JP2021143664A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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幸司 杉浦
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寛真 西岡
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啓介 村脇
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Abstract

【課題】触媒層の被毒を抑制し、浄化性能を向上することができる排ガス浄化装置を提供することにある。【解決手段】ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備え、ハニカム基材は、流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有し、複数のセルは、隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含み、流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口し、流入側触媒層は、隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における流入セル側の表面上に設けられ、流出側触媒層は、OSC材を含有する粉末状の担体及び該担体に担持された触媒金属粒子を含み、隔壁の所定位置から流出側端までの流出側領域の内部の細孔に設けられ、隔壁の流出側領域の内部の細孔は、流出側触媒層で閉塞されていない移流部及び流出側触媒層で閉塞された閉塞部を含むことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ウォールフロー型のフィルタに触媒が設けられた排ガス浄化装置に関する。
自動車等における内燃機関から排出される排ガスには、大気汚染の原因となる炭素を主成分とする粒子状物質(PM:Particulate Matter、以下では「PM」と略すことがある。)や不燃成分であるアッシュ等が含まれている。PMを排ガスから捕集して除去するためのフィルタとして、ウォールフロー型のフィルタが広く用いられている。
ウォールフロー型のフィルタは、通常、ハニカム基材を備え、ハニカム基材が流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有し、複数のセルが隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含んでいる。そして、流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口している。このため、流入セルに流入側端から流入した排ガスは隔壁を透過することで流出セルに流入し、流出セルの流出側端から排出される。そして、排ガスが隔壁を透過する時に、PMが隔壁の気孔内に捕集される。ウォールフロー型のフィルタとしては、例えば、ディーゼルエンジン用のディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)やガソリンエンジン用のガソリンパティキュレートフィルタ(GPF、以下では「GPF」と略すことがある。)等が知られている。
一方、排ガスには、PMの他に、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)等の有害成分が含まれている。有害成分は、貴金属触媒等の触媒を塗布したフィルタによって排ガスから除去できる。このため、近年、PM及び有害成分の両方を排ガスから除去するために、ウォールフロー型のフィルタに触媒が設けられた排ガス浄化装置が用いられている。
ウォールフロー型のフィルタに触媒が設けられた排ガス浄化装置としては、例えば、隔壁の流入セル側の表面上に排ガスの流入側端から隔壁の延伸方向に沿って隔壁の全長より短い長さで設けられている第1触媒層と、隔壁の内部であって流出セルに面する領域の少なくとも一部に、排ガスの流出側端から隔壁の延伸方向に沿って設けられている第2触媒層と、を備える排ガス浄化装置が知られている(特許文献1)。
特許第6386697号公報
自動車等の排ガス浄化システムにおいて、上流側排ガス浄化装置(スタートアップ触媒(S/C))の下流側に配置された下流側排ガス浄化装置(アンダーフロア触媒(UF/C))に流入する排ガスの組成は、上流側排ガス浄化装置の浄化性能及びエンジンの運転条件に依存する。エンジンの運転条件がストイキからずれた際には、上流側排ガス浄化装置における酸素吸放出能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有するOSC材で酸化剤(NOx/O)又は還元剤(HC/CO)の量論を調整している。しかしながら、高速域等のエンジンからの排出が多い領域では、上流側排ガス浄化装置のOSC材での酸素の吸放出では浄化処理が賄えなくなり、リッチ時にはHC及びCOのみが、リーン時はNOxのみが下流側排ガス浄化装置に流入し、HC及びCOとNOxとがリッチ時及びリーン時に交互に流入することになる。
リッチ時に無酸素に近い状態でHC及びCOのみが下流側排ガス浄化装置に流入すると、HCが触媒層に吸着することで、下流側排ガス浄化装置は被毒し、本来の浄化性能が徐々に喪失される。さらに、排ガスが600℃以上である場合には、HCのコーキング(重合)が起こり、HCの重合体が物理的に触媒層の表面を覆うことにより、更なる浄化性能の低下が起こる。特に、SULEV30やSULEV20システムのような高浄化性能が求められるシステムにおいては、下流側排ガス浄化装置の浄化性能は重要であるから、このような現象は致命的である。
