JP2021136277A - ワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】電線の損傷を抑制できるワイヤハーネスを提供する。【解決手段】ワイヤハーネス10は、電線部材25と、電線部材25が貫通する貫通孔81を有する環状の電磁波吸収部材80と、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定する固定部材90とを有している。貫通孔81の内周面は、第1部分81Aと、第1部分81Aと貫通孔81の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分81Bとを有している。固定部材90は、電線部材25が第1部分81Aと接触するとともに第2部分81Bと離隔するように、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定している。【選択図】図2

Description

本開示は、ワイヤハーネスに関するものである。
従来、ハイブリッド車や電気自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスとしては、複数の電気機器間を電気的に接続する電線と、その電線から放射される電磁波(電磁ノイズ)を吸収する電磁波吸収部材とを備えたものが知られている。この種のワイヤハーネスでは、フェライトコア等からなる電磁波吸収部材の貫通孔に電線を貫通させることで、電線の外周に電磁波吸収部材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−130886号公報
ところで、上記ワイヤハーネスでは、低減したい電磁波が大きくなるほど、電磁波吸収部材が大型化する。このように大型化した電磁波吸収部材に電線を貫通させると、例えば車両走行等に伴う振動に起因して電磁波吸収部材が振動し、その電磁波吸収部材の振動によって電線が揺さぶられる。このとき、電磁波吸収部材の貫通孔の内周面と電線との接触により電線が摩耗し、電線が損傷するおそれがある。
本開示の目的は、電線の損傷を抑制できるワイヤハーネスを提供することにある。
本開示のワイヤハーネスは、電線部材と、前記電線部材が貫通する貫通孔を有する環状の電磁波吸収部材と、前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定する固定部材と、を有し、前記貫通孔の内周面は、前記電線部材の外周面と対向しており、前記貫通孔の内周面は、第1部分と、前記第1部分と前記貫通孔の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分とを有し、前記固定部材は、前記電線部材が前記第1部分と接触するとともに前記第2部分と離隔するように、前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定している。
本開示のワイヤハーネスによれば、電線の損傷を抑制できるという効果を奏する。
図1は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略構成図である。 図2は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図3は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略横断面図(図2における3−3線断面図)である。 図4は、変更例のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。 図5は、一実施形態のワイヤハーネスの製造方法を示す概略断面図である。 図6は、一実施形態のワイヤハーネスの製造方法を示す概略断面図である。 図7は、一実施形態のワイヤハーネスの製造方法を示す概略断面図である。 図8は、変更例のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。 図9は、変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図10は、変更例のワイヤハーネスを示す概略斜視図である。 図11は、変更例のワイヤハーネスを示す概略横断面図(図9における11−11線断面図)である。 図12は、変更例のワイヤハーネスの製造方法を示す概略側面図である。 図13は、変更例のワイヤハーネスの製造方法を示す概略側面図である。 図14は、変更例のワイヤハーネスの製造方法を示す概略側面図である。 図15は、変更例のワイヤハーネスの製造方法を示す概略側面図である。 図16は、変更例のワイヤハーネスの製造方法を示す概略側面図である。 図17は、変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図18は、変更例のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図19は、変更例のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。 図20は、変更例のワイヤハーネスを示す概略構成図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示のワイヤハーネスは、電線部材と、前記電線部材が貫通する貫通孔を有する環状の電磁波吸収部材と、前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定する固定部材と、を有し、前記貫通孔の内周面は、前記電線部材の外周面と対向しており、前記貫通孔の内周面は、第1部分と、前記第1部分と前記貫通孔の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分とを有し、前記固定部材は、前記電線部材が前記第1部分と接触するとともに前記第2部分と離隔するように、前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定している。
この構成によれば、電磁波吸収部材の貫通孔の内部において、電線部材が第1部分に接触されて第1部分側に片寄って配置された状態で、電磁波吸収部材と電線部材とが固定(一体化)される。このため、車両走行等に伴って電磁波吸収部材が振動した場合であっても、その電磁波吸収部材の振動に起因して電線部材が貫通孔内で揺さぶられることを抑制できる。例えば、電磁波吸収部材の貫通孔の内周面に電線部材が接触しない状態で電磁波吸収部及び電線部材が固定される場合に比べて、電磁波吸収部材の振動に起因して電線部材が貫通孔内で移動することを抑制できる。これにより、貫通孔の内周面との接触に起因して電線部材が摩耗することを抑制でき、電磁波吸収部材の振動に起因して電線部材が損傷することを抑制できる。ひいては、電線が損傷することを抑制できる。
ここで、本明細書における「環」は、外縁形状が円形の円環、外縁形状が楕円形や長円形の環、外縁形状が多角形の多角形環、外縁形状が角丸多角形の環を含み、外縁形状が直線又は曲線で結ばれる任意の閉じた形状からなるものを言う。「環」は、平面視において貫通孔を有する形状であり、外縁形状と貫通孔の内周形状とが同じ形状であるものや、外縁形状と貫通孔の内周形状とが異なる形状であるものを含む。「環」は、貫通孔の中心を通る中心軸が延びる中心軸方向に沿って延びる所定の長さを有するものを含み、その長さの大小は問わない。また、本明細書における「環状」は、全体として環と見做せればよく、C字状のように一部に切り欠き等を有するものを含む。
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
[2]前記電線部材は、電線と、前記電線の外周を被覆する被覆部材とを有し、前記被覆部材は、前記電線の外周を被覆した状態で前記貫通孔に貫通していることが好ましい。
この構成によれば、被覆部材により被覆された状態で電線が電磁波吸収部材の貫通孔に貫通される。このため、貫通孔の内周面が電線の外周面に直接接触することを抑制できる。これにより、貫通孔の内周面との接触に起因して電線が損傷することを好適に抑制できる。
[3]前記被覆部材は、前記電線の長さ方向に沿って延びるスリットを有するシート状に形成されており、前記被覆部材は、前記電線の長さ方向と交差する第1方向における第1端部と、前記第1端部と前記第1方向において反対側に設けられた第2端部とを有しており、前記被覆部材は、前記第1端部に前記第2端部を重ね合わせることにより、前記電線の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状をなすように形成されており、前記固定部材は、前記被覆部材の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられていることが好ましい。
この構成によれば、シート状の被覆部材の第1端部に第2端部を重ね合わせることにより、被覆部材を、電線の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状をなすように形成することができる。このため、電線に対して被覆部材を後から容易に取り付けることができる。これにより、ワイヤハーネスの組立作業性を向上させることができる。
また、被覆部材の外周を周方向全周にわたって包囲するように固定部材を形成することによって、固定部材により被覆部材の筒状態を維持することができる。これにより、電磁波吸収部材を電線部材に固定する部材と、被覆部材の筒状態を維持する部材とを別に設ける場合に比べて、部品点数の増大を抑制することができる。
[4]前記固定部材は、1本のテープ部材が巻き回されて構成されており、前記固定部材は、前記貫通孔から一方側に導出された前記電線部材の外周に前記テープ部材が巻き回された第1領域と、前記第1領域から外方に引き出された前記テープ部材が、前記電磁波吸収部材の外周面に接着されるとともに、前記貫通孔から他方側に導出された前記電線部材まで延びるように形成された第2領域と、前記貫通孔から前記他方側に導出された前記電線部材の外周に前記テープ部材が巻き回された第3領域と、前記第3領域から外方に引き出された前記テープ部材が、前記電磁波吸収部材の外周面に接着されるとともに、前記第1領域まで延びるように形成された第4領域と、を有し、前記第4領域における前記テープ部材は、前記第2領域における前記テープ部材と交差して延びるように形成されており、前記テープ部材は、前記電磁波吸収部材の外周面のうち周方向の一部のみを覆うように形成されており、前記第1部分は、前記中心軸方向と交差する方向において、前記第2部分よりも、前記テープ部材によって覆われた前記電磁波吸収部材の外周面に近い位置に配置された部分であることが好ましい。
この構成によれば、電磁波吸収部材の外周面のうち周方向の一部のみを覆うようにテープ部材が形成される。これにより、例えば電磁波吸収部材の外周面を周方向全周にわたって覆うようにテープ部材を形成する場合に比べて、テープ部材の長さを短くすることができる。この結果、ワイヤハーネスの製造コストを低減することができる。
