JP2021141101A - 蓄電デバイス用電解液およびイオン液体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 100%イオン液体電解液として使用可能であり、レート特性およびサイクル特性に優れた蓄電デバイスを与える蓄電デバイス用電解液を提供する。【解決手段】 式(1)で示される、トリシアノフルオロボレートアニオンおよび4級アンモニウムイオンから構成されるイオン液体を主成分として含む蓄電デバイス用電解液。(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、または−(CH2)n−ORで示されるアルコキシアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは、1または2の整数を表す。ただし、R1〜R4のいずれか1つは前記アルコキシアルキル基であり、R1〜R4のいずれか2つが互いに結合して窒素原子とともに環を形成していてもよい。)【選択図】 なし

Description

本発明は、蓄電デバイス用電解液およびイオン液体に関し、さらに詳述すると、トリシアノフルオロボレートアニオンを有するイオン液体を主成分とする蓄電デバイス用電解液に関する。
非水電解液系電気二重層キャパシタは、大電流で充放電可能という特徴を有しているため、電気自動車、補助電源等のエネルギー貯蔵装置として利用されている。
この非水電解液系電気二重層キャパシタは、活性炭などの炭素質材料を主体とする正、負一対の分極性電極および非水電解液などから構成される。
上記非水電解液は、一般的に、4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等の電解質塩と非水系有機溶媒とから構成される。しかし、非水系有機溶媒に対する電解質塩の溶解性から、その添加量には限界があり、その結果、非水電解液のイオン電導度が低くなるとともに、電気二重層キャパシタの静電容量も低くなるという問題がある。
この点、アルコキシアルキル基を有するオニウムカチオンと、アニオンとで構成されるイオン液体のみからなる電解液も種々検討されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかし、上記各特許文献に開示されたイオン液体は、それ単独で電解液として使用可能であるものの、有機溶媒に比べて粘度が高いため、実際に電気二重層キャパシタ等の蓄電デバイスの電解液として用いる場合、内部抵抗が増大しないよう、有機溶媒で希釈して粘度を下げることが一般的である。
また、100%イオン液体を電解液とする従来の蓄電デバイスは、レート特性やサイクル特性という点でも改良の余地がある。
国際公開第02/076924号 特開2006−236829号公報 特開2018−73585号公報 特開2019−64923号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、100%イオン液体電解液として使用可能であり、サイクル特性やレート特性に優れた蓄電デバイスを与える蓄電デバイス用電解液を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、トリシアノフルオロボレートアニオンを有する4級アンモニウム塩型イオン液体が、100%イオン液体電解液として使用可能であるとともに、その場合でも、サイクル特性およびレート特性に優れる蓄電デバイスを与えることを見出し、本発明を完成した。
なお、上記特許文献3,4の比較例には、下記式(1)に含まれるイオン液体からなる蓄電デバイス用電解液の添加剤が開示されているものの、それ自体を電解液として用いることについては開示されていない。
すなわち、本発明は、
1. 式(1)で示される、トリシアノフルオロボレートアニオンおよび4級アンモニウムイオンから構成されるイオン液体を主成分として含むことを特徴とする蓄電デバイス用電解液、
Figure 2021141101
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、または−(CH2n−ORで示されるアルコキシアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは、1または2の整数を表す。ただし、R1〜R4のいずれか1つは前記アルコキシアルキル基であり、R1〜R4のいずれか2つが互いに結合して窒素原子とともに環を形成していてもよい。)
2. 有機溶媒を含まない1の蓄電デバイス用電解液、
3. 前記イオン液体のみからなる1または2の蓄電デバイス用電解液、
4. 前記イオン液体が、式(2)で示される1〜3のいずれかの蓄電デバイス用電解液、
Figure 2021141101
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
5. 前記イオン液体が、式(2−1)で示される4の蓄電デバイス用電解液、
Figure 2021141101
6. 前記イオン液体が、式(3)で示される1〜3のいずれかの蓄電デバイス用電解液、
Figure 2021141101
(式中、R1〜R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
