JP2021142605A - 作業工具 - Google Patents
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Abstract
Description
このような作業工具の中には、使用者が安定した状態で作業工具を使用できるように、本体部に補助ハンドルが装着された作業工具がある。
例えば、特許文献1には、使用者が補助ハンドルをしっかり持たずに使用して怪我をする等の事故の発生を防止するために、使用者による補助ハンドルの把持を検出して出力トルクの制限を行う電動工具について開示されている。
すなわち、上記公報に開示された作業工具では、使用者の個人の技量差(作業工具の操作が上手な人、下手な人)については考慮されていない。このため、使用者が補助ハンドルを握る力が異なる場合には、個人の技量差によっては、操作者の意に反する出力トルクになるおそれがあった。
ここで、モータ情報検出部において検出される作業中のモータの情報には、例えば、モータの消費電力、モータの電圧等が含まれる。
これにより、作業中のモータの情報を検出した結果に基づいて推定される技量レベルに応じて、モータの動作が制御されることで、例えば、技量レベルが高い使用者に対しては、モータの動作を停止させるために設定された閾値を高くするとともに、技量レベルが低い使用者に対しては、安全性を考慮してモータの動作を停止させるために設定された閾値を低くする等の制御を実施することができる。
この結果、使用者の技量差に応じて安全性の高い適切な制御を行うことができる。
ここでは、モータの情報に基づいて推定された使用者の技量レベルの高低に応じて、モータの動作を停止させるために設定された閾値を選択する。
ここでは、モータの情報に基づいて推定された使用者の技量レベルの高低に応じて、モータの動作を停止させるために設定された閾値を含む現在の作業モード(第1作業モード)を、異なる値の閾値が設定された他の作業モード(第2作業モード)に変更するか否かを決定する。
これにより、推定された技量レベルが高い場合には、モータの動作を停止させるために設定された閾値が高い作業モードを選択するとともに、推定された技量レベルが低い場合には、安全性を考慮して、モータの動作を停止させるために設定された閾値が低い作業モードを選択することができる。
ここでは、例えば、消費電力等のモータの情報が、第1時間閾値までに所定の閾値を超えた場合には、必要以上の消費電力になっているため推定される技量レベルが低いと判断し、低い技量レベルに応じた作業モードが選択される。
これにより、推定される使用者の技量レベルに合わせて作業モードを変更することで、低い技量レベルの使用者に作業時の安全性を確保させることができる。
これにより、推定される使用者の技量レベルに合わせて作業モードを維持することで、通常の技量レベルの使用者に適した作業モードでの作業を実施させることができる。
ここでは、例えば、消費電力等のモータの情報が、第1時間閾値よりも長い第2時間閾値までに所定の閾値を超えなかった場合には、技量レベルが高いと判断し、現在の作業モードからより高い技量レベルに応じた作業モードが選択される。
これにより、推定される使用者の技量レベルに合わせて作業モードを変更することで、高い技量レベルの使用者に作業時の快適性を付与することができる。
ここでは、モータ情報検出部によって検出されるモータの情報には、作業時におけるモータの消費電力またはモータの電圧が含まれる。
これにより、作業中におけるモータの消費電力またはモータの電圧を検出することで、使用者の技量レベルを簡易的に推定することができる。
ここで、本体部に装着される補助ハンドルは、本体部と一体化された構成であってもよいし、本体部に対して着脱可能な構成であってもよい。
これにより、把持部を把持した力の大きさに応じて、例えば、モータの動作を停止させるか否かを決定する等の制御を実施することができる。
これにより、例えば、検出された保持ハンドルの把持力が許容範囲である場合にのみ、モータの動作を許可することができる。
よって、把持力が所定値よりも小さい場合には、モータの動作を禁止することで、使用者の安全性を向上させることができる。
この結果、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
これにより、補助ハンドルへの給電が接点方式の構成と比較して、接点部分が露出しないため、補助ハンドルが装着されていない状態で露出した接点部における短絡や錆等の発生を防止することができる。
