JP2021143166A - カテキン類の不特定多数のタンパク質との結合回避の戦略ならびにパイロットサンプルの作成 - Google Patents

カテキン類の不特定多数のタンパク質との結合回避の戦略ならびにパイロットサンプルの作成 Download PDF

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【課題】カテキン類へのタンパク質の非特異的結合を抑制して該カテキン類の生物活性を維持するペチチドおよびその方法ならびにカテキン類のタンパク質結合性を測定する方法を提供する。【解決手段】ペプチドおよびカテキン類を含む組成物。ペプチドを用いて、カテキン類へのタンパク質の非特異的結合を抑制する方法。メチルセルロースによる沈殿の形状により、カテキン類へのタンパク質の結合度合いを測定する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、カテキン類へのタンパク質の非特異結合を抑制する目的で、低分子のペプチドまたは分子量の大きいオリゴペプチドを駆使してカテキン類へのタンパク質の非特異的結合の阻害方法に関する。より詳しくは、ペプチドによりカテキン類へのタンパク質の非特異的結合を阻害するとともに、カテキン類の生物活性を維持するペプチドおよび方法に関する。
緑茶カテキンは、多彩な生理活性を持つことが報告されていて、それを利用した製品も多々開発されている。最近は、化学修飾を加えることによって、その生物活性をさらに高めた誘導体も開発され、将来の展望がひらけているように見える。
一方、このような生理生物活性の発現を詳細に検討すると、そのほとんどがin vitro の試験管内での活性試験検討に限定されるか、または、抗細菌作用の場合は培養系の範囲に限定され、ごく一部の論文に限り、その発表の末尾には、「in vivo 即ちマウスを始めとする動物レベルでは、活性を発揮できなかった」と云う追記がなされている報告もある。加えて、カテキン類は、腸管吸収の率が小さく、血中、組織でのカテキン濃度は、試験管内での活性濃度を示していない、とする、数少ない報告は、カテキンの試験管内の生理活性作用を強調する記事や報告にかき消されて、カテキンの真の姿を反映してるとは言い難い。このようなギャップが出てくる背景は、ひとえに、カテキンの強い不特定多数のタンパク結合性の化学的特性に起因すると考えられる。
カテキンに結合するペプチドも見いだされてはいる(例えば、特許文献1)が、それらのペプチドがカテキンに結合することで、カテキンが元々持っている活性(細胞増殖抑制活性など)が抑制されるという問題があった。
そこで、カテキン類へのタンパク質の非特異結合を抑制する組成物または方法およびカテキン類の生物活性を保持したまま投与できるカテキン組成物が求められていた。
特許第4348436号
カテキン類への不特定多数のタンパク質の非特異的結合を抑制した後も該カテキン類の生物活性を維持するペプチドおよびその方法ならびにカテキン類のタンパク質結合性を測定する簡易で新しい方法を提供する。
(1)ペプチドおよびカテキン類を含む組成物。
(2)前記ペプチドがカルノシンである、(1)の組成物。
(3)ペプチドを用いて、カテキン類へのタンパク質の非特異的結合を抑制する方法。
(4)カテキン類が生物活性を維持していることを特徴とする、(3)の方法。
(5)ペプチドが、2〜3個のアミノ酸からなることを特徴とする、(3)または(4)のいずれかに記載の方法。
(6)ペプチドが、カルノシン、グルタチオンおよび/または肝細胞増殖因子である、(3)または(4)のいずれかに記載の方法
(7)カテキン類とメチルセルロ―スの反応の結果メチルセルロースによる沈殿の形状により、カテキン類への不特定多数のタンパク質の結合度合いを測定する方法。
(8)2〜3個のアミノ酸からなるペプチドであって、カテキン類に結合し、カテキン類の生物活性を阻害しないペプチド。
本発明によれば、カテキン類の非特異的なタンパク質結合を抑制し、カテキンの生理生物活性を維持できるペプチドおよび方法が提供される。
図1は、沈殿の形状を示す図である。
カテキン類には、種々の作用があり、抗酸化作用,抗腫瘍作用,発ガン抑制作用,血圧上昇抑制作用,抗菌作用,抗ウイルス作用,抗う蝕性,抗アレルギー性,消臭作用,脂質代謝改善作用等の生理活性が知られている。
