JP2021138834A - 樹脂フィルム - Google Patents

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憲文 有留
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敦弘 高田
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Abstract

【課題】剛性および強度に優れ、低透湿であり、かつ、生産効率に優れた樹脂フィルムを提供する。【解決手段】本発明の樹脂フィルムは、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含み、厚みが1μm〜200μmであり、第1の方向における引張強度が150MPa以上であり、第1の方向に直交する第2の方向における引張強度が50MPa以上であり、第1の方向における引張弾性率が1500MPa以上であり、第2の方向における引張弾性率に対する、第1の方向における引張弾性率の比が0.5より大きく4未満であり、突き刺し強度と厚みとが25(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たし、30μm換算透湿度が15g/m2・d以下であり、DSC測定において、1回目の昇温時に140℃未満の吸熱ピークと140℃以上の吸熱ピークとを有し、かつ、2回目の昇温時に140℃以上の吸熱ピークが減少または消失する。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂フィルムに関する。
超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比べ、耐衝撃性、耐摩耗性、機械強度等に優れており、多様な用途への使用が期待されている。しかし、超高分子量ポリエチレンを含む樹脂組成物は流動性が著しく悪く、採用可能な成形方法が限定され、圧縮成形が多用される。超高分子量ポリエチレンを含む成形体(例えば、フィルム)にさらなる高機能化(例えば、高剛性化、高強度化、低透湿化)が要求される場合、成形方法が限定されるがために、当該要求を満足できないことがある。また、超高分子量ポリエチレンを含む成形体(例えば、フィルム)は、成形方法が限定されるために、工業的に効率よく生産することが困難であるという問題を有する。
特許第5614746号
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、剛性および強度に優れ、低透湿であり、かつ、生産効率に優れた樹脂フィルムを提供することにある。
本発明の樹脂フィルムは、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含み、
(i)厚みが1μm〜200μmであり、
(ii)第1の方向における引張強度が150MPa以上であり、
(iii)該第1の方向に直交する第2の方向における引張強度が50MPa以上であり、
(iv)該第1の方向における引張弾性率が1500MPa以上であり、
(v)該第2の方向における引張弾性率に対する、該第1の方向における引張弾性率の比(第1の方向引張弾性率/第2の方向における引張弾性率)が0.5より大きく4未満であり、
(vi)突き刺し強度と厚みとが、25(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たし、
(vii)30μm換算透湿度が15g/m・d以下であり、
(viii)DSC測定において、1回目の昇温時に140℃未満の吸熱ピークと、140℃以上の吸熱ピークとを有し、かつ、2回目の昇温時に140℃以上の吸熱ピークが減少または消失する。
1つの実施形態においては、上記樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂(B)をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記熱可塑性樹脂(B)が、オレフィン系樹脂である。
1つの実施形態においては、上記樹脂フィルムは、縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)をさらに含む。
1つの実施形態においては、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)の含有割合が、前記樹脂フィルム中の樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部である。
1つの実施形態においては、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度が、2以上である。
1つの実施形態においては、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルが、縮合度が2以上の縮合ヒドロキシ脂肪酸と、アルコールとの反応生成物である。
1つの実施形態においては、上記超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)の粘度平均分子量が、好ましくは30万〜1500万である。
本発明の別の局面によれば、樹脂フィルムの製造方法が提供される。この製造方法は、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含む樹脂組成物を調製すること、樹脂組成物を溶融シート圧延成型して、フィルム状成形体を得た後、当該フィルム状成形体を延伸することを含む。
1つの実施形態においては、上記溶融シート圧延成型において、圧延ロールが用いられ、 該圧延ロールの温度が、樹脂組成物の融点の温度より高く(樹脂組成物の融点+20℃)よりも低い。
