JP2021137896A - 工作機械、及びワーク支持方法 - Google Patents

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研一 冨田
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Abstract

【課題】長尺のワークの支持剛性を高めつつ、ワークの端部周面を工具により加工する。【解決手段】第1主軸10に備える第1チャック装置50、及び第2主軸20に備える第2チャック装置60のそれぞれは、ワークWの端部周面Waを把持する複数の爪部52、62と、爪部52、62に対して回転軸AX方向に進退可能であり、ワークWの端面Wb1、Wb2を支持可能なセンタ53、63と、爪部52、62に対してセンタ53、63を前進させるセンタ進退駆動部55、65と、を備え、制御部40は、第1チャック装置50及び第2チャック装置60の一方において、センタ進退駆動部55、65によりセンタ53、63を前進させる際、そのセンタ53、63がワークWを回転軸AX方向に所定範囲の力で押圧しつつ第1主軸10及び第2主軸20の1つ又は双方を回転軸AX方向に後退させるように移動装置67を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械、及びワーク支持方法に関する。
工作機械として、長尺のワークを保持し、工具によりワークを加工する対向2軸旋盤が知られている(例えば、特許文献1参照)。対向2軸旋盤は、回転軸上において第1主軸(主軸)と第2主軸(対向主軸)とが配置されている。これら第1主軸及び第2主軸のそれぞれは、ワークの端部周面を複数の爪部により保持するチャック装置を備えている。第1主軸のチャック装置と第2主軸のチャック装置とは、回転軸上において対向して配置されている。対向2軸旋盤は、これら2つのチャック装置にワークを保持させ、ワークを回転軸まわりに回転させつつ工具によりワークの加工を行っている。
特開2014−151386号公報
特許文献1に記載の対向2軸旋盤では、長尺のワークの端面にドライブピンを当接させることによりワークを支持している。ワークの加工時には、工具によりワークに対して回転軸と交差する方向に力がかかることから、ワークの支持剛性を高めることが望まれている。また、ワークの端部周面を複数の爪部により把持することでワークの支持剛性を高めることが可能であるが、ワークの端部周面を把持している爪部と工具とが干渉するため、ワークの端部周面を加工することができないといった課題がある。
本発明は、長尺のワークの支持剛性を高めつつ、ワークの端部周面を工具により加工することが可能な工作機械、及びワーク支持方法を提供することを目的とする。
本発明の態様に係る工作機械は、回転軸まわりに回転駆動する第1主軸と、第1主軸に設けられ、長尺のワークの一方の端部を支持する第1チャック装置と、回転軸上に配置され、第1主軸と同期して回転駆動する第2主軸と、第2主軸に設けられ、ワークの他方の端部を支持する第2チャック装置と、第1チャック装置及び第2チャック装置に保持されて回転するワークを加工する工具と、第1主軸と第2主軸とを回転軸方向に相対的に進退させる移動装置と、移動装置を制御する制御部と、を備える工作機械であって、第1チャック装置及び第2チャック装置のそれぞれは、ワークの端部周面を把持する複数の爪部と、爪部に対して回転軸方向に進退可能であり、ワークの端面を支持可能なセンタと、爪部に対してセンタを前進させる進退駆動部と、を備え、制御部は、第1チャック装置及び第2チャック装置の一方において、進退駆動部によりセンタを前進させる際、そのセンタがワークを回転軸方向に所定範囲の力で押圧しつつ第1主軸及び第2主軸の1つ又は双方を回転軸方向に後退させるように移動装置を制御する。
また、第1主軸及び第2主軸の一方が固定され、他方が回転軸方向に進退可能であってもよい。また、移動装置は、回転モータを駆動源とする回転・直動変換機構を含み、制御部は、回転モータのトルクを制御することにより、センタがワークを押圧する所定範囲の力を設定してもよい。また、制御部は、センタにより支持された側のワークの端部周面を加工するように工具の移動を制御してもよい。
また、進退駆動部は、油圧装置が用いられ、制御部は、油圧装置により前進した状態のセンタに対して、第1主軸及び第2主軸の1つ又は双方を移動装置により回転軸方向に前進させ、油圧装置による駆動を止めたセンタを、ワークを介して後退させてもよい。また、第1チャック装置及び第2チャック装置は、油圧装置によるセンタの前進位置を規定する突き当り部を備えてもよい。また、ワークの中間部における周面に接触可能に配置され、ワークの回転軸方向と直交する方向における振れを規制する振れ止め部をさらに備えてもよい。
また、本発明の態様に係るワーク支持方法は、回転駆動する第1主軸と、第1主軸に設けられ、長尺のワークの一方の端部を支持する第1チャック装置と、第1主軸の回転軸に沿って対向して配置され、第1主軸と同期して回転駆動する第2主軸と、第2主軸に設けられ、ワークの他方の端部を支持する第2チャック装置と、第1チャック装置及び第2チャック装置に保持されて回転するワークを加工する工具と、第1主軸と第2主軸とを回転軸方向に相対的に進退させる移動装置と、を備える工作機械においてワークを支持する方法であって、第1チャック装置及び第2チャック装置のそれぞれは、ワークの端部周面を把持する複数の爪部と、爪部に対して回転軸方向に進退可能であり、ワークの端面を支持可能なセンタと、爪部に対してセンタを前進させる進退駆動部と、を備えており、第1チャック装置及び第2チャック装置の一方において、進退駆動部によりセンタを前進させることと、前進するセンタがワークを回転軸方向に所定範囲の力で押圧しつつ第1主軸及び第2主軸の1つ又は双方を回転軸方向に後退させることと、を含む。