この結果、補助ハンドルを備えた構成において、使用環境の制約を受けることなく使用することができる。
ここでは、作業中に生じる作業工具の挙動(ブレ)を検出するために、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等の挙動検出部が設けられている。
これにより、作業中に生じる作業工具の挙動(ブレ)の検出結果に基づいて、モータの動作を停止させる等の制御を実施することができる。
これにより、作業中に生じる作業工具の挙動(ブレ)が許容範囲である場合にのみ、モータの動作を許可することができる。
よって、作業中の作業工具のブレが所定量以上である場合には、モータの動作を禁止することで、使用者の安全性を向上させることができる。
ここでは、挙動検出部における検出結果に応じてモータの動作を停止させる制御において、1度検出すると停止させる第1閾値と、所定回数以上検出すると停止させる第2閾値という2つの閾値が設定されている。
この結果、作業工具のブレ量に応じて、即座に停止させる、あるいは所定条件を満たした場合に停止させるという段階的な制御を実施することができる。
ここで、高速低トルクモードは、例えば、電動ドライバを用いたネジ締め作業等で選択され、低速高トルクモードは、例えば、ディスクグラインダを用いた研磨作業等で選択される。
これにより、作業工具を用いた作業内容に応じて、適切なモードを選択することで、当該作業に最適な回転速度および出力トルクで作業を行うことができる。
これにより、使用者が補助ハンドルをしっかり持たずに使用して怪我をする等の事故発生リスクが大きい低速高トルクモードにおけるブレ量の閾値を、高速低トルクモードよりも小さい値とすることで、ブレが生じたら早めにモータの動作を停止させる等の安全性の高い制御を行うことができる。
ここでは、高速低トルクモードおよび低速高トルクモードの少なくとも一方には、補助ハンドルを把持する力に関する閾値が段階的に設定されている。
これにより、作業内容等に応じた適切なモード、段階を設定して作業を行うことで、使用者の安全性を確保しつつ、作業工具を用いた作業を適切に実施することができる。
ここでは、加速度センサ等の挙動検出部が、補助ハンドル側に設けられており、作業中に本体部に生じた挙動(ブレ)を間接的に検出する。
ここでは、補助ハンドルの端部に、加速度センサ等の挙動検出部を配置している。
これにより、補助ハンドルのブレが生じた場合にもっとも変位量が大きくなる端部(接続側とは反対側)に挙動検出部が配置されていることで、補助ハンドルのブレ量を精度よく検出することができる。
ここでは、挙動検出部として、加速度センサを用いている。
これにより、安価な構成により、作業工具に生じたブレを検出することができる。
なお、以下で説明する内容は、本発明に係る一実施形態を示したものに過ぎず、本実施形態で説明される構成によって、本発明が限定されることを意図するものではない。
(1)電動工具10の構成
本実施形態に係る電動工具10は、図1に示すように、バッテリ(図示せず)から電力を供給されるブラシレスモータ(モータ17)によって、先端部分に装着されたドライバ、ドリル等の先端工具30を回転駆動させることで、ネジ締め、ネジ緩め、穴開け等の各種作業に使用される。
電動工具10は、図1および図2に示すように、本体部11と、本体部11に着脱可能な状態で取り付けられる補助ハンドル20とを備えている。
本体部11は、内蔵されたバッテリ(図示せず)から電力が供給されて駆動されるモータ17を備えており、先端部分に着脱可能な状態で装着された各種先端工具30を交換しながら各種作業を行う。
メインハンドル13は、図1に示すように、本体部11における下面から下向きに延伸する使用者の持ち手部分であって、図1に示す電動工具10では、作業時に使用者の右手によって把持される。
円筒部15aは、図2に示すように、本体部11の左側面に対して略垂直に配置されており、円筒部分の内周面側に、補助ハンドル20が挿入された状態で取り付けられる。また、円筒部15aの内周面には、径方向外側に向かって凹む第1凹部(位置合わせ部)15aaと、第2凹部(位置合わせ部)15abとが形成されている。
第2凹部15abは、図2に示すように、円筒部15aの内周面における第1凹部15aaと対向する位置に形成されており、補助ハンドル20側の円筒部23の外周面に形成された第2凸部23abが挿入される。