本発明によれば、剛性および強度に優れ、低透湿であり、かつ、生産効率に優れた樹脂フィルムを提供することができる。
A.樹脂フィルム
本発明の樹脂フィルムは、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含む。
1つの実施形態においては、本発明の樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂(B)をさらに含む。また、上記樹脂フィルムは、縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)(以下、単に化合物(C)ともいう)をさらに含んでいてもよい。なお、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とは、粘度平均分子量により区別され、本明細書においては、熱可塑性樹脂(B)を、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)よりも粘度平均分子量が小さい樹脂とする。
本発明の樹脂フィルムは、以下の特性を満足する。
(i)厚みが1μm〜200μm
(ii)第1の方向における引張強度が150MPa以上
(iii)該第1の方向に直交する第2の方向における引張強度が50MPa以上
(iv)該第1の方向における引張弾性率が1500MPa以上
(v)該第2の方向における引張弾性率に対する、該第1の方向における引張弾性率の比(第1の方向引張弾性率/第2の方向における引張弾性率)が0.5より大きく4未満
(vi)突き刺し強度と厚みとが、25(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たす
(vii)30μm換算透湿度が15g/m・d以下
(viii)DSC測定において、1回目の昇温時に140℃未満の吸熱ピークと、140℃以上の吸熱ピークとを有し、かつ、2回目の昇温時に140℃以上の吸熱ピークが減少または消失する。
機械的な特性と、低透湿性とをバランスよく両立し得た点で、本発明の樹脂フィルムは特に有用である。なお、1つの実施形態においては、上記第1の方向は、樹脂フィルムを製造する際の搬送方向(MD)に相当する。また、上記第2の方向はMDに直交するTDに相当し得る。1つの実施形態においては、樹脂フィルムは長尺状であり、長手方向が第1の方向(MD)に相当し、幅方向が第2の方向(TD)に相当し得る。
上記特性すべてを満足する樹脂フィルムは、超高分子量ポリエチレン(A)を含む樹脂組成物を溶融シート圧延成型する工程を含む製造方法により、得ることができる。1つの実施形態において、当該樹脂組成物に、熱可塑性樹脂(B)と化合物(C)とを含有させることにより、溶融シート圧延成型を良好に行うことが可能となる。このように、超高分子量ポリエチレン(A)を含む樹脂組成物を、溶融シート圧延成型加工に供し、従来得られなかった特性(すなわち、上記(i)〜(viii)すべての特性)を有する樹脂フィルムが得られたことは、本発明の大きな成果である。機械的な特性および低透湿性の両方に優れる本発明の樹脂フィルムは、例えば、包装フィルムとして好適に用いられ、当該包装フィルムは、単一材料にて構成されており、リサイクル性に優れる点で特に有用である。さらに、溶融シート圧延成型によれば、生産効率よく樹脂フィルムを製造することができる。なお、溶融シート圧延成型とは、2本以上のロール(回転成形工具)間で樹脂組成物を圧延し、所定の厚みを有するフィルム状成形体を得る成形方法をいう(詳細は後述)。
上記樹脂フィルムの厚みは、好ましくは3μm〜150μmであり、より好ましくは50μm〜100μmであり、さらに好ましくは10μm〜80μmであり、特に好ましくは10μm〜50μmである。このような範囲であれば、好ましい剛性を有し、種々の用途に適用可能な樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂フィルムの第1の方向における引張強度は、上記のとおり、150MPa以上であり、好ましくは150MPa〜700MPaであり、より好ましくは160MPa〜500MPaであり、さらに好ましくは180MPa〜400MPaであり、特に好ましくは200MPa〜340MPaである。このような範囲であれば、機械的強度に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、引張強度は、23℃の環境温度下、JIS K 7161に準じて測定され得る。
上記樹脂フィルムの第2の方向における引張強度は、上記のとおり、50MPa以上であり、好ましくは50MPa〜400MPaであり、より好ましくは60MPa〜300MPaであり、さらに好ましくは70MPa〜200MPaであり、特に好ましくは750MPa〜150MPaである。このような範囲であれば、機械的強度に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂フィルムの第1の方向における引張弾性率は、上記のとおり、1500MPa以上であり、好ましくは1500MPa〜5000MPaであり、より好ましくは1600MPa〜4500MPaであり、さらに好ましくは1900MPa〜4000MPaであり、特に好ましくは1900MPa〜3500MPaである。このような範囲であれば、機械的強度に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、引張弾性率は、23℃の環境温度下、JIS K 7161に準じて測定され得る。