上記した態様に係る工作機械、及びワーク支持方法によれば、進退駆動部によりセンタを前進させる際、センタがワークを回転軸方向に所定範囲の力で押圧するように、制御部により移動装置が制御される。その結果、ワークを回転軸方向に支持する力を所定範囲に保ちながら、第1主軸及び第2主軸の1つ又は双方が回転軸方向に後退し、前進するセンタがワークの端面から外れることを防止することができる。従って、長尺のワークを確実に保持しつつ、ワークの端部周面を工具により精度よく加工することができる。
また、第1主軸及び第2主軸の一方が固定され、他方が回転軸方向に進退可能である構成では、第1主軸及び第2主軸のいずれか一方が固定されることにより工作機械の構成の簡略化、及び制御の簡略化を図ることができる。また、移動装置が、回転モータを駆動源とする回転・直動変換機構を含み、制御部が、回転モータのトルクを制御することにより、センタがワークを押圧する所定範囲の力を設定する構成では、回転モータのトルク制御により、センタがワークを押圧する所定範囲の力を容易に設定できる。また、制御部が、センタにより支持された側のワークの端部周面を加工するように工具の移動を制御する構成では、爪部により把持されていたワークの端部周面を工具により容易に加工させることができる。
また、進退駆動部に油圧装置が用いられ、制御部が、油圧装置により前進した状態のセンタに対して、第1主軸及び第2主軸の1つ又は双方を移動装置により回転軸方向に前進させ、油圧装置による駆動を止めたセンタを、ワークを介して後退させる構成では、油圧装置による圧力を抜いた後にワークを介してセンタを押して後退させるので、ワークに対して所定範囲の力を維持しながらセンタを容易に後退させることができる。また、第1チャック装置及び第2チャック装置が、油圧装置によるセンタの前進位置を規定する突き当り部を備える構成では、突き当り部によりセンタの前進位置を確実に位置決めすることができる。また、ワークの中間部における周面に接触可能に配置され、ワークの回転軸方向と直交する方向における振れを規制する振れ止め部をさらに備える構成では、振れ止め部により加工時における振れを規制するので、加工時において長尺のワークを安定して保持できる。
実施形態に係る工作機械の一例を示す図である。 第1チャック装置の爪部でワークの端部周面を把持した状態を示す図である。 第1チャック装置の爪部によるワークの端部周面の把持を解放した状態を示す図である。 第1チャック装置のセンタでワークの端面を支持した状態を示す図である。 実施形態に係るワーク支持方法の一例を示すフローチャートである。 第1チャック装置のセンタがワークを押している状態を示す図である。 第1主軸側のワークの端部周面を加工する場合の一例を示す図である。 第2チャック装置のセンタがワークを押している状態を示す図である。 第2主軸側のワークの端部周面を加工する場合の一例を示す図である。 ワークの他の例を加工する場合の一例を示す図である。 振れ止め機構の一例を回転軸方向から見た図である。 振れ止め機構を回転軸方向と直交する方向から見た図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する内容に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。以下の各図においては、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系は、回転軸AXに沿う方向をZ方向と表記し、Z方向に直交しかつ工具TによるワークWへの切り込み量を規定する方向をX方向と表記する。Z方向及びX方向の双方に直交する方向をY方向と表記する。また、X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が−方向であるとして説明する。
図1は、実施形態に係る工作機械の一例を示す図である。図1に示す工作機械100は、対向2軸旋盤である。工作機械100は、図1に示すように、第1主軸10と、第2主軸20と、刃物台30と、制御部40とを備える。第1主軸10は、図示しない軸受けにより回転軸AXの軸まわりに回転可能に支持されている。また、第1主軸10は、図示しない回転駆動部により回転軸AXの軸まわりに回転駆動する。第2主軸20は、回転軸AX上に配置される。第2主軸20は、図示しない軸受けにより回転軸AXの軸まわりに回転可能に支持されている。また、第2主軸20は、図示しない回転駆動部により第1主軸10と同期して回転軸AXの軸まわりに回転駆動する。第1主軸10と第2主軸20との間には、長尺のワークWが保持される。なお、第1主軸10は、主軸と称される場合があり、第2主軸20は、対向主軸と称される場合がある。
刃物台30は、ワークWを加工するための工具Tを保持する。刃物台30としては、例えば、周面に複数の工具Tを保持しかつ回転可能なタレット、又は複数の工具Tを保持するくし歯状の刃物台が用いられてもよい。刃物台30が複数の工具Tを保持する場合、いずれかの工具Tが選択されて用いられる。工具Tとしては、ワークWに対して切削加工を施すバイト等の他に、ドリル、エンドミル等の回転工具が用いられる。なお、ドリル等の回転工具は、刃物台30又は工具Tの図示しないホルダに備える回転モータに接続されて用いられる。刃物台30は、刃物台駆動部31により、図示しないガイドに沿ってX方向、Y方向及びZ方向、並びにこれらを合成した方向に移動可能である。刃物台30を移動させることにより、ワークWの所望の部分を工具Tにより加工することができる。
なお、本実施形態では工作機械100に1台の刃物台30を用いる形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、刃物台30は、工作機械100において複数(2台以上)設けられてもよい。なお、刃物台30が複数設けられる場合、各刃物台30の工具Tによって同時にワークWを加工させてもよいし、それぞれの工具Tによって順次ワークWを加工させてもよい。
