JP2021141775A - 車載バッテリ充電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電動車両の車載バッテリの充電時における消費電力を抑制する。【解決手段】目標充電完了時刻に充電を完了させる充電開始時刻を求める(S30)。また、充電にともなう車載バッテリの昇温量を予測する(S32)。そして、予測した昇温量で目標充電完了時刻に目標温度に到達するか否かを判断する(S34)。到達しない場合には、不足する昇温量に基づいて、目標充電完了時刻に車載バッテリを目標温度に到達させる加熱開始時刻を求める(S38)。充電開始時刻に充電を開始し(S40)、加熱開始時刻にヒータの加熱を開始する(S42)。【選択図】図3
Description
本発明は、電動車両で使用される車載バッテリ充電システムに関する。
電動車両では、多くの場合、外部電源から供給される電力により車載バッテリの充電が行われる。
下記特許文献1には、車載バッテリを、はじめに大電力で充電し、次に小電力で充電することが記載されている。車載バッテリにはヒータが設けられており、大電力での充電の際には充電効率を高めるように加熱され、小電力での充電の際には放電効率を高める温度に近づけるように加熱される。また、出発予定時刻から逆算した時刻に充電を開始することも記載されている。
上記特許文献1では、充電効率を高めた充電を行っているため、ヒータの電力を無駄に消費している。特に、出発予定時刻などを目標充電完了時刻として充電を行う場合には、充電効率を優先する必要性は低いため、消費電力を抑制した充電を行うことが望ましいと言える。
本発明の目的は、車載バッテリの充電時における消費電力を抑制することにある。
本発明にかかる車載バッテリ充電システムは、車載バッテリと、前記車載バッテリの充電を行う充電器と、前記車載バッテリの加熱を行うヒータと、外部電源から受電した電力を前記充電器及び前記ヒータに供給する電力線と、前記充電器に供給する電力及び前記ヒータに供給する電力を制御する制御部と、前記充電器の充電にともなう前記車載バッテリの予測昇温量を算出する昇温量算出部と、を備え、前記制御部は、目標充電完了時刻に充電を完了させる充電開始時刻を求め、当該充電開始時刻に前記充電器に通電して充電を開始する充電開始制御と、充電にともなう前記予測昇温量では前記目標充電完了時刻に目標温度に達しない場合に、不足する昇温量に基づいて前記目標充電完了時刻に前記車載バッテリを前記目標温度に到達させる加熱開始時刻を求め、当該加熱開始時刻に前記ヒータに通電して加熱を開始する加熱開始制御と、を行う。
本発明によれば、車載バッテリの充電を省電力化することが可能となる。
以下に、図面を参照しながら、実施形態について説明する。説明においては、理解を容易にするため、具体的な態様について示すが、これらは実施形態を例示するものであり、他にも様々な実施形態をとることが可能である。
図1は、実施形態にかかる車載バッテリ充電システムの概略的な構成を示す図である。図1には、コネクタ10aを含む外部電源10と、電動車両20が表示されている。外部電源10は、例えば、家庭用の単相100V交流電源、あるいは、単相200V交流電源である。
電動車両20には、充電リッド22、電力線24、充電器26、ヒータ28、車載バッテリ30、バッテリ温度センサ32、駆動モータ34、外気温度センサ36、及びECU38が含まれている。これらのうち、駆動モータ34を除くものを、車載バッテリ充電システムと呼ぶことにする。なお、電動車両20とは、少なくとも駆動モータ34によって駆動可能な車両を指すものとする。電動車両20は、駆動源としての内燃機関も備えるハイブリッド車両であってもよい。
充電リッド22は、外部電源10のコネクタ10aが挿入される部位である。充電リッド22からは電力線24が充電器26及びヒータ28に延びている。電力線24は、コネクタ10aを通じて外部電源10から受電した電力を、電力線24を通じて充電器26及びヒータ28に供給する。
充電器26は、車載バッテリ30の充電を行う装置である。例えば、充電器26には、交直変換及び昇圧を行う回路が内蔵されており、変換した電力を車載バッテリ30に供給する。
ヒータ28は、通電をすることで電気抵抗によるジュール熱を発生させ、車載バッテリ30を加熱及び昇温させる装置である。なお、図1に示した電力線24は模式的に記載したものであること、また、他の構成をとり得ることに留意されたい。他の構成の例としては、充電器26で変換された電力をヒータ28に供給する態様を挙げることができる。
