JP2021138395A - カバー部材付きスパウト - Google Patents

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Abstract

【課題】封止体が弱化部を介して流路を封止することで内容物の衛生状態を維持しつつ、開封後の封止体をより確実に流路から取り除くことが可能な構造の注出ポートを提供する。【解決手段】本発明のカバー部材を備えたスパウトでは、筒部と前記筒部の基端側に設けられて容器本体と融着される溶着部とを備えるスパウトと、前記筒部の外周面を覆うカバー部材と、からなるカバー部材付きスパウトであって、前記筒部の内周面には弱化部を介して折り取り可能な閉塞体が一体形成され、前記弱化部は、前記筒部の内周面との第1接続部位と、前記閉塞体の側面との第2接続部位と、が軸方向に対して交差する方向に沿って並ぶように配置され、前記弱化部のうち前記軸方向の下側における外周径は、前記軸方向の上側における内周径以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックフィルムやアルミ箔などから形成された袋状容器や紙製容器に溶着されて内容物の注出路として機能するスパウトと、該スパウトに装着されるカバー部材と、を備えたカバー部材付きスパウトに関する。
容器に保存された内容物を注出する注出ポートとして用いられるスパウトは、例えば特許文献1に例示されるとおり、全体として両端開口の筒状形状を有するものであり、円筒状本体と、該円筒状本体の下部に一体に連なった容器接合用筒とから形成されており、円筒状本体と容器接合用筒の内部空間は、容器内容液を注ぎ出す際の貫通路となっている。この容器接合用筒には容器(パウチ)の開口部がヒートシールによって接合固定され、円筒状本体にはキャップが被せられて着脱自在に装着されて上記した注出ポートとして使用される。
このように注出ポートとして機能するスパウトは、容器に保存された種々の液体材料の注出に寄与している。ここで、何らかの原因によって口から栄養を摂取することが困難になった場合、いわゆる経腸栄養による摂取が行われている。より具体的な経腸栄養の態様として、患者に投与される栄養剤を含む内容物を予めパウチに充填した吊り下げ式のRTH(Ready To Hang)製剤が広く用いられている。
このようなRTH製剤では、内容物を注出するためのスパウトがパウチに溶着されていることが多い。そして患者へ内容物を投与する際には、投与する直前にスパウトの先端を開封し、この開封されたスパウトに対して、その一端が患者の体内に挿入されるカテーテルの他端側に接続されたコネクタを接続することで、患者に対して栄養剤を含む内容物を投与することが行われている。
また、従来、このようなRTH製剤の用途においては、例えば特許文献2に例示されるとおり、パウチに溶着されるスパウトにオスコネクタ部を形成し、カテーテルに取り付けられるコネクタにメスコネクタ部を形成するのが、一般的であった。
一方で、近年においては、経腸栄養以外の分野で使用されるコネクタとの誤接続による医療事故を防止するために、経腸栄養系の医療機器に関する国際規格ISO80369−3としてコネクタを国際標準化することが検討されている。
このISO80369−3に対応するコネクタとして特許文献3では、その図14に示されるオス部材との好適な接続を担保するため、中空円筒形状を有するメス部材と、このメス部材の基端に設けられてメス部材の内径より小さな内径を有する径小部と、環状の薄肉部を介してこの径小部に接続されてこの径小部を封止する封止体とを備えるメスコネクタが示されている。そして特許文献3によれば、メスコネクタの薄肉部を破断して封止部を取り除くことで開口状態となり、このメス部材にオス部材が挿入されて上記径小部はオス部材と連通されるように構成されることが開示されている。
特開2010−269836号公報 特開2013−60213号公報 特開2018−52537号公報
上述したとおりISO80369−3に準拠してRTH製剤を構成する場合、たしかに特許文献3によれば、流路を封止する封止体を取り除くことにより開口されてメス部材の内周面に液状物が付着しにくいメスコネクタ(注出ポート)がある程度は実現できる。
しかしながら特許文献3に示されるメスコネクタ(注出ポート)では、弱化部の破断形態によってはメス部材から封止体が分離されない可能性も否めない。
すなわち、例えば特許文献3などのように封止体を軸周りに回転させて折り取る場合、その破断面が上に向けて縮径されるように形成されるケースでは、折り取り後の封止体を流路内から引き上げることが困難になる。しかしながら特許文献3を含む従来技術では、上記した認識はなく、上記した弱化部における破断面の形状に着目した課題の提起など一切示されていない。
従って、本発明の目的の1つは、上述した課題を鑑みて、封止体が弱化部を介して流路を封止することで内容物の衛生状態を維持しつつ、開封後の封止体をより確実に流路から取り除くことが可能な構造の注出ポートを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一形態におけるカバー部材付きスパウトは、(1) 筒部と前記筒部の基端側に設けられて容器本体と融着される溶着部とを備えるスパウトと、前記筒部の外周面を覆うカバー部材と、からなるカバー部材付きスパウトであって、前記筒部の内周面には弱化部を介して折り取り可能な閉塞体が一体形成され、前記弱化部は、前記筒部の内周面との第1接続部位と、前記閉塞体の側面との第2接続部位と、が軸方向に対して交差する方向に沿って並ぶように配置され、前記弱化部のうち前記軸方向の下側における外周径は、前記軸方向の上側における内周径以下であることを特徴とする。
