JP2021140034A - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

【課題】黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制した、コントラストが向上した液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供する。【解決手段】所定の構造式(1)で表される繰り返し単位(a1)と、所定の構造式(2)で表される繰り返し単位(a2)とを有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である重合体(A)を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子に関する。
従来から液晶表示装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、テレビジョン受像機等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示装置は、例えば、素子基板とカラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界を印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子の配向性を制御する配向膜、画素電極に供給される電気信号をスイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。液晶分子の駆動方式としては、TN方式、VA方式等の縦電界方式や、IPS方式、FFS(フリンジフィールドスイッチング)方式等の横電界方式が知られている。
現在、工業的に最も普及している液晶配向膜は、電極基板上に形成された、ポリアミック酸及び/又はこれをイミド化したポリイミドからなる膜の表面を、綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一方向に擦る、いわゆるラビング処理を行うことで作製されている。ラビング処理は、簡便で生産性に優れた工業的に有用な方法である。しかし、液晶表示素子の高性能化、高精細化、大型化に伴い、ラビング処理で発生する配向膜の表面の傷、発塵、機械的な力や静電気による影響、更には、配向処理面内の不均一性等の種々の問題が明らかとなっている。ラビング処理に代わる配向処理方法としては、偏光された放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。光配向法は、光異性化反応を利用したもの、光架橋反応を利用したもの、光分解反応を利用したもの等が提案されている(非特許文献1、特許文献1参照)。
液晶表示素子の構成部材である液晶配向膜は、液晶を均一に配列させるための膜であるが、液晶配向の安定性も重要となる。配向の安定性が小さいと、液晶を長時間駆動させた際に液晶が初期の状態に戻らなくなり、コントラストの低下や焼き付き(以下、AC残像と称する。)の原因となる。上記の課題を解決する手法として、特許文献2には特定の液晶配向剤が開示されている。
特開平9−297313号公報 国際公開第2015/050135号パンフレット
「液晶光配向膜」木戸脇、市村 機能材料 1997年11月号 Vol.17、 No.11 13〜22ページ
しかしながら、実際の液晶表示素子では、製造上のバラツキなどによって液晶表示素子面内でツイスト角度がわずかにばらついてしまう。すると、このような面内バラツキに起因して、液晶表示素子では黒表示時の明るさが面内でばらついてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制した、コントラストが向上した液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者は、鋭意研究を進めたところ、特定の成分を含有する液晶配向剤を使用することにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には下記を要旨とするものである。
かかる本発明の液晶配向剤は、下記式(1)で表される繰り返し単位(a1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(a2)とを有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有することを特徴とする。
Figure 2021140034
(式中、RからRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基、又はフェニル基を表し、RからRの少なくとも一つは上記定義中の水素原子以外の基を表す。R、Zはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは下記式(T)で表される2価の有機基を表す。)
Figure 2021140034
(Qは、三重結合を有する炭素数2〜18の有機基を表す。*は結合手を表す。)
Figure 2021140034
(式中、RからR、R、Zは、前記式(1)と同義である。Yは下記式(O)で表される2価の有機基を表す。)
Figure 2021140034
(Arは、ベンゼン環、ビフェニル、又はナフタレン環を表し、Arの少なくとも一つはナフタレン環を表す。2つのArは同一でも異なってもよく、環状の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。Qは−(CH−(nは2〜18の整数である。)、又は前記−(CH−の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−又は−O−C(=O)−のいずれかで置き換えた基を表す。*は結合手を表す。)
本発明の液晶配向剤は、上記式(1)で表される繰り返し単位(a1)と、上記式(2)で表される繰り返し単位(a2)とを有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有することにより、黒表示の際の面内での明るさのバラツキが抑制され、コントラストが向上した液晶表示素子を得ることができるという効果を奏する。
本発明の液晶配向剤について説明する。
<重合体(A)>
本発明の液晶配向剤は、下記式(1)で表される繰り返し単位(a1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(a2)とを有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有する。
<繰り返し単位(a1)>
本発明の繰り返し単位(a1)は、下記式(1)で表される繰り返し単位である。
Figure 2021140034
式(1)中、RからRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基、又はフェニル基を表し、RからRの少なくとも一つは上記定義中の水素原子以外の基を表す。R、Zはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは下記式(T)で表される2価の有機基を表す。
Figure 2021140034
ここで、Qは、三重結合を有する炭素数2〜18の有機基を表す。*は結合手を表す。