上記樹脂フィルムの第2の方向における引張弾性率は、好ましくは380MPa〜9000MPaであり、より好ましくは450MPa〜5000MPaであり、さらに好ましくは900MPa〜3200MPaであり、特に好ましくは900MPa〜2000MPaである。このような範囲であれば、機械的強度に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂フィルムにおいて、第2の方向における引張弾性率に対する、第1の方向における引張弾性率の比(第1の方向引張弾性率/第2の方向における引張弾性率)は、上記のとおり、0.5より大きく4未満であり、好ましくは0.8〜3.7であり、より好ましくは0.8より大きく3.7以下であり、さらに好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1〜2.5であり、最も好ましくは1より大きく2.5以下である。このような範囲であれば、機械的特性(例えば、突刺し特性)に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂フィルムの突き刺し強度は、好ましくは750g〜3000gであり、より好ましくは800g〜2500gであり、さらに好ましくは1000g〜2200gであり、特に好ましくは1200g〜2000gである。突き刺し強度は、JIS Z 1707に準拠して測定することができる(測定温度:23℃)。
上記のとおり、上記樹脂フィルムにおいて、突き刺し強度と厚みとは、25(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たす。当該突き刺し強度と厚みとは、28(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たすことが好ましく、突き刺し強度と厚みとは、30(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たすことがより好ましく、突き刺し強度と厚みとは、35(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たすことがさらに好ましい。このような範囲であれば、機械的強度に優れ、種々の用途に好適な樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂フィルムの30μm換算透湿度は、好ましくは15g/m・d以下であり、より好ましくは13g/m・d以下であり、さらに好ましくは12g/m・d以下である。このような範囲であれば、低透湿で例えば食品包装用として有用な樹脂フィルムを得ることができる。樹脂フィルムの30μm換算透湿度は、低いほど好ましいが、その下限値は、例えば、1g/m・dであり、より好ましくは0.5g/m・dである。透湿度は、JIS K 7129の透湿度試験(感湿センサー法)に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で、直径80mmの試料を24時間に通過する水蒸気量(g)を測定して求められる値である。また、30μm換算透湿度は、上記のように測定して得られた透湿度に、(30μm/樹脂フィルムの厚み(μm))を乗じて算出される。
上記のとおり、上記樹脂フィルムは、DSC測定において、1回目の昇温時に140℃未満の吸熱ピークLと、140℃以上の吸熱ピークHとを有する。吸熱ピークLは、110℃〜139℃にあることが好ましく、125℃〜139℃にあることがより好ましい。吸熱ピークHは、142℃〜160℃にあることが好ましく、144℃〜155℃にあることがより好ましい。本発明の樹脂フィルムは、上記のように複数の吸熱ピークを有し、これにより、機械的強度および耐熱性に優れた樹脂フィルムをえることができる。さらに、上記樹脂フィルムは、DSC測定において、2回目の昇温時に140℃以上の吸熱ピークHが減少または消失することを特徴とする。上記のように、2回目の昇温時に消失(または減少)する吸熱ピークHを有することは、本発明の樹脂フィルムが、高配向ポリマーを好ましく含有することを意味する。吸熱ピークは、DSCを用い、昇温速度10℃/min、降温速度10℃/minで開始温度30℃から230℃まで昇温し230℃で3分ホールド後30℃まで降温した後、さらに230℃まで昇温を行うことで測定することができる。
B.超高分子量ポリエチレン樹脂(A)
超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)の粘度平均分子量は、好ましくは30万〜1500万であり、より好ましくは50万〜1200万であり、さらに好ましくは100万〜1000万であり、特に好ましくは100万〜700万である。このような範囲であれば、剛性および強度に優れた樹脂フィルムを得ることができる。上記樹脂フィルムは、分子量が異なる2種以上の超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)を含んでいてもよい。なお、上記粘度平均分子量(Mv)は、ASTMD4020に規定の粘度法により測定することができる。具体的には、ASTMD4020の粘度法に基づき極限粘度(η(dl/g))を測定し、次式(1)から粘度平均分子量(Mv)を求めることができる。
Mv=5.37×10η1.37 ・・・(1)
超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)は、エチレンを主成分とする単量体組成物(全単量体中、エチレンの含有割合が最大となる単量体組成物)を重合して得られる樹脂である。超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)は、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンと該エチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)中、エチレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上である。