なお上記(1)に記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(2)前記閉塞体は、軸方向の上方に延在する円柱部と、前記円柱部の外周面から径方向に突出する一対の係合リブとを備え、前記カバー部材の内側には、前記閉塞体を挟むように前記軸方向の下方に延出する折り取り用プラグが形成され、前記折り取り用プラグは、前記円柱部が挿入可能な窪部と、前記係合リブと係合可能な当接面とを有する一対の弧状部と、を備えることが好ましい。
また、上記(2)に記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(3)前記カバー部材を開封方向にねじると、前記当接面と前記一対の係合リブとが係合することで構成される第1ねじり機構が第1の折り取り力を作用させ、前記閉塞体及び前記折り取り用プラグは、前記第1ねじり機構よりも前記軸方向の下方で且つ前記弱化部よりも前記軸方向の上方に第2の折り取り力を作用させる第2ねじり機構を有することが好ましい。
また、上記(2)又は(3)に記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(4)前記裾柱部は、平断面が前記円柱部を中心側とした半円状となるよう周方向に拡張されてなり、前記折り取り用プラグは、前記弧状部の底面から突出するように設けられて前記裾柱部の間に挿入可能な突起部をさらに備え、前記弧状部の底面より下方側に、前記裾柱部の外周面の少なくとも一部を抱え込むように、前記周方向に沿って延在するウイング壁が形成されてなることが好ましい。
また、上記(2)〜(4)のいずれかに記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(5)前記一対の係合リブは、前記円柱部と共に前記閉塞体の底面部から前記軸方向の上方に沿って延在することが好ましい。
また、上記(3)に記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(6)前記第2ねじり機構においては、前記軸方向と直交する周方向に関して前記第1ねじり機構とは異なる位置で、前記折り取り用プラグが前記閉塞体に対して当接することが好ましい。
また、上記(6)のいずれかに記載のカバー部材付きスパウトにおいては、(7)前記第2ねじり機構は、前記弧状部の下端から前記軸方向の下方に突出する突起部と、前記閉塞体の下部に位置する一対の裾柱部の側面同士が対向することで形成され、前記突起部を収容して当接可能な収容溝部と、を含んでなることが好ましい。
本発明によれば、内容物の衛生状態を維持しつつ開封後の封止体をより確実に流路から取り除くことが可能なカバー部材付きスパウトを実現できる。
実施形態におけるカバー部材付きスパウトの外観図(セット時)、および部品毎に外観を示した図である。 カバー部材付きスパウトをYZ平面で切断した断面を示す半断面図である。 図2のうち破線で示したα領域を拡大した部分拡大図である。 図2におけるA−A断面の構造を示し、実施形態における第1ねじり機構の構造を説明する模式図である。 図2におけるB−B断面の構造を示し、実施形態における第2ねじり機構の構造を説明する模式図である。 カバー部材付きスパウトのうち、スパウトを上面側および底面側からそれぞれ見た模式図である。 カバー部材付きスパウトのうち、カバーを上面側および底面側からそれぞれ見た模式図である。 閉塞体の折り取りにおける第1ねじり機構と第2ねじり機構の状態をそれぞれ示す模式図である。第1実施形態における折り取り前後のカバー部材40の状態遷移を説明する模式図である。 閉塞体の折り取り前後におけるスパウトの状態遷移を説明する模式図である。 閉塞体の折り取り時における弱化部の破断面を説明する模式図である。 閉塞体の折り取り前後におけるカバーの状態遷移を説明する模式図 閉塞体の折り取り後において実施形態のスパウトがチューブと接続された状態を断面で示す模式図である。 変形例における上記α領域を拡大した部分拡大図である。 変形例における、閉塞体折り取り時の弱化部の破断面を説明する模式図である。 比較例における上記α領域を拡大した部分拡大図である。 比較例における、閉塞体折り取り時の弱化部の破断面を説明する模式図である。
以下、本発明を好適に実施するための実施形態について説明する。なお、以下の各図を用いた説明においてX、Y及びZ方向を適宜設定したが、これらは説明の便宜上の定義付けであって本発明を何ら過度に限定するものではない。
<カバー部材付きスパウト100>
図1は、実施形態におけるカバー部材付きスパウト100の外観図(セット時)、および部品毎に外観を示した図である。
本実施形態におけるカバー部材付きスパウト100は、後述する筒部10と、この筒部10の基端側10aに設けられて不図示の容器本体と融着される溶着部20と、を備えるスパウト30と、この筒部10の外周面10bを覆うカバー部材40とから構成されてなる。また同図から明らかなとおり、本実施形態のスパウト30は、基端側10aがその間に介在するように筒部10と溶着部20とが形成されている。
カバー部材付きスパウト100の材質は、特に制限はなく公知の種々の材料を適用できる。特に射出成形によってカバー部材付きスパウト100を成形可能な樹脂材料で構成されていることが好ましい。このとき、カバー部材付きスパウト100を構成するスパウト30とカバー部材40とはそれぞれ射出成形されるが、かような樹脂材料としては例えばポリプロピレン樹脂あるいはポリエチレン樹脂が好適である。
基端側10aは、Y方向に長辺が延在する楕円板がZ方向に所定の間隙を置いて2枚重なるように配置された構造となっている。そして基端側10aを構成する2枚の楕円板のうち上側楕円板の中央に筒部10が立設するように設けられ、下側楕円板の底面(上側楕円板とは反対側の面)に溶着部20が設けられる。なお基端側10aの構造は上記の例に限られず、例えば特許文献3のごとく楕円板(仕切板に相当)が1枚の構成となっていてもよい。
また、以下で詳述する構成以外については、公知のスパウト構造を種々参考にすることができる。
