以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
<概要>
以下の実施形態では、ユーザの身体のバランス、ユーザの身体の動きを測定することにより、ユーザの身体のしなやかさを評価して、美しい姿勢(例えば、美しい歩行姿勢)を体得できるようエクササイズメニューを提供するための測定システム1について説明する。
ユーザの歩行姿勢が整っていない場合、歩行動作には必ずしも必要ではない動作をすることとなるため、ユーザの力が不要に消費されてしまうことになり、疲労が蓄積しやすくなる。ユーザの歩行姿勢を美しくすることで、ユーザが身体を機能的に動かすことができ、結果として、疲労の少ない歩き方となり得る。そこで、測定システム1では、(1)ユーザの歩行時の動作を測定して、歩行姿勢を評価する(美しく、バランスよく歩くことができているかを評価する)ことと、(2)ユーザの各関節のしなやかさを測定して、関節可動域を評価するROMチェックをすること(ROM:Range of motion)と、(3)ユーザの筋力の状態を評価してトレーニングメニューを提供することとを行う。
ユーザがバランスよく歩けている場合(身体の左右の動かし方で偏りがない、歩行動作時の筋肉の動きが理想的である等)、身体の動かし方が機能的となる。ここで、機能的な動かし方とは、ユーザが不要な力を消費することなく、歩くために筋肉を動かせていることをいう。つまり、ユーザが筋肉を動かして歩行のための推進力を得ることとなるが、筋肉の動きが高い効率で推進力につながることをいう。その結果、ユーザが美しく歩いている印象を与えることができる。このようなバランスのよい歩き方をユーザが体得できるようにするにあたり、関節可動域を評価することが有効であり、測定システム1では、関節可動域の評価とともに、これら関節可動域の評価結果を前提としつつ歩行姿勢を美しく見せるために必要な筋肉のトレーニングをもユーザに提供する。
以上のように、測定システム1は、ユーザの身体の動きの測定(チェック)と、ユーザの身体を動かすためのエクササイズとを提供する。
測定システム1は、例えば、事業会社の事業所、商業施設の施設内、店舗スペース、スタジオ、個人の家庭内等に設置され得る。例えば、事業会社が、従業員の健康管理をよりいっそう促すため、測定システム1を導入することがあり得る。また、商業施設の店舗において、測定システム1を展開することにより、健康管理サービスを消費者に向けて提供することがあり得る。
<1 システム全体の構成図>
図1は、測定システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、測定システム1は、ユーザの身体の動きを測定する各種センサにより構成される複数の測定ユニット(図示する例では、測定ユニット30A、30B、30Cを示している。以降、それぞれの測定ユニットを「測定ユニット30」と記載することもある)と、測定ユニットの動作を制御する端末装置10と、ユーザの身体の動きの測定結果を蓄積するサーバ20とにより構成されている。
測定ユニット30は、端末装置10と、有線または無線により接続される。図示するように、1つの端末装置10に対し、複数の測定ユニット30を接続することとしてもよいし、測定ユニット30それぞれに対し端末装置10を接続する(つまり、1つの測定ユニット30に対し1つの端末装置10を用意してユーザの測定を行う)こととしてもよい。
測定ユニット30は、測定装置(図示する例では、測定装置31A、31B、31Cを示している。これらを総称して「測定装置31」と記載することもある)と、マット(図示する例では、マット32A、32B、32Cを示している。これらを総称して「マット32」と記載することもある)と、立体物であるポール(図示する例では、ポール33A、33B、33Cを示している。これらを総称して「ポール33」と記載することもある)とを含む。
測定装置31は、ユーザの身体の動きを測定するためのものであり、例えば、RGB−Dカメラ(深度センサ)により、測定対象物までの距離と方向とを検出する。測定装置31は、この他に、マイクロフォンアレイなどを備え、ユーザの音声、当該音声が到来する方向などを検出することとしてもよい。例えば、測定装置31は、Kinect(登録商標)のように、ユーザのジェスチャー、音声認識による操作を受け付けることが可能なデバイスであるとしてもよい。測定装置31は、ユーザの身体を検出することにより、ユーザの位置、ユーザの身体の各関節の位置を検出する。これにより、測定装置31は、ユーザを構成する各関節を仮想的に接続した仮想的な骨(ボーン)を設定して、ユーザの身体の動きを計測する。また、測定装置31は、Kinect(登録商標)の他に、スマートフォン等の端末であるとしてもよい。例えば、スマートフォンに深度カメラが設けられている場合、当該スマートフォンにより、ユーザの身体を、点群データ(ポイントクラウドデータ)として取得することができる。
また、測定装置31は、距離を測定する機能がなくとも、撮影画像に基づき被写体を特定すること、および、当該被写体とカメラとの距離とを推定する学習済みモデルを利用することにより、撮影画像に基づき被写体までの距離(例えば、被写体の各関節までの距離)を取得することとしてもよい。また、測定装置31が距離を測定できない場合(RGBカメラなど)においても、撮影画像に基づき被写体の各部位を特定し、骨格(ボーン)を推定することとしてもよい。また、測定装置31として、複数台のカメラを設け、視差のある撮影画像を得ることにより、被写体までの距離を推定することとしてもよい。
マット32は、ユーザの身体の動きを測定するために、ユーザの立ち位置の目安を表示するためのものである。マット32は、測定装置31に対し所定の位置関係となる位置に配置する。つまり、マット32は、測定装置31がユーザの身体の動きを測定可能な範囲内に配置される。マット32には、後述するように、ユーザの立ち位置を誘導するための複数の模様が含まれる。ユーザは、当該模様を視認しつつ、足の位置を調整したり、足を踏み出す動作をしたりする。
ポール33は、ユーザの身体の動き、例えば、ユーザが身体をねじる動きを測定するために、マット32とともに用いられる。ポール33は、マット32において、ユーザの足を置く立ち位置の目安の模様と関連付けた位置に配置する。ユーザは、マット32に両足をつけたまま(つまり、両足の立ち位置を動かさず)、身体をねじってマット32の両サイドに置かれる一対のポールに手で触れるよう動作する。よって、マット32は、ユーザが身体をねじる動作をするために、腕を移動させる目標点として利用される。マット32は、ユーザが身体をねじった際に手で把持できるよう、ユーザの身長に応じた高さに設定することとしてもよい。
以上のように、測定ユニット30を構成する測定装置31、マット32、ポール33の組み合わせについて説明した。以下の説明では、1のユーザが、1の測定ユニット30を使用するものとして説明する。ただし、1つの測定装置31により、複数のユーザの身体の動きを測定することとしてもよい。つまり、1つの測定装置31の測定範囲において、複数のユーザが身体を動かすこととしてもよい。
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。また、本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、測定システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る測定システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は測定システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPCであるとしてもよい。この他に、端末装置10は、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。図1に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、5G、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格、また、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応しており、通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
図示するように、端末装置10は、測定ユニット30と有線又は無線により接続する。測定ユニット30がユーザの身体の動きを測定することにより、ユーザの身体のしなやかさ、関節可動域の程度を評価することができる。
サーバ20は、各ユーザの情報を管理する。サーバ20は、ユーザの情報として、各ユーザの身体の動きを測定する際に参照されるパラメータ(例えば、身長)等を管理している。
サーバ20は、ユーザ間の交流を促すための処理として、具体的には、複数のユーザが健康管理のために身体を動かすこと、身体の動きを測定することを支援するため、ユーザのマッチング等を行う。また、サーバ20は、ユーザ間のメッセージの送受信等を行う。
サーバ20は、各ユーザが保有する仮想的なポイントを管理することとしてもよい。例えば、事業会社内において、各従業員が仮想的な通貨のように使用可能な、社内のポイント制度があるとする。当該ポイントは、仮想的な通貨のように、社内の購買処理に使用したり(社内の自動販売機等で決済に使用できる等)、他の社員に付与したりすることができる。例えば、ユーザが測定システム1で測定を行うことにより、サーバ20が、当該ポイントをユーザに付与することとしてもよいし、ユーザが他のユーザとともに測定システム1で測定をすることにより(例えば、同じ場所で測定をする、同じ場所で同時に測定をする等)、当該ポイントをユーザに付与することとしてもよいし、関節可動域の評価結果が所定値を超えることで当該ポイントを付与する等してもよい。
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施の形態1の測定システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(タッチ・センシティブ・デバイス131を含む。この他に、マウス、タッチパッドなどの各種ポインティングデバイスを含むこととしてもよいし、キーボード、ジェスチャ検出装置を含むこととしてもよい)と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190と、を含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、ポインティングデバイスとして、タッチ・センシティブ・デバイス131等を含む。タッチ・センシティブ・デバイス131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス131は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス131は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。なお、端末装置10は、測定装置31と通信し、測定装置31の測定結果を受け付けることにより、ユーザの入力操作を受け付けることとしてもよい。例えば、測定装置31が点群データを取得する場合に、点群データに基づいてユーザの身体、ユーザの身体を構成する各関節を検出し、当該検出結果に基づいて、ユーザのジェスチャを入力として受け付ける。ユーザが入力可能なジェスチャとしては、ユーザの手の動き、頭部の動きなどの身体の動きがある。例えば、操作受付部130は、ユーザが所定のポーズをとること(両手を水平に上げて「T」字型のポーズをとる)を検出することとしてもよいし、ユーザが手を所定の形状にすることを検出することとしてもよい。
ディスプレイ132は、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。端末装置10と、出力装置(ディスプレイ132、スピーカ142)とは別のデバイスとして実現してもよい。
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。例えば、測定システム1において、ユーザが測定を行った場所を記録する場合に、位置情報センサ150の検出結果(緯度経度の情報、緯度経度と地図情報により特定される施設の情報、当該施設に関連付けられる事業所の情報など)を、測定結果と関連付けてサーバ20で保持することとしてもよい。つまり、ユーザが測定を行った場所を、ユーザが当該場所を入力する操作によらずとも位置情報センサ150の検出結果に基づき端末装置10が判別することとしてもよい。