しかしながら、カテキン類は、生体内に投与した場合、体内のタンパク質などが非特異的に結合し、カテキン類が本来有する生理活性が大幅に抑制されるという問題があった。そこで、発明者らは、鋭意研究した結果、カテキン類へのタンパク質などの非特異結合による生理活性低下を抑制し、カテキン類本来の生理活性を維持・発揮できる方法およびペプチドを見出した。
すなわち、本発明は、カテキン類に、カルノシンなどのペプチドを結合させることで、カテキンへのタンパク質の非特異的な結合を一過性に抑制し、カテキン類本来の生理活性を発揮させるカテキン-ペプチド複合体および方法を提供する。
本発明において、「カテキン類」とは、フラバン−3−オールを基本骨格と するフラボノイド類をいう。カテキン類に含まれる分子としては、例えば、エピガロカテキン-3-O-ガレート(EGCG)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン-3-O-ガレート(ECG)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン-3-O(-3-O-メチル)ガレート(EGCG3”Me)、エピガロカテキン-3-O-(4-O-メチル)ガレート(EGCG4”Me)、テアフラビン(TF1)、テアフラビンー3-ガレート(TF2A)、テアフラビンー3’ガレート(TF2B)、テアフラビンー3-3・ジガレート(TF3)、テアシネンシン類、テアルビジン類がなどが挙げられるが、これらに限られない。
本発明において、「カテキン類本来の生理活性」とは、例えば、抗がん、血漿コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、血小板凝集抑制、血糖上昇抑制、痴呆予防、抗潰瘍、抗炎症、抗アレルギー、抗菌、抗虫歯、抗ウイルス、解毒、腸内フローラ改善、等をいうが、これらに限られない。
本発明における「ペプチド」とは、2以上のアミノ酸が結合したペプチドをいい、好ましくは2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜9、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4のアミノ酸が結合したペプチドであってもよい。
本発明における「組成物」は、食品組成物であってもよく、医薬組成物であってもよい。食品組成物は、固形の食品でもよく、液体やゲル状の食品であってもよくこれらに限られない。医薬組成物は、例えば、粉末、錠剤、カプセル、液体などであってもよく、これらに限られない。
本発明においては、かかるカテキン類とペプチドを結合させることにより、カテキン類へのタンパク質の非特異的結合を抑制し、カテキン類が本来持つ生理活性を発揮させることができる。特許文献1のペプチドは、カテキンに結合することで、カテキンが本来有する細胞増殖抑制作用を阻害するが、本発明のペプチドは、カテキンに結合してもカテキン本来の作用を阻害しないという特徴がある。
本明細書における「細胞変性」とは、継代細胞を所定の濃度で播種し、培養したモノシートに対し、試験対象の化合物を添加または病原体を感染させた時、添加物による細胞への影響がある場合、以下の形状の変化をきたす場合を云う。(1)生細胞に特徴である光沢が失われ(2)細胞内に不特形の顆粒が出現し、(3)細胞自体の形状が円形化し(4)その結果細胞同士の接着性が損なわれ、(5)さらに進んだ場合、死細胞の容器底面からの剥離に伴い、(6)モノシートは隙間の大きい網目状、(7)最終的には、容器底面の一部または全面露出、に至る、一連の過程を云う。
本発明においては、カテキン類へのメチルセルロース添加による沈殿の量や形態が、カテキン類へのタンパク質結合と負の定量的相関関係があることに着目して、カテキン類へのタンパク質結合性を測定した。すなわち、カテキン類へのタンパク質結合量が少ない場合は、メチルセルロース添加により、大きな沈殿が形成され、カテキン類のタンパク質結合量が多い場合には、沈殿が出ないか少ない、ということを利用して、カテキン類へのタンパク質結合性を調べた。これは、カテキン類のタンパク質結合部位が何らかの物質によりマスクされている場合に、メチルセルロースがマスクされたカテキン類に結合できず、結果として沈殿が少なくなるからと考えられる。
複数のカルノシンを含むペプチドを上記の概念で検索した結果、カルノシンをカテキン類に添加した場合には、メチルセルロースによる沈殿の生成が少なく、カルノシンを添加することで、カテキン類のタンパク質結合部位をマスクできると考えられた。
