以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の一例を示す図である。排ガス処理装置100は、反応塔10、第1デミスタ80および第1回収部52を備える。第1デミスタ80および第1回収部52は、反応塔10の内部に設けられる。排ガス処理装置100は、排ガス導入管32、動力装置50および排水管20を備えてよい。
第1回収部52は、排ガス30に含まれる液体40を回収する。第1回収部52は、第1接続部53および第1延伸部分54を有する。第1回収部52については、後述する。
動力装置50は、例えばエンジン、ボイラー等である。動力装置50は、排ガス30を排出する。排ガス導入管32は、動力装置50と反応塔10とを接続する。反応塔10には、排ガス30が導入される。本例において、動力装置50から排出された排ガス30は、排ガス導入管32を通った後、反応塔10に導入される。
反応塔10は、排ガス30が導入される排ガス導入口11と、排ガス30が排出される排ガス排出口17と、を有する。反応塔10には、排ガス30を処理する液体40が供給される。反応塔10に供給された液体40は、反応塔10の内部において排ガス30を処理する。液体40は、例えば海水またはアルカリ性の液体である。排ガス30を処理するとは、排ガス30に含まれる有害物質を除去することを指す。液体40は、排ガス30を処理した後、排液46となる。
本例の反応塔10は、側壁15、底面16、ガス処理部18および液体排出口19を有する。本例の反応塔10は、円柱状である。本例において、排ガス排出口17は、円柱状の反応塔10の中心軸と平行な方向において底面16と対向する位置に配置されている。本例において、側壁15および底面16は、それぞれ円柱状の反応塔10の内側面および底面である。排ガス導入口11は、側壁15に設けられてよい。本例において、排ガス30は排ガス導入管32から排ガス導入口11を通った後、ガス処理部18に導入される。
側壁15および底面16は、排ガス30、並びに液体40および排液46に対して耐久性を有する材料で形成される。当該材料は、SS400、S−TEN(登録商標)等の鉄材とコーティング剤および塗装剤の少なくとも一方との組合せ、ネバール黄銅等の銅合金、アルミニウムブラス等のアルミニウム合金、キュープロニッケル等のニッケル合金、ハステロイ(登録商標)、SUS316L、SUS329J4LまたはSUS312等のステンレスであってよい。
本明細書においては、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書においては、反応塔10の底面16と平行な面をXY面とし、底面16から排ガス排出口17へ向かう方向(底面16に垂直な方向)をZ軸とする。本明細書において、XY面内における所定の方向をX軸方向とし、XY面内においてX軸に直交する方向をY軸方向とする。
Z軸方向は鉛直方向に平行であってよい。Z軸方向が鉛直方向に平行である場合、XY面は水平面であってよい。Z軸方向は水平方向に平行であってもよい。Z軸方向が水平方向に平行である場合、XY面は鉛直方向に平行であってよい。本明細書において側面視とは、排ガス処理装置100をZ軸に垂直な方向(XY面内における所定の方向)から見た場合を指す。
排ガス処理装置100は、例えば船舶向けサイクロン式スクラバである。サイクロン式スクラバにおいては、反応塔10に導入された排ガス30は、反応塔10の内部を旋回しながら、排ガス導入口11から排ガス排出口17への方向(本例においてはZ軸方向)に進む。本例においては、排ガス30は、排ガス排出口17から底面16への方向に見た場合において、XY面内を旋回する。
反応塔10の内部における、排ガス導入口11から排ガス排出口17への排ガス30の進行方向を、進行方向E1とする。排ガス30が進行方向E1に進行するとは、排ガス30が排ガス導入口11から排ガス排出口17への方向に進行することを指す。本例において、排ガス30の進行方向E1はZ軸に平行である。図1において、排ガス30の進行方向E1が一点鎖線にて示されている。
本例の反応塔10は、排ガス導出部91および本体部92を有する。排ガス導出部91は、排ガス30の進行方向E1において本体部92よりも排ガス30の下流側に設けられている。本例において、排ガス導出部91は排ガス排出口17を含む。排ガス導出部91の内部と本体部92の内部とは、連通している。
排ガス導出部91は、反応塔10において、排ガス30の進行方向E1と交差する方向における断面積の最小値を含み、且つ、排ガス排出口17を含む、反応塔10の一部であってよい。本体部92は、排ガス30の進行方向E1において排ガス導出部91を除く、反応塔10の他の一部であってよい。図1において、排ガス導出部91および本体部92の範囲が、それぞれ両矢印にて示されている。
ガス処理部18は、本体部92において、側壁15および底面16に囲まれた空間である。ガス処理部18は、側壁15および底面16に接する。ガス処理部18は、反応塔10の内部において排ガス30を処理する空間である。Z軸方向が鉛直方向に平行である場合、底面16は排液46が落下する面である。排液46は、液体排出口19を通った後、排水管20に排出される。
反応塔10の側壁15のうち、排ガス導出部91の側壁を側壁71とする。排ガス通過部76は、排ガス導出部91において、側壁71および排ガス排出口17に囲まれた空間である。排ガス通過部76は、側壁71および排ガス排出口17に接する。排ガス通過部76は、ガス処理部18において処理された排ガス30が通過する空間である。
反応塔10は、液体噴霧部90を有してよい。液体噴霧部90は、排ガス導入口11と排ガス排出口17との間に設けられてよい。本例の液体噴霧部90は、排ガス30の進行方向E1における、本体部92の一部の領域である。液体噴霧部90は、本体部92を排ガス30の進行方向E1から見た場合において、本体部92の全体の領域であってよい。液体噴霧部90は、反応塔10の内部に液体40を噴霧する。
反応塔10は、一または複数の幹管12、および、一または複数の枝管13を有してよい。反応塔10は、液体40を噴出する一または複数の噴出部14を有してよい。本例において、噴出部14は枝管13に接続され、枝管13は幹管12に接続されている。幹管12および枝管13には、液体40が供給される。
幹管12、枝管13および噴出部14は、液体噴霧部90に設けられてよい。図1において、反応塔10の内部における液体噴霧部90の範囲が両矢印で示されている。液体噴霧部90は、排ガス30の進行方向E1において、最も排ガス導入口11側に配置される噴出部14から、最も排ガス排出口17側に配置される噴出部14までの範囲であってよい。液体噴霧部90は、XY面内において側壁15で囲まれる範囲であってよい。
本例において、排ガス30は、液体噴霧部90を予め定められた方向(後述する旋回方向F1)に旋回しながら、反応塔10の内部を進行方向E1に進行する。即ち、本例において、排ガス30は反応塔10の側面視において進行方向E1に進行し、且つ、進行方向E1から見て旋回方向F1に旋回する。
本例において、円柱状の反応塔10は、反応塔10の中心軸が鉛直方向に平行になるように載置されてよく、当該中心軸が水平方向に平行になるように載置されてもよい。当該中心軸が鉛直方向に平行になるように反応塔10が載置された場合、排ガス30の進行方向E1(Z軸に平行な方向)は、鉛直方向に平行であり、且つ、鉛直方向に下方から上方への方向である。当該中心軸が水平方向に平行になるように反応塔10が載置された場合、排ガス30の進行方向E1(Z軸に平行な方向)は、水平方向に平行である。
噴出部14は、霧状(ミスト状)の液体40を噴出してよい。噴出部14により噴出された霧状の液体40の一部は、排ガス30の旋回および進行に同伴されて排ガス排出口17への方向に進行しやすくなる。第1デミスタ80は、排ガス30に含まれる当該液体40の少なくとも一部を除去する。
本例において、第1デミスタ80は、排ガス30の進行方向E1において液体噴霧部90よりも排ガス30の下流側に設けられている。本例においては、第1デミスタ80は、液体噴霧部90と排ガス排出口17とのZ軸方向における間に設けられている。本例においては、第1デミスタ80は排ガス導出部91に設けられている。
排ガス処理装置100がサイクロン式である場合、噴出部14により噴出された霧状の液体40の一部は、遠心力により側壁15に集積しやすい。霧状の液体40が側壁15に集積した場合、当該液体40は液膜化しやすくなる。このため、排ガス処理装置100がサイクロン式である場合、第1デミスタ80は、排ガス30の旋回を阻害しない場所に設けられることが好ましい。
本例においては、反応塔10は本体部92に幹管12および枝管13を有するので、本体部92において、幹管12および枝管13が排ガス30の旋回を阻害する場合がある。本体部92に設けられた幹管12および枝管13が排ガス30の旋回を阻害する場合、第1デミスタ80は本体部92に設けられないことが好ましい。本体部92に設けられた幹管12および枝管13が排ガス30の旋回を阻害する場合、第1デミスタ80は、排ガス導出部91に設けられることが好ましい。
排ガス処理装置100は、反応塔10の内部に設けられた支持部材81をさらに備えてよい。支持部材81は、反応塔10の側壁15に固定されていてよい。本例においては、支持部材81は排ガス導出部91の側壁71に固定されている。排ガス処理装置100は、複数の支持部材81を備えてよい。本例においては、排ガス処理装置100は2つの支持部材81(支持部材81−1および支持部材81−2)を備えている。本例の支持部材81−1および支持部材81−2は、それぞれX軸方向およびY軸方向に延伸している。
第1デミスタ80は、おもて面82および裏面83を有する板状であってよい。第1デミスタ80は、側壁15と同じ材料により形成されていてよい。第1デミスタ80は、支持部材81に載置されていてよい。本例においては、第1デミスタ80の裏面83と支持部材81とが接している。本例において、支持部材81に載置された第1デミスタ80のおもて面82および裏面83は、XY面に平行である。
図2は、図1における液体噴霧部90の拡大図である。ただし、図1における第1回収部52−2の図示は、省略されている。本例の反応塔10は、3つの幹管12(幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3)を有する。本例において、幹管12−1および幹管12−3は、Z軸に平行な方向において、それぞれ最も排ガス導入口11側および最も排ガス排出口17側に設けられている幹管12である。本例において、幹管12−2は、幹管12−1と幹管12−3とのZ軸方向における間に設けられている幹管12である。
本例の反応塔10は、枝管13−1〜枝管13−12を備える。本例において、枝管13−1および枝管13−12は、Z軸に平行な方向において、それぞれ最も排ガス導入口11側および最も排ガス排出口17側に設けられている枝管13である。本例において、枝管13−1、枝管13−3、枝管13−5、枝管13−7、枝管13−9および枝管13−11はY軸方向に延伸し、枝管13−2、枝管13−4、枝管13−6、枝管13−8、枝管13−10および枝管13−12はX軸方向に延伸している。
本例において、枝管13−1〜枝管13−4は幹管12−1に接続され、枝管13−5〜枝管13−8は幹管12−2に接続され、枝管13−9〜枝管13−12は幹管12−3に接続されている。枝管13−1、枝管13−3、枝管13−5、枝管13−7、枝管13−9および枝管13−11は、Y軸に平行な方向において、幹管12の両側に配置されてよい。枝管13−2、枝管13−4、枝管13−6、枝管13−8、枝管13−10および枝管13−12は、X軸に平行な方向において、幹管12の両側に配置されてよい。
枝管13−1を例に説明すると、枝管13−1Aおよび枝管13−1Bは、Y軸に平行な方向において、それぞれ幹管12−1の一方側および他方側に配置される枝管13−1である。Y軸に平行な方向において、枝管13−1Aおよび枝管13−1Bは、幹管12−1を挟むように設けられてよい。なお、図2において枝管13−1Aおよび枝管13−3Aは、幹管12−1と重なる位置に配置されているので図示されていない。
枝管13−2を例に説明すると、枝管13−2Aおよび枝管13−2Bは、X軸に平行な方向において、それぞれ幹管12−1の一方側および他方側に配置される枝管13−2である。X軸に平行な方向において、枝管13−2Aおよび枝管13−2Bは、幹管12−1を挟むように設けられてよい。
本例の反応塔10は、噴出部14−1〜噴出部14−12を備える。本例において、噴出部14−1および噴出部14−12は、Z軸に平行な方向において、それぞれ最も排ガス導入口11側および最も排ガス排出口17側に設けられている噴出部14である。本例の噴出部14−1〜噴出部14−12は、それぞれ枝管13−1〜枝管13−12に接続されている。Y軸方向に延伸する1つの枝管13において、Y軸に平行な方向における幹管12の一方側に複数の噴出部14が設けられてよく、且つ、他方側に複数の噴出部14が設けられてよい。X軸方向に延伸する1つの枝管13において、X軸に平行な方向における幹管12の一方側に複数の噴出部14が設けられてよく、且つ、他方側に複数の噴出部14が設けられてよい。なお、図2において噴出部14−1A、噴出部14−3A、噴出部14−5A、噴出部14−7A、噴出部14−9Aおよび噴出部14−11Aは、幹管12と重なる位置に配置されているので図示されていない。
噴出部14は、液体40を噴出する開口面を有する。図2において、当該開口面は「×」印にて示されている。1つの枝管13において、幹管12の一方側および他方側に配置される噴出部14のそれぞれの開口面は、枝管13の延伸方向と所定の角度θ(後述)をなす一方の方向および他方の方向を指してよい。当該角度θは、30度以上90度以下であってよい。当該開口面が指す方向とは、噴出部14から液体40が噴出される方向における中心軸方向を指す。