制御部40は、工作機械100を統括して制御する。制御部40は、例えば、第1主軸10、第2主軸20、刃物台30における各動作を制御する。また、制御部40は、後述する第1チャック装置50及び第2チャック装置60の各動作についても制御する。なお、制御部40は、実施形態に係るワーク支持方法を実行させる。
工作機械100は、第1主軸10と第2主軸20との間に長尺のワークWを保持させ、刃物台30の工具TによりワークWを加工する。第1主軸10は、ワークWを保持するための第1チャック装置50を有する。図2から図4は、第1チャック装置50の動作を示している。図2は、第1チャック装置50の爪部52でワークWの端部周面Wa1を把持した状態を示す図である。図3は、第1チャック装置50の爪部52によるワークWの端部周面Wa1の把持を解放した状態を示す図である。図4は、第1チャック装置50のセンタ53でワークWの端面Wb1を支持した状態を示す図である。図2から図4に示すように、第1チャック装置50は、本体部51と、複数の爪部52と、センタ53と、爪部開閉駆動部54と、センタ進退駆動部55とを有する。
本体部51は、第1主軸10の一部を構成し、回転軸AXの軸まわりに回転する。本体部51は、複数の爪部52、及びセンタ53を備える。本体部51は、例えば中空状であり、側部51a及び端部51bを有する。側部51aは、回転軸AXに中心軸が一致又はほぼ一致する円筒状である。端部51bは、円板状である。本体部51は、側部51aと端部51bとが一体となって形成されている。端部51bは、外側端面51cにおいて複数の爪部52を支持する。端部51bは、回転軸AXを含む部分に、回転軸AX方向(Z方向)に貫通する円形状の開口部51dを有する。開口部51dには、後述するセンタ53が挿入される。端部51bの内側端面51eは、後述するセンタ53の回転軸AX方向への前進位置を規定する突き当り部となる。この内側端面51eにセンタ53の一部が突き当たることで、複数の爪部52に対するセンタ53の+Z方向への突出量(移動量)L1を容易に規定することができる。
本体部51は、センタ把持部56を内部に有する。センタ把持部56は、センタ53の基部53aの周面を囲む位置に設けられる。センタ把持部56は、回転軸AXに垂直な方向に移動することにより、センタ53の基部53aの周面を把持可能である。センタ把持部56がセンタ53を把持することにより、センタ53の位置を回転軸AX方向に保持することができる(図4参照)。また、センタ把持部56は、センタ53のうち爪部52よりワークWから離れた部分を把持する。この構成により、センタ把持部56が爪部52と干渉することを防止できる。センタ把持部56としては、センタ53を把持して固定することが可能な任意の構成を適用可能であり、例えば、静止型又はダイヤフラム型のコレット等が用いられる。
複数の爪部52は、回転軸AXを囲むように回転軸AXの軸まわりに複数(例えば3カ所に)配置されている。爪部52のそれぞれは、図2から図4に示すように、端部51bに備える図示しないガイドによって回転軸AXを中心とする放射方向に開閉可能である。なお、爪部52は、回転軸AX方向(Z方向)への進退が規制されている。複数の爪部52は、閉じる(回転軸AXに近づく方向に移動する)ことにより、ワークWの端部周面Wa1又はセンタ53の基部53aの周面を把持して、ワークW又はセンタ53を固定することができる(図2又は図4参照)。なお、複数の爪部52によりセンタ53を把持することにより、センタ53が回転軸AX方向からずれるのを防止できる。また、センタ53を、上記したセンタ把持部56と複数の爪部52とで固定することにより、センタ53を強固に固定することができる。
センタ53は、本体部51内に配置され、本体部51に対して回転軸AX方向に進退可能である(図3参照)。すなわち、センタ53は、複数の爪部52に対して回転軸AX方向に相対的に進退可能である。また、センタ53は、回転軸AXの軸まわりに回転する本体部51と一体となって回転する。センタ53は、基部53aと、先端部53bと、拡径部53cとを有する。センタ53は、基部53aと、先端部53bと、拡径部53cとが一体に形成されている。基部53aは、円柱状に形成されており、本体部51の開口部51dに挿入された状態となっている。ただし、基部53aは、円柱状であることに限定されず、例えば断面が楕円形、長円形、多角形の柱状であってもよい。
先端部53bは、基部53aのうちワークW側(+Z側)の端部に設けられる。先端部53bは、基部53aからワークW側を先細りとする円錐状に設けられており、ワークWの端面Wb1に押し付けて、ワークWの端面Wb1を支持可能である。先端部53bは、センタ53がセンタ把持部56又は複数の爪部52により把持されることで、その先端が回転軸AXと一致するように設けられている。また、先端部53bは、ワークWの端面Wb1に押し付けた場合、その先端が端面Wb1に食い込んだ状態となり、センタ53が端面Wb1においてずれるのを防止している。
拡径部53cは、基部53aのうちワークWとは反対側の端部、すなわち、先端部53bとは反対側の端部に設けられる。拡径部53cは、基部53aの−Z側から段状に拡径された形状を有する。拡径部53cは、本体部51の端部51bに設けられる開口部51dの内径よりも大きい外径を有している。従って、センタ53が+Z方向に前進した場合、拡径部53cが本体部51の端部51bの内側端面51eに突き当たり、センタ53の+Z方向への前進が規制される(図4参照)。また、センタ53の−Z方向への後退は、センタ53の一部(例えば、センタ53の−Z側の端面)が本体部51の一部に突き当たることにより規制されている。すなわち、センタ53は、先端部53bの+Z方向への突出量L1が規定されている。なお、センタ53が本体部51において前進する方向(第1チャック装置50では+Z方向)を、センタ前進方向と称する場合がある。