グルタチオン、肝細胞増殖因子(LCGF)をpolyphenon 60に添加した場合も、カルノシンよりは弱いものの、メチルセルロースによる沈殿の生成が抑制された(表3)。したがって、2〜3個のアミノ酸からなるペプチドにより、カテキン類へのタンパク質の非特異的結合が抑制されると考えられた。
また、カルノシンによるカテキン類へのタンパク質の非特異的結合阻害活性は、polyphenon 60のみでなく、EGCGにおいても見られた(表4)。このことは、カルノシンのこのタンパク質の非特異的結合阻害活性が他のカテキン類に対しても同様にあると考えられる。
その理由として、カルノシンなどのペプチドがカテキン類の水酸基をブロックすると考えれば説明できる。カテキン類はフラバンー3−オールを基本骨格とし、水酸基を多数保有しているためである。
本発明には、数個、より好ましくは、2〜3個のアミノ酸からなるペプチドであって、カテキン類に結合し、カテキン類の生物活性を阻害しないペプチドも含まれる。かかるペプチドは合成も容易で、スクリーニング方法も本願明細書に記載のメチルセルロースを用いた沈殿形成を観察すること、および、以下に記する細胞変性活性を調べることで当業者は容易にかかるペプチドを取得できるためである。
次に、カルノシンと混合したカテキン類(カルノシンーカテキン複合体)を細胞に添加したところ、細胞変性が起こり、カルノシンと結合したカテキン類は細胞変性活性を保持していることがわかった。このことから、カルノシン等のペプチドをカテキン類に添加することにより、カテキン類の生理活性を失わせることなく、非特異的なタンパク質結合を抑制できると考えられた。
カルノシンーカテキン複合体は、Polyphenon 60 単品よりも強い細胞変性作用を獲得していた。このことは、複合体を形成した結果、タンパク結合性(Table3)を喪失したに留まらず、むしろ、それ以外の細胞変性作用のような生物活性は、損なうことなく保持していたことを顕している。この事実は、crude 製品のpolyphenon60のみならず、カテキン純品であるEGCGに於いても再現された。
(実施例1:カテキンのタンパク結合をdetect する検出法の確立)
カテキン源としては、緑茶カテキンを高い割合で含むpolyhenon 60 を用いた。また、市販のメチルセルロース(MC)が、polyhenon 60と強く反応し、その生成物を顕微鏡下で簡単に識別できることを発見した。また、この反応と逆比例的に、タンパク結合の度合いが低下することを確認した。その生成物の形態と生成量をスコア化することで、タンパク結合性を、逆相関の関係で表示することが可能になった。
(Table 1) Polyphenon 60によるタンパク結合、と、MCによる、結合度合いの定量化
タンパク源としては、子牛血清(FCS)を用いた。HBSS (ハンクス)溶液に1%に溶解したPolyphenon 60に、FCSを所定の割合で混合し、室温で4時間反応させた。その後、生理食塩水(0.9%(w/v)塩化ナトリウム溶液)で、総量200μlに調整し、微量の1%メチルセルロース(MC, 25μl)を混和して鏡顕した。タンパク結合の度合いは、MCの布化・紐状化を1〜4までスコア化した。
Figure 2021143166
(Note): その結果、Polyphenon 60単独では、MCとの強い凝集反応の結果、元来は無色透明な液状ゲルから一転して、幅広い紐または布状様化をきたした。一方、FCS のpolyphenon 60 に対する混合比を高めるのに逆相関して、MCの析出物の形状と出現割合が低下した。このことは、MCがPolyphenon 60のタンパク結合性の度合いを測定するセンサーとして使用できることを示している。
また、Polyphenon 60の溶液の緑色が、反応時間後に色調変化を来し、茶褐色に変色することからも反応が進行したことを裏付ける傍証が得られた。
タンパクとしてのFCS のカテキンのタンパク結合部位のblock の活性は高くはなかった。10%のpolyphenon 60をほぼ完璧にBlock するには、3〜4倍の30%〜40%のFCSが必要であった。
(実施例2:緑茶カテキン(polyphenon 60)およびEGCGのタンパク結合blockを,アミノ酸、またはペプチドで検討)
Table 1 の結果から、MCを検出剤(センサー)として、実際のタンパク結合性阻止を、アミノ酸とペプチドで検討した。
Table 2. アミノ酸のPolyphenon 60のタンパク結合性のblock の検討
アミノ酸は、表に示すように 100mMに生理食塩水で調整した。1%のpolyphenon 60 を濃度を変えて、アミノ酸と反応させ(室温3時間)、1% MC 25μl(生理食塩水)を加えて、反応生成物をスコア化した。
