JP2021137749A - 水処理施設の運転操作量説明変数選定装置 - Google Patents

水処理施設の運転操作量説明変数選定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】時系列で変化する系の説明変数を選定する技術を提供する。【解決手段】トレンドデータ及び水質データから、遺伝的アルゴリズムによって説明変数を生成し、生成された説明変数の組み合わせのデータを取得する説明変数選定及び説明変数データ取得部(102)と、トレンドデータ及び水質データから、推定モデルの作成に必要な運転操作量設定値のデータを取得する運転操作量データ取得部(103)と、説明変数のデータと、運転操作量のデータと、を用いて推定モデルを作成する推定モデル作成部(104)と、説明変数の組み合わせのデータと、推定モデルのパラメータと、を用いて、所定期間の運転操作量推定値を出力する運転操作量推定部(106)と、運転操作量設定値と、運転操作量推定値と、を用いて、推定精度を計算する推定精度計算部(107)と、を備える水処理施設の運転操作量説明変数選定装置(100)とする。【選択図】図2

Description

本発明は、水処理施設の運転操作量説明変数選定装置に関する。
従来、水処理施設における水質の制御は、水処理施設の様々な状況を考慮して熟練の技術を有する運転員の操作により行われており、運転員の高齢化及び当該技術の習熟に長期間を要することから、人工知能を用いた自動化の要請がある。
人工知能を用いた水質制御の自動化に際しては、水処理施設における運転操作値の予測モデルを構築し、当該予測モデルにおける説明変数の選定を要する。
従来技術の一例である特許文献1には、分析値と相関の大きい運転変数を主成分分析により選定し、選定された運転変数のうち、少なくとも1以上の運転変数と分析値との関係をニューラルネットワークで置き換え、置き換えられた運転変数以外の運転変数から、ニューラルネットワークの出力として与えられる推定値と、実測による分析値との推定誤差が最小となる運転変数の組み合わせを、遺伝的アルゴリズムに基づいて探索することにより、分析値を推定する技術が開示されている。
特開2001−273474号公報
しかしながら、上記の従来技術では、推定値と実測による分析値とは一対一であり、時系列による変化が考慮されておらず、水処理施設のように時系列で変化する系への適用が困難である、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、時系列で変化する系の説明変数を選定する技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、トレンドデータ及び水質データを蓄積するデータ蓄積部と、前記データ蓄積部に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、遺伝的アルゴリズムによって説明変数を生成し、生成された説明変数の組み合わせのデータを取得する説明変数選定及び説明変数データ取得部と、前記データ蓄積部に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、推定モデルの作成に必要な運転操作量設定値のデータを取得する運転操作量データ取得部と、前記説明変数データ取得部が取得した説明変数のデータと、前記運転操作量データ取得部が取得した運転操作量のデータと、を用いて推定モデルを作成する推定モデル作成部と、前記推定モデル作成部に作成された推定モデルのパラメータを記憶する推定モデルパラメータ記憶部と、前記説明変数データ取得部によって生成された説明変数の組み合わせのデータと、前記推定モデルパラメータ記憶部に記憶された推定モデルのパラメータと、を用いて、所定期間の運転操作量推定値を出力する運転操作量推定部と、前記運転操作量設定値と前記運転操作量推定値との誤差に応じた前記運転操作量推定値の精度である推定精度を計算する推定精度計算部と、を備える水処理施設の運転操作量説明変数選定装置である。
上記構成の本発明に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置において、前記所定期間の運転操作量推定値の時間変化のタイミングを実際の運転操作量の時間変化のタイミングに基づいて調整するアラインメント適用部を更に備えることが好ましい。
上記構成の本発明に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置において、前記推定精度計算部は、時間に伴って増加していき、現時点に近いほど大きな値となる時間変化係数を前記誤差に乗算して前記推定精度を計算することが好ましい。
本発明によれば、時系列で変化する系の説明変数を選定することができる。