着脱ボタン15bは、図2に示すように、円筒部15aの外周面に配置されており、押下操作されることによって、補助ハンドル20が保持された状態から離脱可能な状態へ移行させる。
制御部16は、図3に示すように、操作部14、電源部18bおよび信号受信部19と接続されている。そして、制御部16は、操作部14から受信した操作量信号に基づいて、モータ17の回転数を制御する。また、制御部16は、信号受信部19を介して受信した加速度センサ28における検出結果(ブレ量)と、補助ハンドル20の把持部21を使用者が把持したことを示す把持検出信号(把持力)とに応じて、モータ17の動作を許可するか否かを判定する。さらに、制御部16は、図3に示すように、電圧検出部(モータ情報検出部)16aと、電流検出部(モータ情報検出部)16bと、演算部16cと、を有している。
電流検出部16bは、モータ17に接続されており、モータ17の情報として、モータ17に流れる電流を検出する。
演算部16cは、電圧検出部16aにおいて検出されたモータ17の電圧と、電流検出部16bにおいて検出されたモータ17の電流値とを用いて、モータ17の消費電力を算出する。
モータ17は、図3に示すように、電力によって駆動され、先端工具30(回転部12)に対して回転駆動力を付与する。
非接触給電部18aは、電源部18bから電力が供給されるとともに、図3に示すように、本体部11から補助ハンドル20の非接触受電部24に対して、電気配線等を介すことなく非接触の状態で電力を供給する。なお、非接触給電部18aと電源部18bとは、図3では省略されているが、実際には電気的に接続されているものとする。
補助ハンドル20は、例えば、モータ17が高トルクの回転駆動力を出力する作業を実施する際等において、安定した状態で作業を実施することができるように、使用者の左手によって把持される。そして、補助ハンドル20は、図1に示すように、本体部11の左側面に設けられた被接続部15に対して、着脱可能な状態で取り付けられる。
なお、補助ハンドル20は、図1に示す本体部11の左側の側面ではなく、本体部11の右側の側面、あるいは上部、下部等の他の部位に装着される構成であってもよい。
補助ハンドル20は、図1に示すように、把持部21と、接続部22と、円筒部23と、を備えている。また、補助ハンドル20は、内部に、図3に示すように、非接触受電部24と、圧力センサ25と、信号送信部(送信部)26と、把持検出信号処理部27と、加速度センサ(挙動検出部)28とを備えている。
接続部22は、図2に示すように、本体部11の被接続部15の円筒部15aに対して接続される部分であって、本体部11に向かって突出する挿入軸22aを有している。
円筒部23は、図1に示すように、本体部11の被接続部15を構成する円筒部15aの内周面側に挿入される。これにより、補助ハンドル20は、本体部11の左側面に対して位置合わせが行われる。そして、円筒部23の外周面には、径方向内側に向かって突出する第1凸部(位置合わせ部)23aaと、第2凸部(位置合わせ部)23abとが形成されている。
第2凸部23abは、図2に示すように、円筒部23の外周面における第1凸部23aaの反対側に形成されており、本体部11側の円筒部15aの内周面に形成された第2凹部15abに沿って挿入される。
これにより、補助ハンドル20側の第1凸部23aaと第2凸部23abとが、本体部11側の第1凹部15aaと第2凹部15abとに沿ってそれぞれ挿入される。この結果、補助ハンドル20の挿入軸22aを中心とする回転方向における位置決めを行うことができる。
よって、補助ハンドル20の挿入軸22aを中心とする回転方向における位置決めを確実に行うことができる。
ここで、圧力センサ25は、図4(a)に示すように、補助ハンドル20の把持部21の深部に、長手方向に沿って延伸するように配置された圧力センサ25aが用いられる。これにより、使用者によって把持部21が把持されると、圧力センサ25が把持を検出し、把持力に応じた信号を把持検出信号処理部へと送信する。
信号送信部(送信部)26は、図3に示すように、圧力センサ25において検出された把持検出信号と、加速度センサ28において検出された補助ハンドル20の挙動(ブレ量)を示す挙動検出信号とを、本体部11の信号受信部19へと送信する。