前記Qで表される2価の有機基としては、−C≡C−、−(CH−(nは2〜18の整数である。)の−CH−の一部を−C≡C−で置き換えた基(t1)、又は基(t1)の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−又はフェニレン基のいずれかで置き換えた基を表す。
ここで、式(T)で表される2価の有機基は、例えば、下記式(t−1)〜(t−3)で表される2価の有機基であるが、これに限定されるものではない。
Figure 2021140034
<繰り返し単位(a2)>
本発明の繰り返し単位(a2)は、下記式(2)で表される繰り返し単位である。
Figure 2021140034
式(2)中、RからR、R、Zは、前記式(1)と同義である。Yは下記式(O)で表される2価の有機基を表す。
Figure 2021140034
ここで、Arは、ベンゼン環、ビフェニル、又はナフタレン環を表し、Arの少なくとも一つはナフタレン環を表す。2つのArは同一でも異なってもよく、環状の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。Qは−(CH−(nは2〜18の整数である。)、又は前記−(CH−の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−又は−O−C(=O)−のいずれかで置き換えた基を表す。*は結合手を表す。
ここで、式(O)で表される2価の有機基は、例えば、下記式(o−1)〜(o−6)で表される2価の有機基を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2021140034
<繰り返し単位(a3)>
前記重合体(A)は、繰り返し単位(a1)及び(a2)の他、下記式(3)で表される繰り返し単位(a3)を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
Figure 2021140034
ここで、式(3)中、Xは4価の有機基を表し、Yは下記式(3d)で表される2価の有機基を表す。R、Zは、前記式(1)と同義である。
Figure 2021140034
ここで、Arは、ベンゼン環又はビフェニルを表し、2つのArは同一でも異なってもよく、環状の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。Qは−(CH−(nは2〜18の整数である。)、又は前記−(CH−の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−又は−O−C(=O)−のいずれかで置き換えた基を表す。*は結合手を表す。
ここで、式(3d)で表される2価の有機基は、例えば、下記式(3d−1)〜(3d−8)で表される2価の有機基を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2021140034
前記重合体(A)は、繰り返し単位(a1)及び(a2)の他、下記式(4)で表される繰り返し単位(a4)を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
Figure 2021140034
式(4)中、R、Zは、前記式(1)と同義である。Xは4価の有機基を表し、Yは基「−N(D)−(Dはカルバメート系保護基を表す。)」を分子内に有する炭素数6〜30の2価の有機基を表す。
における基「−N(D)−(Dはカルバメート系保護基を表す。)」を分子内に有する炭素数6〜30の2価の有機基の具体例としては、下記式(4−1)で表される部分構造を有する2価の有機基、又は下記式(4−2)で表される2価の有機基が挙げられる。
Figure 2021140034
式中、Qは単結合、−(CH−(nは1〜20の整数である)、又は−(CH−の任意の−CH−が−O−、−COO−、−OCO−、−NQ−、−NQCO−、−CONQ−、−NQCONQ10−、−NQCOO−又は−OCOO−で置き換えられた基であり、Q及びQ10はそれぞれ独立して水素原子又は1価の有機基を表し;
、Qはそれぞれ独立して−H、−NHD、−N(D)、−NHDを有する基、又は−N(D)を有する基を表す。Qは−NHD、−N(D)、−NHDを有する基、又は−N(D)を有する基を表す。Dはカルバメート系保護基を表し、カルバメート系保護基としては、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基が挙げられる。但し、Q、Q及びQの少なくとも一つは基中にカルバメート系保護基を有する。*は結合手を表す。Q及びQ10における1価の有機基の具体例としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6のアルキル基、前記カルバメート系保護基、炭素数1〜6のアルコキシアルキル基が挙げられる。
ここで、Yは、例えば、下記式(Y4−1)〜(Y4−4)で表される構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
Figure 2021140034
(Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。*は結合手を表す。)
前記重合体(A)は、繰り返し単位(a1)及び(a2)の他、下記式(5)で表される繰り返し単位(a5)を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
Figure 2021140034
式(5)中、R、Zは、前記式(1)と同義である。Xは4価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表す。但し、Yは前記式(3d)で表される2価の有機基、又は基「−N(D)−(Dはカルバメート系保護基を表す。)」を分子内に有する炭素数6〜30の2価の有機基以外の構造を表し、Xが下記式(g)で表される4価の有機基と同義である場合は、Yは前記式(T)で表される2価の有機基又は前記式(O)で表される2価の有機基以外の構造を表す。
Figure 2021140034
(R、R、R、Rは、上記式(1)のR、R、R、Rと同義である。)
式(5)において、Yの具体例としては、p−フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェニル、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、等の芳香族ジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基の他、後述するYで例示する2価の有機基が挙げられる。
式(3)、式(4)及び式(5)において、X、X及びXの4価の有機基の構造は特に限定されず、それぞれ独立して任意の構造を選択できる。好ましい具体例としては、下記式(X1−1)〜(X1−44)が挙げられる。
Figure 2021140034
Figure 2021140034
Figure 2021140034
Figure 2021140034
Figure 2021140034
Figure 2021140034
式(X1−1)〜(X1−4)において、R〜R23は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基、又はフェニル基である。液晶配向性の点から、R〜R23は、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はエチル基が好ましく、水素原子、又はメチル基がより好ましい。