爪部開閉駆動部54は、制御部40からの指示により駆動し、複数の爪部52のそれぞれを開閉する(回転軸AXを中心とする放射方向に移動させる)。複数の爪部52を閉じることにより、爪部52がワークWの端部周面Wa1又はセンタ53の基部53aの周面を把持する。複数の爪部52で把持されることにより、ワークW又はセンタ53は、回転軸AXに治して位置決めされる。また、爪部52がワークW又はセンタ53を把持した状態から複数の爪部52を開く(回転軸AXから離れる方向に移動する)ことにより、複数の爪部52によるワークW又はセンタ53の把持を解放する。
爪部開閉駆動部54としては、複数の爪部52を開閉させることが可能な任意の構成を適用することができる。例えば、爪部開閉駆動部54は、回転モータ又は油圧シリンダ装置などの駆動源と、この駆動源の駆動力を爪部52の開閉方向に変換するリンク機構とを含む構成が適用されてもよい。
センタ進退駆動部55は、制御部40からの指示により駆動し、センタ53を回転軸AX方向(Z方向)に進退させる。センタ進退駆動部55としては、回転軸AX方向にセンタ53を進退させることが可能な任意の構成を適用することができる。例えば、センタ進退駆動部55は、油圧シリンダ装置(油圧装置)が用いられる。センタ進退駆動部55を駆動することにより、センタ53は、本体部51に対して(すなわち爪部52に対して)回転軸AX方向に相対的に進退する。センタ進退駆動部55は、爪部52とセンタ53とを回転軸AX方向に相対的に進退させる進退駆動部である。なお、センタ進退駆動部55として油圧シリンダ装置が用いられる場合、センタ53の+Z方向(センタ前進方向)への前進は油圧シリンダ装置の駆動力が用いられ、センタ53の−Z方向(センタ後退方向)への後退は、ワークWの−Z方向への移動により、ワークWに押されて移動する形態であってもよい。すなわち、センタ進退駆動部55は、センタ53を前進させる駆動力を付与するだけで、センタ53の後退には駆動力を付与しない形態であってもよい。
第2主軸20は、ワークWを保持するための第2チャック装置60を有する。第2チャック装置60は、本体部61と、爪部62と、センタ63と、爪部開閉駆動部64と、センタ進退駆動部65と、移動装置67とを有する。第2チャック装置60の爪部62、センタ63、爪部開閉駆動部64及びセンタ進退駆動部65は、上記した第1チャック装置50の爪部52、センタ53、爪部開閉駆動部54及びセンタ進退駆動部55と同様の構成である。従って、第2チャック装置60のこれら各部の説明については、第1チャック装置50の上記説明を適用することができる。
本体部61は、回転軸AX方向(Z方向)に進退可能である。本実施形態では、本体部61を案内するレール68が回転軸AX方向に2本設けられている。移動装置67は、制御部40からの指示により駆動し、本体部61を回転軸AX方向に進退させる。なお、移動装置67の詳細については後述する。
本体部61の進退により、本体部61に備える爪部62は、本体部61と一体となって回転軸AX方向に進退する。また、センタ63は、本体部61の進退により本体部61と一体となって回転軸AX方向に進退し、さらに、センタ進退駆動部65を駆動することにより、本体部61に対して回転軸AX方向(Z方向)に進退可能である。第2チャック装置60において、センタ63が前進する方向は−Z方向である。なお、図1においては図示を省略しているが、第2チャック装置60の本体部61は、センタ把持部を内部に有している。このセンタ把持部は、第1チャック装置50のセンタ把持部56と同様の構成を有している(図1参照)。
また、図1に示すように、工作機械100は、振れ止め機構70を備える。振れ止め機構70は、回転軸AX方向と直交する方向へのワークWの振れを抑制する。振れ止め機構70としては、ワークWの振れを抑制可能な任意の構成を適用することができる。なお、振れ止め機構70の詳細については後述する。また、振れ止め機構70が設けられるか否かは任意である。すなわち、工作機械100は、振れ止め機構70を備えなくてもよい。
次に、図2から図4を用いて、上記した第1チャック装置50の動作を説明する。図2では、複数の爪部52によりワークWの端部周面Wa1を把持した状態を示している。ワークWは、例えば、図示しないローダ装置等により搬送され、開いた爪部52の間に−Z側の端部を配置した後、複数の爪部52が閉じることにより−Z側の端部が支持される。このとき、センタ53の先端部53bがワークWの端面Wb1に食い込んだ状態となっている。ただし、第1チャック装置50によりワークWを把持する形態は一例であり、例えば、爪部52によりワークWを把持した場合に、センタ53の先端部53bがワークWの端面Wb1から離れた状態であってもよい。例えば、センタ53の先端部53bが外側端面51cより−Z側となるまでセンタ53を後退させ、ワークWの端面Wb1を外側端面51cに当接させた状態で爪部52によりワークWの端部周面Wa1を把持させてもよい。
このように、複数の爪部52によりワークWの端部周面Wa1を把持することで、ワークWの支持剛性を向上させることができる。また、図2に示すように、ワークWの端面Wb1にセンタ53の先端部53bが食い込んだ状態となっているため、ワークWは、爪部52とセンタ53との双方により支持されており、ワークWの支持剛性をさらに向上させている。制御部40は、第1チャック装置50によりワークWの−Z側の端部を支持し、かつ、第2チャック装置60によりワークWの+Z側の端部を支持した状態(図1に示す状態)で、第1主軸10及び第2主軸20を同期させて回転軸AXの軸まわりに回転させつつ、刃物台駆動部31により刃物台30をX方向及びZ方向に移動させ、ワークWの周面Waを工具Tにより加工させる。このとき、制御部40は、工具T及び刃物台30が爪部52に干渉しない範囲で、ワークWの周面Waのうち中間部周面Wa3(図7参照)を工具Tにより加工させる。