カメラ160は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ160は、例えば、カメラ160から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。本実施形態において、測定装置31を、端末装置10のカメラ160により実現することとしてもよい。つまり、端末装置10と測定装置31とを別個の装置として実現することの他に、端末装置10が測定装置31の機能を搭載していることとしてもよい。
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部180は、ユーザ情報181と、測定項目情報182と、測定履歴情報183と、フレンドリスト184と、トレーニング項目情報185とを記憶する。これらの詳細は後述するが、概要は以下のとおりである。端末装置10は、後述するサーバ20の各種データベースから、これらの情報を取得することとしてもよい。
ユーザ情報181は、測定システム1におけるユーザの情報である。ユーザの情報としては、ユーザを識別する情報、ユーザの名称、ユーザの所属、ユーザの身体の情報(身長、体重、年齢など)等が含まれる。
測定項目情報182は、ROMチェックを行う場合の各測定項目の情報である。測定項目情報182としては、各測定項目においてユーザに対して出力する音声ガイドの情報などを含む。
測定履歴情報183は、ユーザの身体の動きを測定した測定結果の履歴を示す。
フレンドリスト184は、ユーザ同士がフレンドとして登録している各ユーザの情報を示す。フレンドとして登録しているユーザ間でメッセージの送受信を可能とすることとしてもよい。
トレーニング項目情報185は、ユーザに対し筋肉トレーニングメニューを提供する場合の、各トレーニング項目の情報を含む。例えば、トレーニングの名称と、ユーザが身体を動かすためのガイドとなる映像および音声の情報とを含む。端末装置10は、ガイドとなる映像および音声によりユーザが身体を動かしていることを測定装置31により測定し、ディスプレイ132に、逐次、測定結果を表示する。端末装置10は、ディスプレイ132において、理想的な身体の動かし方と、ユーザが身体を動かしている際の測定結果(各関節の動き)とを対比させて、理想的な体の動かし方となるようユーザを促すこととしてもよい。
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、報知制御部194としての機能を発揮する。
入力操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20、測定ユニット30等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
報知制御部194は、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。例えば、報知制御部194は、ROMチェック時に、音声によるガイドを出力する処理、エクササイズのためのトレーニングメニューを提供する際に、音声によるガイドと、模範となる身体の動きを示す映像とをユーザに提示する。
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
通信部201は、サーバ20が、端末装置10等の外部の装置と通信するための処理を行う。
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、ユーザ情報データベース281と、測定項目情報282と、測定履歴データベース283と、フレンドリスト284等を記憶する。
ユーザ情報データベース281は、測定システム1により測定を行う各ユーザの情報を示す。詳細は後述する。
測定項目情報282は、複数の測定項目それぞれの情報を示す。詳細は後述する。
測定履歴データベース283は、各ユーザが測定を行った履歴を示す。詳細は後述する。
フレンドリスト284は、各ユーザがフレンド登録しているユーザの情報を保持するためのデータベースである。
トレーニング項目情報285は、ユーザに対しエクササイズ用のトレーニングメニューを提供する場合の、各トレーニング項目の情報を含む。トレーニングメニューは、ユーザの身体にかかる負荷、トレーニング対象の身体の部位などに応じて、複数のトレーニング項目の情報を含む。
制御部203は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
操作内容取得モジュール2041は、ユーザの操作内容を取得する。操作内容取得モジュール2041は、例えば、ユーザが過去の測定ユニット30による測定結果およびユーザの身体の動きの評価結果を取得する操作、他のユーザとメッセージを送受信するための操作、測定ユニット30による測定が行われる機会がある場合に測定に参加することを申し込むための操作等を受け付ける。
受信制御モジュール2042は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
送信制御モジュール2043は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
マッチングモジュール2044は、ユーザ同士をマッチングさせる。マッチングモジュール2044は、例えば、複数のユーザが同一の測定会場で測定システム1により測定を行ったことを検知して、当該複数のユーザをマッチングさせ、フレンドとして登録するよう促すこととしてもよい。また、マッチングモジュール2044は、測定システム1により測定を行う履歴が同程度のユーザを抽出してマッチングさせることとしてもよいし、測定ユニット30によるROMチェックの結果が同程度のユーザを抽出してマッチングさせることとしてもよい。このように複数のユーザをマッチングさせ、フレンドとして登録することを促すことで、複数のユーザがともに美しい姿勢を目指してトレーニングを行うよう促すことができ得るため、測定システム1により測定を継続することを支援することができる。
測定進行モジュール2045は、測定ユニット30によりユーザの身体の動きを測定する処理を進行させる。測定進行モジュール2045は、測定項目情報282に示される各測定項目を読み出すことにより、ユーザに対し、順次、測定項目に従った測定のための音声によるガイド等を出力する。例えば、サーバ20は、端末装置10に対し、各測定項目を送信するとともに、各測定項目に従って、順次、ユーザの身体の動きを測定させることとしてもよい。
トレーニング進行モジュール2046は、ユーザに対し、映像および音声によりトレーニングメニューを提供する処理を進行させる。トレーニング進行モジュール2046は、トレーニング項目情報285に示される各トレーニング項目を読み出すことにより、ユーザに対し、順次、トレーニング項目に従ったトレーニングのための音声によるガイド、映像によるガイド等を出力する。
<2 データ構造>
図4は、サーバ20が記憶するユーザ情報データベース281、測定項目情報282、測定履歴データベース283、フレンドリスト284のデータ構造を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報データベース281のレコードのそれぞれは、項目「ユーザ識別情報(ユーザID)」と、項目「ユーザ名」と、項目「性別」と、項目「身長」と、項目「体重」と、項目「所属」と、項目「評価値」と、項目「社内ポイント」等を含む。
項目「ユーザ識別情報(ユーザID)」は、ユーザそれぞれを識別する情報である。
項目「ユーザ名」は、ユーザが設定した名称である。
項目「性別」は、ユーザの性別を示す。例えば、ユーザが測定システム1の利用を開始しようとしてユーザの情報を登録する際に、性別を設定することとしてもよい。
項目「身長」は、ユーザの身体の動きを測定するうえで参照する情報として、ユーザの身長を示す。
項目「体重」は、ユーザの体重の情報を示す。ユーザの身体の動きを測定するうえで体重の情報を参照しない場合などにおいて、当該項目「体重」についてデータを保持しないこととしてもよい。
項目「所属」は、ユーザが組織に所属している場合など、ユーザの所属先の情報を示す。例えば、項目「所属」において、会社名、組織名、事業所名等の情報を含む。当該項目「所属」は、ユーザが仕事をするオフィスの所在の情報を含むこととしてもよい。
項目「評価値」は、ユーザが測定システム1においてROMチェックを行った測定結果に基づき評価される評価値、ユーザの歩行時の姿勢を測定した測定結果に基づく評価値の情報を含む。当該評価値は、例えば、端末装置10が、測定ユニット30による測定結果に基づいて、ユーザのROMチェックの結果を分類する場合の分類結果の情報を含む。
項目「社内ポイント」は、ユーザが所属する事業会社において使用される仮想的なポイントがある場合に、当該ポイントについてユーザが保有している量を示す。
測定項目情報282のレコードのそれぞれは、項目「測定項目番号(測定項目No.)」と、項目「測定部位」と、項目「ガイド音声」と、項目「マットにおける足の位置」と、項目「測定対象の身体の部位」とを含む。
項目「測定項目番号(測定項目No.)」は、測定項目それぞれを識別するための情報である。
項目「測定部位」は、測定対象となる身体の部位を示す。例えば、関節可動域を評価する対象として、以下の部位がある。
(i)上肢の測定
・ 肩甲骨:運動方向として、屈曲、伸展、拳上、引き下げがある。
・ 肩:運動方向として、屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋がある。
・ 肘:運動方向として、屈曲、伸展がある。
・ 前腕:運動方向として、回内、回外がある。
・ 手:運動方向として、屈曲、伸展、撓屈、尺屈がある。
(ii)手指の測定
・ 母指:運動方向として、撓側外転、尺側内転、掌側外転、掌側内転、屈曲、伸展がある。
・ 指:運動方向として、屈曲、伸展、外転、内転がある。
(iii)下肢の測定
・ 股:運動方向として、屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋がある。
・ 膝:運動方向として、屈曲、伸展がある。
・ 足:運動方向として、屈曲、伸展がある。
・ 足部:運動方向として、外がえし、内がえし、外転、内転がある。
・ 母指:運動方向として、屈曲、伸展がある。
・ 足指:運動方向として、屈曲、伸展がある。
(iv)体幹の測定
・ 頸部:運動方向として、屈曲、伸展、回旋(左回旋、右回旋)、側屈(左側屈、右側屈)がある。
・ 胸腰部:運動方向として、屈曲、伸展、回旋(左回旋、右回旋)、側屈(左側屈、右側屈)がある。
項目「ガイド音声」は、測定項目に示される測定を行う際に、ユーザに対して通知する音声の内容を示す。音声ガイドとしては、マット32においてユーザが規定の位置に足を置いていない場合の音声(例えば、「マットの規定の位置に両足を置いてください」等)と、ユーザが測定のためにマット32において規定の位置に足を置いたことを端末装置10が検知してユーザに身体を動かすことを促す音声(例えば、「マットの規定の位置に両足を置いたまま身体をねじってください」等)と、測定装置31の測定結果に基づきユーザの身体の動きの測定データが得られた場合の音声(例えば、「正常に測定されました」等)を含む。
項目「マットにおける足の位置」は、測定を行う際に、マット32のいずれの位置にユーザの両足を置くか(マット32においてユーザが足を置く位置)の情報を含む。端末装置10は、例えば、項目「マットにおける足の位置」の情報に基づいて、ユーザの両足がマットの規定の位置に置かれているか否かを検出する。当該検出により、端末装置10は、ユーザに対し、測定をするための身体の動作の内容を示す音声を出力する。
項目「測定対象の身体の部位」は、測定項目において測定の対象となる、ユーザの身体の部位を示す。
測定履歴データベース283のレコードそれぞれは、項目「測定番号(測定No.)」と、項目「日時」と、項目「ユーザ識別情報(ID)」と、項目「測定場所」と、項目「測定データ」と、項目「評価結果」とを含む。サーバ20は、端末装置10から、ユーザの身体の動きを測定した測定結果を受信する。サーバ20は、端末装置10から受信した情報に基づき測定履歴データベース283のレコードを更新する。
項目「測定番号(測定No.)」は、ユーザが測定ユニット30により身体の動きを測定した際の、測定結果それぞれを示す。
項目「日時」は、ユーザが測定ユニット30により測定を行ったタイミングを示す。。
項目「ユーザ識別情報(ID)」は、測定ユニット30により身体の動きを測定したユーザを識別する情報を示す。