エチレンと共重合可能な他の単量体としては、例えば、炭素数3以上(好ましくは、炭素数3〜20)のα−オレフィンなどが挙げられる。この炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン等が挙げられる。
超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)は、任意の適切な方法により製造され得る。例えば、特開昭58−83006号公報に記載されている方法により、任意の適切な触媒の存在下で、上記単量体を重合して得ることができる。
超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)の含有割合は、樹脂フィルム中の樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜90重量部であり、より好ましくは20重量部〜80重量部であり、特に好ましくは30重量部〜70重量部である。このような範囲であれば、機械的特性に優れ、かつ、溶融シート圧延成型可能な樹脂フィルムを得ることができる。
C.熱可塑性樹脂(B)
熱可塑性樹脂(B)の粘度平均分子量は、超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)の粘度平均分子量より小さい限り、特に限定されない。熱可塑性樹脂(B)の粘度平均分子量は、例えば100万以下であり、好ましくは30万未満である。樹脂フィルム形成用の樹脂組成物に熱可塑性樹脂(B)を添加することにより、当該樹脂組成物の流動性を高めることができる。その結果、溶融シート圧延成型可能な樹脂フィルムを得ることができる。
熱可塑性樹脂(B)の190℃、2.16kgfにおけるメルトフローレートは、好ましくは0.05g/10min〜100g/10minであり、より好ましくは0.1g/10min〜100g/10minであり、さらに好ましくは10g/10min〜90g/10minであり、特に好ましくは20g/10min〜80g/10minである。このような範囲であれば、流動性に優れた樹脂組成物を調製することができ、かつ、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)由来の特性が十分に発揮された樹脂フィルムを得ることができる。
熱可塑性樹脂(B)としては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、α−オレフィンの単独重合体、2種以上のα−オレフィンから構成される共重合体等)が挙げられる。
熱可塑性樹脂(B)を構成するα−オレフィンとしては、炭素数が2〜10のα−オレフィンが好ましく、炭素数が2〜8のα−オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンまたは1−ブテンがさらに好ましい。
1つの実施形態においては、熱可塑性樹脂(B)として、超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)以外のポリエチレン系樹脂が用いられる。該ポリエチレン系樹脂中、エチレン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上である。エチレン由来の構成単位以外の構成単位としては、エチレンと共重合体と共重合可能な単量体由来の構成単位が挙げられ、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−イコセン等が挙げられる。
熱可塑性樹脂(B)の含有割合は、樹脂フィルム中の樹脂100重量部に対して、好ましくは10重量部〜90重量部であり、より好ましくは15重量部〜90重量部であり、さらに好ましくは20重量部〜80重量部であり、特に好ましくは30重量部〜70重量部である。このような範囲であれば、流動性に優れた樹脂組成物を調製することができ、かつ、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)由来の特性が十分に発揮された樹脂フィルムを得ることができる。
D.縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)
縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)を含有させることにより、樹脂フィルム形成用の樹脂組成物の流動性を高めることができ、その結果、溶融シート圧延成型を良好に行うことができる。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸を脱水縮合して得ることができる。縮合ヒドロキシ脂肪酸は、例えば、ヒドロキシ脂肪酸に苛性ソーダ等のアルカリ触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより脱水縮合して、得ることができる。
上記縮合ヒドロキシ脂肪酸は、ヒドロキシ脂肪酸の縮合体であり、その縮合度は、好ましくは2以上であり、より好ましくは4以上である。縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度の上限は、例えば、20である。なお、縮合度とは、原料ヒドロキシ脂肪酸の酸価と縮合反応後の酸価とから計算して求めることができる。