続いて、ワークWの端部周面Wa1を加工する場合について説明する。図5は、ワークWの端部周面Wa1を加工する場合において、実施形態に係るワーク支持方法の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、実施形態に係るワーク支持方法は、爪部52によるワークWの端部周面Wa1の把持を解放すること(ステップS1)と、第1チャック装置50及び第2チャック装置60の一方のセンタ53、63を前進させること(ステップS2)と、前進するセンタ53、63がワークWを回転軸AX方向に所定範囲の力で押圧しつつ第1主軸10及び第2主軸20の1つ又は双方を回転軸AX方向に後退させること(ステップS3)と、を含む。図3では、第1チャック装置50の爪部52によるワークWの端部周面Wa1の把持を解放した状態を示している。制御部40は、図3に示すように、爪部開閉駆動部54を駆動して、複数の爪部52を開いた状態にさせる。複数の爪部52は、ワークWの端部周面Wa1から離れ、ワークWの把持を解放する(ステップS1)。このとき、ワークWの端面Wb1にはセンタ53の先端部53bが食い込んだ状態のままとなっており、ワークWの−Z側の端部をセンタ53により支持している。
爪部52によるワークWの把持を解放した後(ステップS1の後)、制御部40は、センタ進退駆動部55を駆動して、センタ53を回転軸AX方向に沿って+X方向に前進させる(ステップS2)。センタ53は、拡径部53cが本体部51の内側端面51eに突き当たるまで(突出量L1となるまで)+X方向に前進する。図3に示すように、センタ53が突出量L1まで前進した場合、基部53aの周面を複数の爪部52により把持可能となっている。また、センタ53の+Z方向への前進に伴って、ワークWは、+Z方向に移動する。
図4では、第1チャック装置50のセンタ53でワークWの端面Wb1を支持した状態を示している。センタ53が突出量L1まで前進した後、制御部40は、爪部開閉駆動部54を駆動して、複数の爪部52を閉じた状態にさせる。センタ53は、図4に示すように、複数の爪部52により基部53aが把持される。また、制御部40は、センタ把持部56を駆動して、センタ53の拡径部53cを把持させる。センタ53は、複数の爪部52及びセンタ把持部56の2カ所で把持され、先端部53bの先端を回転軸AXに合わせた状態で固定される。センタ53の固定後、制御部40は、センタ進退駆動部55による駆動を停止させてもよい。なお、ワークWの端部周面Wa1は、センタ53が突出量L1まで前進した結果、複数の爪部52から離れて露出しており、工具Tによる加工可能な状態となっている。
上記では、第1チャック装置50の動作について説明しているが、第2チャック装置60は、第1チャック装置50と同様の構成を有しているため、第2チャック装置60の動作についても、上記した図2から図4と同様の説明を適用することができる。
次に、第1チャック装置50が図2から図4に示すように動作する場合、すなわち、ワークWの端部周面Wa1を加工する場合の工作機械100の動作について説明する。図6では、第1チャック装置50のセンタ53がワークWを押している状態を示している。制御部40は、図3に示すようなワークWの+Z方向への前進(すなわち、センタ53の前進)に合わせて、移動装置67を駆動して、第2主軸20を+Z方向に後退させる(ステップS3)。第2主軸20は、第2チャック装置60によりワークWの+Z側の端部を支持しており、ワークWを支持しながら、+Z方向に後退する。
ここで、移動装置67について説明する。移動装置67は、図6に示すように、回転モータ67aと回転・直動変換機構67bとを有する。回転モータ67aは、例えば、サーボ機構を有する電動モータ等が用いられる。回転モータ67aは、制御部40の指示により、所定のトルクを付与することが可能である。回転・直動変換機構67bは、回転モータ67aの回転方向の出力を直線方向の駆動力に変換する。回転・直動変換機構67bは、例えば、ボールねじ機構等が用いられる。なお、移動装置67としては、回転軸AX方向に本体部61を進退させることが可能な任意の構成を適用でき、例えば、リニアモータ、油圧シリンダ装置等が用いられてもよい。
制御部40は、センタ53がワークWの端面Wb1を所定範囲の力で押し付けた状態を維持するように、回転モータ67aから出力されるトルクを制御する。制御部40は、回転モータ67aのトルクを制御することにより、第2主軸20を+Z方向に後退させながら、第2チャック装置60で保持するワークWを所定範囲の力でセンタ53押し付けた状態としている。なお、所定範囲の力は、例えば、100kgfから800kgf等であり、回転・直動変換機構67bを介してこの力を付与できるように、制御部40により回転モータ67aのトルクを制御する。その結果、センタ53がワークWの端面Wb1を所定範囲の力で押し付けたまま、ワークWが+Z方向に前進するので、ワークWが移動する間に、センタ53の先端部53bがワークWの端面Wb1から外れることを防止できる。
図7は、第1主軸10側のワークWの端部周面Wa1を加工する場合の一例を示す図である。図7に示すように、センタ53が突出量L1まで前進することに合わせて、第2主軸20が+Z方向に距離L2だけ後退している。この距離L2は、センタ53の突出量L1と同一又はほぼ同一である。センタ53は、上記したように、複数の爪部52及びセンタ把持部56により、位置決めされた状態で固定されている(図4参照)。ワークWは、第1チャック装置50のセンタ53と、第2チャック装置60の爪部62とにより支持された状態で回転する。制御部40は、刃物台駆動部31を駆動して、端部周面Wa1を工具Tにより加工させる。このとき、爪部52が端部周面Wa1から離れているので、工具Tと爪部52とが干渉することを防止できる。また、図7に示す状態において、センタ53と干渉しない範囲で、工具TによりワークWの端面Wb1を加工させてもよい。