図1は、実施形態1に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置を適用可能な水処理施設の構成を示す図である。 図2は、実施形態1に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、図2に示す説明変数データ取得部において用いられる、遺伝的アルゴリズムによる説明変数データの取得処理手順を示すフローチャートである。 図4は、図2に示す説明変数データ取得部における遺伝的アルゴリズムによる説明変数の選択方法の説明図である。 図5は、実施形態2に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置の構成を示すブロック図である。 図6は、実施形態2において、横軸を時間tとし、縦軸を運転操作値とした運転操作値の時間変化を示す図である。 図7は、実施形態3に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置の構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100を適用可能な水処理施設200の構成を示す図である。
図1に示す水処理施設200は、最初沈殿池1と、反応槽2と、最終沈殿池3と、送風機4と、風量調整バルブ5と、散気装置6と、第1のポンプ7と、第2のポンプ8と、計測器9と、重力濃縮槽10と、機械濃縮槽11と、消化槽12と、脱水槽13と、配管21,22,23,24とを備える。
最初沈殿池1は、原水が導入される沈殿池である。
この原水は、有機物を含む排水である。
最初沈殿池1では、原水の固液分離が行われ、最初沈殿池1からの流出水は、配管21を通して反応槽2に送られる。
最初沈殿池1に沈殿した汚泥である生汚泥は、配管24を通して重力濃縮槽10に送られる。
反応槽2は、微生物を含み、該微生物によって最初沈殿池1からの流出水を浄化する槽である。
反応槽2では、該微生物が最初沈殿池1からの流出水に含まれる有機物を資化することで増殖し、該微生物を用いた生物処理により活性汚泥が形成される。
反応槽2からの流出水は、配管22を通して最終沈殿池3に送られる。
最終沈殿池3は、反応槽2からの流出水に含まれる活性汚泥を沈殿させる沈殿池である。
最終沈殿池3の上澄みは、処理水として水処理施設200の外へ放出される。
最終沈殿池3で沈殿した汚泥の一部は、第1のポンプ7によって配管23を通して反応槽2に戻されて再利用される。
最終沈殿池3で沈殿した残りの汚泥は、余剰汚泥として第2のポンプ8によって機械濃縮槽11に送られる。
送風機4は、複数の散気装置6に空気を供給する。
風量調整バルブ5は、複数の散気装置6の各々に通した配管に設けられており、開閉により送風量を調整する。
複数の散気装置6は、反応槽2の下部に設けられており、風量調整バルブ5に通された配管に接続されて、風量調整バルブ5によって送風量が調整された空気を反応槽2内に供給する。
このように反応槽2への送風量が調整されると、反応槽2内の溶存酸素量であるDO(Dissolved Oxygen)値が調整され、生物処理の進行が調整される。
第1のポンプ7は、最終沈殿池3で沈殿した汚泥の一部を、配管23を通して反応槽2に送る返送汚泥ポンプである。
第2のポンプ8は、最終沈殿池3で沈殿した残りの汚泥を余剰汚泥として機械濃縮槽11に送る余剰汚泥引抜ポンプである。
計測器9は、反応槽2の水質を示す各パラメータを計測する計測器であり、計測したパラメータである計測値データは運転操作量説明変数選定装置100に送られる。
ここで、水質を示す各パラメータとしては、溶存酸素量であるDO値及び浮遊物質濃度であるMLSS(Mixed Liquor Suspended Solids)値を例示することができる。
水処理施設200の運転員は、計測器9によって計測された水質を示す各パラメータを参照することで制御対象の操作量を決定している。
ここで、制御対象の操作量としては、水処理施設200の最終沈殿池3からの返送汚泥量を調整する第1のポンプ7の回転数、水処理施設200の最終沈殿池3の余剰汚泥引抜量を調整する第2のポンプ8の単位時間あたりの引抜量又は余剰汚泥の引抜時間、水処理施設200の脱水槽13への高分子凝集剤の注入率を例示することができる。
重力濃縮槽10は、最初沈殿池1に沈殿した生汚泥を濃縮処理する槽である。
機械濃縮槽11は、第2のポンプ8によって最終沈殿池3から引き抜かれた余剰汚泥を濃縮処理する槽である。
重力濃縮槽10及び機械濃縮槽11において濃縮された汚泥は、消化槽12に送られる。
消化槽12は、濃縮された汚泥の消化処理を行う槽である。
ここで、消化処理は、例えば嫌気性消化処理方式によって行われるとよい。
嫌気性消化処理方式では、嫌気性微生物によって有機性の汚泥が分解される。
消化処理によって分解された汚泥は、脱水槽13に送られる。
脱水槽13は、消化処理によって分解された汚泥を脱水することで、汚泥の含水率を低下させて減容化を行う槽である。