車載バッテリ30は、駆動モータ34を駆動させるためのバッテリである。車載バッテリ30は、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池から構成される。例えば、車載バッテリ30は、1〜5V程度の電池セルを複数積層させたスタックから構成される。
一般に、車載バッテリ30には、放電効率が高い温度帯が存在する。例えば、駆動モータ34の駆動が問題なく行われる温度帯は摂氏10度〜摂氏40度程度であり、駆動モータ34を高効率で駆動できる温度帯は摂氏20度〜摂氏30度程度という具合である。このため、特に低温環境下(例えば摂氏5度以下、特に摂氏0度以下など)では、電動車両20の運転前に車載バッテリ30の温度を放電効率が高い温度帯にまで昇温させることが望ましい。そこで、電動車両20は、ヒータ28によって車載バッテリ30を加熱できるように構成されている。
バッテリ温度センサ32は、車載バッテリ30に取り付けられ、車載バッテリ30の温度を測定するセンサである。測定した温度は、ECU38に出力される。
駆動モータ34は、電動車両20を駆動するモータである。駆動モータ34には、車載バッテリ30から供給される電力が、昇圧及び直交変換されて供給される。駆動モータ34は、供給された電力を回転エネルギに変換し、図示を省略した車輪を回転させる。なお、駆動モータ34は複数設けられる場合もある。
外気温度センサ36は、外気の温度を測定するセンサである。測定した温度は、ECU38に出力される。
ECU38は、Electric Control Unitの略であり、電動車両20において各種の制御などを行うコンピュータである。ECU38には、プロセッサ、メモリなどのコンピュータハードウエアが搭載されており、インストールされたOS(Operating System)、アプリケーションプログラムなどのソフトウエアに従って動作している。ECU38には、ソフトウエアによって、昇温量算出部40、制御部42及び目標充電完了時刻設定部44が構築されている。
昇温量算出部40は、充電器26の充電にともなう車載バッテリ30の昇温量を予測する演算を行う。充電にともなう昇温量は、車載バッテリ30への通電により内部抵抗に起因して生じる熱量、車載バッテリ30から周囲に放出される熱量、バッテリ温度センサ32と外気温度センサ36の出力値などに基づいて算出される。なお、昇温量算出部40では、ヒータ28の加熱にともなう車載バッテリ30の昇温量を予測することもできる。ヒータ28の加熱にともなう昇温量は、ヒータ28の発熱量と、車載バッテリ30から周囲に放出される熱量、バッテリ温度センサ32と外気温度センサ36の出力値などに基づいて算出される。また、昇温量算出部40では、充電器26の充電とヒータ28の加熱が同時に行われた場合の昇温量も予測することができる。
制御部42は、充電器26に供給する電力の大きさの制御、及び、ヒータ28に供給する電力の大きさの制御を行う。充電器26へ供給する電力は、供給しない状態(0W)、急速充電の状態(例えば50kW)、普通充電の状態(例えば3kW)のように切り替えられる。また、ヒータ28に供給する電力は、供給しない状態(0W)から最大の状態(例えば300W)までの間で可変的に切り替えられる。
制御部42では、こうした電力の制御を、低消費電力モード、または、通常モードで行う機能を備える。低消費電力モードは、充電及び加熱に要する電力量を抑制して充電を実施するモードであり、後で詳述する。また、通常モードは、従来から実施されているモードである。通常モードには、例えば、車載バッテリ30の温度が十分高いためにヒータ28を使用せずに充電を行う態様、あるいは、充電の終了時刻が不確定であるために充電開始と同時に加熱を開始する態様などが含まれる。実施形態では、制御部42では、車載バッテリ30の温度、目標充電完了時刻の設定の有無、及び、時間的な猶予に基づいて低消費電力モードと通常モードを切り替える。
低消費電力モードでの制御を行うにあたって、制御部42では、充電を開始する充電開始時刻の算出と、加熱を開始する加熱開始時刻の算出も行う。充電開始時刻は、目標充電完了時刻に充電が完了するように算出される。充電開始時刻は、十分な時間がある場合には、普通充電をベースに算出され、あまり時間がない場合には一部または全部を急速充電で行う設定の下で算出される。制御部42は、低消費電力モードでは、算出した充電開始時刻に充電を開始する。ただし、実際の充電にあたっては、SOC(State of Charge)をモニタしながら急速充電と普通充電とを適宜切り替える場合もある。