7. 前記イオン液体が、式(3−1)で示される6の蓄電デバイス用電解液、
Figure 2021141101
8. 電気二重層キャパシタ用である1〜7のいずれかの蓄電デバイス用電解液、
9. 1〜7のいずれかの蓄電デバイス用電解液を含む蓄電デバイス、
10. 8の蓄電デバイス用電解液を含む電気二重層キャパシタ、
11. 下記式(2)で示されるイオン液体、
Figure 2021141101
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは、1または2の整数を表す。)
12. 下記式(2−1)で示されるイオン液体
Figure 2021141101
を提供する。
本発明の蓄電デバイス用電解液に用いるトリシアノフルオロボレートアニオンを有する4級アンモニウム塩型イオン液体は、100%イオン液体電解液として使用可能であり、その場合でもサイクル特性およびレート特性に優れる蓄電デバイスを与える。
合成例1で得られたイオン液体1の1H−NMRスペクトル図である。 合成例1で得られたイオン液体1の19F−NMRスペクトル図である。 合成例1で得られたイオン液体1のDSC測定結果を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおける低温条件(25℃以下)での内部抵抗の関係を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおける高温条件(25℃以上)での内部抵抗の関係を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおけるサイクル数と充電電気量の関係を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおけるサイクル数と放電電気量の関係を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおけるサイクル数と放電電気量変化率の関係を示す図である。 実施例1および比較例1で作製した電気二重層キャパシタにおけるサイクル数と充放電効率の関係を示す図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る蓄電デバイス用電解液は、式(1)で示される、トリシアノフルオロボレートアニオンおよび4級アンモニウムイオンから構成されるイオン液体を主成分として含む。なお、「主成分」とは、電解液中において、50質量%を超える割合で含まれる成分を意味する。また、本発明におけるイオン液体とはトリシアノフルオロボレートアニオンおよび4級アンモニウムイオンから構成される塩の内、融点100℃以下のものをいうが、融点50℃以下のものが好ましく、融点25℃以下のものがより好ましい。
本発明における蓄電デバイスとしては、特に限定されるものではなく、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウム空気電池、プロトンポリマー電池等の各種蓄電デバイスが挙げられる。
Figure 2021141101
式(1)において、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、または−(CH2n−ORで示されるアルコキシアルキル基(nは、1または2の整数を表す。)を表し、Rは、炭素数1〜4、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表すが、R1〜R4のいずれか1つはアルコキシアルキル基である。
炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル基等が挙げられるが、R1〜R4およびRのいずれにおいても、メチル基、エチル基が好ましい。
また、R1〜R4は、いずれか2つが互いに結合して窒素原子とともに環を形成していてもよい。
そのような環構造としては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペラジン環、アゼパン環等が挙げられるが、ピロリジン環、ピペラジン環が好ましく、ピロリジン環がより好ましい。
本発明において、100%イオン液体からなる電解液とした場合に、得られる蓄電デバイスのサイクル特性等を向上させることを考慮すると、特に、式(1)で示されるイオン液体のカチオン成分が、1つのアルコキシアルキル基を有するものが好ましく、式(2)および(3)で示されるイオン液体がより好ましい。
Figure 2021141101
(式中、R1〜R4、R、およびnは、上記と同じ意味を表す。)
上記式(2)で示されるイオン液体を構成するカチオン構造の好適例としては下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021141101
中でも下記(A)のカチオン構造が好ましい。
Figure 2021141101
上記式(3)で示されるイオン液体を構成するカチオン構造の好適例としては下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021141101
中でも下記(B)のカチオン構造が好ましい。
Figure 2021141101
したがって、本発明の電解液を構成するイオン液体としては、下記式(2−1)および(3−1)で示されるイオン液体が好ましく、式(2−1)で示されるイオン液体がより好ましい。