項目「測定場所」は、ユーザが測定ユニット30により測定を行った場所を示す。サーバ20は、端末装置10から測定結果を受信した場合に、当該測定結果に対応付けられるユーザの情報を参照し、当該ユーザに関連付けられる情報(ユーザ情報データベース281)に基づき、ユーザが測定を行った場所を特定してもよい。例えば、ユーザ情報データベース281に示されるユーザの所属の情報に基づいて、当該所属先が位置する場所の情報を、測定ユニット30により測定を行った場所としてもよい。また、端末装置10が位置情報を位置情報センサ150により取得する等により、端末装置10の位置を、測定ユニット30により測定を行った場所とすることとしてもよい。
項目「測定データ」は、測定ユニット30により測定される、ユーザの身体の動きの測定結果を示す。例えば、ユーザの身体の動きを、時系列の点群データとして測定する場合に、当該時系列の点群データを、項目「測定データ」における測定結果であるとしてもよい。また、測定装置31により測定されるユーザの身体について、端末装置10が測定結果に基づいてユーザの関節の位置を特定し、関節それぞれの動きを、ユーザの身体の動きの測定結果としてサーバ20において保持することとしてもよい。例えば、端末装置10は、ユーザの身体の撮影画像に基づいて、肩、肘など身体の特定の部位を検出することにより、ユーザの関節の時系列の動きを測定することができる。
項目「評価結果」は、項目「測定データ」に示される測定結果に基づいて、ユーザの身体の動きがどの程度の水準であるかを評価した評価結果を示す。端末装置10は、例えば、項目「測定データ」においてユーザの関節の動きの時系列データを保持する場合に、参照先となる身体の動きのデータと比較することで、ユーザの身体の動きを評価する。例えば、端末装置10が、参照先のデータとして、ユーザの身体の動きが良好な程度に応じて複数段階のデータを保持することにより、ユーザの身体の動きの測定結果に対し最も類似する動きの参照先のデータを特定することができる。
フレンドリスト284のレコードのそれぞれは、項目「ユーザ1」と、項目「ユーザ2」と、項目「フレンド登録日」と、項目「同タイミングでの測定履歴」と、項目「メッセージ送受信履歴」等を含む。
項目「ユーザ1」は、互いにフレンドとして登録しているユーザのうちの一方のユーザを示す。
項目「ユーザ2」は、互いにフレンドとして登録しているユーザのうちの他方のユーザを示す。
項目「フレンド登録日」は、ユーザ同士がフレンドとして登録された日時を示す。
項目「同タイミングでの測定履歴」は、フレンドとして登録されている各ユーザが、同一の場所、または、同一のタイミングの少なくともいずれかを満たしつつ測定を行った履歴を示す。例えば、事業所のオフィススペース等で測定ユニット30を配置する場合に、複数のユーザが一定の時間帯のうちに測定を行うことにより、これら複数のユーザが同タイミングで測定を行ったとしてもよい。項目「同タイミングでの測定履歴」において、複数のユーザが測定を行った場所の情報を含むこととしてもよい。例えば、サーバ20がフレンドリスト284を参照することにより、複数のユーザがともに測定ユニット30による身体の動きの測定とトレーニングメニューによるトレーニングを実施している頻度を特定することができる。
項目「メッセージ送受信履歴」は、フレンドとして登録しているユーザ同士が送受信したメッセージの履歴を示す。
<3 測定ユニット30の構成>
図5は、測定システム1により、ユーザが身体の動きを測定する局面を示す。図5では、測定ユニット30を複数設置して、複数のユーザが測定を行う例を示している。また、1つの端末装置10が、複数の測定ユニット30と接続する例を示している。
測定装置31Aは、センシング可能な検出範囲38Aにおいて第1のユーザUser_Aの身体の動きを測定する。検出範囲38Aにおいて、測定装置31Aと所定の位置関係となる位置に、マット32Aを設置している。ここで、マット32Aの位置は、例えば、測定装置31Aの正面から一定距離(例えば、数メートル程度)の位置であるとしてもよい。マット32Aに第1のユーザUser_Aが乗った場合に、測定装置31Aがユーザの全身の動きを測定可能となるように、測定装置31Aに対してマット32Aを設置するとよい。マット32Aの右側面および左側面において、それぞれ、ポール33Aが設置される。例えば、マット32Aにおいて、ユーザが両足を置くための既定の位置(ホームポジションと称してもよい)を示す模様がある場合に、当該模様を基準として、マット32Aの外側に一組のポール33Aを配置することとしてもよい。当該ポール33Aは、ユーザが両足を規定の位置に置いたままマット32A上において上肢をひねる動作をした場合に、ユーザがつかもうとする目安として設置する。これにより、ユーザが上肢をひねる動作をした場合にポール33Aにめがけて手を移動させようと促されるため、測定の機会を増やした場合においても上肢の動きのフォームをある程度安定させることができる。つまり、ユーザの身体の動きを測定する場合の時系列の測定結果のばらつきを抑えることができ得る。
測定装置31Bは、センシング可能な検出範囲38Bにおいて第2のユーザUser_Bの身体の動きを測定する。検出範囲38Bにおいて、測定装置31Bと所定の位置関係となる位置に、マット32Bを設置している。ここで、マット32Bの位置は、例えば、測定装置31Bの正面から一定距離(数メートル程度)の位置であるとしてもよい。マット32Bに第2のユーザUser_Bが乗った場合に、測定装置31Bがユーザの全身の動きを測定可能となるように、測定装置31Bに対してマット32Bを設置するとよい。マット32Bの右側面および左側面において、それぞれ、ポール33Bが設置される。
第1のユーザUser_Aは、ディスプレイ132Aに表示される映像、音声を視認しつつ、マット32Aの模様を目安に足の位置を確認して、身体を動かす。同様に、第2のユーザUser_Bは、ディスプレイ132Bに表示される映像、音声によるガイドに従って、身体を動かす。これにより、第1のユーザUser_A、第2のユーザUser_Bの身体の動きを、それぞれ、測定装置31A、31Bにより測定することができる。
図示する例では、第1のユーザUser_Aは、ディスプレイ132Aからの出力に基づき、マット32Aにおいてホームポジションに両足を置いたうえで、屈伸運動を始めようとしている。第2のユーザUser_Bは、ディスプレイ132Bからの出力に従って、右足を踏み出す動作をしている。
図6は、マット32の詳細を示す図である。図示するように、ユーザの右足および左足を置く目安となる模様が複数個所にわたって配置されている。
例えば、複数の測定項目にわたってユーザの両足を置く目安となる位置に、右足用として、第1のホームポジション41R、第2のホームポジション42R、第3のホームポジション43Rのように、右足を置く位置が複数示されている。
左足用として、第1のホームポジション41L、第2のホームポジション42L、第3のホームポジション43Lのように、左足を置く位置が複数示されている。
なお、以降の説明において、ホームポジション41Rおよび41Lを総称してホームポジション41等と記載することがある。同様に、ホームポジション42Rおよび42Lを総称してホームポジション42と記載し、ホームポジション43Rおよび43Lを総称してホームポジション43と記載することもある。
測定項目それぞれ(測定項目情報282)について、ユーザが右足と左足とを拡げる間隔を規定したうえで、端末装置10がユーザに対し所定の身体の動きを行うようガイドする。例えば、測定項目の測定に伴う音声ガイドにおいて、使用するホームポジションの位置の情報が案内されることとしてもよい。
端末装置10は、測定項目の測定にあたり、ユーザが、所定のホームポジションを使用しているか否かを、測定装置31の測定結果に基づき判別する。例えば、測定装置31のセンシング結果に基づいて、端末装置10が、マット32に示されるホームポジションの模様それぞれを識別する場合に、ユーザの足首等の検出結果に基づいて、ユーザの両足が乗っている模様を特定することができ得る。ユーザが、測定項目の測定を行う際に、想定されるホームポジションとは異なる位置に足を乗せている場合、ユーザに対し、音声ガイド、映像ガイド等により、適切な位置に足を置くよう促す通知をすることとしてもよい。
また、端末装置10は、測定項目として、ユーザが足を踏み出す動作をする場合の各関節の動きを端末装置10が測定ユニット30により測定することを含む。端末装置10は、当該測定項目により、ユーザの身体の動かし方として足を踏み出す動作をする場合のバランスのよさ等を評価することができる。
マット32は、測定項目として足を踏み出す動作がある場合に、右足を踏み出す目標となる模様群45Rを含む。同様に、左足を踏み出す目標となる模様群45Lを含む。
これら模様群45R、45Lを総称して「模様群45」と記載することもある。
模様群45は、ユーザの身長に応じて、複数の踏み出し位置の目安となる模様を配している。図示する例では、ユーザの身長の幅として、「140cm」〜「200cm」までの範囲で、10cm刻みで模様を配している。当該模様としては、足のつま先部分を模した形状とすることで、ユーザに対し、足を踏み出す目標となる位置であることを容易に認識させることができる。ユーザは、例えば、ホームポジション41Rおよび41L、または、模様44Rおよび44L(これらを総称して「模様44」と記載することもある)の位置を初期位置として両足を置き、片足ずつ、身長に応じた目安の模様の位置まで足を踏み出す動作を行う。端末装置10は、測定ユニット30により、当該踏み出し動作をする場合のユーザの身体の動き(関節の動き)を測定する。端末装置10は、ユーザが足を踏み出す動作を測定する際に、ユーザに踏み出してほしい距離に応じて、足の初期位置として、ホームポジション41〜43、または、模様44を指定して、ユーザにガイドすることとしてもよい。
図示する例では、ポール33の位置についても示している。例えば、ホームポジション41、42、43に対して直線状で並ぶようにポール33(右側および左側)を配することとしてもよい。ユーザは、例えば、ホームポジション41、42、43のいずれかに両足を置いたまま、上肢をひねる動作をして、ポール33をつかもうとする。
なお、図示するように、模様群45R、45Lにおいて、矢印の模様を配することとしてもよい。図示する例では、矢印の模様を、模様群45R、45Lの各身長に応じた模様と重ねて配することとしている。これにより、ユーザが足を前に踏み出す動作をすることをユーザに意識づけることができ、マット32をユーザが見た時に、測定時の身体の動かし方で迷う可能性を減らすことができ得る。
また、図示するように、模様の大きさについて、当該模様がユーザが足を置く目安となるものであるため、図示する例で縦方向(足を踏み出す方向)の長さを一般的な足の大きさと同程度(長さが22cm〜28cm程度)としてもよい。模様の形状は、ユーザから見て、模様に足を置くものと容易に理解できるよう、足あと、または、足あとに類似する形状であるとしてもよい。
<4 動作>
以下、端末装置10がユーザの身体の動きを測定する測定処理を説明する。
図7は、端末装置10がROMチェックを行って測定履歴を更新する処理を示すフローチャートである。
ステップS700において、端末装置10の制御部190は、ディスプレイ132に、測定をするユーザがログインするための画面を表示して、ユーザからログインのための操作を受け付ける。端末装置10は、例えば、ユーザそれぞれが所持するICカードなどの記録媒体から情報を読み取る、ユーザが所持する通信端末に表示される二次元コードを読み取る等により、ユーザの認証を行い、当該ユーザの情報を取得する。例えば、端末装置10は、サーバ20と通信することにより、当該ユーザの情報として、ユーザの身長などの情報(ユーザ情報データベース281)、過去の測定履歴(測定履歴データベース283)、ユーザとフレンドとして登録している他のユーザの情報(フレンドリスト284)を取得する。また、端末装置10は、サーバ20から、測定項目の情報(測定項目情報282)を取得して測定項目情報182として記憶している。
ステップS701において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、測定装置31の測定範囲においてマット32とポール33とが設置されていることを検出する。例えば、端末装置10は、測定装置31の測定結果を二次元画像として画像認識を行う等により、マット32と、ポール33とを検出する。端末装置10は、測定装置31に対しマット32、ポール33が所定の位置にあることを検出する。つまり、端末装置10は、マット32とポール33とが測定に適した位置にあり、ユーザがガイドの音声および映像を確認しやすい位置にあることを検出する。
ステップS703において、端末装置10は、測定項目情報182を参照し、各測定項目について順次測定をする処理を行う。端末装置10は、第1の測定項目を読み出して、音声、映像により、測定のためのガイドとなる情報(マット32においてユーザが足を置く位置など)を出力する。端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づきユーザの関節を検出し、ユーザの両足がマットの所定位置(測定項目により規定される位置)に置かれていることを検出する。