ワークWの端部周面Wa1を加工した後、制御部40は、複数の爪部52によるセンタ53の把持を解放させる。続いて、制御部40は、移動装置67を駆動して、第2主軸20を−Z方向に前進させる。センタ進退駆動部55の駆動が停止されている場合、センタ53は、第2主軸20の−Z方向への前進によりワークWに押されて−Z方向に後退する。すなわち、ワークWの端面Wb1に対して所定範囲の力でセンタ53を押し付けながら、ワークWを−Z方向に移動させることができる。なお、センタ進退駆動部55がセンタ53を−Z方向に後退させることができる場合、制御部40は、センタ進退駆動部55によるセンタ53の後退に合わせて、センタ53が後退中に所定範囲の力でワークWの端面Wb1を押し続けるように、移動装置67による第2主軸20の−Z方向への前進を制御する。
ワークWの−Z側の端部が爪部52間に配置された後、制御部40は、爪部開閉駆動部54を駆動して、複数の爪部52が閉じることによりワークWの端部周面Wa1を把持させる。この動作により、ワークWの両端が爪部52、62により把持された状態となる(図1参照)。
続いて、ワークWの端部周面Wa2を加工する場合について説明する。図8では、第2チャック装置60のセンタ63がワークWを押している状態を示している。制御部40は、爪部開閉駆動部64(図1参照)を駆動して、複数の爪部62を開いた状態にさせる。複数の爪部62は、ワークWの端部周面Wa2から離れ、ワークWの把持を解放する(ステップS1)。このとき、ワークWの端面Wb2にはセンタ63の先端部(センタ53の先端部53b参照)が食い込んだ状態のままとなっており、ワークWの+Z側の端部をセンタ63により支持している。
爪部62によるワークWの把持を解放した後、制御部40は、図8に示すように、センタ進退駆動部65を駆動して、センタ63を回転軸AX方向に沿って−X方向に前進させる(ステップS2)。また、制御部40は、センタ63の−X方向への移動に合わせて、移動装置67(回転モータ67a)を駆動して、第2主軸20を+Z方向に後退させる(ステップS3)。センタ63が−Z方向に突出量L3まで前進することに合わせて、第2主軸20が+Z方向に距離L2だけ後退する。センタ63は、第2主軸20の本体部61(図1参照)に対して−X方向に前進しており、ワークWに対する位置関係が変化せず、ワークWもZ方向に移動しない。なお、制御部40は、回転モータ67aのトルクを制御することにより、センタ63がワークWの端面Wb2を所定範囲の力で押し続けたまま、第2主軸20を+Z方向に後退させる。その結果、センタ63の先端部がワークWの端面Wb2から外れることを防止できる。
センタ63が突出量L3まで前進した後、制御部40は、爪部開閉駆動部64を駆動して、複数の爪部62を閉じることにより、複数の爪部62によりセンタ63を把持させる。また、制御部40は、本体部61に備える図示しないセンタ把持部を駆動して、センタ63を把持させる。センタ63は、複数の爪部62及びセンタ把持部の2カ所で把持され、回転軸AXに沿って固定される点は、上記したセンタ53と同様である。センタ63の固定後、制御部40は、センタ進退駆動部65による駆動を停止させてもよい。なお、ワークWの端部周面Wa2は、センタ63が突出量L3まで前進した結果(又は本体部61が距離L2を後退した結果)、複数の爪部62から離れて露出しており、工具Tによる加工可能な状態となっている。
図9は、第2主軸20側のワークWの端部周面Wa2を加工する場合の一例を示す図である。図9に示すように、センタ63が突出量L3まで前進することに合わせて、第2主軸20が+Z方向に距離L2だけ後退している。この距離L2は、センタ63の突出量L3と同一又はほぼ同一である。ワークWは、第2チャック装置60のセンタ63と、第1チャック装置50の爪部52とにより支持された状態で回転する。制御部40は、刃物台駆動部31を駆動して、端部周面Wa2を工具Tにより加工させる。このとき、爪部62が端部周面Wa2から離れているので、工具Tと爪部62とが干渉することを防止できる。また、図9に示す状態において、センタ63と干渉しない範囲で、工具TによりワークWの端面Wb2を加工させてもよい。
上記した手順により、ワークWの端部周面Wa1、Wa2を加工することができる。なお、上記では、ワークWの中間部周面Wa3を加工する際、図1に示すように、ワークWの両端を第1チャック装置50の爪部52及び第2チャック装置60の爪部62で保持した状態にすると説明したが、ワークWの一方の端部を爪部52又は爪部62で把持し、他方の端部をセンタ53又はセンタ63で支持した状態(図7、9に示す状態)で、工具TによりワークWの中間部周面Wa3を加工してもよい。この場合、ワークWの中間部周面Wa3の加工と連続して、端部周面Wa1又は端部周面Wa2の加工を行ってもよい。
図10は、ワークの他の例を加工する場合の一例を示す図である。図10に示すワークW2は、回転軸AX方向において外径が異なる周面Wa11、Wa12、Wa13、Wa14、Wa15を有している。ワークW2は、周面Wa11が最大外径であり、−Z方向に周面Wa12、Wa13、Wa14と外径が段階的に小さくなっている。周面Wa14は、−Z側の端部周面であり、周面Wa15は、+Z側の端部周面である。図10では、端部周面である周面Wa15を加工する場合について示している。ワークW2のように端部の周面Wa14の外径が小さい場合、その端部の支持剛性が低いと、ワークW2を適切に回転駆動することができない、又は、工具Tによる加工時にワークW2が第1チャック装置50から外れてしまうなどの支障が生じる場合がある。
本実施形態では、図10に示すように、第1チャック装置50の爪部52により小径の周面Wa14を把持している。さらに、ワークW2の端面Wb1にはセンタ53が食い込んだ状態となっている。その結果、ワークW2の−Z側の端部における支持剛性が高められており、ワークW2を適切に回転駆動することができ、工具Tによる加工時にワークW2が第1チャック装置50から外れることを防止できる。
