JP2021136358A - 半導体装置及びその製造方法、電界効果トランジスタ - Google Patents

半導体装置及びその製造方法、電界効果トランジスタ Download PDF

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清貴 堀川
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篤 平岩
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省三 河野
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洋 川原田
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Abstract

【課題】BI特性を改善することができるGaN層を有する半導体装置及びその製造方法、電界効果トランジスタを提供する。【解決手段】GaN層を有するMISFET100は、p−GaN層3の上に、0.7nm以上3nm以下の厚さを有するAlN層5と、AlN層5の上に形成されたAl2O3層6との積層構造からなるゲート絶縁膜7と、ゲート電極8を有している。Al2O3層6は、水を酸化剤とし、300℃よりも高温で、原子層堆積法により形成されている。AlN層5が、p−GaN層3とAl2O3層6との間に形成されることで、ゲート絶縁膜7内部の電子トラップの発生が低減され、MISFET100のバイアス不安定性が改善される。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
窒化物半導体を有する半導体装置において、特に高電圧動作を必要とするパワーデバイス用途としては、窒化物半導体としてワイドバンドギャップを有するGaNを用いたゲート絶縁型電界効果トランジスタ(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor、以下、MISFETと称する)が知られている(例えば、非特許文献1〜3を参照)。
非特許文献1には、SiC基板上に形成されたGaN層と、該GaN層上に順次形成された膜厚1nmのAlN層、膜厚30nmのAl層と、Niゲート電極とを有するMISFETが開示されている。SiC基板上のGaN層はノンドープである。Al層は、Oを酸化剤に用いたALD法(Atomic Layer Deposition)、すなわちO−ALD法で形成されている。また、ゲート電極形成後に、400℃のアニールが実施されている。非特許文献1にはAl層形成時のO−ALD温度は開示されていない。
非特許文献2には、Si基板上に形成されたGaN層と、該GaN層上に順次形成された膜厚20nmのAlGaN層、膜厚2nmのGaN層、膜厚1.5nmの結晶質SiN層と、プラズマにより活性化させた酸素を酸化剤に用いたALD法(PEALD法)により形成された膜厚16nmのSiN層と、Niの上にAuを積層したAu/Niゲート電極とを有するMISFETが開示されている。
非特許文献3には、Si基板上に形成されたGaN層と、該GaN層上に順次形成された膜厚0.5nmのALN層、PEALD法により形成された膜厚22nmのAl層と、Au/Niゲート電極とを有するMISFETが開示されている。
T. Nanjo, H. Koyama, A. Imai, T. Watahiki, and M. Yamamuka, "Investigation of post-annealing effects for normally-off GaN metal-oxide semiconductor heterojunction field-effect transistors with thin AlN barrier layer," Jpn. J. Appl. Phys. 58, SBBD09 (2019) X. Meng, J. Lee, A. Ravichandran, Y.-C. Byun, J.-G. Lee, A. T. Lucero, S. J. Kim, M.-W. Ha, C. D. Young, and J. Kim, "Robust SiNx/GaN MIS-HEMTs With Crystalline Interfacial Layer Using Hollow Cathode PEALD," IEEE Electron Device Lett. 39(8), pp. 1195 - 1198 (2018) S. Liu, S. Yang, Z. Tang, Q. Jiang, C. Liu, M. Wang, B. Shen, and K. J. Chen, "Interface/border trap characterization of Al2O3/AlN/GaN metal-oxide-semiconductor structures with an AlN interfacial layer," Appl. Phys. Lett. 106, 051605 (2015)
GaN層を有するMISFETが種々提案されているがいずれも、ゲート絶縁膜の膜質に起因するバイアス不安定性(Bias Instability、以下、BI特性と称する)が大きく、その改善が望まれている。BI特性とは、具体的には素子動作に伴う閾値電圧の変動を意味し、電圧ストレスによるフラットバンド電圧の変動が評価指標として用いられている。しかしながら、上記非特許文献1〜3のようなGaN層を有するMISFETにおいては、パワーデバイスとして使用するMISFETとしての検討は不十分であるという問題があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、BI特性を改善することができるGaN層を有する半導体装置及びその製造方法、電界効果トランジスタを提供することを目的とする。
本発明の半導体装置は、GaN層と、前記GaN層上に形成された0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜と、前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に形成された絶縁膜とを有するものである。
本発明の半導体装置の製造方法は、GaN層上に0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜を形成する工程と、前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に絶縁膜を形成する工程とを有するものである。
本発明の電界効果トランジスタは、GaN層と、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、前記ゲート絶縁膜は、前記GaN層上に形成された0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜と、前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に形成された絶縁膜とを有するものである。