Figure 2021141101
上述した式(1)で示されるイオン液体は、上記特許文献3,4に記載されているような公知の方法で合成できる。
上述したとおり、本発明の蓄電デバイス用電解液は、式(1)で示されるイオン液体を主成分として(50質量%を超える割合で)含むものであるが、式(1)で示されるイオン液体を70質量%超含むものが好ましく、80質量%超含むものがより好ましく、90質量%超含むものがより一層好ましく、100質量%含むものがさらに好ましい。
なお、ここで、式(1)で示されるイオン液体とは、式(1)の構造のもの1種単独でも、式(1)の構造のもの2種類以上の混合物でもよい。
また、式(1)で示されるイオン液体とともに、有機溶媒を用いる場合、従来、電解液用溶媒として用いられている各種溶媒から適宜選択して用いることができ、その具体例としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、メチルジグライム、メチルトリグライム、メチルテトラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチルジグライム、エチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルセルソルブ、ブチルカルビトール等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキサン等の複素環式エーテル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、3−エチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン等のラクトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド類;ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート等のカーボネート類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミダゾリン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類などの有機溶媒が挙げられ、これらは単独で、または2種以上混合して用いることができる。
さらに、本発明の蓄電デバイス用電解液は、必要に応じて常温(25℃)で固体の電解質塩を添加してもよい。
電解質塩は蓄電デバイスの種類に応じて適宜選択されるものであり、その具体例としては、リチウムトリシアノフルオロボレート、リチウムテトラフルオロボレート、リチウムヘキサフルオロフォスフェート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)アミド、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸リチウム、安息香酸リチウム、p−トルエンスルホン酸リチウム、硝酸リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等のリチウム塩;テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラプロピルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルトリエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムパークロレート等の4級アンモニウム塩;リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどが挙げられる。
電解液中における固体電解質塩の濃度は特に限定されるものではなく、通常、0.5〜3mol/L程度であるが、0.8〜2mol/L程度が好ましく、0.9〜1.5mol/L程度がより好ましい。
本発明の蓄電デバイスは、上述した本発明の電解液を備えるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、正極集電体およびその表面に形成された正極活物質層を有する正極と、負極集電体およびその表面に形成された負極活物質層を有する負極と、これら各極間に介在するセパレータとを備える一般的な二次電池や、正極(空気極)層と負極層、および各極間に配置された電解液層を有する空気電池において、本発明の電解液用添加剤を含む電解液を適用したもの、あるいは、一対の分極性電極と、これら電極間に介在するセパレータと、電解液とを備えて構成される電気二重層キャパシタにおいて、本発明の電解液を適用したものなどが挙げられるが、本発明の蓄電デバイス用電解液は、特に、電気二重層キャパシタ用の電解液として好適である。
電気二重層キャパシタを構成する各材料は、従来公知のものから適宜選択して用いればよく、特に限定されるものではないが、その一例を挙げると次のとおりである。
一般的な分極性電極としては、炭素質材料とバインダーポリマーと必要に応じて導電材および溶媒を含む組成物を集電体上に塗布したものが挙げられる。