これに対し、特許文献1に記載されたウォールフロー型の排ガス浄化装置では、隔壁の流入側に設けられた流入側触媒層(第1触媒層)及び隔壁の流出側に設けられた流出側触媒層(第2触媒層)の排ガスとの接触頻度を従来よりも増大させることで浄化性能の向上を図っているものの、無酸素に近い状態でHC及びCOのみが流入した場合に、HCにより被毒が起こり、浄化性能が低下することを抑制することは困難であった。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、触媒層の被毒を抑制することで、浄化性能を向上することができる排ガス浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の排ガス浄化装置は、ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備える排ガス浄化装置であって、上記ハニカム基材は、流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有し、上記複数のセルは、上記隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含み、上記流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、上記流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口し、上記流入側触媒層は、上記隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における上記流入セル側の表面上に設けられ、上記流出側触媒層は、OSC材を含有する粉末状の担体及び該粉末状の担体に担持された触媒金属粒子を含み、上記隔壁の上記所定位置から流出側端までの流出側領域の内部の細孔に設けられ、上記隔壁の上記流出側領域の内部の細孔は、上記流出側触媒層で閉塞されていない移流部及び上記流出側触媒層で閉塞された閉塞部を含むことを特徴とする。
本発明によれば、触媒層の被毒を抑制することで、浄化性能を向上することができる。
実施形態の排ガス浄化装置の一例を概略的に示す斜視図である。 図1に示される排ガス浄化装置におけるセル及び隔壁の延伸方向に平行な断面の要部を概略的に示す断面図である。 (a)は、図1に示される排ガス浄化装置の内部を排ガスが流れる様子を概略的に示す斜視図である。(b)は、(a)に示される破線枠内における隔壁の流出側領域の内部を拡大して示す概略断面図である。(c)は、(b)に示される破線枠内における隔壁の流出側領域の内部及び流出側触媒層をさらに拡大して示す概略断面図である。 (a)は、実施例における隔壁の流出側領域の断面をX線CTで撮影した画像であり、(b)は、比較例における隔壁の流出側領域の断面をX線CTで撮影した画像である。 実施例及び比較例の排ガス浄化装置のHC50%浄化温度を示すグラフである。
本発明に係る実施形態の排ガス浄化装置は、ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備える排ガス浄化装置であって、上記ハニカム基材は、流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有し、上記複数のセルは、上記隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含み、上記流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、上記流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口し、上記流入側触媒層は、上記隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における上記流入セル側の表面上に設けられ、上記流出側触媒層は、OSC材を含有する粉末状の担体及び該粉末状の担体に担持された触媒金属粒子を含み、上記隔壁の上記所定位置から流出側端までの流出側領域の内部の細孔に設けられ、上記隔壁の上記流出側領域の内部の細孔は、上記流出側触媒層で閉塞されていない移流部及び上記流出側触媒層で閉塞された閉塞部を含むことを特徴とする。
ここで、「流入側」とは、排ガス浄化装置において排ガスが流入する側を指し、「流出側」とは、排ガス浄化装置において排ガスが流出する側を指す。
実施形態において、隔壁の延伸方向は、特に限定されないが、通常、ハニカム基材の軸方向と略同一であり、セルの延伸方向は、特に限定されないが、通常、隔壁の延伸方向と略同一である。以下の説明では、「延伸方向」とは、隔壁及びセルの延伸方向、すなわち流入側及び流出側が対向する方向であって、ハニカム基材の軸方向と略同一の方向を指す。
最初に、実施形態の排ガス浄化装置の概略について、例示して説明する。
ここで、図1は、実施形態の排ガス浄化装置の一例を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示される排ガス浄化装置におけるセル及び隔壁の延伸方向に平行な断面の要部を概略的に示す断面図である。図3(a)は、図1に示される排ガス浄化装置の内部を排ガスが流れる様子を概略的に示す斜視図である。図3(b)は、図3(a)に示される破線枠内における隔壁の流出側領域の内部を拡大して示す概略断面図である。図3(c)は、図3(b)に示される破線枠内における隔壁の流出側領域の内部及び流出側触媒層をさらに拡大して示す概略断面図である。