本発明によれば、チャネル部を構成するGaN層上に、0.7nm以上3nm以下の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜と絶縁膜の積層構造からなるゲート絶縁膜を有する構成としたので、ゲート絶縁膜内の電子トラップを低減することができ、GaNを有する半導体装置のバイアス不安定性を改善することができる。
本発明の第1実施形態に係るMISFETの構造を示す断面図である。 (a)Al層の成膜条件と電界ストレスによるフラットバンド電圧変動との関係を示すグラフと、(b)Al層の成膜条件と絶縁破壊寿命との関係を示すグラフである。 (a)Al層成膜後の熱処理条件とフラットバンド電圧変動量との関係を示すグラフと、(b)Al層成膜後の熱処理条件と絶縁破壊寿命との関係を示すグラフである。 電気特性評価に用いたMISキャパシタの構造を示す断面図である。 MISキャパシタの電気特性評価から得られたゲート絶縁膜の成膜条件とフラットバンド電圧変動量との関係を示すグラフである。 MISキャパシタの電気特性評価から得られたゲート絶縁膜の成膜条件と界面準位密度との関係を示すグラフである。 MISキャパシタの電気特性評価から得られたゲート絶縁膜のC−V周波数特性について、(a)AlN膜厚0.7nm、(b)AlN膜厚1.4nm、(c)AlN膜厚2nmの場合を示すグラフである。 (a)ゲート電極がAlの場合におけるGaN中へのMgドーピング濃度と閾値電圧との関係を示すグラフ、(b)ゲート電極がNiの場合におけるGaN中へのMgドーピング濃度と閾値電圧との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。
(第1実施形態)
図1において、第1実施形態のMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field Effect Transistor)100は、Si基板1上に、n−GaN層2が形成されている。n−GaN層2は、n型不純物であるSiをドーピングしたGaNで構成されている。また、Si基板1上には、上記のn−GaN層2と、p−GaN層3とが積層された領域がある。p−GaN層3の表面は、他の部分のn−GaN層2の高さと同じになっている。p−GaN層3は、p型不純物であるMg(マグネシウム)をドーピングしたGaNで構成されている。なお、Si基板1を用いずに、自立GaN基板上にn型不純物であるSiがドーピングされたn−GaN層2を形成してもよい。
n−GaN層2のp−GaN層3と反対側(図中右側)の端部の表面にドレイン電極Dが形成されている。また、p−GaN層3のドレイン電極Dと反対側(図中左側)の端部の表面にソース電極Sが形成されている。ドレイン電極Dとソース電極Sとの間のn−GaN層2及びp−GaN層3の表面には、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)層4が形成されており、その膜厚は例えば約30nmである。AlGaN層4は、p−GaN層3の一部の領域上に開口部4aを有している。開口部4aの直下のp−GaN層3の部分がMISFET100のチャネル部となる。
AlGaN層4上と、開口部4aのp−GaN層3上には、AlN(窒化アルミニウム)層5が形成されている。AlN層5はその膜厚が0.7nm以上3nm以下の範囲内で形成されている。さらに、AlN層5の上には、Al(アルミナ)層6が形成されている。Al層6は、その膜厚は例えば約100nmで形成すると好適である。積層されたAlN層5及びAl層6は、MISFETのゲート絶縁膜7を構成している。
開口部4a上には、ゲート電極8が形成されている。ゲート電極8は、Ni(ニッケル)で構成され、膜厚は例えば約200nmである。
ソース電極S及びドレイン電極Dは、例えばTi(チタン)、Pt(白金)及びAl(アルミニウム)の積層構造であり、TiとPtの膜厚は約10nm、Alの膜厚は約200nmである。ゲート電極8、ソース電極S及びドレイン電極Dは、酸化シリコン等の層間絶縁膜9によって絶縁されている。
なお、図1のMISFETは、ゲート電極8の位置がソース側に偏り、ドレイン側を広げた左右非対称の構造となっている。これは、図1のMISFETのような横型デバイス構造のパワーデバイスにおいて、ゲート・ドレイン間に生じる高電界を緩和して、ゲート・ドレイン間の耐圧を向上させるためである。
以上のように、第1実施形態のMISFET100では、ゲート絶縁膜7をAlN層5とAl層6の積層構造としている。これにより、従来よりもバイアス不安定性(Bias Instability、以下、BI特性と称する)が改善される。また、MISFET100では、p−GaN層3をチャネル部とすることによって、パワーMISFETに必要なノーマリオフ特性を実現している。
次に、MISFET100の製造方法の例について説明する。まず、Si基板1上に、n−GaN層2及びAlGaN層4をMOCVD法(有機金属気相成長法)によってエピタキシャル成長させる。同AlGaN層4の厚さは例えば約30nmである。このように形成されるn−GaN層2には、さらにn型不純物であるSiをイオン注入法によってドーピングして、不純物濃度を調整してもよい。次に、AlGaN層4上に、p−GaN層3を形成する領域に開口を有するマスクをフォトリソグラフィ法によって形成し、マスクの開口部にp型不純物であるMgをイオン注入法によりドーピングする。マスクを除去した後、不活性ガス雰囲気中で1300℃、5分程度のアニール処理を行い、注入した不純物イオンを活性化させる。これによりp−GaN層3を形成する。
続いて、チャネル部となる開口部4aを形成するためのマスクをフォトリソグラフィ法によって形成し、RIE法(反応性イオンエッチング法)によって開口部4aのAlGaN層4を除去した後、マスクを除去する。これにより、開口部4a内においてはp−GaN層3の表面が露出し、他の部分はAlGaN層4で覆われたままの状態となる。
続いて、洗浄装置において、開口部4a内のp−GaN層3の表面及び他の部分のAlGaN層4の表面を洗浄する。洗浄は、アルコール系、アンモニア系、酸系の薬液による洗浄を適宜組み合わせて実施すればよい。また、塩素ラジカル等が主体で物理的損傷の少ない化学的ドライエッチング処理も有効である。
次に、開口部4a内のp−GaN層3の表面上及び他の部分のAlGaN層4の表面上に、AlN層5をMBE法(Molecular Beam Epitaxy、分子線エピタキシー法)によって成膜する。MBE法によるAlN層5の成膜は、被成膜面にN(窒素)ラジカルを照射した状態で、さらに蒸発させたAl原子を照射することによって行う。Al原子の照射時間を制御することによって、AlN層5の膜厚を調整することが可能である。MISFET100においては、Al原子の照射時間を調整して、膜厚が0.7nm以上3nm以下の範囲内のAlN層5を形成している。
MBE法は、不純物の混入が極めて少なく、結晶性に優れた膜を形成できるという利点を有するため、AlN層5の形成方法として好適である。なお、AlN層5は、スパッタリング法またはプラズマCVD法を用いて形成してもよい。
Al原子の照射を停止してAlN層5の成膜を終えた後、さらに所定の時間、例えば数分間、Nラジカルのみの照射を継続してもよい。このようにすることにより、Nラジカルに対して未反応のAl原子が被成膜面に残留してしまうことを防止することができる。
