備え、複数バンドの前記第2撮像信号のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域に感度をもつ。
この方法によれば、マルチスペクトル画像撮像装置と同様の効果が得られる。
本発明によれば、被写体を撮像したマルチスペクトル画像を簡単な構成で取得できる。
第1実施形態における検査装置を備えた検査システムを示す模式図。 (a)は汎用のカラーカメラの構成図及び波長と相対感度との関係を示すグラフ、(b)はIRカットフィルタを外したカラーカメラの構成図及び波長と相対強度との関係を示すグラフ。 カメラの構成図、及び波長と相対感度との関係を示すグラフ。 (a)は光学フィルタF1の光透過率特性を示すグラフ、(b)はイメージセンサの色ごとの相対感度を示すグラフ。 第2撮像信号のバンドごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は光学フィルタF2の光透過率特性を示すグラフ、(b)はイメージセンサの色ごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は第1撮像信号の色ごとの相対感度を示すグラフ、(b)は第2撮像信号のバンドごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は光学フィルタF3の光透過率特性を示すグラフ、(b)はイメージセンサの色ごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は第1撮像信号の色ごとの相対感度を示すグラフ、(b)は第2撮像信号のバンドごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は光学フィルタF4の光透過率特性を示すグラフ、(b)はイメージセンサの色ごとの相対感度を示すグラフ。 (a)は第1撮像信号の色ごとの相対感度を示すグラフ、(b)は第2撮像信号のバンドごとの相対感度を示すグラフ。 マルチスペクトル画像撮像装置の制御系の電気的構成を示すブロック図。 マルチスペクトル画像撮像制御を示すタイミングチャート。 検査装置の機能的構成を示すブロック図。 (a)は基準画像の特定領域を説明する模式図、(b)は基準画像の特定領域以外の背景領域を基に増幅率を求める処理を説明する模式図。 第2実施形態における検査装置を備えた検査システムを示す模式図。 マルチスペクトル画像撮像装置の制御系の電気的構成を示すブロック図。 マルチスペクトル画像撮像制御を示すタイミングチャート。 (a),(b)は第1及び第2フレームで撮像された第2撮像信号のフレームごとのバンドの相対感度をそれぞれ示すグラフ、(c)は(a),(b)に示される第2撮像信号を合成した6バンドの相対感度を示すグラフ。 変更例の撮像制御を示すタイミングチャート。
(第1実施形態)
以下、マルチスペクトル画像撮像装置及びこのマルチスペクトル画像撮像装置を備えた検査装置について、図面を参照して説明する。
図1に示す検査システム10は、被写体である物品12を撮像した画像を用いて物品12の良否を検査する。検査システム10は、物品12が搬送される搬送装置13と、搬送装置13により搬送される物品12を、カメラ30で撮像した撮像結果に基づいて物品12の良否を検査する検査装置11とを備える。検査装置11は、複数バンドのマルチスペクトル画像を生成するマルチスペクトル画像撮像装置15と、マルチスペクトル画像を用いて検査する検査処理部70とを備える。マルチスペクトル画像撮像装置15は、搬送装置13に搬送される被写体の一例である物品12を撮像するカメラ30と、カメラ30と電気的に接続された制御処理部40とを備える。制御処理部40は、少なくとも一部が、コンピュータにより構成される。コンピュータは、入力装置と表示部とを備える。本実施形態では、搬送装置13は、検査装置11の制御系と通信可能に接続されている搬送系の制御部により駆動される。なお、制御処理部40が、搬送装置13を制御してもよい。
図1に示すように、搬送装置13は、物品12を搬送するためのコンベヤ16と、コンベヤ16に載置されて搬送される物品12を検知するセンサ17と、検査装置11の検査結果から不良品と判定された場合に良品の流れるラインから物品12を排除する排出装置(図示略)とを備える。コンベヤ16は、物品12を搬送できれば、ベルトコンベヤ、ローラコンベヤ等でもよいし、物品12を把持して搬送したり、物品12を吊下する状態で搬送したりするものでもよい。排出装置は、物品12を押し出して排除する構成、又はエアの力で物品12を吹き飛ばして排除する構成でもよい。
検査装置11は、複数バンドのマルチスペクトル画像を生成するマルチスペクトル画像撮像装置15と、複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて物品12の良否を検査する検査処理部70と、マルチスペクトル画像及び検査結果を表示する表示部41とを備える。検査装置11は、マルチスペクトル画像撮像装置15が検査対象の被写体である物品12を撮像したときに出力した複数バンドの第2撮像信号S2に基づいて物品12を検査する。表示部41は、コンピュータに接続されたモニタでもよいし、操作盤に設けられたディスプレイでもよい。
マルチスペクトル画像撮像装置15は、物品12に光を照射する照明部20と、被写体である物品12を撮像するカメラ30と、制御処理部40とを備える。制御処理部40は、照明部20及びカメラ30を制御する制御部50と、カメラ30が撮像した撮像画像を複数バンドのマルチスペクトル画像に変換する変換部60とを備える。変換部60は、カメラ30が撮像して得た第1撮像信号S1を、複数バンドのマルチスペクトル画像を表す第2撮像信号S2に変換する。
検査処理部70は、マルチスペクトル画像撮像装置15を構成する変換部60が生成した複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて物品12の良否を検査し、検査に用いられたマルチスペクトル画像及び検査結果を表示部41に表示する。また、マルチスペクトル画像撮像装置15は、変換部60が生成した複数バンドのマルチスペクトル画像を表示部41に表示する。
図1、図3に示すように、カメラ30は、光学フィルタ31と、レンズ32と、イメージセンサ33とを備える。光学フィルタ31は被写体である物品12と、イメージセンサ33との間の光路上に配置されている。図1に示す例では、光学フィルタ31は、被写体である物品12とレンズ32との間に配置されているが、レンズ32とイメージセンサ33との間に配置されてもよい。
イメージセンサ33は、被写体である物品12の像を光学フィルタ31及びレンズ32を通して受光し、その受光結果に応じた第1撮像信号S1を出力する。イメージセンサ33が出力する第1撮像信号S1は、変換部60に入力される。変換部60は、第1撮像信号S1を複数バンドのマルチスペクトル画像を表す第2撮像信号S2に変換する。
図1に示す検査処理部70は、変換部60が変換した第2撮像信号S2で表される複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて被写体である物品12の良否を検査する。複数バンドの第2撮像信号S2はマルチスペクトル画像を表示するための画像信号である。