図2〜7も適宜参照しつつ、本実施形態のカバー部材付きスパウト100を構成するスパウト30とカバー部材40の詳細な構成について説明する。
図2、4及び5から明らかなとおり、本実施形態における筒部10は、封止体としても機能する閉塞体11を含んで構成されている。また、図2にも示すとおり、この筒部10および溶着部20の内周面にはZ方向に沿って貫通する流路FPが形成されている。また、筒部10の上端部には螺状突起17が形成されており、後述する被係合部材であるチューブTの雌ネジTsと螺合可能なように構成されている。
図2及び図6からも理解されるとおり、筒部10の流路FPを構成する内周面10cの一部には、弱化部WPを介して折り取り可能な閉塞体11が一体形成されている。なお本実施形態では、内周面10cの上方の一部に、他の部位よりも内径が小さい環状の径小部(テーパー隆起部とも称する10d)が形成されており、このテーパー隆起部10dの内周側から弱化部WP(詳細は後述)を介して閉塞体11が一体形成されている。これにより、後述するとおり、本実施形態の閉塞体11は、この弱化部WPを介して折り取り可能となっている。
また本実施形態では、閉塞体11は、その上端(+Z方向における端面)が、筒部10の上端とほぼ同じ高さとなるように形成されていてもよい。
閉塞体11は、図2〜5によって理解されるとおり、軸方向(Z方向)の上方に向けて延在する円柱部12と、この円柱部12の外周面から径方向に突出する一対の係合リブ13(係合リブ13pと係合リブ13qを含む)とを備えている。また、図2および図6などから明らかなとおり、閉塞体11は略円板状の底面部19を含んで構成され、この底面部19の底面外縁側で弱化部WPを介して筒部10の内周面10cのテーパー隆起部10dに接続されている。
弱化部WPは、本実施形態においては、周方向に沿って厚みが他部位よりも薄くなった薄肉部(本実施形態では概ね0.1mm〜0.3mm程度の厚みで規定されている)として定義される。かような薄肉部は、図3からも明らかなとおり、上面側(+Z方向側)と下面側(−Z方向側)の双方からスコア溝を入れることで形成される。このように本実施形態では、テーパー隆起部10dの最深部(内周側の端)がスコア溝となっている。
かような本実施形態の弱化部WPは、相対的に機械的強度を低下させた部位にすることで、後述する閉塞体11の折り取り時に当該弱化部WPを基点として破断可能なように構成されている。従って、弱化部WPの非破断時(未開封時)には、この閉塞体11および弱化部WPを介して容器の内部を密閉することが可能となっており、これにより内容物を適切に保存することが可能となっている。
本実施形態の円柱部12は、底面部19を基点としてZ方向上側に延びる円柱状の部材である。そして本実施形態の一対の係合リブ13p、qは、図4に示すとおり、この円柱部12を基準にそれぞれ±X方向に延びるように円柱部12の外周面から径方向に突出する。
換言すれば、一対の係合リブ13p、qは、X方向に沿って並ぶように円柱部12の外周面から径方向に突出している。
なお図2では、閉塞体11の左半分を示したが、図4(図5も同様)では理解をより容易にするために右半分も加えて示している点に留意されたい。
そして円柱部12のうち下方側(底面部19側)には、この円柱部12の外周面から径方向に突出する裾柱部14が形成されている。より具体的には、図5に示すように、本実施形態の裾柱部14は、平断面が円柱部12を中心側とした半円状となるように周方向(θz)にそれぞれ拡張されて円柱部12と一対形成されていることが好ましい。
また、図5からも理解されるとおり、裾柱部14は、円柱部12を中心にして互いの一部が対向するように一対形成されている。本実施形態では、一対の裾柱部14のうち円柱部12に対して−X側に配置されたものを裾柱部14pと称し、+X側に配置されたものを裾柱部14qと称する。
このように一対の裾柱部14p、qは、所定の間隙を有して一部同士が対向することで、円柱部12の両脇(図5では±Y側)には所定の間隙が形成される。この裾柱部14の間に形成された所定の間隙は、上記した折り取り用プラグ41の突起部44が収容可能な収容溝部として機能する。なお、図5に示すとおり、本実施形態の収容溝部15aは裾柱部14の間に2つ形成され、これにより一対の収容溝部15aを構成している。
図示されるとおり、この一対の収容溝部15aは円柱部12を挟んでY方向に並ぶように対向配置されているが、これら収容溝部15aは必ずしも正対する必要はない。これによって、本実施形態の閉塞体11においては、円柱部12の底面には収容溝部15aが形成されることとなる。
なお図2、3及び5などから理解できるとおり、円柱部12の頂点(+Z方向の端部)と係合リブ13の頂点(+Z方向の端部)とは、ほぼZ方向における高さ(底面部19からの高さ)が異なっている。すなわち図3に示すように、円柱部12の頂点12tは、係合リブ13の頂点13tよりも高くなるように構成されている。
また、図3に示すように、本実施形態の折り取り用プラグ41の上部には、案内筒41gが設けられている。そして折り取り用プラグ41の挿入時には、円柱部12の上部がこの案内筒41g内に挿入される。このように円柱部12の上部が案内筒41g内に挿入されることから、本実施形態では案内筒41gの下部内面に円柱部12の外面に沿ったテーパー面41gtが形成されている。また、案内筒41gの下端面41gsと係合リブ13の上端面13tsとは互いに当接しており、カバー部材40をスパウト30に装着する際に係合リブ13の上端面13tsが案内筒41gの下端面41gsに対する受け面となっている。
しかしながら本発明はこの形態に限られず、円柱部12の頂点と係合リブ13の頂点とが互いに等しい高さを有して構成されていてもよい。