排ガス処理装置100は、ポンプ60および流量制御部70を備えてよい。流量制御部70は、反応塔10に供給される液体40の流量を制御する。流量制御部70は、バルブ72を有してよい。本例においては、流量制御部70はポンプ60から噴出部14に供給される液体40の流量を、バルブ72により制御する。本例の流量制御部70は、3つのバルブ72(バルブ72−1、バルブ72−2およびバルブ72−3)を備える。本例の流量制御部70は、バルブ72−1、バルブ72−2およびバルブ72−3により、それぞれ幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3に供給される液体40の流量を制御する。幹管12に供給された液体40は、枝管13を通過した後、噴出部14から反応塔10の内部(ガス処理部18)に噴出される。
流量制御部70は、幹管12−1に供給される液体40の流量が幹管12−2に供給される液体40の流量よりも多くなるように、液体40の流量を制御してよい。流量制御部70は、幹管12−2に供給される液体40の流量が幹管12−3に供給される液体40の流量よりも多くなるように、液体40の流量を制御してよい。幹管12−3に供給される液体40の流量と、幹管12−2に供給される液体40の流量と、幹管12−1に供給される液体40の流量との比は、例えば1:2:9である。
上述したとおり、液体40は例えば海水またはアルカリ性の液体である。液体40がアルカリ性の液体である場合、液体40は水酸化ナトリウム(NaOH)および炭酸水素ナトリウム(Na2CO3)の少なくとも一方を添加したアルカリ性の液体であってよい。
排ガス30には硫黄酸化物(SOx)等の有害物質が含まれる。硫黄酸化物(SOx)は、例えば亜硫酸ガス(SO2)である。液体40が水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液の場合、排ガス30に含まれる亜硫酸ガス(SO2)と水酸化ナトリウム(NaOH)との反応は、下記の化学式1で示される。
[化学式1]
SO2+Na++OH−→Na+HSO3 −
化学式1に示されるように、亜硫酸ガス(SO2)は化学反応により亜硫酸イオン(HSO3 −)となる。液体40は、この化学反応により亜硫酸イオン(HSO3 −)を含む排液46となる。排液46は、排水管20から排ガス処理装置100の外部に排出されてよい。
図3は、図1および図2に示される排ガス処理装置100を排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。図3において、動力装置50、ポンプ60、流量制御部70、第1デミスタ80、および排ガス排出口17は省略されている。
本例において、反応塔10の内部には、幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3が設けられている。幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3は、Z軸に平行な中心軸を有する円柱状であってよい。XY面内において、幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3の中心軸の位置は、反応塔10の中心軸の位置と一致してよい。即ち、幹管12−1、幹管12−2および幹管12−3、並びに反応塔10は、排ガス30の進行方向E1から見て同心円状に配置されてよい。図3において、この中心軸の位置が位置C1で示されている。本例において、幹管12−2は幹管12−3の下方に配置され、幹管12−1は幹管12−2の下方に配置されている。
XY面内において、排ガス導入口11側(図1参照)における幹管12の断面積は、排ガス排出口17側(図1参照)における幹管12の断面積よりも大きくてよい。本例においては、幹管12−1の断面積は幹管12−2の断面積よりも大きく、幹管12−2の断面積は幹管12−3の断面積よりも大きい。
噴出部14は、反応塔10の内部に液体40を噴出する。噴出部14は、液体40を枝管13の延伸方向と所定の角度θをなす方向に噴出する。図3において、噴出部14−11および噴出部14−12からガス処理部18に噴出される液体40の向きが破線矢印にて示されている。
本例において、噴出部14−11Aから噴出される液体40の向きは、枝管13−11の延伸方向と角度θをなす方向における一方の方向であり、噴出部14−11Bから噴出される液体40の向きは、枝管13−11の延伸方向と角度θをなす方向における他方の方向である。噴出部14−1A、噴出部14−3A、噴出部14−5A、噴出部14−7Aおよび噴出部14−9Aから噴出される液体40の向きも、当該一方の方向であってよい。噴出部14−1B、噴出部14−3B、噴出部14−5B、噴出部14−7Bおよび噴出部14−9Bから噴出される液体40の向きも、当該他方の方向であってよい。
本例において、噴出部14−12Aから噴出される液体40の向きは、枝管13−12の延伸方向と角度θをなす方向における一方の方向であり、噴出部14−12Bから噴出される液体40の向きは、枝管13−12の延伸方向と角度θをなす方向における他方の方向である。噴出部14−2A、噴出部14−4A、噴出部14−6A、噴出部14−8Aおよび噴出部14−10Aから噴出される液体40の向きも、当該一方の方向であってよい。噴出部14−2B、噴出部14−4B、噴出部14−6B、噴出部14−8Bおよび噴出部14−10Bから噴出される液体40の向きも、当該他方の方向であってよい。
排ガス30の進行方向E1から見て、排ガス導入管32は、排ガス導入管32の延伸方向における延長線が反応塔10の中心の位置C1と重ならない位置に設けられてよい。排ガス導入管32の延伸方向とは、排ガス導入口11を通る排ガス30の進行方向を指す。排ガス導入管32が上述の位置に設けられることで、排ガス30はガス処理部18を螺旋状(サイクロン状)に旋回しながら、排ガス導入口11から排ガス排出口17に向けて進行する。本例においては、排ガス30は、排ガス30の進行方向E1から見てガス処理部18を時計回りに旋回する。排ガス30の当該旋回の向きを、旋回方向F1とする。
図4は、図1に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。本例の反応塔10の本体部92および排ガス導出部91は、排ガス30の進行方向E1から見て、円状である。円柱状の本体部92の中心軸の位置と、円柱状の排ガス導出部91の中心軸の位置とは、一致していてよい。当該中心軸の位置を、位置C1とする。
第1デミスタ80は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)において、反応塔10の断面の中央を覆う。本例においては、第1デミスタ80は、当該進行方向E1と交差する方向において、排ガス導出部91の断面の中央を覆っている。第1デミスタ80が反応塔10の断面の中央を覆うとは、排ガス30の進行方向E1から見て、第1デミスタ80の少なくとも一部が反応塔10の中心軸の位置C1と重なるように配置されている状態を指す。
第1デミスタ80の少なくとも一部は、反応塔10の側壁15から離間している。第1デミスタ80の少なくとも一部は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内方向)において、反応塔10の断面の一部を覆っている。排ガス30の進行方向E1から見た場合における、第1デミスタ80の外周の縁を外縁85とする。第1デミスタ80の少なくとも一部が反応塔10の側壁15から離間しているとは、排ガス30の進行方向E1から見て、第1デミスタ80の外縁85の少なくとも一部と側壁15とが、ガス処理部18または排ガス通過部76を挟んで対向している状態を指す。本例においては、第1デミスタ80の外縁85の全てが、反応塔10の側壁15から離間している。
排ガス導出部91を旋回方向F1(図3参照)に旋回する排ガス30において、旋回方向F1における内周側(位置C1側)を旋回する排ガス30の速度は、旋回方向F1における外周側(側壁15側)を旋回する排ガス30の速度よりも大きくなりやすい。このため、当該内周側を旋回する排ガス30に含まれる液体40は、当該外周側を旋回する排ガス30に含まれる液体40よりも、反応塔10の内部において飛散しやすい。本例においては、第1デミスタ80は排ガス30の進行方向E1において、反応塔10の断面の中央を覆い、且つ、当該断面の一部を覆っている。このため、第1デミスタ80は、旋回方向F1における内周側(位置C1側)を旋回する排ガス30に含まれる液体40を除去しやすくなる。このため、当該液体40の飛散が抑制されやすくなる。
第1デミスタ80は、排ガス30の進行方向E1から見て円状であってよい。本例においては、円板状の第1デミスタ80の中心軸の位置は、位置C1と一致している。本例においては、円板状の第1デミスタ80の外縁85の全てが、側壁15から離間している。
排ガス30の進行方向E1から見た場合における、第1デミスタ80の面積、排ガス通過部76の面積およびガス処理部18の面積を、それぞれ面積S1、面積S2および面積S3とする。面積S2が排ガス30の進行方向E1に沿って変化している場合、面積S2は、排ガス通過部76の一端から他端(即ち排ガス排出口17)までの間における排ガス通過部76の面積の最大値であってよく、最小値であってもよく、平均値であってもよく、中央値であってもよい。面積S3が排ガス30の進行方向E1に沿って変化している場合、面積S3は、液体噴霧部90における排ガス導入口11側から排ガス排出口17側までの間において、ガス処理部18の面積の最大値であってよく、最小値であってもよく、平均値であってもよく、中央値であってもよい。
面積S2は、面積S3よりも小さい。面積S2が面積S3よりも小さい場合、角運動量保存則により、排ガス導出部91を旋回する排ガス30の速度は、本体部92を旋回する排ガス30の速度よりも大きくなりやすい。第1デミスタ80を単位時間当たり通過する排ガス30の量は、排ガス30の速度が大きいほど多くなりやすい。このため、当該排ガス30に含まれ、第1デミスタ80に単位時間当たり接触する液体40の量は、排ガス30の速度が大きいほど多くなりやすい。このため第1デミスタ80が除去する液体40の量は、第1デミスタ80を通過する排ガス30の速度が大きいほど、多くなりやすい。このため、第1デミスタ80が排ガス導出部91に設けられる場合、第1デミスタ80がガス処理部18に設けられる場合よりも、第1デミスタ80が除去する液体40の量は、多くなりやすい。このため、第1デミスタ80は、排ガス導出部91に設けられることが好ましい。
面積S1は、面積S2よりも小さくてよい。上述したとおり、本例において、排ガス30は進行方向E1に進行し且つ旋回方向F1に旋回する。第1デミスタ80は、反応塔10の内部に設けられるので、反応塔10の内部における排ガス30の進行および旋回を阻害する場合がある。このため、第1デミスタ80が排ガス導出部91に設けられる場合を例に説明すると、面積S2に占める面積S1の割合が大きいほど、排ガス30の圧力損失は大きくなりやすい。しかしながら、面積S2に占める面積S1の割合が大きいほど、第1デミスタ80は、排ガス30に含まれる液体40を除去しやすくなる。反対に、面積S2に占める面積S1の割合が小さいほど、排ガス30の圧力損失は小さくなりやすいが、第1デミスタ80は排ガス30に含まれる液体40を除去しにくくなる。
面積S2に占める面積S1の割合は、上述した、第1デミスタ80による液体40の除去と、第1デミスタ80による排ガス30の圧力損失とのバランスから決定されてよい。第1デミスタ80が排ガス導出部91に設けられる場合、面積S1は面積S2の40%以上80%以下であってよい。第1デミスタ80が本体部92に設けられる場合、面積S1は面積S3の40%以上80%以下であってよい。
支持部材81−1は、排ガス30の進行方向E1から見て、X軸方向における一方側の側壁15から他方側の側壁15まで延伸していてよい。支持部材81のX軸方向における一端および他端は、それぞれ当該一方側の側壁15および当該他端側の側壁15に固定されてよい。支持部材81−2は、排ガス30の進行方向E1から見て、Y軸方向における一方側の側壁15から他方側の側壁15まで延伸していてよい。支持部材81のY軸方向における一端および他端は、それぞれ当該一方側の側壁15および当該他端側の側壁15に固定されてよい。図4において、排ガス30の進行方向E1から見た場合における支持部材81−1および支持部材81−2の位置が、破線にて示されている。支持部材81−1および支持部材81−2は、位置C1と重なるように配置されていてよい。
支持部材81は、反応塔10の内部に設けられるので、第1デミスタ80と同様に、反応塔10の内部における排ガス30の進行および旋回を阻害する場合がある。このため、本例の支持部材81−1のY軸方向の幅、および、本例の支持部材81−2のX軸方向の幅は、第1デミスタ80を支持可能な範囲で、なるべく小さいことが好ましい。
図5は、第1デミスタ80を排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。本例の第1デミスタ80は、格子状に配置された複数の線材86を含む。線材86は、例えば金属製のワイヤである。第1デミスタ80は、例えば金網である。線材86は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。
線材86−1は、XY面内における所定の方向に延伸していてよい。線材86−2は、XY面内における当該所定の方向とは異なる、他の所定の方向に延伸していてよい。本例においては、複数の線材86−1はX軸方向に延伸し、複数の線材86−2はY軸方向に延伸している。本例において、線材86−1と線材86−2とは、XY面内において直交しているが、直交していなくてもよい。線材86−1の一端および他端は、外縁85に接していてよい。線材86−2の一端および他端は、外縁85に接していてよい。
本例の第1デミスタ80は、線材86−1および線材86−2で囲まれた貫通孔87を含む。貫通孔87は、第1デミスタ80のおもて面82(図1参照)から裏面83(図1参照)まで、第1デミスタ80を貫通している。第1デミスタ80は複数の貫通孔87を含んでよい。本例の第1デミスタ80は、XY面内にマトリクス状(メッシュ状)に配置された複数の貫通孔87を含んでいる。