上記ヒドロキシ脂肪酸は、分子内に1個以上の水酸基を有する脂肪酸である。ヒドロキシ脂肪酸の具体例としては、例えば、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸等が挙げられる。ヒドロキシ脂肪酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとをエステル化反応させることで得られ得る。縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルは、例えば、上記縮合ヒドロキシ脂肪酸とアルコールとを混合し、得られた混合物に苛性ソーダ等のアルカリ触媒または燐酸等の酸触媒を添加し、加熱下で反応水を除去することにより、得ることができる。この反応中のエステル化の進行度は酸価、ケン化価、水酸基価等を測定することで確認することができる。ここで用いられる縮合ヒドロキシ脂肪酸においても、その縮合度は、上記のとおり、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。
上記アルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコール等が挙げられる。また、上記アルコールとして、多価アルコールを用いてもよい。多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール;該アルカンポリオールの重合体であるポリアルカンポリオール;ショ糖などの糖類;ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体等が挙げられる。これらのアルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記化合物を原料として合成された縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)の具体例としては、例えば、リシノレイン酸を脱水縮合した縮合リシノレイン酸、12ヒドロキシステアリン酸を脱水縮合した縮合12ヒドロキシステアリン酸、縮合リシノレイン酸とグリセリン6重合体のヘキサグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリンエステル、縮合リシノレイン酸とグリセリン4重合体のテトラグリセリンのエステルである縮合リシノレイン酸テトラグリセリンエステル、縮合12ヒドロキシステアリン酸とプロピレングリコールのエステルである縮合12ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコールエステル、縮合リシノレイン酸とプロピレングリコールとのエステルである縮合リノレイン酸プロピレングリコールエステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
縮合ヒドロキシ脂肪酸およびそのアルコールエステル(C)の含有割合は、樹脂フィルム中の樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜10重量部であり、より好ましくは0.2重量部〜8重量部であり、さらに好ましくは0.3重量部〜5重量部であり、さらに好ましくは0.4重量部〜5重量部である。このような範囲であれば、流動性に優れた樹脂組成物を調製することができ、かつ、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)由来の特性が十分に発揮された樹脂フィルムを得ることができる。「縮合ヒドロキシ脂肪酸およびそのアルコールエステル(C)の含有割合」とは、縮合ヒドロキシ脂肪酸と縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルの合計含有割合を意味する。したがって、上記樹脂フィルムが化合物(C)として縮合ヒドロキシ脂肪酸のみを含む場合、「縮合ヒドロキシ脂肪酸およびそのアルコールエステル(C)の含有割合」とは、縮合ヒドロキシ脂肪酸の含有割合を意味する。また、上記樹脂フィルムが化合物(C)として縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルのみを含む場合、「縮合ヒドロキシ脂肪酸およびそのアルコールエステル(C)の含有割合」とは、縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルの含有割合を意味する。
E.その他の成分
本発明の樹脂フィルムは、必要に応じて、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、熱安定剤、耐候剤等の安定剤、顔料、染料等の着色剤、滑剤、架橋剤、架橋助剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、有機フィラー、無機フィラー等が挙げられる。
F.樹脂フィルムの製造方法
本発明の樹脂フィルムは、溶融シート圧延成型を含む任意の適切な方法により製造され得る。該製造方法は、例えば、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含む樹脂組成物を調製すること、および、当該樹脂組成物を溶融シート圧延成型することを含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、樹脂組成物を溶融シート圧延成型して、フィルム状成形体を得た後、当該フィルム状成形体を延伸すること(延伸工程)を含む。延伸工程を行うことにより、機械的特性に優れる樹脂フィルムを得ることができ、例えば、第1の方向(MD)における機械的特性(例えば、強度、弾性率)および第2の方向(TD)における機械的特性のバランスに優れる樹脂フィルムを得ることができる。