Figure 2021143166
(Note): アミノ酸の割合を高めて反応させても、同じ濃度のControl (生理食塩水)の反応生成物(形態)レベル以下の反応物が確認されなかったことから、アミノ酸のPolyphenon 60(緑茶カテキン)のタンパク結合性のblock は不完全であると判断された。
(実施例3:ペプチドによるpolyphenon 60のタンパク結合性block の検討)
ペプチドは、ヂペプチドとして、市販のカルノシンおよびグルタチオンを、また、トリペプチドとして、肝細胞増殖因子(LCGF)を用いた。ペプチドは、表に示すように100mM又は50mMに生理食塩水で調整した。1%のpolyphenon 60 を濃度を変えて、ペプチドと反応させ(室温3時間熟成)、総液量を0.2 mlにメス・アップし、1% MC 25μlを加えて鏡顕し、反応生成物をスコア化した。
Figure 2021143166
( Note): Carnosine に強いカテキンの非特異タンパク結合性のblock 活性が認められた。その根拠は、1% polyphenon 60 (純粋単体ではないので、分子量は算出できず)に100 mM アミノ酸溶液をくわえたTable 2実験では、10:1で反応させた時(polyphenon 60 0.1%)、強固な膜状凝集塊と多数の幕断片が析出した(block していない)のに対して、Carnosineの場合は、同じ100 mMを反応させたにも拘らず、ほとんど何も析出させなかったことに基づく。Glutathioneは同じ割合で反応させた時、アミノ酸とcarnosine の中間を示し、carnosine より、5割前後そのタンパク結合阻止力は低いと判断された。LCGFは作成原液が50 mMで、carnosine の100 mMと同列には論ぜられないが、同じ混合比(Polyphenon 60 0.05%)で、なお強い幕状化がみられることより、carnosineの阻止活性を凌駕するのは少ない可能性が高いと判断された。
(実施例4:EGCG の carnosine によるタンパク結合性 block の検討)
以上の結果は、カテキンを高濃度に含む、Polyphenon 60 での結果であるが、ここでは、カテキン純品であるEGCGで検討した。EGCG は 生理食塩水で、原液1%= 0.00218 mol/ml に調整した物を、x10倍、x100倍希釈の3段階濃度を用意して、EGCGのタンパク結合性の指標とした。Carnosine は 0.1M=100 mMに調整し、EGCG とTable の如く混合し、室温3時間反応させた。反応複合体にMCを添加してを鏡顕し、出現析出物をスコア化して、判定に基づいて、完全にタンパクBlock の成立するEGCG とCarnosineの比率を算出した。
Figure 2021143166
(Note): EGCGは強いタンパク結合性を保有していた。即ち
EGCG 20μl (0.436 μmol) : (Carnosine) 0.18ml=0.018m mol=18 μmol:判定; Effective
EGCG 20 μl (0.436 μmol) : (Carnosine) 0.018ml=0.0018 m mol =1.8 μmol: 判定; Not effective
EGCG 1 分子のタンパク結合性をblock するには、41.3 分子のCarnosine が必要である。(Carnosine 1 分子は、約0.0243分子のEGCGに対応できる)。
(実施例5−1:carnosine によりタンパク結合性 をblock した複合体の細胞変性効果)
培養細胞は、モノクロナル抗体作成に用いるマウスのHybridoma (ATCC HB-9848)細胞を用いた。この細胞を24クラスターウエルに1.0x105/0.5 ml /well で播種し、別途用意作成した、カテキンーカルノシン複合体を0.05ml(培養系に対し(10:1)添加し、35oCで培養、経日細胞変性を観察し、細胞変性の程度を0(未変性)〜4(100%変性)まで5段階にスコア化した。Complex の作成は、carnosine low dose (0.1% Polyphenon 60 0.1 ml+1 M carnosine 0.01ml +saline 0.09 ml)とhigh dose (0.1% Polyphenon 60 0.1 ml+1 M carnosine 0.09ml +saline 0.01 ml)の2種類作成して、それぞれをTable 表示のごとく希釈した。Polyphenon 60の濃度は、培養系に添加後の最終濃度で示した。