排ガス30の少なくとも一部は、複数の貫通孔87を通過する。本例においては、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、線材86と接触することにより液膜化する。液膜化した液体40は、排ガス30から離脱しやすい。これにより、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、除去される。
図6は、第1デミスタ80を排ガス30の進行方向E1から見た場合の他の一例を示す図である。本例の第1デミスタ80は、板材88を含む。板材88は、例えば金属板である。板材88は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。図6において、板材88がハッチングで示されている。
貫通孔87は、第1デミスタ80のおもて面82(図1参照)から裏面83(図1参照)まで、第1デミスタ80を貫通している。第1デミスタ80には、複数の貫通孔87が設けられていてよい。本例において、複数の貫通孔87は、排ガス30の進行方向E1に第1デミスタ80を貫通している。本例において、複数の貫通孔87は板材88に設けられている。板材88は、複数の貫通孔87が設けられたパンチメタルであってよい。
本例においては、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、板材88と接触することにより液膜化する。これにより、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、除去される。
第1デミスタ80のおもて面82(図1参照)または裏面83(図1参照)を2つの等しい面積の領域に分割した場合において、一方の領域を領域B1とし、他方の領域を領域B2とする。図6において、領域B1は粗い太い破線で示される領域であり、領域B2は太い一点鎖線で示される領域である。領域B1に設けられた貫通孔87の数をN1とし、領域B2に設けられた貫通孔87の数をN2とする。なお、領域B1および領域B2は、第1デミスタ80における貫通孔87の分散状態を説明するための仮想的な領域であり、実在する領域ではない。
排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)における排ガス導出部91の断面において、貫通孔87の面積(本例においてはXY面内におけ断面積)は、排ガス通過部76の面積S2よりも小さい。図5および図6に示されるように、本明細書において第1デミスタ80とは、排ガス30の進行方向E1と交差する方向における反応塔10の断面(本例においては排ガス導出部91の断面)において、当該断面の一部を覆い、且つ、面積S2よりも面積の小さい貫通孔87が複数、当該断面において均一に設けられた液体分離器を指す。複数の貫通孔87が当該断面において均一に設けられているとは、貫通孔87が領域B1と領域B2の両方に設けられ、且つ、領域B1の貫通孔87の数N1が領域B2の貫通孔87の数N2よりも多い場合、(N2/N1)が0.5以上である場合を指してよく、0.7以上である場合を指してもよい。
貫通孔87の面積は、反応塔10のガス処理部18の面積S3の5%以下であってよい。貫通孔87の当該面積は、面積S3の2%以下であってもよく、1%以下であってもよい。
排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)における反応塔10の断面において、反応塔10の中央よりも外側に設けられる貫通孔87の面積は、反応塔10の当該中央に設けられる貫通孔87の面積よりも小さくてよい。中心C1よりも外縁85側に設けられる貫通孔87を貫通孔87−1とし、外縁85よりも中心C1側に設けられる貫通孔87を貫通孔87−2とする。図5および図6において、貫通孔87−1および貫通孔87−2の一例が示されている。図5および図6の例において、貫通孔87−1の面積は貫通孔87−2の面積よりも小さい。貫通孔87の面積は、中心C1から外縁85に近づくほど小さくてよい。
上述したとおり、排ガス導出部91を旋回方向F1に旋回する排ガス30において、旋回方向F1における内周側(位置C1側)を旋回する排ガス30の速度は、旋回方向F1における外周側(側壁15側)を旋回する排ガス30の速度よりも大きくなりやすい。このため、貫通孔87の面積が、中心C1から外縁85に近づくほど小さいことにより、排ガス処理装置100は、第1デミスタ80により液体40を除去しつつ、内周側(位置C1側)を旋回する排ガス30の第1デミスタ80による圧力損失を低減できる。
再び図1に戻り、説明する。本例の第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1において、排ガス導入口11と第1デミスタ80との間に設けられている。本例の第1回収部52は、反応塔10の本体部92に設けられている。第1回収部52は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。
第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)において、反応塔10の断面の一部を覆ってよく、且つ、当該断面の中央を覆わなくてよい。第1回収部52は、排ガス30の旋回方向F1(図3参照)において、位置C1よりも外周側(側壁15側)に設けられてよい。
進行方向E1に進行する排ガス30に含まれる液体40は、当該排ガス30に同伴されて進行方向E1に進行しやすい。第1回収部52は、第1デミスタ80よりも排ガス30の上流側(排ガス導入口11側)において、進行方向E1に進行する液体40が第1回収部52よりも排ガス排出口17側へ進行することを妨げる。第1回収部52は、当該液体40を回収する液返しであってよい。
本例の第1回収部52は反応塔10の内部に設けられるので、第1デミスタ80および支持部材81と同様に、反応塔10の内部における排ガス30の進行および旋回を阻害する場合がある。また、上述したとおり、排ガス導出部91を旋回方向F1に旋回する排ガス30において、旋回方向F1における内周側(位置C1側)を旋回する排ガス30の速度は、旋回方向F1における外周側(側壁15側)を旋回する排ガス30の速度よりも大きくなりやすい。このため、第1回収部52が排ガス30の進行方向E1と交差する方向において反応塔10の断面の中央を覆う場合、当該中央を覆わない場合よりも、排ガス30の圧力損失が大きくなりやすい。このため、第1回収部52は、反応塔10の当該断面の当該中央を覆わないことが好ましい。
第1回収部52は、側壁15と接続されてよい。第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15に沿って周回状に設けられてよい。
第1回収部52の少なくとも一部は、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向(本例においてはZ軸に平行な方向)に延伸していてよい。第1回収部52の少なくとも一部は、排ガス30の進行方向E1とは反対方向に延伸していてよい。第1回収部52の少なくとも一部が排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向に延伸しているとは、第1回収部52の少なくとも一部が、当該方向に直交しない方向に延伸している状態を指す。第1回収部52の少なくとも一部は、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向に平行な方向に延伸していてよい。
本例において、第1回収部52は第1接続部53および第1延伸部分54を含む。第1接続部53は、排ガス30の進行方向E1に交差するように設けられてよい。本例の第1接続部53は、排ガス30の進行方向E1に直交する方向に設けられている。本例の第1接続部53の一端は、反応塔10の側壁15と接続されている。本例の第1接続部53の他端は、第1延伸部分54と接続されている。本例においては、第1回収部52の第1延伸部分54が、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向(排ガス30の進行方向E1とは反対方向)に延伸している。
図1の側面視において、ガス処理部18のX軸方向における幅を幅W1とする。後述するように、本例においては、幅W1は、排ガス30の進行方向E1から見た場合における、円状のガス処理部18の直径である。図1の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W1が変化している場合、幅W1は、ガス処理部18の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
第1延伸部分54における2つの側面のうち、側壁15側の側面を側面55とする。図1の側面視において、側壁15と側面55との間のX軸方向における幅を、幅W2および幅W2'とする。幅W2はX軸方向における一方側の側壁15と一方側の側面55との間の幅であり、幅W2'はX軸方向における他方側の側壁15と他方側の側面55との間の幅である。図1の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W2および幅W2'が変化している場合、幅W2および幅W2'は、側壁15と側面55との間の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
幅W2および幅W2'は、反応塔10の内部における排ガス30の旋回を妨げない大きさであることが好ましい。幅W2と幅W2'とは、等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅W2と幅W2'とは等しい。幅W2および幅W2'は、幅W1よりも小さい。幅W2および幅W2'は、幅W1の0.001倍以上0.2倍以下であってよく、0.002倍以上0.1倍以下であってもよく、0.005倍以上0.05倍以下であってもよい。
排ガス処理装置100は、複数の第1回収部52を備えてよい。本例の排ガス処理装置100は、4つの第1回収部52(第1回収部52−1〜第1回収部52−4)を備える。本例において、第1回収部52−1〜第1回収部52−4は、排ガス30の進行方向E1に沿って、排ガス導入口11側から排ガス排出口17側へ、順に設けられている。
本例において、第1回収部52−1〜第1回収部52−3は、それぞれ第1接続部53−1〜第1接続部53−3を有する。本例において、第1回収部52−1〜第1回収部52−4は、それぞれ第1延伸部分54−1〜第1延伸部分54−4を有する。側面55−1〜側面55−4は、それぞれ第1延伸部分54−1〜第1延伸部分54−4の側面55である。
上述したとおり、排ガス30は旋回方向F1に旋回しながら進行方向E1に進行する。このため、第1接続部53が排ガス30の進行方向E1に交差するように設けられることにより、排ガス30は第1接続部53に接触しやすくなる。これにより、排ガス30に含まれる霧状の液体40は、第1接続部53において液膜化しやすくなる。
第1延伸部分54が排ガス30の進行方向E1とは反対方向に延伸していることにより、第1接続部53において液膜化した霧状の液体40は、反応塔10の内部に飛散しにくくなる。これにより、反応塔10の中心軸が鉛直方向に平行である場合、第1接続部53において液膜化した霧状の液体40は、反応塔10の底面16に落下しやすくなる。
第1回収部52は、第1接続部53を有さなくてもよい。本例において、第1回収部52−4は第1接続部53を有さない。第1回収部52が、排ガス30の進行方向E1に平行ではない側壁15に設けられる場合、当該第1回収部52は第1接続部53を有さなくてもよい。
図7は、図1に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。図7において、第1回収部52−4、排ガス導出部91、第1デミスタ80および支持部材81は省略されている。図7において、第1回収部52−1および第1回収部52−2は、第1回収部52−3と重なる位置に配置されている。
第1回収部52は、側壁15に設けられてよい。上述したとおり、排ガス30は、反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回しながら進行方向E1に進行する。このため、排ガス30に同伴される霧状の液体40は、旋回による遠心力により側壁15に集積しやすくなる。このため、第1回収部52が側壁15に設けられることにより、当該液体40は、第1回収部52に回収されやすくなる。
第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15に沿って周回状に設けられてよい。排ガス30は旋回方向F1に旋回するので、排ガス30に同伴される霧状の液体40は、周回状の側壁15に沿って側壁15に集積しやすくなる。このため、第1回収部52が側壁15に沿って周回状に設けられることにより、周回状の側壁15に沿って集積した液体40は、第1回収部52に回収されやすくなる。
第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1から見て、周回状の側壁15の少なくとも一部に設けられてよい。本例においては、第1回収部52は当該進行方向E1から見て、周回状の側壁15の全体に設けられている。周回状の側壁15に沿って側壁15に集積した液体40を回収するためには、第1回収部52は、排ガス30の進行方向E1から見て、周回状の側壁15の全体に設けられることが好ましい。
本例において、第1接続部53は、排ガス30の進行方向E1から見て周回状の側壁15の全体に設けられている。排ガス30の進行方向E1から見た場合において、第1接続部53が周回状の側壁15の全体に設けられることで、第1接続部53が周回状の側壁15の一部に設けられる場合よりも、進行方向E1に進行する排ガス30と第1接続部53との接触面積が大きくなる。
枝管13の延伸方向における両端は、排ガス30の進行方向E1から見て、第1回収部52と重なる位置に配置されてよい。複数の噴出部14に含まれる一の噴出部14は、排ガス30の進行方向E1から見て、第1回収部52と重なる位置に配置されてよい。本例においては、排ガス30の進行方向E1から見て、反応塔10の中心軸の位置C1よりも最も側壁15側に配置される噴出部14が、第1回収部52と重なる位置に配置されている。複数の噴出部14に含まれる一の噴出部14が、排ガス30の進行方向E1から見て、第1回収部52と重なる位置に配置されることで、第1回収部52は、排ガス30に含まれる液体40を回収しやすくなる。