なお、上記のAlN層5の形成工程においては、プラズマCVD法を除き水素を全く使用していない。そのため、後述するp型GaNの導電性喪失問題は発生しない製造方法となっている。
続いて、AlN層5上に、Al層6をALD法(Atomic Layer Deposition、原子層堆積法)によって、例えば約100nmの膜厚で成膜する。ALD法は、発明者らがその有用性を検証した水(HO)を酸化剤とした方法で実施すると好適である。後述するように、水(HO)を酸化剤としたALD法は、従来のOを酸化剤としたALD法で成膜した場合よりもBI特性が改善することが分かっている。この水(HO)を酸化剤としたALD法の詳細は、文献「平岩、「GaN 基板上における原子層堆積Alゲート絶縁膜の信頼性」、応用物理学会・先進パワー半導体分科会第4回個別討論会テキスト(2018.07.30)」に記載されている。
上記のようにして形成されるAlは成膜状態ではアモルファス構造の絶縁膜であり、また反応に用いる気体を構成する原子の少なくとも一部を不純物として含有している。本実施形態のAl層6においては、Alの前駆体としてトリメチルアルミニウムを用いているのでCとHを含有している。本発明者等の検討によると、これらの多くはメチル基の状態で含有されている(A. Hiraiwa, T. Saito, D. Matsumura, and H. Kawarada, J. Appl. Phys. 117, 215304 (2015))。これら以外にも酸化剤として用いる水(HO)に起因するHも含有している。
このような不純物を低減するために、あるいはAlを構成する原子間の化学的結合性を高めるために、Al層6に対して成膜後に高温の熱処理を実施してもよい。その場合の熱処理温度は、後述するように、Al層6に微小な結晶粒が形成され始める780℃より低い温度がよく、非晶質状態を確実に維持できる750℃が好ましい。
以上のようにして、ゲート絶縁膜7となるAlN層5とAl層6の積層構造を形成する。ここで、ゲート絶縁膜7をAlN層5とAl層6の積層構造とした理由は、上述のようにBI特性を改善するためである。
次に、ゲート絶縁膜7上にNiを成膜し、フォトリソグラフィ法及びRIE法によって成膜したNiをパターニングすることで、ゲート電極8を形成する。ゲート電極8は、開口部4aを覆うように形成される。続いて、ゲート電極8及びゲート絶縁膜7上に、層間絶縁膜9となる酸化シリコン膜等の絶縁膜を成膜する。
なお、ゲート電極8となるNiは、スパッタリング法または電子ビーム蒸着法よりも成膜時に被成膜面に与えるダメージが少ない手法、例えばALD法または抵抗加熱法によって形成すると好適である。これにより、スパッタリング法または電子ビーム蒸着法に特有のプラズマ・ダメージまたは帯電損傷によるBI特性劣化を抑制することができる。
フォトリソグラフィ法及びRIE法によって層間絶縁膜9をパターニングすることで、ソース電極S及びドレイン電極Dを接続する位置のp−GaN層3及びn−GaN層2を露呈させる。続いて、露呈したp−GaN層3、露呈したn−GaN層2及び層間絶縁膜9上に、ソース電極S及びドレイン電極Dを構成する金属、例えばTi、Pt(白金)及びAlをスパッタリング法で順次成膜する。続いて、フォトリソグラフィ法及びRIE法によって、層間絶縁膜9上に成膜された金属をパターニングする。これにより、露呈したp−GaN層3上にはソース電極Sが形成され、露呈したn−GaN層2上にはドレイン電極Dが形成される。以降は通常の工程により、第二の層間絶縁膜をさらに形成し、同膜及び必要に応じ層間絶縁膜9に接続口をフォトリソグラフィ法及びRIE法により形成した後、金属配線を選択的に形成する。以上のような工程を経て、MISFET100が作製される。なお、図1においては第二の層間絶縁膜及び金属配線を省略している。
上記の説明では、AlN層5は結晶質絶縁膜として説明したが、不純物を導入した半導体膜としてもよい。また、AlN層5は、Gaを含んだAlGaN層としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜7をAlGaN層とAl層の積層構造としてもよい。
また、AlN層5の上に積層する絶縁膜は、Al層と同様のアモルファス構造の絶縁膜、例えば、シリコン酸化(SiO)膜、アルミニウムシリケート(AlSiO)膜でもよい。
さらに、p−GaN層3の上にAlN層5を形成することで、それらの間に、膜厚1nm程度以下のGa(酸化ガリウム)層が形成される場合がある。しかしながら、GaNとGaとの間のエネルギー障壁は低いため、電子のトンネリング抑制には殆ど寄与しないと考えられる。そのため、Ga層の有無がBI特性に影響する可能性は実質的にないと判断できる。
また、チャネル部のGaN層は、p型のp−GaN層3に代えて、n型のn−GaN層としてもよい。その場合は、以下に説明するように、MISFET100がノーマリオンすることを防止する手段を適用すればよい。
n−GaN層上にAlGaN層をゲート絶縁膜として形成した場合には、n−GaN層とAlGaN層との間の半導体ヘテロ接合界面に誘起される2次元電子ガス(以下、2DEGと称する)によって、ゲート電極が0Vの場合においてもMISFETがオンしてしまう、ノーマリオンと呼ばれる現象が発生する。この現象は、n−GaN層とAlN層との界面においても発生し、この界面には、AlGaN層とn−GaN層との界面の場合よりも2DEGが発生しやすい。すなわち、BI特性の改善のためにゲート絶縁膜の一部としてn−GaN層上にAlN層を形成すると、AlGaN層をゲート絶縁膜とした場合よりもノーマリオンしやすくなってしまう可能性が高い。そのため、チャネル部のGaN層をn型のGaN層とする場合は、ノーマリオンを防止するために回路技術的な手段を用いることが好ましい。回路技術的な手段としては、例えば、ノーマリオンのGaN系n型FETとノーマリオフのSi製n型FETをカスコード接続させるような回路技術によるノーマリオフ化手法がある(例えば、特開2018−148214号公報を参照)。
第1実施形態のMISFET100においては、チャネル部のGaN層を、n型ではなくp型のp−GaN層3として、ゲート電極が0Vの場合において2DEGが誘起されないようにすることで、ノーマリオンを防止している。そのため、n型GaNを使用した場合に必要となる、ノーマリオンを防止するための回路技術的な手段は不要となる。
また、第1実施形態においては、p−GaN層3はp型不純物であるMgをGaN中にドープすることでp−GaN層3を形成している。このようにして形成したp型GaNは、水素雰囲気中での高温熱処理によって不活性化し、導電性を喪失する場合がある。例えば上記したAlN層5をMOCVD法により形成した場合である。これは、Mgが高温熱処理によって水素と反応して、アクセプタとしての機能を失うためである。この問題を回避する方法の一つは、p−GaN層3を形成した後に水素を含む雰囲気中において高温熱処理を行うことがないように、プロセス条件を調整することである。別の方法としては、一旦不活性化してしまったMgを高温熱処理によって再活性化させる方法がある。