[5]前記電線部材及び前記電磁波吸収部材の外周を覆う筒状の電磁シールド部材を更に有することが好ましい。
この構成によれば、電磁波吸収部材と、その電磁波吸収部材の外周を包囲する電磁シールド部材とによって、電線部材から放射される電磁波を低減することができる。
[6]前記固定部材は、テープ部材であり、前記固定部材は、前記貫通孔の中心軸が延びる中心軸方向と交差する方向において、前記電磁波吸収部材と前記電磁シールド部材との間に設けられており、前記固定部材は、前記電磁波吸収部材の外周面を被覆するとともに前記電線部材の外周面を被覆していることが好ましい。
この構成によれば、電磁波吸収部材の外周面を被覆するようにテープ部材が形成され、そのテープ部材が電磁波吸収部材と電磁シールド部材との間に設けられる。これにより、電磁波吸収部材と電磁シールド部材とが直接接触することを抑制できるため、電磁波吸収部材との接触に起因して電磁シールド部材が摩耗することを好適に抑制できる。この結果、電磁シールド部材の損傷を好適に抑制できる。ひいては、電磁シールド部材による電磁シールド性能が低下することを抑制できる。
[7]前記電線部材を収容する第1外装部材と、前記電線部材を収容し、前記電線部材の長さ方向において前記第1外装部材と離れて設けられた第2外装部材と、前記電磁波吸収部材の外周を覆い、前記第1外装部材の外周と前記第2外装部材の外周との間に架け渡すように固定された保護部材と、を更に有し、前記電磁波吸収部材は、前記電線部材の長さ方向において前記第1外装部材と前記第2外装部材との間に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、電磁波吸収部材の外周が保護部材によって覆われるため、電磁波吸収部材とその周辺部品との間に保護部材を介在させることができる。これにより、電磁波吸収部材と周辺部品とが直接接触することを抑制できるため、電磁波吸収部材と周辺部品との接触に起因して電磁波吸収部材が損傷することを抑制できる。
[8]前記保護部材の内周面は、前記電磁シールド部材の外周面と接触しており、前記電磁シールド部材の内周面は、前記電磁波吸収部材の外周面を被覆する前記テープ部材と接触していることが好ましい。
この構成では、保護部材によって電磁シールド部材が電磁波吸収部材の外周面に向かって締め付けられる場合であっても、電磁波吸収部材と電磁シールド部材との間にテープ部材が介在されているため、電磁波吸収部材の外周面と電磁シールド部材とが直接接触することを抑制できる。このため、電磁波吸収部材との接触に起因して電磁シールド部材が摩耗することを好適に抑制できる。この結果、電磁シールド部材の損傷を好適に抑制できる。
[9]前記第1外装部材及び前記第2外装部材から露出された前記電磁シールド部材の外周面を被覆し、前記電磁シールド部材の径方向への広がりを規制する規制部材を更に有することが好ましい。
この構成によれば、規制部材によって電磁シールド部材の径方向への広がりが抑制される。このため、電磁シールド部材の外周を覆うように保護部材を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(ワイヤハーネス10の全体構成)
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器(機器)を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vの床下等を通るように配索される。例えば、ワイヤハーネス10の長さ方向の中間部が車両Vの床下等の車室外を通るように配策される。インバータ11は、車両走行の動力源となる車輪駆動用のモータ(図示略)と接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、数百ボルトの電圧を供給可能なバッテリである。
ワイヤハーネス10は、1本又は複数本(本実施形態では、2本)の電線20と、電線20の両端部に取り付けられた一対のコネクタC1と、複数の電線20を一括して包囲する外装部材30と、電磁波吸収部材80とを有している。
(電線20の構成)
各電線20の一端部はコネクタC1を介してインバータ11と接続され、各電線20の他端部はコネクタC1を介して高圧バッテリ12と接続されている。各電線20は、例えば、車両Vの前後方向に延びるように長尺状に形成されている。各電線20は、例えば、ワイヤハーネス10の配策経路に応じて、二次元状又は三次元状に曲げられるように形成されている。各電線20は、例えば、高電圧・大電流に対応可能な高圧電線である。各電線20は、例えば、自身に電磁シールド構造を有するシールド電線であってもよいし、自身に電磁シールド構造を有しないノンシールド電線であってもよい。本実施形態の各電線20は、ノンシールド電線である。
図2に示すように、電線20は、導体よりなる芯線21と、芯線21の外周を被覆する絶縁被覆22とを有する被覆電線である。芯線21としては、例えば、複数の金属素線を撚り合わせてなる撚り線、内部が中実構造をなす柱状の1本の金属棒からなる柱状導体や内部が中空構造をなす筒状導体などを用いることができる。芯線21としては、例えば、撚り線、柱状導体や筒状導体を組み合わせて用いてもよい。柱状導体としては、例えば、単芯線やバスバなどを挙げることができる。本実施形態の芯線21は、撚り線である。芯線21の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。
(芯線21の構成)
芯線21の長さ方向と直交する平面によって芯線21を切断した断面形状(つまり、横断面形状)は、任意の形状にすることができる。芯線21の横断面形状は、例えば、円形状、半円状、多角形状、正方形状や扁平形状に形成されている。本実施形態の芯線21の横断面形状は、円形状に形成されている。
(絶縁被覆22の構成)
絶縁被覆22は、例えば、芯線21の外周面を周方向全周にわたって被覆している。絶縁被覆22は、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。絶縁被覆22の材料としては、例えば、架橋ポリエチレンや架橋ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とする合成樹脂を用いることができる。絶縁被覆22の材料としては、1種の材料を単独で、又は2種以上の材料を適宜組み合わせて用いることができる。絶縁被覆22は、例えば、芯線21に対する押出成形(押出被覆)によって形成することができる。
(外装部材30の構成)
図1に示した外装部材30は、全体として長尺の筒状をなしている。外装部材30の内部空間には、複数の電線20が収容されている。外装部材30は、例えば、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように形成されている。外装部材30は、例えば、飛翔物や水滴から電線20を保護する。外装部材30としては、例えば、金属製又は樹脂製のパイプや、樹脂製のプロテクタ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブやゴム製の防水カバー又はこれらを組み合わせて用いることができる。金属製のパイプの材料としては、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。樹脂製のプロテクタやコルゲートチューブの材料としては、例えば、導電性を有する樹脂材料や導電性を有さない樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。
図2に示すように、外装部材30は、例えば、コルゲートチューブ40と、コルゲートチューブ50と、保護部材60とを有している。本実施形態のコルゲートチューブ40,50の材料としては、導電性を有さない樹脂材料が用いられる。樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。
(コルゲートチューブ40の構成)
コルゲートチューブ40は、例えば、全体として複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状をなしている。コルゲートチューブ40は、例えば、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられている。コルゲートチューブ40は、例えば、電線20の長さ方向(軸方向)の一部を包囲するように設けられている。コルゲートチューブ40は、その長さ方向に沿って環状凸部41と環状凹部42とが交互に連設された蛇腹構造を有している。コルゲートチューブ40は、芯線21よりも可撓性に優れている。本実施形態のコルゲートチューブ40は、円筒状に形成されている。
(コルゲートチューブ50の構成)
コルゲートチューブ50は、例えば、各電線20の長さ方向において、コルゲートチューブ40と離れて設けられている。コルゲートチューブ50は、例えば、全体として複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状をなしている。コルゲートチューブ50は、例えば、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられている。コルゲートチューブ50は、例えば、電線20の長さ方向の一部を包囲するように設けられている。コルゲートチューブ50は、その長さ方向に沿って環状凸部51と環状凹部52とが交互に連設された蛇腹構造を有している。コルゲートチューブ50は、芯線21よりも可撓性に優れている。本実施形態のコルゲートチューブ50は、円筒状に形成されている。
(保護部材60の構成)
保護部材60は、例えば、コルゲートチューブ40の外周とコルゲートチューブ50の外周との間に架け渡されるように設けられている。保護部材60は、例えば、電線20の長さ方向の両端が開口する筒状をなしている。保護部材60の材料としては、例えば、比較的硬度の高い弾性材料を用いることができる。弾性材料としては、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム等のゴムやエラストマを用いることができる。
(ワイヤハーネス10の構成)
ワイヤハーネス10は、例えば、電線部材25を有している。電線部材25は、例えば、電線20と、電線20を被覆する被覆部材70とを有している。ワイヤハーネス10は、例えば、電線部材25の長さ方向の一部に設けられた電磁波吸収部材80と、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定する固定部材90とを有している。ワイヤハーネス10は、例えば、電線部材25を包囲する編組部材100と、編組部材100の外周を被覆し、編組部材100の広がりを規制する規制部材110とを有している。
(被覆部材70の構成)