上記樹脂組成物は、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)に加え、熱可塑性樹脂(B)および/または化合物(C)をさらに含んでいてもよい。また、上記樹脂組成物は、必要に応じて添加される添加剤をさらに含んでいてもよい。1つの実施形態においては、上記樹脂組成物は、超高分子量ポリエチレン樹脂(A)等の含有成分を溶融混練して調製され得る。溶融混練の方法としては、例えば、単軸押出機、多軸押出機、タンデム式押出機、バンバリーミキサー等を用いた方法が挙げられる。縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)存在下で上記樹脂を溶融混練すれば、塊状物の発生を抑制することができ、樹脂分散状態の良好な樹脂組成物を得ることができる。
上記溶融混練における加工温度は、樹脂組成物に含有される樹脂が溶融し得る温度であることが好ましい。該温度は、好ましくは120℃〜350℃であり、より好ましくは140℃〜300℃であり、さらに好ましくは160℃〜250℃である。
溶融シート圧延成型とは、一対のロール(圧延ロール)間で樹脂組成物を圧延し、所定の厚みを有するフィルムを成形する成形方法をいう。代表的には、溶融混練されTダイから放出された樹脂組成物が上記圧延に供される。本発明においては、溶融シート圧延成型を採用することにより、上記特性を有する樹脂フィルムを得ることができる。これらの溶融シート圧延成型としてはTダイ押出成形で用いられるポリィッシングロール方式やカレンダー成型が好適に用いられる。Tダイ押出成形としては、例えば水平配列ロール方式や垂直配列方式が挙げられ、ロール本数は3本以上が好ましく、各ロール間で圧延可能な機構を有する設備が用いられ得る。カレンダー成型装置としては、例えば、2本直列カレンダー、3本直列カレンダー、4本直列カレンダー、S型カレンダー、逆L型カレンダー、Z型カレンダー、斜Z型カレンダー等が挙げられる。
上記Tダイのリップクリアランスは、好ましくは0.2mm〜5mmであり、より好ましくは1mm〜3mmである。Tダイ出口の温度は、好ましくは150℃〜300℃であり、より好ましくは200℃〜280℃である。Tダイの温度は、所望の樹脂組成物の温度に応じて、調整され得る。
上記一対の圧延ロールの周速差は、好ましくは±5%以下であり、より好ましくは±3%以下である。
圧延回数は1回であってもよく、複数回であってもよい。圧延回数を複数回とすることにより、高強度化(MD引張強度増大、MD弾性率増大)を図ることができる。圧延回数は、好ましくは2回〜6回であり、より好ましくは2回〜4回である。
好ましくは、圧延ロールは加熱されている。圧延ロールの温度は、好ましくは100℃〜200℃であり、より好ましくは120℃〜180℃であり、さらに好ましくは130℃〜160℃である。複数ある圧延ロールの温度はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
1つの実施形態においては、圧延ロールの温度は、樹脂組成物の融点の温度より高い温度とされる。ここで、「樹脂組成物の融点」とは、DSC測定により得られる融点であり、主ピーク(吸熱量が最も高いピーク)から求められる融点である。圧延ロールの温度は、樹脂組成物の融点の温度より高く(樹脂組成物の融点+20℃)よりも低いことが好ましく、(樹脂組成物の融点+2℃)より高く(樹脂組成物の融点+16℃)以下であることが好ましい。このような範囲であれば、上記(i)〜(viii)すべての特性を有する樹脂フィルムを容易に得ることができる。
圧延ロールにかけられる線圧は、好ましくは15kg/cm〜300kg/cmであり、より好ましくは30kg/cm〜200kg/cmであり、さらに好ましくは50kg/cm〜150kg/cmである。
カレンダー成型における加工速度は、任意の適切な速度に設定され得る。
上記延伸工程においては、TD延伸が好ましく採用され得る。TD延伸は、代表的にはテンター延伸機により横方向に延伸する方法である。延伸倍率は、好ましくは1.1倍〜10倍であり、より好ましくは2倍〜8倍であり、さらに好ましくは3倍〜8倍であり、特に好ましくは4倍〜7倍である。
延伸工程における延伸温度は、好ましくは120℃〜160℃であり、より好ましくは130℃〜150℃である。
本発明の樹脂フィルムは、それ単独で使用されてもよく、その他の材料からなる成形体(例えば、紙、フィルム、容器、袋等)と複合化して使用されてもよい。本発明の樹脂フィルムは、例えば、食品、衛生品、医療品、衣料、包装、農業、漁業、林業、自動車、建材等の分野に好適に用いることができる。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。なお、部および%は特に断りのない限り重量基準に基づく。
[実施例1]
粘度平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン系樹脂A1(旭化成社製、商品名「サンファインUH650」)60重量部と、熱可塑性樹脂B1(ポリエチレン樹脂;旭化成社製、商品名「サンテックJ300P」、MFR(190℃/2.16kgf):40g/10min)40重量部と、化合物C1(縮合リシノレイン酸テトラグリセリン;ヒドロキシ脂肪酸の縮合度10)0.5重量部とを混合して、樹脂組成物を得た。
さらに、上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:142℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、フィルム状成形体を得た。
次いで、フィルム状成形体をテンター延伸機により延伸室温度135℃、ライン速度2.5m/minでTD方向に5倍延伸し、樹脂フィルムを得た。
[実施例2]
粘度平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン系樹脂A2(旭化成社製、商品名「サンファインUH850」)60重量部と、熱可塑性樹脂B1(ポリエチレン樹脂;旭化成社製、商品名「サンテックJ300P」、MFR(190℃/2.16kgf):40g/10min)40重量部と、化合物C1(縮合リシノレイン酸テトラグリセリン;ヒドロキシ脂肪酸の縮合度10)2重量部とを混合して、樹脂組成物を得た。