ステップS705において、端末装置10は、ユーザに対し、身体に所定の動作をさせるよう促す音声を出力する。端末装置10は、測定装置31により、ユーザの身体の動きを検出することで、ユーザの身体の動きを測定する。
ステップS707において、端末装置10は、順次、測定項目を測定項目情報182から読み出して、音声によるガイドを出力し、ユーザの足がマット32の規定位置にあることを検出し、ユーザの身体の動きを測定する。
ステップS709において、端末装置10は、各測定項目についての測定が完了すると、ユーザの身体の動きの測定結果に基づいて、ユーザの関節の可動域を評価する。具体的には、端末装置10は、測定装置31の計測結果に基づきユーザの各関節の位置を特定し、関節の位置の時系列データ(時系列で変化する関節の位置の動き)により、測定対象となる身体の部位の可動域を評価する。端末装置10は、関節の可動域の評価結果をディスプレイ132等により出力し、サーバ20へ送信する。
ステップS753において、サーバ20は、ユーザのROMチェックの結果を端末装置10から受信して、ユーザの測定結果に基づきデータベース(測定履歴データベース283、ユーザ情報データベース281)を更新する。
次に、測定項目として、ユーザが足を踏み出す動作を測定する際の各装置の処理について説明する。
図8は、端末装置10が、ユーザが足を踏み出す動作を測定することで関節可動域を評価する処理を示すフローチャートである。
ステップS801において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、マット32の規定の位置(測定項目情報282の項目「マットにおける足の位置」)に、ユーザの両足が置かれていることを検出する。端末装置10は、規定の位置にユーザの両足が置かれていない場合に、ユーザに対し、規定の位置に足を置くようガイドすることとしてもよい。
ステップS803において、端末装置10は、ユーザに対し、ユーザの右足を、規定の位置から、ユーザの身長に応じた踏み出し位置へと踏み出すようガイドする音声、映像を出力する。
ステップS805において、端末装置10は、測定装置31による測定結果に基づき、ユーザの右足が、マットにおいて規定の位置から別の位置へと踏み出されたことを検出し、ユーザが右足を踏み出す動作の測定結果を記録する。端末装置10は、ユーザの右足が、踏み出すべき目標となる位置とは異なる位置に踏み出された場合に、測定をし直すため、ユーザに対し、再度、右足を目標となる位置に踏み出すようガイドすることとしてもよい。
ステップS807において、端末装置10は、ユーザの左足を、規定の位置から、ユーザの身長(歩幅)に応じた踏み出し位置へと踏み出すようガイドする音声を出力する。
ステップS809において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザの左足が、マットにおいて規定の位置から別の位置へと踏み出されたことを検出し、ユーザが左足を踏み出す動作の測定結果を記録する。
ステップS811において、端末装置10は、ユーザがマット32において足を踏み出す動作の測定結果に基づき、下肢の関節の可動域を評価し、評価結果をディスプレイ132等に出力し、サーバ20へ送信する。
次に、ユーザが上体をひねる動作を測定する際の各装置の処理について説明する。
図9は、端末装置10が、ユーザが上体をひねる動作を測定することで関節可動域を評価する処理を示すフローチャートである。
ステップS901において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、マットの規定の位置に、ユーザの両足が置かれていることを検出する。
ステップS903において、端末装置10は、ユーザの身長の情報に基づいて、ポール33の高さが適切か判定する。例えば、端末装置10が、ユーザの身長に応じて適切となるポール33の高さの情報を対応付けて記憶することにより、測定装置31の測定結果により検出されるポール33の高さが適切であるか否かを判定する。例えば、ユーザが直立した際のユーザの手の位置により、適切なポール33の高さを規定することとしてもよい。ここで、ユーザが直立した際の手の位置は、ユーザの身長によっても変動し得る。つまり、身長が高いほど、直立時の手の位置も高くなると想定される。また、端末装置10が、測定装置31の測定結果に基づいて、直立姿勢の際のユーザの手の位置(地面からの高さ)を検出することにより、ポール33の適切な高さを、当該手の位置に基づき決定することとしてもよい。つまり、測定装置31によるユーザの身体の測定結果に応じて、ポール33の高さを調整することとしてもよい。
なお、ポール33の高さは、例えば、測定装置31の測定結果に基づいて、ポール33が地面と接する第1の位置と、ポール33の頭頂部となる第2の位置とを特定し、測定装置31の位置から、これらポール33の第1の位置、第2の位置までの距離の情報に基づいて判定することとしてもよい。この他に、ポール33を引き延ばすことが可能な構造である場合に、ポール33の模様として、ポール33の高さを示すものが含まれることとし、端末装置10が当該ポール33の高さを示す模様を検出することとしてもよい。
端末装置10は、ポール33を設置する位置が適切であるか否かを判定することとしてもよい。例えば、端末装置10は、ポール33においてホームポジション等を示す模様を検出し、当該模様の位置と、ポール33が地面に接している位置との位置関係に基づいて、ポール33の位置が適切であるか否かを判定することとしてもよい。
ステップS905において、端末装置10は、ユーザの両足をマットの規定の位置につけたまま身体を右側にひねり、左手で右ポール(右側に配置されるポール33)、右手で左ポール(左側に配置されるポール33)をつかむようガイドする音声、映像を出力する。
ステップS907において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザが身体を右側にひねる動作の測定結果を記録する。
ステップS909において、端末装置10は、ユーザの両足をマットの規定の位置につけたまま身体を左側にひねり、右手で左ポール、左手で右ポールをつかむようガイドする音声を出力する。
ステップS911において、端末装置10は、測定結果に基づき、ユーザが身体を左側にひねる動作の測定結果を記録する。
ステップS913において、端末装置10は、ユーザが身体をひねる動作の測定結果に基づき、身体の各関節の可動域を評価し、評価結果を出力する。関節の可動域の評価としては、ユーザが上体をひねることにより、ポール33をつかむことができたか否かも、評価の項目として使用することとしてもよい。
以上のように、ポール33の高さを、ユーザが直立した際の手の高さと同程度とすることにより、ユーザが上体をひねる動作をした際、ユーザが背後を振り返りつつ、視認できるポール33を目標として、手、腕部を動かそうとする。これにより、ユーザが上体をひねる動作のブレ幅を小さくすることができ、端末装置10が測定結果を蓄積させた際に、測定結果の時系列のデータを比較することが容易になる。
<5 画面例>
図10は、ユーザの身体の動きを測定する局面における、端末装置10の通知内容の例を示す図である。
図10(A)の画面例は、端末装置10において、ユーザから、測定を行うためにログインする操作を受け付ける局面を示す。図7のステップS700の処理に対応する。例えば、事業会社の事業所、店舗スペース等に測定ユニット30が設置されており、複数のユーザが利用する際に、まずユーザの認証を行う。
図10(A)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に、通知部132Lを表示する。端末装置10は、通知部132Lにおいて、ユーザがログインするための操作内容を表示する。図示する例では、事業所に測定ユニット30が設置されるものとして、ユーザの社員証を読み込ませることでログインが可能であることが通知部132Lに示されている。端末装置10は、通知部132Cにおいて、別のユーザが同じタイミングで測定を行おうとしていることを表示する。図5の例のように、複数の測定ユニット30が設置されており、複数のユーザがともに測定を行う場合に、端末装置10は、測定を行う別のユーザの経過を通知部132Cに表示する。図10(A)の例では、端末装置10は、通知部132Cにおいて、同じタイミングで測定を行う別のユーザが、既にログインの処理を終えていることを表示している。
図10(B)の画面例は、端末装置10において、ユーザが足を踏み出す動作を測定する局面を示す。図8のステップS801〜S811の処理に対応する。
図10(B)に示すように、端末装置10は、ディスプレイ132に、通知部132Dと、通知部132Eと、ガイド出力部132Fと、検出結果表示部132Gとを表示する。
端末装置10は、通知部132Dにおいて、ログインしているユーザ(つまり、測定をしているユーザ)の情報を表示する。これにより、ユーザは、誤って別のユーザとして測定を行っていないかどうかを容易に確認することができる。
端末装置10は、通知部132Eにおいて、ユーザが測定を行った履歴を表示する。図示する例では、これまでに測定ユニット30を利用してユーザが測定を行った回数を表示しているが、この他に、過去の測定における評価結果等を表示してもよい。これにより、ユーザは、継続して測定を行っていることを容易に確認することができ、測定を継続していくよう動機づけられうる。
端末装置10は、ガイド出力部132Fにおいて、ユーザに対し、ユーザの身長に応じて、足を踏み出す目標となる模様の情報を、映像および音声により通知する。これにより、ユーザは、目標となる模様に向けて足を踏み出すイメージを容易に描くことができ、測定のための動作を容易に行うことができる。
端末装置10は、検出結果表示部132Gにおいて、測定装置31による検出結果を表示する。例えば、端末装置10は、検出結果表示部132Gにおいて、ユーザの両足が、測定を行うための規定の位置にある(ホームポジションに両足が置かれている)等の情報を表示する。これにより、ユーザは、正確に手順に沿って測定を行っていることを容易に認識することができ、測定エラーにならないであろうという安心感を感じつつ測定を行うことができる。
図10(C)の画面例は、端末装置10において、ユーザが上体をひねる動作を測定する局面を示す。
図10(C)の画面例では、端末装置10は、ポール33の高さが適切ではないことを検出しており、ユーザに対し、ガイド出力部132Fにおいて、ポール33を所定の高さまで伸ばすよう促す表示をしている。図9のステップS903の処理に対応する。
図10(D)の画面例は、端末装置10において、測定が完了したことと、測定結果に基づく評価結果と、他のユーザとのフレンド登録を促すこととをユーザに通知する局面を示す。
図10(D)の画面例において、端末装置10は、ガイド出力部132Fにおいて、複数の測定項目のすべてについて測定が完了したこと、測定項目についてユーザの身体の動きを評価した結果を表示する。端末装置10は、過去のユーザの測定履歴を参照して、過去の測定結果との比較結果(前回よりも関節可動域が変化した等)をガイド出力部132Fにおいて表示する。
端末装置10は、通知部132Mにおいて、他のユーザとフレンドとして登録するよう促す表示と、当該他のユーザをフレンドの候補として提案する経緯(同じ場所で測定を行った等)とを表示する。
<小括>
(1)以上のように、本実施形態によると、ROMチェックをするにあたり、特段、角度計などの物理的な測定器具をユーザの身体に当てる必要もないため、端末装置10のガイドにより、ユーザ自身で容易に測定をすることができる。また、測定項目に従って測定を進行させることにより、ユーザの下半身、および、上半身の各関節の可動域を評価することができる。