図1に示す照明部20は、1種類の発光スペクトルをもつ単体の発光部であってもよいが、第1実施形態では、マルチスペクトルの特性、性能を改善するために、複数の発光部を用いる。照明部20は、発光スペクトルが異なる複数の光源21〜24を備える。本例の照明部20は、第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24を備える。複数の光源21〜24は、例えばLEDにより構成される。照明部20は、発光スペクトルがそれぞれの異なる複数の光源21〜24を組み合わせて構成される。制御部50は、複数の光源21〜24を発光させることにより、被写体である物品12に向かって可視光及び近赤外光を含む照明光を照射させる。
マルチスペクトル画像撮像装置15は、画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタ34を有するイメージセンサ33を備える。カラーフィルタ34は、複数の異なる透過率特性をもつRフィルタ34R、Gフィルタ34G、Bフィルタ34Bを画素単位で配置して構成される。
次に、図2(a),(b)を参照して、カメラ30が備えるイメージセンサ33の構成について説明する。図2(a)は、RGB画像を撮像する汎用のカラーカメラ200である。カラーカメラ200は、鏡筒30aに組み付けられたレンズ32と、近赤外光を遮断する近赤外光カットフィルタ201(以下、IRカットフィルタ201ともいう。)と、イメージセンサ33とを備える。イメージセンサ33は、Rフィルタ34Rを透過したレッド光を受光し受光量に応じたR撮像信号を出力するR受光素子33Rと、Gフィルタ34Gを透過したグリーン光を受光し受光量に応じたG撮像信号を出力するG受光素子33Gと、Bフィルタ34Bを透過したブルー光を受光し受光量に応じたB撮像信号を出力するB受光素子33Bとを備える。イメージセンサ33において、R受光素子33R、G受光素子33G及びB受光素子33Bは、所定の配列で配置されている。
このイメージセンサ33は、近赤外光がカットされたRGB撮像特性を有する。R受光素子33R、G受光素子33G及びB受光素子33Bは、図2(a)のグラフで示されるそれぞれの波長帯の光に感度を有する。このグラフは、横軸が波長を示し、縦軸が相対感度を示す。R受光素子33Rは、図2(a)におけるグラフに示されるレッド(R)の波長帯の光に高い感度を有する。G受光素子33Gは、図2(a)におけるグラフに示されるグリーン(G)の波長帯の光に高い感度を有する。B受光素子33Bは、図2(a)におけるグラフに示されるブルー(B)の波長帯の光に高い感度を有する。
図2(b)は、図2(a)に示す汎用のカラーカメラ200からIRカットフィルタ201を除去したカラーカメラ250である。カラーカメラ250に内蔵されるイメージセンサ33は、近赤外光がカットされず、近赤外光の波長帯域を含むRGB撮像特性を有する。R受光素子33R、G受光素子33G及びB受光素子33Bは、図2(b)におけるグラフに示される可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVA(特に近赤外波長領域)の光に感度を有する。
図3は、本実施形態のカメラ30の模式的な構成を示す。図3に示すように、カメラ30は、イメージセンサ33と被写体である物品12との間の光路上に光学フィルタ31を備える。カメラ30は、図2(a)に示すIRカットフィルタ201を備えていない。イメージセンサ33は、図2(a)に示す汎用のカラーカメラ200のものと同様の構成である。
イメージセンサ33そのものは、図2(b)のグラフに示すように、可視光波長領域VAと非可視光波長領域IVAに感度を有する。カメラ30は、例えば、図2(a)に示す汎用のカラーカメラ200からIRカットフィルタ201を除去したうえで、光学フィルタ31を光路上に取り付けて構成される。なお、カメラ30は、汎用のカラーカメラ200をベースにする構成に限定されない。
イメージセンサ33を構成するカラーフィルタ34は、RGB原色フィルタであるが、Mg,Ye,Cyの補色フィルタでもよい。また、RGBフィルタ又は補色フィルタに加え近赤外光を選択的に透過するNIRフィルタが混在してもよい。さらに、RGBフィルタが、R,G1,G2,Bフィルタであったり、カラーフィルタ34が補色フィルタと原色フィルタを組み合わせた構成であってもよい。さらに、組み合せるフィルタは、3種類以上であってもよい。
光学フィルタ31は、可視光波長領域VA内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域IVA内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもつ。このような分光透過率特性を得るため、光学フィルタ31は、1枚か、図3に示すように2枚の光学フィルタ31A,31Bにより構成される。図3に示す光学フィルタ31は、非可視光波長領域IVA内で1領域または複数領域の透過領域を有するので、被写体である物品12から光学フィルタ31を透過した非可視光波長の光は、図3に示すイメージセンサ33に受光される。本実施形態の光学フィルタ31は、少なくとも近赤外光波長領域内の一部の波長帯の光を透過する。近赤外光波長領域は、波長が約800〜約2500nmの領域である。なお、1つの光学フィルタ31を3枚以上で構成してもよいが、光透過率が低下して照明部20の光量を高める必要があるので、省電力の観点から数は少ない方が好ましい。
図4(a)は光学フィルタ31の分光透過率特性の一例を示す。本実施形態では、光学フィルタ31として、図4(a)に示す分光透過率特性を有する光学フィルタF1、図6(a)に示す分光透過率特性を有する光学フィルタF2、図8(a)に示す分光透過率特性を有する光学フィルタF3、及び図10(a)に示す分光透過率特性を有する光学フィルタF4が用いられる。光学フィルタ31は、検査対象である被写体において識別した物体の分光反射率特性の違いに応じて、検査に適した分光透過率特性を有するものが使用される。
図4(a)に示す光学フィルタF1は、可視光波長領域VA内で波長約620nm以下の領域に遮断領域を有するとともに、波長約620nmを超える領域に透過領域を有する分光透過率特性をもつ。非可視光波長領域IVA内では図示される全域が透過領域となっている。光学フィルタF1は、少なくとも近赤外波長領域が透過領域となっている。
図3に示すカメラ30では、光学フィルタ31が、図4(a)に示す分光透過率特性を有する光学フィルタF1である場合、光学フィルタF1によって、被写体である物品12からの光のうち波長約620nm以下の光が遮断され、波長約620nmを超える光が透過する。よって、イメージセンサ33そのものが、図4(b)に示す感度を有していても、イメージセンサ33は、光学フィルタ31により遮断された波長約620nm以下の光が受光されない。よって、図3のグラフに示すように、イメージセンサ33は、約620nmを超える波長領域に実質的な感度を有する。つまり、イメージセンサ33は、波長約620nm以下の領域で感度をもたず、波長約620nmを超える領域に感度を有する。