加熱開始時刻は、目標充電完了時刻に車載バッテリ30が目標温度に到達するように算出される。加熱開始時刻の算出にあたっては、ヒータ28への電力供給量を適当な値(例えば最大出力)に設定されることになる。制御部42は、加熱開始時刻にヒータ28に、設定した電力を供給して加熱を開始する。加熱開始後には、バッテリ温度センサ32の温度をモニタしながら電力供給量を調整する場合もある。
目標充電完了時刻設定部44は、目標充電完了時刻を設定する。目標充電完了時刻は、例えば、電動車両20を運転するユーザが出発を予定している出発予定時刻またはそれよりも若干早め(例えば10分)の時刻とすることができる。出発予定時刻は、ユーザが明示的に入力することができるし、ユーザが乗車前に車内の空調を開始するように設定した時刻に基づいて決定することもできる。また、出発予定時刻は、ユーザが携帯端末あるいはクラウド等に記載したスケジュール情報を取得し、このスケジュール情報に基づいて推測してもよい。さらに、出発予定時刻は、電動車両20の走行状況の履歴を機械学習するAI(Artificial Intelligence)モデルを用いて予測することも可能である。また、目標充電完了時刻は、出発とは関係しないが、その時刻以降にはいつでも十分な充電状態で出発が可能となるように、予めユーザが設定した時刻とすることもできる。
続いて、図2を参照して、低消費電力モードと、通常モードの切り替え態様について説明する。図2は、充電の準備期間中にECU38において行われる処理の流れを示すフローチャートである。
充電の準備期間中、ECU38は、充電リッド22にコネクタ10aが接続されているかをチェックする(S10)。接続されていない場合には、適当な時間後に、S10の処理を繰り返す。
コネクタ10aが接続されている場合には、バッテリ温度センサ32の出力を参照して、車載バッテリ30の温度が所定温度より低温か否かをチェックする(S12)。所定温度としては、例えば、摂氏5度あるいは摂氏0度程度の値が設定される。
車載バッテリ30が所定温度よりも高い場合には、通常モードでの充電が行われる(S20)。この場合の通常モードでの充電としては、例えば、ヒータ28を使わずに充電を行う態様、あるいは、高温化を防ぐためにエアコンを起動して車載バッテリ30を冷却する態様を挙げることができる。
他方、車載バッテリ30が所定温度よりも低い場合には、目標充電完了時刻設定部44において、目標充電完了時刻が設定されているか否かがチェックされる(S14)。目標充電完了時刻設定されていない場合には、通常モードでの充電が行われる(S20)。この場合の通常モードでの充電としては、例えば、ただちに、充電を開始するとともに、ヒータ28による加熱を開始する態様を挙げることができる。
目標充電完了時刻が設定されている場合には、低消費電力モードで充電をする時間があるか否かがチェックされる(S16)。時間がない場合には、通常モードでの充電が行われる(S20)。この場合の通常モードの充電としては、例えば、ただちに充電を開始するとともに、ヒータ28による加熱を開始する態様を挙げることができる。
低消費電力モードで充電する時間が確保できる場合には、低消費電力モードでの充電が行われる。
図3は、低消費電力モードでの充電が開始される段階の処理の流れを示すフローチャートである。低消費電力モードが開始する場合、まず、制御部42は、目標充電完了時刻から、充電開始時刻を逆算する(S30)。すなわち、急速充電もしくは普通充電、または急速充電と普通充電の組み合わせによる充電スケジュールが設定された上で、充電実行スケジュールを実行して目標充電完了時刻に充電が終了するような時刻が算出される。なお、ステップS30は、図2に示したステップS16において実施してもよい。
続いて、昇温量算出部40が、この充電スケジュールにより充電を実行した場合における目標充電完了時刻での予測昇温量を算出する(S32)。そして、制御部42では、予測昇温量によって目標温度に到達するか否かをチェックする(S34)。目標温度は、放電効率が高い温度帯に設定される。目標温度をこの温度帯のどこに設定するかは任意性がある。例えば、目標温度は、駆動モータ34の駆動が問題なく行われる温度帯の下限値(例えば摂氏10度程度)に設定することが考えられる。これにより、消費電力を大きく抑制することができる。あるいは、駆動モータ34を高効率で駆動できる温度帯の下限値(例えば摂氏20度程度)に設定することも考えられる。これにより、消費電力は若干上昇するが、放電効率向上と消費電力抑制とを両立することが可能となる。さらには、こうした温度帯の下限値よりも若干高い温度(例えば+2度程度)に設定することも考えられる。これは、目標充電完了時刻に充電及び加熱が停止された後も、しばらくは、こうした温度帯の下限値よりも高い温度状態を維持するためである。