(2)ユーザの身体の動きを測定するにあたり、マット32、ポール33を用いて、ユーザが身体を動かす目標点をユーザに認識させることができる。これにより、ユーザが身体を動かすフォームが安定するため、測定結果を蓄積して比較し、身体の動きの変化をユーザが確認することが容易となる。例えば、マット32を用いることにより、(i)ユーザが踏み出す動作をする場合の歩幅、動作の範囲といったストライドのさせ方を規定することができ、ユーザに対し、測定において規定された動作をするよう促すことができる。継続してユーザの身体の動作を測定する場合に、ユーザが測定の際に行う動作を規定することで、時間の経過に応じた測定結果の比較をしやすくすることができる。つまり、ユーザの身体の動作が規定されることにより、ユーザの身体の動作がどのように変化していったかの評価をよりいっそう容易にすることができる。また、マット32を用いることにより、(ii)測定装置31に対するユーザの立ち位置を規定することができる。端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づいて、マット32が、測定装置31に対して所定の位置に配置されているかを判定することができる。よって、マット32によりユーザの身体の動作を測定する際、マット32の各模様によりユーザの立ち位置が規定される。これにより、ユーザの身体の動作が、測定装置31の測定範囲に収まりやすくすることができる。例えば、ユーザが腕を真上又は真横に突き出す動作をしたとしても、予め、測定装置31に対して所定の位置にマット32を配置しておくことにより、ユーザの身体の動きが測定装置31の測定範囲から外れてしまうことを抑止することができる。また、マット32を用いることにより、(iii)ユーザに特定の動作をさせる際、ユーザに適切な体勢をとらせたうえで、測定をすることができる。例えば、ホームポジションにより、ユーザの立ち位置を規定することができ、ユーザに所定の動作をさせる際(しゃがむ動作、片足を上げる動作など)、測定に適した体勢(所定の足幅であるなど)で測定を開始することができる。
これらにより、ユーザの全身の各関節のしなやかさを容易に評価することができる。
(3)さらに、第1の実施の形態において、ユーザの身体の動作の測定結果(ROMチェックの結果など)に応じて、端末装置10が、ユーザに適したエクササイズの提案をすることとしてもよい。例えば、端末装置10において、ROMチェックの評価結果(測定履歴情報183、測定履歴データベース283)の分類結果に対応付けて、エクササイズメニュー(トレーニング項目情報185、285)を保持しているとする。すなわち、ユーザの身体の動作の測定結果、評価結果と対応付けて、予め、提案するトレーニングメニューの情報を保持しているとする。端末装置10は、測定履歴データベース283を参照し、ROMチェックなどユーザの身体の動作の測定結果、評価結果に基づいて、ユーザに提案するエクササイズメニューを特定し、特定したエクササイズメニューを、ディスプレイ132等に表示する等によりユーザに提示することとしてもよい。例えば、ROMチェックの結果、ユーザの各関節の可動域を評価することができる。サーバ20は、トレーニング項目情報285において、ユーザがエクササイズを実行するのに必要な、関節の可動域の広さが予め定められていることとしてもよい。例えば、ROMチェックの結果、ユーザの股関節の可動域が一定程度よりも小さい場合(股関節が硬い場合)、所定のトレーニング項目についてはエクササイズとしてユーザに提供しない(端末装置10において、当該トレーニング項目に基づく映像を表示する等の処理を実行できない)ようにしてもよい。また、ROMチェックの結果に基づいて、ユーザの身体の各関節の評価結果に応じたエクササイズメニューをユーザに提供することとしてもよい。
また、端末装置10は、ユーザがトレーニング項目に示されるトレーニングを実行している際の身体の動きを測定し、トレーニングに規定されているようにユーザが身体を動作させることができているか否かを判定する。ユーザがエクササイズを続けた結果、徐々に、歩行姿勢を美しくするための身体の各部位の筋力が向上していき、エクササイズとして求められる動きができるようになることが期待される。これにより、端末装置10は、ユーザがエクササイズメニューを達成したと判定し、別のエクササイズメニューをユーザに提示することとしてもよい。
また、ユーザの身体の動作の測定結果の評価結果と同程度の他のユーザが実行したエクササイズメニューの履歴に基づいて、ユーザに対し、エクササイズメニューを提案することとしてもよい。
(4)以上の第1の実施の形態の説明では、現実世界に、測定装置31、マット32、ポール33を設置することで、ユーザの身体の動きを測定し、評価する例について説明した。
この他に、仮想空間において、これらマット32に対応するオブジェクト、ポール33に対応するオブジェクトを配置し、ユーザの身体の動きを測定することとしてもよい。例えば、ユーザは、ディスプレイ132を視認する、または、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着するとする。端末装置10は、当該ディスプレイ132またはHMDにおいて、仮想空間における仮想カメラの設定に応じた視界画像を表示する。ユーザの身体の各部位(頭部、肩、肘、手、腰、膝、足など)にモーションセンサを装着することにより、端末装置10が、ユーザの身体の動きをトラッキングする。ユーザは、仮想空間に設置される各オブジェクトを視認しつつ、ユーザの身体を動作させる。これにより、現実世界においてマット32、ポール33を設置せずとも、ユーザの身体の動きを測定し、評価することができる。
また、現実世界にマット32、ポール33を設置することの他に、マット32に対応する画像を床面などに照射することとしてもよく、ポール33に対応する画像(立体画像など)を現実世界において表示することとしてもよい。例えば、現実世界において、レーザー、プロジェクタなどから光を照射して、仮想的なマット32、ポール33を、ユーザが視認可能に表示してもよい。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態における測定システム1について説明する。第2の実施の形態では、ユーザの歩行時の動作を測定して、歩行姿勢を評価することと、これによりユーザが美しく、身体の機能を発揮しやすい歩き方を獲得することを支援することについて説明する。
図11は、第2の実施の形態における測定システム1により、ユーザが歩行する動作を測定する局面を示す。
<1 概要>
測定装置31Aは、検出範囲38Aにおいて、第1のユーザUser_Aが、所定の位置から測定装置31Aへと歩行する動作を測定する。端末装置10Aは、ディスプレイ132Aにおいて、第1のユーザUser_Aに対し、歩行の状態を計測することと、歩行をする際の身体の動かし方とを通知する。図示するように、端末装置10Aは、ユーザに対し、歩行動作時に、前足に体重を乗せるように歩くよう促す通知をする。
図11の例において、座標軸を以下のように規定する。すなわち、第1のユーザUser_Aの位置を基準として、歩行する方向を「前方」、歩行する方向に対向する方向を「後方」とし、歩行する方向により定まる軸を「前後軸」とする。一方、第1のユーザUser_Aの位置を基準として、歩行する足を接地する面において、歩行する方向と直交する方向を「左右軸」とし、ユーザの右半身の方向を「右方向」、ユーザの左半身の方向を「左方向」とする。第1のユーザUser_Aの足から頭頂部に至る、胴体方向の軸を「鉛直軸」とする。
端末装置10Aは、ディスプレイ132Aにより、第1のユーザUser_Aに対し、測定装置31Aの位置から所定距離離れた位置を起点として、測定装置31Aに向かって歩くよう通知する。ここで、第1のユーザUser_Aが歩行動作を始める当該起点は、例えば、測定装置31Aから数メートル程度離れた位置とし、第1のユーザUser_Aの歩行のサイクル(右足を踏み出す動作および左足を踏み出す動作を1サイクルとする)を複数回繰り返すことが可能な位置に起点を設定することとしてもよい。測定装置31Aは、第1のユーザUser_Aの歩行のサイクルを複数回測定することができる。端末装置10Aは、ユーザの歩行動作を測定装置31Aにより測定する際、当該起点に第1のユーザUser_Aが位置していない場合は、第1のユーザUser_Aに対し、当該起点に移動するよう促す通知をディスプレイ132A等によりしてもよい。端末装置10Aは、当該起点に第1のユーザUser_Aがいることに応答して、第1のユーザに対し、歩行動作の測定を開始する通知(または、歩行動作を始めることを促す通知)をしてもよい。
図12は、測定装置31の測定結果に基づいて、端末装置10が特定するユーザの身体の各部位を示す。端末装置10は、ユーザの身体の特徴となる各点として、四肢の関節と、頭部、肩、体幹、骨盤、足、かかと、足のつま先、肋骨、上前腸骨棘、などを特定する。端末装置10は、胸椎(体幹の中央)、骨盤の中央などを特定する。例えば、端末装置10は、ユーザに対し、所定のポーズ(T字型となるよう両腕を横に突き出すポーズ、両腕を胴体につけるポーズなど)をとるよう促し、これら所定のポーズにおける測定装置31の測定結果に基づいて、測定装置31の測定結果におけるユーザの各関節の位置を特定することとしてもよい。
<2 データ構造>
図13は、第2の実施の形態におけるサーバ20が記憶する測定結果データベース287、評価結果データベース288のデータ構造を示す図である。
測定結果データベース287は、測定装置31により測定される各ユーザの身体の動作(例えば、歩行動作、体幹のバランスをとる動作等)の測定結果を保持するデータベースである。
測定結果データベース287のレコードのそれぞれは、項目「測定データID」、項目「日時」、項目「ユーザID」、項目「測定開始からの経過時間」、項目「測定データ」、を含む。
項目「測定データID」は、測定装置31により測定される測定データそれぞれを識別する情報を示す。第2の実施の形態において、端末装置10は、ユーザの身体の動作の測定(例えば、歩行サイクルの測定)を開始して終了することにより、測定データそれぞれを識別する情報を、測定データと対応付けてサーバ20に保存させる。
項目「日時」は、測定装置31によりユーザの身体の動作を測定した日時を示す。
項目「ユーザID」は、測定装置31により身体の動作が測定されるユーザそれぞれを識別する情報である。
項目「測定開始からの経過時間」は、測定装置31により、ユーザの身体の動作の測定を開始してからの経過時間を示す。
項目「測定データ」は、図12で説明したようなユーザの身体の各部位(頭部、肩、・・・)について、項目「測定開始からの経過時間」に示されるタイミングにおける位置を示す。例えば、項目「測定データ」において、測定装置31の位置を基準とした座標系において、測定装置31の位置からユーザの身体の各部位までの距離を測定した測定結果を保持させることとしてもよい。
評価結果データベース288は、測定装置31の測定結果(測定結果データベース287)に基づき、ユーザの身体の動作(例えば、歩行動作)を評価した評価結果を保持するデータベースである。
評価結果データベース288のレコードのそれぞれは、項目「評価結果ID」、項目「測定データID」、項目「測定対象」、項目「評価結果」、を含む。
項目「評価結果ID」は、測定装置31によるユーザの身体の動作の測定結果を評価した評価結果それぞれを識別する情報である。
項目「測定データID」は、評価の対象となる測定装置31の測定結果(測定結果データベース287)それぞれを識別する情報である。
項目「測定対象」は、ユーザの身体の動作として、測定の対象となる内容を示す。測定の対象としては、例えば、ユーザの歩行動作時の姿勢、ユーザの体幹のバランス等がある。
項目「評価結果」は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザの身体の動きを評価した評価結果を示す。例えば、ユーザの歩行動作時の姿勢について評価する場合、評価の対象としては、「ユーザの足の踏み出し」、「踏み出した前足への体重移動ができているか」、「前足へ体重を乗り切ることができているか」などがある。詳細は後述する。また、ユーザの体幹のバランスについて評価する場合、評価の対象としては、「肩、腰、足の位置がずれているか」などがある。詳細は後述する。
<3 動作>
以下、第2の実施の形態2において端末装置10がユーザの身体の動きを測定し、測定結果に基づき評価する処理を説明する。
図14は、第2の実施の形態において端末装置10がユーザの歩行動作を測定し、評価する処理を示すフローチャートである。
ステップS1403において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザが測定装置31の測定範囲内の所定の位置にいることを検出する。
ステップS1405において、端末装置10は、ユーザに対し、歩行動作をするようガイド(音声、映像)を出力する。端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づきユーザの各関節を検出し、ユーザの歩行動作時の各関節の位置を記録する。
ステップS1407において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザの歩行動作のサイクルを複数の局面に分類する。端末装置10は、ユーザの歩行動作の各局面の評価項目に従って、歩行動作を評価した評価値を決定する。
ステップS1409において、端末装置10は、歩行姿勢の理想となるモデルとあわせて、測定装置31の測定結果と、歩行動作を評価した評価結果とをディスプレイ132等に出力する。端末装置10は、測定結果と評価結果とをサーバ20へ送信する。