図3に示すイメージセンサ33を構成するR受光素子33Rは、同図のグラフにRで示されバンドの感度を有し、G受光素子33GはGで示されるバンドの感度を有し、B受光素子33BはBで示されるバンドの感度を有する。各受光素子33R,33G,33Bは、光学フィルタ31を透過した光のうち、カラーフィルタ34の各フィルタ34R,34G,34Bを透過した光をそれぞれの感度に応じて受光する。イメージセンサ33は、各受光素子33R,33G,33Bの受光量に応じたR値、G値、B値をもつ各撮像信号が、所定の配列パターンの順番でシリアルに並ぶ第1撮像信号S1を出力する。
図5に示す変換部60は、図3に示すイメージセンサ33から入力した第1撮像信号S1のRGB値をXYZ値に変換することで第2撮像信号S2を生成する。図5に示すグラフは、第2撮像信号S2を構成するXYZ値で表される3バンドを示す。グラフの横軸が波長を示し、縦軸が相対感度を示す。
図5に示すように、本実施形態では、第2撮像信号S2は、3バンドのうち少なくとも1つのバンドのピークが、可視光波長領域VAよりも波長が長い近赤外光波長領域にある。特に本例では、2つのバンドのピークが、近赤外光波長領域にある。すなわち、変換部60は、図3のグラフで示される3バンドのRGB信号を、RGB信号とは異なる波長帯に感度をもつ3バンドのXYZ信号に変換する。図5のグラフに示されるように、Xで示されるバンドは約870nmにピークをもち、Yで示されるバンドは約770nmにピークをもち、Zで示されるバンドは約670nmにピークをもつ。XYZの3バンドで示される感度の各ピークは、他の2つのバンドの感度よりもそれぞれ高くなっており、XYZの各バンドは分離されている。
図6(a)に示す光学フィルタF2は、透過率が0.1以下となる波長約580〜730nmの範囲に遮断領域を有するとともに、透過率が0.7以上となる波長約520nm以下と約770nm以上の範囲に透過領域を有する分光透過率特性をもつ。換言すれば、光学フィルタF2は、可視光波長領域VA内で波長約580〜700nmの範囲に遮断領域を有するとともに、非可視光波長領域IVA内で波長約770nm以上の範囲に透過領域を有する分光透過率特性をもつ。
よって、イメージセンサ33そのものが、図6(b)に示すRGBの3バンドの相対感度を有していても、図6(a)に示す光学フィルタF2の分光透過率特性により、イメージセンサ33は、図7(a)のグラフに示す実質的な相対感度を有する。
そして、変換部60は、図7(a)のグラフで示される3バンドのRGB信号を、RGB信号とは異なる波長帯に感度をもつ3バンドのXYZ信号に変換する。
図7(b)に示すように、第2撮像信号S2を構成する3バンドのXYZのうち1つのバンドのピークが、非可視光波長領域IVAのうちの近赤外光波長領域にある。他の2つのバンドのピークが、可視光波長領域VAにある。すなわち、図7(b)のグラフに示されるように、Xのバンドは約780nmにピークをもち、Yのバンドは約530nmにピークをもち、Zのバンドは約460nmにピークをもつ。XYZの3バンドで示される相対感度の各ピークは、それぞれのピークの波長で他の2つのバンドの相対感度の値よりもそれぞれ高くなっており、XYZの各バンドは分離されている。
また、図8(a)に示す光学フィルタF3は、複数の波長帯に透過率が0.1以下となる遮断領域を有するとともに、複数の波長帯に透過率が0.7以上となる透過領域を有する分光透過率特性をもつ。換言すれば、光学フィルタF3は、可視光波長領域VA内で複数の遮断領域を有するとともに、非可視光波長領域IVA内のうちの近赤外光波長領域に複数の透過領域を有する分光透過率特性をもつ。
よって、イメージセンサ33そのものが、図8(b)に示すRGBの3バンドの相対感度を有していても、図8(a)に示す光学フィルタF3の分光透過率特性により、イメージセンサ33は、図9(a)のグラフに示す実質的な相対感度を有する。
そして、変換部60は、図9(a)のグラフで示される3バンドのRGB信号を、RGB信号とは異なる波長帯に感度をもつ3バンドのXYZ信号に変換する。
図9(b)に示すように、第2撮像信号S2を構成する3バンドのXYZのうち1つのバンドのピークが、非可視光波長領域IVAのうちの近赤外光波長領域にある。他の2つのバンドのピークが、可視光波長領域VAにある。すなわち、図9(b)のグラフに示されるように、Xのバンドは約960nmにピークをもち、Yのバンドは約670nmにピークをもち、Zのバンドは約560nmにピークをもつ。XYZの3バンドで示される相対感度の各ピークは、それぞれのピークの波長で他の2つのバンドの相対感度の値よりもそれぞれ高くなっており、XYZの各バンドは分離されている。
さらに、図10(a)に示す光学フィルタF4は、複数の波長帯に透過率が0.1以下となる遮断領域を有するとともに、複数の波長帯に透過率が0.7以上となる透過領域を有する分光透過率特性をもつ。換言すれば、光学フィルタF4は、可視光波長領域VA内で複数の遮断領域を有するとともに、非可視光波長領域IVA内のうちの近赤外光波長領域に複数の透過領域を有する分光透過率特性をもつ。
よって、イメージセンサ33そのものが、図10(b)に示すRGBの3バンドの相対感度を有していても、図10(a)に示す光学フィルタF4の分光透過率特性により、イメージセンサ33は、図11(a)のグラフに示す実質的な相対感度を有する。
そして、変換部60は、図11(a)のグラフで示される3バンドのRGB信号を、RGB信号とは異なる波長帯に感度をもつ3バンドのXYZ信号に変換する。
図11(b)に示すように、第2撮像信号S2は、3バンドのうち1つのバンドのピークが、非可視光波長領域IVAのうちの近赤外光波長領域にある。他の2つのバンドのピークが、可視光波長領域VAにある。すなわち、図11(b)のグラフに示されるように、Xのバンドは約870nmにピークをもち、Yのバンドは約800nmにピークをもち、Zのバンドは約830nmにピークをもつ。XYZの3バンドで示される相対感度の各ピークは、それぞれのピークの波長で他の2つのバンドの相対感度の値よりもそれぞれ高くなっており、XYZの各バンドは分離されている。
次に、図12を参照して、マルチスペクトル画像撮像装置15の制御系の電気的構成を説明する。図12に示すように、制御部50は、発光制御部51と、撮像制御部52とを備える。発光制御部51は、電源25と電気的に接続され、電源25から所定電圧の電力の供給を受ける。発光制御部51は、照明部20を構成する第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24を時分割で発光させる発光制御を行う。
撮像制御部52は、センサ17(図1参照)が物品12を検知した検知信号に基づき撮像トリガ信号を入力する。撮像制御部52は、撮像トリガ信号を入力すると、発光制御部51に発光指令信号LSを出力するとともに、イメージセンサ33に撮像指令信号ISを出力する。発光制御部51は、発光指令信号LSを入力すると、複数の光源21〜24を時分割で組み合わせて発光させる。イメージセンサ33は、撮像指令信号ISを入力すると、撮像動作を行う。撮像動作の結果、イメージセンサ33は、第1撮像信号S1を変換部60に出力する。第1撮像信号S1は、RGB撮像信号である。
次に、図13を参照して、マルチスペクトル画像撮像装置15の動作タイミングを説明する。図13は、被写体に対して1ショットの撮像が行われる過程で、複数の光源21〜24を時分割で発光させる発光制御、使用される光学フィルタ31、イメージセンサ33の撮像動作の各タイミングを示す。