図8は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100は、反応塔10の内部に設けられた第2回収部62をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置100と異なる。第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1において、第1デミスタ80と排ガス排出口17との間に設けられる。第2回収部62は、排ガス30に含まれる液体40を回収する。第2回収部62は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。
本例において、第1回収部52および第2回収部62は、反応塔10の排ガス導出部91に設けられている。第1回収部52および第2回収部62は、反応塔10の本体部92に設けられてもよい。第1回収部52が排ガス導出部91に設けられている場合、第1回収部52は、反応塔10の本体部92と排ガス導出部91との両方に設けられていてもよい。
第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)において、反応塔10の断面の一部を覆ってよく、且つ、当該断面の中央を覆わなくてよい。第2回収部62は、排ガス30の旋回方向F1(図3参照)において、位置C1よりも外周側(側壁15側)に設けられてよい。
進行方向E1に進行する排ガス30に含まれる液体40は、当該排ガス30に同伴されて進行方向E1に進行しやすい。第2回収部62は、第1デミスタ80よりも排ガス30の下流側(排ガス排出口17側)において、進行方向E1に進行する液体40が第2回収部62よりも排ガス排出口17側へ進行することを妨げる。第2回収部62は、当該液体40を回収する液返しであってよい。
本例の第2回収部62は反応塔10の内部に設けられるので、第1回収部52と同様に、反応塔10の内部における排ガス30の進行および旋回を阻害する場合がある。このため、第2回収部62は、第1回収部52と同様に、排ガス30の進行方向E1と交差する方向における、反応塔10の断面の中央を覆わないことが好ましい。
第2回収部62は、側壁15と接続されてよい。第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15に沿って周回状に設けられてよい。
第2回収部62の少なくとも一部は、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向(本例においてはZ軸に平行な方向)に延伸していてよい。第2回収部62の少なくとも一部は、排ガス30の進行方向E1とは反対方向に延伸していてよい。第2回収部62の少なくとも一部が排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向に延伸しているとは、第2回収部62の少なくとも一部が、当該方向に直交しない方向に延伸している状態を指す。第2回収部62の少なくとも一部は、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向に平行な方向に延伸していてよい。
排ガス処理装置100は、1つの第2回収部62を備えてよく、複数の第2回収部62を備えてもよい。本例の排ガス処理装置100は、1つの第2回収部62を備えている。
図9は、図8における排ガス導出部91の拡大図である。図9は、本体部92の一部および排ガス導出部91が示されている。本例において、第2回収部62は第2接続部63および第2延伸部分64を含む。第2接続部63は、排ガス30の進行方向E1に交差するように設けられてよい。本例の第2接続部63は、排ガス30の進行方向E1に直交する方向に設けられている。本例の第2接続部63の一端は、反応塔10の側壁15と接続されている。本例の第2接続部63の他端は、第2延伸部分64と接続されている。本例においては、第2回収部62の第2延伸部分64が、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向(排ガス30の進行方向E1とは反対方向)に延伸している。
上述したとおり、排ガス30は旋回方向F1に旋回しながら進行方向E1に進行する。このため、第2接続部63が排ガス30の進行方向E1に交差するように設けられることにより、排ガス30は第2接続部63に接触しやすくなる。これにより、排ガス30に含まれる霧状の液体40は、第2接続部63において液膜化しやすくなる。
第2延伸部分64が排ガス30の進行方向E1とは反対方向に延伸していることにより、第2接続部63において液膜化した霧状の液体40は、反応塔10の内部に飛散しにくくなる。これにより、反応塔10の中心軸が鉛直方向に平行である場合、第2接続部63において液膜化した霧状の液体40は、反応塔10の内部において下方に(底面16への方向に)落下しやすくなる。
第2回収部62は、第2接続部63を有してよく、有さなくてもよい。第2回収部62が第2接続部63を有さない場合、第2延伸部分64の一端は、反応塔10の側壁15に接続されてよい。
図9の側面視において、排ガス通過部76のX軸方向における幅を幅W3とする。後述するように、本例においては、幅W3は、排ガス30の進行方向E1から見た場合における、円状の排ガス通過部76の直径である。図9の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W3が変化している場合、幅W3は、排ガス通過部76の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
図9の側面視において、第1デミスタ80のX軸方向における幅を、幅W4とする。後述するように、本例においては、幅W4は、排ガス30の進行方向E1から見た場合における、円状の第1デミスタ80の直径である。図9の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W4が変化している場合、幅W4は、第1デミスタ80の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
図9の側面視において、第1デミスタの外縁85と排ガス導出部91の側壁71との間のX軸方向における幅を、幅W5および幅W5'とする。幅W5はX軸方向における一方側の側壁71と一方側の外縁85との間の幅であり、幅W5'はX軸方向における他方側の側壁71と他方側の外縁85との間の幅である。図9の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W5および幅W5'が変化している場合、幅W5および幅W5'は、側壁71と外縁85との間の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
幅W5と幅W5'とは、等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅W5と幅W5'とは等しい。
第1回収部52の第1延伸部分54における2つの側面のうち、側壁15側の側面を側面55とする。図9の側面視において、側壁71と側面55との間のX軸方向における幅を、幅W6および幅W6'とする。幅W6はX軸方向における一方側の側壁71と一方側の側面55との間の幅であり、幅W6'はX軸方向における他方側の側壁71と他方側の側面55との間の幅である。図9の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W6および幅W6'が変化している場合、幅W6および幅W6'は、側壁71と側面55との間の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
第2回収部62の第2延伸部分64における2つの側面のうち、側壁15側の側面を側面65とする。図9の側面視において、側壁71と側面65との間のX軸方向における幅を、幅W7および幅W7'とする。幅W7はX軸方向における一方側の側壁71と一方側の側面65との間の幅であり、幅W7'はX軸方向における他方側の側壁71と他方側の側面65との間の幅である。図9の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅W7および幅W7'が変化している場合、幅W7および幅W7'は、側壁71と側面65との間の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
幅W6および幅W6'、並びに幅W7および幅W7は、排ガス導出部91の内部における排ガス30の旋回を妨げない大きさであることが好ましい。幅W6と幅W6'とは等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅W6と幅W6'とは等しい。幅W6および幅W6'は、幅W3の0.05倍以上0.3倍以下であってよい。幅W7と幅W7'とは等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅W7と幅W7'とは等しい。幅W7および幅W7'は、幅W3の0.05倍以上0.3倍以下であってよい。
幅W6と幅W7とは等しくてよく、異なっていてもよい。幅W6'と幅W7'とは等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅W6と幅W7とは等しく、幅W6'と幅W7'とは等しい。
幅W6は、幅W5と等しくてよい。幅W6は、幅W5より大きくてもよい。幅W6が幅W5より小さい場合、図9の側面視においてX軸方向における第1回収部52の第1延伸部分54と第1デミスタ80の外縁85との間に隙間が生じる。このため、進行方向E1に進行する排ガス30は、当該隙間を通過しやすくなる。当該隙間を排ガス30が通過した場合、当該排ガス30に含まれる液体40が除去されにくくなる。このため、幅W6は幅W5と等しいか、または、幅W6は幅W5より大きいことが好ましい。
幅W6は、幅W5の1.0倍以上2.0倍以下であってよい。幅W6'は、幅W5'と等しくてよい。幅W6'は、幅W5'より大きくてもよい。幅W6'は、幅W5'の1.0倍以上2.0倍以下であってよい。本例においては、幅W6は幅W5と等しく、幅W6'は幅W5'と等しい。
幅W7は、幅W5と等しくてよい。幅W7は、幅W5より大きくてもよい。幅W7が幅W5より小さい場合、幅W6と幅W5との比較により上述したことと同様に、進行方向E1に進行する排ガス30は、X軸方向における第2回収部62の第2延伸部分64と第1デミスタ80の外縁85との間の隙間を、排ガス30が通過しやすくなる。このため、幅W7は幅W5と等しいか、または、幅W7は幅W5より大きいことが好ましい。
幅W7は、幅W5の1.0倍以上2.0倍以下であってよい。幅W7'は、幅W5'と等しくてよい。幅W7'は、幅W5'より大きくてもよい。幅W7'は、幅W5'の1.0倍以上2.0倍以下であってよい。本例においては、幅W7は幅W5と等しく、幅W7'は幅W5'と等しい。
第1接続部53の2つの面のうち、排ガス導入口11側の面を天井面51とする。第2接続部63の2つの面のうち、排ガス導入口11側の面を天井面61とする。天井面51および天井面61は、XY面に平行であってよく、XY面に平行でなくてもよい。天井面51および天井面61は、XY面に直交しなくてよい。本例においては、天井面51および天井面61は、XY面に平行である。
排ガス排出口17から排ガス導入口11(図8参照)への方向(排ガス30の進行方向E1と平行、且つ、当該進行方向E1とは反対の方向)における、第1回収部52の幅および第2回収部62の幅を、それぞれ幅Wd1および幅Wd2とする。本例においては、幅Wd1は、第1接続部53の天井面51から、第1延伸部分54の排ガス導入口11(図8参照)側の端部までの、Z軸方向における幅である。天井面51がXY面に平行ではない場合は、幅Wd1は、天井面51から、第1延伸部分54の当該端部までのZ軸方向における幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
本例においては、幅Wd2は、第2接続部63の天井面61から、第2延伸部分64の排ガス導入口11(図8参照)側の端部までの、Z軸方向における幅である。天井面61がXY面に平行ではない場合は、幅Wd2は、天井面61から、第2延伸部分64の当該端部までのZ軸方向における幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
幅Wd2は、幅Wd1よりも小さくてよい。第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1において、第1デミスタ80と排ガス排出口17との間に設けられる。このため、排ガス30の進行方向E1における第1デミスタ80と第2回収部62との間には、第1デミスタ80により液体40の一部が除去された後の排ガス30が流れやすい。第1デミスタ80により液体40の一部が除去された後の排ガス30に含まれる液体40の量は、第1デミスタ80により液体40の一部が除去される前の排ガス30に含まれる液体40の量よりも少ない。このため、第2回収部62が回収する液体40の量は、第1回収部52が回収する液体40の量よりも、少なくてよい。このため、幅Wd2は幅Wd1よりも小さくてよい。
図10は、図1に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。図10において、反応塔10の本体部92は省略されている。図10において、第1回収部52は第2回収部62と重なる位置に配置されているので、図示されていない。図10において、支持部材81は、第1デミスタ80および第1回収部52と重なる位置に配置されている。図10において、支持部材81が配置される位置が破線で示されている。