被覆部材70は、例えば、電磁波吸収部材80を貫通する部分の電線20を被覆するように形成されている。被覆部材70は、例えば、コルゲートチューブ40とコルゲートチューブ50との間に位置する電線20の外周を包囲するように設けられている。被覆部材70は、例えば、コルゲートチューブ40,50の双方から露出された電線20を包囲するように設けられている。被覆部材70は、例えば、全体として複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状をなしている。被覆部材70は、例えば、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられている。被覆部材70は、例えば、コルゲートチューブ40,50の双方から露出されている。なお、被覆部材70は、例えば、長さ方向の一端部がコルゲートチューブ40の内部空間に収容され、長さ方向の他端部がコルゲートチューブ50の内部空間に収容されるようにしてもよい。被覆部材70の外周寸法は、例えば、コルゲートチューブ40,50の内周寸法よりも小さく設定されている。
図3に示すように、被覆部材70は、例えば、電線20の長さ方向に沿って延びるスリット71を有するシート状に形成されている。被覆部材70は、例えば、可撓性を有する一枚の樹脂シートを電線20の周方向に巻くことによって筒状をなすように形成されている。被覆部材70は、例えば、電線20の長さ方向と交差する第1方向(図3では、電線20の周方向)における端部72と、端部72と第1方向において反対側の端部73とを有している。被覆部材70は、例えば、端部72と端部73とを電線20の径方向に重ね合わせることによって筒状をなすように形成されている。被覆部材70の内周寸法は、例えば、端部72と端部73との重なり幅を調整することにより、複数の電線20の外周寸法に合わせた寸法に調整することができる。被覆部材70は、例えば、電線20の外周を包囲可能な筒状態から、電線20の外周を包囲しないシート状態に戻ることが可能な弾性を有している。
被覆部材70の材料としては、導電性を有さない樹脂材料が用いられる。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。被覆部材70としては、例えば、ツイストチューブを用いることができる。ツイストチューブは、例えば、ポリエチレンテレフタラート製やポリエステル製の織布によって構成されている。ツイストチューブは、例えば、樹脂繊維が編み込まれて構成されており、網目を有している。
(電磁波吸収部材80の構成)
図2に示すように、電磁波吸収部材80は、例えば、コルゲートチューブ40とコルゲートチューブ50との間に位置する電線20の外周に設けられている。例えば、電線20の長さ方向において、電磁波吸収部材80の一方側にはコルゲートチューブ40が設けられ、電磁波吸収部材80の他方側にはコルゲートチューブ50が設けられている。電磁波吸収部材80は、例えば、電線20の長さ方向においてコルゲートチューブ40と離れて設けられている。電磁波吸収部材80は、例えば、電線20の長さ方向においてコルゲートチューブ50と離れて設けられている。電磁波吸収部材80は、例えば、コルゲートチューブ40,50から露出されている。電磁波吸収部材80は、例えば、複数の電線20の外周を一括して包囲するように設けられている。電磁波吸収部材80は、例えば、被覆部材70の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられている。電磁波吸収部材80は、例えば、電線20から放射される電磁波(電磁ノイズ)の一部を吸収する。
電磁波吸収部材80は、例えば、複数の電線20が一括して貫通する貫通孔81を有している。電磁波吸収部材80は、例えば、貫通孔81を有することにより環状をなしている。電磁波吸収部材80は、例えば、電線20の長さ方向から見た平面視において貫通孔81を有し、その貫通孔81の中心を通る中心軸が延びる中心軸方向に沿って延びる所定の長さを有する環状に形成されている。本実施形態では、電磁波吸収部材80の中心軸方向が、電線20の長さ方向と平行に延びる方向に設定されている。なお、以下の説明では、単に「中心軸方向」と記載した場合には、電磁波吸収部材80の中心軸方向を意味するものとする。
貫通孔81は、例えば、電磁波吸収部材80を電線20の長さ方向に貫通するように形成されている。複数の電線20は、例えば、貫通孔81を貫通するように設けられている。被覆部材70は、例えば、複数の電線20の外周を一括して包囲した状態で貫通孔81を貫通するように設けられている。貫通孔81の内周面は、電線部材25の外周面と対向している。
本実施形態の電磁波吸収部材80は、環状をなす磁性体コア82のみから構成されている。本実施形態の磁性体コア82は、円環状に形成されている。磁性体コア82は、例えば、電線20の周方向全周にわたって電線20に対して対向するように配置されることで、電線20から放射される電磁波を低減する機能を有している。磁性体コア82は、例えば、電線20から放射される電磁波を吸収し、この電磁波のエネルギーを振動等の力学的エネルギーや熱エネルギーに変換する。これにより、電線20から放射される電磁波が周辺の機器等に及ぼす悪影響が低減される。
磁性体コア82は、例えば、軟磁性材料を含む成形体である。軟磁性材料としては、例えば、鉄(Fe)、鉄合金やフェライトなどを挙げることができる。鉄合金としては、例えば、Fe−ケイ素(Si)合金やFe−ニッケル(Ni)合金などを挙げることができる。磁性体コア82としては、例えば、フェライトコア、アモルファスコア、パーマロイコアを用いることができる。フェライトコアは、例えば、軟磁性を示すソフトフェライトからなる。ソフトフェライトとしては、例えば、ニッケル(Ni)と亜鉛(Zn)を含むフェライトやマンガン(Mn)と亜鉛(Zn)を含むフェライトを挙げることができる。磁性体コア82の材料は、例えば、低減したい電磁ノイズの周波数帯に応じて適宜選択することができる。
図3に示すように、本実施形態の磁性体コア82は、周方向全周にわたって連続して形成されており、無端状の構造に形成されている。すなわち、本実施形態の磁性体コア82は、全体がつながって切れ目がなく輪になっている構造、つまり始点と終点とが一致する無端状の構造に形成されている。換言すると、本実施形態の磁性体コア82には、磁性体コア82の中心軸方向に沿って延びるスリットが形成されていない。本実施形態の磁性体コア82は一部品によって構成されている。なお、本実施形態では、磁性体コア82を一部品で構成するようにしたが、複数のコア材を組み合わせて環状をなす磁性体コア82を構成するようにしてもよい。例えば、磁性体コア82を、横断面半円状の一対のコア材を組み合わせて円環状に構成するようにしてもよい。
図2に示すように、磁性体コア82は、例えば、電磁波吸収部材80の中心軸方向における端部83と、端部83と中心軸方向において反対側の端部84と、端部83と端部84との間に設けられた中央部85とを有している。端部83は、磁性体コア82の中心軸方向の両端部のうちコルゲートチューブ40側に設けられた端部である。端部84は、磁性体コア82の中心軸方向の両端部のうちコルゲートチューブ50側に設けられた端部である。磁性体コア82は、例えば、磁性体コア82の周方向に沿って延びる外周面82Aと、磁性体コア82の径方向に沿って延び、コルゲートチューブ40側に向く側面82Bと、磁性体コア82の径方向に沿って延び、コルゲートチューブ50側に向く側面82Cとを有している。側面82Bは、端部83の中心軸方向における端面を構成している。側面82Cは、端部84の中心軸方向における端面を構成している。側面82B,82Cは、例えば、外周面82Aと貫通孔81の内周面との間に設けられている。磁性体コア82の外周寸法は、例えば、コルゲートチューブ40,50の外周寸法よりも大きく設定されている。このため、磁性体コア82の外周面82Aは、コルゲートチューブ40,50の外周面よりも径方向外側に突出した位置に設けられている。
磁性体コア82の端部83は、例えば、中央部85側から端部83の中心軸方向の端面である側面82Bに向かって外形が小さくなるように形成されている。端部83の外周面は、例えば、中央部85側から側面82Bに向かうに連れて外径が小さくなるテーパ部83Aを有している。テーパ部83Aの外周面は、例えば、中央部85側から側面82Bに向かうに連れて、貫通孔81の内周面に近づくように傾斜して形成されている。テーパ部83Aは、例えば、端部83の外周面の少なくとも一部に設けられている。
磁性体コア82の端部84は、例えば、中央部85側から端部84の中心軸方向の端面である側面82Cに向かって外形が小さくなるように形成されている。端部84の外周面は、例えば、中央部85側から側面82Cに向かうに連れて外径が小さくなるテーパ部84Aを有している。テーパ部84Aの外周面は、例えば、中央部85側から側面82Cに向かうに連れて、貫通孔81の内周面に近づくように傾斜して形成されている。テーパ部84Aは、例えば、端部84の外周面の少なくとも一部に設けられている。
(固定部材90の構成)
固定部材90は、例えば、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定するように設けられている。固定部材90は、例えば、電磁波吸収部材80を被覆部材70に固定するように設けられている。固定部材90は、例えば、電線部材25の長さ方向において電線部材25に対する電磁波吸収部材80の相対移動を規制する機能を有している。固定部材90は、例えば、電線20の長さ方向と交差する方向、つまり電線20の径方向において、電磁波吸収部材80と編組部材100との間に設けられている。
固定部材90は、例えば、テープ部材91が電磁波吸収部材80及び電線部材25に巻き回されて形成されている。固定部材90は、例えば、1本のテープ部材91が電磁波吸収部材80と被覆部材70と電線20とに巻き回されて形成されている。テープ部材91は、例えば、一面に粘着層を有している。テープ部材91は、例えば、粘着層を径方向内側に向けた状態で、電磁波吸収部材80と被覆部材70と電線20とに対して巻き回される。テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80の外周面82Aと被覆部材70の外周面と電線20の外周面とにわたって巻き回されている。
テープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aから被覆部材70の外周面を経て電線20の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれている。図示は省略するが、テープ部材91は、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。ここで、オーバーラップ巻きの構造とは、テープ部材91の幅方向における所定部分同士が重なるようにテープ部材91を螺旋状に巻き回した構造である。なお、テープ部材91の幅方向は、電線20の長さ方向に沿って延びる方向である。オーバーラップ巻きの構造としては、例えば、ハーフラップ巻きの構造であることが好ましい。ここで、ハーフラップ巻きの構造とは、テープ部材91の幅方向において略半分となる部分同士が重なるようにテープ部材91を螺旋状に巻き回した構造である。
テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80の外周面82Aを径方向内側に締め付けるように被覆している。テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80の外周面82Aを周方向全周にわたって被覆している。電磁波吸収部材80は、例えば、テープ部材91によって径方向内側に締め付けられることによって被覆部材70に固定されている。テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80のテーパ部83A,84Aの外周面を被覆している。
テープ部材91は、例えば、被覆部材70の外周面を径方向内側に締め付けるように被覆している。テープ部材91は、例えば、被覆部材70の外周面を、被覆部材70が電線20に接近する方向に締め付けるように被覆している。被覆部材70は、例えば、テープ部材91によって径方向内側に締め付けられることによって、電線20の外周面に接触している。テープ部材91は、例えば、被覆部材70の外周面を周方向全周にわたって被覆している。テープ部材91は、例えば、被覆部材70を筒状態に維持する機能、つまり被覆部材70がシート状態に戻ることを抑制する機能を有している。
テープ部材91は、例えば、電線20の外周面を径方向内側に締め付けるように被覆している。テープ部材91は、例えば、電線20の外周面を、複数の電線20が互いに接近する方向に締め付けるように被覆している。テープ部材91は、例えば、複数の電線20の外周面を周方向全周にわたって被覆している。
図3に示すように、テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80の貫通孔81の内部において、貫通孔81の周方向の一部に片寄って電線部材25が配置されるように、電磁波吸収部材80及び電線部材25の外周面に巻き回されている。ここで、貫通孔81の内周面は、第1部分81Aと、その第1部分81Aと貫通孔81の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分81Bとを有している。このとき、電線部材25は、貫通孔81の内部において、第1部分81Aと接触するとともに、第2部分81Bと離隔している。例えば、被覆部材70の一部は、貫通孔81の内部において、第1部分81Aと接触するとともに、第2部分81Bと離隔している。テープ部材91は、例えば、電線部材25が第1部分81Aと接触するとともに第2部分81Bと離隔するように、電磁波吸収部材80を電線部材25の外周に固定している。換言すると、電磁波吸収部材80は、貫通孔81の内部において電線部材25が第1部分81Aに接触して第1部分81A側に片寄った状態で、テープ部材91によって電線部材25の外周面(ここでは、被覆部材70の外周面)に固定される。複数の電線20は、例えば、貫通孔81の内部において、第1部分81Aと第2部分81Bとを繋ぐ直線上に並んで設けられている。
なお、図4に示すように、複数の電線20を、貫通孔81の内部において、第1部分81Aと第2部分81Bとを繋ぐ直線と交差する方向(ここでは、図中左右方向)に並ぶように設けてもよい。
図2に示すように、電線部材25は、例えば、貫通孔81の中心軸方向の全長にわたって同じ方向、つまり第1部分81A側(ここでは、図中上方)に片寄って配置されている。換言すると、テープ部材91は、電線部材25が貫通孔81の中心軸方向の全長にわたって同じ方向に片寄って配置されるように、電磁波吸収部材80及び電線部材25の外周面に巻き回されている。
(編組部材100の構成)
編組部材100は、例えば、全体として複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状をなしている。編組部材100は、例えば、電線20の長さ方向の略全長にわたって電線20の外周を包囲するように設けられている。編組部材100は、例えば、コルゲートチューブ40,50の内部空間のそれぞれにおいて、複数の電線20の外周を一括して包囲するように形成されている。換言すると、コルゲートチューブ40,50はそれぞれ、電線20及び編組部材100の外周を包囲するように設けられている。編組部材100は、例えば、コルゲートチューブ40とコルゲートチューブ50との間において、電磁波吸収部材80の外周を包囲するように形成されている。編組部材100は、例えば、電磁波吸収部材80を被覆する部分の外形が他の部分の外形に比べて大きくなるように形成されている。編組部材100は、例えば、保護部材60の内部空間において、電線部材25、電磁波吸収部材80及び固定部材90の外周を包囲するように設けられている。
編組部材100としては、複数の金属素線が編成された編組部材や、金属素線と樹脂素線とを組み合わせて編成された編組部材を用いることができる。金属素線の材料としては、例えば、銅系やアルミニウム系などの金属材料を用いることができる。樹脂素線としては、例えば、パラ系アラミド繊維等の絶縁性及び耐剪断性に優れた強化繊維を用いることができる。なお、図示は省略するが、編組部材100の両端部は、例えば、コネクタC1(図1参照)等においてアース接続(アース接地)されている。
(規制部材110の構成)
規制部材110は、例えば、編組部材100の外周面を被覆するように形成されている。規制部材110は、例えば、コルゲートチューブ40,50から露出された編組部材100の外周面を被覆するように形成されている。規制部材110は、例えば、編組部材100が径方向及び周方向に広がることを抑制する機能を有している。規制部材110は、例えば、電線20の長さ方向と交差する方向、つまり電線20の径方向において、編組部材100と保護部材60との間に設けられている。
規制部材110は、例えば、テープ部材111が編組部材100の外周面に巻き回されて形成されている。規制部材110は、例えば、1本のテープ部材111がコルゲートチューブ40,50の双方から露出された編組部材100の外周面に巻き回されている。テープ部材111は、例えば、一面に粘着層を有している。テープ部材111は、例えば、粘着層を径方向内側に向けた状態で、編組部材100の外周面に対して巻き回されている。テープ部材111は、例えば、編組部材100の外周面を径方向内側に締め付けるように被覆している。テープ部材111は、例えば、編組部材100の外周面を、編組部材100が電磁波吸収部材80及び固定部材90に接近する方向に締め付けるように被覆している。テープ部材111は、例えば、編組部材100の外周面を周方向全周にわたって被覆している。
テープ部材111は、例えば、コルゲートチューブ40とコルゲートチューブ50との間において、電線部材25の長さ方向に沿って延びるように、編組部材100の外周面に巻かれている。図示は省略するが、テープ部材111は、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。
(保護部材60の構成)
保護部材60は、例えば、電磁波吸収部材80の外周を包囲するように設けられている。保護部材60は、例えば、保護部材60の内部に配置された各種部材を防水する防水カバーとして機能する。
保護部材60は、例えば、コルゲートチューブ40の外周に接続される筒状の接続筒部61と、コルゲートチューブ50の外周に接続される筒状の接続筒部62と、接続筒部61と接続筒部62との間に設けられた本体筒部63とを有している。本体筒部63は、他の部分、つまり接続筒部61,62の外周よりも径方向外側に張り出して形成されている。本体筒部63は、例えば、接続筒部61,62の周方向の全周にわたって接続筒部61,62よりも径方向外側に突出するように形成されている。本体筒部63の外周寸法は、例えば、接続筒部61,62の外周寸法よりも大きく形成されている。例えば、本体筒部63の外径は、接続筒部61,62の外径よりも大径に形成されている。保護部材60は、例えば、接続筒部61と本体筒部63と接続筒部62とが連続して一体に形成された単一部品である。本実施形態の接続筒部61,62及び本体筒部63は、周方向全周にわたって連続して形成されており、始点と終点とが一致する無端状の構造に形成されている。換言すると、本実施形態の接続筒部61,62及び本体筒部63は、電線20の長さ方向に沿って延びるスリットが形成されていない。
保護部材60は、例えば、接続筒部61がコルゲートチューブ40の外周に嵌合され、接続筒部62がコルゲートチューブ50の外周に嵌合されている。
接続筒部61は、例えば、コルゲートチューブ40の外周に嵌合可能な大きさの筒状に形成されている。本実施形態の接続筒部61は、円筒状に形成されている。接続筒部61の端部の内周面には、例えば、コルゲートチューブ40に係止する1つ又は複数(ここでは、4つ)のリップ61Aが形成されている。各リップ61Aは、例えば、接続筒部61の内周面の全周にわたって連続して形成されており、無端状の構造に形成されている。各リップ61Aは、例えば、接続筒部61がコルゲートチューブ40の外周に嵌合したときに、そのコルゲートチューブ40の環状凹部42に入り込むように形成されている。
接続筒部61の外周面には、例えば、連結部材65が設けられている。連結部材65としては、例えば、樹脂製又は金属製の結束バンド、カシメリングやテープ部材などを用いることができる。接続筒部61は、連結部材65によって外周側から締め付けられてコルゲートチューブ40に固定される。例えば、接続筒部61は、コルゲートチューブ40に液密状に密着するまで、連結部材65によって外周側から締め付けられる。これにより、接続筒部61とコルゲートチューブ40との間から保護部材60の内部に水が浸入することを抑制できる。
接続筒部62は、例えば、コルゲートチューブ50の外周に嵌合可能な大きさの筒状に形成されている。本実施形態の接続筒部62は、円筒状に形成されている。接続筒部62の端部の内周面には、例えば、コルゲートチューブ50に係止する1つ又は複数(ここでは、4つ)のリップ62Aが形成されている。各リップ62Aは、例えば、接続筒部62の内周面の全周にわたって連続して形成されており、無端状の構造に形成されている。各リップ62Aは、例えば、接続筒部62がコルゲートチューブ50の外周に嵌合したときに、そのコルゲートチューブ50の環状凹部52に入り込むように形成されている。
接続筒部62の外周面には、例えば、連結部材66が設けられている。連結部材66としては、例えば、樹脂製又は金属製の結束バンド、カシメリングやテープ部材などを用いることができる。接続筒部62は、連結部材66によって外周側から締め付けられてコルゲートチューブ50に固定される。例えば、接続筒部62は、コルゲートチューブ50に液密状に密着するまで、連結部材66によって外周側から締め付けられる。これにより、接続筒部62とコルゲートチューブ50との間から保護部材60の内部に水が浸入することを抑制できる。
本体筒部63は、例えば、一端部が接続筒部61と連続して一体に形成され、他端部が接続筒部62と連続して一体に形成されている。本体筒部63は、例えば、電磁波吸収部材80を収容可能な大きさの筒状に形成されている。本実施形態の本体筒部63は、円筒状に形成されている。本体筒部63は、電磁波吸収部材80の外周を周方向全周にわたって包囲するように形成されている。本体筒部63は、例えば、コルゲートチューブ40,50の双方から露出された電線20、被覆部材70、電磁波吸収部材80、固定部材90、編組部材100及び規制部材110を周方向全周にわたって包囲するように形成されている。