加速度センサ(挙動検出部)28は、補助ハンドル20の挙動(作業時に生じるブレ量)を検出するために設けられており、図3に示すように、検出したブレ量を信号送信部26へ送信する。また、加速度センサ28は、図4(a)および図4(b)に示すように、補助ハンドル20における端部に配置されている。
本実施形態の電動工具10における本体部11に対する補助ハンドル20の接続構造について、図5(a)および図5(b)を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、図5(a)および図5(b)に示す構成では、説明の便宜上、本体部11側の構成は、被接続部15のみを示しており、被接続部15以外の構成は図示を省略している。
すなわち、本実施形態では、補助ハンドル20は、図5(a)に示すように、上述した補助ハンドル20側の挿入軸22aが、本体部11側の挿入孔15cに挿入されるとともに、円筒部23の外周面が、本体部11の被接続部15の円筒部15aの内周面側に挿入された状態で挿入される。
これにより、非接触給電部18aから非接触受電部24に対する給電効率を向上させることができる。
これにより、信号送信部26から信号受信部19に対する信号送信効率を向上させることができる。
本実施形態の電動工具10では、図6(a)および図6(b)に示すように、補助ハンドル20側の挿入軸62aの先端に係止部(ロック機構)62bが設けられており、本体部11側に被係止部(ロック機構)56cが設けられた構成であってもよい。
図6(a)は、本体部11側の被接続部15に対して補助ハンドル20側の接続部22(円筒部23)が接続される直前の状態の電動工具10を示している。
図6(a)に示す状態から、本体部11の被接続部15に対して補助ハンドル20の接続部22を近接させていくと、挿入軸62aの先端に設けられた係止部62bが、本体部11の円筒部15aの中心に設けられたロック解除ボタン56の挿入孔56aに沿って挿入される。
これにより、本体部11に対して補助ハンドル20が保持されて離脱できない状態とすることで、使用者は安定した状態で補助ハンドル20付きの電動工具10を使用することができる。
このとき、ロック解除ボタン56は、径方向内側に向かって押し込まれることで、ロック解除ボタン56の一部である挿入孔56aも径方向内側に向かって移動する。
この結果、図7(b)に示すように、補助ハンドル20の挿入軸62aを本体部11の挿入孔56aから引き抜いて、本体部11から補助ハンドル20を取り外すことができる。
本実施形態の電動工具10では、補助ハンドル20が装着された状態でより安全性の高い状態で作業を行うためのモータ17の動作許可制御が実施される。このモータ17の動作許可制御について、図8に示すフローチャートを用いて説明すれば、以下の通りである。
ここで、「低速高トルクモード」に設定されている場合には、ステップS12へ進み、設定されていない場合には、ステップS16へ進む。
制御部16には、図11に示すように、高い回転速度で低いトルクを出力するようにモータを制御する「高速低トルクモード」と、高速低トルクモードよりも低い回転速度で高いトルクを出力するようにモータを制御する「低速高トルクモード」とが設定されている。
ステップS11において判定される「低速高トルクモード」は、モータ17から付与される回転速度は比較的低速であるものの、高いトルクが付与されるモードであって、回転速度よりもトルクが必要な作業時に選択される。そして、この「低速高トルクモード」は、他のモードと比較して、高いトルクが出力されるため、使用者は電動工具10をしっかりと把持した状態で作業を行う必要がある。よって、ステップS11では、最初に、「低速高トルクモード」であるか否かの判定が行われる。
次に、ステップS13では、本体部11に補助ハンドル20が装着されているか否かの判定が行われる。ここで、補助ハンドル20が本体部11に装着されている場合には、ステップS14へ進む。一方、補助ハンドル20が装着されていない場合には、「低速高トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていないと判断し、ステップS18へ進み、モータ17の動作を禁止して処理を終了する。
ここで、補助ハンドル20の有無の検出は、本体部11側の信号受信部19において、補助ハンドル20側の信号送信部26との間の通信が行われるか否か等によって判定すればよい。あるいは、補助ハンドル20の装着を検出するセンサ等を用いて、補助ハンドル20の有無を判定してもよい。