配管21は、最初沈殿池1と反応槽2との間に配置され、最初沈殿池1からの流出水を反応槽2に送る配管である。
配管22は、反応槽2と最終沈殿池3との間に配置され、反応槽2からの流出水を最終沈殿池3に送る配管である。
配管23は、第1のポンプ7と反応槽2との間に配置され、最終沈殿池3の汚泥の一部を反応槽2に送る配管である。
配管24は、最初沈殿池1と重力濃縮槽10との間に配置され、最初沈殿池1の生汚泥を重力濃縮槽10に送る配管である。
図1に示す水処理施設200において、主な操作項目は、最初沈殿池1から反応槽2への水量である流入量、反応槽2内に供給される空気量である送風量、第1のポンプ7によって反応槽2に返送される汚泥の量である返送汚泥量、及び第2のポンプ8によって最終沈殿池3から引き抜かれる汚泥の量である余剰汚泥引抜量である。
これらの操作項目の各々は、処理場によって設定が異なる。
反応槽2の制御は、例えば、送風量一定制御、比率一定制御及びDO一定制御によって行うことが可能である。
ここで、送風量一定制御は、目標送風量値として設定された一定の送風量となるように行う制御である。
また、比率一定制御は、最初沈殿池1から反応槽2への流入量に応じた送風量となるように、すなわち流入量と送風量との比率が一定となるように行う制御である。
また、DO一定制御は、反応槽2のDO値が設定された目標DO値となるように行う制御である。
また、主な操作項目は、返送汚泥量の調整では第1のポンプ7の回転数であり、余剰汚泥引抜量の調整では単位時間あたりの引抜量又は余剰汚泥の引抜時間であり、脱水処理では高分子凝集剤の注入率である。
本実施形態に係る運転操作量説明変数選定装置100は、これらの操作項目を決める際の説明変数及び説明変数を決定するための推定精度を導出対象とする。
そして、運転員は、水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100によって導出された説明変数及び説明変数を決定するための推定精度により制御対象の操作量である運転操作量設定値を決定する。
このように運転操作量説明変数選定装置100を用いて制御対象の運転操作量設定値が決定されることで、勘、経験及びノウハウを有していない者を運転員とすることが可能となる。
図2は、本実施形態に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100の構成を示すブロック図である。
図2に示す水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100は、データ蓄積部101と、説明変数選定及び説明変数データ取得部102と、運転操作量データ取得部103と、推定モデル作成部104と、推定モデルパラメータ記憶部105と、運転操作量推定部106と、推定精度計算部107と、出力部108と、を備える。
データ蓄積部101は、計測器9により計測された計測値データを取得し、トレンドデータ及び水質データとして蓄積する。
トレンドデータとしては、流入水量、汚泥濃度、汚泥流量、送風量及び気温を例示することができる。
水質データとしては、NH濃度及びNO濃度を例示することができる。
なお、データ蓄積部101は、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体により実現することができる。
説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、データ蓄積部101に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、遺伝的アルゴリズムによって説明変数を生成(選定)し、生成された説明変数の組み合わせのデータを取得する。
なお、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、MPU(Micro-Processing Unit)又はCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
運転操作量データ取得部103は、データ蓄積部101に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、推定モデルの作成に必要な運転操作量設定値のデータを取得する。
なお、運転操作量データ取得部103は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
推定モデル作成部104は、説明変数選定及び説明変数データ取得部102が取得した説明変数のデータと、運転操作量データ取得部103が取得した運転操作量設定値のデータと、を用いて推定モデルを作成する。
ここで、推定モデルの作成手法については特に限定されるものではないが、例えばニューラルネットワーク又はランダムフォレスト等を用いることができる。
なお、推定モデル作成部104は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