本体筒部63の内周面は、例えば、規制部材110の外周面に接触されている。規制部材110の内周面は、例えば、編組部材100の外周面に接触されている。編組部材100の内周面は、例えば、固定部材90の外周面に接触されている。例えば、編組部材100の内周面は、磁性体コア82の外周面82Aを被覆する固定部材90の外周面に接触されている。例えば、編組部材100の内周面は、磁性体コア82のテーパ部83A,84Aの外周面を被覆する固定部材90の外周面に接触されている。
(ワイヤハーネス10の製造方法)
次に、ワイヤハーネス10の製造方法について説明する。
図5に示す工程では、シート状の被覆部材70を電線20の周方向に巻くことによって、複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状の被覆部材70を形成する。これにより、電線20と被覆部材70とを有する電線部材25が形成される。続いて、複数の電線20の外周を包囲する被覆部材70を、磁性体コア82の貫通孔81に貫通させる。このとき、図3に示した被覆部材70の端部72と端部73とは接着されていないため、被覆部材70がシート状態に戻ろうとする。但し、被覆部材70が筒状をなす状態で貫通孔81に貫通されているため、被覆部材70がシート状態に戻ろうとするときに、その被覆部材70が貫通孔81の内周面に接触する。これにより、被覆部材70がシート状態に戻ることを抑制でき、被覆部材70を筒状態に維持することができる。また、本工程における電線部材25は、例えば、貫通孔81の内部において一方側に片寄って配置されていない。
次に、図6に示す工程では、磁性体コア82の外周面82Aから電線20の外周面までの範囲に対してテープ部材91が巻き回される。テープ部材91は、例えば、ハーフラップ巻きの構造により、磁性体コア82、被覆部材70及び電線20に対して周方向全周にわたって複数回巻き回される。このとき、テープ部材91は、例えば、貫通孔81の内部において電線部材25が第1部分81Aと接触するとともに第2部分81Bと離隔するように、電磁波吸収部材80及び電線部材25の外周面に巻き回される。本工程により、電磁波吸収部材80がテープ部材91によって電線部材25に固定される。これにより、電線部材25の長さ方向において電磁波吸収部材80が移動することを規制することができる。また、テープ部材91が被覆部材70に巻き回されることによって、被覆部材70が筒状態に維持される。
続いて、図7に示す工程では、電線部材25の外周を包囲するとともに、電磁波吸収部材80の外周を包囲する編組部材100が設けられる。編組部材100は、例えば、電磁波吸収部材80を被覆する部分の外径が他の部分の外径に比べて大径になるように形成されている。
次いで、電線部材25の長さ方向において電磁波吸収部材80の両側に位置する電線部材25の外周を包囲するコルゲートチューブ40,50が設けられる。コルゲートチューブ40,50は、例えば、複数の電線20を一括して包囲する編組部材100の外周を包囲するように設けられる。
次に、コルゲートチューブ40,50の双方から露出された編組部材100の外周が規制部材110のテープ部材111によって被覆される。このテープ部材111により、編組部材100が径方向内側に締め付けられる。これにより、編組部材100が周方向及び径方向に広がることを抑制できる。また、テープ部材111によって編組部材100が電磁波吸収部材80及び固定部材90に接近する方向に締め付けられることにより、編組部材100の内周面が磁性体コア82の外周面82Aを被覆する固定部材90の外周面に接触される。
その後、図2に示すように、規制部材110の外周を包囲するように保護部材60が装着される。保護部材60は、コルゲートチューブ40の外周とコルゲートチューブ50の外周との間に架け渡されるように設けられ、電磁波吸収部材80の外周を包囲するように設けられる。このとき、規制部材110によって編組部材100の径方向及び周方向への広がりが規制されているため、編組部材100が保護部材60の装着性を低下させることを抑制できる。換言すると、編組部材100の外周を規制部材110によって被覆することにより、保護部材60の装着性を向上させることができる。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)ワイヤハーネス10は、電線部材25と、電線部材25が貫通する貫通孔81を有する環状の電磁波吸収部材80と、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定する固定部材90とを有している。貫通孔81の内周面は、第1部分81Aと、第1部分81Aと貫通孔81の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分81Bとを有している。固定部材90は、電線部材25が第1部分81Aと接触するとともに第2部分81Bと離隔するように、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定している。
この構成によれば、電磁波吸収部材80の貫通孔81の内部において、電線部材25が第1部分81Aに接触されて第1部分81A側に片寄って配置された状態で、電磁波吸収部材80と電線部材25とが固定(一体化)されている。このため、車両走行等に伴って電磁波吸収部材80が振動した場合であっても、その電磁波吸収部材80の振動に起因して電線部材25が貫通孔81内で揺さぶられることを抑制できる。例えば、貫通孔81の内周面に電線部材25が接触しない状態で電磁波吸収部材80及び電線部材25が固定される場合に比べて、電磁波吸収部材80の振動に起因して電線部材25が貫通孔81内で移動することを抑制できる。これにより、貫通孔81の内周面との接触に起因して電線部材25が摩耗することを抑制でき、電磁波吸収部材80の振動に起因して電線部材25が損傷することを好適に抑制できる。また、電線部材25が貫通孔81内で揺さぶられることを抑制できるため、電磁波吸収部材80と電線部材25との間で異音が発生することを抑制できる。
(2)被覆部材70により被覆された状態で電線20が電磁波吸収部材80の貫通孔81に貫通される。このため、貫通孔81の内周面が電線20の外周面に直接接触することを抑制できる。これにより、貫通孔81の内周面との接触に起因して電線20が損傷することを好適に抑制できる。
(3)シート状の被覆部材70の端部72に端部73を重ね合わせることにより、電線20の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状をなすように被覆部材70を形成した。このため、電線20に対して被覆部材70を後から容易に取り付けることができる。これにより、ワイヤハーネス10の組立作業性を向上させることができる。
(4)被覆部材70の外周を周方向全周にわたって包囲するように固定部材90を形成した。この固定部材90により被覆部材70の筒状態を維持することができる。これにより、電磁波吸収部材80を電線部材25に固定する部材と、被覆部材70の筒状態を維持する部材とを別に設ける場合に比べて、部品点数の増大を抑制することができる。
(5)電磁波吸収部材80の外周面を被覆するようにテープ部材91が形成され、そのテープ部材91が電磁波吸収部材80と編組部材100との間に設けられる。これにより、電磁波吸収部材80と編組部材100とが直接接触することを抑制できるため、電磁波吸収部材80との接触に起因して編組部材100が摩耗することを好適に抑制できる。この結果、編組部材100の損傷を好適に抑制できる。ひいては、編組部材100による電磁シールド性能が低下することを抑制できる。
(6)電磁波吸収部材80の外周を覆う保護部材60を設けた。このため、電磁波吸収部材80とその周辺部品との間に保護部材60を介在させることができる。これにより、電磁波吸収部材80と周辺部品とが直接接触することを抑制できるため、電磁波吸収部材80と周辺部品との接触に起因して電磁波吸収部材80が損傷することを抑制できる。
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、保護部材60を無端状の構造に具体化したが、これに限定されない。すなわち、上記実施形態では、保護部材60を、内部に電磁波吸収部材80が配置される前の状態からすでに筒体として形成されているものに具体化したが、これに限定されない。
例えば図8に示すように、保護部材60を、電線20の長さ方向に沿って延びるスリット67を有するシート状をなす構造に具体化してもよい。本変更例の保護部材60は、例えば、可撓性を有する一枚のシートを周方向に巻くことによって筒状をなすように形成されている。保護部材60は、例えば、電線20の長さ方向と交差する第1方向(図8では、電線20の周方向)における端部68と、端部68と第1方向において反対側の端部69とを有している。保護部材60は、例えば、端部68と端部69とを電磁波吸収部材80の径方向に重ね合わせることによって筒状をなすように形成されている。保護部材60の内周寸法は、例えば、端部68と端部69との重なり幅を調整することにより、電磁波吸収部材80の外周寸法に合わせた寸法に調整することができる。保護部材60は、例えば、電磁波吸収部材80の外周を包囲可能な筒状態から、電磁波吸収部材80の外周を包囲しないシート状態に戻ることが可能な弾性を有している。
保護部材60は、例えば、図2に示した連結部材65,66によってコルゲートチューブ40,50の外周に固定されることにより、筒状態が維持される。連結部材65,66としては、例えば、テープ部材、結束バンドやカシメバンドなどを用いることができる。
次に、図9に従って、連結部材65,66としてテープ部材65A,66Aをそれぞれ用いた場合の構成について説明する。
テープ部材65Aは、例えば、保護部材60の長さ方向の端部をコルゲートチューブ40の外周面に固定するように形成されている。テープ部材66Aは、例えば、保護部材60の長さ方向の端部をコルゲートチューブ50の外周面に固定するように形成されている。
テープ部材65Aは、例えば、保護部材60の長さ方向の端部の外周面と、保護部材60から露出されたコルゲートチューブ40の外周面とにわたって巻かれている。テープ部材65Aは、例えば、保護部材60の外周面からコルゲートチューブ40の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれている。テープ部材65Aは、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。テープ部材65Aは、例えば、保護部材60の筒状態が維持されるように、保護部材60の端部の外周に巻かれている。