図1及び図2に示すように、実施形態の排ガス浄化装置1は、ウォールフロー型のGPFである。排ガス浄化装置1は、ハニカム基材10と封止部16と流入側触媒層20と流出側触媒層30とを備えている。ハニカム基材10は、円筒状の枠部11と枠部11の内側の空間をハニカム状に仕切る隔壁14とが一体形成された基材である。隔壁14は、ハニカム基材10の流入側端面10Saから流出側端面10Sbまで延びる複数のセル12を画成する多孔質体である。隔壁14の形状は、複数のセル12の延伸方向に垂直な断面が正方形になるように、互いに離間して平行に配置される複数の壁部14Lと、これらの複数の壁部14Lと直行しかつ互いに離間して平行に配置される複数の壁部14Sとを含み、延伸方向に垂直な断面が格子状となっている。
複数のセル12は、図2に示すように、隔壁14を挟んで隣接する流入セル12A及び流出セル12Bを含んでいる。流入セル12Aは、流入側端12Aaが開口し、流出側端12Abが封止部16により封止されており、流出セル12Bは、流入側端12Baが封止部16により封止され、流出側端12Bbが開口している。
流入側触媒層20は、図2に示すように、隔壁14の流入側端14aから流出側の所定位置14mまでの流入側領域14Raにおける流入セル12A側の表面14SAに設けられている。流入側触媒層20は、担体(図示せず)及び担体に担持された触媒金属粒子(図示せず)を含んでいる。
流出側触媒層30は、図2及び図3(a)〜図3(c)に示されるように、隔壁14の所定位置14mから流出側端14bまでの流出側領域14Rb及び所定位置14mから流入側に延在し流入側領域14Raと重複する重複領域14Rrにおける内部14Nの細孔Pに設けられている。流出側触媒層30は、セリア−ジルコニア複合酸化物(OSC材)からなる粉末状の担体32及び粉末状の担体32に担持されたRh(ロジウム)から構成される触媒金属粒子34を含んでいる。
隔壁14の流出側領域14Rbの内部14Nの細孔Pは、流出側触媒層30で閉塞されていない移流部Pa及び流出側触媒層30で閉塞された閉塞部Pbを含んでいる。移流部Paは、隔壁14の内部14Nの細孔P内における流出側触媒層30どうしの隙間のうち、排ガス中のCO、HC、及びNOx等の有害成分が主に移流により移動する大きい隙間である。閉塞部Pbは、隔壁14の内部14Nの細孔P内における流出側触媒層30どうしの隙間のうち、これらの有害成分が主に拡散により移動する小さい隙間である。
排ガス浄化装置1において、図1に示されるように、排ガスがハニカム基材10の流入側端面10Saから流入しその流出側端面10Sbから外部に流出するときには、図3(a)〜図3(c)に示されるように、流入セル12Aに流入側端12Aaから流入した排ガスは、流入側触媒層20に接触しながら延伸方向に流れた後に、隔壁14の流出側領域14Rbの内部14Nの細孔Pを通過することで、隔壁14の流出側領域14Rbを透過して流出セル12Bに流入する。この際には、隔壁14の細孔Pのうちの移流部Paでは、排ガス中のCO、HC、NOx等の有害成分が主に移流により移動するが、隔壁14の細孔Pのうちの閉塞部Pbでは、これらの有害成分が主に拡散により移動して入り込むことになる。
この場合、移流部Paの周囲にある流出側触媒層30では、リーン時に流入するNOx及びリッチ時に流入するHCが粉末状の担体32に接触し、粉末状の担体32におけるセリア−ジルコニア複合酸化物の酸素の吸放出が速く起こる。これにより、触媒金属粒子34のRh等での反応によりNOxから乖離した酸素がセリア−ジルコニア複合酸化物に吸蔵されることでセリア−ジルコニア複合酸化物を構成するCe(III)がCe(IV)になって、Ce(IV)がHCの吸着点となり、HCが粉末状の担体32に吸着して被毒するおそれがある。その一方で、閉塞部Pbを閉塞する流出側触媒層30では、リーン時に流入するNOx及びリッチ時に流入するHCが粉末状の担体32に接触することが抑制され、粉末状の担体32におけるセリア−ジルコニア複合酸化物の酸素の吸放出が遅くなるために、HCが粉末状の担体32に吸着して被毒することは免れる。さらに、閉塞部Pbを閉塞する流出側触媒層30に含まれる粉末状の担体32におけるセリア−ジルコニア複合酸化物で遅く起こる酸素の放出によって、移流部Paの周囲にある流出側触媒層30における粉末状の担体32に吸着するHCを酸化することができる。これにより、移流部Paの周囲にある流出側触媒層30の被毒を抑制することができる。
従って、実施形態の排ガス浄化装置においては、図1に示される排ガス浄化装置1のように、触媒層の被毒を抑制することで、浄化性能を向上することができる。
続いて、実施形態の排ガス浄化装置の各構成を詳細に説明する。
1.隔壁の上記流出側領域の内部の細孔
上記隔壁の上記流出側領域の内部の細孔は、上記流出側触媒層で閉塞されていない移流部及び上記流出側触媒層で閉塞された閉塞部を含んでいる。ここで、「移流部」とは、図3(c)に示される移流部Paのように、隔壁の流出側領域の内部の細孔内における流出側触媒層どうしの隙間のうち、排ガス中のCO、HC、及びNOx等の有害成分が主に移流により移動する大きい隙間を指す。また、「閉塞部」とは、図3(c)に示される閉塞部Pbのように、隔壁の流出側領域の内部の細孔内における流出側触媒層どうしの隙間のうち、排ガス中のCO、HC、及びNOx等の有害成分が主に拡散により移動する小さい隙間を指す。
これらの移流部及び閉塞部は、ハニカム基材が有する隔壁及び流出側触媒層から構成される。以下、ハニカム基材及び流出側触媒層について、説明する。