また本実施形態では、図4に示すとおり、それぞれの係合リブ13p、qが径方向に突出する突出量は、後述する弧状部43の外径よりも小さくなるように設定されている。しかしながら本発明は上記構成に限定されず、係合リブ13は、例えば弧状部43の外径とほぼ同じ長さとなるように円柱部12の外周面から径方向に突出するようにしてもよい。
また、一対の係合リブ13p、qの幅(図4におけるY方向の幅)は、円柱部12の直径(Y方向において最も大きい幅)よりも小さくなるように設定されている。しかしながら本発明は上記構成に限定されず、係合リブ13の幅は、例えば上記した円柱部12の直径とほぼ同じとなるように設定されていてもよい。
また、図2から理解されるとおり、一対の係合リブ13p、qは、円柱部12と共に閉塞体11の底面部19から軸方向(Z方向)の上方に沿って延在することが好ましい。すなわち本実施形態では、一対の係合リブ13p、qは、後述する裾柱部14の一部として存在しているとも言える。これにより、後述する第1の折り取り力f1および第2の折り取り力f2が作用するときに、弱化部WPへこれらの力が効率的に伝達されることが可能となっている。
溶着部20は、基端側10aの下側に配置される略菱形の平面視形状を有する略四角柱体である。この溶着部20の形状については特に制限はなく、例えば特許文献3を始めとした公知の溶着部の形状を採用してもよい。すなわち、容器製造時には、不図示の樹脂製や紙製シートを2枚用いてこの溶着部20を挟んだ上で、これら2枚のシートの外周端縁をヒートシール法など公知の手法によって溶着する。
かような容器は、例えば上述した患者へ経腸栄養を行う際に用いられるRTH製剤としての用途が特に好ましいが、特にその用途に制限はなく医療分野はもとより飲料分野や食品分野など広範に適用が可能である。すなわち、容器に充填される内容物としては、医薬品や飲料水のほか、ゼリー状の液体も好適に用いることができる。
カバー部材40は、図2、4、5及び7などから理解されるとおり、一対の折り取り用プラグ41を含んで構成されている。より詳細には、図示するとおり、カバー部材40の内周面40bには、上記した閉塞体11(円柱部12など)を挟むように軸方向(Z方向)の下方に延出する一対の折り取り用プラグ41が形成されている。
なお、カバー部材40の外周面40aには、一対の摘み部46が±Y方向に延びるように形成されている。また、摘み部46はY方向に延びるように一対だけ設けられているが、この例に限られず、±Y方向および±X方向にそれぞれ延びるように外周面40aから4つの摘み部46が形成されていてもよい。
折り取り用プラグ41は、図4〜7などにも示すとおり、上記した円柱部12が挿入(本実施形態では嵌合)可能な窪部42と、上記した係合リブ13と係合可能な当接面43aとを有する一対の弧状部43p、qと、この弧状部43下(−Z方向)に形成される突起部44と、を含んで構成されていることが好ましい。
なお図示されるとおり、本実施形態の折り取り用プラグ41は、カバー部材40の頂部40cの内側からZ方向下方に向けて垂下するように設けられている。
また、図4及び図5から理解されるとおり、本実施形態では、一対の弧状部43p、qおよび一対の突起部44p、qの外周面の少なくとも一方に、軸方向(Z方向)に延びるように1又は複数の補強リブ48が形成されていてもよい。これにより折り取り用プラグ41の剛性が強化されて、例えば閉塞体11の折り取り時などに、周方向や径方向などに折り取り用プラグ41が意図せず撓んでしまうことを抑制できる。また、本実施形態における補強リブ48は、軸方向に延びるように形成されているが、この形態に限られず周方向に沿って延びるように形成されていてもよいし、軸方向および周方向に延びて十字状の形状を呈していてもよい。
折り取り用プラグ41は、カバー部材40がスパウト30に装着された状態において、後述する折り取り用プラグ41の突起部44が閉塞体11に設けられた収容溝部15aに収容可能な程度のZ方向高さを有して構成されている。換言すれば、本実施形態の折り取り用プラグ41は、上記した収容溝部15aに挿入可能な突起部44を備えている。上述のとおり本実施形態では、上記した閉塞体11(円柱部12など)を挟持可能なように一対設けられていることから、本実施形態の突起部44は、この一対の折り取り用プラグ41の底面側からそれぞれ突出するように一対形成されることが好ましい(図4及び図5を併せて参照のこと)。
また、図5及び図7から理解されるとおり、本実施形態の折り取り用プラグ41では、上記した突起部44の側方には、閉塞体11における側面の少なくとも一部(本例では裾柱部14の端部付近)を覆うように周方向(軸周りθz方向)に沿って延在するウイング壁47が形成されている。そして図4と図5を併せて参照すれば明らかなとおり、本実施形態の折り取り用プラグ41におけるウイング壁47は、前記した突起部44の側面と接続されて(連続して)当該側面を起点に周方向(θz)へ延在することが好ましい。
また、本実施形態のウイング壁47は、図3〜図5から理解されるとおり、上記した弧状部43の底面と接続されて当該底面を起点に軸方向の下方(図2における−Z方向)へ延在することが好ましい。換言すれば、このウイング壁47は、弧状部43からも軸方向に連続して当該弧状部43から下方へ延在することができる。
このように本実施形態のウイング壁47は、上記した弧状部43の底面および突起部44の側面の双方と連続するように配設されていることが好ましい。これより、後述する閉塞体11の折り取り時にウイング壁47が裾柱部14の少なくとも一部を包囲でき、例えば閉塞体11が意図せず落下することが抑制されてカバー部材40によって閉塞体11をより安全に保持することができる。
なお、図3に示すとおり、本実施形態におけるウイング壁47の軸方向(Z方向)における高さh1は、突起部44の軸方向における高さh2以下に設定されている。これにより折り取り用プラグ41を筒部10の内部へ挿入する際によりスムーズに挿入できる。しかしながら本発明は、上記形態に限定されず、例えばウイング壁47の高さh1は、突起部44の高さh2を超える形態であってもよい。
