JP2021143211A - ポリアミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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康弘 河内
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Abstract

【課題】高い引張伸び率及び引張弾性率(ヤング率)を備えたポリアミド樹脂およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るポリアミド樹脂は、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位と、炭素数10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を含むポリアミド樹脂であり、前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンは異性体を含み、ガスクロマトグラフィーにより検出される前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの全単位のピーク面積に対する、保持時間が最も短い異性体のピーク面積が占める割合が25%以上33%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリアミド樹脂及びその製造方法に関する。
ポリアミド樹脂は、その優れた特性と成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、あるいは汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。近年、ポリアミド樹脂の用途の拡大に伴い、要求される特性が多様化してきている。特に、光学用途や産業用途では、強度、靭性に優れた非晶質あるいは微結晶性のポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)が使用される。
従来より、非晶質あるいは微結晶性であるポリアミド樹脂(透明ポリアミド樹脂)は、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンに代表されるジアミン化合物と脂肪族ジカルボン酸とを用いて製造されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−239469号公報
しかしながら、従来の非晶質あるいは微結晶性であるポリアミド樹脂は、引張伸び率及び引張弾性率(ヤング率)が低く、近年求められる特性を満足しているとは言い難かった。
本発明の目的は、高い引張伸び率及び引張弾性率(ヤング率)を備えた非晶質あるいは微結晶性であるポリアミド樹脂およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、所定の異性体を所定の割合で含むビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位を含むポリアミド樹脂が、非晶質あるいは微結晶性で、かつ、高い引張伸び率及び引張弾性率(ヤング率)を示すことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位と、
炭素数10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を含むポリアミド樹脂であり、
前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンは異性体を含み、
ガスクロマトグラフィーにより検出される前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの全単位のピーク面積に対する、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の占める割合が25%以上33%以下であるポリアミド樹脂およびその製造方法である。
本発明によれば、高い引張伸び率及び引張弾性率(ヤング率)を備えた非晶質あるいは微結晶性であるポリアミド樹脂およびその製造方法を提供することができる。
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンのガスクロマトグラフィーの測定結果の一例を示すガスクロチャートである。
<ポリアミド樹脂>
本発明のポリアミド樹脂は、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位と、炭素数10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を含む。
以下、各成分について詳細に説明する。
1.ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(以下、MACMと省略する場合がある。)は、アミノ基を二つ有するジアミン化合物である。
本発明のポリアミド樹脂の構成単位の基となるMACMは、ガスクロマトグラフィーにより検出されるMACMの全単位のピーク面積に対する、保持時間が最も短い異性体のピーク面積が占める割合が25%以上33%以下である。このようなポリアミド樹脂を用いることにより、高い引張伸び率及び高い引張弾性率(ヤング率)を備えることができる。
本発明のポリアミド樹脂に含まれるMACMから誘導される単位は、具体的には、図1のガスクロチャートに示すような、最も保持時間が短い異性体のピークAのピーク面積の、全異性体のピーク面積に占める割合が25%以上33%以下の化合物である。
本発明のポリアミド樹脂において、直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位とMACMから誘導される単位とを有する場合、上記MACMから誘導される単位の含有率は、40.0〜60.0質量%であるのが好ましく、48.0〜58.0質量%であるのがより好ましい。
また、芳香族カルボン酸から誘導される単位と、上記ラクタムから誘導される単位とを有する場合、上記MACMから誘導される単位の含有率は、25.0〜56.0質量%であるのが好ましく、29〜53質量%であるのがより好ましく、35.0〜48.0質量%であるのがさらに好ましい。
これにより、非晶性あるいは微結晶性を維持しつつ、引張伸び率および引張弾性率をより最適なものとすることができる。
2.直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位
本発明において直鎖脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が10〜14の化合物である。
炭素数が10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸を挙げることができる。
このようなカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ヘキサデカ二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデセン二酸、オクタデカ二酸、オクタデセン二酸、エイコサン二酸、エイコセン二酸、ドコサン二酸、ジグリコール酸、2,2,4−/2,4,4−トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、m−/p−キシリレンジカルボン酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂は、上記直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位の含有率が、40〜60質量%であるのが好ましく、42〜52質量%であるのがより好ましい。
3.芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位
本発明のポリアミド樹脂は、上記直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位に変えて、芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位を有するものであってもよい。
芳香族カルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、m−/p−キシリレンジカルボン酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。安息香酸、トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸を添加することもできる。
芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位を有する場合、本発明のポリアミド樹脂は、芳香族カルボン酸から誘導される単位の含有率が、15.0〜35.0質量%であるのが好ましく、17.0〜32.0質量%であるのがより好ましく、20〜30重量%であるのがさらに好ましい。
また、炭素数が11または12のラクタムとしては、ラウロラクタム、ウンデカンラクタムが挙げられる。これらの中でも、ラウロラクタムを用いるのが好ましい。
芳香族カルボン酸から誘導される単位及び上記ラクタムから誘導される単位を有する場合、本発明のポリアミド樹脂は、上記ラクタムから誘導される単位の含有率が、10〜60質量%であるのが好ましく、15〜53質量%であるのがより好ましく、25〜40重量%であるのがさらに好ましい。
4.芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位
本発明のポリアミド樹脂は、上記直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位に変えて、芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を有するものであってもよい。
芳香族カルボン酸としては、上記3.で述べたものを用いることができる。
芳香族カルボン酸から誘導される単位及び炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を有する場合、本発明のポリアミド樹脂は、芳香族カルボン酸から誘導される単位の含有率が、15.0〜35.0質量%であるのが好ましく、17.0〜32.0質量%であるのがより好ましく、20〜30重量%であるのがさらに好ましい。
また、炭素数が11または12のアミノカルボン酸としては、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。これの中でも12−アミノドデカン酸を用いるのが好ましい。
芳香族カルボン酸から誘導される単位及び上記アミノカルボン酸から誘導される単位を有する場合、本発明のポリアミド樹脂は、上記アミノカルボン酸から誘導される単位の含有率が、10〜60質量%であるのが好ましく、15〜53質量%であるのがより好ましく、25〜40重量%であるのがさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂は、上記以外の化合物(モノマー)から誘導される単位を有していてもよい。
上記以外のモノマーを用いる場合、当該モノマーから誘導される単位の含有率が、5質量%以下であるのが好ましい。
<ポリアミド樹脂の製造方法>
本発明のポリアミド樹脂は、公知の回分式製造法や連続式製造法により製造される。製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多層式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機などの混練反応押出機など、公知のポリアミド樹脂製造装置を用いることができる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合などの公知の方法を用いることができる。これらの重合方法は単独で、あるいは、適宜組合せて用いることができる。
例えば、上記の各原料と水を耐圧容器に仕込み、密封状態で150〜350℃の温度範囲で、加圧下に重縮合した後、圧力を下げ、大気圧下又は減圧下、150〜350℃の温度範囲で重合反応を行ない、高分子量化することにより、目的のポリアミド樹脂は製造できる。重縮合の際に使用する水は、酸素を除去したイオン交換水や蒸留水を使用することが好ましく、その使用量はポリアミド樹脂を構成する原料100重量部に対して一般的には1〜150重量部である。また、原料のジアミンとジカルボン酸はそのまま耐圧容器に仕込んでも良いし、また、ほぼ等molのジアミンとジカルボン酸とを水やアルコールに混合、溶解して、生成させたナイロン塩を使用しても良い。
高分子量化したポリアミド樹脂は、耐圧容器から抜出し、水などで冷却した後、ペレット化される。なお、得られるペレットに未反応モノマーなどが残存する場合、さらに、熱水洗浄などにより未反応モノマーなどを除去する場合がある。
本発明のポリアミド樹脂の分子量は、JIS K6920−2に記載の方法で測定した相対粘度(ηr)で示すと、1.0〜4.0の範囲であるのが好ましく、1.2〜2.5の範囲であるのがより好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂の重量平均分子量Mwは、15000〜80000であるのが好ましく、20000〜50000であるのがより好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂の数平均分子量Mnは、10000〜40000であるのが好ましく、12000〜35000であるのがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂の重合の際、必要ならば、重合促進や劣化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムなどを添加することができる。これらリン系化合物の添加量は、通常、得ようとするポリアミド樹脂に対し、1〜3000ppmである。また、分子量調節や成形加工時の溶融粘度安定化のため、分子量調節剤として、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンなどのアミン類や酢酸、安息香酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのカルボン酸類を添加することができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミド樹脂の相対粘度が上記範囲になるように、適宜決められる。