カメラ30は、1つの被写体を撮像する1ショットで、1つの光学フィルタ31を通して1フレームの撮像を行う。また、照明部20を構成する複数の光源21〜24を、時分割で発光させることで、電源25の許容最大電流値を超過せず、且つ必要な光強度の照明を得る。このとき、発光制御として、複数の光源21〜24の発光タイミングの制御と、複数の光源21〜24の個々に流れる電流値の制御とが行われる。1フレームの撮像過程で、第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24の全てを時分割で発光させることで、可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVAに発光スペクトルをもつ照明光が被写体に照射される。
ここで、複数の光源の数をJ個(但しJ≧2)とすると、本例ではJ=4である。制御部50は、J個の光源21〜24を、同時に発光させる光源の数をJ個よりも少なくして、1ショット撮像期間中にそれぞれの光強度を制御しつつ時分割に発光させる。マルチスペクトル画像撮像装置15は、カメラ30が1つの物品12につき1フレームの撮像を行うことで、物品12が撮像された3バンドのマルチスペクトル画像を取得する。なお、J=1でもよい。光源が1つでも、マルチスペクトル撮像は成立する。
次に、図14を参照して、変換部60及び検査処理部70の構成を説明する。
図14に示すように、光学フィルタ31及びレンズ32を通して物品12の像がイメージセンサ33の撮像面に結像される。イメージセンサ33は物品12の撮像結果として第1撮像信号S1を変換部60に出力する。第1撮像信号S1は、各受光素子33R,33G,33BからのR撮像信号(レッド信号)、G撮像信号(グリーン信号)及びB撮像信号(ブルー信号)を含むシリアル信号である。なお、R撮像信号、G撮像信号及びB撮像信号を、単にR信号、G信号及びB信号ともいう。
図14に示すように、変換部60は、RGB分離部61、XYZ変換部62、ホワイトバランス部63及び高輝度色抑圧部64を備える。RGB分離部61は、イメージセンサ33から入力した第1撮像信号S1を、R撮像信号、G撮像信号及びB撮像信号に分離する。
XYZ変換部62は、RGB分離部61から入力したR信号、G信号及びB信号を、X信号、Y信号及びZ信号に変換する。詳しくは、XYZ変換部62は、R信号、G信号及びB信号の信号値であるRGB値に対してマトリックス演算を施すことにより、X信号、Y信号及びZ信号に変換する。XYZ変換部62には、マトリックス係数が与えられる。ここで、マトリックス演算に用いられるマトリックスは、3×3マトリックスである。XYZ変換部62には、3×3マトリックスの係数が与えられる。
XYZ変換部62は、マトリックス係数を用いて特定される3×3マトリックスを、第1撮像信号S1のRGB値に対して乗算するマトリックス演算を行い、第1撮像信号S1のRGBと異なる分光特性を持つXYZで表される第2撮像信号S2に変換する。マトリックス係数は、第1撮像信号S1のRGBを、第2撮像信号S2のXYZに複数バンドに分光させるための係数である。
ここで、第1撮像信号S1であるRGB信号を、第2撮像信号S2であるXYZ信号に変換する計算式は、下記の(1)式で与えられる。
Figure 2021145185
ここで、a1〜a3,b1〜b3,c1〜c3はマトリックス係数であり、Gx,Gy,Gzは増幅率である。
XYZ変換部62は、上記(1)式のうち、RGB値に対して3×3マトリックスを乗算する演算処理を行う。XYZ変換部62は、増幅率が乗算される前のXYZ値をホワイトバランス部63に出力する。
ここで、イメージセンサ33におけるカラーフィルタ34の色数をn(但し、nは3以上の自然数)とする。n個の撮像信号間で行うマトリックス演算は、n×nマトリックス演算である。n×nマトリックスには、第1撮像信号S1の色ごとの撮像信号を、nバンドの波長領域に分離可能なマトリックス係数が設定されている。本例では、第1撮像信号S1の色ごとの撮像信号は、R信号、G信号、B信号であり、色数nは「3」である(n=3)。つまり、n×nマトリックスは、3×3マトリックスである。そして、3×3マトリックスには、3バンドの分離性を高くできるマトリックス係数が設定されている。
例えば、図4(a)に示す光学フィルタF1が用いられる場合、図3から図5への変換のマトリックス演算に使用される3×3マトリックスの係数として、a1=−0.05、a2=−0.1、a3=1、b1=−0.26、b2=2、b3=−1.5、c1=1、c2=−1.5、c3=0.4が与えられる。
また、例えば、図6(a)に示す光学フィルタF2が用いられる場合、図7(a)から図7(b)への変換のマトリックス演算に使用される3×3マトリックスの係数として、a1=1、a2=0、a3=0、b1=−0.6、b2=1、b3=−0.1、c1=−0.2、c2=−0.45、c3=1が与えられる。
なお、n×nマトリックス演算に限定されず、n×m(但しm≠n)マトリックス演算でもよい。色数「3」である場合、3×3マトリックス演算に限定されず、3×4マトリックス演算を行って4バンドのマルチスペクトル画像を生成したり、3×2マトリックス演算を行って色数nよりも少ないバンド数のマルチスペクトル画像を生成してもよい。
ホワイトバランス部63は、XYZ変換部62からのXYZ値に、与えられたX増幅率Gx,Y増幅率Gy,Z増幅率Gzをそれぞれ乗算する。ホワイトバランス部63は、XYZ変換後のX値にX増幅率Gxを乗算し、Y値にY増幅率Gyを乗算し、Z値にZ増幅率Gzを乗算する。つまり、ホワイトバランス部63は、上記(1)式において、増幅率Gx,Gy,Gzをマトリックス係数とする1×3マトリックスを乗算する演算を行うことで、ホワイトバランスを調整する。ホワイトバランス部63は、ホワイトバランスが調整されたXYZ値を高輝度色抑圧部64に出力する。なお、ホワイトバランスの調整は、1つの信号レベルを固定して他の2個の信号レベルを調整する方法でもよい。例えば、Y信号を固定とし、X信号とZ信号を調整してもよい。
高輝度色抑圧部64は、閾値以上の輝度を無彩色とみなしその部分の色を抑制する。こうして、変換部60は、入力した第1撮像信号S1に対して、RGB分離処理、XYZ変換処理、ホワイトバランス処理及び高輝度色抑圧処理を順次行うことで、XYZ疑似カラー画像を表現可能な第2撮像信号S2を出力する。変換部60は、物品12が撮像されたXYZ疑似カラー画像とされた3バンドのマルチスペクトル画像を、検査処理部70に出力する。
次に、検査処理部70について説明する。
検査処理部70は、特定領域検出処理部71と判定処理部72とを備える。
特定領域検出処理部71は、XYZ疑似カラー画像SIにおいて、与えられたパラメータを基に特定領域EAを検出する。ここで、特定領域EAとは、物品12の良否を判定する検査の対象となる検査対象領域を指す。特定領域検出処理部71は、XYZ疑似カラー画像SI中の被写体領域において検出した特定領域EAの数及び面積を算出する。詳しくは、特定領域検出処理部71は、パラメータを基に検出した特定領域EAの数を不図示のカウンターにより計数するとともに、検出した特定領域EAの面積を求める。