プロセス条件を調整する方法としては、上述のようにMBE法を使用し、水素を含まない雰囲気でAlN層5を成膜すればよい。また、スパッタリング法を用いても同様に水素を含まない雰囲気でAlN層5を成膜することができる。CVD法によりAlN層5を形成する場合は、MOCVD法にて通常使用する水素を含む反応ガスの使用は好ましくない。そのため、MOCVD法とは異なり、水素を含まない反応性ガスとして例えばAlClとNを反応ガスとして用いることが好ましい。この際に、Nは熱反応が生じにくいため、プラズマ放電によってN(窒素)ラジカルに転換することのできるプラズマCVD法を用いると効果的である。
一方、Mgを再活性化させる方法では、水素と結合して導電性を失い不活性化したMgを高温熱処理し、Mgと結合している水素を脱離させればよい。この場合の高温熱処理は、例えば850℃で、不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。ただし、p型GaN内のMgから脱離する際、水素は正に帯電した状態で外方拡散することが知られている(T. Narita, K. Tomita, S. Yamada, and T. Kachi, Appl. Phys. Express 12, 011006 (2019))。このため、再活性化のための高温熱処理はp型GaNの少なくとも一部において電界が存在しない状態で行うことが好ましい。もしくは、p型GaN内に電界が存在したとしても、少なくともその一部において電界の向きがp型GaNから外部方向に向かっている、すなわち、エネルギーバンドがp型GaNの表面に向け上方に曲がっている状態となる方向に向かって電界が存在している必要がある。
p型GaNの表面上にAlGaN層もしくはAlN層を形成している場合、そのAlGaN層及びAlN層は分極によってp型GaN側との界面に正の電荷を生ずるので、隣接するp型GaN表面のエネルギーバンドを下方に曲げる方向に電界が生じる。そのため、p型GaNがAlGaN層もしくはAlN層に被覆されている箇所では、結果としてp型GaN内から水素を除去することができなくなってしまう。また、p型GaNの表面上にn型GaN層を形成している場合、n型GaNはp型GaNとnp接合を形成するので、同様にp型GaN表面のエネルギーバンドを下方に曲げる方向に電界が生じる。そのため、p型GaNがn型GaNに被覆されている箇所では、結果としてp型GaN内から水素を除去することができなくなってしまう。
このため、p型GaNが露呈されている状態で高温熱処理を行えばよい。この例のMISFET100では、p−GaN層3表面の少なくとも一部が、AlGaN層4、AlN層5及びn−GaN層2のいずれにも被覆されていない領域としてソース電極Sの開口を持つ構成とし、開口が形成されている状態で高温熱処理を行うことで、開口を介してp−GaN層3から水素を除去し、Mgを再活性化することを可能にしている。
ゲート絶縁膜としてAlのみを使用した場合、BI特性に悪影響を及ぼす電子トラップは、GaN基板とAlとの界面ではなく、Al層の内部に存在することを、発明者らの検討により明らかにしている(A. Hiraiwa, K. Horikawa, and H. Kawarada, J. Appl. Phys. 127, 065307 (2020))。電子トラップが発生する原因として、Al中の不純物の存在とAlの化学結合構造の問題が考えられる。
そこで、まず、ゲート絶縁膜としてALD成膜によるAlを選択し、ALD成膜条件の最適化を検討した。なお、この検討の詳細は、前述の文献「平岩、「GaN 基板上における原子層堆積Alゲート絶縁膜の信頼性」、応用物理学会・先進パワー半導体分科会第4回個別討論会テキスト(2018.07.30)」に記載されている。
非特許文献1に開示されているように、Al層を通常用いられるO−ALD法等で形成した場合、Al層内には、ALDに使用される反応気体であるトリメチルアルミニウムに由来するC(カーボン)が不純物として多量に含まれており、このCが電子トラップを発生させる原因となっている可能性がある。また、Alを形成するまでの化学反応経路が複雑であり、今日においても明確になっているとは言い難い。このため、Al層を構成する原子間の化学結合の少なくとも一部がAlとして本来あるべき姿から乖離し電子トラップを発生させていることも懸念される。このCを低減するとともに化学結合状態を改善することを目的として、水を酸化剤として使用するHO−ALD法の検討を行った。また、このCをさらに低減するとともに原子間の化学的結合性を高めるために、成膜温度を高温化する検討も行った。
図2(a)は、GaN基板上にALD法により形成したALD−Al層(以下、ALD−Al層とも称する)の成膜条件と電界ストレス印加後のフラットバンド電圧変動量との関係を示しており、図2(b)はALD−Al層の成膜条件と絶縁破壊寿命との関係を示している。
図2(a)のグラフの横軸は絶縁膜に印加した電界のシリコン酸化膜(SiO)換算の値Feoであり、単位はMV/cmである。縦軸はBI特性の評価指標であるフラットバンド電圧である。なお、図2(a)におけるFeo=0MV/cmに対する結果は電圧ストレスを加える前の値である。図2(a)に示すように、O−ALD法により形成したAl層(図2(a)に「O ALD」で示す)よりもHO−ALD法により形成したAl層(図2(a)に「HO ALD」で示す)の方がフラットバンド電圧の初期値(電界ストレス印加前の値)からの変動量が少ない。また、成膜温度は、200℃よりも450℃の方がフラットバンド電圧の変動量は少ない。したがって、フラットバンド電圧の変動量が最も少なくなる450℃のHO−ALD法が、ALD−Al層の成膜方法として最も優れている。
図2(b)のグラフの横軸は、図2(a)と同じくシリコン酸化膜換算の電界強度Feoであり、縦軸は絶縁破壊寿命である。実使用状態の電界強度である3MV/cm以下における絶縁破壊寿命は、O−ALD法により形成したAl層(図2(b)に「O3」で示す)よりもHO−ALD法により形成したAl層(図2(b)に「HO」で示す)の方が長く、成膜温度が200℃のものよりも450℃のものの方が長い結果となった。すなわち、絶縁破壊寿命も、BI特性と同様に450℃のHO−ALD法が最も優れている。そのため、上述した第1実施形態では、450℃のHO−ALD法によりALD−Al層の成膜を行っている。なお、図2(a)と図2(b)のいずれにおいても、簡便かつ高精度の低電圧装置を用いて測定を行うために、ALD−Al層の厚さを32nmないし41nmとしているが、横軸をシリコン酸化膜換算の電界強度Feoとしているので膜厚が100nmのALD−Al層を用いた場合においてもほぼ同じ結果が得られる。ただし、フラットバンド電圧の変動量は膜厚にほぼ比例して大きくなる。しかしながら、測定した試料のALD−Al層の膜厚は上記のように32nmないし41nmであり、O−ALD法により形成したAl層とHO−ALD法により形成したAl層との間で、フラットバンド電圧の変動量の相対比較を行う上では問題とはならない程度の膜厚差の範囲である。
次に、ゲート絶縁膜としてALD−Al層を成膜した後に高温熱処理を行い、高温熱処理がBI特性及び絶縁破壊寿命に与える影響について検討を行った。これは、上述のようにゲート絶縁膜に含まれるC等の不純物濃度が低く、また化学的結合性が高くなるほど電子トラップ密度が低くなると考えられるためである。