また、本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明のポリアミド樹脂に熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、離型剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、顔料、染料、香料、補強材などを添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂の成形物は、例えば、燃料チューブ、エアチューブ、燃料補助タンク、ベーパーキャニスタ、クイックコネクタ、ファン、クリップ、ファスナー、エンジンカバー、ラジエタータンク、エアダクトホース、アームレスト、ギアなどの自動車部材に使用できる。また、本発明のポリアミド樹脂の成形物は、従来ポリアミド樹脂が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例で得られるポリアミド樹脂の分析及び物性の測定方法、及び実施例及び比較例に用いた材料を示す。
1.ポリアミド樹脂の特性は、以下の方法で測定した。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)]
重量平均分子量と数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)により分析を行った。
反応装置は、東ソー社製HLC−8320GPCを使用し、カラムは、東ソー社製のTSKgel Super AW3000とTSKgel Super AW5000を使用した。また、展開溶媒は、10mM−TFAのNa塩含有トリフルオロエタノールであり、40℃、0.3mL/minでカラムに流通させた。また、分析試料は、約10mgの試料をトリフルオロエタノール約30mlに溶解させた溶液をGPC装置に20μL注入した。なお、検量線としてPMMAを使用した。
[相対粘度]
JIS K−6920−2 付属書JAに準じて、m−クレゾールを用いてポリマー濃度5g/Lの溶液を調整し、温度25℃の条件下で測定した。
[ガラス転移点]
ガラス転移点は、DSC(示差走査熱量測定 エスアイアイ・ナノテクノロジー製DSC7020)により測定をおこなった。
[引張降伏応力、引張破断応力、引張伸び率、引張弾性率]
引張り試験は、テンシロン RTC−1310A型(エー・アンド・ディ製)を用いて測定を行った。試験片は、JIS K6251 8号ダンベルを使用し、23℃、50%RH条件下で測定を行った。
[異性体比]
MACMの異性体の分析は、FID検出器を備えているSHIMADZU社製 GC−2014のガスクロマトグラフ装置を用いた。カラムは、DB−1(30m×0.32mm、膜厚1.0μm、Agilent,Technologies,Inc.製)を用い、100℃から10℃/minで昇温し、300℃になった時点で10分間保持した。キャリアガスとしてヘリウムを使用し、ヘリウム圧力70kPa、スプリット比 50、セプタムパージ流量1.0mL/min、インジェクション温度、ディテクター温度は、それぞれ300℃である。約10wt%−MACMのMeOH溶液を作成し、1μLをガスクロマトグラフ装置に注入した。各ピークのピーク面積は図1に示すように垂直カットして算出した。また最も保持時間の短い異性体のピークAのピーク面積の割合(%)は、[ピークAの面積]/[6つのピークの面積の合計]から求めた。
[ポリアミド中のMACMの異性体比の測定]
10ml−ステンレン製加圧容器の中に、ポリアミド約0.3g、水約0.4g、ドデカン約3.6gを入れて、310〜350℃、約1時間、加圧下で加水分解反応を行った。その加水分解溶液にMeOHを加え、約10wt%−MACMのMeOH溶液を調整する。その溶液をガスクロガスクロマトグラフ装置に注入して分析を行う。加水分解したMACMの異性体比は、原料として用いたMACMの異性体比と一致する。
2.ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(MACM)の精製
[精製例1]
MACM:1527g (ALDRICH製試薬)をフラスコに入れて、規則充填物の入った精留塔で蒸留精製(蒸留塔トップ温度:約140℃、約1kPa)を行い、蒸留初留分:169.38g、蒸留主留分:876.02g、釜残分:481.17gを得た。
それぞれをガスクロマトグラフで分析したところ、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の全異性体のピーク面積に占める割合は、それぞれ31.8%、31.0%、27.0%であった。また、精製前のMACMについてもガスクロマトグラフで分析したところ、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の全異性体のピーク面積に占める割合は、29.6%であった。
以下、精製前のALDRICH製MACMをM−0、蒸留初留分のMACMをM−1、釜残分のMACMをM−2と表示する。
[精製例2]
MACM:1548g(BASF製、Laromin260C)をフラスコに入れて、規則充填物の入った精留塔で蒸留精製(蒸留塔トップ温度:約140℃、約1kPa)を行い、蒸留初留分:172.8g、蒸留主留分:900g、釜残:481.17gを得た。
精製前のMACMおよび蒸留初留分をガスクロマトグラフで分析したところ、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の全異性体のピーク面積に占める割合は、それぞれ、34.2%、30.1%であった。
以下、蒸留初留分のMACMをM−3、精製前のBASF製MACMをM−4と表示する。
3.ポリアミド樹脂の製造
(実施例1)
1Lオートクレーブに、1,12−ドデカン二酸(宇部興産製):132.56g、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(M−0):136.56g、安息香酸:0.45g、50%HPO水溶液:0.15g、蒸留水:14.01gを投入した。その後、オートクレーブ内を窒素置換した。
次に、オートクレーブに投入した原料を攪拌しつつ、オートクレーブ内の圧力が2.0MPa以下になるように調整を行いながら270℃まで昇温し、その後、270℃で2時間重合をした。
その後、常圧に戻して、270℃での重合を継続し、所定の分子量になった時点(約1時間)で重合を終了した。
次にオートクレーブより重合したポリアミド樹脂をストランドとして抜き出し、蒸留水にくぐらせた後にペレタイザーによりペレットにした。このペレットを100℃、12時間、減圧下で乾燥し、ポリアミド樹脂を得た。