推定モデルパラメータ記憶部105は、推定モデル作成部104で作成された推定モデルのパラメータを記憶する。
なお、推定モデルパラメータ記憶部105は、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体により実現することができる。
運転操作量推定部106は、説明変数選定及び説明変数データ取得部102によって取得された説明変数の組み合わせのデータと、推定モデルパラメータ記憶部105に記憶された推定モデルのパラメータと、を用いて、所定期間についての運転操作量推定値を出力する。
なお、運転操作量推定部106は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
推定精度計算部107は、運転操作量データ取得部103からの運転操作量設定値と、運転操作量推定部106からの運転操作量推定値と、を用いて、運転操作量推定値の精度である推定精度を計算する。
ここで、推定精度は、所定期間において、例えば、運転操作量推定値と、運転員が操作した実際の運転操作量設定値との二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Squared Error)を計算することで評価される。
なお、推定精度計算部107は、MPU又はCPU等のプロセッサと、半導体メモリ又は磁気ディスク等の記録媒体とを組み合わせて実現することができる。
出力部108は、説明変数選定及び説明変数データ取得部102からの説明変数と、推定精度計算部107からの推定精度と、を出力する。
出力された説明変数及び推定精度の一方又は双方は、例えば水処理施設の運転装置に対して出力され、当該運転装置の制御に寄与することになる。
図3は、図2に示す説明変数選定及び説明変数データ取得部102において用いられる、遺伝的アルゴリズムによる説明変数データの取得処理手順を示すフローチャートである。
説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、まず、説明変数の組み合わせの初期集団を生成する(S1)。
なお、このときの世代数は1とされ、終了世代数が定められる。
次に、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、S1で生成された説明変数の組み合わせの初期集団を用いて運転操作値を推定し、適応度を算出することで推定精度の評価を行う(S2)。
次に、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、S2の評価結果に基づいて推定精度の高いものが次世代に残るように説明変数を選択する(S3)。
次に、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、交叉又は突然変異により新たな説明変数の組み合わせを生成する(S4)。
次に、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は現在の世代数の判定を行い(S5)、現在の世代数が予め定められた終了世代数に達していない場合(S5:N)には、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、世代数を増やして(S6)S2に戻り、増やした世代数について適応度の評価から再度処理を行っていく。
又は、現在の世代数が予め定められた終了世代数に達している場合(S5:Y)には、説明変数選定及び説明変数データ取得部102は、処理を終了する。
図3に示すフローチャートによれば、交叉又は突然変異により用いる説明変数を変化させているので、世代を経るにつれて、推定精度の高い説明変数が選択されることになる。
図4は、図2に示す説明変数選定及び説明変数データ取得部102における遺伝的アルゴリズムによる説明変数の選択方法の説明図である。
図4に示すように、説明変数の個数がNである(Nは自然数)ときには、遺伝的アルゴリズムの要素をN個として、各要素の状態には、0又は1が入力される。
各要素の状態が0の場合には、その要素の説明変数を不使用とし、各要素の状態が1の場合には、その要素の説明変数を使用するとし、推定に使用する説明変数の組み合わせが決定される。
従って、図4に示す例では、NH濃度及びpH値は説明変数として不使用であり、水温及びMLSS値は説明変数として使用されることになる。
従来の水処理施設においては、運転員は、少なくとも、流入水量、汚泥濃度、汚泥流量、送風量及び気温等のトレンドデータと、NH濃度及びNO濃度等の水質データと、を含む様々な項目に基づいて、最初沈殿池及び最終沈殿池における汚泥引抜量、反応槽におけるDO設定値若しくは送風量又は凝集剤注入率等の運転操作設定値の決定を行っている。
このような運転操作設定値の決定は、長期にわたって構築された熟練技術者の勘、経験及びノウハウによるところが大きく、熟練の技術を有する運転員を育成するためには長い時間を要する。