また、図5に示すように、本実施形態におけるウイング壁47は、それぞれの突起部44から周方向の両側(±θz方向)に沿って鶴翼するよう延在するように設けられている。換言すれば、本実施形態では、突起部44の周方向における両側に、それぞれウイング壁47が形成されていることが好ましい。これにより、閉塞体11の折り取り時における開栓方向がいずれの方向であってもウイング壁47が裾柱部14の外周の一部を抱え込むことが可能となる。しかしながら本発明は、上記形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、突起部44の周方向における少なくとも一方の側にウイング壁47が形成されていてもよい。
なお図2及び図3などから明らかなとおり、折り取り用プラグ41の外周面と筒部10の内周面10cとの間には、閉塞体11が離脱した後でリシールができないように所定の間隙が形成されている。
ここで図3を参照しつつ本実施形態における閉塞体11と折り取り用プラグ41との嵌合関係について説明する。
すなわち同図に示すとおり、本実施形態のカバー部材付きスパウト100は、閉塞体11に形成された第1アンダーカット部12aと、この第1アンダーカット部12aに対応するように折り取り用プラグ41に形成された第2アンダーカット部42aを有することが主とした特徴となっている。
第1アンダーカット部12aは、図3から理解されるとおり、折り取り後に閉塞体11をカバー部材40の内側に留置するために、例えば円柱部12において径方向外方に突出するように形成されている。なお第1アンダーカット部12aの設置高さについては、後述する第2アンダーカット部42aが乗り越え可能であれば特に制限はないが、カバー装着時に円柱部12が窪部42と対向する位置であることが必要である。
一方で第2アンダーカット部42aは、同図から理解されるとおり、カバー部材40が筒部10に装着されるときに第1アンダーカット部12aを乗り越え可能なように、例えば窪部42において径方向内方に突出するように形成されている。
したがってカバー部材40が筒部10に装着された後は、これら第1アンダーカット部12aと第2アンダーカット部42aが干渉することで窪部42内に閉塞体11が残留しやすくなる。これにより、上記のとおり開封時に弱化部WPが破断した後は、より効果的にカバー部材40とともに閉塞体11が筒部10から離脱することが可能となる。
また図2に示すとおり、筒部10の外周面10bとカバー部材40の内周面40bとの間には、カバー部材40の装着後におけるガタつきを抑制するガタつき抑制リブ18が設けられている。本実施形態では、筒部10の外周面10bにガタつき抑制リブ18を形成したが、この形態に限られずカバー部材40の内周面40bにガタつき抑制リブ18を形成するようにしてもよい。
図4に示すように、本実施形態では、折り取り用プラグ41の高さ方向に沿って上記した円柱部12を挟むように一対の窪部42が対向して配置されている。そして本実施形態では一対の窪部42によって円柱部12が挟まれるように嵌合されるため、対向する一対の窪部42間の距離(図4におけるY方向の距離)は、円柱部12の直径(図4における対応したY方向の距離)よりも小さくなるように設定されている。
このように本実施形態では、一対の窪部42内に円柱部12が挿入可能となっており、カバー部材40がスパウト30に装着された際(以下、かような状態を「カバー装着時」とも称する)に嵌合されることで互いに密着される。なお、本実施形態では一対の窪部42と円柱部12とが嵌合される形態を例示したが、上記した突起部44が収容溝部15a内に収容されれば必ずしもこれらは嵌合されず互いに接触する程度であってもよい。なお本実施形態では、円柱部12と窪部42とは、Z方向に沿って折り取り用プラグ41の下端から上端まで嵌合可能とされている。これにより、閉塞体11がカバー部材40に対して比較的強固に密着される形となり、閉塞体11の折り取り後で当該閉塞体11が筒部10内に残留せずにカバー部材40と共に離脱することが可能となっている。
一対の弧状部43p、qは、図4に示すとおり、それぞれ左半円状および右半円状となるよう原点を中心に弧状となった部材である。それぞれの弧状部43における内側面の側(原点側の側面)には上記した窪部42が形成されている。
一対の突起部44p、qは、一対の弧状部43p、qの下端面(図2では折り取り用プラグ41の下端部)のうち中央部分からそれぞれ下方に突出するように設けられている(図4及び図5をあわせて参照)。この突起部44のZ方向における突起量は、収容溝部15a内に収まる範囲内において特に制限はないが、収容溝部15aの深さ(Z方向における大きさ)よりも若干小さい程度が望ましい。
なお図示からも分かるとおり、一対の突起部44p、qの内面は、窪部42の内面に沿って形成されており、本実施形態では突起部44の側面と円柱部12の側面とは所定の間隙が形成されている。これにより、折り取り用プラグ41を筒部10内によりスムーズに挿入可能となっている。なお本実施形態では突起部44の側面と円柱部12の側面との間に上記間隙を形成したが、この形態に限られず図4の場合と同様に一対の突起部44p、qが円柱部12の下端部(突起部44の側面と対向する側面)を挟むように密着していてもよい。
同様に図4及び図5から明らかなとおり、弧状部43p、qの当接面43aと一対の係合リブ13p、qの側面とは、カバー装着時にほぼ隙間が形成されずに密接するように構成されている。また、裾柱部14pの側面14a及び裾柱部14qの側面14bと、それぞれ対向する突起部44の側面44a、44bとは、カバー装着時に若干の間隙を有して対向するように配置されている。