式(X1−1)の具体例としては、下記式(X1−1−1)〜(X1−1−6)が挙げられる。液晶配向性及び光反応の感度の点から、(X1−1−1)〜(X1−1−2)がより好ましく、(X1−1−2)が特に好ましい。
Figure 2021140034
本発明の効果を得る観点から、重合体(A)は、繰り返し単位(a1)を全繰り返し単位の1〜40モル%含むことが好ましく、1〜35モル%含むことがより好ましく、1〜30モル%含むことがさらに好ましい。
本発明の効果を得る観点から、重合体(A)は、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)の合計が全繰り返し単位の5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。
本発明の効果を得る観点から、重合体(A)は、繰り返し単位(a3)を全繰り返し単位の1〜95モル%含むことが好ましく、1〜90モル%含むことがより好ましく、5〜90モル%含むことがさらに好ましい。この場合において、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)の合計の上限は、99モル%以下であることが好ましく、より好ましくは95モル%以下である。
本発明の効果を得る観点から、重合体(A)は繰り返し単位(a4)を、全繰り返し単位の1〜40モル%含むことが好ましく、1〜30モル%含むことがより好ましく、1〜25モル%含むことがさらに好ましい。
<重合体(B)>
本発明の液晶配向剤は、残留DC由来の残像を少なくする観点から、下記式(7)で表される繰り返し単位を有する重合体(B)を含有してもよい。
Figure 2021140034
(Xは4価の有機基であり、Yは、2価の有機基である。Z71、Z72は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキニル基、tert−ブトキシカルボニル基、又は9−フルオレニルメトキシカルボニル基を表す。Rは水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
前記式Xにおける4価の有機基としては、脂肪族テトカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基、脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基等が挙げられる。脂肪族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基、脂環式テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基の具体例としては、下記式(x−1)〜(x−13)から選ばれる構造が挙げられる。
Figure 2021140034
(上記式(x−1)〜(x−13)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を有する炭素数1〜6の1価の有機基又はフェニル基を表す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。*は結合手を表す。)
上記式(x−1)は、なかでも、下記式(x1−1)〜(x1−6)からなる群から選ばれるものが好ましい。
Figure 2021140034
上記式(x1−1)〜(x1−6)において、*1は一方の酸無水物基に結合する結合手を表し、また、*2は他方の酸無水物基に結合する結合手を表す。
芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合するカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物のことである。具体例を挙げると、下記式(X3−1)〜(X3−2)のいずれかで表される4価の有機基、下記式(Xr−1)〜(Xr−7)で表される4価の有機基を挙げることができる。
Figure 2021140034
(x及びyは、それぞれ独立に、単結合、エーテル、カルボニル、エステル、炭素数1〜5のアルカンジイル基、1,4−フェニレン、スルホニル又はアミド基である。j及びkは、0又は1の整数である。*は結合手を表す。)
Figure 2021140034
前記式(X3−1)若しくは(X3−2)で表される4価の有機基は、下記式(X3−3)〜(X3−19)のいずれかで表される構造でもよい。
Figure 2021140034
Figure 2021140034
前記式Yにおける2価の有機基としては、窒素含有複素環、第二級アミノ基及び第三級アミノ基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の窒素含有構造(以下、窒素含有構造ともいう。)を有するジアミン、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、下記式(3b−1)〜式(3b−4)で示されるジアミン化合物などのカルボキシル基を有するジアミン、4−(2−(メチルアミノ)エチル)アニリン、4−(2−アミノエチル)アニリン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチル−1H−インダン−5−アミン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−6−アミン、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア等のウレア結合を有するジアミン、メタクリル酸2−(2,4−ジアミノフェノキシ)エチル、2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン等の光重合性基を末端に有するジアミン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン等のステロイド骨格を有するジアミン、下記式(V−1)〜(V−6)で表されるジアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等のシロキサン結合を有するジアミン、下記式(Ox−1)〜(Ox−2)等のオキサゾリン構造を有するジアミン等のジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基、国際公開第2018/117239号に記載の式(Y−1)〜(Y−167)のいずれかで表される基等が挙げられる。
Figure 2021140034
(Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−又はN(CH)CO−を示し、m1及びm2はそれぞれ独立して、0〜4の整数を示し、かつm1+m2は1〜4の整数を示す。式(3b−2)中、m及びmはそれぞれ独立して、1〜5の整数を示す。式(3b−3)中、Aは炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基を示し、m5は1〜5の整数を示す。式(3b−4)中、A及びAはそれぞれ独立して、単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−又はN(CH)CO−を示し、m6は1〜4の整数を示す。)
Figure 2021140034