第2回収部62は、側壁15に設けられてよい。上述したとおり、排ガス30は、反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回しながら進行方向E1に進行する。このため、排ガス30に同伴される霧状の液体40は、旋回による遠心力により側壁15に集積しやすくなる。このため、第2回収部62が側壁15に設けられることにより、当該液体40は、第2回収部62に回収されやすくなる。
第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15に沿って周回状に設けられてよい。排ガス30は旋回方向F1に旋回するので、排ガス30に同伴される霧状の液体40は、周回状の側壁15に沿って側壁15に集積しやすくなる。このため、第2回収部62が側壁15に沿って周回状に設けられることにより、周回状の側壁15に沿って集積した液体40は、第2回収部62に回収されやすくなる。
第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1から見て、周回状の側壁15の少なくとも一部に設けられてよい。本例においては、第2回収部62は当該進行方向E1から見て、周回状の側壁15の全体に設けられている。周回状の側壁15に沿って側壁15に集積した液体40を回収するためには、第2回収部62は、排ガス30の進行方向E1から見て、周回状の側壁15の全体に設けられることが好ましい。
本例において、第2接続部63は、排ガス30の進行方向E1から見て周回状の側壁15の全体に設けられている。排ガス30の進行方向E1から見た場合において、第2接続部63が周回状の側壁15の全体に設けられることで、第2接続部63が周回状の側壁15の一部に設けられる場合よりも、進行方向E1に進行する排ガス30と第2接続部63との接触面積が大きくなる。
上述したとおり、幅W7は、幅W5と等しくてよい。即ち、排ガス30の進行方向E1から見て、第2回収部62における第2延伸部分64の側面65の位置と、第1デミスタ80の外縁85の位置とは、一致していてよい。排ガス30の進行方向E1から見て、側面65の位置と外縁85の位置とは、周回状に設けられた側面65および外縁85の全体にわたり、一致していてよい。
図11は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100は、反応塔10の内部に設けられた第2デミスタ22をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置100と異なる。第2デミスタ22は、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部を除去する。
第2デミスタ22は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)に延伸する筒状であってよい。筒状の第2デミスタ22は、内側面23および外側面24を有する。空洞部25は、排ガス30の進行方向E1から見て、内側面23に囲まれる空間である。
図11の側面視において、内側面23および外側面24は、排ガス30の進行方向E1に平行に延伸していてよい。図11の側面視において、内側面23および外側面24は、排ガス30の進行方向E1に平行ではない方向、且つ、当該進行方向E1に直交しない方向に延伸していてもよい。
図11において、幹管12、枝管13の一部および噴出部14の一部は、Y軸方向に第2デミスタ22と重なる位置に配置されている。しかしながら、図示の便宜上、第2デミスタ22と重なる幹管12、第2デミスタ22と重なる枝管13の一部、および、第2デミスタ22と重なる噴出部14の一部は、実線で示されている。
上述したように、排ガス30は、反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回し、且つ、進行方向E1に進行する。排ガス30の少なくとも一部は、筒状の第2デミスタ22の内部を進行してよい。排ガス30の少なくとも一部は、第2デミスタ22の空洞部25を進行してよい。排ガス30の他の少なくとも一部は、筒状の第2デミスタ22の外部を進行してもよい。排ガス30の他の少なくとも一部は、反応塔10の内部において、反応塔10の側壁15と第2デミスタ22の外側面24との間を進行してよい。
後述するように、本例の第2デミスタ22には、複数の貫通孔が設けられている。当該複数の貫通孔は、内側面23から外側面24まで、第2デミスタ22を貫通している。排ガス30は、反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回し、且つ、進行方向E1に進行しながら、第2デミスタ22に設けられた貫通孔を通過してよい。当該排ガス30は、第2デミスタ22に設けられた貫通孔を、内側面23から外側面24への方向に貫通してよく、外側面24から内側面23への方向に貫通してもよい。当該排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、当該貫通孔を通過することにより除去される。
第2デミスタ22は、排ガス30の進行方向E1において、液体噴霧部90よりも排ガス導入口11側から排ガス排出口17側まで、延伸していてよい。噴出部14から噴出された液体40は、進行方向E1への排ガス30の進行に伴い、液体噴霧部90よりも排ガス排出口17側に進行しやすい。このため、第2デミスタ22は、排ガス30の進行方向E1に、液体噴霧部90から、液体噴霧部90よりも排ガス排出口17側に延伸していることが好ましい。噴出部14から噴出された液体40の一部は、液体噴霧部90よりも排ガス導入口11側に進行し得る。このため、第2デミスタ22は、排ガス30の進行方向E1とは反対の方向に、液体噴霧部90から、液体噴霧部90よりも排ガス導入口11側に延伸していることが好ましい。
第2デミスタ22は、幹管12の下端よりも排ガス導入口11側から、幹管12の上端よりも排ガス排出口17側まで、排ガス30の進行方向E1に延伸していてよい。第2デミスタ22は、底面16から、液体噴霧部90よりも排ガス排出口17側まで、延伸していてよい。第2デミスタ22は、底面16から、幹管12の上端よりも排ガス排出口17側まで、延伸していてよい。
本例において、第2デミスタ22により液体40の少なくとも一部を除去された排ガス30は、排ガス導出部91の排ガス通過部76に導入される。排ガス通過部76に導入された当該排ガス30には、液体40が残留している場合がある。本例において、排ガス導出部91には、第1デミスタ80が設けられている。当該排ガス30に残留している当該液体40の少なくとも一部は、第1デミスタ80により、さらに除去される。第1デミスタ80により液体40の少なくとも一部が除去された排ガス30は、排ガス排出口17から反応塔10の外部に排出される。このため、本例の排ガス処理装置100は、図1に示される排ガス処理装置100よりもさらに、反応塔10の外部に排出される排ガス30に含まれる液体40の量を低減できる。
図11の側面視において、第2デミスタ22の空洞部25のX軸方向における幅を幅Wa1とする。後述するように、本例においては、幅Wa1は、排ガス30の進行方向E1から見た場合における、円状の空洞部25の直径である。図11の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅Wa1が変化している場合、幅Wa1は、空洞部25の幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
なお、排ガス導出部91の排ガス通過部76のX軸方向における幅W3は、幅Wa1よりも小さくてよい。排ガス通過部76は、排ガス30の進行方向E1から見て、第2デミスタ22の空洞部25に含まれるように配置されてよい。
排ガス処理装置100は、固定部材26をさらに備えてよい。第2デミスタ22は、固定部材26により反応塔10の内部に固定されてよい。本例においては、固定部材26は、反応塔10の側壁15と第2デミスタ22の外側面24とを接続している。固定部材26は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15および外側面24に沿って周回状に設けられてよい。
排ガス処理装置100は、複数の固定部材26を備えてよい。本例の排ガス処理装置100は、3つの固定部材26(固定部材26−1〜固定部材26−3)を備える。本例において、固定部材26−1〜固定部材26−3は、排ガス30の進行方向E1に沿って、排ガス導入口11側から排ガス排出口17側へ、順に設けられている。
図11の側面視において、側壁15と外側面24との間のX軸方向における幅を、幅Wa2および幅Wa2'とする。幅Wa2はX軸方向における一方側の側壁15と一方側の外側面24との間の幅であり、幅Wa2'はX軸方向における他方側の側壁15と他方側の外側面24との間の幅である。
幅Wa2と幅Wa2'とは、等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅Wa2と幅Wa2'とは等しい。幅Wa2および幅Wa2'は、幅W1よりも小さい。幅Wa2および幅Wa2'は、幅W1の0.001倍以上0.2倍以下であってよく、0.002倍以上0.1倍以下であってもよく、0.005倍以上0.05倍以下であってもよい。幅Wa2および幅Wa2'は、幅Wa1よりも小さくてよい。
図11に示される排ガス処理装置100は、図8に示される第1回収部52および第2回収部62の少なくとも一方をさらに備えてもよい。排ガス処理装置100は、第1回収部52および第2回収部62の少なくとも一方をさらに備えることにより、反応塔10の外部に排出される排ガス30に含まれる液体40の量を、さらに低減できる。排ガス処理装置100は、第2デミスタ22を備え、第1デミスタ80を備えなくてもよい。
図12は、図11に示される第2デミスタ22の一部の拡大図である。本例の第2デミスタ22は、格子状に配置された複数の線材27を含む。線材27は、例えば金属製のワイヤである。第2デミスタ22は、例えば金網である。線材27は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。
図11に示される第2デミスタ22の内側面23および外側面24は、それぞれ、複数の線材27により形成される一方側の面および他方側の面である。線材27−1は、内側面23および外側面24の面内における所定の方向に延伸していてよい。線材27−2は、内側面23および外側面24の面内における、他の所定の方向に延伸していてよい。本例においては、複数の線材27−1は排ガス30の進行方向E1(Z軸方向)に延伸し、複数の線材27−2は排ガス30の進行方向E1に直交する方向に延伸している。本例において、線材27−1と線材27−2とは、内側面23および外側面24の面内において直交しているが、直交していなくてもよい。
本例の第2デミスタ22は、線材27−1および線材27−2で囲まれた貫通孔28を含む。第2デミスタ22は複数の貫通孔28を含んでよい。本例の第2デミスタ22は、XY面内にマトリクス状(メッシュ状)に配置された複数の貫通孔28を含んでいる。
上述したように、排ガス30は、反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回し、且つ、進行方向E1に進行する。第2デミスタ22の内側面23および外側面24は、排ガス30の進行方向E1に延伸している。このため、旋回方向F1に旋回する排ガス30の進行方向は、内側面23および外側面24と交差する成分を有しやすい。このため、当該排ガス30は、線材27と接触しやすく、且つ、貫通孔28を通過しやすい。
本例において、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、線材27と接触することにより液膜化する。液膜化した液体40は、排ガス30から離脱しやすい。これにより、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、除去される。
図13は、図11に示される第2デミスタ22の一部の他の拡大図である。本例の第2デミスタ22は、板材29を含む。板材29は、例えば金属板である。板材29は、反応塔10の側壁15と同じ材料により形成されていてよい。図13において、板材29がハッチングで示されている。
図11に示される第2デミスタ22の内側面23および外側面24は、板材29の一方の面および他方の面である。第2デミスタ22には、複数の貫通孔28が設けられていてよい。本例においては、複数の貫通孔87は、板材29に設けられている。本例においては、複数の貫通孔28は、板材29の一方の面から他方の面まで板材29を貫通している。板材29は、複数の貫通孔28が設けられたパンチメタルであってよい。
上述したように、旋回方向F1(図3参照)に旋回する排ガス30の進行方向は、内側面23(図11参照)および外側面24(図11参照)と交差する成分を有しやすい。このため、当該排ガス30は、板材29と接触しやすく、且つ、貫通孔28を通過しやすい。本例において、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、板材29と接触することにより液膜化する。液膜化した液体40は、排ガス30から離脱しやすい。これにより、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部は、除去される。
図14は、図11に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。図14においては、排ガス30の進行方向E1から見た場合における第2デミスタ22が、太い実線で示されている。
本例において、第2デミスタ22は、反応塔10の内部に設けられている。本例の第2デミスタ22は、排ガス30の進行方向E1から見て円状である。本例の第2デミスタの内側面23および外側面24は、排ガス30の進行方向E1から見て円状である。本例において、第2デミスタ22の空洞部25は、排ガス30の進行方向E1から見て内側面23に囲まれる、円状の空間である。
排ガス30の進行方向E1から見て、円状の第2デミスタ22の中心の位置は、位置C1であってよい。排ガス30の進行方向E1から見て、反応塔の10の側壁15、第2デミスタ22、排ガス導出部91の側壁71、および、第1デミスタ80の外縁85は、位置C1を中心として同心円状に配置されてよい。