判定処理部72は、与えられた閾値に基づいて、特定領域EAの数及び面積から、物品12の良否を検査する。判定処理部72は、閾値として、特定領域EAの数の判定に用いる数閾値と、面積の判定に用いる面積閾値とが与えられる。例えば、判定処理部72は、面積閾値を超える特定領域EAの数が数閾値を超えるか否かを判定する。あるいは、判定処理部72は、特定領域の数が閾値を超え且つ各特定領域EAの面積を合計した合計面積が面積閾値を超えらか否かを判定する。判定処理部72は、検査の判定条件を満たせば、を良品と判定し、判定条件を満たさなければ、不良品と判定する。
なお、判定処理部72が、特定領域EAを、数及び面積から良品か不良品かを判定する方法は、適宜変更できる。例えば、判定処理部72は、面積閾値を超える特定領域EAの数が数閾値を超えると、物品12が良品であると判定したり、反対に不良品であると判定したりしてもよい。また、特定領域EAの面積だけで物品12の良否を判定したり、数だけで物品12の良否を判定したりしてもよい。
次に、X,Y,Zの増幅率の設定方法について図15を参照して説明する。
検査対象となる被写体である物品12の標準画像を事前に撮像する。検査処理部70は、例えば、パーソナルコンピュータの一部により構成される。例えば、検査員は、モニタ等の表示部41に、図15(a)に示す基準画像SIを表示させる。検査員は、抽出したい特定領域EAをマウス等のポインティングデバイスを用いてマニュアル操作で囲んで指定する。検査員は、抽出したい領域の特定が色のデータであれば、XYZの色度座標で表された色領域のうちどの領域の色を抽出したいかをマニュアル操作で指定する。パラメータは、XYZの色度座標で表された色領域のうちどの領域の色を抽出するのかを特定可能な色度座標閾値で与えられる。また、抽出したい領域の特定が、色ではなく差分であれば、パラメータは、差分のデータがどの領域を抽出したいかを特定可能な閾値で与えられる。ここでのXYZは、正式な増幅率が決定される前に暫定で設定されたXYZ増幅率により算出された値であり、ここで特定したパラメータも、暫定であり、特定領域EAを抽出するためだけの閾値である。
検査処理部70は、特定領域EAが指定されると、初期設定処理として、図15(b)に示す基準画像SI中の特定領域EA以外の領域である背景領域OAを求める。そして、検査処理部70は、背景領域OAのX,Y,Z撮像信号別に領域内の値を加算して、各積分値ΣX,ΣY,ΣZを求める。さらに、検査処理部70は、ΣX*Gx=ΣY*Gy=ΣZ*Gzを満たす増幅率Gx,Gy,Gzを算出する。そして、検査処理部70は、X,Y,Z信号の増幅率として、Gx,Gy,Gzを初期設定する。なお、特定領域EAは、良品と判定するための良領域でもよいし、不良品と判定するための不良領域でもよい。
このように、事前に与えられた基準となる被写体である物品12を撮像して得られる複数バンドの第2撮像信号S2を基に、検査処理部70は、基準画像SI中の特定領域EAを抽出する画像処理を行う。そして、検査処理部70は、基準画像SI中の特定領域EA以外の背景領域OAの全領域におけるバンドごとの撮像信号の積算値が、バンド間で等しくなるように、バンドごとの第2撮像信号S2の増幅率を算出し、バンドごとの第2撮像信号S2の増幅率として設定する。3×3マトリックスの係数、X,Y,Z増幅率Gx,Gy,Gz、パラメータ及び閾値は、不図示の記憶部に記憶される。なお、増幅率Gx,Gy,Gzを算出する処理は、検査処理部70に替え、変換部60が行ってもよい。
次に、マルチスペクトル画像撮像装置15及び検査装置11の作用について説明する。
図1に示すように、搬送装置13のコンベヤ16によって、被写体である物品12が搬送される。センサ17が物品12を検知すると、トリガー信号が制御部50に入力される。図12に示すように、トリガー信号を入力した撮像制御部52は、発光制御部51に発光指令信号LSを出力するとともにイメージセンサ33に撮像指令信号ISを出力する。
図13に示すように、発光制御部51は、複数の光源21〜24を、電源25の許容最大電流値を超過しないように、時分割で発光させる。この照明過程において、第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24の全てを時分割で発光させることで、可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVAに発光スペクトルをもつ照明光を被写体である物品12に照射する。
また、イメージセンサ33は、物品12に対して光学フィルタ31を通して1フレームの撮像を行う。イメージセンサ33は、第1撮像信号S1を変換部60に出力する。
変換部60では、第1撮像信号S1をRGB分離し、分離したRGB値に3×3マトリックスを乗算することで、RGB値をXYZ値に変換する。このXYZ値に増幅率Gx,Gy,Gzを乗算することで、ホワイトバランスが調整されたXYZ値が生成される。さらに、高輝度色抑圧部64により、閾値以上の輝度を無彩色とみなしその部分の色を抑制する。こうして、変換部60からXYZ疑似カラー画像を表す第2撮像信号S2が検査処理部70に出力される。
検査処理部70では、第2撮像信号S2に基づくXYZ疑似カラー画像に対して、特定領域検出処理部71が特定領域EAを検出する。例えば、図15(a)に示す基準画像SIが、検査で撮像されたXYZ疑似カラー画像とすると、特定領域検出処理部71が特定領域EAを検出する。詳しくは、特定領域検出処理部71は、XYZの色度座標で表された色領域のうちパラメータで特定された色の領域を特定領域EAとして検出する。あるいは、特定領域検出処理部71は、パラメータが、色ではなく差分で与えられる場合、パラメータで特定された領域を特定領域EAとして検出する。そして、特定領域検出処理部71は、特定領域EAの数を計数するとともに、特定領域EAの面積を求める。
判定処理部72は、与えられた閾値を用いて特定領域EAの検査対象値が閾値を超えるか否かを判定する。本例の判定処理部72は、特定領域EAの数と数閾値とを比較するとともに、特定領域EAの面積と面積閾値とを比較することで、物品12の良否を判定する。検査結果から物品12が不良品である場合、排出装置を駆動して不良品の物品12をコンベヤ16上から排除する。
本実施形態では、マルチスペクトル画像撮像方法が採用される。
マルチスペクトル画像撮像方法は、撮像ステップと変換ステップとを備える。撮像ステップでは、イメージセンサ33が光学フィルタ31を通して被写体である物品12を撮像する。変換ステップでは、イメージセンサ33から出力される第1撮像信号S1をカラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号S2に変換する。複数バンドの第2撮像信号S2のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域IVAに感度をもつ。