(1)ハニカム基材
上記ハニカム基材は、流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有する。そして、上記複数のセルは、上記隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含み、上記流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、上記流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口している。
ハニカム基材は、枠部と枠部の内側の空間をハニカム状に区切る隔壁とが一体形成された基材である。
ハニカム基材の軸方向の長さは、特に限定されず、一般的な長さを用いることができるが、例えば、10mm以上500mm以下の範囲内が好ましく、中でも50mm以上300mm以下の範囲内が好ましい。ハニカム基材の容量、すなわち、セルの総体積は、特に限定されず、一般的な容量を用いることができるが、例えば、0.1L以上5L以下の範囲内が好ましい。
ハニカム基材の材料は、特に限定されず、一般的な材料を用いることができるが、例えば、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)、チタン酸アルミニウム等のセラミックス、ステンレス等の合金等が挙げられる。
枠部の形状は、特に限定されず、一般的な形状を用いることができるが、例えば、円筒形の他、楕円筒形、多角筒形等の筒形が挙げられる。枠部の他の構成は、特に限定されず、一般的な構成を用いることができる。
隔壁の形状は、特に限定されず、一般的な形状を用いることができる。隔壁の延伸方向の全長は、特に限定されないが、通常、ハニカム基材の軸方向の長さと略同一となる。隔壁の厚さは、特に限定されず、一般的な厚さを用いることができるが、例えば、50μm以上2000μm以下の範囲内が好ましく、中でも100μm以上1000μm以下の範囲内が好ましい。隔壁の厚さがこれらの範囲内であることにより、基材の強度を確保しつつ、十分なPMの捕集性能を得ることができ、圧力損失を十分に抑制できるからである。
隔壁は排ガスが透過可能な多孔質構造を有する。隔壁の気孔率(細孔率)は、特に限定されず、一般的な気孔率を用いることができるが、例えば、40%以上70%以下の範囲内が好ましく、中でも50%以上70%以下の範囲内が好ましい。気孔率がこれらの範囲の下限以上であることにより、圧力損失を効果的に抑制できるからであり、気孔率がこれらの範囲の上限以下であることにより、十分な機械的強度を確保できるからである。隔壁の細孔の平均径は、特に限定されず、一般的な平均径を用いることができるが、例えば、1μm以上60μm以下の範囲内が好ましく、中でも5μm以上30μm以下の範囲内が好ましい。隔壁の細孔の平均径がこれらの範囲内であることにより、十分なPMの捕集性能を得ることができ、圧力損失を十分に抑制できるからである。なお、「隔壁の細孔の平均径」は、例えば、パームポロメータを用いたバブルポイント法により測定されたものを指す。
流入セル及び流出セルは、枠部の内側の空間を隔壁が区切ることで形成されたものであり、隔壁を挟んで隣接する。流入セル及び流出セルは、通常、延伸方向に垂直な方向が隔壁で囲まれている。
流入セルは、通常、流出側端が封止部により封止されている。流出セルは、通常、流入側端が封止部により封止されている。封止部の延伸方向の長さは、特に限定されず、一般的な長さでよいが、例えば、2mm以上20mm以下の範囲内が好ましい。封止部の材料は、特に限定されず、一般的な材料でよい。
流入セル及び流出セルの延伸方向に垂直な断面形状は、特に限定されず、一般的な形状を用いることができ、排ガス浄化装置を透過する排ガスの流量及び成分等を考慮して適宜設定することができる。断面形状としては、例えば、正方形等の矩形、六角形等を含む多角形、円形等が挙げられる。流入セル及び流出セルの延伸方向に垂直な断面積は、特に限定されず、一般的な断面積を用いることができるが、例えば、1mm以上7mm以下の範囲内である。流入セル及び流出セルの延伸方向の長さは、特に限定されないが、通常、ハニカム基材の軸方向の長さから封止部の延伸方向の長さを差し引いた長さと略同一となる。流入セル及び流出セルの配置態様は、図1に示される配置態様のように、流入セル及び流出セルを交互に配置する市松模様のような態様等が挙げられる。
(2)流出側触媒層
上記流出側触媒層は、OSC材を含有する粉末状の担体及び該粉末状の担体に担持された触媒金属粒子を含み、上記隔壁の上記所定位置から流出側端までの流出側領域の内部の細孔に設けられている。
粉末状の担体は、少なくともOSC材を含有するものであれば特に限定されないが、酸素吸放出能を有していない担体の材料をさらに含有するものでもよい。すなわち、粉末状の担体としては、OSC材からなる粉末状の担体のみを含有するものでもよいし、OSC材からなる粉末状の担体及び酸素吸放出能を有していない材料からなる粉末状の担体を含有するものでもよい。
OSC材は、特に限定されないが、例えば、セリア及びセリアを含む複合酸化物等が挙げられる。セリアを含む複合酸化物としては、例えば、セリア−ジルコニア(CeO2−ZrO2)複合酸化物等が挙げられる。OSC材としては、セリア−ジルコニア複合酸化物等が好ましい。
酸素吸放出能を有していない担体の材料としては、例えば、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物等が挙げられる。