他方で、このような運転員の高齢化に伴う技術の継承が急務であり、人工知能の機械学習等による代替が望まれている。
機械学習によって過去の運転を再現する場合には、これらの多種多様な項目の中から説明変数とする組み合わせを決定して、学習モデルを構築する。
また、水処理の運転操作の学習モデルは、ある時点のみに対する推定により構築するものではなく、数か月又は数年といった所定期間の推定により構築されるものである。
そのため、推定に用いる説明変数も一時点での評価ではなく、所定期間の評価に基づき、所定期間全体で精度の高い結果が導出されるべきである。
従って、推定精度は、所定期間における運転操作量設定値と運転操作量推定値との累計誤差による評価を要する。
本実施形態においては、運転操作量設定値と運転操作量推定値との累計誤差を用いて、時系列データとして評価し、説明変数が選定される。
このとき、学習モデルの構築に用いる説明変数により運転操作値の推定精度は大きく異なるため、説明変数の選定は重要である。
しかしながら、説明変数の個数をn(nは自然数)とし、説明変数の全ての組み合わせを試行すると、試行回数が2−1となるため、説明変数の組み合わせの探索には効率化が求められる。
本実施形態にて説明したように、遺伝的アルゴリズムを用いることにより、時系列で変化する系であっても精度の高い説明変数を効率的に選定することが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態では、実施形態1の構成に対して、アラインメント適用部109を追加した形態について説明する。
図5は、本実施形態に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100aの構成を示すブロック図である。
図5に示す水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100aは、図2に示す水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100における運転操作量推定部106と推定精度計算部107との間にアラインメント適用部109が追加された構成であり、その他の構成は実施形態1と同じであるため、その説明を援用する。
運転操作量推定部106は、実施形態1と同様に、説明変数選定及び説明変数データ取得部102によって生成された説明変数の組み合わせのデータと、推定モデルパラメータ記憶部105に記憶された推定モデルのパラメータと、を用いて、所定期間の運転操作量推定値を出力する。
そして、推定精度計算部107は、実施形態1と同様に、推定した運転操作量の精度である推定精度を計算し、推定精度に基づいて説明変数を選定する。
ここで、推定精度は、所定期間において、推定した運転操作量の推定値と、運転員が操作した運転操作量との二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Squared Error)を計算することで評価される。
そして、推定精度が高い説明変数が選定される。
図6は、本実施形態において、横軸を時間tとし、縦軸を運転操作値とした運転操作値の時間変化を示す図である。
図6(A)は、実際の運転操作値の時間変化の波形を示す図であり、図6(B)は、運転操作量推定値の時間変化の波形を示す図である。
図6(A)に示す波形と図6(B)に示す波形とを比較すると、形状は類似しているものの、運転操作値の変化するタイミングが相異する。
推定精度計算部107が、図6(A)に示す波形と図6(B)に示す波形との二乗平均平方根誤差(RMSE:Root Mean Squared Error)を計算すると、誤差が生じ、推定精度の低下を招くことになる。
しかしながら、水処理のデータは時系列であり、急激な変化は生じないため、データの時間方向の厳密な正確さは要求されない。
そこで、アラインメント適用部109は、運転操作量推定部106が推定した所定期間の運転操作量である運転操作量推定値の波形にアラインメントを適用する。
ここで、具体的には、アラインメント適用部109は、運転操作量推定値の波形において傾きが変化するタイミングが実際の運転操作値の波形と一致するように波形を伸縮させる。
ここで、波形の伸縮方法としては、動的時間伸縮法を例示することができる。
図6(C)は、アラインメント適用後の実際の運転操作値の時間変化の波形を示す図であり、図6(D)は、アラインメント適用後の運転操作量推定値の時間変化の波形を示す図である。
このように、アラインメント適用部109を用いることで、運転操作量推定値の波形が実際の運転操作量設定値の波形と類似し、且つ時間方向にずれを含む場合であっても、アラインメント後の波形の推定値を用いることで、推定精度の低下を抑えて水処理施設に対して適切な説明変数を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態1では、所定期間における運転操作量推定値の推定精度を評価する形態について説明したが、実際の水処理施設における運転操作の自動化に際しては、直近に導入した運用方法を適用することが好ましい。