空洞部25の幅Wa1は、反応塔10のガス処理部18(図11参照)の幅W1よりも小さい。幅Wa2は、ガス処理部18の半径(即ち幅W1の1/2)と空洞部25の半径(即ち幅Wa1の1/2)との差である。幅Wa2は、ガス処理部18の半径の2%以上15%以下であってよく、5%以上10%以下であってもよい。幅Wa2がガス処理部18の半径の2%未満である場合、第2デミスタ22の外側面24と反応塔10の側壁15とが近接し過ぎる。このため、Z軸方向が鉛直方向に平行である場合、第2デミスタ22により除去された液体40が、外側面24と側壁15との間を下方に落下しにくくなる。このため、幅Wa2は、ガス処理部18の半径の2%以上であることが好ましい。
排ガス30の進行方向E1から見て、空洞部25の面積は、反応塔10のガス処理部18の面積よりも小さい。このため、第2デミスタ22の空洞部25の内部における排ガス30の旋回速度は、図4の例(第2デミスタ22が設けられない例)のガス処理部18における排ガス30の旋回速度よりも大きくなりやすい。このため、当該排ガス30が第2デミスタ22の貫通孔28(図12または図13参照)を通過する場合、当該排ガス30に含まれる液体40が第2デミスタ22により除去されやすくなる。
本例の排ガス処理装置100は、第1デミスタ80および第2デミスタ22を備える。このため、本例の排ガス処理装置100においては、排ガス30に含まれる液体40は、第2デミスタ22により除去された後、第1デミスタ80によりさらに除去されやすくなる。このため、本例の排ガス処理装置100は、図1に示される排ガス処理装置100(第2デミスタ22が設けられない例)よりもさらに、反応塔10の外部に排出される排ガス30に含まれる液体40の量を低減できる。
第2デミスタ22の空洞部25の内部における排ガス30の一部は、旋回方向F1(図3参照)に旋回しながら、内側面23から外側面24への方向に貫通孔28を通過してよい。内側面23から外側面24への方向に貫通孔28を通過した排ガス30の一部は、外側面24と、反応塔10の側壁15との間を旋回方向F1(図3参照)に旋回しながら、外側面24から内側面23への方向に貫通孔28を通過してよい。
本例において、第2デミスタ22は、固定部材26により反応塔10の内部に固定されている。本例においては、固定部材26は、反応塔10の側壁15と第2デミスタ22の外側面24とを接続している。固定部材26は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15および外側面24に沿って周回状に設けられてよい。本例においては、固定部材26は、排ガス30の進行方向E1から見て、側壁15の全体および外側面24の全体に、周回状に設けられている。
図15は、図11に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。図15は、図11に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、図14と同じ方向から見た図であるが、排ガス導出部91、および、固定部材26−3のハッチングが省略されている。
幹管12は、排ガス30の進行方向E1から見て、第2デミスタ22の内側に設けられてよい。幹管12は、第2デミスタ22の空洞部25に配置されてよい。上述したとおり、本例の幹管12は、位置C1を中心軸の位置とする円柱状である。排ガス30の進行方向E1から見て、幹管12および第2デミスタ22は、同心円状に配置されてよい。
枝管13は、排ガス30の進行方向E1から見て、第2デミスタ22の内側から外側に延伸していてよい。複数の噴出部14のうちの一の噴出部14は、排ガス30の進行方向E1から見て、第2デミスタ22の外側に設けられてよい。図15において、第2デミスタ22の外側に配置される枝管13の一部および噴出部14が、破線にて示されている。
枝管13−11および枝管13−12の側壁15側の端部を、端部D1とする。本例においては、枝管13の延伸方向における端部D1側の一部が、第2デミスタ22の外側に配置されている。本例においては、1つの枝管13(例えば枝管13−11A)に設けられた複数の噴出部14(本例においては3つの噴出部14−11A)のうち、反応塔10の側壁15に最も近接して設けられた噴出部14が、第2デミスタ22の外側に配置されている。本例においては、複数の噴出部14のうちの一の噴出部14が、排ガス30の進行方向E1から見て、第2デミスタ22の外側に設けられているので、第2デミスタ22の外側に設けられた当該一の噴出部14から噴出された霧状の液体40は、反応塔の側壁15に接触しやすくなる。このため、当該霧状の液体40は、側壁15において液膜化しやすくなる。このため、当該霧状の液体40は、反応塔10の内部において飛散しにくくなる。
本例においては、第2デミスタ22の外側に配置される枝管13の一部および噴出部14は、固定部材26−3と重なる位置に配置されている。本例においては、第2デミスタ22の外側に配置される枝管13の一部および噴出部14は、固定部材26−3よりも底面16(図11参照)側に配置されている。
図16は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100においては、幹管12、枝管13および噴出部14は、第2デミスタ22の内側に設けられている。本例の排ガス処理装置100は、係る点で図11に示される排ガス処理装置100と異なる。幹管12、枝管13および噴出部14は、第2デミスタ22の空洞部25に配置されてよい。
図17は、図16に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。複数の幹管12、複数の枝管13および複数の噴出部14は、第2デミスタ22の空洞部25に設けられてよい。本例においては、全ての幹管12、全ての枝管13および全ての噴出部14が、第2デミスタ22の空洞部25に設けられている。本例の排ガス処理装置100は、係る点で図15に示される排ガス処理装置100と異なる。本例の排ガス処理装置100においては、全ての噴出部14が第2デミスタ22の空洞部25に設けられているので、噴出部14から噴出される液体40の全てが、空洞部25に噴出されやすい。このため、幅Wa2および幅Wa2'が幅Wa1よりも小さい場合であっても、噴出部14から噴出される液体40は、第2デミスタ22の外側面24と反応塔10の側壁15との間に滞留しにくい。液体40が滞留した場合、上述の[化学式1]に示される排ガス30と液体40との反応が起きにくくなる場合がある。本例においては、噴出部14から噴出される液体40が外側面24と側壁15との間に滞留しにくいので、[化学式1]に示される排ガス30と液体40との反応が起きにくくなることが抑制されやすくなる。
図18は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100は、反応塔10の内部に設けられた第3デミスタ31をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置100と異なる。第3デミスタ31は、排ガス30に含まれる液体40の少なくとも一部を除去する。
第3デミスタ31は、第1面33および第2面34を有する板状の部材であってよい。第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)に延伸していてよい。第3デミスタ31の第1面33および第2面34は、排ガス30の進行方向E1に延伸していてよい。第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1に直交しない方向に延伸していてよい。
第3デミスタ31は、図12または図13に示される態様であってよい。第3デミスタ31が図12に示される態様である場合、第3デミスタ31の第1面33および第2面34は、それぞれ、複数の線材27により形成される一方側の面および他方側の面である。当該第3デミスタ31は、線材27−1および線材27−2で囲まれた貫通孔28を含む。第3デミスタ31が図13に示される態様である場合、第3デミスタ31の第1面33および第2面34は、それぞれ、板材29の一方の面および他方の面である。当該第3デミスタ31において、複数の貫通孔28は、第1面33から第2面34まで板材29を貫通している。
旋回方向F1(図3参照)に旋回する排ガス30は、旋回方向F1に第3デミスタ31を貫通する。本例において、第3デミスタ31の第1面33および第2面34は、排ガス30の旋回方向F1(図3参照)と交差する方向に配置される。本例において、第3デミスタ31の第1面33および第2面34は、排ガス30の旋回方向F1(図3参照)において、それぞれ上流側および下流側に配置される面である。即ち、本例においては、排ガス30は、第1面33から第2面34への方向に、第3デミスタ31の貫通孔28を貫通する。
排ガス処理装置100は、複数の第3デミスタ31を備えてよい。本例の排ガス処理装置100は、4つの第3デミスタ31(第3デミスタ31−1〜第3デミスタ31−4)を備える。本例において、第3デミスタ31−1〜第3デミスタ31−4は、排ガス30の進行方向E1から見て、旋回方向F1に沿って90度置きに順に配置されている。図18の側面視において、第3デミスタ31−3は第3デミスタ31−1と重なる位置に配置されているので、図示されていない。
第3デミスタ31−1の第1面33−1および第2面34−1、並びに第3デミスタ31−3(不図示)の第1面33−3(不図示)および第2面34−3(不図示)は、YZ面に平行であってよい。第3デミスタ31−2の第1面33−2および第2面34−2、並びに第3デミスタ31−4の第1面33−4および第2面34−4は、XZ面に平行であってよい。
X軸方向において、第3デミスタ31−2の側壁15とは反対側の端部、および、第3デミスタ31−4の側壁15とは反対側の端部を、端部D2とする。第3デミスタ31−2の端部D2と、第3デミスタ31−4の端部D2との間のX軸方向における幅を、幅Wb1とする。
第3デミスタ31−2のX軸方向における幅を、幅Wb2とする。第3デミスタ31−4のX軸方向における幅を、幅Wb2'とする。図18の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅Wb2が変化している場合、幅Wb2は、第3デミスタ31−2のX軸方向における幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。図18の側面視において、排ガス30の進行方向E1に沿って幅Wb2'が変化している場合、幅Wb2'は、第3デミスタ31−4のX軸方向における幅の最大値であってよく、最小値であってよく、平均値であってよく、中央値であってもよい。
幅Wb2と幅Wb2'とは、等しくてよく、異なっていてもよい。本例においては、幅Wb2と幅Wb2'とは等しい。幅Wb2および幅Wb2'は、幅W1よりも小さい。幅Wb2および幅Wb2'は、幅W1の0.001倍以上0.2倍以下であってよく、0.002倍以上0.1倍以下であってもよく、0.005倍以上0.05倍以下であってもよい。
第3デミスタ31は、反応塔10の本体部92に設けられてよい。第3デミスタ31は、ガス処理部18に設けられてよい。第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1において、排ガス導入口11と液体噴霧部90との間に設けられてよく、液体噴霧部90に設けられてもよく、液体噴霧部90と排ガス排出口17との間に設けられてもよい。排ガス処理装置100は、第3デミスタ31を備え、第1デミスタ80を備えなくてもよい。
図19は、図18に示される排ガス処理装置100の反応塔10を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。本例において、第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1から見て、反応塔10の側壁15から反応塔10の中央への方向に延伸している。第3デミスタ31が反応塔10の側壁15から反応塔10の中央への方向とは、第3デミスタ31が、側壁15との接続部から反応塔の内部の方向を指す。当該方向とは、即ち排ガス30の進行方向E1から見て、円状の反応塔10の当該円の内部における、第3デミスタ31と側壁15との接続部を通る弦の方向を指す。本例においては、第3デミスタ31は、側壁15との接続部から、反応塔10の中心の位置C1を通る方向に延伸している。
第3デミスタ31の少なくとも一部は、排ガス30の進行方向E1から見て、枝管13の少なくとも一部と重なっていてよい。枝管13−11Aと第3デミスタ31−3とを例に説明すると、本例においては、第3デミスタ31―3の端部D2と枝管13―11Aとが重なっている。本例においては、枝管13−11Aの端部D1(図15において上述)と第3デミスタ31−3とが重なっている。本例においては、排ガス30の進行方向E1から見て、端部D1の位置から端部D2の位置までの間において、第3デミスタ31−3と枝管13−11Aとが重なっている。図19において、枝管13の端部D1が、破線にて示されている。
第3デミスタ31の少なくとも一部は、排ガス30の進行方向E1から見て、複数の噴出部14のうちの少なくとも一つの噴出部14と重なっていてよい。枝管13−11Aを例に説明すると、本例においては、枝管13−11Aに設けられる3つの噴出部14―11Aのうち、排ガス30の進行方向E1から見て最も側壁15側に設けられる噴出部14−11Aと、第3デミスタ31−2とが重なっている。
反応塔10の内部を旋回方向F1(図3参照)に旋回する排ガス30は、旋回による遠心力により、排ガス30の進行方向E1から見て、中心の位置C1よりも側壁15側を通過しやすい。このため、第3デミスタ31が反応塔10の側壁15から反応塔10の中央への方向に延伸していることで、当該排ガス30は第3デミスタ31を通過しやすくなる。このため、当該排ガス30に含まれる液体40は、第3デミスタ31により除去されやすくなる。