以上、詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)マルチスペクトル画像撮像装置15は、画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタ34を有するイメージセンサ33と、光学フィルタ31と、変換部60と、を備える。光学フィルタ31は、可視光波長領域VA内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域IVA内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもち、イメージセンサ33と被写体である物品12との間の光路上に配置される。変換部60は、イメージセンサ33から出力される第1撮像信号S1をカラーフィルタ34の色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、カラーフィルタ34とは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号S2に変換する。複数バンドの第2撮像信号S2のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域IVAに感度をもつ。よって、1つの光学フィルタ31につき複数のマルチスペクトル画像を生成できる。また、光学フィルタ31により得られる複数バンドの分光感度特性を光源21〜24の発光スペクトルで補正することもでき、より自由度の高いとマルチスペクトル撮像特性を実現できる。
(2)照明部20は、発光スペクトルが異なる複数の光源21〜24を備える。複数の光源21〜24のうち同時に発光させる光源の数を複数よりも少なくして、1ショット撮像期間中にそれぞれの光強度を制御しつつ時分割に発光させる。よって、電源の最大許容電流を低く抑えつつ被写体に可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVAの光を照射することができる。よって、非可視光波長領域IVAに少なくとも1バンドを含む複数バンドのマルチスペクトル画像を取得できる。また、光学フィルタ31により得られる複数バンドの分光感度特性を光源21〜24の発光スペクトルで補正することもでき、より自由度の高いとマルチスペクトル撮像特性を実現できる。
(3)検査処理部70は、事前に与えられた基準となる被写体を撮像して得られる複数バンドの第2撮像信号S2に基づく基準画像SI中の特定領域を抽出する画像処理を行う。基準画像SI中の特定領域EA以外の背景領域OAの全領域におけるバンドごとの第2撮像信号S2の積算値が、バンド間で等しくなるように算出した増幅率Gx,Gy,Gzが、バンドごとの第2撮像信号S2の増幅率として設定されている。よって、複数バンドのマルチスペクトル画像を疑似カラー画像として取得できる。例えば、表示部41に表示された複数バンドのマルチスペクトル画像をユーザが疑似カラー画像として視認できる。
(4)検査装置11は、マルチスペクトル画像撮像装置15と、マルチスペクトル画像撮像装置15が検査対象の物品12を撮像したときに出力した複数バンドの第2撮像信号S2に基づいて物品12を検査する検査処理部70とを備える。よって、複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて被写体を検査できる検査装置11を簡単な構成で提供できる。
(5)画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタ34を有するイメージセンサ33を用いたマルチスペクトル画像撮像方法である。可視光波長領域VA内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域IVA内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもつ光学フィルタ31が、イメージセンサ33と被写体との間の光路上に配置される。この方法は、イメージセンサ33が光学フィルタ31を通して物品12を撮像する撮像ステップと、変換ステップとを備える。変換ステップでは、イメージセンサ33から出力される第1撮像信号S1をカラーフィルタ34の色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、カラーフィルタ34とは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号S2に変換する。複数バンドの第2撮像信号S2のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域IVAに感度をもつ。この方法によれば、マルチスペクトル画像撮像装置15と同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、図16〜図19を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、1つの被写体に対して1フレームごとに光学フィルタ31を切り替えて2フレームの撮像を行う点が、第1実施形態と異なる。1フレームにつき3ハンドの第2撮像信号S2を取得することにより、6バンドのマルチスペクトル画像を取得する。なお、検査装置11は、その他の構成については、基本的に第1実施形態と同様の構成を有する。
図16、図17に示すように、マルチスペクトル画像撮像装置15は、光学フィルタ31を切り替える切替部の一例としてのフィルタ切替部36を備える。フィルタ切替部36には、複数の光学フィルタ31がセットされている。フィルタ切替部36は、セットされた複数の光学フィルタ31のうちイメージセンサ33と被写体である物品12との間に配置される1つを切り替える。図1では、切替対象の光学フィルタ31が第1光学フィルタ311と第2光学フィルタ312との2つの例を示すが、2つに限定されず複数であればよい。例えば、切替対象の光学フィルタ31は3つ、4つ、5つでもよい。フィルタ切替部36には、切替対象の光学フィルタ31として、光学フィルタF1〜F4(図4(a)、図6(a)、図8(a)、図10(a))のうち分光透過率特性の異なる複数が切替可能にセットされる。なお、1つの光学フィルタ31は、1枚又は複数枚の光学フィルタ31A,31B(図3参照)により構成されてもよい。
図17に示すように、制御部50は、フィルタ切替部36を制御するフィルタ選択制御部53を備える。撮像制御部52は、フィルタ切替部36に切替指令信号FSを出力する。フィルタ切替部36は、切替指令信号FSを入力すると、フィルタ切替部36を切替制御し、指示された光学フィルタ31をイメージセンサ33と被写体との間の光路上の位置に配置する。
図18に示すように、撮像制御部52は、1つの被写体を複数フレームで撮像する。例えば、撮像制御部52は、1つの被写体に対して、第1フレームの撮像と第2フレームの撮像とを行う。撮像制御部52は、1フレームの撮像を終える度に、フィルタ選択制御部53に切替指令信号FSを出力する。フィルタ選択制御部53は、切替指令信号FSを入力すると、フィルタ切替部36を駆動させて第1光学フィルタ311から第2光学フィルタ312に切り替える。この結果、被写体とイメージセンサ33との間の光路上に第2光学フィルタ312が配置される。撮像制御部52は、イメージセンサ33に第2フレームの撮像を行わせる。
撮像時には、発光制御部51が、第1光源21と、第2光源22、第3光源23及び第4光源24とを時分割で発光させる。これにより、必要な照明を電源25の許容最大電流値を超過しないように時分割に配分する。図18に示すように、例えば、第1フレームの撮像過程で、第1光源21、第2光源22及び第3光源23を時分割で発光させる。この結果、可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVAに発光スペクトルをもつ照明光が被写体である物品12に照射される。また、第2フレームの撮像過程で、第1光源21、第3光源23及び第4光源24を時分割で発光させる。この結果、可視光波長領域VA及び非可視光波長領域IVAに発光スペクトルをもつ照明光が被写体である物品12に照射される。