粉末状の担体の体積基準の粒度分布における累積50%粒径D50は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下の範囲内が好ましく、中でも0.5μm以上7μm以下の範囲内が好ましい。これらの範囲内であることにより、触媒層の被毒を効果的に抑制できるからである。
なお、実施形態において、粉末状の担体の体積基準の粒度分布における累積50%粒径は、例えば、レーザー回折粒度分布測定装置等により測定して求めることができる。
触媒金属粒子の材料は、特に限定されず、一般的な材料を用いることができるが、例えば、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)等の貴金属等が挙げられる。触媒金属粒子の材料は、1種の金属又は2種以上の金属でもよいし、2種以上の金属を含有する合金でもよい。触媒金属粒子の材料としては、Rh等が好ましい。
触媒金属粒子の平均粒径は、特に限定されず、一般的な平均粒径を用いることができるが、例えば、0.1nm以上20nm以下の範囲内が好ましい。平均粒径がこの範囲の上限以下であることにより、排ガスとの接触面積を大きくできるからである。なお、触媒金属粒子の平均粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定される粒径から求められる平均値を指す。
触媒金属粒子の含有量は、特に限定されず、一般的な含有量を用いることができるが、触媒金属粒子の材料によって異なり、例えば、材料がRh、Pd、又はPtである場合には、0.01g以上2g以下の範囲内が好ましい。含有量がこの範囲の下限以上であることにより、十分な触媒作用が得られるからであり、含有量がこの範囲の上限以下であることにより、触媒金属粒子の粒成長を抑制できると同時にコスト面で有利になるからである。ここで、「触媒金属粒子の含有量」とは、流出側触媒層に含まれる触媒金属粒子の質量を、流出側触媒層の延伸方向の長さと軸方向の長さが同一である、ハニカム基材の軸方向の一部の体積で割った値を指す。
流出側触媒層の密度は、特に限定されず、一般的な密度を用いることができるが、例えば、例えば、20g/L以上300g/L以下の範囲内が好ましく、中でも40g/L以上250g/L以下の範囲内、特に60g/L以上200g/L以下の範囲内が好ましい。密度がこの範囲の下限以上であることにより、浄化性能を向上することが容易となるからである。密度がこの範囲の上限以下であることにより、圧力損失を抑制することが容易となるからである。なお、「流出側触媒層の密度」とは、流出側触媒層の合計の質量を、流出側触媒層の延伸方向の長さと軸方向の長さが同一である、ハニカム基材の軸方向の一部の体積で割った値を指す。
流出側触媒層の厚さは、特に限定されず、一般的な厚さを用いることができるが、例えば、隔壁の厚さの50%以上100%以下の範囲内が好ましい。厚さがこれらの範囲の下限以上であることにより、排ガスが隔壁を通過する際に触媒層と排ガスの接触頻度を確保できるからである。
担体及び触媒金属粒子の合計の質量に対する触媒金属粒子の質量比は、特に限定されず、一般的な質量比を用いることができるが、例えば、0.01質量%以上10質量%以下の範囲内が好ましい。質量比がこの範囲の下限以上であることにより、十分な触媒作用が得られるからであり、質量比がこの範囲の上限以下であることにより、触媒金属粒子の粒成長を抑制できると同時にコスト面で有利になるからである。
流出側触媒層の形成方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができるが、例えば、スラリーを隔壁の流出側領域の内部に供給し、乾燥して焼成する方法が挙げられる。なお、触媒金属粒子を粉末状の担体に担持させる方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができるが、例えば、触媒金属塩(例えば、硝酸塩等)又は触媒金属錯体(例えば、テトラアンミン錯体等)を含有する水溶液に粉末状の担体を含浸させた後、乾燥して焼成する方法等が挙げられる。
スラリーは、特に限定されないが、通常、溶媒並びに粉末状の担体及び触媒金属粒子を含む。溶媒は、特に限定されず、一般的な溶媒を用いることができるが、例えば、イオン交換水等の水、水溶性有機溶媒、又は水及び水溶性有機溶媒の混合物等が挙げられる。スラリーは、さらにバインダ等の添加剤を適宜含んでもよい。
スラリーに含まれる担体の材料及び粒径、溶媒の種類、添加剤の種類、並びにスラリーの各固形成分の濃度及び粘度等は、スラリーが隔壁の内部に浸透するように適宜調整することができる。
スラリーを隔壁の流出側領域の内部に供給する方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができるが、例えば、スラリー中に封止部が設けられたハニカム基材を流出側端面側から浸漬し、所定の時間が経過した後、スラリーから取り出す方法等が挙げられる。スラリーを隔壁の流出側領域の内部に供給する際には、スラリーを隔壁の流出側領域のセル側の表面から供給した上で、セルを加圧することで、スラリーを隔壁の内部の細孔の奥深くまで浸透させてもよい。流出側触媒層を隔壁の内部の細孔の奥深くに形成し閉塞部を形成できるからである。
スラリーを隔壁の流出側領域の内部に供給し、乾燥して焼成する方法において、乾燥条件は、特に限定されず、一般的な条件を用いることができるが、ハニカム基材又は粉末状の担体の寸法により左右されるが、例えば、80℃以上300℃以下の範囲内の温度で1時間以上10時間以下の範囲内の時間乾燥する条件が好ましい。焼成条件は、特に限定されず、一般的な条件を用いることができるが、例えば、400℃以上1000℃以下の範囲内の温度で1時間以上4時間以下の範囲内の時間焼成する条件が好ましい。