本例の排ガス処理装置100は、第1デミスタ80および第3デミスタ31を備える。このため、本例の排ガス処理装置100においては、排ガス30に含まれる液体40は、第3デミスタ31により除去された後、第1デミスタ80によりさらに除去されやすくなる。このため、本例の排ガス処理装置100は、図1に示される排ガス処理装置100(第3デミスタ31が設けられない例)よりもさらに、反応塔10の外部に排出される排ガス30に含まれる液体40の量を低減できる。
図20は、図18における液体噴霧部90の拡大図に、第3デミスタ31を合わせて示した図である。枝管13−1〜枝管13−12のうち、枝管13−10Aを第1の枝管13とし、枝管13−12Aを第2の枝管13とする。排ガス30の進行方向E1において、第1の枝管13は第2の枝管13よりも排ガス導入口11側に設けられている。本例においては、第1の枝管13および第2の枝管13をそれぞれ上記の通り選択したが、第1の枝管13は第2の枝管13よりも排ガス導入口11側に設けられている、という条件を満たす任意の枝管13が、第1の枝管13および第2枝管13に選択されてよい。
排ガス30の進行方向E1において、第3デミスタ31は、第1の枝管13と第2の枝管13との間に設けられてよい。枝管13−10Aおよび枝管13−12Aを例に説明すると、図20の側面視において、第3デミスタ31−2は、枝管13−10A(第1の枝管13)と枝管13−12A(第2の枝管13)との間に設けられている。枝管13−9Bおよび枝管13−11Bを例に説明すると、図20の側面視において、第3デミスタ31−1は、枝管13−9B(第1の枝管13)と枝管13−11B(第2の枝管13)との間に設けられている。
排ガス30の進行方向E1から見て、第1の枝管13および第2の枝管13、並びに第3デミスタ31は、重なっていてよい。図19および図20を参照して説明すると、枝管13−10A(第1の枝管13)および枝管13−12A(第2の枝管)、並びに第3デミスタ31−2は、排ガス30の進行方向E1から見て重なっている。排ガス30の進行方向E1から見て、複数の噴出部14のうちの少なくとも1つの噴出部14と、第3デミスタ31とが重なっていてもよい。
図21は、反応塔10を排ガス30の進行方向E1から見た場合の他の一例を示す図である。本例において、枝管13−11と重なる位置には枝管13−9が設けられ、枝管13−12と重なる位置には枝管13−10が設けられている。枝管13−9は枝管13−11よりも排ガス導入口11側(図18参照)に設けられ、枝管13−10は枝管13−12よりも排ガス導入口11側(図18参照)に設けられている。
枝管13−1〜枝管13−12のうち、枝管13−10Aを第1の枝管13とし、枝管13−12Aを第2の枝管13とし、枝管13−11Aを第3の枝管13とする。第1の枝管13および第2の枝管13は、排ガス30の進行方向E1(本例においてはZ軸方向)と交差する方向(本例においてはXY面内の方向)において、第1の方向(本例においてはX軸に平行な方向)に延伸している。第3の枝管13は、排ガス30の進行方向E1と交差する方向において、第1の方向と異なる第2の方向(本例においてはY軸に平行な方向)に延伸している。
本例においては、第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1から見て、第2の枝管13(枝管13−12A)と第3の枝管13(枝管13−11A)との間に設けられている。即ち、本例の4つの第3デミスタ31は、図19に示される4つの第3デミスタ31を、位置C1を中心に反時計回りに所定角度回転させた位置に配置されている。当該所定角度は、10度以上80度以下であってよく、30度以上60度以下であってもよい。本例においては、当該所定角度は45度である。
本例においては、第1の枝管13および第2の枝管13、並びに第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1から見て、重なっていない。このため、本例においては、第3デミスタ31は、排ガス30の進行方向E1に沿って、液体噴霧部90よりも排ガス導入口11側から排ガス排出口17側まで、連続的に延伸していてよい。
図22は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100は、熱交換器99をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置100と異なる。
排ガス処理装置100は、管96および管97をさらに備えてよい。管96および管97は、排水管20と熱交換器99とを接続する。排水管20に排出された排液46は、管96を通過して熱交換器99に導入される。熱交換器99を通過した排液46は、管97を通過して排水管20に排出される。
排液46は、反応塔10の内部において排ガス30を処理した液体40である。熱交換器99は、排液46の熱と、反応塔10に導入される排ガス30の熱とを熱交換する。反応塔10に導入される排ガス30とは、液体40を噴霧される前の排ガス30であってよく、反応塔10に導入される前の排ガス30であってもよく、排ガス導入管32を通過している排ガス30であってもよく、反応塔10に導入された直後の排ガス30であってもよい。本例においては、熱交換器99は、排液46の熱と、排ガス導入管32を通過する排ガス30の熱とを熱交換する。
反応塔10に導入される排ガス30の温度は、排液46の温度よりも高くなりやすい。本例においては、熱交換器99が排液46の熱と当該排ガス30の熱とを熱交換するので、熱交換器99を通過した後の排ガス30の温度は、熱交換器99を通過する前の排ガス30の温度よりも低くなりやすい。
本例において、反応塔10の内部に単位時間当たり導入される排ガス30の体積を、体積V1とする。図1の例(即ち熱交換器99が設けられない例)において、反応塔10の内部に単位時間当たり導入される排ガス30の体積を、体積V2とする。排ガス30の体積は、排ガス30の温度が低いほど小さくなりやすい。このため、体積V1は体積V2よりも小さくなりやすい。反応塔10の内部を旋回する排ガス30の圧力損失は、排ガス30の体積が小さいほど、小さくなりやすい。このため、本例の排ガス処理装置100における排ガス30の圧力損失は、図1に示される排ガス処理装置100における排ガス30の圧力損失よりも、小さくなりやすい。
熱交換器99を通過した後の排ガス30に液体40が噴霧された場合の霧状の液体40の密度を、密度M1とする。熱交換器99を通過しない排ガス30に液体40が噴霧された場合(即ち、図1の例の場合)の霧状の液体40の密度を、密度M2とする。排ガス30に液体40が噴霧される場合、霧状の液体40の密度は、排ガス30の温度が高いほど大きくなりやすい。即ち、密度M2は密度M1よりも大きくなりやすい。このため、液体40が旋回方向F(図3参照)に旋回する場合、密度M2の液体40に印加される遠心力は、密度M1の液体40に印加される遠心力よりも大きくなりやすい。このため、密度M2の液体40は、密度M1の液体40よりも側壁15に集積しやすい。このため、本例の排ガス処理装置100における第1回収部52は、図1に示される排ガス処理装置100における第1回収部52よりも、多くの液体40を回収しやすくなる。
なお、図8、図11、図16および図18のいずれかに示される排ガス処理装置100が、熱交換器99をさらに備えてもよい。また、排ガス処理装置100が熱交換器99を備える代わりに、排水管20と排ガス導入管32とが直接接していてもよい。排水管20と排ガス導入管32とが直接接することにより、排液46の熱と、反応塔10に導入される排ガス30の熱とが熱交換されてもよい。
図23は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。本例の排ガス処理装置100は、排液46を噴霧する噴霧部38をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置100と異なる。
排ガス処理装置100は、管94、管95および第2ポンプ98をさらに備えてよい。管95は、排水管20と第2ポンプ98とを接続する。管94は、第2ポンプ98と噴霧部38とを接続する。排水管20に排出された排液46は、管95を通過して第2ポンプ98に導入される。第2ポンプ98は、管94を通じて当該排液46を噴霧部38に導入する。
排液46は、反応塔10の内部において排ガス30を処理した液体40である。噴霧部38は、反応塔10に導入される排ガス30に排液46を噴霧する。反応塔10に導入される排ガス30とは、図22の例と同様に、液体40を噴霧される前の排ガス30であってよく、反応塔10に導入される前の排ガス30であってもよく、排ガス導入管32を通過している排ガス30であってもよい。本例においては、噴霧部38は、排ガス導入管32を通過する排ガス30に排液46を噴霧する。
反応塔10の内部において、排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SOx)等の有害物質は、液体40により化学吸収されやすい。化学吸収とは、化学式1に示される、亜硫酸ガス(SO2)を亜硫酸イオン(HSO3 −)とする化学反応を指す。これにより、排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SOx)等の有害物質が除去される。亜硫酸イオン(HSO3 −)は、化学式1に示される化学反応後の排液46に含まれる。
排液46は、化学吸収により排ガス30に含まれる有害物質をさらに除去することが困難な液体であってよい。排液46は、液体40による当該有害物質の化学吸収が飽和状態に達した液体であってよい。排液46は、化学吸収により当該有害物質をさらに除去し得ない液体であってもよい。
本例においては、噴霧部38が、反応塔10に導入される排ガス30に、化学反応後の排液46を噴霧する。このため、排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SOx)等の有害物質は、排液46に物理吸収されやすい。物理吸収とは、硫黄酸化物(SOx)を硫黄酸化物(SOx)のまま、液体中に溶解させることにより硫黄酸化物(SOx)を除去する反応を指す。
本例においては、反応塔10に導入される前の排ガス30に排液46が噴霧されることにより、排ガス処理装置100は、当該排ガス30に含まれる硫黄酸化物(SOx)の少なくとも一部を除去できる。これにより、排ガス処理装置100は、反応塔10の内部において液体40により化学吸収される硫黄酸化物(SOx)等の量を減少させることができる。このため、本例の排ガス処理装置100は、図1に示される排ガス処理装置100よりも、反応塔10の外部に排出される硫黄酸化物(SOx)等の量を減少させることができる。
噴霧部38は、反応塔10の外部から内部への方向に排液46を噴霧してよい。噴霧部38は、排ガス導入管32における排ガス30の進行方向に、排液46を噴霧してよい。噴霧部38が排液46を排ガス30の進行方向に噴霧することにより、排液46が動力装置50に逆流しにくくなる。なお、図8、図11、図16および図18のいずれかに示される排ガス処理装置100が、噴霧部38をさらに備えてもよい。
図24は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。ただし、図24においては、反応塔10の排ガス導入口11側の一部が省略されている。本例の排ガス処理装置100は、反応塔10の外部から外気93を導入する導入部41をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置と異なる。導入部41は、反応塔10の排ガス排出口17に接続される。
導入部41は、排ガス排出口17に接続される一端42、および、一端42とは逆側の他端43を有する。排ガス排出口17から排出された排ガス30は、導入部41の内部を進行する。他端43は、導入部41の内部における排ガス30の進行方向における排ガス排出口17側の端部である。他端43は、当該進行方向において一端42とは逆側の端部である。
導入部41は、側壁47および排ガス通過部48を有する。排ガス通過部48は、側壁47に囲まれた空間である。排ガス排出口17から排出された排ガス30は、排ガス通過部48を通過した後、導入部41の他端43から排出される。
導入部41の一端42が排ガス排出口17に接続されるとは、Z軸方向において一端42の位置と排ガス排出口17の位置とが同じである場合のほか、図24の側面視で、導入部41の排ガス通過部48と排ガス導出部91の排ガス通過部76とが重なって配置される場合を含んでよい。排ガス通過部48と排ガス通過部76とが重なって配置される場合、重なって配置される領域において、排ガス通過部76は排ガス通過部48の内部に配置されてよい。本例においては、排ガス通過部76の一部は、排ガス通過部48の内部に配置されている。本例においては、排ガス導出部91の一部は、導入部41の一部に含まれている。図24において、排ガス導出部91の当該一部が粗い破線にて示されている。
導入部41には、導入口44が設けられている。導入口44は、導入部41の外側と排ガス通過部48とを接続する。導入部41の外部の外気93は、導入口44を通過して排ガス通過部48に導入される。
導入口44は、一端42に設けられていてよい。導入口44は、側壁47に設けられていてもよい。本例において、導入口44は一端42に設けられている。本例においては、導入口44は、排ガス導出部91の周囲に、XY面内に周回状に設けられている。
導入部41は、旋回部45を有する。旋回部45は、導入口44と他端43との間に設けられる。本例においては、旋回部45は排ガス通過部48に設けられている。図24において、旋回部45が設けられる範囲が両矢印にて示されている。旋回部45は、排ガス排出口17から排出された排ガス30と外気93とを混合させる。当該排ガス30と外気とが混合した排ガスを排ガス39とする。旋回部45は、排ガス39を他端43から導入部41の外部に排出させる。本例の旋回部45は、例えば排気ファンである。