ここで、把持値が動作許可把持値の範囲内である場合には、「低速高トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていると判断し、ステップS15へ進み、モータ17の動作を許可して処理を終了する。
次に、ステップS16では、ステップS11において「低速高トルクモード」ではないと判定された、あるいはステップS14において、把持値が動作許可把持値の範囲よりも小さいと判定されているため、「低速高トルクモード」よりも使用条件が緩い「高速低トルクモード」の制御Noを呼び出す。
ここで、把持値が動作許可把持値の範囲内である場合には、「高速低トルクモード」の作業を実施するための条件を満たしていると判断し、ステップS15へ進み、モータ17の動作を許可して処理を終了する。
本実施形態の電動工具10では、以上のように、補助ハンドル20を用いた安全性の高い作業が要求される「低速高トルクモード」等の作業時において、補助ハンドル20の把持を検出するとともに、把持力の大きさ(把持値)が設定されたモードに応じた範囲内であるか否かを判定して、範囲内である場合のみ、モータ17の動作を許可することで、補助ハンドル20付きの電動工具10を用いてより安全性の高い作業を行うことができる。
本実施形態の電動工具10では、図8に示す処理に続いて、作業中におけるモータ17の消費電力を算出し、算出された消費電力量に応じて動作許可閾値を設定する制御が実施される。このモータ17の動作許可制御について、図9に示すフローチャートを用いて説明すれば、以下の通りである。
次に、ステップS22では、ステップS21において検出されたモータ17の電圧値Vおよび電流値Iを用いて、消費電力W(=V×I)を算出する。
次に、ステップS23では、制御部16が、現在、設定されている作業モード(制御No.H3)を取得する。
そして、「高速低トルクモード」は、図11に示すように、モータ17の動作を許可する把持値の範囲によって、制御No.H1〜H5までの5段階に細分化されている。同様に、「低速高トルクモード」は、モータ17の動作を許可する把持値の範囲によって、制御No.L1〜L3の3段階に細分化されている。
次に、ステップS24では、ステップS22において算出されたモータ17の消費電力が、所定時間(例えば、5分)内に、予め設定された消費電力閾値を超えたか否かを判定する。
次に、ステップS25では、ステップS24において、ステップS22において算出されたモータ17の消費電力が、5分以内に消費電力閾値を超えた(図10の実線参照)と判定されたため、制御部16は、使用者の技量レベルが低いために消費電力量が増えていると推定し、技量レベルが低い使用者に対応する作業No.H2に変更して設定する。
これにより、ステップS25では、より強く補助ハンドル20を把持しないと動作許可されない技量レベルが低い使用者向けのモードに変更されたため、使用者の技量レベルに応じた適切な作業モードで作業を実施することができる。
ここで、モータ17の消費電力が、5分〜10分の間に、消費電力閾値を超えた場合には、ステップS27へ進み、消費電力閾値を超えていない場合には、ステップS28へ進む。
これにより、ステップS27では、消費電力から推定される使用者の技量レベルが、現在設定されている作業モード(制御No)に合っていると判断し、作業モードを変更することなく維持する。よって、使用者の技量レベルに応じた適切な作業モードで作業を実施することができる。
これにより、ステップS75では、より弱い把持力で補助ハンドル20を把持して問題がない技量レベルが高い使用者向けのモードに変更されたため、使用者の技量レベルに応じた適切な作業モードで作業を実施することができる。
本実施形態の電動工具10では、上述した補助ハンドル20を把持する把持力に応じてモータ17の動作許可制御を行うとともに、図12に示すように、電動工具10の挙動(ブレ量)を検出し、ブレ量が所定範囲を超えている場合には、モータ17の動作を停止させるように制御を行う。
これにより、制御部16は、電動工具10にブレが生じていることを認識することができる。
ここで、挙動検出信号が、図13(a)に示すように、予め設定された第1の挙動検出閾値を超えている場合には、ステップS33へ進む。一方、挙動検出信号が、図13(b)に示すように、予め設定された第1の挙動検出閾値を超えていない場合には、ステップS27へ進む。