しかしながら本発明はこの例に限定されない。すなわち、後述する第1の折り取り力f1や第2の折り取り力f2が適切に作用する限りにおいて、例えばカバー装着時に弧状部43p、qの当接面43aと一対の係合リブ13p、qの側面とが所定の間隙を有していてもよいし、裾柱部14p、qの側面14aと突起部44の側面とが密接するように構成されていてもよい。
<第1ねじり機構FTM>
次に図4及び図8を参照して、本実施形態における第1ねじり機構FTMについて詳述する。第1ねじり機構FTMは、閉塞体11における一対の係合リブ13p、qと、折り取り用プラグ41における一対の弧状部43p、qとで構成されている。
すなわち、図2におけるA−A断面で示す箇所が本実施形態の第1ねじり機構FTMに相当し、その詳細な構造は上述したとおり図4で示されている。
同図に示されるとおり、本実施形態では、閉塞体11における上端から底面部19付近までの高さ方向(Z方向)における主要部位において第1ねじり機構FTMが設けられている。一方で、後述するとおり、高さ方向(Z方向)に関して弱化部WPと第1ねじり機構FTMの間に第2ねじり機構STMが配置される。換言すれば、第1ねじり機構FTMのZ方向長さは、第2ねじり機構STMのZ方向長さよりも大きくなるよう設定されていることが好ましい。
これにより弱化部WPから相対的に離間している第1ねじり機構FTMからも弱化部WPへ適切な折り取り力を作用させることが可能となっている。
すなわちカバー部材40を開封方向(Z軸周り、θz方向とも称する)にねじると、弧状部43p、qの当接面43aと一対の係合リブ13p、qとが係合することで第1の折り取り力f1(図8(a)を参照)を作用させることが可能となる。
<第2ねじり機構STM>
次に図5及び図8を参照して、本実施形態における第2ねじり機構STMについて詳述する。第2ねじり機構FTMは、閉塞体11における下側(Z方向の下方であって円柱部12の底面)に設けられた一対の収容溝部15a(すなわち裾柱部14p、qの間に形成)と、折り取り用プラグ41の頂面(Z方向の下端)に設けられた一対の突起部44p、qとを含んで構成されている。
すなわち、図2におけるB−B断面で示す箇所が本実施形態の第2ねじり機構STMに相当し、その詳細な構造は上述したとおり図5で示されている。
本実施形態においては、閉塞体11及び折り取り用プラグ41は、上述した第1ねじり機構FTMよりも軸方向(Z方向)の下方で且つ弱化部WPよりも軸方向の上方に第2の折り取り力f2を作用させる第2ねじり機構を有するように構成されている。
また、図8などから理解されるとおり、前記した軸方向と直交する周方向(θz方向)に関して、第1ねじり機構FTMと第2ねじり機構STMは、互いに異なる位置で折り取り用プラグ41が閉塞体11に対して当接するように構成されている。より具体的に、本実施形態では、第1ねじり機構FTMにおいて一対の係合リブ13が並ぶ方向(Y方向)と、第2ねじり機構STMにおいて一対の突起部44が並ぶ方向(X方向)は、互いに直交する(十字状である)ことが望ましい。
すなわち一対の係合リブ13p、qがXY平面において並ぶ方向(図4におけるX方向)と、一対の突起部44p、qがXY平面において並ぶ方向(図5におけるY方向)は、互いに直交していると言える。
これにより、後述のとおり折り取り時に摘み部46を摘まんでカバー部材40を時計回り及び反時計回りのいずれの方向で捩じったとしても、第1ねじり機構FTMと第2ねじり機構STMが軸周りにおいて互いに異なる位置で作用することとなる。
このように本実施形態では、弱化部WPを介して閉塞体11を折り取る際に、Z方向における異なる複数の位置で折り取り力が作用する。そしてかような作用効果を得るため、具体的に本実施形態においては、裾柱部14と突起部44とが対向する互いの側面は、係合リブ13と弧状部43とが対向する互いの側面に対して、直行する方向または斜めに交差する方向に延在するように構成されている。
さらに本実施形態では、上述のとおり閉塞体11の折り取り時にウイング壁47が裾柱部14の外周の少なくとも一部(本例では上記した裾柱部14の端部付近)を抱え込むため、折り取り後の閉塞体11が意図せず落下することが抑制されてカバー部材40によって離脱後の閉塞体11をより安全に保持することができるようになっている。
なお本実施形態ではZ方向において異なる2箇所で折り取り力が作用する例を示したが、この例に限定されず3箇所以上の位置で折り取り力を作用させてもよい。このうち少なくとも1箇所は弱化部WPの近傍の位置/近接した位置に配置されることが望ましい。
さらに本実施形態では、図2〜5から容易に理解されるとおり、弱化部WPに対して近接した位置で上記した折り取り力がそれぞれ作用することになる。
ここで、容器の内容物を利用する際には、まずカバー部材40の摘み部46を摘まんで開封方向(θz方向)に回転させる。上述のとおり、この開封方向は、時計回りでもよいし、反時計回りであってもよい。
すると図9及び図11に示されるとおり、カバー部材40による回転によって折り取り時に作用する力が効率的に弱化部WPに伝達されることになり、閉塞体11が破断面P1、P2を境界にして筒部10から離脱可能となる。これにより、本実施形態においては、閉塞体11が意図せず捩れてしまうことなどが防止され、折り取り時に弱化部WPが破断不能となってしまうことを回避することができる。
すなわち図9に示すとおり、折り取り前のスパウト30における筒部10の内部には閉塞体11が弱化部WPを介して接続されていたが、折り取り後でカバー部材40を離脱させた後は破断面P2を残して閉塞体11は除去され開孔が形成された状態となる。
一方で図11に示すとおり、折り取り前のカバー部材40の内部には閉塞体11は筒部10内で弱化部WPを介して接続されていたが、折り取り後の折り取り前のカバー部材40の内部には破断面P1を有する閉塞体11が残留することになる。
<弱化部WPにおける破断形態の制御>