(Xv1〜Xv4、Xp1〜Xp2は、それぞれ独立に、−(CH−(aは1〜15の整数である。−CONH−、−NHCO−、−CON(CH)−、−NH−、−O−、−CHO−、−CHOCO−、−COO−、又は−OCO−を表し、Xv5は−O−、−CHO−、−CHOCO−、−COO−、又は−OCO−を表す。Xaは、単結合、−O−、−NH−、−O−(CH−O−(mは1〜6の整数を表す。)を表し、Rv1〜Rv4、R1a〜R1bは、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基又は炭素数2〜20のアルコキシアルキル基を表す。)
Figure 2021140034
上記窒素含有複素環としては、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、インドール、ベンゾイミダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、キノキサリン、フタラジン、トリアジン、カルバゾール、アクリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン等が挙げられる。なかでも、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、キノリン、カルバゾール又はアクリジンが好ましい。
窒素含有構造を有するジアミンが有していてもよい第二級アミノ基及び第三級アミノ基は、例えば、下記式(n)で表される。
Figure 2021140034
上記式(n)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。「*」は、炭化水素基に結合する結合手を表す。
上記式Rの1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、メチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。Rは、好ましくは水素原子又はメチル基である。
窒素含有構造を有するジアミンの具体例としては、例えば、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)−メチルアミン、下記式(z−1)〜式(z−18)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021140034
Figure 2021140034
残留DC由来の残像が少ない観点において、重合体(B)はYが窒素含有構造を有するジアミン、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、前記式(3b−1)〜式(3b−4)で示されるジアミン化合物などのカルボキシル基を有するジアミン又は前記ウレア結合を有するジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基、からなる群から選ばれる2価の有機基(これらを総称して特定の2価の有機基ともいう。)である繰り返し単位を含む重合体であることが好ましい。
重合体(B)は、残留DC由来の残像が少ない観点において、Yが前記特定の2価の有機基である繰り返し単位を重合体(B)に含まれる全繰り返し単位の1モル%以上含んでもよく、5モル%以上含んでもよい。
残留DC由来の残像が少ない観点において、重合体(A)と重合体(B)の含有割合が、[重合体(A)]/[重合体(B)]の質量比で10/90〜90/10であってもよく、20/80〜90/10であってもよく、20/80〜80/20であってもよい。
<ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの製造方法>
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸エステル、ポリアミック酸及びポリイミドは、例えば、国際公開第2013/157586号に記載されるような公知の方法で合成出来る。
<重合体の溶液粘度・分子量>
本発明に用いられるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、これを濃度10〜15重量%の溶液としたときに、例えば10〜1000mPa・sの溶液粘度を持つものが作業性の観点から好ましいが、特に限定されない。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10〜15質量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
上記ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜300,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良好な配向性及び安定性を確保することができる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び必要に応じて重合体(B)を含有する。本発明の液晶配向剤は、重合体(A)、重合体(B)に加えて、その他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという観点から、塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤においても前記した重合体成分と、有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができる。均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から、1質量%以上が好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10質量%以下が好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2〜8質量%である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(これらを総称して「良溶媒」ともいう)などを挙げられる。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド又はγ−ブチロラクトンが好ましい。良溶媒の含有量は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20〜99質量%であることが好ましく、20〜90質量%がより好ましく、特に好ましいのは、30〜80質量%である。
また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう。)を併用した混合溶媒の使用が好ましい。併用する有機溶媒の具体例を下記するが、これらに限定されない。
例えば、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソブチルカルビノール(2,6−ジメチル−4−ヘプタノール)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(2−ブトキシエトキシ)−2−プロパノール、2−(2−ブトキシエトキシ)−1−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸n−ブチル、乳酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジイソブチルケトン(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)などを挙げることができる。