図11は、振れ止め機構70の一例を回転軸AX方向(Z方向)から見た図である。図12は、振れ止め機構を回転軸AX方向と直交する方向(Y方向)から見た図である。上記したように、本実施形態では長尺のワークWの両端部を保持しつつ加工するため、加工時にワークWの中間部分が回転軸AX方向と直交する方向に振れが生じやすくなる。本実施形態では、振れ止め機構70により、ワークW2の振れを抑制できる。図11及び図12に示すように、振れ止め機構70は、基部71と、ワーク支持部72と、開閉駆動部73と、Z軸駆動部74とを有する。
基部71は、ワークW2に対して+X側に配置され、図示しないZ方向のガイドに沿ってZ方向に移動可能である。なお、刃物台30及び工具Tは、ワークW2に対して−X側に配置される。すなわち、基部71は、ワークW2に対して刃物台30及び工具Tと反対側に配置される。
ワーク支持部72は、ワークW2の周面Waを支持する。ワーク支持部72は、2本のアーム72aと、押さえ部材72bとを有する。2本アーム72aは、基部71に回転可能に支持され、基端側から先端側にかけて円弧状に湾曲して設けられている。2本のアーム72aは、開閉駆動部73により、先端側を開いた状態と、先端側を閉じた状態に回動する。押さえ部材72bは、基部71の−X側の端面と、2本のアーム72aそれぞれの先端部の内側との3カ所に設けられる。押さえ部材72bは、例えば、フリーボール、ローラ等が用いられる。押さえ部材72bがフリーボールである場合、押さえ部材72bは、アーム72a又は基部71に対して転動可能である。押さえ部材72bは、2本のアーム72aが閉じた状態で、ワークWの周面Waの周方向において3か所に当接する。なお、2本のアーム72aは、回転して開閉する構成に限定されず、例えば、Y方向にスライドすることにより開閉する構成であってもよい。
開閉駆動部73は、制御部40の指示により2本のアーム72aを開閉させる。開閉駆動部73は、例えば、回転モータが用いられる。開閉駆動部73は、基部71の外側に設けられてもよいし、基部71の内部に設けられてもよい。Z軸駆動部74は、制御部40の指示により、基部71を図示しないガイドに沿ってZ方向に移動させる。Z軸駆動部74は、例えば、回転モータ及びボールねじ機構、リニアモータ、油圧シリンダ装置等が用いられる。基部71をZ方向に移動させることにより、回転軸AX方向においてワークWの任意の位置に押さえ部材72bを配置することができる。すなわち、ワークWにおいて、振れの最も大きい個所に押さえ部材72bを配置させることで、ワークWの振れを効率よく抑制できる。
振れ止め機構70を用いる場合、制御部40は、Z軸駆動部74を駆動して、ワークWの支持対象となる位置に基部71を配置させる。基部71の配置後、制御部40は、開閉駆動部73を駆動して、2本のアーム72aを閉じさせる。その結果、押さえ部材72bは、ワークWの周面Waに当接し、ワークW2を支持した状態となる。なお、押さえ部材72bは、転動可能であるため、押さえ部材72bがワークWの周面Waに当接したまま、基部71をZ方向に移動させることができる。従って、制御部40は、工具TによりワークWを加工させる際に、工具Tが振れ止め機構70と干渉しないように、基部71を適宜Z方向に移動させるようにZ軸駆動部74を制御してもよい。また、制御部40は、振れ止め機構70を用いずに、工具TによりワークWを加工させてもよい。
本実施形態では、工作機械100が1つの振れ止め機構70を備える形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、工作機械100は、2以上の振れ止め機構70を備えてもよい。また、工作機械100において、振れ止め機構70を備えるか否かは任意である。すなわち、工作機械100は、振れ止め機構70を備えなくてもよい。
このように、実施形態に係る工作機械100及びワークWの支持方法によれば、複数の爪部52、62により長尺のワークWの端部周面Wa1、Wa2を把持するので、ワークWの支持剛性を高めることができる。また、爪部52、62に代えてセンタ53、63によりワークWの端面Wb1、Wb2を支持する場合に、爪部52、62が端部周面Wa1、Wa2から回転軸AX方向に後退するので、ワークWの端部周面Wa1、Wa2を工具Tにより加工することができる。さらに、センタ53、63を爪部52、62に対して前進させる際に、センタ53、63がワークWの端面Wb1、Wb2を所定範囲の力で押し続けたまま、第2主軸20(又は本体部61)を+Z方向に後退させる。その結果、センタ53、63がワークWの端面Wb1、Wb2から外れることを防止できる。
以上、実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に限定されない。上記した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、本実施形態において示した各処理の実行順序は、前の処理の結果を後の処理で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「まず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
また、上記した実施形態では、第1主軸10及び第2主軸20のうち、第2主軸20が回転軸AX方向に移動可能な構成を例に挙げて説明しているが、この構成に限定されない。例えば、第2主軸20が回転軸AX方向に固定されかつ第1主軸10が回転軸AX方向に進退可能な構成であってもよいし、第1主軸10及び第2主軸20の双方が回転軸AX方向に進退可能な構成であってもよい。いずれの構成でも、制御部40は、センタ53、63を爪部52、62に対して前進させる際に、センタ53、63がワークWの端面Wb1、Wb2を所定範囲の力で押し付けた状態を維持しつつ第1主軸10又は第2主軸20が後退するように移動装置67を制御する。