なお、流出側触媒層の密度、厚さ、及び気孔率等の性状等は、スラリーの供給量、スラリーに含まれる触媒金属粒子、粉末状の担体、及び添加剤等の各成分の材料、粒径、及び含有量、スラリーの性状、乾燥条件、並びに焼成条件等により調製できる。
2.流入側触媒層
上記流入側触媒層は、上記隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における上記流入セル側の表面上に設けられている。これにより、隔壁の流入側領域の流入セルに面する気孔が流入側触媒層により閉塞されている。
ここで、「隔壁の流出側の所定位置」とは、隔壁の流入側端よりも流出側端に近い位置を指す。また、「隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における流入セル側の表面上に設けられている」とは、隔壁の外部において、隔壁の流入側領域における流入セル側の表面に接するように設けられていることを指す。
流入側触媒層の密度は、特に限定されず、一般的な密度を用いることができるが、例えば、30g/L以上350g/L以下の範囲内が好ましい。密度がこの範囲の下限以上であることにより、浄化性能を向上することが容易となるからである。密度がこの範囲の上限以下であることにより、圧力損失を抑制することが容易となるからである。なお、「流入側触媒層の密度」とは、流入側触媒層の合計の質量を、流入側触媒層の延伸方向の長さと軸方向の長さが同一である、ハニカム基材の軸方向の一部の体積で割った値を指す。
流入側触媒層の厚さは、特に限定されず、一般的な厚さを用いることができるが、例えば、隔壁の厚さの5%以上の範囲内が好ましい。厚さがこの範囲の下限以上であることにより、隔璧の流入側領域及び流入側触媒層を含む流入側隔壁部を排ガスが透過することを効果的に抑制できるからである。なお、流入側触媒層の厚さの範囲の上限は、圧力損失等を考慮し適宜設定することができる。
流入側触媒層は、触媒金属を含むものであれば特に限定されないが、通常、触媒金属粒子と触媒金属粒子を担持する担体とを含む。流入側触媒層は、例えば、触媒金属粒子を担持した触媒付担体の多孔質焼結体である。
触媒金属の材料は、特に限定されず、一般的な材料を用いることができるが、例えば、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Pt(白金)等の貴金属等が挙げられる。触媒金属の材料は、1種の金属又は2種以上の金属でもよいし、2種以上の金属を含有する合金でもよい。触媒金属の材料としては、Pt及びPd等の少なくとも1種が好ましく、中でもPtが好ましい。
触媒金属粒子の平均粒径は、特に限定されず、一般的な平均粒径を用いることができるが、例えば、0.1nm以上20nm以下の範囲内が好ましい。平均粒径がこの範囲の上限以下であることにより、排ガスとの接触面積を大きくできるからである。なお、触媒金属粒子の平均粒径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定される粒径から求められる平均値を指す。
触媒金属の基材の体積1L当たりの含有量は、特に限定されず、一般的な含有量を用いることができるが、触媒金属の材料によって異なり、例えば、材料がPd、Pt、又はRhである場合には、0.05g以上5g以下の範囲内が好ましい。含有量がこの範囲の下限以上であることにより、十分な触媒作用が得られるからであり、含有量がこの範囲の上限以下であることにより、触媒金属の粒成長を抑制できると同時にコスト面で有利になるからである。ここで、「触媒金属の基材の体積1L当たりの含有量」とは、流入側触媒層に含有される触媒金属の質量を、流入側触媒層の延伸方向の長さと軸方向の長さが同一である、ハニカム基材の軸方向の一部の体積で割った値を指す。
担体の材料は、特に限定されず、一般的な材料を用いることができるが、例えば、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、セリア(CeO)、シリカ(SiO)、マグネシア(MgO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物、又は例えば、セリア−ジルコニア(CeO−ZrO)複合酸化物等のようなこれらの固溶体等が挙げられる。担体の材料としては、これらのうちの1種でも2種以上でもよい。担体の材料としては、アルミナ及びセリア−ジルコニア複合酸化物等の少なくとも1種が好ましい。
担体の形状は、特に限定されず、一般的な形状を用いることができるが、粉末状が好ましい。より大きい比表面積を確保できるからである。粉末状の担体の平均粒径は、特に限定されないが、例えば0.01μm以上20μm以下の範囲内が好ましい。平均粒径がこの範囲の下限以上であることにより、十分な耐熱特性が得られるからであり、平均粒径がこの範囲の上限以下であることにより、触媒金属粒子の分散性を十分に確保することで浄化性能を効果的に向上できるからである。なお、「粉末状の担体の平均粒径」は、例えば、レーザ回折・散乱法により求められる平均粒径を指す。
触媒金属粒子及び担体の合計の質量に対する触媒金属粒子の質量比は、特に限定されず、一般的な質量比を用いることができるが、例えば、0.01質量%以上10質量%以下の範囲内が好ましい。質量比がこの範囲の下限以上であることにより、十分な触媒作用が得られるからであり、質量比がこの範囲の上限以下であることにより、触媒金属粒子の粒成長を抑制できると同時にコスト面で有利になるからである。