なかでも、ジイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、又はジイソブチルケトンが好ましい。
良溶媒と貧溶媒との好ましい溶媒の組み合わせとしては、N−メチル−2−ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N−エチル−2−ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンと4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンとジエチレングリコールジエチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソプロピルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、N−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンとジプロピレングリコールジメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジプロピレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができる。貧溶媒の含有量は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%が特に好ましい。貧溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び有機溶媒以外の成分(以下、添加剤成分ともいう。)を追加的に含有してもよい。このような添加剤成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための化合物(以下、架橋性化合物ともいう。)、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質などが挙げられる。
前記架橋性化合物として、AC残像に対して良好な耐性を発現し、膜強度の改善が高い観点から、オキシラニル基、オキセタニル基、保護イソシアネート基、保護イソチオシアネート基、オキサゾリン環構造を含む基、メルドラム酸構造を含む基、シクロカーボネート基下記及び式(d)で表される基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物、又は下記式(e)で表される化合物から選ばれる化合物(以下、これらを総称して化合物(C)ともいう。)であってもよい。
Figure 2021140034
(Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は「*−CH−OH」であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は「*−CH−OH」である。*は結合手であることを示す。Aは芳香環を有する(m+n)価の有機基を表す。mは1〜6の整数を表し、nは0〜4の整数を表す。)
オキシラニル基を有する化合物の具体例としては、特開平10−338880号公報の段落[0037]に記載の化合物や、国際公開第2017/170483号に記載のトリアジン環を骨格にもつ化合物などの、2個以上のオキシラニル基を有する化合物が挙げられる。これらのうち、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、下記式(r−1)〜(r−3)で表される化合物などの窒素原子を含有する化合物であってもよい。
Figure 2021140034
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、国際公開第2011/132751号の段落[0170]〜[0175]に記載の2個以上のオキセタニル基を有する化合物等が挙げられる。
保護イソシアネート基を有する化合物の具体例としては、日本特開2014−224978号公報の段落[0046]〜[0047]に記載の2個以上の保護イソシアネート基を有する化合物、国際公開第2015/141598号の段落[0119]〜[0120]に記載の3個以上の保護イソシアネート基を有する化合物等が挙げられ、下記式(bi−1)〜(bi−3)で表される化合物であってもよい。
Figure 2021140034
保護イソチオシアネート基を有する化合物の具体例としては、日本特開2016−200798号公報に記載の、2個以上の保護イソチオシアネート基を有する化合物が挙げられる。
オキサゾリン環構造を含む基を有する化合物の具体例としては、日本特開2007−286597号公報の段落[0115]に記載の、2個以上のオキサゾリン構造を含む化合物が挙げられる。
メルドラム酸構造を含む基を有する化合物の具体例としては、国際公開第2012/091088号に記載の、メルドラム酸構造を2個以上有する化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する化合物の具体例としては、国際公開第2011/155577号に記載の化合物が挙げられる。
前記式(d)で表される基のR、R、Rの炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
前記式(d)で表される基を有する化合物の具体例としては、国際公開第2015/072554号や、日本特開2016−118753号公報の段落[0058]に記載の、前記式(d)で表される基を2個以上有する化合物、日本特開2016−200798号公報に記載の化合物等が挙げられ、下記式(hd−1)〜(hd−8)で表される化合物であってもよい。
Figure 2021140034
前記式(e)のAにおける芳香環を有する(m+n)価の有機基としては、炭素数5〜30の(m+n)価の芳香族炭化水素基、炭素数5〜30の芳香族炭化水素基が直接又は連結基を介して結合した(m+n)価の有機基、芳香族複素環を有する(m+n)価の基が挙げられる。前記芳香族炭化水素としては、例えばベンゼン、ナフタレンなどが挙げられる。芳香族複素環としては、例えばピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラジン環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、キノキサリン環、アクリジン環などが挙げられる。前記連結基としては、炭素数1〜10のアルキレン基、又は前記アルキレン基から水素原子を一つ除いた基、2価又は3価のシクロヘキサン環等が挙げられる。尚、前記アルキレン基の任意の水素原子は、フッ素原子又はトリフルオロメチル基などの有機基で置換されてもよい。具体例を挙げるならば、国際公開第2010/074269号に記載の化合物、下記式(e−1)〜(e−10)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021140034
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、国際公開第2015/060357号の53頁[0105]〜55頁[0116]に開示されている上記以外の成分などが挙げられる。また、架橋性化合物は、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向剤における、架橋性化合物の含有量は、液晶配向剤に含まれる重合体成分100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し、かつAC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、より好ましくは1〜15質量部である。