図3(a)は、GaN基板上に形成したALD−Al層の成膜後の熱処理条件とフラットバンド電圧変動量の関係を示しており、図3(b)は、ALD−Al層の成膜後の熱処理条件と絶縁破壊寿命との関係を示している。ここでも熱処理前のALD−Al層の厚さを32nmとしている。
図3(a)のグラフの縦軸は、フラットバンド電圧の変動量であり、横軸は電界ストレス(シリコン酸化膜換算で4MV/cm)の印加時間である。ここでは、Al層の成膜後の熱処理条件を、熱処理無し(w/o PDA)、600℃、700℃、800℃、900℃の5条件とした場合の、フラットバンド電圧変動量の電界印加時間依存性を示している。図3(a)によると、熱処理無しの場合において最もフラットバンド電圧が変動している。そして、熱処理温度が高くなるほどフラットバンド電圧の変動が少なくなっていることが分かる。これは、Al中の不純物が熱処理により脱離するとともに原子間の化学的結合性が増したためと思われる。特に、成膜後の熱処理温度が800℃以上になるとAlが結晶化するため結晶性が飛躍的に向上するが、後述するように結晶化後においても熱処理温度の上昇とともに結晶欠陥がさらに減少する。それに伴い電子トラップも減少することが推定され、これによりフラットバンド電圧の変動が少なからず減少したものと考えられる。
図3(b)は、図2(b)のグラフと同じく電界強度Feoと絶縁破壊寿命の関係を示している。Al層の成膜後の熱処理条件は、熱処理無し(w/o PDA)、700℃、800℃の3条件、測定温度は室温(RT)と200℃の2条件である。図3(b)によると、絶縁破壊寿命は、フラットバンド電圧変動量と異なり、測定温度がいずれの場合においても熱処理温度が800℃になると短くなっていることが分かる。結晶化したAlは単結晶でなく、方位の異なる微小な結晶粒から構成されている。絶縁破壊寿命が結晶化に伴い上記のように低下したのは結晶粒界が絶縁性に劣っているためであると考えられ、絶縁破壊信頼性を維持するためにはゲート絶縁膜が非晶質状態にあることが望ましい。なお、この結晶粒界の面積はキャパシタ全体の面積と比較して極めて小さいので、これらが電子トラップとして機能するとしても上記したフラットバンド電圧に及ぼす影響は無視することができる。他方で、結晶粒内には結晶欠陥が多数残留しており、電子トラップとして機能している可能性がある。結晶化後においても熱処理温度が上昇するとこれら結晶粒内欠陥が減少するので電子トラップが減少し、その結果フラットバンド電圧の変動量が少なからず減少したものと思われる。本発明者が熱処理したAl層をX線回折装置及び透過型電子顕微鏡を用いて鋭意検討した結果、ALD−Al層は750℃までの熱処理では非晶質状態を維持し、780℃以上の熱処理により微小な結晶粒が形成され始めることが明らかとなった。
第1実施形態のMISFET100は、0.7nm以上3nm以下の膜厚のAlN層5と、水を酸化剤に用いた高温(450℃)のALD法によって形成したAl層6とでゲート絶縁膜7を構成している。このような構成が好適な特性を示す原理と実際の評価データについて説明する。
ゲート絶縁膜を流れる電流が測定限界以下である極めて低い電界に対してもフラットバンド電圧の変動が生ずるところから、フラットバンド電圧の変動はGaN基板の伝導帯に存在する電子がトンネリングによりゲート絶縁膜中にトラップされることにより生ずると考えられる。そして、トンネリングが可能な領域は、エネルギー障壁等を考慮すると、GaN層とゲート絶縁膜の界面からゲート絶縁膜方向に3nm程度の範囲に限定される。すなわち、界面から3nmを超える位置のゲート絶縁膜にトラップが存在していても、トンネリングによって電子がその位置まで到達する確率が低いため、結果として電子がほとんどトラップされないことになる。
そこで、発明者らは、界面から3nm以内のゲート絶縁膜の領域を、電子に対して高いエネルギー障壁を有し、かつ、結晶性に優れた絶縁膜、または半導体膜で構成すれば、電子トラップは抑制され得ることに想到し、以下の結論に至った。
電子に対して高いエネルギー障壁を有する結晶質絶縁膜もしくは結晶質半導体膜としては、GaNとの整合性に優れ、結晶性が良好なAlxGa1−xN(0<x<=1、0<y)が好適である。なお、これまで述べた部分のみならず以下においてもAlxGa1−xNを単にAlGaNと表記している。同様に、AlNに含まれるAl原子の数とN原子の数の比は1:1である必要がなく、化学量論的にAl1−x(0<x<1)のように表されるものを形成した場合においてもBI特性の改善効果を得ることができる。AlGaNの中でも、Gaを含まないAlNは、バンドギャップが最も大きく、電子に対するエネルギー障壁が高い。そのため、電子のトンネリングを抑制する作用が大きくなり、BI特性を改善する上で有利である。
結晶性絶縁膜としてAlNでなくAlGaNを用いる場合は、絶縁性等を考慮して適宜膜厚を厚くするなどの調整を加えればよい。また、結晶性半導体膜として不純物を導入したAlGaNまたはAlNの結晶質半導体膜を用いる場合も、同様に絶縁性等を考慮して適宜膜厚を厚くするなどの調整を加えればよい。
次に、MISFET100のゲート絶縁膜評価用素子として図4に示すMISキャパシタ101を作製し、MISFET100の電気特性評価を実施した。
MISキャパシタ101は、GaN自立基板1A上に、GaN層2A、AlN層5A、Al層6A、ゲート電極8Aが順次積層された構成となっている。また、GaN自立基板1Aの裏面側には、裏面電極11を形成した。GaN層2Aは、n型GaNエピタキシャル成長層(n−GaN)またはp型GaNエピタキシャル成長層(p−GaN)とした。
MISキャパシタ101は、次のように作製した。まず、GaN自立基板1A上にGaN層2Aをエピタキシャル成長させた。続いて、超音波を照射しつつ、アセトン洗浄、超音波イソプロビルアルコール洗浄を行い、さらにピラニア洗浄、希釈アンモニア・過酸化水素混合溶液洗浄、希釈塩酸洗浄を順次実施した。
続いて、MBE装置において、以下のa)〜e)の工程を順次実施し、GaN層2A上に、結晶質絶縁膜であるAlN層5Aを形成した。
a)プレヒート
まず、GaN層2Aを有するGaN自立基板1Aを、MBE装置の成長室内にロードロック室経由で搬入した。次に、成長室内部を850℃に加熱した後に30分間保持してプレヒートを行った。プレヒート中の成長室内の圧力は、10−6Pa以下の高真空に保持した。
b)N(窒素)ラジカル照射
次に、成長室内部の温度を850℃に保持したまま、リモートプラズマにより発生させたN(窒素)ラジカルを5分間照射した。
c)N(窒素)ラジカル照射、Al照射、AlN成膜
Nラジカルの照射を継続しながら、加熱により蒸発させたAl原子をGaN自立基板1Aに照射することにより、AlN層5Aを成膜した。この工程において、Al照射時間を8分、17分、25分とし、AlN層5Aの膜厚が0.7nm、1.4nm、2nmとなるMISキャパシタ101をそれぞれ作製した。
d)N(窒素)ラジカル照射の継続照射
Alの照射を停止してから、さらに5分間、Nラジカルのみの照射を継続した。
e)加熱(アニール)
Nラジカル照射を停止後、さらに10分間、GaN自立基板1Aを成長室内に保持して熱処理を行った。
適温まで冷却した後、GaN自立基板1AをALD装置に搬送した。ALD装置においては、トリメチルアルミニウムをAlの前駆体とし、水(HO)を酸化剤としたALD法により、Al層6Aを450℃で32nm形成した。