さらに、上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:149℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、フィルム状成形体を得た。
次いで、フィルム状成形体をテンター延伸機により延伸室温度135℃、ライン速度2.5m/minでTD方向に5倍延伸し、樹脂フィルムを得た。
[実施例3]
粘度平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン系樹脂A2(旭化成社製、商品名「サンファインUH850」)60重量部と、熱可塑性樹脂B1(ポリエチレン樹脂;旭化成社製、商品名「サンテックJ300P」、MFR(190℃/2.16kgf):40g/10min)20重量部と、熱可塑性樹脂B2(ポリエチエレン樹脂;住友化学社製、商品名「エクセレンFX551」、MFR(190℃/2.16kgf):30g/10min)20重量部と、化合物C1(縮合リシノレイン酸テトラグリセリン;ヒドロキシ脂肪酸の縮合度10)2重量部とを混合して、樹脂組成物を得た。
さらに、上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:150℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、フィルム状成形体を得た。
次いで、フィルム状成形体をテンター延伸機により延伸室温度135℃、ライン速度2.5m/minでTD方向に5倍延伸し、樹脂フィルムを得た。
[実施例4]
粘度平均分子量100万の超高分子量ポリエチレン系樹脂A1(旭化成社製、商品名「サンファインUH650」)60重量部と、熱可塑性樹脂B1(ポリエチレン樹脂;旭化成社製、商品名「サンテックJ300P」、MFR(190℃/2.16kgf):40g/10min)20重量部と、熱可塑性樹脂B2(ポリエチエレン樹脂;住友化学社製、商品名「エクセレンFX551」、MFR(190℃/2.16kgf):30g/10min)20重量部と、化合物C1(縮合リシノレイン酸テトラグリセリン;ヒドロキシ脂肪酸の縮合度10)0.5重量部とを混合して、樹脂組成物を得た。
さらに、上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:150℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、フィルム状成形体を得た。
次いで、フィルム状成形体をテンター延伸機により延伸室温度135℃、ライン速度2.5m/minでTD方向に5倍延伸し、樹脂フィルムを得た。
[比較例1]
実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:142℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、樹脂フィルムを得た。
[比較例2]
実施例2と同様にして樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:149℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、樹脂フィルムを得た。
[比較例3]
実施例3と同様にして樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:230℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:240℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール表面温度:150℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:80kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、樹脂フィルムを得た。
[比較例4]
実施例4と同様にして樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、単軸押出機(シリンダー温度:240℃)で溶融し、リング状のダイ(リップクリアランス:1mm、径:120mm、ダイス温度:250℃)から押し出し、空気で袋状に延伸(ブロー比:1.8)を行うインフレーション成型でフィルム状成形体を得た。
次いで、フィルム状成形体をテンター延伸機により延伸室温度135℃、ライン速度2.5m/minでTD方向に7倍延伸し、樹脂フィルムを得た。
[比較例5]
カレンダーロールのロール表面温度を125℃としたこと以外は、比較例2と同様にしてフィルム成型を行った。
[比較例6]
カレンダーロールのロール表面温度を160℃としたこと以外は、比較例2と同様にしてフィルム成型を行った。
[比較例7]
熱可塑性樹脂B3(ポリエチレン樹脂;東ソー社製、商品名「ニポロンハード 8300A」、MFR(190℃/2.16kgf):0.35g/10min)100重量部を、単軸押出機(シリンダー温度:220℃)で溶融し、Tダイ(リップクリアランス:2mm、幅:700mm、ダイス温度:230℃)から押し出し、溶融状態のシートをカレンダーロール(ロール温度:140℃、)に送り込み、Tダイ直下の第1、第2ロールで圧延(線圧:60kg/cm、加工速度:3m/min)を行い、樹脂フィルムを得た。
[比較例8]