イメージセンサ33は、第1フレームで撮像された第1撮像信号S1と、第2フレームで撮像された第1撮像信号S1を変換部60に順次出力する。変換部60内では、RGB分離部61が第1撮像信号S1をRGB分離し、XYZ変換部62がマトリックス演算を行い、ホワイトバランス部63が増幅率を乗算する処理などを行うことで、3バンドの第2撮像信号S2に変換する。第1フレームの撮像に基づく第2撮像信号S2は、例えば、図19(a)に示すX1,Y1,Z1で表される3バンドの信号である。また、第2フレームの撮像に基づく第2撮像信号S2は、例えば、図19(b)に示すX2,Y2,Z2で表される3バンドの信号である。変換部60は、3バンドずつの2種類の第2撮像信号S2を基に、図19(c)に示す6バンドの第2撮像信号S2として出力する。変換部60は、6バンドの第2撮像信号S2に基づく6バンドのXYZ疑似カラー画像を検査処理部70に出力する。第2撮像信号S2のバンド数「6」は、光学フィルタ31にカラーフィルタ34の色数「3」よりも多い。つまり、本実施形態のマルチスペクトル画像撮像装置15は、第1実施形態よりも、バンド数の多い第2撮像信号S2を取得できる。
検査処理部70は、6バンドのうち検査のうえで識別しやすい2バンドを選択して検査処理を行う。検査処理に用いるバンド数は、2バンドに限らず、3バンド、4バンド、5バンド、6バンドでもよい。2バンドの場合、検査処理部70は、2バンドの差分に基づいて物品12の良否を判定したり、最大のバンドと最小のバンドとの差分に基づいて物品12の良否を判定したりする。また、4バンドの場合、検査処理部70は、4バンドのうち、2つのバンドの和と、他の2つのバンドの和との比較又は差分に基づいて物品12の良否を判定する。検査処理部70は、6バンドのうち1バンドのみを用いて検査処理を行ってもよく、検査処理内容は他の適宜な方法を採用してもよい。
第2実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6)互いに異なる分光透過率特性をもつ複数の光学フィルタ31と、複数の光学フィルタ31のうち光路上に配置される1つの光学フィルタ31を切り替えるフィルタ切替部36と、イメージセンサ33及びフィルタ切替部36を制御する制御部50とを備える。制御部50は、フィルタ切替部36を制御して光路上に配置される1つの光学フィルタ31を時分割で順次切り替えるとともに、イメージセンサ33に時分割で被写体である物品12を撮像させることにより、イメージセンサ33が複数の時分割画像ごとに第1撮像信号S1を出力する。変換部60は、複数の時分割画像ごとに、イメージセンサ33から出力される第1撮像信号S1をカラーフィルタ34の色毎の撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行うことにより、カラーフィルタ34とは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号S2に変換する。第2撮像信号S2のバンド数は、カラーフィルタ34の色数よりも多い。よって、光学フィルタ31が切り替えられることで、イメージセンサ33は光学フィルタ31ごとに時分割で被写体である物品12を撮像するので、カラーフィルタ34の色数より多いバンド数のマルチスペクトル画像を取得できる。例えば、検査精度を高めたり、検査できる被写体の種類が多くしたりすることができる。
実施形態は、上記に限定されず、以下の態様に変更してもよい。
・図20に示すように、カメラ30による被写体の撮像を広ダイナミックレンジ処理で行ってもよい。カメラ30で撮像するときに、被写体の明るさに合わせると、背景が飽和して真っ白になる。一方、背景の明るさに合わせると、被写体が真っ黒になる。そこで、図20に示すように、1つの被写体に対して1つの光学フィルタ31で照明の明るさを変えて2フレームで撮像を行う。第1フレームで第1光源21、第2光源22及び第3光源23を時分割で発光させて照明を第1光強度で明るく設定し、被写体に合わせて撮像する。次に第2フレームで第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24を時分割で発光させて第1光強度よりも弱い第2光強度で照明を暗くして背景を撮像する。なお、検査では、被写体である物品12の一部が照明部20からの直接の反射光により飽和してテカリが発生する場合がある。このテカリを防ぐための手段として広ダイナミック撮像を適用してもよい。
・可視光波長領域と近赤外光波長領域とに透過領域を有する光学フィルタ31を用いた場合、複数バンドの第2撮像信号S2のうち少なくとも1つのバンドが、近赤外光波長領域にあればよい。例えば、他のバンドが、可視光波長領域に限らず、中赤外光波長領域、遠赤外光波長領域、紫外光波長領域に感度をもってもよい。
・複数バンドのピークがある波長領域が、近赤外光波長領域にない構成でもよい。複数バンドのピークがある波長領域が、中赤外光波長領域、遠赤外光波長領域、及び紫外光波長領域のうちいずれかである構成でもよい。
・照明部20を構成する第1光源21、第2光源22、第3光源23及び第4光源24を時分割で発光させる構成ではなく、一斉に発光させてもよい。
・カメラ30を用いて光学フィルタ31を通してイメージセンサ33で撮像した第1撮像信号に基づく画像データ(例えばRGB画像データ)をUSBメモリ等のリムーバブルメモリに保存する。そのリムーバブルメモリに保存された画像データをパーソナルコンピュータに読み取らせ、パーソナルコンピュータのCPU(変換部60)がマトリックス演算を含む変換処理を行って複数バンドのマルチスペクトル画像を生成してもよい。つまり、撮像ステップを行う装置と、変換ステップを行う装置とが、別々の装置であってもよい。このようなマルチスペクトル画像撮像方法によっても、複数バンドのマルチスペクトル画像を取得できる。
・増幅率及びパラメータのうち少なくとも一方を、検査処理部70が算出する構成でもよいし、予め他のコンピュータで算出した値をマルチスペクトル画像撮像装置15のメモリに書き込む構成でもよい。
・イメージセンサ33を構成するカラーフィルタ34の色数は3色又は4色に限定されず、5色、6色、7色、8色でもよい。このうち少なくとも1色が可視光を透過せず非可視光を透過するフィルタであってもよい。例えば、近赤外光を透過するNIRフィルタを含むカラーフィルタを備えたイメージセンサ33であってもよい。
・撮像対象又は検査対象とされる被写体の一例である物品12は特に限定されない。物品12は、例えば、ペットボトルや壜等の容器、食品、飲料物、電子部品、電化製品、日常用品、部品、部材、粉粒体又は液状等の原料などでもよい。物品12はマルチスペクトル画像により良否を検査できるものであれば足りる。
・被写体とされる物品12は、近赤外領域などの非可視光波長領域IVAに少なくとも1つのバンドをもつ複数バンドのマルチスペクトル画像を用いて、可視光のみの下で撮像した画像では検査が困難な検査対象を検査できる物品であればよい。物品12は、例えば、液体入りの容器や、果物や野菜などの食材、花等の植物、植物性又は動物性の半加工食品あるいは加工食品、生物などでもよい。
・撮像対象又は検査対象は、物品12に限らず、建物の写真、航空撮影の地形写真、空の写真、天体写真、顕微鏡写真などを検査対象としてもよい。