続いて、所望の開口を有するシャドーマスクを用いた抵抗加熱法によりAlを蒸着してゲート電極8Aとした。次に、GaN自立基板1Aの裏面をイオンビームスパッタリング法により軽くエッチングした後、イオンビーム蒸着法によりTiとAuを裏面に順次形成することにより、オーミック電極である裏面電極11を形成した。裏面電極11は、GaN自立基板1Aの裏面を介してGaN層2Aに電位を加えるための電極である。
以上の工程により、第1実施形態のAlN層5とAl層6に相当するAlN層5AとAl層6Aからなるゲート絶縁膜7Aを有するMISキャパシタ101を作製した。次に、図4で説明したMISキャパシタ101を用いて評価した結果について説明する。
図5は、MISキャパシタ101を用いて評価したフラットバンド電圧変動量の測定結果を示している。図5のグラフの横軸はゲート絶縁膜に印加した電圧のシリコン酸化膜換算の電界強度Feoであり、縦軸はBI特性の評価指標であるフラットバンド電圧変動量である。
測定方法としては、まず、ゲート電極8Aと裏面電極11の間に周波数1MHzの微小な変調を有する電圧を印加してC−V特性(容量電圧特性)を測定し、測定結果からフラットバンド電圧の初期値を算出した。続いて、所定の電界強度で所定時間のストレスを印加した後、再度C−V特性を測定した。これら電圧印加とC−V測定を反復することにより、フラットバンド電圧の初期値からの変動量と電圧印加時間の総和との関係を求めた。さらに、電界強度を変えてこれらの関係を求めた。図5の測定においては、シリコン酸化膜換算の電界強度Feoを3〜7MV/cmに変化させてストレスを加えた後、C−V特性の測定を行っている。そして、電圧印加時間の総和が3000秒である場合のフラットバンド電圧変動量を、AlN層5Aの膜厚を変えて測定した結果をグラフ化した。
評価を行ったゲート絶縁膜7Aは、AlN層5AとAl層6Aで構成される積層構造であり、AlN層5Aの膜厚は、0nm(AlN層5A無し)、0.7nm、1.4nm、2nmの4条件、Al層6Aの膜厚は全て32nmとした。GaN層2Aは、AlN層5Aの膜厚が0nm、0.7nm、1.4nmについてはn−GaNとし、AlN層5Aの膜厚2nmについてはn−GaNとp−GaNの2条件とした。
実際のパワーMISFETの定格電圧に相当する電界強度は3MV/cm程度以下となる。図5において、この電界強度Feo=3MV/cmで比較すると、AlN層5Aを膜厚0.7nmで形成した後にAl層6Aを形成した場合は、AlN層5A無しでAl層6Aを形成した場合に比べて、フラットバンド電圧変動量が大幅に低下する結果となった(図5の0.7nm(n-GaN)とw/o ALN(n-GaN)のプロットを参照)。この結果は、ゲート絶縁膜7AをAlN層5AとAl層6Aの積層構造にすることにより、ゲート絶縁膜7A中の電子トラップが大幅に減少したことを示している。
電界強度Feoが5MV/cm以上になると、AlN層5Aを膜厚0.7nmで形成した後にAl層6Aを形成した場合よりも、AlN層5Aを膜厚1.4nm及び2nmで形成した後にAl層6Aを形成した場合の方が、フラットバンド電圧変動量は低下した(図5の0.7 nm(n-GaN)、1.4 m(n-GaN)、2 nm(n-GaN)のプロットを参照)。
また、n−GaN上とp−GaN上にAlN層5Aを膜厚2nmで形成した後にAl層6Aを形成した場合において、フラットバンド電圧変動量に有意な差は見られない結果となった(図5の2 nm(n-GaN)、2 nm(p-GaN)のプロットを参照)。この結果は、p型GaN上にAlN層5AとAl層6Aで構成される積層構造のゲート絶縁膜7Aを形成した場合も、n型GaN上の場合と同様に、ゲート絶縁膜中の電子トラップが大幅に減少したことを示している。
以上のように、MISキャパシタ101の測定結果は、ゲート絶縁膜7AをAlN層5AとAl層6Aの積層構造とし、さらにAlN層5Aの膜厚を少なくとも0.7nm以上とした場合において、フラットバンド電圧変動量が大きく低減する結果となった。このことは、MISFET100においてBI特性の大幅な改善効果が得られることを示している。また、AlNは膜厚が厚くなるにしたがって内部応力が強くなり、結果として結晶欠陥が発生する可能性が高まってしまうことから、MISFET100におけるAlN層5の膜厚の上限値は3nmが好適である。また、AlN層5の膜厚が増加するとAlN層5とGaNとの界面に誘起される2DEGが増加するので、このようにAlN層5の膜厚に上限値を設けることで、MISFET100がノーマリオンとなる程度を制限することもできる。これにより、後述するようにMISFET100をノーマリオフとするためにドーピングするMgの量を増やす必要が無くなるという点でも望ましい。
BI特性の問題を完全に解消するには3nmより厚いAlN層5を形成するのが望ましいが、実際にはAlN層5の厚さが2nm以下の場合においても上記したように低電界ストレスに対してBI特性が大きく改善されている。これは、上記した450℃のHO−ALD法を用いてAl層6を形成した効果である。HO−ALD法でAl層6を形成した後に熱処理を行った場合には、図3(a)に示すように、BI特性をさらに改善することができる。
次に、MISキャパシタ101の界面準位密度について説明する。評価したMISキャパシタ101は、図5の測定に用いたものと同じくn−GaN上に0.7nmないし2nmのAlN層を形成した試料である。
図6は、MISキャパシタ101について変調周波数を1MHzとしてC−V測定を実施し、それらの測定結果から算出した界面準位密度を示している。図6のグラフの縦軸は界面準位密度を示し、横軸は、GaN層2A内における伝導帯の底を基準とした界面準位のエネルギーを示している。横軸左方向に進むほど、エネルギー的にGaN層2Aの伝導帯より深い位置に存在する準位であることを意味する。
界面準位密度は、AlN層5Aの膜厚で有意な差はなく、AlN層5Aを形成しないもの(図示せず)と測定誤差の範囲内で一致する結果となった。
図7は、GaN層2Aがn−GaNであるMISキャパシタ101を用いて評価したC−V周波数分散特性について、(a)AlN膜厚0.7nm、(b)AlN膜厚1.4nm、(c)AlN膜厚2nmの場合を示している。測定に使用した変調周波数は、1kHz、100kHz、1MHzである。図7(a)〜図7(c)中の矢印は電圧スイープの方向を示している。また、図7(a)〜図7(c)の各グラフにおけるカーブの立ち上がり付近の波形に楕円を表示している。
AlN層5Aの膜厚が0.7nm、1.4nm、2nmのすべてにおいて、周波数分散が極めて小さい結果となった。この結果は、ゲート絶縁膜7AをAlN層5AとAl層6Aとの積層構造とした構造において、ゲート絶縁膜7AとGaN層2Aとの界面に、伝導帯の底から約1eV以内の深さにある界面準位が殆ど存在しないことを示している。また、AlN膜厚0.7nm、1.4nm、2nm間において、C−V周波数分散特性に有意な差は見られない。
上述のように、MISFETのチャネル領域をp−GaNとすることによってMISFETをノーマリオフ化することができるが、MISFETのチャネル領域をp−GaNとすることに加え、以下の手法を用いることによって、ノーマリオフ化をさらに効果的に実現することができる。