熱可塑性樹脂B4(ポリエチレン樹脂;東ソー社製、商品名「ニポロンハード 7300A」、MFR(190℃/2.16kgf):0.05g/10min)100重量部を、単軸押出機(シリンダー温度:220℃)で溶融し、リング状のダイ(リップクリアランス:2mm、径:120mm、ダイス温度:230℃)から押し出し、空気で袋状に延伸(ブロー比:2.0)を行うインフレーション成型で樹脂フィルムを得た。
[比較例9]
熱可塑性樹脂B5(ポリエチレン樹脂;東ソー社製、商品名「ニポロン−Z ZF230」、MFR(190℃/2.16kgf):2.0g/10min)100重量部を、単軸押出機(シリンダー温度:220℃)で溶融し、リング状のダイ(リップクリアランス:2mm、径:120mm、ダイス温度:230℃)から押し出し、空気で袋状に延伸(ブロー比:2.0)を行うインフレーション成型で樹脂フィルムを得た。
[比較例10]
実施例4と同様にして樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を単軸押出機(シリンダー温度:220℃)で溶融し、リング状のダイ(リップクリアランス:2mm、径:120mm、ダイス温度:230℃)から押し出し、空気で袋状に延伸(ブロー比:2.0)を行うインフレーション成型で樹脂フィルムを得た。
<評価>
実施例および比較例で得られた樹脂フィルムを下記の評価に供した。結果を表1に示す。
(1)引張強度
測定機EZ−SX(島津製作所社製)を使用しJIS K 7161に準拠し測定した(測定温度:23℃)。
(3)引張弾性率
測定機EZ−SX(島津製作所社製)を使用しJIS K 7161に準拠し測定した(測定温度:23℃)。
(4)透湿度
測定機L80−5000(Lyssy社製)を使用しJIS K 7129の透湿度試験(感湿センサー法)に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で、直径80mmの試料を24時間に通過する水蒸気量(g)を測定した。
(5)DSC測定、融点測定
測定機DSC6220(セイコーインスツル社製)を使用し、昇温速度10℃/min、降温速度10℃/minで開始温度30℃から230℃まで昇温し230℃で3分ホールド後30℃まで降温した後230℃まで昇温を行った。融点の測定は2回目の昇温での吸熱ピークより測定した。
(6)突き刺し特性
測定機EZ−SX(島津製作所社製)を使用しJIS Z 1707に準拠し測定した(測定温度:23℃)。突刺し治具は直径1mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を使用し12mm径のフィルムで試験した。
Figure 2021138834

Claims (10)

  1. 超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含み、
    (i)厚みが1μm〜200μmであり、
    (ii)第1の方向における引張強度が150MPa以上であり、
    (iii)該第1の方向に直交する第2の方向における引張強度が50MPa以上であり、
    (iv)該第1の方向における引張弾性率が1500MPa以上であり、
    (v)該第2の方向における引張弾性率に対する、該第1の方向における引張弾性率の比(第1の方向引張弾性率/第2の方向における引張弾性率)が0.5より大きく4未満であり、
    (vi)突き刺し強度と厚みとが、25(g/μm)<突き刺し強度(g)/厚み(μm)の関係を満たし、
    (vii)30μm換算透湿度が15g/m・d以下であり、
    (viii)DSC測定において、1回目の昇温時に140℃未満の吸熱ピークと、140℃以上の吸熱ピークとを有し、かつ、2回目の昇温時に140℃以上の吸熱ピークが減少または消失する、
    樹脂フィルム。
  2. 熱可塑性樹脂(B)をさらに含む、請求項1に記載の樹脂フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂(B)が、オレフィン系樹脂である、請求項2に記載の樹脂フィルム。
  4. 縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  5. 前記縮合ヒドロキシ脂肪酸および/またはそのアルコールエステル(C)の含有割合が、前記樹脂フィルム中の樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部である、請求項4に記載の樹脂フィルム。
  6. 前記縮合ヒドロキシ脂肪酸の縮合度が、2以上である、請求項4または5に記載の樹脂フィルム。
  7. 前記縮合ヒドロキシ脂肪酸のアルコールエステルが、縮合度が2以上の縮合ヒドロキシ脂肪酸と、アルコールとの反応生成物である、請求項4から6のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  8. 前記超高分子量ポリエチレン系樹脂(A)の粘度平均分子量が、好ましくは30万〜1500万である、請求項1から7のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  9. 超高分子量ポリエチレン樹脂(A)を含む樹脂組成物を調製すること、
    樹脂組成物を溶融シート圧延成型して、フィルム状成形体を得た後、当該フィルム状成形体を延伸することを含む、
    請求項1から8のいずれかに記載の樹脂フィルムの製造方法。
  10. 前記溶融シート圧延成型において、圧延ロールが用いられ、
    該圧延ロールの温度が、樹脂組成物の融点の温度より高く(樹脂組成物の融点+20℃)よりも低い、請求項9に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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