テープ部材66Aは、例えば、保護部材60の長さ方向の端部の外周面と、保護部材60から露出されたコルゲートチューブ50の外周面とにわたって巻かれている。テープ部材66Aは、例えば、保護部材60の外周面からコルゲートチューブ50の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれている。テープ部材66Aは、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。テープ部材66Aは、例えば、保護部材60の筒状態が維持されるように、保護部材60の端部の外周に巻かれている。
・図8に示した保護部材60の一面に、接着層又は粘着層を設けるようにしてもよい。例えば、保護部材60の端部69の一面に接着層又は粘着層を設けるようにしてもよい。この構成によれば、保護部材60の端部68に端部69を重ね合わせた場合に、接着層又は粘着層によって端部69を端部68に接着させることができる。これにより、テープ部材65A,66A(図9参照)によって固定される前の段階において、保護部材60がシート状態に戻ることを好適に抑制できる。
・上記実施形態の保護部材60の材料としては、例えば、コルゲートチューブ40,50よりも耐衝撃性及びクッション性に優れた材料を用いることもできる。例えば、保護部材60の材料としては、例えば、コルゲートチューブ40,50よりも吸音性に優れた材料を用いることもできる。このような保護部材60の材料としては、例えば、多孔性を有する材料を用いることができる。保護部材60の材料としては、例えば、発泡樹脂を用いることができる。発泡樹脂における気泡構造は、連続気泡構造であってもよいし、独立気泡構造であってもよい。保護部材60の材料としては、例えば、発泡ウレタン、発泡ポリエチレンや発泡エチレンプロピレンジエンゴムなどを用いることができる。以上説明したような材料を保護部材60の材料として用いることにより、保護部材60を緩衝部材として好適に機能させることができる。
この構成によれば、電磁波吸収部材80とその周辺部品との間に緩衝部材としての保護部材60を介在させることができる。これにより、電磁波吸収部材80と周辺部品との接触に起因した異音の発生を抑制できる。
・上記実施形態では、被覆部材70を、電線20の長さ方向に沿って延びるスリット71を有する構造に具体化したが、これに限定されない。
例えば図8に示すように、被覆部材70を、電線20の長さ方向に沿って延びるスリットを有さない筒状をなす構造に具体化してもよい。本変更例の被覆部材70は、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように形成されている。例えば、本変更例の被覆部材70は、内部に電線20が配置される前の状態からすでに筒体として形成されているものである。
・上記実施形態では、被覆部材70としてツイストチューブに具体化したが、これに限定されない。被覆部材70としては、電線20の外周を被覆することのできる外装部材であれば特に限定されず、例えばコルゲートチューブによって構成してもよい。この場合のコルゲートチューブとしては、電線20の長さ方向に沿って延びるスリットを有するものであってもよいし、スリットを有さないものであってもよい。また、被覆部材70としては、例えば、テープ部材であってもよい。この場合のテープ部材は、例えば、電線20の外周面に対して巻き回される。
・例えば図9に示すように、被覆部材70の長さ方向の端部を、コルゲートチューブ40の内部空間に収容するようにしてもよい。この場合に、固定部材90の一部を、コルゲートチューブ40の内部空間に収容するようにしてもよい。
・例えば図9に示すように、被覆部材70の長さ方向の端部を、コルゲートチューブ50の内部空間に収容するようにしてもよい。この場合に、固定部材90の一部を、コルゲートチューブ50の内部空間に収容するようにしてもよい。
・上記実施形態では、被覆部材70の長さ方向の端部を被覆するようにテープ部材91を巻き回すようにしたが、これに限定されない。すなわち、上記実施形態では、テープ部材91を、電磁波吸収部材80の外周面から電線20の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれるように形成したが、これに限定されない。例えば、テープ部材91を、被覆部材70の長さ方向の端部を露出するように巻き回すようにしてもよい。すなわち、テープ部材91を、電磁波吸収部材80の外周面から被覆部材70の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれるように形成してもよい。
・上記実施形態における被覆部材70を省略してもよい。この場合には、電線部材25を電線20のみで構成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、固定部材90を、電磁波吸収部材80の外周面82A全面を被覆するようにテープ部材91を巻いて形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、テープ部材91を、電磁波吸収部材80の外周面の一部のみを被覆するように巻いて固定部材90を形成してもよい。
例えば図9に示すように、本変更例の固定部材90は、例えば、8つの領域A1〜A8を一体に有するテープ部材91によって構成されている。領域A1は、磁性体コア82の貫通孔81からコルゲートチューブ50側に導出された部分の電線部材25に対してテープ部材91が巻き回された領域である。領域A1では、例えば、複数の電線20の外周を一括して包囲する被覆部材70に対して周方向全周にわたって複数回巻き回されている。領域A1におけるテープ部材91は、例えば、被覆部材70を筒状態に維持する機能を有している。領域A1におけるテープ部材91は、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。ここで、本変更例の被覆部材70は、電線20の長さ方向の端部がコルゲートチューブ50の内部空間に収容されている。このとき、領域A1におけるテープ部材91は、例えば、その一部がコルゲートチューブ50の内部空間に収容されている。
図10に示すように、領域A2は、領域A1に連結された領域である。領域A2は、例えば、被覆部材70の外周面から磁性体コア82の外周面82Aに向かってテープ部材91が張力を掛けられて張った状態で延びている領域である。領域A2におけるテープ部材91は、被覆部材70の外周面と磁性体コア82の外周面82Aとの間に架け渡されるように設けられている。領域A2におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の側面82Cに対向するように設けられている。
領域A3は、領域A2に連結された領域である。領域A3は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aにテープ部材91が巻かれた領域である。領域A3におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aの一部を被覆している。領域A3におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aの一部に接着している。
図9に示すように、領域A4は、領域A3に連結された領域である。領域A4は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aから、磁性体コア82の貫通孔81からコルゲートチューブ40側に導出された部分の被覆部材70の外周面に向かってテープ部材91が張力を掛けられて張った状態で延びている領域である。領域A4におけるテープ部材91は、磁性体コア82の外周面82Aと被覆部材70の外周面との間に架け渡されるように設けられている。領域A4におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の側面82Bに対向するように設けられている。
領域A2〜A4におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の周方向に交差するとともに、電線20の長さ方向に交差するように傾斜して延びるように形成されている。図9に示したテープ部材91では、領域A2の始端が図中上方側に位置し、その領域A2の始端から領域A4の終端に向かうに連れて図中左下方に向かって傾斜して延びている。
領域A5は、領域A4に連結された領域である。領域A5は、磁性体コア82の貫通孔81からコルゲートチューブ40側に導出された部分の電線部材25に対してテープ部材91が巻き回された領域である。領域A5では、例えば、複数の電線20の外周を一括して包囲する被覆部材70に対して周方向全周にわたって複数回巻き回されている。領域A5におけるテープ部材91は、例えば、被覆部材70を筒状態に維持する機能を有している。領域A5におけるテープ部材91は、例えば、オーバーラップ巻きの構造を有している。ここで、本変更例の被覆部材70は、電線20の長さ方向の端部がコルゲートチューブ40の内部空間に収容されている。このとき、領域A5におけるテープ部材91は、例えば、その一部がコルゲートチューブ40の内部空間に収容されている。
領域A6は、領域A5に連結された領域である。領域A6は、例えば、被覆部材70の外周面から磁性体コア82の外周面82Aに向かってテープ部材91が張力を掛けられて張った状態で延びている領域である。領域A6におけるテープ部材91は、被覆部材70の外周面と磁性体コア82の外周面82Aとの間に架け渡されるように設けられている。領域A6におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の側面82Bに対向するように設けられている。
領域A7は、領域A6に連結された領域である。領域A7は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aにテープ部材91が巻かれた領域である。領域A7におけるテープ部材91は、例えば、領域A3におけるテープ部材91と交差するように形成されている。領域A7におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aの一部を被覆している。領域A7におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aの一部に接着するとともに、領域A3におけるテープ部材91の一部に接着している。
領域A8は、領域A7に連結された領域である。領域A8は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aから領域A1に向かってテープ部材91が張力を掛けられて張った状態で延びている領域である。領域A8におけるテープ部材91は、磁性体コア82の外周面82Aと被覆部材70の外周面との間に架け渡されるように設けられている。領域A8におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の側面82Cに対向するように設けられている。