Figure 2021143166
(Note): Polyphenon 60 は0.00004545% 最終濃度で、細胞変性効果はほぼ消滅した。高濃度のcarnosine で作成したcomplex は、これまでの結果から、タンパク結合活性は100%喪失しているにも関わらず、Polyphenon 60と全く同程度の細胞変性効果を保持していた。
(実施例5−2:カルノシン複合体の細胞変性効果)
同様の実験を繰り返し、再確認した。
Figure 2021143166
(Note): この実験結果から、Polyphenon 60の細胞変性作用は、非常に強く、最終濃度で、0.00004545%より低濃度の0.000004545%の間にあることが判明した。高濃度carnosineを用いた複合体も、Polyphenon 60単品と全く同程度の変成作用を保持していた。Carnosine 単独を添加した培養系は、細胞変性作用を全く示さなかった。
(実施例5−3:細胞変性効果の濃度検討)
以上の結果を参考に、以下に最終濃度0.00004545% のPolyphenon 60 を基準に、より詳細な濃度を再度検討した
Figure 2021143166
(Note): カルノシンーカテキン複合体は、5〜7日に於いて、Polyphenon 単品よりも強い細胞変性作用を維持していた。特に、Complexをx40倍希釈した検査培養系(Polyphenon 60が0.00001136%の低濃度相当)に於いても中程度の細胞変性作用が残っていた。
(実施例5−4:EGCGとカルノシン複合体の細胞変性活性)
これまでは、カテキン純品ではないPolyphenon 60の細胞変成作用をみてきたが、カテキン純品のEGCGでも、同様の作用が見られるか検討した。比較のためにPolyphenon 60を、これまで通りに処理した複合体を参考品として作成した。1%EGCG またはPolyphenon 60の20μl に1 M-carnosine を0.018 mlを混合し、室温3時間反応させた複合体を、さらに生理食塩水0.162ml (control は0.18 ml)加えて×10倍 Complex sample (及びcontrol)とし、以下2倍希釈複合体を、50μlづつ、試験細胞培養ウエルに添加して、継日モニター観察した。
Figure 2021143166
(Note): この実験結果から、極めて重要な情報が得られた。Polyphenon 60と複合体の比較ではカルノシンと複合体を形成することによって、カテキン単品より強い細胞変性作用を持つ事実(sample x40倍希釈の実験ウエルにおいて、8日目においてcontrol が変性レベル0に転じたにも関わらず、complex は、なお4レベルを維持していた)は、EGCGを使用した場合、より強い作用として示された。EGCG/carnosine complex はsample x80倍希釈の実験ウエルにおいてなお、5日目まで最強レベルの4を維持し、その後もEGCG単独のcontrol が変性が完全に消失したにも拘わらず、なお2〜1の明瞭な変性が残っていた。
本発明は、食品産業及び医薬産業等に利用できる。
A 紐状
B 布状
C 紐状の塊
D 塊

Claims (8)

  1. ペプチドおよびカテキン類を含む組成物。
  2. 前記ペプチドがカルノシンである、請求項1の組成物。
  3. ペプチドを用いて、カテキン類へのタンパク質の非特異的結合を抑制する方法。
  4. カテキン類が生物活性を維持していることを特徴とする、請求項3の方法。
  5. 前記ペプチドが、2〜3個のアミノ酸からなることを特徴とする、請求項3または4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ペプチドが、カルノシン、グルタチオンおよび/または肝細胞増殖因子である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. メチルセルロースによる沈殿の形状により、カテキン類へのタンパク質の結合度合いを測定する方法。
  8. 2〜3個のアミノ酸からなるペプチドであって、カテキン類に結合し、カテキン類の生物活性を阻害しないペプチド。
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