ステップS1453において、サーバ20は、ユーザの歩行動作の測定結果および評価結果に基づき測定結果データベース287、評価結果データベース288を更新する。
<4 測定結果、評価結果の出力例>
図15は、第2の実施の形態において端末装置10がユーザの歩行動作を測定する測定結果、および、測定結果に基づきユーザの歩行動作を評価した評価結果を出力する場合の出力例を示す図である。図示する例では、端末装置10は、ディスプレイ132に、これら測定結果、評価結果を表示する例を示しているが、端末装置10がプリンタ等により紙媒体などに印刷することで、測定結果、評価結果を出力することとしてもよい。
図15(A)は、端末装置10がユーザの歩行動作を測定するために、測定装置31に対して一定の歩数(例えば、数メートル程度)を歩くよう促す局面を示す。図14のステップS1403、S1405の処理に対応する。
端末装置10は、ディスプレイ132において、表示部132P1により、ユーザに対し、歩行動作をする際に、「踏み出す前足に体重を乗せるように歩くことを促す通知」を表示する。端末装置10は、表示部132P2、132P3において、測定装置31の測定結果として、ユーザの身体の各部位を特定した位置(図12で例示した、身体の各部位)を示す画像を表示する。端末装置10は、ユーザの身体の各部位を線状に接続することで、ユーザの身体の測定結果をユーザにとって視認しやすく表示する。図15の例では、ユーザの身体の右半身の各部位を点線で接続し、左半身の各部位を実線で接続している例を示す。これにより、ユーザは、測定装置31の測定結果について、ユーザの身体の右半身の動きか、左半身の動きかを容易に認識することができる。
端末装置10は、表示部132P2により、測定装置31の測定結果に基づき、随時、ユーザの正面(図11に示す前後軸)から見た場合のユーザの各部位の位置を特定した結果を表示する。
端末装置10は、表示部132P3により、測定装置31の測定結果に基づき、随時、ユーザの側面(図11に示す左右軸)から見た場合のユーザの各部位の位置を特定した結果を表示する。つまり、端末装置10は、測定装置31による測定結果を、リアルタイムに表示部132P2、132P3に表示する。これにより、ユーザは、ユーザ自身の身体の動作の測定結果のフィードバックをリアルタイムに得ることができる。
端末装置10は、ユーザに対し、測定装置31に対して接近していくように歩行動作を行うよう促す通知をする。ここで、端末装置10は、表示部132P2、132P3においては、ユーザの身体から一定距離の位置においてユーザの身体の動きを測定したように測定結果を表示してもよい。例えば、端末装置10は、3次元仮想区間を生成し、測定装置31の測定結果(つまり、測定装置31の位置から、第1のユーザUser_Aの各部位の位置までの距離)に基づき、3次元仮想空間に、ユーザの身体の各部位の位置に対応するオブジェクトを配置する。例えば、端末装置10は、3次元仮想空間において、測定装置31に対応する座標を特定し、当該測定装置31に対応する座標に対し、測定装置31の測定結果に基づいて、各部位の位置に対応する座標に、各部位に対応するオブジェクトを配置する。端末装置10は、測定装置31による測定に伴う経過時間と関連付けて、3次元仮想空間において、各部位に対応するオブジェクトの位置の情報を保持する。つまり、3次元仮想空間において、ユーザの各部位の位置に対応するオブジェクトの移動の軌跡を再現することにより、ユーザの歩行動作を各部位の位置の軌跡として再現できるようにする。端末装置10は、これらユーザの各部位の位置に対応するオブジェクト群に対し、一定の位置関係となる座標(例えば、「肩中央」に対し、前後軸において一定距離をあけた位置、または、胸腰に対し左右軸において一定距離をあけた位置)に仮想カメラを設定し、各部位の位置に対応するオブジェクトの移動に連動して仮想カメラを移動させることとしてもよい。
端末装置10は、表示部132P4において、測定装置31による測定を適切に行うための情報を通知する。図14のステップS1403に対応する。例えば、端末装置10は、測定装置31によりユーザの歩行動作を測定する際、ユーザが歩行を開始する位置が所定の位置にあるか否かを判定し、所定の位置から歩行を開始するよう促す通知をする。図示するように、端末装置10は、ユーザが歩行を開始する位置が測定装置31に対して近すぎる場合、さらに後方から歩行動作を始めるよう促す通知をする。
図15(B)は、端末装置10がユーザの歩行動作の複数の局面のうちのある局面についての測定結果および評価結果を出力する局面を示す。図14のステップS1409の処理に対応する。
図15(B)、図15(C)では、ユーザの身体の測定結果について、鉛直軸を基準として表示する。これにより、ユーザの身体が、鉛直軸を基準にどのように回転できているかをユーザに提示することができる。
端末装置10は、ディスプレイ132において、ユーザの歩行姿勢の美しさの評価結果として、歩行動作時の肩の回転のバランス、腰の回転のバランスの評価結果を出力する。端末装置10は、歩行動作を複数の局面に分けて、それぞれの局面において、肩の回転のバランス、腰の回転のバランスなどの評価結果を出力する。このように、歩行動作の複数の局面について、測定結果と評価結果とをユーザに提示することにより、ユーザの歩行動作を美しくするための示唆を提供することができる。
端末装置10は、表示部132P5により、歩行動作時のサイクル(右足を踏み出して、左足を踏み出す動作を1サイクルとする)において、左回転、右回転のそれぞれにおける肩の回転の傾きを表示する。
端末装置10は、表示部132P6において、右肩および左肩の位置により定まる「両肩を結ぶ線」、両股関節の位置により定まる「両股関節を結ぶ線」、右肩および左肩の位置の中心となる「肩の中心位置」、股関節の位置(例えば、右骨盤と左骨盤の位置)により定まる「腰の中心位置」を表示する。端末装置10は、歩行動作の1サイクルにおいて、ユーザが左足を踏み出した際の左肩(または両肩)の位置と、股関節の位置とに基づき、鉛直軸を基準とした肩の左回転の程度(どこまで肩が回転しているか)を評価する。例えば、端末装置10は、腰の位置を基準として、1サイクルにおいて左回転により肩が回転する量に基づき、「両肩を結ぶ線」を描画する。端末装置10は、表示部132P6において、評価結果としてのスコア(点数「4.8点」)を表示している。
端末装置10は、表示部132P7において、「両肩を結ぶ線」、「両股関節を結ぶ線」、「肩の中心位置」、「腰の中心位置」を表示する。端末装置10は、歩行動作の1サイクルにおいて、ユーザが右足を踏み出した際の右肩(または両肩)の位置と、股関節の位置とに基づき、鉛直軸を基準とした肩の左回転の程度を評価する。端末装置10は、腰の位置を基準として、1サイクルにおいて右回転により肩が回転する量に基づき、「両肩を結ぶ線」を描画する。端末装置10は、表示部132P7において、評価結果としてのスコア(点数「4.5点」)を表示しており、左回転と比較して低い点数となっている。
端末装置10は、表示部132P6、132P7において、歩行動作の1サイクルにおける左足を踏み出す動作、右足を踏み出す動作における「肩の中心位置」、「腰の中心位置」を表示する。これにより、歩行動作時に、腰の位置に対して上体がどのように傾いているかをユーザに認識させることができる。例えば、ユーザの歩行動作時に、上体が左右軸において動いている程度、前後軸において動いている程度をユーザに認識させることができる。図示する例では、表示部132P6において、左回転時の「肩の中心位置」と「腰の中心位置」との重なりの程度が大きく、上体がぶれていないのに対し、表示部132P7において、右回転時に、「肩の中心位置」と「腰の中心位置」との重なりが相対的に小さく、上体が左回転時よりも横方向にぶれている。そのため、評価結果となるスコアが、左回転時よりも右回転時のほうが低くなっている。
図15(C)は、端末装置10がユーザの歩行動作の局面として、歩行動作時の前足を地面につけたときの測定結果および評価結果を出力する局面を示す。図14のステップS1409に対応する。
端末装置10は、表示部132P8において、ユーザが歩行動作時に前足を地面につけた時の腰の回転の傾きの測定結果と評価結果とを表示する。
端末装置10は、表示部132P9において、左足を前足として地面につけた時の「両股関節を結ぶ線」等を表示する。図示するように、「両股関節を結ぶ線」が傾いているため、ユーザが、左足を地面につけた時に腰が回転できていることが示されている。
端末装置10は、表示部132P10において、右足を前足として地面につけた時の「両股関節を結ぶ線」等を表示する。図示するように、「両股関節を結ぶ線」が傾いているため、ユーザが、右足を地面につけた時に腰が回転できていることを示す。
図16は、第2の実施の形態において端末装置10がユーザの歩行動作を測定する測定結果、および、測定結果に基づきユーザの歩行動作を評価した評価結果を出力する場合の出力例を示す図である。図14に示すステップS1407、S1409の処理に対応する。
図16の例では、端末装置10は、ユーザの歩行動作の1サイクルの測定結果および評価結果について、歩行姿勢を美しく見せるための参考事例(モデル事例、お手本)と比較可能な態様で表示する。図16に示す出力例についても、端末装置10は、プリンタ等により紙媒体に印刷することで出力することとしてもよい。
端末装置10は、ディスプレイ132において、歩行動作の1サイクルを複数のステップにわけて、各ステップにおいて、歩行姿勢を美しく見せるためのお手本と、ユーザの歩行動作の測定結果と、測定結果に対する評価結果とを表示する。
図16の例では、歩行動作の1サイクルを、第1のステップ「足を前に踏み出す」、第2のステップ「踏み出した前足に体重を乗せようとする(前足に乗ろうとする)」、第3のステップ「踏み出した前足に体重を乗せ切る(前足に乗り切る)」に分けている。
ここで、第1のステップ、第2のステップ、第3のステップにおいて、端末装置10が評価する項目としては、これら各ステップにおいて共通する項目と、各ステップにおいて共通しない項目とが含まれる。
(1)第1のステップの評価項目
・ 歩行動作中における上半身の傾き: 上半身の部位(頭部、肩など)が腰の位置に対して前傾しているか後傾しているか。例えば、骨盤の位置、胸腰の位置、肩中央の位置とにより定まる線が、鉛直軸に対して傾斜する角度が一定以内であるか。
・ 足を前に踏み出そうとする際の足の前後の開き: 両足の前後の開きの程度。例えば、踏み出した前足の足首と、後足の足首との距離が、一定距離以上であるか。
・ 足を前に踏み出そうとする際の腰の位置: 足を踏み出そうとする際に、腰が後方に残されていないか。例えば、骨盤の位置が、肩、胸腰に対して前方であるか後方であるか。
(2)第2のステップの評価項目
・ 前足を地につけたタイミングにおける上半身の傾き: 上半身の部位(頭部、肩など)が腰の位置に対して前傾しているか後傾しているか
・ 前足を地につけたタイミングにおけるひざの曲がり: 前足の各部位(足首、膝、骨盤)が大きく曲がっていないか、大きく曲がっているか。例えば、足首と膝とを接続する線と、膝と骨盤とを接続する線とにより形成される角度が、一定の角度に収まっているか
(3)第3のステップの評価項目
・ 前足に体重を乗せ切るタイミングにおける上半身の傾き: 上半身の部位(頭部、肩など)が腰の位置に対して前傾しているか後傾しているか
・ 前足に体重を乗せ切るタイミングにおける軸足の伸び: 踏み出して着地した前足を軸足として、軸足に体重を乗せる際に、軸足の各部位(足首、膝、骨盤)が伸びているか、曲がっているか。例えば、足首と膝とを接続する線と、膝と骨盤とを接続する線とにより形成される角度が、一定の角度に収まっているか
具体的には、端末装置10は、表示部132P11において、第1のステップにおけるお手本を表示する。端末装置10は、表示部132P21において、第1のステップにおけるユーザの身体の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P31において、第1のステップにおけるユーザの身体の動きの評価結果を表示する。
端末装置10は、表示部132P11、132P12、132P13において、これらの各評価項目が、美しい歩行姿勢にとって良好である場合の身体の各部位(関節)の位置を表示している。例えば、表示部132P11において、上半身が傾いておらず、前足と後ろ足とが一定程度に開いており(歩幅が小さすぎず)、腰の位置も適切である(後ろ寄りになっていない)場合の身体の各部位の位置が示されている。