領域A6〜A8におけるテープ部材91は、例えば、磁性体コア82の周方向に交差するとともに、電線20の長さ方向に交差するように傾斜して延びるように形成されている。領域A6〜A8におけるテープ部材91は、例えば、領域A2〜A4におけるテープ部材91と交差するように形成されている。領域A6〜A8におけるテープ部材91は、例えば、領域A2〜A4におけるテープ部材91の一部と重なるように形成されている。図9に示したテープ部材91では、領域A6の始端が図中上方側に位置し、その領域A6の始端から領域A8の終端に向かうに連れて図中右下方に向かって傾斜して延びている。
図10及び図11に示すように、テープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aに対して、その外周面82Aの一部の領域86のみを被覆するように形成されている。テープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82A全体の1/2よりも小さい領域86のみを被覆するように形成されている。テープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82A全体の1/4よりも小さい領域86のみを被覆するように形成されている。テープ部材91は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aの周方向全周の1/4よりも小さい領域86のみを被覆するように形成されている。
このとき、図11に示すように、テープ部材91は、例えば、電磁波吸収部材80の貫通孔81の内部において、貫通孔81の周方向の一部に片寄って電線部材25が配置されるように、電磁波吸収部材80及び電線部材25の外周面に対して巻き回されている。例えば、電線部材25は、貫通孔81の内部において、第1部分81Aと接触するとともに、第2部分81Bと離隔している。ここで、電線部材25が接触する第1部分81Aは、電磁波吸収部材80の中心軸方向と交差する方向において、第2部分81Bよりも、テープ部材91によって被覆された電磁波吸収部材80の外周面である領域86に近い位置に設けられている。第1部分81Aは、例えば、電磁波吸収部材80の周方向において、領域86に対応する部分の貫通孔81の内周面である。例えば、第1部分81Aは、磁性体コア82の周方向において、磁性体コア82の外周面82Aの領域86と同じ角度に位置する部分である。例えば、第1部分81Aは、貫通孔81の内周面のうち領域86の裏側に位置する部分である。本変更例のテープ部材91は、例えば、貫通孔81の内部において電線部材25の被覆部材70が第1部分81Aに接触されて第1部分81A側(領域86側)に片寄って配置されるように、電磁波吸収部材80を電線部材25の外周に固定している。本変更例の複数の電線20は、例えば、第1部分81Aと第2部分81Bとを繋ぐ直線と交差する方向に並ぶように設けられている。なお、電線部材25は、例えば、貫通孔81の中心軸方向の全長にわたって同じ方向、つまり領域86側に片寄って配置されている。
この構成によれば、電磁波吸収部材80の外周面82Aのうち周方向の一部のみを覆うようにテープ部材91が形成される。これにより、例えば電磁波吸収部材80の外周面82Aを周方向全周にわたって覆うようにテープ部材を形成する場合に比べて、テープ部材91の長さを短くすることができる。この結果、ワイヤハーネス10の製造コストを低減することができる。
次に、本変更例のワイヤハーネス10の製造方法について説明する。ここでは、固定部材90としてのテープ部材91の巻き方の一例について説明する。
図12に示す工程では、シート状の被覆部材70を電線20の周方向に巻くことによって、複数の電線20の外周を一括して包囲する筒状の被覆部材70を形成する。続いて、複数の電線20を包囲する被覆部材70を、磁性体コア82の貫通孔81に貫通させる。
次に、図13に示す工程では、貫通孔81から一方側に導出された被覆部材70に対してテープ部材91が巻き回される。テープ部材91は、例えば、ハーフラップ巻きの構造により、被覆部材70に対して周方向全周にわたって複数回巻き回される。これにより、固定部材90の領域A1が形成される。また、テープ部材91が被覆部材70に巻き回されることによって、被覆部材70が筒状態に維持される。
続いて、図14に示す工程では、領域A1から外方に引き出されたテープ部材91を磁性体コア82の外周面82Aに貼り付けながら、貫通孔81から領域A1とは反対側に導出された被覆部材70の外周面まで張力をかけて延ばす。このときのテープ部材91は、電線20の長さ方向に対して傾斜するように延ばされる。これにより、固定部材90の領域A2と領域A3と領域A4とが形成される。
次いで、図15に示す工程では、貫通孔81から領域A1とは反対側に導出された被覆部材70に対してテープ部材91が巻き回される。テープ部材91は、例えば、ハーフラップ巻きの構造により、被覆部材70に対して周方向全周にわたって複数回巻き回される。これにより、固定部材90の領域A5が形成される。
次に、図16に示す工程では、領域A5から外方に引き出されたテープ部材91を磁性体コア82の外周面82Aに貼り付けながら、領域A1における被覆部材70の外周面まで張力をかけて延ばす。このときのテープ部材91は、電線20の長さ方向に対して傾斜するように延ばされるとともに、領域A2〜A4におけるテープ部材91と交差するように延ばされる。これにより、固定部材90の領域A6と領域A7と領域A8とが形成される。
以上の工程により、電磁波吸収部材80が電線20及び被覆部材70に対して固定される。これにより、電線20の長さ方向において電磁波吸収部材80が移動することを規制することができる。また、テープ部材91によって、貫通孔81の内部において電線部材25が領域86側に片寄った状態で、電磁波吸収部材80が電線部材25の外周面に固定される。
・上記実施形態では、固定部材90をテープ部材91で構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、固定部材90として、金属バンドや樹脂製の結束バンドを用いるようにしてもよい。
・上記実施形態では、規制部材110をテープ部材111で構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、規制部材110として、金属バンドや樹脂製の結束バンドを用いるようにしてもよい。
・例えば図17に示すように、規制部材110を省略してもよい。この場合に、例えば、保護部材60の内周面が編組部材100の外周面に接触するようにしてもよい。図示の例では、保護部材60の内周面が編組部材100の外周面に接触され、その編組部材100の内周面が磁性体コア82の外周面82Aに接触される。このとき、磁性体コア82の外周面82Aには、例えば、磁性体コア82の中心軸方向における端部83,84がテーパ部83A,84Aに形成されている。このため、編組部材100が磁性体コア82の外周面82Aに直接接触した場合であっても、編組部材100が摩耗により損傷することを好適に抑制することができる。
・上記実施形態では、電磁波吸収部材80を磁性体コア82のみで構成するようにしたが、これに限定されない。
例えば図18に示すように、電磁波吸収部材80を、磁性体コア82と、その磁性体コア82を収容するケース120とを含む構成としてもよい。なお、ケース120の材料としては、例えば、合成樹脂などの絶縁材料によって構成されている。ケース120の材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。
磁性体コア82は、環状をなすように形成されている。磁性体コア82は、複数の電線20が一括して貫通する貫通孔82Xを有している。磁性体コア82は、貫通孔82Xを有することにより環状をなしている。磁性体コア82は、例えば、円環状に形成されている。本変更例の磁性体コア82の外周面82Aには、図2に示したテーパ部83A,84Aが形成されていない。例えば、磁性体コア82では、外周面82Aと側面82B,82Cとがなす角度が略直角に形成されている。
(ケース120の構成)
ケース120は、環状をなすように形成されている。ケース120は、複数の電線20が一括して貫通する貫通孔121を有している。ケース120は、貫通孔121を有することにより環状をなしている。貫通孔121は、磁性体コア82の貫通孔82Xと連通されている。電磁波吸収部材80では、貫通孔121と貫通孔82Xとによって電磁波吸収部材80の貫通孔81が構成されている。
ケース120は、例えば、電線20の長さ方向の両端が開口する環状をなしている。ケース120は、例えば、円環状に形成されている。貫通孔121は、例えば、ケース120を長さ方向に貫通するように形成されている。被覆部材70は、例えば、複数の電線20の外周を一括して包囲した状態で貫通孔121,82Xを貫通するように設けられている。
ケース120は、例えば、ケース120の周方向及び軸方向に沿って延びる周壁122と、ケース120の軸方向の両端に位置し、ケース120の径方向に沿って延びる一対の側壁123A,123Bとを有している。各側壁123A,123Bには、その側壁123A,123Bを軸方向に貫通する貫通孔121が形成されている。
ケース120は、磁性体コア82を収容する収容部124を有している。収容部124は、磁性体コア82を収容可能な大きさに形成されている。収容部124は、例えば、貫通孔121と連通するように形成されている。収容部124は、例えば、周壁122の内周面と側壁123A,123Bの内周面とによって囲まれた空間によって構成されている。収容部124は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aを包囲するように形成されている。例えば、周壁122は、磁性体コア82の外周面82Aを被覆するように形成されている。周壁122の内周面は、例えば、磁性体コア82の外周面82Aと対向するように形成されている。収容部124は、例えば、磁性体コア82の側面82B,82Cを包囲するように形成されている。各側壁123A,123Bは、例えば、磁性体コア82の側面82B,82Cをそれぞれ被覆するように形成されている。各側壁123A,123Bの内周面は、例えば、磁性体コア82の側面82B,82Cとそれぞれ対向するように形成されている。
ケース120は、例えば、収容部124内に磁性体コア82を収容した状態で、固定部材90によって電線部材25の外周に固定されている。このとき、磁性体コア82は、例えば、ケース120の収容部124と被覆部材70の外周面とによって保持されている。
周壁122は、例えば、貫通孔121の中心軸方向における端部125と、端部125と中心軸方向において反対側の端部126と、端部125と端部126との間に設けられた中央部127とを有している。端部125は、ケース120の中心軸方向の両端部のうちコルゲートチューブ40側に設けられた端部である。端部126は、ケース120の中心軸方向の両端部のうちコルゲートチューブ50側に設けられた端部である。周壁122は、例えば、ケース120の周方向及び軸方向に沿って延びる外周面を有している。