炭素質材料としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の炭素質材料が挙げられ、例えば、活性炭、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン等が挙げられる。
正極集電体の具体例としては、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔等が挙げられる。
負極集電体の具体例としては、銅箔、銅合金箔、ニッケル箔、ニッケル合金箔、ステンレス箔等が挙げられる。
バインダーポリマーの具体例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔P(VDF−HFP)〕、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン共重合体〔P(VDF−CTFE)〕、ポリビニルアルコール、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
また、上記組成物の調製時には溶媒を用いてもよい。この溶媒は、バインダーポリマーの種類に応じて選定されるものであるが、一般的には、N−メチル−2−ピロリドンや水が用いられる。
分極性電極は、以上で説明した材料を含む組成物を、集電体上に塗布し、必要に応じて加熱下で乾燥して形成することができる。
セパレータの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系セパレータ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系セパレータ、ポリアミド系セパレータ、ポリイミド系セパレータ、セルロース系セパレータ、ガラス繊維系セパレータなどが挙げられる。
本発明の蓄電デバイスは、例えば、一対の電極間に、セパレータを介在させてなるデバイス構造体を積層、折畳、または捲回し、必要に応じてコイン型等に形成し、これを電池缶またはラミネートパック等の電池容器に収容した後、本発明の蓄電デバイス用電解液を充填し、電池缶であれば封缶して、一方、ラミネートパックであればヒートシール(熱溶着)して得ることができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、1H−NMRおよび19F−NMRスペクトルは、日本電子(株)製 JNM−ECZ400Sにより測定した。
[1]イオン液体の合成
[合成例1]イオン液体1の合成
Figure 2021141101
カリウムトリシアノフルオロボレート10.00質量部に、イオン交換水10.00質量部を加えて溶かした後、N−2−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムクロライド11.12質量部をイオン交換水10.00質量部に溶解した溶液を加え、室温で1晩撹拌した。翌日、2層分離した上層(有機層)に、クロロホルムを少量加えて分液した。上層をイオン交換水で3回洗浄後、エバポレータで濃縮し、最後に80℃で真空ポンプを用いて溶媒、水分を除去し、目的物であるイオン液体1を15.07質量部(収率97%)得た。イオン液体1は、室温で無色透明の液体(融点7℃)であった。イオン液体1のNMR(溶媒重ジメチルスルホキシド)の測定結果を図1(1H−NMR)および図2(19F−NMR)に、DSC測定結果を図3に示す。
なお、カリウムトリシアノフルオロボレートは、文献(Inorg. Chem. 2015, 54, 7, 3403-3412)記載の方法に準拠して合成し、N−2−メトキシエチル−N−メチルピロリジニウムクロライドは、特開2016−119801号公報記載の方法で合成した。
[2]蓄電デバイスの作製
[実施例1]電気二重層キャパシタ
(1)正の電極構造体の作製
活性炭YP50((株)クラレ製)と、導電助剤(HS−100、電気化学工業(株)製)と、バインダーであるPVDF(アルドリッチ社製、重量平均分子量Mw:534,000)とを85:8:7の質量組成になるように、塗工溶媒であるNMP中で混合し、正の分極性電極用塗工液を調製した。
得られた塗工液を、正の集電体であるエッチドアルミ箔(20C054、日本蓄電器工業(株)製)に塗工した後、ロールプレスで圧延し、さらにNMPを乾燥除去して正の分極性電極を形成し、正の分極性電極構造体を得た。
(2)負の電極構造体の作製
活性炭YP50((株)クラレ製)と、導電助剤(HS−100、電気化学工業(株)製)と、バインダーであるPVDF(アルドリッチ社製、重量平均分子量Mw:534,000)とを85:7:8の質量組成になるように、塗工溶媒であるNMP中で混合し、負の分極性電極用塗工液を調製した。
得られた塗工液を、負の集電体であるエッチドアルミ箔(20C054、日本蓄電器工業(株)製)に塗工した後、ロールプレスで圧延し、さらにNMPを乾燥除去して負の分極性電極を形成し、負の分極性電極構造体を得た。
(3)電気二重層キャパシタの作製
上記で得られた正の分極性電極構造体と、負の分極性電極構造体とのそれぞれに、アルミ製の電極取り出し端子をスポット溶着し、セパレータ(TF40−50、ニッポン高度紙工業(株)製)を介してセルを組み立て、アルミラミネート(大日本印刷(株)製)からなる外装容器に挿入した。この中に、合成例1で得られたイオン液体1のみからなる電解液を所定量注入した後、25℃、10kPa以下の減圧下で電解液を含浸させた後、熱溶着にて封止し、電気二重層キャパシタセルを得た。