そこで、本実施形態においては、現在に近い時刻の精度を重視した形態について説明する。
図7は、本実施形態に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100bの構成を示すブロック図である。
図7に示す水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100bは、実施形態1に係る水処理施設の運転操作量説明変数選定装置100の推定精度計算部107に代えて推定精度計算部107bを備える点のみが異なり、その他の構成は実施形態1と同じであるため、その説明を援用する。
図7に示す推定精度計算部107bは、現時点に近い時刻の推定誤差の影響をより大きくするために、推定精度の計算に際して、時間に伴って増加していき、現時点に近いほど大きな値となる時間変化係数aを用いる。
ここで、時間変化係数aは、時間t及び推定対象のデータ数Tを用いた下記の式(1)により定義することができる。
Figure 2021137749
そして、下記の式(2)に示すように、現時点に近い時刻の推定誤差の影響をより大きくするために、誤差に時間変化係数aを乗算する。
ここで、yは実際の運転操作量を表し、ハットを付したyは運転操作量推定値を表す。
Figure 2021137749
上記の式(2)を用いることにより、推定精度に現在の運用方法を強く反映させることが可能になる。
本実施形態によれば、現在の運用方法の影響を強く反映した説明変数を得ることが可能になる。
なお、本実施形態の構成と実施形態2の構成とを組み合わせてもよい。
また、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、上述の構成に対して、構成要素の付加、削除又は転換を行った様々な変形例も含むものとする。
1 最初沈殿池
2 反応槽
3 最終沈殿池
4 送風機
5 調整バルブ
6 散気装置
7 第1のポンプ
8 第2のポンプ
9 計測器
10 重力濃縮槽
11 機械濃縮槽
12 消化槽
13 脱水槽
21,22,23,24 配管
100,100a,100b 水処理施設の運転操作量説明変数選定装置
101 データ蓄積部
102 説明変数選定及び説明変数データ取得部
103 運転操作量データ取得部
104 推定モデル作成部
105 推定モデルパラメータ記憶部
106 運転操作量推定部
107,107b 推定精度計算部
108 出力部
109 アラインメント適用部
200 水処理施設

Claims (3)

  1. トレンドデータ及び水質データを蓄積するデータ蓄積部と、
    前記データ蓄積部に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、遺伝的アルゴリズムによって説明変数を生成し、生成された説明変数の組み合わせのデータを取得する説明変数選定及び説明変数データ取得部と、
    前記データ蓄積部に蓄積されたトレンドデータ及び水質データから、推定モデルの作成に必要な運転操作量設定値のデータを取得する運転操作量データ取得部と、
    前記説明変数データ取得部が取得した説明変数のデータと、前記運転操作量データ取得部が取得した運転操作量のデータと、を用いて推定モデルを作成する推定モデル作成部と、
    前記推定モデル作成部に作成された推定モデルのパラメータを記憶する推定モデルパラメータ記憶部と、
    前記説明変数データ取得部によって生成された説明変数の組み合わせのデータと、前記推定モデルパラメータ記憶部に記憶された推定モデルのパラメータと、を用いて、所定期間の運転操作量推定値を出力する運転操作量推定部と、
    前記運転操作量設定値と前記運転操作量推定値との誤差に応じた前記運転操作量推定値の精度である推定精度を計算する推定精度計算部と、を備える水処理施設の運転操作量説明変数選定装置。
  2. 前記所定期間の運転操作量推定値の時間変化のタイミングを実際の運転操作量の時間変化のタイミングに基づいて調整するアラインメント適用部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の水処理施設の運転操作量説明変数選定装置。
  3. 前記推定精度計算部は、時間に伴って増加していき、現時点に近いほど大きな値となる時間変化係数を前記誤差に乗算して前記推定精度を計算することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水処理施設の運転操作量説明変数選定装置。
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