前記密着助剤としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤を使用する場合は、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、液晶配向剤に含まれる重合体成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜20質量部である。
<液晶配向膜の製造方法>
本発明の液晶配向剤を用いた液晶配向膜の製造方法は、上記の液晶配向剤を基板上に塗布する工程(工程(1))、塗布した液晶配向剤を焼成する工程(工程(2))、工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程(工程(3))、工程(3)で得られた膜を、100℃以上、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程(工程(4))を順次行うことを特徴とする。
<工程(1)>
本発明に用いられる液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷又はインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法又はスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、基板上に塗布した液晶配向剤を焼成し、膜を形成する工程である。液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させたり、重合体中のアミック酸又はアミック酸エステルの熱イミド化を行ったりすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができ、複数回行ってもよい。液晶配向剤の有機溶媒を除去する温度としては、例えば40〜150℃で行うことができる。プロセスを短縮する観点で、40〜120℃で行ってもよい。焼成時間としては特に限定されないが、1〜10分又は、1〜5分が挙げられる。重合体中のアミック酸又はアミック酸エステルの熱イミド化を行う場合には、上記有機溶媒を除去する工程の後、例えば190〜250℃、又は200〜240℃の温度範囲で焼成する工程ができる。焼成時間としては特に限定されないが、5〜40分、又は、5〜30分の焼成時間が挙げられる。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程である。紫外線の波長としては、200〜400nmが好ましく、なかでも、好ましくは200〜300nmの波長を有する紫外線がより好ましい。液晶配向性を改善するために、液晶配向膜が塗膜された基板を50〜250℃で加熱しながら、紫外線を照射してもよい。また、前記放射線の照射量は、1〜10,000mJ/cmが好ましく、100〜5,000mJ/cmがより好ましい。このようにして作製した液晶配向膜は、液晶分子を一定の方向に安定して配向させることができる。
偏光された紫外線の消光比が高いほど、より高い異方性が付与できるため、好ましい。具体的には、直線に偏光された紫外線の消光比は、10:1以上が好ましく、20:1以上がより好ましい。
<工程(4)>
工程(4)は、工程(3)で得られた膜を、100℃以上で、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程である。焼成温度は、100℃以上で、且つ、工程(2)での焼成温度よりも高ければ、特に限定されないが、150〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましく、200〜250℃が更に好ましい。焼成時間は、5〜120分が好ましく、より好ましくは5〜60分、更に好ましくは、5〜30分である。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5〜300nmが好ましく、10〜200nmがより好ましい。
更に、前記工程(3)又は(4)のいずれかの工程を行った後、得られた液晶配向膜を、水や溶媒を用いて、接触処理をすることもできる。
上記接触処理に使用する溶媒としては、紫外線の照射によって液晶配向膜から生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル又は酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルが好ましい。より好ましいのは、水、1−メトキシ−2−プロパノール又は乳酸エチルである。溶媒は、1種類でも、2種類以上組み合わせてもよい。
上記の接触処理、すなわち、偏光された紫外線を照射した液晶配向膜に水や溶媒の処理としては、浸漬処理や噴霧処理(スプレー処理ともいう)が挙げられる。これらの処理における処理時間は、紫外線によって液晶配向膜から生成した分解物を効率的に溶解させる点から、10秒〜1時間が好ましい。なかでも、1〜30分間浸漬処理をすることが好ましい。また、前記接触処理時の溶媒は、常温でも加温しても良いが、好ましくは、10〜80℃であり、20〜50℃がより好ましい。加えて、分解物の溶解性の点から、必要に応じて、超音波処理などを行っても良い。
前記接触処理の後に、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン又はメチルエチルケトンなどの低沸点溶媒によるすすぎ(リンスともいう)や液晶配向膜の焼成を行うことが好ましい。その際、リンスと焼成のどちらか一方を行っても、又は、両方を行っても良い。焼成の温度は、150〜300℃であることが好ましい。なかでも、180〜250℃が好ましい。より好ましいのは、200〜230℃である。また、焼成の時間は、10秒〜30分が好ましい。なかでも、1〜10分が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して得られる。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾル−ゲル法によって形成されたSiO−TiOの膜とすることができる。
次に、各基板の上に液晶配向膜を形成し、一方の基板に他方の基板を互いの液晶配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておき、また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。次いで、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入し、その後、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。液晶材料は、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付ける。
本発明の製造方法を用いることで、IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する長期交流駆動による残像が抑制出来る。また、工程(2)において、40〜150℃の温度範囲で有機溶媒を除去した後、工程(3)を実施することで、従来よりも少ない工程数で液晶配向膜を得ることができる。本発明の液晶配向剤は、工程(2)において、40〜150℃の温度範囲で有機溶媒を除去した後、工程(3)を実施する工程を含む液晶配向膜の製造方法において特に好ましく用いることができる。
(溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、
GBL:γ―ブチロラクトン、
BCS:ブチルセロソルブ、
(ジアミン)
DA−1〜DA−5:それぞれ、下記式(DA−1)〜式(DA−5)で表される化合物、
DA−t−1:下記式(DA−t−1)で表される化合物、
(テトラカルボン酸二無水物)
CA−1〜CA−2:それぞれ、下記式(CA−1)〜式(CA−2)で表される化合物、
(添加剤)
C−1:下記式(C−1)で表される化合物、
S−1:下記式(S−1)で表される化合物、
F−1:下記式(F−1)で表される化合物
Figure 2021140034
(Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。)
Figure 2021140034
Figure 2021140034
(Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。Fmocは、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を表す。)
<イミド化率の測定>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53mL)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
[重合体の合成例]
<合成例1>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの500mL四つ口フラスコに、DA−t−1を4.16g(20.0mmol)、DA−1を11.00g(45.0mmol)、DA−3を3.55g(15.0mmol)及びDA−2を5.90g(20.0mmol)を取り、NMPを濃度が12質量%となるように加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA−1を21.0g(93.7mmol)添加し、NMPを濃度が12質量%となるように加えて、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸(PAA−1)の溶液を得た。
<合成例2、比較合成例1〜2>
合成例2、比較合成例1〜2も、下記の表1のとおり、合成例1と同様の手法で実施した。尚、表1で括弧内の数値は、テトラカルボン酸成分については、合成に使用したテトラカルボン酸誘導体の合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表し、ジアミン成分については、合成に使用したジアミンの合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表す。有機溶媒については、合成に使用した有機溶媒の合計量100質量部に対する各有機溶媒の配合割合(質量部)を表す。
Figure 2021140034
<合成例3>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの200mL四つ口フラスコに得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を100g取り、NMPを33.3g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を7.82g、ピリジンを2.02g加えて、50℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を600mLのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、同様の操作を2回実施することで樹脂粉末を洗浄した後、60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを100mL三角フラスコに取り、固形分濃度が12質量%になるようにNMPを加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド溶液(SPI−1)を得た。
<比較合成例3,4>
ポリアミック酸溶液(PAA−1)の代わりに、下記表2のポリアミック酸溶液を使用したこと以外は、合成例3と同様に実施することにより、ポリイミド溶液(R−SPI−1)、(R−SPI−2)を得た。表2中、括弧内の数値は、有機溶媒については、ポリイミド溶液中の有機溶媒の合計量100質量部に対する各有機溶媒の配合割合(質量部)を表す。
Figure 2021140034
[液晶配向剤の調製]
<実施例1>
撹拌子を入れたサンプル管に、合成例3で得られたポリイミド溶液(SPI−1)と、NMP、GBL、BCSを加えて30分間撹拌した。撹拌後、ポリイミド溶液(SPI−1)の固形分濃度が4質量%、溶媒組成が質量比でNMP:GBL:BCS=50:30:20である液晶配向剤(1)を得た。
<実施例2>
撹拌子を入れたサンプル管に、合成例3で得られたポリイミド溶液(SPI−1)と合成例2で得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)とを重合体の固形分比率が質量比で50:50となるように混合し、NMP、GBL、BCSを加えて希釈し、S−1、C−1及びF−1を重合体固形分の合計量に対してそれぞれ、1質量%、10質量%、15質量%となるように加えて30分間撹拌した。撹拌後、ポリイミド溶液(SPI−1)とポリアミック酸溶液(PAA−2)との重合体固形分の質量比が50:50、固形分濃度が6質量%、溶媒組成が質量比でNMP:GBL:BCS=50:30:20である液晶配向剤(2)を得た。
<比較例1〜3>
比較例1〜3も上記実施例1又は2と同様の手法で実施し、それぞれ液晶配向剤(R1)〜(R3)を得た。表3中、括弧内の数値は、重合体及び添加剤についてはそれぞれ液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する各重合体成分又は添加剤の配合割合(質量部)を表す。有機溶媒については、液晶配向剤中の有機溶媒の合計量100質量部に対する各有機溶媒の配合割合(質量部)を表す。
Figure 2021140034
以上のようにして得られた液晶配向剤を用いて以下に示す手順でFFS駆動液晶セルを作製し、特性評価を行った。
[FFS駆動液晶セルの構成]
フリンジフィールドスィッチング(Fringe Field Switching:FFS)モード用の液晶セルは、面形状の共通電極−絶縁層−櫛歯形状の画素電極からなるFOP(Finger on Plate)電極層が表面に形成されている第1のガラス基板と、表面に高さ3.5μmの柱状スペーサーを有し裏面に帯電防止の為のITO膜が形成されている第2のガラス基板とを、一組とした。上記の画素電極は、中央部分が内角160°で屈曲した幅3μmの電極要素が6μmの間隔を開けて平行になるように複数配列された櫛歯形状を有しており、1つの画素は、複数の電極要素の屈曲部を結ぶ線を境に第1領域と第2領域を有している。
なお、第1のガラス基板に形成する液晶配向膜は、画素屈曲部の内角を等分する方向と液晶の配向方向とが直交するように配向処理し、第2のガラス基板に形成する液晶配向膜は、液晶セルを作製した時に第1の基板上の液晶の配向方向と第2の基板上の液晶の配向方向とが一致するように配向処理する。