次に、ステップS34では、制御部16が、第1の挙動検出閾値を超えた時(ブレ量が大きい時)における補助ハンドル20の把持力の大きさ(把持値)を、圧力センサ25から取得する。
図11には、設定された作業モードの制御Noごとの制御テーブルの動作許可把持値の範囲を含む制御テーブルが示されている。
これにより、使用者の技量によっては、各作業モードの制御Noに応じた動作許可把持値の範囲内であってもブレ量が大きくなる場合には、使用者の技量が低いと判断してモータ17の動作を許可する把持値の範囲を、図13(c)に示すように、より大きな値の範囲に変更することができる。
さらに、ステップS37では、ステップS32において、取得した挙動検出信号が第1の挙動検出閾値を超えていないと判定されているため、ブレ量は比較的小さいものと思われる。そこで、ステップS37では、図13(b)に示すように、所定時間(例えば、60sec)内において、第1の挙動検出閾値よりも小さい第2の挙動検出閾値を設定し、取得した挙動検出信号が第2の挙動検出閾値を超えたか否かを判定する。
次に、ステップS38では、ステップS37において第2の挙動検出閾値を超えたと判定されたため、制御部16は、処理フラグをONにする。
ここで、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えている場合には、ステップS40へ進む。一方、検出された挙動検出信号の値が第2の挙動検出閾値を超えた所定回数(例えば、5回)を超えていない場合には、ステップS43へ進む。
次に、ステップS42では、ステップS41の照合の結果を踏まえて、図13(c)に示すように、動作許可把持値の範囲をより大きい範囲に変更したテーブルに更新し、ステップS31へ戻る。
よって、使用者の技量に応じて動作許可把持値の範囲を適正化することで、使用者の安全性を確保するとともに、使用者の技量差を考慮して適切な制御を行うことができる。
次に、ステップS44では、ステップS38においてONにした処理フラグをOFFにして、ステップS31へ戻る。
また、第1の挙動検出閾値は超えないものの第2の挙動検出閾値を超えるブレ量が発生し、かつ所定時間内に所定回数を超えるまで発生した場合には、モータ17の駆動を停止させて安全性を確保するとともに、より強い力で把持していないとモータ17の動作が許可されないようにテーブルを書き換えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、本体部11に対して補助ハンドル20が装着された電動工具10に対して、本発明が適用された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、補助ハンドルのない本体部だけの電動工具(作業工具)に対して、本発明が適用された構成であってもよい。
上記実施形態では、図11に示すように、各作業モード(高速低トルク、低速高トルク)の制御Noごとにそれぞれ動作許可閾値、動作許可把持値の範囲が設定されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
また、各作業モード(高速低トルク、低速高トルク)の制御Noごとにそれぞれ設定された第1・第2の挙動検出閾値についても同様に、図11に示す値に限らず、作業工具の種類、作業内容等に応じて、より大きい値、あるいはより小さい値で適切に設定されていてもよい。
上記実施形態では、電動工具10の作業時における挙動を検出する加速度センサ28が、補助ハンドル20側に設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加速度センサ等の挙動検出部が、本体部側に設けられた構成であってもよい。
また、加速度センサ等の挙動検出部は、本体部側と補助ハンドル側とにそれぞれ設けられていてもよい。
なお、加速度センサ等の挙動検出部は、本体部側に設けられている場合でも、できるだけ端部に配置されていることが好ましい。これにより、挙動検出部が本体部の中心付近に設けられた構成と比較して、本体部に生じたブレ量を検出しやすくすることができる。
上記実施形態では、本体部11と補助ハンドル20との間における信号の送受信を非接触通信によって実施する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本体部と補助ハンドルとの間の通信が接触した状態で信号の送受信を行う方式であってもよい。