また、上記した実施形態では、工作機械100として対向2軸旋盤を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、工作機械100としては、対向2軸旋盤以外の旋盤であってもよいし、フライス盤、マシニングセンタ等であってもよい。
T・・・工具
W、W2・・・ワーク
AX・・・回転軸
Wa・・・周面
Wa1、Wa2・・・端部周面
Wa3・・・中間部周面
Wb・・・端面
10・・・第1主軸
20・・・第2主軸
30・・・刃物台
31・・・刃物台駆動部
40・・・制御部
50・・・第1チャック装置
51、61・・・本体部
51e・・・内側端面(突き当り部)
52、62・・・爪部
53、63・・・センタ
54、64・・・爪部開閉駆動部
55、65・・・センタ進退駆動部(進退駆動部)
56・・・センタ把持部
60、160・・・第2チャック装置
67・・・移動装置
67a・・・回転モータ
67b・・・回転・直動変換機構
70・・・振れ止め機構
100・・・工作機械

Claims (8)

  1. 回転軸まわりに回転駆動する第1主軸と、
    前記第1主軸に設けられ、長尺のワークの一方の端部を支持する第1チャック装置と、
    前記回転軸上に配置され、前記第1主軸と同期して回転駆動する第2主軸と、
    前記第2主軸に設けられ、前記ワークの他方の端部を支持する第2チャック装置と、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置に保持されて回転する前記ワークを加工する工具と、
    前記第1主軸と前記第2主軸とを前記回転軸方向に相対的に進退させる移動装置と、
    前記第1チャック装置、前記第2チャック装置、及び前記移動装置を制御する制御部と、を備える工作機械であって、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置のそれぞれは、
    前記ワークの端部周面を把持する複数の爪部と、
    前記爪部に対して前記回転軸方向に進退可能であり、前記ワークの端面を支持可能なセンタと、
    前記爪部に対して前記センタを前進させる進退駆動部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置の一方において、前記進退駆動部により前記センタを前進させる際、そのセンタが前記ワークを前記回転軸方向に所定範囲の力で押圧しつつ前記第1主軸及び前記第2主軸の1つ又は双方を前記回転軸方向に後退させるように前記移動装置を制御する、工作機械。
  2. 前記第1主軸及び前記第2主軸の一方が固定され、他方が前記回転軸方向に進退可能である、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記移動装置は、回転モータを駆動源とする回転・直動変換機構を含み、
    前記制御部は、前記回転モータのトルクを制御することにより、前記センタが前記ワークを押圧する所定範囲の力を設定する、請求項1又は請求項2に記載の工作機械。
  4. 前記制御部は、前記センタにより支持された側の前記ワークの端部周面を加工するように前記工具の移動を制御する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の工作機械。
  5. 前記進退駆動部は、油圧装置が用いられ、
    前記制御部は、前記油圧装置により前進した状態の前記センタに対して、前記第1主軸及び前記第2主軸の1つ又は双方を前記移動装置により前記回転軸方向に前進させ、前記油圧装置による駆動を止めた前記センタを、前記ワークを介して後退させる、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の工作機械。
  6. 前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置は、前記油圧装置による前記センタの前進位置を規定する突き当り部を備える、請求項5に記載の工作機械。
  7. 前記ワークの中間部における周面に接触可能に配置され、前記ワークの前記回転軸方向と直交する方向における振れを規制する振れ止め部をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の工作機械。
  8. 回転軸まわりに回転駆動する第1主軸と、
    前記第1主軸に設けられ、長尺のワークの一方の端部を支持する第1チャック装置と、
    前記回転軸上に配置され、前記第1主軸と同期して回転駆動する第2主軸と、
    前記第2主軸に設けられ、前記ワークの他方の端部を支持する第2チャック装置と、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置に保持されて回転する前記ワークを加工する工具と、
    前記第1主軸と前記第2主軸とを前記回転軸方向に相対的に進退させる移動装置と、を備える工作機械において前記ワークを支持する方法であって、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置のそれぞれは、
    前記ワークの端部周面を把持する複数の爪部と、
    前記爪部に対して前記回転軸方向に進退可能であり、前記ワークの端面を支持可能なセンタと、
    前記爪部に対して前記センタを前進させる進退駆動部と、を備えており、
    前記第1チャック装置及び前記第2チャック装置の一方において、前記進退駆動部により前記センタを前進させることと、
    前進する前記センタが前記ワークを前記回転軸方向に所定範囲の力で押圧しつつ前記第1主軸及び前記第2主軸の1つ又は双方を前記回転軸方向に後退させることと、を含む、ワーク支持方法。
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