[液晶セルの作製]
液晶配向剤を孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、上記の電極付き基板と対向基板のそれぞれにスピンコートした。次いで、80℃のホットプレート上で2分間乾燥後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を250mJ/cm照射した。更に、この基板を230℃で30分間焼成して、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付き基板の一方にシール剤を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように貼り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶(メルク社製、MLC−3019)を常温で真空注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶セルを得た。
<コントラストの面内均一性評価>
シンテック社製OPTIPRO−microを用いて液晶表示素子のツイスト角の評価を行った。作製した液晶セルを測定ステージに設置し、電圧無印加の状態で、第1画素面内を20点測定して標準偏差を算出した。評価は、ツイスト角標準偏差が2.0以上の場合に「×」とし、2.0未満1.6以上の場合に「△」とし、1.6未満の場合に「○」と定義して評価を行った。
<評価結果>
上記実施例及び比較例の各液晶配向剤を使用する液晶表示素子に関して実施した評価結果を表4に示す。
Figure 2021140034

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される繰り返し単位(a1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(a2)とを有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体(A)を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    Figure 2021140034
    (式中、RからRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1〜6の1価の有機基、又はフェニル基を表し、RからRの少なくとも一つは上記定義中の水素原子以外の基を表す。R、Zはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Yは下記式(T)で表される2価の有機基を表す。)
    Figure 2021140034
    (Qは、三重結合を有する炭素数2〜18の有機基を表す。*は結合手を表す。)
    Figure 2021140034
    (式中、RからR、R、Zは、それぞれ独立して、前記式(1)と同義である。Yは下記式(O)で表される2価の有機基を表す。)
    Figure 2021140034
    (Arは、ベンゼン環、ビフェニル、ナフタレン環を表し、Arの少なくとも一つはナフタレン環を表す。2つのArは同一でも異なってもよく、環状の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。Qは−(CH−(nは2〜18の整数である。)、又は前記−(CH−の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−又は−O−C(=O)−のいずれかで置き換えた基を表す。*は結合手を表す。)
  2. 前記式(T)で表される2価の有機基が、下記式(t−1)〜(t−3)で表される2価の有機基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2021140034
  3. 前記式(O)で表される2価の有機基が、下記式(o−1)〜(o−6)で表される2価の有機基である、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
    Figure 2021140034
  4. 前記重合体(A)が、さらに下記式(3)で表される繰り返し単位(a3)を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2021140034
    (式中、Xは4価の有機基を表し、Yは下記式(3d)で表される2価の有機基を表す。R、Zは、前記式(1)と同義である。)
    Figure 2021140034
    (Arは、ベンゼン環又はビフェニルを表し、2つのArは同一でも異なってもよく、環状の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。Qは−(CH−(nは2〜18の整数である。)、又は前記−(CH−の−CH−の少なくとも一部を−O−、−C(=O)−又は−O−C(=O)−のいずれかで置き換えた基を表す。*は結合手を表す。)
  5. 前記重合体(A)が、さらに下記式(4)で表される繰り返し単位(a4)を有するポリイミド前駆体及びそのイミド化重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2021140034
    (式中、R、Zは、前記式(1)と同義である。Xは4価の有機基を表し、Yは基「−N(D)−(Dはカルバメート系保護基を表す。)」を分子内に有する炭素数6〜30の2価の有機基を表す。)
  6. 前記Yが、下記式(Y4−1)〜(Y4−4)で表される構造である、請求項5に記載の液晶配向剤。
    Figure 2021140034
    (Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す。*は結合手を表す。)
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  8. 請求項7に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  9. 下記の工程(1)〜(3)を含む、液晶配向膜の製造方法。
    工程(1):請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布する工程。
    工程(2):塗布した液晶配向剤を加熱して膜を得る工程。
    工程(3):工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程。
  10. 下記の工程(4)をさらに含む、請求項9に記載の液晶配向膜の製造方法。
    工程(4):工程(3)で得られた膜を、100℃以上、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程。
  11. 前記工程(2)は、40〜180℃の温度範囲で加熱して膜を得る工程である、請求項9または10に記載の液晶配向膜の製造方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の液晶配向膜の製造方法により得られる液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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