ステップS34で目標温度に到達すると判定された場合には、ヒータ28による加熱は必要ないためステップS40に移行する。ステップS34で、目標温度に到達しないと判断された場合には、不足する昇温量に基づいて、加熱開始時刻を逆算する(S38)。加熱開始時刻の算出は、単純には、不足する昇温量の昇温を実現するだけの熱量を加えるように、ヒータ28へ供給する電力と供給時間を設定することで行われる。しかし、昇温量算出部40において精度の高い計算を行って、精度よく加熱開始時間を求めるようにしてもよい。
その後、制御部42は、充電開始時刻に充電器26による充電を開始する(S40)。充電は、ステップS30で設定した充電スケジュールに従って実行される。これにより、目標充電完了時刻には目標となるSOCに達し、充電が完了することが期待できる。ただし、実際には、諸要因(例えば、SOCの測定誤差、充電器26の公差、または車載バッテリ30の公差など)に起因して、目標充電完了時刻には目標となるSOCから若干ずれる可能性がある。また、例えば測定したSOCに基づいて充電を完了させるような制御を行う場合には、目標充電完了時刻よりも若干前または後に充電が完了することも考えられる。そこで、充電開始後には、実際に測定したSOCなどに基づいて、急速充電の時間を長くするあるいは短くするなど、充電スケジュールから変更する制御を行い、目標充電完了時刻に目標となるSOCに到達させてもよい。
制御部42は、加熱開始時刻にヒータ28による加熱を開始する(S42)。加熱は、ステップS38の演算で設定した電力を供給することで行われる。これにより、目標充電完了時刻には、車載バッテリ30は目標温度に達し、ヒータ28の加熱が完了することが期待できる。ただし、実際には、諸要因(例えば、バッテリ温度センサ32の誤差、外気温センサ36の誤差、ヒータ28による加熱の公差、外気温や風の変化など)に起因して、目標充電完了時刻には目標温度から若干ずれる可能性がある。また、例えばバッテリ温度センサ32の測定温度に基づいてヒータ28への通電を完了させるなどの制御を行う場合には、目標充電完了時刻よりも若干前または後に通電を終了することも考えられる。そこで、ヒータ28への電力供給の開始後には、バッテリ温度センサ32の測定温度に基づいて電力供給を増加または減少させる制御を行い、目標充電完了時刻に目標温度に到達させてもよい。
図3の例では、充電開始時刻の方が、加熱開始時刻よりも早いことを想定している。すなわち、まず、充電が開始され、しばらくした後に、加熱が開始されることを想定している。しかし、充電開始時刻と加熱開始時刻は一致してもよいし、充電開始時刻よりも加熱開始時刻の方が早くなってもよい。
次に、図4及び図5を参照して、低消費電力モードにおける電力供給及び車載バッテリ30の昇温の例について説明する。
図4は、低消費電力モードにおいて、普通充電のみによって充電を行う例を模式的に示す図である。上部のグラフ60は、横軸が時刻、縦軸が充電器26及びヒータ28に供給される電力を示している。また、下部のグラフ70は、横軸がグラフ70と共通する時刻、縦軸が車載バッテリ30の温度を示している。
図4の例では、時刻t0において、図2におけるステップS10〜S18の処理、及び、図3におけるステップS30〜S34,S38の処理が行われていることを想定している。時刻t3は目標充電完了時刻であり、時刻t1は充電開始時刻であり、時刻t2は加熱開始時刻である。
時刻t0〜t1の間は、充電及び加熱が行われない。このため充電器26及びヒータ28に供給される電力はゼロであり、車載バッテリ30の温度はTaで一定である。
充電開始時刻である時刻t1において普通充電が開始される。普通充電は、電力Pnで行われる。その後、時刻t1から時刻t2にかけては、車載バッテリ30の内部抵抗に起因した発熱によって車載バッテリ30が昇温している。そして、時刻t2では車載バッテリ30の温度はTbとなっている。
時刻t2では、ヒータ28の加熱が開始される。ヒータ28に供給される電力はPhである(一般に、PhはPnよりも小さい)。時刻t2以降も普通充電は続けられるため、時刻t2から時刻t3までは、内部抵抗に起因した発熱の効果に、ヒータ28による加熱の効果が加わり、昇温の度合いが高まっている。