図示する例では、表示部132P31において、評価結果として、評価項目「上半身の傾き」について、右足を踏み出した際の右足の評価結果RF_icと、左足を踏み出した際の左足の評価結果LF_icとを、所定のバーに重ねて表示している。当該所定のバーは、評価結果として取り得る範囲に応じて描画されている。端末装置10は、当該所定のバーにおいて、評価結果が良好である領域と、良好ではない領域とを区別して表示しており、図示する例では、評価結果が良好である領域を強調して表示している。端末装置10は、評価項目「上半身の傾き」において、評価結果が、前傾もしすぎず後傾もしすぎていないとして、良好である範囲に、右足の評価結果RF_icと、左足の評価結果LF_icとを関連付けて表示している。
端末装置10は、表示部132P31において、評価結果として、評価項目「足の前後の開き」、評価項目「腰の位置」についても、右足の評価結果と左足の評価結果とを所定のバーに関連付けて表示している。
端末装置10は、表示部132P12において、第2のステップにおけるお手本を表示する。端末装置10は、表示部132P22において、第2のステップにおけるユーザの身体の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P32において、第2のステップにおけるユーザの身体の動きの評価結果を表示する。
端末装置10は、表示部132P13において、第3のステップにおけるお手本を表示する。端末装置10は、表示部132P23において、第3のステップにおけるユーザの身体の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P33において、第3のステップにおけるユーザの身体の動きの評価結果を表示する。
図17は、端末装置10が、ユーザの歩行動作におけるひざの負担の評価結果を出力する例を示す図である。図14のステップS1409に対応する。
図17(A)は、ユーザの歩行動作において、股関節の内転および外転について測定した測定結果と、評価結果とを出力する例を示す。端末装置10は、ディスプレイ132に、ユーザの歩行動作の測定結果を、前後軸に基づいて(ユーザを正面から見たものとして)表示し、歩行動作時の膝の曲がりをユーザが容易に確認できるようにする。
端末装置10は、表示部132P41において、歩行動作時の測定結果を表示している。端末装置10は、表示部132P42において、右足を軸足として歩行する際の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P43において、左足を軸足として歩行する際の測定結果を表示する。
端末装置10は、表示部132P44において、ユーザの参考となるよう、好ましい測定結果のパターン(「軸足も遊脚もまっすぐ」)と、膝を痛める可能性のある測定結果のパターン(「ひざの外側を痛める可能性あり」、「ひざの内側を痛める可能性」)とについて表示する。つまり、歩行動作時に、股関節が内転しすぎていても、外転しすぎていても、歩行動作に伴い膝を痛めるおそれがある。
以上により、ユーザは、端末装置10の出力結果を参照することにより、ひざを痛めないよう歩行するよう促され得る。
図17(B)は、ユーザの歩行動作において、膝が足首よりも先行しすぎていないかの評価結果を出力する例を示す図である。端末装置10は、ディスプレイ132に、ユーザの歩行動作の測定結果を、左右軸に基づいて(ユーザを側面から見たものとして)表示し、歩行動作時に、ひざを先行して動かし過ぎていないかをユーザが容易に確認できるようにする。
端末装置10は、表示部132P51において、歩行動作時の測定結果を表示している。端末装置10は、表示部132P52において、右足を軸足として歩行する際の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P53において、右足を軸足として歩行する際の測定結果を表示する。端末装置10は、表示部132P51において、ユーザの歩行姿勢の評価結果として「ひざの前方負担が小さい」旨を表示している。
端末装置10は、表示部132P54において、ユーザの参考となるよう、好ましい測定結果のパターン(「良好」)と、膝を痛める可能性のある測定結果のパターン(「ひざが前に出過ぎている」)とについて表示する。つまり、ユーザが前足を踏み出そうとする際に、足首よりも膝が先行しすぎていると、膝を痛める可能性がある。端末装置10は、足首の位置と膝の位置とを結ぶ線、および、膝の位置と骨盤の位置とを結ぶ線が交差する角度が所定角度以上あるか否か(膝から足首までが前に出ているか)に基づいて、ユーザが前足を踏み出そうとする際に、膝が先行し過ぎているかを評価する。
以上のように、ユーザの歩行のサイクルについて、軸足を踏み出そうとする、軸足を着地させる、軸足に体重を乗せようとする、といった複数の局面について、歩行動作を評価する。これにより、ユーザは、各局面の評価結果を参照することで、歩行動作をより美しくするよう促される。また、お手本となる身体の動きとユーザの身体の動作の測定結果とを対比してユーザが参照できるようにすることで、ユーザが美しい歩行姿勢に近づけるよう促される。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態における測定システム1について説明する。第3の実施の形態では、ユーザの体幹のバランスの測定結果を表示するとともに、体幹のバランスがとれた状態をユーザが獲得できるようにするための処理を説明する。
<動作>
以下、第3の実施の形態において、端末装置10がユーザの身体の動きを測定し、測定結果に基づき評価する処理を説明する。
図18は、第3の実施の形態において端末装置10がユーザの体幹のバランスを測定し、評価する処理を示すフローチャートである。
ステップS1803において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザの体幹のバランス(肩、腰、足)を測定するようガイド(音声、映像)を出力する。端末装置10は、ユーザの肩、腰、足の位置について、鉛直軸に基づいて、それぞれ円で表示して測定結果を表示する。端末装置10は、ユーザの肩、腰、足の位置の重なり具合に応じて、体幹のバランスをとるよう促すガイドを出力する。
ステップS1805において、端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づき、ユーザの体幹のバランスを評価して評価値を出力する。端末装置10は、測定装置31の測定結果と、評価結果とをサーバ20へ送信する。
ステップS1853において、サーバ20は、ユーザの体幹のバランスの測定結果および評価結果に基づき測定結果データベース287、評価結果データベース288を更新する。
<出力例>
図19は、第3の実施の形態において端末装置10がユーザの体幹のバランスを測定する測定結果、および、体幹のバランスの評価結果を出力する例を示す図である。
図19(A)は、端末装置10がユーザの体幹のバランスを測定装置31により測定するために、測定結果をリアルタイムに出力する局面の画面例を示す。図18のステップS1803の処理に対応する。図19(A)の例では、表示部132P61において、ユーザの身体の肩、腰、足のそれぞれに対応した円形の図形(正円、楕円など)を表示する。
端末装置10は、表示部132P62において、ユーザの身体の各部位の測定結果を、前後軸に基づき表示する。
端末装置10は、表示部132P63において、測定装置31の測定結果に基づいて、ユーザの身体の肩、腰、足の各部位の位置を、鉛直軸に基づき表示する。端末装置10は、測定装置31の測定結果を、随時、表示部132P63に表示する。よって、ユーザの身体がぶれると、肩、腰、足の各部位に対応する各円形の図形が重ならず、ずれを生じさせることになる。図19(A)の画面例では、ユーザの身体の各部位が、鉛直軸に沿って整っておらず、ずれていることを示している。ユーザは、ディスプレイ132の表示部132P63の表示を見つつ、体幹のバランスをとるよう身体を動かすことを促される。
端末装置10は、表示部132P64において、ユーザが体幹のバランスが取れた状態になるよう促す通知をする。端末装置10は、測定装置31の測定結果に基づいて、ユーザの身体の各部位のバランスを整えるために必要なユーザの身体の動きを特定する。図示する例では、ユーザの腰の部位の位置に対し、頭部と足の位置が後ろ側となっている。つまり、ユーザの腰の位置が前方に突き出した状態となっている。端末装置10は、表示部132P64において、前後方向において身体の傾きを整えるよう促す表示をする。これにより、ユーザは、体幹のバランスが取れた状態になるために必要な身体の動きを容易に認識することができる。
図19(B)は、ユーザの体幹のバランスが整った状態における測定結果の表示例を示す。表示部132P63において、ユーザの肩、腰、足の各部位が、鉛直軸に沿って並んでおり、体幹のバランスがとれている。端末装置10は、表示部132P64において、体幹のバランスが取れた状態であることをユーザに通知している。
図19(C)は、体幹のバランスの測定を終了し、評価結果を出力する場合の表示例を示す。図18のステップS1805の処理に対応する。
端末装置10は、表示部132P65において、体幹のバランスの測定が終了した旨を表示し、測定結果に基づく評価結果を出力する。
端末装置10は、体幹のバランスの評価結果に基づいて、ユーザに提案するトレーニングメニューとして、体幹のバランスを整えるためのトレーニングメニューを決定する。図示する例では、端末装置10は、表示部132P65において、ユーザの体幹のバランスの評価結果と、評価結果に応じてユーザに提案するトレーニングメニューの候補とを表示する。端末装置10は、表示部132P66において、ユーザに提案するトレーニングメニューを開始するための操作を受け付ける。端末装置10は、表示部132P66へのユーザの入力操作に応答して、対応するトレーニングメニューを読み出す。
端末装置10は、表示部132P67において、ユーザから、トレーニングメニューの指定を受け付ける。つまり、表示部132P67では、端末装置10が体幹のバランスの評価結果に基づきユーザに提案するトレーニングメニューにかかわらず、その他のトレーニングを開始するための入力操作を受け付ける。
以上の各実施形態で説明した事項を、それぞれ組み合わせるとしてもよい。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態の説明では、ユーザの身体の動きの測定結果として、ROMチェック(第1の実施の形態)、歩行姿勢のチェック(第2の実施の形態)、体幹のバランスの測定(第3の実施の形態)等に応じて、ユーザに適したトレーニングメニューを提案する技術について説明する。端末装置10は、上記のようにユーザの身体の動きを測定し、評価することにより、ユーザの身体の各部位のうち、トレーニングすべきものを特定することができ、当該特定された結果に応じて、適したトレーニングメニューを提案する。
このように構成すると、トレーニングメニューのコンテンツを新たに追加する際に、当該トレーニングメニューのコンテンツに、身体のどの部位に適したものか、また、ユーザの身体に生じうる悩みのいずれに応じたものかを関連付けることにより、ユーザの身体の動きの測定結果に応じたコンテンツをユーザに提供することができ、コンテンツの追加がよりいっそう容易になる。
(1)端末装置10は、以上のように、ユーザの歩行サイクルの各ステップにおける測定結果、評価結果に基づいて、ユーザに対し、エクササイズメニューを提案することとしてもよい。例えば、端末装置10は、お手本となる身体の動きと、ユーザの身体の動きとを比較して(図16の例)、ユーザが改善することが望ましい筋肉の部位を特定する。例えば、サーバ20は、ユーザの歩行動作として、第1ステップ(足を前に踏み出す動作)の評価結果において、足の前後の開きが小さい場合、足を大きく踏み出せることが期待されるエクササイズメニューを、トレーニング項目情報285を参照することで特定する。すなわち、サーバ20は、歩行動作の各ステップの評価項目、体幹のバランスの評価項目の評価結果に応じて、予め、提案するエクササイズメニューを関連付けて保持することとしてもよい。
(2)ユーザの身体の動作の左右差を解消できるよう、端末装置10が、ユーザに対しトレーニングメニューを提案することとしてもよい。端末装置10は、以上のように、ROMチェック、歩行姿勢のチェックを行うことにより、ユーザの身体の動作の左右のバランスを評価する。端末装置10は、例えば、ユーザの歩行動作時の肩の回転、腰の回転の評価結果に基づき、鉛直軸を基準とした回転動作の左右のバランスを評価する。端末装置10は、ユーザの身体の動作が左右対称となっていない要因となっている筋肉の部位を特定する。例えば、端末装置10は、肩の回転量の左右差の要因となる筋肉の部位の情報を予め保持している。以上のように、端末装置10が、歩行動作時の評価の対象と、左右差の要因となる筋肉の部位の情報とを予め対応付けて保持して多くことにより、左右のバランス差を解消するためにトレーニングすべき筋肉の部位を特定することができる。