図8(a)は、図1のMISFET100と同様な積層構造を有するMISFETにおいて、ゲート電極がAlの場合におけるp−GaN層中へのMgドーピング濃度と閾値電圧の関係をシミュレーションしたグラフである。横軸はp型不純物であるMgのドーピング濃度であり、縦軸はMISFETの閾値電圧である。ゲート絶縁膜はAlN層とAl層の積層構造としている。AlN層の膜厚を、0nm(AlN層無し)、0.7nm、1.4nm、2nmとし、Al層の膜厚はシリコン酸化膜換算で50nmとしている。この膜厚の設定値は、15V動作で閾値電圧が5V程度となるパワーMISFETを想定したものである。
図8(a)に示すように、AlN層の膜厚の増加に伴って閾値電圧は低下傾向となる。これは、AlN層の膜厚が増加すると、界面に誘起される2DEGも増加するためである。MISFETをノーマリオフ化するためには、チャネル部であるp−GaN中のp型不純物のドーピング濃度をAlN層の膜厚に応じて最適化すればよい。すなわち、図8(a)において、閾値電圧Vth(V)が0以上、望ましくは5V程度となるように、AlN層の膜厚に応じてドーピング量を調整してp型不純物をイオン注入すればよい。
例えば、AlN層の膜厚が0.7nmの場合は、p型不純物であるMg濃度が約1×1017cm−3以上になるようにすれば、閾値電圧は0V以上になり、ノーマリオフ化が達成される。AlN層の膜厚が2.0nmの場合、Mg濃度は約3×1017cm−3以上にする必要がある。また、閾値電圧5Vを達成するためのMgの濃度は、AlN層の膜厚が0.7nm、1.4nm、2nmの場合でそれぞれ、約5×1017、約7×1017、約9×1017cm−3となる。なお、p−GaN中のp型不純物のドーピング濃度は、ゲート絶縁膜の種類、構造及び形成条件に応じて最適化する必要がある。
また、ドーピング濃度が高いと伝導電子の移動度が低下するため閾値電圧が同じである場合においてもオン電流が減少するという問題が生じる。そのため、ドーピング濃度は、所望の閾値電圧を確保した上で、可能な限り低く設定することが望ましい。
所望の閾値電圧を確保した上で、ドーピング濃度を低減するためには、Alよりも仕事関数の大きい金属、例えばNiをゲート電極として用いることが効果的である。図8(b)は、ゲート電極がNiの場合におけるGaN中へのMgドーピング濃度と閾値電圧の関係をシミュレーションしたグラフである。同じドーピング濃度において図8(a)のAlゲート電極と比較すると、図8(b)のNiゲート電極の方が、閾値電圧が高く、同一の閾値電圧を達成するために必要なMg濃度の低いことがわかる。
また、Al電極を用いる場合、Alとその直下のAlとの間にはダイポールが形成されるため、Alの仕事関数が実効的に低下することが本発明者等により明らかとなっている(S. Okubo, K. Horikawa, H. Kawarada, and A. Hiraiwa, J. Appl. Phys. 126, 045704 (2019))。しかしながら、Ni電極を用いれば、このような問題が生じる懸念もない。
(第2実施形態)
第2実施形態のMISFETは、表面にゲート電極とソース電極が形成され、裏面にドレイン電極が形成された縦型トランジスタである。縦型MISFETは、第1実施形態のような横型MISFETと比べ絶縁耐圧に優れるという利点を有している。
図9に示すように、第2実施形態のMISFET200では、そのドレイン電極50上には、n+GaN層51とn−GaN層52が順次形成されている。n+GaN層51とn−GaN層52にはn型不純物であるSiがドーピングされており、Siのドーピング量は、n+GaN層51の方がn−GaN層52よりも高濃度となっている。
n−GaN層52の上部には、左右で一対となるp−GaN層53が所定の間隔を開けて形成されている。左右のp−GaN層53の一部の領域上には、それぞれn+GaN層54が形成されている。p−GaN層53にはp型不純物であるMgがドーピングされている。n+GaN層54にはSiがドーピングされている。n−GaN層52とn+GaN層54は、p−GaN層53によって離隔されている。
左側のn+GaN層54の一部の領域上と、左側のp−GaN層53の一部の領域上と、中央部のn−GaN層52上と、右側のp−GaN層53の一部の領域と、右側のn+GaN層54の一部の領域上に渡って、AlN層55及びAl層56からなるゲート絶縁膜57が形成されている。ゲート絶縁膜57の一部の領域上には、ゲート電極58が形成されている。AlN層55、Al層56及びゲート電極58の構成材料と膜厚は、第1実施形態と同様である。
ゲート電極58の全体と、側壁部分を除くゲート絶縁膜57の全体は、シリコン酸化膜等で構成された層間絶縁膜59で被覆されている。層間絶縁膜59で被覆されていない左側のp−GaN層53の一部の領域上と、左側のn+GaN層54の一部の領域から、右側のn+GaN層54の一部の領域上と、右側のp−GaN層53の一部の領域に渡って、ソース電極60が形成されている。ソース電極60とゲート電極58は、層間絶縁膜59で絶縁されている。なお、ソース電極60はp−GaN層53の電位をソース電極60の電位に固定することによりMISFET200の動作を安定化させる役割も担っている。
このように構成された第2実施形態のMISFET200と第1実施形態のMISFET100との主な相違点は、MISFET200がゲート電極を中心とした左右対称構造を有している点と、オン電流が流れる方向が縦方向になっている点である。MISFET200がオンとなった際、伝導電子は、左右それぞれのソース領域であるn+GaN層54から、左右それぞれのチャネル領域であるp−GaN層53を通過し、n−GaN層52を介して、ドレイン領域であるn+GaN層51に流れる。
第1実施形態と同様に、ゲート絶縁膜57をAlN層55とAl層56の積層構造とすることによって、縦型のMISFET200においても、従来よりもBI特性を改善することが可能となる。また、p−GaN層53をチャネル部とすることによって、パワーMISFETに必要なノーマリオフ特性を実現している。
MISFET200のゲート絶縁膜57を構成するAlN層55とAl層56の作製方法は、MISFET100と同様である。すなわち、AlN層55はMBE法で形成し、Al層56はALD法で形成することが好ましい。また、MISFET200にも、p−GaN層53表面の少なくとも一部が、AlN層55とn+GaN層54のいずれにも被覆されていない領域として、左右のp−GaN層53のゲート電極58から反対側の端部領域(図9中の左右の端部領域)が存在する。そのため、Mgを不活性化されてしまった場合は、左右のp−GaN層53の表面が露出している状態で高温熱処理を行うことによって水素を除去し、Mgを再活性化することが可能である。
(第3実施形態)
第3実施形態のMISFETは、トレンチゲート電極を有する縦型トランジスタである。第3実施形態のMISFETと第2実施形態のMISFETとの主な相違点はゲート電極形状であるため、同一の部位には同一の符号を付す。
図10に示す第3実施形態のMISFET300では、そのドレイン電極50上には、n+GaN層51とn−GaN層52が順次形成されている。n+GaN層51とn−GaN層52にはn型不純物であるSiがドーピングされており、Siのドーピング量は、n +GaN層51の方がn−GaN層52よりも高濃度となっている。