(実施例2)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−1を使用した以外は、実施例1と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(実施例3)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−2を使用した以外は、実施例1と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(実施例4)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−3を使用した以外は、実施例1と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(実施例5)
1Lオートクレーブに、イソフタル酸(和光純薬製):73.32g、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(M−0):106.22g、ラウロラクタム(宇部エムス製):90.97g、安息香酸:0.93g、50%HPO水溶液:0.06g、蒸留水:14.67gを投入した。その後、オートクレーブ内を窒素置換した。
次に、オートクレーブに投入した原料を攪拌しつつ、オートクレーブ内の圧力が2.0MPa以下になるように調整を行いながら220℃まで昇温し、その後、220℃で2時間重合をした。
その後、常圧に戻して、270℃まで昇温し、270℃で重合を継続し、所定の分子量になった時点(約1時間)で重合を終了した。
次にオートクレーブより重合したポリアミド樹脂をストランドとして抜き出し、蒸留水にくぐらせた後にペレタイザーによりペレットにした。このペレットを100℃、12時間、減圧下で乾燥し、ポリアミド樹脂を得た。
(実施例6)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−1を使用した以外は、実施例5と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(実施例7)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−2を使用した以外は、実施例5と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(実施例8)
ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンとしてM−0の代わりにM−3を使用した以外は、実施例5と同じ製造条件で重合・ペレット化を行い、ポリアミド樹脂を製造した。
(比較例1)
1Lオートクレーブに、1,12−ドデカン二酸(宇部興産製):133.30g、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(M−4):137.67g、安息香酸:0.46g、50%HPO水溶液:0.15g、蒸留水:14.11gを投入した。その後、オートクレーブ内を窒素置換した。
次に、オートクレーブに投入した原料を攪拌しつつ、オートクレーブ内の圧力が2.0MPa以下になるように調整を行いながら270℃まで昇温し、その後、270℃で2時間重合をした。
その後、常圧に戻して、270℃での重合を継続し、所定の分子量になった時点(約1時間)で重合を終了した。
次にオートクレーブより重合したポリアミド樹脂をストランドとして抜き出し、蒸留水にくぐらせた後にペレタイザーによりペレットにした。このペレットを100℃、12時間、減圧下で乾燥し、ポリアミド樹脂を得た。
(比較例2)
1Lオートクレーブに、イソフタル酸(和光純薬製):72.48g、ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(M−4):105.03g、ラウロラクタム(宇部エムス製):89.92g、安息香酸:0.92g、50%HPO水溶液:0.06g、蒸留水:14.50gを投入した。その後、オートクレーブ内を窒素置換した。
次に、オートクレーブに投入した原料を攪拌しつつ、オートクレーブ内の圧力が2.0MPa以下になるように調整を行いながら220℃まで昇温し、その後、220℃で2時間重合をした。
その後、常圧に戻して、270℃まで昇温し、270℃で重合を継続し、所定の分子量になった時点(約1時間)で重合を終了した。
次にオートクレーブより重合したポリアミド樹脂をストランドとして抜き出し、蒸留水にくぐらせた後にペレタイザーによりペレットにした。このペレットを100℃、12時間、減圧下で乾燥し、ポリアミド樹脂を得た。
各実施例及び各比較例で得られたポリアミド樹脂の物性測定結果を表1、表2に示す。
なお、表中、MACMのガスクロマトグラフィーにより検出される異性体のうち、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の全異性体のピーク面積に占める割合を、占有面積率Aと示す。
また、各実施例及び各比較例で得られたポリアミド樹脂はいずれも透明であった。
Figure 2021143211
Figure 2021143211
以上のように、各実施例のポリアミド樹脂は、同じ条件で製造した比較例よりも高い引張伸び率と高い引張弾性率を示すことがわかった。

Claims (3)

  1. ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンから誘導される単位と、
    炭素数10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のラクタムから誘導される単位、または、芳香族カルボン酸から誘導される単位と炭素数が11または12のアミノカルボン酸から誘導される単位を含むポリアミド樹脂であり、
    前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンは異性体を含み、
    ガスクロマトグラフィーにより検出される前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンの全単位のピーク面積に対する、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の占める割合が25%以上33%以下であるポリアミド樹脂。
  2. JIS K6920−2に記載の方法で測定した相対粘度は、1.2〜2.5である請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンと、
    炭素数10〜14の直鎖脂肪族ジカルボン酸、または、芳香族カルボン酸と炭素数が11または12のラクタム、または、芳香族カルボン酸と炭素数が11または12のアミノカルボン酸と、を用いて製造し、
    前記ビス−(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンは、ガスクロマトグラフィーにより検出される異性体のうち、保持時間が最も短い異性体のピーク面積の全異性体のピーク面積に占める割合が25%以上33%以下であるポリアミド樹脂の製造方法。
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