流入側触媒層は、触媒金属粒子及び担体の他に、触媒金属粒子を担持していない助触媒を含んでもよい。助触媒の材料は、特に限定されず、一般的な材料を用いることができるが、例えば、アルミナ、シリカ、セリア−ジルコニア複合酸化物等が挙げられる。助触媒の形状は、特に限定されず、一般的な形状を用いることができるが、粉末状が好ましい。触媒金属粒子、担体、及び助触媒の合計の質量に対する助触媒の質量比は、特に限定されず、一般的な質量比を用いることができるが、例えば、30質量%以上80質量%以下の範囲内が好ましい。粉末状の助触媒の平均粒径については、粉末状の担体の平均粒径と同様であるため、ここでの説明を省略する。
流入側触媒層の形成方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができるが、例えば、スラリーを隔壁の流入側領域における流入セル側の表面に供給した後に、乾燥して焼成する方法が挙げられる。なお、触媒金属粒子を担体に担持させる方法は、流出側触媒層の形成方法と同様である。
スラリーは、溶媒の他に触媒金属を含むものであれば特に限定されないが、通常、触媒金属粒子及び担体を含む。溶媒は、流出側触媒層の形成方法と同様である。スラリーは、さらに助触媒、酸素吸放出材、バインダ等の添加剤を適宜含んでもよい。
スラリーに含まれる担体、助触媒、酸素吸放出材、及び添加剤等の材料及び粒径、溶媒の種類、添加剤の種類、並びにスラリーの各固形成分濃度及び粘度等は、スラリーが隔壁の内部に浸透しないように適宜調整することができる。
スラリーを隔壁の流入側領域における流入セル側の表面に供給する方法は、特に限定されず、一般的な方法を用いることができるが、例えば、スラリー中に封止部が設けられたハニカム基材を流入側端面側から浸漬し、所定の時間が経過した後、スラリーから取り出す方法等が挙げられる。スラリーを隔壁の流入側領域における流入セル側の表面に供給する際には、スラリーが隔壁の内部に浸透しないように、流出セルを加圧して流出セル及び流入セルの間に圧力差を生じさせてもよい。
スラリーを隔壁の流入側領域における流入セル側の表面に供給した後に、乾燥して焼成する方法において、乾燥条件及び焼成条件は、流出側触媒層の形成方法と同様である。
なお、流入側触媒層の密度、厚さ、及び気孔率等の性状等は、スラリーの供給量、スラリーに含まれる触媒金属粒子、担体、助触媒、酸素吸放出材、及び添加剤等の各成分の材料、形状、粒径、及び含有量、スラリーの性状、乾燥条件、並びに焼成条件等により調製できる。
3.排ガス浄化装置
排ガス浄化装置は、ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備える。排ガス浄化装置は、通常、流入セルの流出端及び流出セルの流入側端を封止する封止部をさらに備える。
排ガス浄化装置としては、ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備えるものであれば特に限定されないが、流入側触媒層がPt(白金)及びPd(パラジウム)の少なくとも1種を含有する触媒金属を含み、流出側触媒層がRh(ロジウム)を含有する触媒金属を含むものが好ましい。リッチ雰囲気の排ガスのHC(炭化水素)を流入側触媒層に含まれるPt及びPdの少なくとも1種で効率的に酸化できるので、流出側触媒層がCeを起点としてHCで被毒されることを、抑制できるからである。また、そのHCをPt及びPdの少なくとも1種で酸化する場合には、Rhで酸化する場合よりも発熱が大きくかつHOの生成量が多いのに加え、Rhの水蒸気改質能はPt及びPdよりも高いので、そのHCを流出側触媒層で効率的に改質できるからである。該排ガス浄化装置としては、中でも、流入側触媒層がPtを含有する触媒金属を含むものが好ましい。より効果的に浄化性能を向上できるからである。
以下、実施例及び比較例を挙げて、実施形態の排ガス浄化装置をさらに具体的に説明する。
[実施例]
図1及び図2に示すウォールフロー型のGPFの排ガス浄化装置1の試験体を作製した。まず、ハニカム基材10と封止部16とを備え、流入セル12Aの流出側端12Abが封止部16により封止され、流出セル12Bの流入側端12Baが封止部16により封止された、触媒がコートされていないフィルタを準備した。ハニカム基材10及び封止部16の材質及び寸法等は、下記の通りである。
(ハニカム基材及び封止部)
ハニカム基材の材質:コージェライト
ハニカム基材のサイズ:外径×軸方向の長さ=117mm×80mm
隔壁の厚さ:200μm
セル密度:1平方インチ当たり300個
封止部の延伸方向の長さ:4mm
次に、粉末状の担体に触媒金属粒子を担持させた触媒付担体と溶媒とを混合することで流入側触媒層用スラリーを準備した。次に、流入側触媒層用スラリーをハニカム基材10の隔壁14の流入側領域14Raにおける流入セル12A側の表面14SAに供給した後に、乾燥して焼成した。これにより、流入側触媒層20を形成した。
次に、粉末状の担体に触媒金属粒子を担持させた触媒付担体と溶媒と添加剤とを混合することで、流出側触媒層用スラリーを準備した。この際には、溶媒及び添加剤の種類並びに各固形成分の濃度を調整することで、流出側触媒層用スラリーの粘度を比較例より高くなるように調整した。次に、流出側触媒層用スラリーをハニカム基材10の隔壁14の流出側領域14Rbにおける内部14Nに供給した後に乾燥して焼成した。スラリーを隔壁14の内部14Nに供給する際には、スラリーを隔壁14の流出側領域14Rbにおける流出セル12B側の表面14SBから供給した上で流出セル12Bを加圧することで、スラリーを隔壁14の内部14Nの細孔の奥深くまで浸透させた。これにより、流出側触媒層30を形成した。以上により排ガス浄化装置1の試験体を作製した。流出側触媒層用スラリー及び流出側触媒層の構成は下記の通りである。