・第2実施形態のマルチスペクトル画像撮像装置15を使用し、図13に示すマルチスペクトル画像撮像制御を行ってもよいし、図20に示すマルチスペクトル画像撮像制御を行ってもよい。
・マルチスペクトル画像撮像装置15は、検査処理部70とは別の装置として構成してもよい。マルチスペクトル画像撮像装置15を検査以外の用途で使用してもよい。
・イメージセンサ33を構成するカラーフィルタの配列パターンは、RGBベイヤ配列に限らず、ストライプ配列など任意の配列パターンでもよい。
・制御部50、変換部60及び検査処理部70のうち少なくとも1つは、一部又は全部が、プログラムを実行するコンピュータよりなるソフトウェアにより構成されてもよいし、電子回路等のハードウェアにより構成されてもよい。
(定義)
「少なくとも1バンドが、非可視光波長領域に感度をもつ」とは、少なくとも1バンドについては感度のピークが非可視光波長領域IVAにあることをいう。換言すれば、少なくとも1バンドについては感度のピークが、可視光波長よりも波長が長い領域と、可視光波長よりも波長が短い領域とのうち少なくとも一方の領域にあることをいう。ここで、「可視光波長よりも波長が長い領域」とは、近赤外光波長領域、中赤外光波長領域及び遠赤外光波長領域のうち少なくとも一方の領域を指す。また、「可視光波長よりも波長が短い領域」とは、紫外光波長領域を指す。
10…検査システム、11…検査装置、12…被写体の一例としての物品、13…搬送装置、15…マルチスペクトル画像撮像装置、16…コンベヤ、17…センサ、20…照明部、21…第1光源、22…第2光源、23…第3光源、24…第4光源、25…電源、30…カメラ、30a…鏡筒、31,F1〜F4…光学フィルタ、31A,32B…光学フィルタ、311…第1光学フィルタ、312…第2光学フィルタ、32…レンズ、33…カラーイメージセンサ(イメージセンサ)、33R…R受光素子、33G…G受光素子、33B…B受光素子、34…カラーフィルタ、34R…カラーフィルタの一例を構成するRフィルタ、34G…カラーフィルタの一例を構成するGフィルタ、34B…カラーフィルタの一例を構成するBフィルタ、36…切替部の一例であるフィルタ切替部、40…制御処理部、41…表示部、50…制御部、51…発光制御部、52…撮像制御部、53…フィルタ選択制御部、60…変換部、61…RGB分離部、62…XYZ変換部、63…ホワイトバランス部、64…高輝度色抑圧部、70…検査処理部、71…特定領域検出処理部、72…判定処理部、S1…第1撮像信号、S2…第2撮像信号、VA…可視光波長領域、IVA…非可視光波長領域、Gx,Gy,Gz…増幅率、LS…発光指令信号、IS…撮像指令信号、SI…基準画像、EA…特定領域、OA…非特定領域、FS…切替指令信号。

Claims (6)

  1. 画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタを有するイメージセンサを備えたマルチスペクトル画像撮像装置であって、
    可視光波長領域内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもち、前記イメージセンサと被写体との間の光路上に配置される光学フィルタと、
    前記イメージセンサから出力される第1撮像信号を前記カラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号に変換する変換部と
    を備え、
    複数バンドの前記第2撮像信号のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域に感度をもつことを特徴とするマルチスペクトル画像撮像装置。
  2. 互いに異なる前記分光透過率特性をもつ複数の前記光学フィルタと、
    複数の前記光学フィルタのうち前記光路上に配置される1つの光学フィルタを切り替える切替部と、
    前記イメージセンサおよび前記切替部を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記切替部を制御して前記光路上に配置される1つの前記光学フィルタを時分割で順次切り替えるとともに、前記イメージセンサに時分割で被写体を撮像させることにより、前記イメージセンサが複数の時分割画像ごとに前記第1撮像信号を出力し、
    前記変換部は、複数の前記時分割画像ごとに、前記イメージセンサから出力される前記第1撮像信号をカラーフィルタ毎の撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行うことにより、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの前記第2撮像信号に変換し、
    前記第2撮像信号のバンド数は、前記カラーフィルタの色数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載のマルチスペクトル画像撮像装置。
  3. 発光スペクトルが異なる複数の光源を備え、
    複数の前記光源のうち同時に発光させる前記光源の数を前記複数よりも少なくして、1ショット撮像期間中にそれぞれの光強度を制御しつつ時分割に発光させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマルチスペクトル画像撮像装置。
  4. 事前に与えられた基準となる被写体を撮像して得られる複数バンドの前記第2撮像信号に基づく画像中の特定領域を抽出する画像処理を行い、前記画像中の前記特定領域以外の全領域におけるバンドごとの前記第2撮像信号の積算値が、バンド間で等しくなるように、バンドごとの前記第2撮像信号の増幅率が設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のマルチスペクトル画像撮像装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のマルチスペクトル画像撮像装置と、
    前記マルチスペクトル画像撮像装置が検査対象の被写体を撮像したときに出力した複数バンドの前記第2撮像信号に基づいて前記被写体を検査する検査処理部と
    を備えることを特徴とする検査装置。
  6. 画素単位で複数の異なる透過率特性をもつカラーフィルタを有するイメージセンサを用いたマルチスペクトル画像撮像方法であって、
    可視光波長領域内で1領域または複数領域の遮断領域を有するとともに非可視光波長領域内で1領域または複数領域の透過領域を有する分光透過率特性をもつ光学フィルタが、前記イメージセンサと被写体との間の光路上に配置され、
    前記イメージセンサが前記光学フィルタを通して被写体を撮像する撮像ステップと、
    前記イメージセンサから出力される第1撮像信号を前記カラーフィルタの色ごとの撮像信号に分離し、分離された撮像信号間でマトリックス演算を行い、前記カラーフィルタとは異なる撮像特性をもつ複数バンドの第2撮像信号に変換する変換ステップと
    を備え、
    複数バンドの前記第2撮像信号のうち少なくとも1バンドが、非可視光波長領域に感度をもつことを特徴とするマルチスペクトル画像撮像方法。
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