本例の排ガス処理装置100は、第1回収部52および第1デミスタ80を備える。第1回収部52は排ガス30に含まれる液体40の一部を回収し、第1デミスタ80は当該液体40の一部を除去するが、排ガス排出口17から排出される排ガス30には、当該液体40の他の一部が残留している場合がある。排ガス30に液体40の他の一部が残留している場合、排ガス30は、液体40の当該一部による湿度を有する。本例においては、旋回部45が排ガス30と外気93とを混合させるので、排ガス39の湿度は当該排ガス30の当該湿度よりも低くなりやすい。旋回部45は、当該排ガス39を他端43から排出させるので、本例の排ガス処理装置100は、導入部41の他端43における液体40の凝縮を抑制しやすくなる。
図25は、図24におけるA−A'断面の一例を示す図である。A−A'断面は、導入部41、排ガス通過部48、排ガス導出部91および排ガス通過部76を通るXY断面である。
導入部41は、XY断面において排ガス導出部91を囲うように設けられてよい。排ガス通過部48は、XY断面において導入部41の内部、且つ、排ガス導出部91の外部の空間である。XY断面において、排ガス通過部48は、排ガス導出部91の外部に周回状に設けられてよい。
図26は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。ただし、図26においては、反応塔10の排ガス導入口11側の一部が省略されている。本例の排ガス処理装置100は、反応塔10の外部から外気93を導入する導入部41をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置と異なる。導入部41は、反応塔10の排ガス排出口17に接続される。
本例において、導入部41は、導出管75および導入管89を有する。本例において、導入部41の一端42は、導出管75の一端である。導入管89は、導入口44に接続されている。図26において、導入管89が太い実線で示されている。導入管89は、側壁69および気体通過部49を有する。気体通過部49は、側壁69に囲まれた空間である。
本例においては、旋回部45は導入管89の気体通過部49に設けられている。本例において、旋回部45は導入管89の外部から外気93を気体通過部49に導入する。本例の旋回部45は、送風ファンであってよく、吸気ファンであってもよい。
図26において、領域Dは、旋回部45により送風された外気93と、排ガス排出口17から排出された排ガス30とが通過する領域である。図26において、領域Dがハッチングで示されている。
本例においては、外気93と排ガス30とは、領域Dにおいて混合される。混合された排ガス39は、旋回部45により他端43から導入部41の外部に排出されてよい。本例においても、排ガス30と外気93とが混合されるので、本例の排ガス処理装置100も、導入部41の他端43における液体40の凝縮を抑制しやすくなる。
Z軸方向が鉛直方向に平行であり、且つ、XY面が水平方向である場合において、他端43の上端および下端を、それぞれ端部P1および端部P2とする。X軸方向において、端部P1と反対側の導入管89の端部を端部P3とし、端部P2と反対側の導入管89の端部を端部P4とする。X軸方向において、導出管75の一端42における他端43側の端部を端部P5とし、一端42における端部P5とは反対側の端部を端部P6とする。
図26において、端部P1と端部P4とを結ぶ線、および、端部P2と端部P3とを結ぶ線が、一点鎖線にて示されている。図26において、端部P1と端部P5とを結ぶ線、および、端部P1と端部P6とを結ぶ線が、破線にて示されている。図26において、端部P2と端部P5とを結ぶ線、および、端部P2と端部P6とを結ぶ線が、破線にて示されている。
図26において、一点鎖線と破線とは所定の角度をなす。本例においては、一点鎖線と破線とがなす角度とは、当該一点鎖線から当該破線への向きが時計回りである角度を指す。図26において、当該角度の1つが角度φにて示されている。
導出管75と導入管89とは、旋回部45から他端43への方向と、一端42から他端43への方向とが鋭角をなすように配置されてよい。旋回部45から他端43への方向と、一端42から他端43への方向とが鋭角をなすとは、図26において、任意の一点鎖線と任意の破線とのなす角度φが鋭角であることを指す。導出管75と導入管89とは、領域Dにおいて排ガス30と外気93とが対向しないように配置されてよい。導出管75と導入管89とが、旋回部45から他端43への方向と、一端42から他端43への方向とが鋭角をなすように配置されることで、排ガス30は、導入管89の気体通過部49を他端43から旋回部45への方向に逆流しにくくなる。
図27は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。ただし、図27においては、反応塔10の排ガス導入口11側の一部が省略されている。本例の排ガス処理装置100は、排ガス30に含まれる液体40を集積する集積部21をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置と異なる。集積部21は、反応塔10の排ガス排出口17に接続される。集積部21の少なくとも一部と排ガス排出口17の少なくとも一部とは、排ガス排出口17から排ガス導入口11への方向(本例においてはZ軸方向とは反対方向)に見て、重なるように配置されている。
集積部21は、液体40を集積する集積板36を有してよい。集積板36は、鉛直方向に対して傾斜して設けられる。集積部21は、集積板36に接続される底板35を有してよい。
集積部21は、複数の集積板36を有してよい。本例の集積部21は、4つの集積板36(集積板36−1〜集積板36−4)を有する。本例において、4つの集積板36は排ガス排出口17を囲うように陣笠上に配置されている。図27において、集積板36−2および集積板36−4がハッチングにて示されている。図27において、集積板36−1のハッチングは省略されている。図27において、集積板36−3は集積板36−1と重なる位置に配置されているので、図示されていない。
集積部21は、集積板36と底板35とに囲まれた集積室67を有してよい。本例においては、集積室67は、集積板36−1〜集積板36−4と底板35とに囲まれた、集積部21の内部の空間である。
集積部21には、排ガス30を排出する排出口37が設けられている。集積部21の外部と集積室67とは、排出口37により連通している。本例において、排出口37は底板35に設けられている。本例においては、排出口37は、排ガス導出部91の周囲に、XY面内に周回状に設けられている。
集積部21の下端を下端68とする。本例において、下端68は底板35の下端である。集積部21が排ガス排出口17に接続されるとは、Z軸方向において排ガス排出口17の位置と下端68の位置と同じである場合のほか、図27の側面視で、集積部21の集積室67と排ガス導出部91の排ガス通過部76とが重なって配置される場合を含んでよい。集積室67と排ガス通過部76とが重なって配置される場合、重なって配置される領域において、排ガス通過部76は集積室67の内部に配置されてよい。本例においては、排ガス通過部76の一部は、集積室67の内部に配置されている。本例においては、排ガス導出部91の一部は、集積部21の一部に含まれている。図27において、排ガス導出部91の当該一部が粗い破線にて示されている。
集積板36の下面を、下面77とする。底板35の上面を、上面78とする。集積室67において、集積板36と底板35とが接続される角部を、液溜め部79とする。なお、集積室67は、下面77および上面78に囲まれた空間である。
集積部21は、底板35の上面78と反応塔10の内部(ガス処理部18)とを接続する導入管84を有してよい。導入管84は、底板35を貫通して設けられている。集積室67とガス処理部18とは、導入管84により連通している。
集積部21は、複数の導入管84を有してよい。本例の集積部21は、4つの導入管84(導入管84−1〜導入管84−4)を有する。導入管84−1および導入管84−3は、反応塔10および集積部21と重なる部分に配置されるが、図27においては省略されている。
排ガス排出口17から排出された排ガス30は、下面77に衝突する。排ガス30に残留する霧状の液体40は、排ガス30が下面77に衝突することにより、液膜化しやすくなる。本例において、集積板36は鉛直方向に対して傾いて設けられているので、液膜化した液体40は、下面77に沿って底板35の方向へ進みやすい。底板35の方向へ進んだ当該液体40は、液溜め部79に滞留する。液溜め部79に滞留した当該液体40は、導入管84を通過した後、反応塔10の内部(ガス処理部18)に流入する。
排ガス排出口17から排出された排ガス30は、下面77に衝突することにより、集積板36から底板35への方向に進行しやすくなる。集積板36から底板35への方向に進行した排ガス30は、排出口37を通過した後、集積部21の外部に排出される。
図28は、図27に示される排ガス処理装置100を、排ガス30の進行方向E1から見た場合の一例を示す図である。集積部21の少なくとも一部と排ガス排出口17の少なくとも一部とは、排ガス30の進行方向E1から見て、重なるように配置されてよい。本例においては、集積部21の一部と排ガス排出口17の全てとが、排ガス30の進行方向E1から見て、重なるように配置されている。図28においては、排ガス導出部91および排ガス導出部91の内部が破線で示されている。図28においては、反応塔10は省略されている。
集積板36−1〜集積板36−4は、反応塔10の中心の位置C1(図3参照)を中心として陣笠上に配置されてよい。底板35には、集積板36−1〜集積板36−4と重なる位置に、それぞれ導入管84−1〜導入管84−4が設けられてよい。図28において、導入管84−1〜導入管84−4の位置が破線で示されている。
底板35には、排出口37が設けられてよい。排出口37は、排ガス30の進行方向E1から見て、排ガス導出部91の外部と底板35との間の空間である。排ガス30の進行方向E1から見て、排出口37は、排ガス導出部91の外部に周回状に設けられてよい。図28において、排出口37の外縁の位置が破線にて示されている。
図29は、本発明の一つの実施形態に係る排ガス処理装置100の他の一例を示す図である。ただし、図29においては、反応塔10の排ガス導入口11側の一部が省略されている。本例の排ガス処理装置100は、排ガス30に含まれる液体40を集積する集積部21をさらに備える点で、図1に示される排ガス処理装置と異なる。集積部21は、反応塔10の排ガス排出口17に接続される。
集積部21は、排ガス排出口17に接続される一端110、および、一端110とは逆側の他端112を有する。排ガス排出口17から排出された排ガス30は、集積部21の内部を進行する。一端110は、集積部21の内部における排ガス30の進行方向における排ガス排出口17側の端部である。他端112は、当該進行方向において一端110とは逆側の端部である。
集積部21は、内壁114および排ガス通過部116を有する。排ガス通過部116は、内壁114に囲まれた空間である。排ガス排出口17から排出された排ガス30は、排ガス通過部116を通過した後、集積部21の他端112から排出される。
集積部21は、集積部21の内部(即ち排ガス通過部116)に集積板118を有する。集積板118は、鉛直方向に対して傾いて設けられている。集積板118は、集積部21の内壁114から集積部21の内部(即ち排ガス通過部116)に延伸している。本例の集積板118は、Y軸に平行な面を有する板状の部材である。
集積部21は、曲線状であってよい。集積部21が曲線状であるとは、図29の側面視において、集積部21の内壁114の少なくとも一部が上方に凸形状を有する状態を指す。本例においては、図29の側面視において内壁114の全体が上方に凸形状を有している。鉛直方向において、集積部21の一端110の上方には内壁114が配置されていてよい。集積部21の一端110は、鉛直方向において内壁114と重なる位置に配置されてよい。
排ガス排出口17から排出された排ガス30は、集積板118に衝突する。排ガス30に残留する霧状の液体40は、排ガス30が集積板118に衝突することにより、液膜化しやすくなる。本例において、集積板118は鉛直方向に対して傾いて設けられているので、液膜化した液体40は、集積板118に沿って下方に進みやすい。
X軸方向において、集積部21の一端110における他端112側の端部を、端部P7とする。集積板118の下端を下端P8とする。鉛直方向において、下端P8のX軸方向における位置に対応する、内壁114の位置を、位置Tとする。
端部P8の鉛直方向における下方には、内壁114が配置されてよい。いい換えると、X軸方向において、位置Tは、端部P7のX軸方向における位置よりも、他端112側に配置されてよい。端部P8の鉛直方向における下方に内壁114が配置されることで、集積板118に沿って下方に進んだ液体40は、内壁114上に落下しやすくなる。内壁114上に落下した液体40は、内壁114に沿って排ガス通過部116を排ガス30の進行方向とは逆方向に進行した後、反応塔10の内部(即ちガス処理部18)に戻りやすい。このため、本例の排ガス処理装置100は、集積部21の内部において液膜化した液体40の飛散を抑制しやすくなる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
[項目1](陣笠)
前記排ガス排出口に接続され、前記排ガスに含まれる前記液体を集積する集積部をさらに備え、
前記排ガス排出口から前記排ガス導入口への方向に見て、前記集積部の少なくとも一部と前記排ガス排出口の少なくとも一部とは、重なるように配置されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
[項目2](陣笠)
前記集積部は、
鉛直方向に対して傾斜して設けられ、前記液体を集積する集積板と、
前記集積板に接続された底板と、
前記底板を貫通して設けられ、前記底板の上面と前記反応塔の内部とを接続する導入管と、を有する、
項目1に記載の排ガス処理装置。
[項目3](邪魔板)
前記排ガス排出口に接続され、前記排ガスに含まれる前記液体を集積する集積部をさらに備え、
前記集積部は、前記排ガス排出口に接続される一端、および、前記一端とは逆側の他端を有し、
前記集積部は、前記集積部の内壁から前記集積部の内部に延伸し、鉛直方向に対して傾斜して設けられた集積板を有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。