上記実施形態では、電動工具10の作業時における挙動を検出する挙動検出部として、加速度センサ28を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、加速度センサの代わりに、ジャイロセンサ等の他のセンサを用いてもよい。
上記実施形態では、本体部11に設けられた電源部18bから供給される電力によってモータ17が駆動される電動工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電源ケーブルを介して電力がモータに供給され、モータが駆動される電動工具であってもよい。
上記実施形態では、使用者の右手でメインハンドル13、左手で補助ハンドル20が把持される電動工具10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、使用者の左手でメインハンドル、右手で補助ハンドルが把持されるように、補助ハンドルが装着された電動工具であってもよい。
上記実施形態では、電動工具10のモータ(モータ)17を駆動するための操作部として、引き量(操作量)に応じてモータ(モータ)17の出力トルクを調整するトリガスイッチを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、トリガスイッチの代わりに、ON/OFFスイッチ等の他のスイッチを用いてもよい。
上記実施形態では、本発明に係る作業工具として、電動ドライバ等の電動工具10に対して本発明を適用した例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電動ドライバ以外にも、グラインダ、ジグソー、チェーンソー等の各種作業を行う作業工具に対して、本発明が適用されてもよい。
上記実施形態では、モータ17の情報として、モータ17の電圧値を検出する電圧検出部16aおよび電流値を検出する電流検出部16bが、それぞれモータ17の電圧および電流とを検出して算出される消費電力を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、モータの情報として、使用者の技量レベルを推定するために有効な他の情報(例えば、モータ17の電圧値のみ)を検出し、モータの制御を実施してもよい。
上記実施形態では、本体部11に着脱可能な状態で取り付けられる補助ハンドル20を含む電動工具10に対して、本発明が適用された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
11 本体部
12 回転部
13 メインハンドル
14 操作部
15 被接続部
15a 円筒部
15aa 第1凹部
15ab 第2凹部
15b 着脱ボタン
15c 挿入孔
16 制御部
16a 電圧検出部(モータ情報検出部)
16b 電流検出部(モータ情報検出部)
16c 演算部
17 モータ
18a 非接触給電部
18b 電源部
19 信号受信部
20 補助ハンドル
21 把持部
22 接続部
22a 挿入軸
23 円筒部
23aa 第1凸部
23ab 第2凸部
24 非接触受電部
25 圧力センサ(把持検出部)
25a,25b 圧力センサ(把持検出部)
26 信号送信部
27 把持検出信号処理部
28 加速度センサ(挙動検出部)
30 先端工具
56 ロック解除ボタン(ロック解除機構)
56a 挿入孔
56b 弾性部材
56c 被係止部(ロック機構)
62a 挿入軸
62b 係止部(ロック機構)
Claims (19)
- 装着された先端工具を駆動させて所定の作業を行う作業工具であって、
本体部と、
前記本体部に設けられており、電力を供給する電源部と、
前記本体部に設けられており、前記電源部から電力が供給されて前記先端工具を駆動するモータと、
前記本体部に設けられており、作業中の前記モータの情報を検出するモータ情報検出部と、
前記本体部に設けられており、前記モータ情報検出部において検出された前記モータの情報に基づいて推定される使用者の技量レベルに応じて、前記モータの動作を制御する制御部と、
を備えている作業工具。 - 前記制御部は、前記モータの情報に基づいて推定される前記使用者の技量レベルに応じて、前記モータの動作を停止させるために設定された閾値を選択する、