(流出側触媒層用スラリー)
粉末状の担体の構成材料(OSC材):セリアジルコニア複合酸化物
触媒金属粒子の構成材料:Rh(ロジウム)
添加剤の種類:増粘剤、バインダ
粘度:30mPa・s〜150mPa・sの範囲内
(流出側触媒層)
密度:68g/L
触媒金属粒子の含有量:0.3g/L
[比較例]
ウォールフロー型のGPFの排ガス浄化装置の試験体を作製した。まず、実施例と同様に、触媒がコートされていないフィルタを準備した。次に、実施例と同様に、流入側触媒層を形成した。
次に、流出側触媒層用スラリーを準備する際には、溶媒及び添加剤の種類並びに各固形成分の濃度を調整することで、流出側触媒層用スラリーの粘度を実施例より低くなるように調整した点、及びスラリーを隔壁の内部に供給する際には、流出セルを加圧しなかった点を除いて、実施例と同様に、流出側触媒層を形成した。以上により排ガス浄化装置1の試験体を作製した。流出側触媒層用スラリー及び流出側触媒層の構成は下記の通りである。
(流出側触媒層用スラリー)
粉末状の担体(OSC材):実施例と同一
触媒金属粒子:実施例と同一
添加剤の種類:バインダ
粘度:1mPa・s〜10mPa・sの範囲内
(流出側触媒層)
密度:実施例と同一
触媒金属粒子の含有量:実施例と同一
[評価]
〔隔壁の断面観察〕
実施例及び比較例の排ガス浄化装置1の試験体について、流出側触媒層30が設けられたハニカム基材10の隔壁14の流出側領域14Rbにおける内部の断面観察を行った。具体的には、実施例及び比較例の排ガス浄化装置1の試験体について、図2に示すハニカム基材10の隔壁14の破線枠内の領域の断面をX線CTで撮影した。図4(a)は、実施例における隔壁の流出側領域の断面をX線CTで撮影した画像であり、図4(b)は、比較例における隔壁の流出側領域の断面をX線CTで撮影した画像である。
図4(a)に示されるように、実施例におけるハニカム基材の隔壁の流出側領域における内部では、流出側触媒層が細孔の奥深くに形成され、細孔の多くの箇所に閉塞部が形成されていることが確認できた。一方、図4(b)に示されるように、比較例におけるハニカム基材の隔壁の流出側領域における内部では、流出側触媒層が細孔を囲む表面に薄く広がるように形成され、細孔ではごく一部の箇所を除いて閉塞部が形成されていないことが確認できた。
〔性能評価〕
実施例及び比較例の排ガス浄化装置について、HC50%浄化温度を測定した。
具体的には、耐久試験を行わずに、ガソリンエンジンベンチの排気系に設置した排ガス浄化触媒装置に対して、空燃比(A/F)が14.4の雰囲気の排ガスを35g/secの流量で流しながら、排ガス浄化装置の上流に取り付けた熱交換器を用いることで、入りガス温度を200℃から600℃まで徐々に上昇させた。各入りガス温度で入りガス及び出ガスのHC濃度を測定してHC浄化率を算出し、HCが50%浄化された時点の入りガスの温度をHC50%浄化温度として測定した。測定結果を表1に示す。図5は、実施例及び比較例の排ガス浄化装置のHC50%浄化温度を示すグラフである。
Figure 2021143664
表1及び図5に示すように、実施例の排ガス浄化装置のHC50%浄化温度は、比較例の排ガス浄化装置より低かった。
以上、本発明の排ガス浄化装置の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 排ガス浄化装置
10 ハニカム基材
10Sa ハニカム基材の流入側端面
10Sb ハニカム基材の流出側端面
12 セル
12A 流入セル
12Aa 流入セルの流入側端
12Ab 流入セルの流出側端
12B 流出セル
12Ba 流出セルの流入側端
12Bb 流出セルの流出側端
14 隔壁
14a 隔壁の流入側端
14m 隔壁の所定位置
14b 隔壁の流出側端
14Ra 隔壁の流入側領域
14Rb 隔壁の流出側領域
14Rr 隔壁の重複領域
14SA 隔壁の流入セル側の表面
14SB 隔壁の流出セル側の表面
14N 隔壁の内部
16 封止部
P 細孔
Pa 移流部
Pb 閉塞部
20 流入側触媒層
30 流出側触媒層
32 粉末状の担体
34 触媒金属粒子

Claims (1)

  1. ハニカム基材と流入側触媒層と流出側触媒層とを備える排ガス浄化装置であって、
    前記ハニカム基材は、流入側端面から流出側端面まで延びる複数のセルを画成する多孔質の隔壁を有し、
    前記複数のセルは、前記隔壁を挟んで隣接する流入セル及び流出セルを含み、
    前記流入セルは、流入側端が開口し、流出側端が封止され、
    前記流出セルは、流入側端が封止され、流出側端が開口し、
    前記流入側触媒層は、前記隔壁の流入側端から流出側の所定位置までの流入側領域における前記流入セル側の表面上に設けられ、
    前記流出側触媒層は、OSC材を含有する粉末状の担体及び該粉末状の担体に担持された触媒金属粒子を含み、前記隔壁の前記所定位置から流出側端までの流出側領域の内部の細孔に設けられ、
    前記隔壁の前記流出側領域の内部の細孔は、前記流出側触媒層で閉塞されていない移流部及び前記流出側触媒層で閉塞された閉塞部を含むことを特徴とする排ガス浄化装置。
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WO2018173557A1 (ja) * 2017-03-23 2018-09-27 株式会社キャタラー 排ガス浄化用触媒

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