(3)ユーザの身体の動作の評価結果に基づいて、端末装置10が、ユーザの身体において将来起こり得る状態を予測するとともに、当該予測結果に基づいて、ユーザに対しトレーニングメニューを提案することとしてもよい。
例えば、端末装置10は、(i)ユーザの身体に起こり得る悩みとして、「首・肩こり」、「二の腕のたるみ」、「内巻肩、頭が前に出た姿勢」、「腰痛」、「足のむくみ」、「腕のはり」などの各項目と、(ii)ユーザの身体の部位の情報とを対応付けて所定の情報として記憶している。また、端末装置10は、上記のユーザの身体に起こり得る悩みの各項目と対応付けて、トレーニングとして提案するトレーニングメニューの情報を記憶している。
端末装置10は、ROMチェック、歩行動作のチェックを行うことにより、これらの測定結果、評価結果に基づいて、改善をすることが望ましい筋肉の部位を特定する。例えば、ROMチェックにおいて、身体のねじれが良好でない場合に、どの筋肉の部位が関連付けられているかが端末装置10において予め保持されている。例えば、端末装置10は、ROMチェックにおいて、肩、腰などの可動域の評価項目と対応付けて、筋肉の情報を保持している。
端末装置10は、動きが硬い筋肉の部位を特定する等により、当該所定の情報を参照することにより、将来起こり得る悩みを特定する。端末装置10は、この特定結果に応じて、ユーザの身体に将来生じうる悩みに対応できるよう、ユーザに提案するトレーニングメニューを決定する。
以上のように、歩行動作時のバランス、身体のねじれの評価項目と対応付けて筋肉の各部位の情報が関連付けられるとともに、筋肉の各部位の情報と、ユーザの身体に起こり得る悩みの各項目の情報とが関連付けられている。これにより、端末装置10は、ユーザの身体の動作の評価結果に基づいて、ユーザそれぞれにカスタマイズされたトレーニングメニューを当該ユーザに提案することができる。
<第4の実施の形態におけるデータ構造>
図20は、第4の実施の形態におけるサーバ20が記憶する各種データのデータ構造を示す図である。
サーバ20は、測定項目情報282において、測定項目それぞれについて、項目「起こり得る将来の悩み」と、項目「関連する筋肉の部位」とを保持する。
項目「起こり得る将来の悩み」は、測定項目それぞれについて、測定結果について評価した評価結果によっては将来ユーザの身体に起こり得る悩みを特定する情報(例えば、「肩こり」、「首こり」などのタグ)である。
項目「関連する筋肉の部位」は、測定項目それぞれについて、測定結果について評価した評価結果によってはトレーニングすることが望ましい身体の部位(筋肉の部位)の情報である。項目「関連する筋肉の部位」において、評価結果の程度に応じて、身体の部位の情報を段階的に保持してもよい。
サーバ20は、トレーニング項目情報285において、トレーニング項目それぞれについて、項目「コンテンツ」と、項目「対応する悩み」と、項目「関連する筋肉の部位」とを保持する。
項目「コンテンツ」は、トレーニングを実施する際にユーザに提示されるコンテンツ(動画、ユーザの身体の動きの参考となるモーションデータ、音声データなど)を示す。
項目「対応する悩み」は、トレーニング項目それぞれについて、評価結果によっては将来ユーザの身体に起こり得る悩みを特定する情報(例えば、「肩こり」、「首こり」などのタグ)である。
項目「関連する筋肉の部位」は、トレーニング項目それぞれについて、評価結果によってはトレーニングすることが望ましい身体の部位(筋肉の部位)の情報である。項目「関連する筋肉の部位」において、評価結果の程度に応じて、身体の部位の情報を段階的に保持してもよい。
サーバ20は、評価結果データベース288において、項目「起こり得る将来の悩み」を保持する。項目「起こり得る将来の悩み」は、評価結果それぞれについて、評価結果によっては将来ユーザの身体に起こり得る悩みを特定する情報(例えば、「肩こり」、「首こり」などのタグ)である。
以上のように、サーバ20は、ユーザの身体の動きの評価結果に応じて評価結果データベース288を更新する。例えば、ROMチェックの測定結果に応じて(測定項目情報282)、ユーザの身体において将来起こり得る悩みの情報を特定し得る。サーバ20は、評価結果データベース288を参照することにより、ユーザについて、起こり得る将来の悩みの情報を特定し、トレーニング項目情報285を参照することにより、ユーザに提案するトレーニング項目を抽出する。サーバ20は、ユーザに提案するトレーニング項目を複数抽出する場合、所定の規則に基づいて優先度を設定する。例えば、サーバ20は、ユーザの身体の動きの評価結果が良好でない程度に応じて、良好でないものに対応する悩みを解消し得るトレーニング項目を優先することとしてもよい。
<第4の実施の形態における画面例>
図21は、端末装置10が、ユーザの身体の動作の測定結果および評価結果に基づいて、ユーザの身体に起こり得る悩みを提示し、当該悩みに対応するエクササイズメニューを提案する局面の画面例である。
図21(A)は、端末装置10が、ユーザの身体の動作の測定結果、評価結果に基づいて、ユーザの身体に起こり得る悩みを特定した結果を表示している。
端末装置10は、表示部132P71において、ユーザに、毎日、端末装置10を介して測定することを促す表示をしつつ、表示部132P72において、ユーザの身体に将来起こり得る状態を表示する。図示する例では、操作受付部132P73において、「首・肩こり」の悩みが起こり得ることを表示しつつ、当該操作受付部132P73へのユーザの入力操作に応答して、「首・肩こり」の悩みに対応したトレーニングメニューを表示する。また、端末装置10は、操作受付部132P74において、「二の腕のたるみ」の悩みが起こり得ることを表示しつつ、当該操作受付部132P74へのユーザの入力操作に応答して、「二の腕のたるみ」の悩みに対応したトレーニングメニューを表示する。また、端末装置10は、操作受付部132P75において、「内巻肩、頭が前に出た姿勢」の悩みが起こり得ることを表示しつつ、当該操作受付部132P75へのユーザの入力操作に応答して、「内巻肩、頭が前に出た姿勢」の悩みに対応したトレーニングメニューを表示する。
端末装置10は、表示部132P76において、時間がないユーザに向けて、ユーザに対し提案するトレーニングメニューの候補のうち、表示部132P76に表示されるものよりも少ない数のトレーニングメニューを開始するための操作受付部132P77を表示する。端末装置10は、所定の規則に基づき、ユーザに提案するトレーニングメニューの候補に優先度等を設定して、表示部132P76に表示する。
端末装置10は、表示部132P78において、ユーザから、「お気に入り」など、実行したいトレーニングメニューを編集する操作を受け付ける。
端末装置10は、操作受付部132P91への入力操作を受け付けることにより、ユーザに対してアンケートを提示し、当該アンケートへの回答を受け付ける。端末装置10は、当該アンケートの入力結果に基づいて、ユーザの悩みを特定し、当該特定された悩みに対応するトレーニングメニューを提案することとしてもよい。
図21(B)は、ユーザに対し、おすすめのトレーニングメニューを提案する局面を示す。
例えば、端末装置10は、操作受付部132P73への入力操作に応答して、表示部132P82に示されるように、おすすめのトレーニングメニューによるトレーニングを開始するための操作受付部132P83〜132P87を表示する。端末装置10は、これら操作受付部132P83〜132P87への入力操作に応答して、トレーニングを開始するための動画の再生等をすることとしてもよい。
端末装置10は、操作受付部132P77への入力操作に応答して、表示部132P88に示されるように、時間がないユーザに向けて、提案するトレーニングメニューの数を絞り込んだ状態で、操作受付部132P83〜132P85を表示する。
これにより、ユーザの時々の状態に応じて、ユーザが継続してトレーニングをするよう促すことができる。
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
ユーザの身体の動きを測定するための測定システム(1)であって、制御部(190、203)と、ユーザの四肢を含む全身の動きを測定するための測定部(31)とを備え、制御部が、ユーザの歩行動作時の全身の動きを測定部により測定させるステップ(S1405、S1803)と、測定の結果に基づいて、ユーザの歩行動作のサイクルを構成する複数の段階を特定するステップと(S1407)、複数の段階それぞれについて、各段階の測定結果に基づいて、歩行動作時の姿勢を評価し、複数の段階それぞれについての当該評価結果をユーザに提示するステップ(図16、132P21〜132P23、132P31〜132P33)と、を行う、測定システム。
(付記2)
提示するステップにおいて、複数の段階それぞれについて、測定結果としてユーザの身体の各部位の位置を提示し、各段階について、測定結果と(132P21〜132P23)、評価結果と(132P31〜132P33)を対応付けてユーザに提示する、付記1に記載の測定システム。
(付記3)
提示するステップにおいて、複数の段階それぞれについて、歩行姿勢の手本となる各部位の位置を(132P11〜132P13)、測定結果と、評価結果と対応付けてユーザに提示する、付記2に記載の測定システム。
(付記4)
測定させるステップにおいて、ユーザの各関節の位置を測定させ、提示するステップにおいて、歩行動作のサイクルとして、ユーザが右足を踏み出す際に回転する肩の傾きの測定結果と(132P5、132P7)、ユーザが左足を踏み出す際に回転する肩の傾きの測定結果(132P5、132P6)とを対比してユーザに提示する、付記1から3のいずれかに記載の測定システム。
(付記5)
提示するステップにおいて、歩行動作のサイクルとして、ユーザが前足として右足を接地させるタイミングにおける腰の回転の傾きの測定結果と、前足として左足を接地させるタイミングにおける腰の回転の傾きの測定結果(132P8)とを対比してユーザに提示する、付記1から4のいずれかに記載の測定システム。
(付記6)
提示するステップにおいて、歩行動作時に、ユーザの股関節が内転または外転しているかについて、ユーザの身体の動作の測定結果を(132P41)、歩行の方向に基づいて提示するとともに、歩行姿勢の手本となる身体の各部位の位置を、歩行の方向の軸に基づいて提示する(132P44)、付記1から5のいずれかに記載の測定システム。
(付記7)
提示するステップにおいて、歩行動作時のユーザの膝が適切に動作しているかについて、ユーザの身体の動作の測定結果を、歩行の方向の軸とは異なる側面方向の軸に基づいて提示するとともに(132P51)、歩行姿勢の手本となる身体の各部位の位置を、側面方向の軸に基づいて提示する(132P54)、付記1から6のいずれかに記載の測定システム。
(付記8)
特定するステップにおいて、複数の段階として、足を前に踏み出そうとする第1の段階(132P11、132P21、132P31)、前に踏み出した足が接地して当該足を軸足としてユーザが体重を乗せつつある第2の段階(132P12、132P22、132P32)、軸足にユーザが体重を乗せる第3の段階(132P13、132P23、132P33)、のうち少なくとも2つを含む、付記1から7のいずれかに記載の測定システム。
(付記9)
複数の段階として第1の段階を含む場合、提示するステップにおいて、前に踏み出そうとする足を着地させるタイミングにおいて、当該足を軸足として体重を乗せるための予備となる動作が適切であるか評価し(132P31)、複数の段階として第2の段階を含む場合、提示するステップにおいて、軸足を着地させた後、軸足に体重を乗せるための動作が適切であるか評価し(132P32)、複数の段階として第3の段階を含む場合、提示するステップにおいて、軸足に体重を乗せることができているか評価する(132P33)、付記8に記載の測定システム。
(付記10)
複数の段階として第1の段階を含む場合、提示するステップにおいて、当該第1の段階の評価として、両足の前後の開きの程度、または、腰の位置の少なくともいずれかについて評価する(132P31)、付記9に記載の測定システム。
(付記11)
複数の段階として第2の段階を含む場合、提示するステップにおいて、当該第2の段階の評価として、軸足の膝の曲がりの程度について評価する(132P32)、付記9に記載の測定システム。
(付記12)
複数の段階として第3の段階を含む場合、提示するステップにおいて、当該第3の段階の評価として、軸足が伸びている程度について評価する(132P33)、付記9に記載の測定システム。
(付記13)
測定させるステップにおいて、ユーザの肩の位置と、腰の位置と、足の位置とを測定し(S1803)、制御部は、さらに、ユーザの身体の足から頭頂部に至る胴体を軸とした方向から、肩の位置の測定結果と、腰の位置の測定結果と、足の位置の測定結果とを重ねて表示することによりユーザに測定結果を提示する(132P63)、付記1から12のいずれかに記載の測定システム。