周壁122の端部125は、例えば、中央部127側から側壁123Aに向かって外形が小さくなるように形成されている。端部125の外周面は、例えば、中央部127側から側壁123Aに向かうに連れて外形が小さくなるテーパ状に形成されている。端部125の外周面は、例えば、中央部127側から側壁123Aに向かうに連れて、貫通孔121の内周面に近づくように傾斜して形成されている。端部125の外周面は、例えば、円弧状に湾曲する湾曲面に形成されている。本変更例の端部125は、その端部125の外周面の全面が湾曲面に形成されている。
周壁122の端部126は、例えば、中央部127側から側壁123Bに向かって外形が小さくなるように形成されている。端部126の外周面は、例えば、中央部127側から側壁123Bに向かうに連れて外形が小さくなるテーパ状に形成されている。端部126の外周面は、例えば、中央部127側から側壁123Bに向かうに連れて、貫通孔121の内周面に近づくように傾斜して形成されている。端部126の外周面は、例えば、円弧状に湾曲する湾曲面に形成されている。本変更例の端部126は、その端部126の外周面の全面が湾曲面に形成されている。本変更例の周壁122は、その周壁122の外周面の全面が円弧状に湾曲する湾曲面に形成されている。
ケース120は、例えば、ケース120の軸方向に沿って延びるスリットを有していてもよいし、ケース120の軸方向に沿って延びるスリットを有していなくてもよい。ケース120を一部品で構成してもよいし、ケース120を複数の部品を組み合わせて構成するようにしてもよい。
固定部材90は、例えば、電磁波吸収部材80のケース120の外周面から電線20の外周面までの範囲に対して連続的に巻かれている。固定部材90は、例えば、ケース120の端部125,126及び中央部127の外周面を被覆するように形成されている。
・上記実施形態では、磁性体コア82を円環状に形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、磁性体コア82は環状に形成されていれば、その形状は特に限定されない。
例えば図19に示すように、磁性体コア82を楕円環状に形成するようにしてもよい。この場合の磁性体コア82は、横断面形状が楕円状に形成されている。
・上記実施形態の電磁波吸収部材80におけるテーパ部83A,84Aの形成を省略してもよい。
・上記実施形態における電磁波吸収部材80の数及び設置位置は特に限定されない。例えば、ワイヤハーネス10に対して2個以上の電磁波吸収部材80を設けてもよい。例えば、電磁波吸収部材80を防水領域である車室外に設けるようにしてもよいし、電磁波吸収部材80を非防水領域である車室内に設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、第1外装部材としてコルゲートチューブ40に具体化し、第2外装部材としてコルゲートチューブ50に具体化したが、これに限定されない。例えば、第1外装部材及び第2外装部材として、硬質の樹脂製パイプ、金属製パイプやゴム製の防水カバーを用いることができる。例えば、第1外装部材と第2外装部材とを、互いに異なる種類の外装部材に具体化してもよい。例えば、第1外装部材を金属製のパイプに具体化し、第2外装部材をコルゲートチューブに具体化してもよい。
・上記実施形態では、電磁波吸収部材80の外周を覆うように編組部材100を設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、編組部材100を電磁波吸収部材80の貫通孔81に貫通させるようにしてもよい。
・上記実施形態の編組部材100の代わりに、金属箔などの他の電磁シールド部材に変更してもよい。
・上記実施形態における編組部材100を省略してもよい。
・上記実施形態の電線20をシールド電線に変更してもよい。
・上記実施形態の電線20を低圧電線に変更してもよい。
・上記実施形態では、外装部材30の内部に収容される電線20が2本であったが、特に限定されるものではなく、車両Vの仕様に応じて電線20の本数は変更することができる。例えば、外装部材30の内部に収容される電線20は、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。例えば、外装部材30に収容される電線として、低圧バッテリと各種低電圧機器(例えば、ランプ、カーオーディオ等)とを接続する低圧電線を追加した構成としてもよい。
・車両Vにおけるインバータ11と高圧バッテリ12の配置関係は、上記実施形態に限定されるものではなく、車両構成に応じて適宜変更してもよい。
例えば図20に示すように、高圧バッテリ12が車両Vの床の略全体に配置され、その高圧バッテリ12とインバータ11とを電気的に接続するワイヤハーネス10に具体化してもよい。
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10によって接続される電気機器としてインバータ11及び高圧バッテリ12を採用したが、これに限定されない。例えば、インバータ11と車輪駆動用のモータとを接続する電線に採用してもよい。すなわち、車両Vに搭載される電気機器間を電気的に接続するものであれば適用可能である。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C1 コネクタ
V 車両
10 ワイヤハーネス
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20 電線
21 芯線
22 絶縁被覆
25 電線部材
30 外装部材
40 コルゲートチューブ(第1外装部材)
41 環状凸部
42 環状凹部
50 コルゲートチューブ(第2外装部材)
51 環状凸部
52 環状凹部
60 保護部材
61,62 接続筒部
61A,62A リップ
63 本体筒部
65,66 連結部材
65A,66A テープ部材
67 スリット
68,69 端部
70 被覆部材
71 スリット
72 端部(第1端部)
73 端部(第2端部)
80 電磁波吸収部材
81 貫通孔
81A 第1部分
81B 第2部分
82 磁性体コア
82A 外周面
82B 側面
82C 側面
82X 貫通孔
83 端部
83A テーパ部
84 端部
84A テーパ部
85 中央部
86 領域
90 固定部材
91 テープ部材
A1−A8 領域
100 編組部材
110 規制部材
111 テープ部材
120 ケース
121 貫通孔
122 周壁
123A,123B 側壁
124 収容部
125 端部
126 端部
127 中央部

Claims (9)

  1. 電線部材と、
    前記電線部材が貫通する貫通孔を有する環状の電磁波吸収部材と、
    前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定する固定部材と、を有し、
    前記貫通孔の内周面は、前記電線部材の外周面と対向しており、
    前記貫通孔の内周面は、第1部分と、前記第1部分と前記貫通孔の中心軸に対して点対称な位置に配置された第2部分とを有し、
    前記固定部材は、前記電線部材が前記第1部分と接触するとともに前記第2部分と離隔するように、前記電磁波吸収部材を前記電線部材に固定しているワイヤハーネス。
  2. 前記電線部材は、電線と、前記電線の外周を被覆する被覆部材とを有し、
    前記被覆部材は、前記電線の外周を被覆した状態で前記貫通孔に貫通している請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記被覆部材は、前記電線の長さ方向に沿って延びるスリットを有するシート状に形成されており、
    前記被覆部材は、前記電線の長さ方向と交差する第1方向における第1端部と、前記第1端部と前記第1方向において反対側に設けられた第2端部とを有しており、
    前記被覆部材は、前記第1端部に前記第2端部を重ね合わせることにより、前記電線の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状をなすように形成されており、
    前記固定部材は、前記被覆部材の外周を周方向全周にわたって包囲するように設けられている請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記固定部材は、1本のテープ部材が巻き回されて構成されており、
    前記固定部材は、
    前記貫通孔から一方側に導出された前記電線部材の外周に前記テープ部材が巻き回された第1領域と、
    前記第1領域から外方に引き出された前記テープ部材が、前記電磁波吸収部材の外周面に接着されるとともに、前記貫通孔から他方側に導出された前記電線部材まで延びるように形成された第2領域と、
    前記貫通孔から前記他方側に導出された前記電線部材の外周に前記テープ部材が巻き回された第3領域と、
    前記第3領域から外方に引き出された前記テープ部材が、前記電磁波吸収部材の外周面に接着されるとともに、前記第1領域まで延びるように形成された第4領域と、を有し、
    前記第4領域における前記テープ部材は、前記第2領域における前記テープ部材と交差して延びるように形成されており、
    前記テープ部材は、前記電磁波吸収部材の外周面のうち周方向の一部のみを覆うように形成されており、
    前記第1部分は、前記中心軸方向と交差する方向において、前記第2部分よりも、前記テープ部材によって覆われた前記電磁波吸収部材の外周面に近い位置に配置された部分である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記電線部材及び前記電磁波吸収部材の外周を覆う筒状の電磁シールド部材を更に有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネス。
  6. 前記固定部材は、テープ部材であり、
    前記固定部材は、前記貫通孔の中心軸が延びる中心軸方向と交差する方向において、前記電磁波吸収部材と前記電磁シールド部材との間に設けられており、
    前記固定部材は、前記電磁波吸収部材の外周面を被覆するとともに前記電線部材の外周面を被覆している請求項5に記載のワイヤハーネス。
  7. 前記電線部材を収容する第1外装部材と、
    前記電線部材を収容し、前記電線部材の長さ方向において前記第1外装部材と離れて設けられた第2外装部材と、
    前記電磁波吸収部材の外周を覆い、前記第1外装部材の外周と前記第2外装部材の外周との間に架け渡すように固定された保護部材と、を更に有し、
    前記電磁波吸収部材は、前記電線部材の長さ方向において前記第1外装部材と前記第2外装部材との間に設けられている請求項6に記載のワイヤハーネス。
  8. 前記保護部材の内周面は、前記電磁シールド部材の外周面と接触しており、
    前記電磁シールド部材の内周面は、前記電磁波吸収部材の外周面を被覆する前記テープ部材と接触している請求項7に記載のワイヤハーネス。
  9. 前記第1外装部材及び前記第2外装部材から露出された前記電磁シールド部材の外周面を被覆し、前記電磁シールド部材の径方向への広がりを規制する規制部材を更に有する請求項7又は請求項8に記載のワイヤハーネス。
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