ここで、図3及び図10を参照しつつ、閉塞体11の折り取り時における弱化部WPの破断面の状態について詳述する。まず図3から明らかなとおり、本実施形態における弱化部WPは、筒部10の内周面10cとの第1接続部位(u1、d1)と、閉塞体11の側面との第2接続部位(u2、d2)と、が軸(Z)方向に対して交差する方向に沿って並ぶように配置されていることに特徴がある。換言すれば、本実施形態の弱化部WPは、(a)閉塞体11の側面から径方向(水平方向)に延在して筒部10の内周面10cと接続され、(b)上面uと下面dとで構成されている。
よって図示したとおり、弱化部WPのうち筒部10の内周面10cとの第1接続部位は、弱化部WPの外周側を構成し、上面側接続部位u1と下面側接続部位d1とを有している。また、弱化部WPのうち閉塞体11の側面との第2接続部位は、弱化部WPの内周側を構成し、上面側接続部位u2と下面側接続部位d2とを有している。
そして図3から理解されるとおり、本実施形態においてはさらに、弱化部WPのうち軸方向(Z方向)の下側における外周径Dd1(中心軸Oから下面側接続部位d1までの距離)は、この軸方向の上側における内周径Du2(中心軸Oから上面側接続部位u2までの距離)以下となるように設定されていることが好ましい。なお本実施形態では、図3のとおり外周径Dd1≒内周径Du2(上面側接続部位u2のほぼ鉛直真下に下面側接続部位d1が位置する状態)となって図示されているが、この形態に限られず、外周径Dd1が内周径Du2を超えずに内周径Du2よりも小さくなっていてもよい。
これにより、図10に示されるとおり、閉塞体11を軸周りに回転させて折り取った際に、その破断面P1及びP2が上に向けて拡径され又は鉛直に沿うように形成されることになる。すると、折り取り後の閉塞体11がカバー部材40によって引き上げられるときに、破断面P1と破断面P2が互いに干渉せず離間される。これにより、開封後の封止体(閉塞体11)をより確実に流路FPから取り除くことが可能となる。
これに対し、弱化部WPのうち軸方向の下側における外周径Dd1が上側における内周径Du2よりも大きい場合の比較例を図15に示す。このように外周径Dd1が内周径Du2よりも大きい場合、図16に示すように、閉塞体11の折り取り時に破断面P1及びP2が上に向けて縮径(下に向けて拡径)されるように形成される可能性がある。
すると比較例のごとき構造においては、折り取り後の閉塞体11がカバー部材40によって引き上げられるときに、破断面P1と破断面P2が互いに干渉してしまうことになる。これにより、開封後の封止体(閉塞体11)を引き上げる際に破断面でブレーキがかかってしまい流路FPから閉塞体11を取り除くことが困難となる。
翻って本実施形態では閉塞体11を容易に流路FPから取り除けることから、よりスムーズに容器内の内容物を筒部10の先端から注出することが可能となる。すなわち図12に示すとおり、例えば容器をRTH製剤として利用する場合には、ISO80369−3に準拠した患者側のチューブTが筒部10の先端に係合される。このとき筒部10の上端部には螺状突起17が形成されており、当該螺状突起17がチューブTの雌ネジTsと螺合される。
これにより、チューブTのオスコネクタ部Taと筒部10上端側の内周面とが密着し、スパウト30の流路FPとチューブTの流路Tfとが連通して容器内の内容物を漏れなく患者側へ注出することが可能となっている。
なお本実施形態では、図12に示すように、チューブTのオスコネクタ部Taの下端よりも下方側にテーパー隆起部10dが形成されているため、弱化部WPの破断後に筒部10の内周面側に残存する破断面P2が、オスコネクタ部Taと接触するおそれがなく、オスコネクタ部Taの挿入を阻害することを回避できる。これにより、筒部10上端側の内周面10cとオスコネクタ部Taの外周面とを良好に密着させることができ、更なるシール性の向上を図ることができる。
以上説明した本実施形態のカバー部材付きスパウト100によれば、容器に保存された内容物の衛生状態を維持しつつ第1ねじり機構FTM及び第2ねじり機構STMを用いて最適な開封性を実現するだけに留まらず、折り取り用プラグ41に設けられたウイング壁47によって開封後における部品の離散(折り取り後の閉塞体11の離散)を抑制することが可能となっている。
なお上記した各実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
以下、図13及び図14を参照しつつ、変形例における弱化部WPと筒部10の内周面10cとの接続構造について説明する。
上記した実施形態では、図3などから明らかなとおり、弱化部WPの軸方向の上下共にテーパー隆起部10dが設けられており、上面側のテーパー隆起部10dと下面側のテーパー隆起部10dの端部においてスコア溝が形成されて薄肉部(弱化部WP)が形成されていた。
これに対して本変形例では、図13に示すとおり、上面側のテーパー隆起部10dは省略されており、弱化部WPの上面(上面側接続部位であるu1とu2の間)が径方向に沿って幅広となっている。すなわち、本変形例における弱化部WPは、実施形態と同様に周方向に沿って厚みが他部位よりも薄くなった薄肉部(概ね0.1mm〜0.3mm程度の厚み)であるが、図13から明らかなとおり下面側(−Z方向側)のみからスコア溝を入れることで当該薄肉部が形成されている。
そして本変形例においても、外周径Dd1(中心軸Oから下面側接続部位d1までの距離)は、この軸方向の上側における内周径Du2(中心軸Oから上面側接続部位u2までの距離)以下となるように設定されている。
したがって本変形例においても、図14に示すように、閉塞体11を軸周りに回転させて折り取った際に、その破断面P1及びP2が鉛直又は上に向けて拡径されるように形成されることになる。すると、上記した実施形態と同様に、折り取り後の閉塞体11がカバー部材40によって引き上げられるときに、破断面P1と破断面P2が互いに干渉せず離間されることになる。