[比較例1]電気二重層キャパシタ
イオン液体1のみからなる電解液の代わりに、下記イオン液体2のみからなる電解液を用いた以外は、実施例1と同様の方法で電気二重層キャパシタセルを作製した。
なお、イオン液体2は、特開2007−161733号公報の合成例3に従って合成した。
Figure 2021141101
実施例1および比較例1で得られた電気二重層キャパシタセルについて、エージング処理を実施した後、以下の評価を行った。エージング処理には充放電装置(北斗電工(株)製、HJD0505SM8A)を用い、25℃に管理された室内にて、電流レート0.5Cにて2.8Vまで定電流充電を行った後、2.8Vにて定電圧充電を12時間行い、続いて電流レート0.5Cにて0Vまで定電流放電を行い、エージング処理を完了とした。
[1]交流インピーダンスの温度特性評価
実施例1および比較例1で得られた電気二重層キャパシタセルについて、−35℃から70℃環境下における交流インピーダンスを測定した。環境温度調整には小型環境試験器(エスペック(株)製、SU−241)を用い、各温度環境下にて3時間以上さらした後、直流安定化電源((株)テクシオテクノロジー製、PA10−5B)を用い、2.7Vにて定電圧充電を1時間以上行い、その後、交流インピーダンスを、高性能電気化学システム(バイオロジック製、VMP−300)を用いて測定した。測定周波数は1MHzから0.1Hz、測定信号電圧10mVにて測定を実施した。低温測定結果を図4に高温測定結果を図5に示す。
なお、低温測定においてイオン液体2は、−25℃以下で凍結したと思われ、データが得られなかったため図4にイオン液体2の−25℃と−35℃のデータは記載していない。
[2]充放電サイクル特性評価
実施例1および比較例1で得られた電気二重層キャパシタセルについて、25℃に制御された室内にて充放電サイクルを実施した。充放電サイクル試験は、電流レート30Cで2.7Vまで定電流充電を行い、続いて、電流レート30Cで2.7Vから0Vまで定電流放電するサイクルを7000回繰り返した。サイクル試験で得られた充電電気量、放電電気量、放電電気量変化率、充放電効率の結果を図6〜9に示す。
図4〜9に示されるように、イオン液体1からなる電解液を用いた実施例1のキャパシタの方が、比較例のキャパシタよりもサイクル特性に優れ、かつ、低温および高温時のいずれの内部抵抗も低いことがわかる。

Claims (12)

  1. 式(1)で示される、トリシアノフルオロボレートアニオンおよび4級アンモニウムイオンから構成されるイオン液体を主成分として含むことを特徴とする蓄電デバイス用電解液。
    Figure 2021141101
    (式中、R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、または−(CH2n−ORで示されるアルコキシアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは、1または2の整数を表す。ただし、R1〜R4のいずれか1つは前記アルコキシアルキル基であり、R1〜R4のいずれか2つが互いに結合して窒素原子とともに環を形成していてもよい。)
  2. 有機溶媒を含まない請求項1記載の蓄電デバイス用電解液。
  3. 前記イオン液体のみからなる請求項1または2記載の蓄電デバイス用電解液。
  4. 前記イオン液体が、式(2)で示される請求項1〜3のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
    Figure 2021141101
    (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
  5. 前記イオン液体が、式(2−1)で示される請求項4記載の蓄電デバイス用電解液。
    Figure 2021141101
  6. 前記イオン液体が、式(3)で示される請求項1〜3のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
    Figure 2021141101
    (式中、R1〜R3は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
  7. 前記イオン液体が、式(3−1)で示される請求項6記載の蓄電デバイス用電解液。
    Figure 2021141101
  8. 電気二重層キャパシタ用である請求項1〜7のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項記載の蓄電デバイス用電解液を含む蓄電デバイス。
  10. 請求項8記載の蓄電デバイス用電解液を含む電気二重層キャパシタ。
  11. 下記式(2)で示されるイオン液体。
    Figure 2021141101
    (式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは、1または2の整数を表す。)
  12. 下記式(2−1)で示されるイオン液体。
    Figure 2021141101
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