請求項1に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記モータの動作を停止させるために設定された前記閾値を含む複数の作業モードを有しており、前記モータの情報に基づいて推定される使用者の技量レベルに応じて、現在設定されている第1作業モードから第2作業モードへ変更するか否かを決定する、
請求項2に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記モータの情報が、第1時間閾値までに所定の閾値を超えた場合には、推定される前記使用者の技量レベルに合わせて前記作業モードを変更する、
請求項3に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記モータの情報が、前記第1時間閾値よりも長い第2時間閾値までに所定の閾値を超えた場合には、前記作業モードを維持する、
請求項4に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記モータの情報が、前記第1時間閾値よりも長い所定時間内に第2時間閾値までに所定の閾値を超えない場合には、推定される前記使用者の技量レベルに合わせて前記作業モードを変更する、
請求項4に記載の作業工具。 - 前記モータの情報には、作業時における前記モータの消費電力または電圧が含まれる、
請求項1から6のいずれか1項に記載の作業工具。 - 前記本体部に対して取り付けられており作業時に前記使用者によって把持される補助ハンドルであって、前記使用者による前記補助ハンドルを把持した把持力を検出する把持検出部と、前記把持検出部における検出結果を前記本体部へ送信する送信部と、を有する補助ハンドルを、さらに備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の作業工具。 - 前記本体部に設けられており、前記送信部から送信された前記把持検出部の検出結果を受信する受信部を、さらに備え、
前記制御部は、前記把持検出部における検出結果に応じて、前記モータの動作を停止させるか否かを決定する、
請求項8に記載の作業工具。 - 前記本体部に設けられており、前記補助ハンドルに対して非接触の状態で電力を供給する非接触給電部をさらに備えており、
前記補助ハンドルは、前記非接触給電部から供給される電力を受電する非接触受電部を、有している、
請求項8または9に記載の作業工具。 - 前記本体部の挙動を検出する挙動検出部を、さらに備えている、
請求項1から10のいずれか1項に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記挙動検出部における前記挙動の検出結果に基づいて、前記モータの動作を許可するか否かを決定する、
請求項11に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記挙動検出部における検出結果について、一回でも超えると前記モータの動作を停止させる第1閾値と、前記第1閾値よりも小さく所定時間内に所定回数以上超えると前記モータの動作を停止させる第2閾値と、を有している、
請求項11または12に記載の作業工具。 - 前記制御部は、高回転速度で低いトルクを出力するように前記モータを制御する高速低トルクモードと、前記高速低トルクモードよりも低回転速度で高いトルクを出力するように前記モータを制御する低速高トルクモードと、を有している、
請求項11から13のいずれか1項に記載の作業工具。 - 前記制御部は、前記低速高トルクモードでは、前記挙動検出部において検出された検出結果について、前記高速低トルクモードにおいて設定されており前記モータの動作を停止させる閾値よりも小さい閾値を設定する、
請求項14に記載の作業工具。 - 前記使用者によって把持された把持力を検出する把持検出部を有する補助ハンドルを、さらに備え、
前記高速低トルクモードおよび前記低速高トルクモードの少なくとも一方は、前記把持検出部における検出結果について設定された前記把持力の閾値が複数段階で設定されている、
請求項14または15に記載の作業工具。 - 前記挙動検出部は、前記補助ハンドルに設けられている、
請求項16に記載の作業工具。 - 前記挙動検出部は、前記補助ハンドルにおける前記本体部との接続部分とは反対側の端部付近に設けられている、
請求項17に記載の作業工具。 - 前記挙動検出部は、加速度センサである、
請求項11から18のいずれか1項に記載の作業工具。
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