時刻t3において、目標温度Tcに到達し、充電及び加熱が停止される。図示を省略したが、時刻t3では、車載バッテリ30のSOCも目標値に到達している。なお、時刻t3以降においては、間欠的にヒータ28への電力供給を行って、車載バッテリ30の温度をTc付近に維持するようにしてもよい。
図5は、低消費電力モードにおいて、急速充電及び普通充電による充電を行う例を模式的に示す図である。図5における上部のグラフ80及び下部のグラフ90は、それぞれ、図4の上部のグラフ60及び下部のグラフ70に対応している。
図5の例では、時刻t4において、図2におけるステップS10〜S18の処理、及び、図3におけるステップS30〜S34,S38の処理が行われていることを想定している。また、時刻t8は目標充電完了時刻であり、時刻t5は充電開始時刻であり、時刻t7は加熱開始時刻である。
この例では、時刻t5から時刻t6にかけて電力Pr(ここでPrはPnよりも十分に大きい)が供給されて急速充電が行われる。急速充電では内部抵抗による発熱も大きくなるため、時刻t5から時刻t6までは、車載バッテリ30の温度がTaからTdに急上昇している。
時刻t6から時刻t8にかけては、電力Pnが供給されて普通充電が行われている。時刻t7以降は、電力Phが追加供給されてヒータ28の加熱も行われている。このため、時刻t6から時刻t7にかけては、車載バッテリ30の昇温の度合いは小さくなる(図4における時刻t1から時刻t2までと同程度である)。また、時刻t7から時刻t8までは、車載バッテリ30の昇温の度合いは、若干大きくなる(図4における時刻t1から時刻t3までと同程度である)。
時刻t8に達した時点で、目標温度はTcとなり、充電及び加熱が停止される。また、時刻t8では、車載バッテリ30のSOCも目標値に到達している。部分的に急速充電を行った結果として、時刻t5から時刻t8までの時間は、図4に示した時刻t2から時刻t3までの時間に比べて短い([t8−t5]<[t3−t1])。
以上の説明においては、充電の準備を開始した時点における車載バッテリ30の温度が、ほぼ外気温と同じであることを想定した。しかし、例えば、電動車両20を走行させた直後に充電の準備を開始する場合には、車載バッテリ30は、放電にともなう昇温のために、外気温よりも温度が高い状態となる。また、車載バッテリ30の温度が外気温と同じであっても、充電の準備を行った後に、外気温が大きく変化することも想定される。このような場合、一旦、図2及び図3に示した充電の準備を行っても、充電を開始する頃には、車載バッテリ30の温度が変わってしまい、計画通りの充電及び加熱を実施できないことも想定される。そこで、充電開始時刻または加熱開始時刻に至るまでの間に、適当な時間間隔(例えば1分毎あるいは5分毎)で、再度、図2及び図3に示した充電の準備を実行することが考えられる。これにより、各時点での車載バッテリ30の温度に適した充電及び加熱を計画することが可能となる。
10 外部電源、10a コネクタ、20 電動車両、22 充電リッド、24 電力線、26 充電器、28 ヒータ、30 車載バッテリ、32 バッテリ温度センサ、34 駆動モータ、36 外気温度センサ、38 ECU、40 昇温量算出部、42 制御部、44 目標充電完了時刻設定部、60、70、80、90 グラフ。
Claims (1)
- 車載バッテリと、
前記車載バッテリの充電を行う充電器と、
前記車載バッテリの加熱を行うヒータと、
外部電源から受電した電力を前記充電器及び前記ヒータに供給する電力線と、
前記充電器に供給する電力及び前記ヒータに供給する電力を制御する制御部と、
前記充電器の充電にともなう前記車載バッテリの予測昇温量を算出する昇温量算出部と、
を備え、
前記制御部は、
目標充電完了時刻に充電を完了させる充電開始時刻を求め、当該充電開始時刻に前記充電器に通電して充電を開始する充電開始制御と、
充電にともなう前記予測昇温量では前記目標充電完了時刻に目標温度に達しない場合に、不足する昇温量に基づいて前記目標充電完了時刻に前記車載バッテリを前記目標温度に到達させる加熱開始時刻を求め、当該加熱開始時刻に前記ヒータに通電して加熱を開始する加熱開始制御と、
を行う、ことを特徴とする車載バッテリ充電システム。
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