なお、上記した実施形態や変形例では、スパウト30とカバー部材40の材質を同一としてポリプロピレン樹脂を用いたが、これらの材質を異ならせてもよい。例えばカバー部材40の材質をスパウト30よりも硬い材料(例えばスパウト30がポリエチレン樹脂であればカバー部材40をポリプロピレン樹脂とする等)としてもよい。
また、上記実施形態や変形例では、口径が小さく規定されたISO80369−3に対応する注出ポートに最適であるが、この規格に必ずしも適合した注出ポートでなくともよく、通常のスパウトなど種々の注出ポートとしても適用が可能である。
また、ガタつき抑制リブ18は、筒部10の外周面10b又はカバー部材40の内周面40bの全周(Z軸周り)にわたって形成してもよいし、断続した複数個所(2つなど)のように全周の少なくとも一部で形成される形態であってもよい。
また、開封の容易性などの観点から、折り取り用プラグ41と閉塞体11(円柱部12、一対の係合リブ13および裾柱部14)とは、互いの機械的強度がほぼ等しいことが好ましい。しかしながら本発明はこの形態に限られず、閉塞体11又は折り取り用プラグ41が意図せず捩れたりして弱化部WPの破断を阻害しない範囲において、互いの材質を異ならせてもよい。
また、上記各実施形態や変形例では、スパウト30とカバー部材40とは分離可能な態様で説明したが、この形態に限られず、これらが折り取り時に容易に破断可能な破断部などを介して初期状態(例えば商品出荷時など)は一体として構成されていてもよい。
また、上記した実施形態や変形例では、ウイング壁47の周方向端部(先端側)は、基端部(突起部44の側)に比してほぼ同じ厚みとなっていたが(図5参照)、例えばウイング壁47の周方向端部(先端側)は先細りのテーパー状となっていてもよい。
また、上記した実施形態や変形例では、突起部44から周方向の両側に沿って鶴翼するウイング壁47の両端で形成される角度(円柱部12の中心と、ウイング壁47pの先端及びウイング壁47pの先端で形成される角度)は概ね120°とした。しかしながら本発明はこの形態に限られず、上記した周方向端部が干渉しない限りにおいてウイング壁47が周方向に沿って延びる長さを適宜調整してもよい。
上記した実施形態や変形例は一例であって、本願の趣旨を逸脱しない限りにおいて、各実施形態および変形例を適宜組み合わせて新たなカバー部材付きスパウトを構成してもよい。また、上記した実施形態は各図に示されていない任意の部材を備えていてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各図に示された部材を変更し又は省略してもよい。
本発明の利用分野は、制限はなく、液状物を取り扱う任意の分野、例えば、医療、食品、化学等において広範囲に利用することができる。中でも、医療分野、特に注出ポートを用いた経腸栄養において好ましく利用できる。
10:筒部
20:溶着部
30:スパウト
40:カバー部材
WP:弱化部
WP1、WP2:破断面
FTM:第1ねじり機構
STM:第2ねじり機構
100、200、300:カバー部材付きスパウト

Claims (7)

  1. 筒部と前記筒部の基端側に設けられて容器本体と融着される溶着部とを備えるスパウトと、前記筒部の外周面を覆うカバー部材と、からなるカバー部材付きスパウトであって、
    前記筒部の内周面には弱化部を介して折り取り可能な閉塞体が一体形成され、
    前記弱化部は、
    前記筒部の内周面との第1接続部位と、前記閉塞体の側面との第2接続部位と、が軸方向に対して交差する方向に沿って並ぶように配置され、
    前記弱化部のうち前記軸方向の下側における外周径は、前記軸方向の上側における内周径以下である、
    ことを特徴とするカバー部材付きスパウト。
  2. 前記閉塞体は、軸方向の上方に延在する円柱部と、前記円柱部の外周面から径方向に突出する一対の係合リブとを備え、
    前記カバー部材の内側には、前記閉塞体を挟むように前記軸方向の下方に延出する折り取り用プラグが形成され、
    前記折り取り用プラグは、前記円柱部が挿入可能な窪部と、前記係合リブと係合可能な当接面とを有する一対の弧状部と、を備える、請求項1に記載のカバー部材付きスパウト。
  3. 前記カバー部材を開封方向にねじると、前記当接面と前記一対の係合リブとが係合することで構成される第1ねじり機構が第1の折り取り力を作用させ、
    前記閉塞体及び前記折り取り用プラグは、前記第1ねじり機構よりも前記軸方向の下方で且つ前記弱化部よりも前記軸方向の上方に第2の折り取り力を作用させる第2ねじり機構を有する、請求項2に記載のカバー部材付きスパウト。
  4. 前記裾柱部は、平断面が前記円柱部を中心側とした半円状となるよう周方向に拡張されてなり、
    前記折り取り用プラグは、前記弧状部の底面から突出するように設けられて前記裾柱部の間に挿入可能な突起部をさらに備え、
    前記弧状部の底面より下方側に、前記裾柱部の外周面の少なくとも一部を抱え込むように、前記周方向に沿って延在するウイング壁が形成されてなる、請求項2又は3に記載のカバー部材付きスパウト。
  5. 前記一対の係合リブは、前記円柱部と共に前記閉塞体の底面部から前記軸方向の上方に沿って延在する、請求項2〜4のいずれか一項に記載のカバー部材付きスパウト。
  6. 前記第2ねじり機構においては、前記軸方向と直交する周方向に関して前記第1ねじり機構とは異なる位置で、前記折り取り用プラグが前記閉塞体に対して当接する、請求項3に記載のカバー部材付きスパウト。
  7. 前記第2ねじり機構は、
    前記弧状部の下端から前記軸方向の下方に突出する突起部と、
    前記閉塞体の下部に位置する一対の裾柱部の側面同士が対向することで形成され、前記突起部を収容して当接可能な収容溝部と、
    を含んでなる、請求項6に記載のカバー部材付きスパウト。
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