n−GaN層52の上には、p−GaN層53形成されている。p−GaN層53の一部の領域上には、n+GaN層54が形成されている。p−GaN層53にはp型不純物であるMgがドーピングされている。n+GaN層54にはSiがドーピングされている。n−GaN層52とn+GaN層54は、p−GaN層53によって離隔されている。
素子表面からドレイン電極50の方向に向かって、n+GaN層54及びp−GaN層53を貫通して、トレンチ70が形成されている。トレンチ70は、n−GaN層52の一部深さまで達している。トレンチ70は立体視で円柱形状であり、断面形状は図10に示すように略長方形である。また、n−GaN層52がトレンチ70の底部と接する部分には、p−GaN層61を形成してもよい。このp−GaN層61を形成すると、オフ状態においてトレンチ70の底部のゲート絶縁膜57に印加される電界が緩和され、これによりゲート絶縁膜57の絶縁破壊に対する耐性が向上する。
トレンチ70の側壁から中心軸方向に向かって、AlN層55及びAl層56からなるゲート絶縁膜57と、ゲート電極58とが順次形成されている。AlN層55、Al層56及びゲート電極58の構成材料と膜厚は、第1実施形態と同様である。
トレンチ70の上端全体と、トレンチ70の上部周囲のn+GaN層54の一部の領域は、シリコン酸化膜等で構成された層間絶縁膜59で被覆されている。層間絶縁膜59上と、p−GaN層53の一部の領域上と、n+GaN層54の一部の領域上とには、層間絶縁膜59、p−GaN層53及びn+GaN層54を覆う形でソース電極60が形成されている。ここでも、ソース電極60はp−GaN層53の電位をソース電極60の電位に固定することによりMISFET300の動作を安定化させる役割も担っている。ソース電極60とゲート電極58は、層間絶縁膜59で絶縁されている。
このように構成されたMISFET300は、ゲート電極58がトレンチ型のゲート電極となっている。このことにより、MISFET300全体を微細化することができる。また、チャネル部の長さをトレンチ70の深さで調整することができるため、MISFET300の設計の自由度が向上する。第1及び第2実施形態と同様に、ゲート絶縁膜57をAlN層55とAl層56の積層構造とすることによって、従来よりもBI特性を改善することが可能となる。また、p−GaN層53をチャネル部とすることによって、パワーMISFETに必要なノーマリオフ特性を実現している。
トレンチゲート電極を有するMISFET300のゲート絶縁膜57は、トレンチ70の内部に形成する必要がある。Al層56はMISFET100と同様にALD法で形成すればよい。一方、異方性が高いMBE法では、AlN層55をトレンチ70の側壁部に形成することは困難であるため、CVD法で成膜する。その場合は、上述したように水素を含まないCVD法を使用すると好適である。また、ゲート電極58も、膜形成をほぼ等方的に行うことのできるALD法もしくはCVD法を用いて形成すると良い。さらに、MISFET300にも、p−GaN層3表面の少なくとも一部が、AlN層5とn−GaN層2のいずれにも被覆されていない領域として、p−GaN層53のゲート電極58から反対側の端部領域(図10中の左右の端部領域)が存在する。そのため、Mgが不活性されてしまった場合は、p−GaN層53の表面が露出している状態で高温熱処理を行うことによって、水素を除去し、Mgを再活性化することが可能である。なお、トレンチ70は円柱形状に代えて溝形状としてもよい。
1 Si基板
1A GaN自立基板
2、52 n−GaN層
3、53、61 p−GaN層
4 AlGaN層
4a 開口部
5、5A、55 AlN層
6、6A、56 Al
7、7A、57 ゲート絶縁膜
8、8A、58 ゲート電極
9、59 層間絶縁膜
11 裏面電極
50 ドレイン電極
51、54 n+GaN層
60 ソース電極
70 トレンチ
100、200、300 MISFET
101 MISキャパシタ

Claims (12)

  1. GaN層と、
    前記GaN層上に形成された0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜と、
    前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に形成された絶縁膜と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記GaN層の少なくとも一部がp型GaNで形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記絶縁膜が、水を酸化剤とし、300℃よりも高温で、原子層堆積法により形成されたAl膜である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記絶縁膜がSi及びOを含む、または、Al、Si及びOを含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  5. 前記絶縁膜がアモルファス構造である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. GaN層上に0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜を形成する工程と、
    前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に絶縁膜を形成する工程と
    を有する半導体装置の製造方法。
  7. 前記GaN層の少なくとも一部がp型GaNで形成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記絶縁膜として、水を酸化剤とし、300℃よりも高温で、原子層堆積法によりAl膜を形成する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記絶縁膜を形成した後に、780℃未満の温度にて熱処理を行う工程を含む
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記絶縁膜をSi及びOを含む、または、Al、Si及びOを含む絶縁膜で形成する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記絶縁膜をアモルファス構造で形成する
    ことを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. GaN層と、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え、
    前記ゲート絶縁膜は、
    前記GaN層上に形成された0.7nm以上3nm以下の範囲内の厚さを有するAlNまたはAlGaNからなる結晶質絶縁膜または結晶質半導体膜と、前記結晶質絶縁膜上または前記結晶質半導体膜上に形成された絶縁膜とを有する
    ことを特徴とする電界効果トランジスタ。

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