JP2021134493A - 填充材収容体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】路盤コンクリート1から立ち上げられた円柱形状の突起6と軌道スラブ3との間に填充材を充填するための填充材収容体10が、自立する円筒曲面部を有する第1部材11及び第2部材12を備え、上部が伸縮可能な上部連結部材13で連結されている。第1部材と第2部材の上部は相対的に変位が可能となり、それぞれの円筒曲面部11a,12aは突起の外周面及び軌道スラブに設けられた切欠部内の円筒曲面に大きな隙間なく当接される。また、第1部材及び第2部材は互いに対向する方向に、円筒曲面部の上縁から張り出した第1フランジ部11b及び第2フランジ部12bを有する。これにより充填された流動性を有する填充材の上面を押さえ、上面を平坦に仕上げる。
【選択図】図2
Description
との間に填充材を充填するための填充材収容体に関するものである。
配列された隣り合う軌道スラブの対向部には路盤コンクリートから円柱形状の突起が立ち上げられており、軌道スラブの端面に形成されたほぼ半円形の凹部の円筒曲面が突起の外周面と間隔を開けて対向している。そして、突起の外周面と軌道スラブに形成された凹状の円筒曲面との間に填充材を充填し、軌道スラブの位置を拘束するものとなっている。
特許文献1及び特許文献2に記載されている填充層形成用袋体は、突起と軌道スラブとの間に装着される袋体の円筒形状部分にX状の芯体を縫い付け、自立が可能としたものである。そして、2つの円筒形状部分の上部、底部及び周方向の端部を所定の間隔で連結して袋体としたものである。
また、特許文献3に記載の填充層形成用袋体は、突起の外周面及び軌道スラブの凹状の曲面と対向する円筒形状部分を、自立が可能な剛性及び通液性を有する樹脂製の不織布で形成したものである。これらの円筒形状部分は,特許文献1及び特許文献2に記載されている填充層形成用袋体と同様に、上部、底部及び周方向の端部が所定の間隔で連結されている。
コンクリートからなる軌道スラブ及び突起は、それぞれ鋼型枠を用いてコンクリートが打設され、形状および寸法は正確に製作される。しかし、路盤コンクリートに一体となるように突起が形成された後、所定の形状に形成された軌道スラブを配列したときに、対向する突起の外周面と軌道スラブに形成された凹部の円筒曲面との間隔には誤差が生じることがある。
また、第1部材と第2部材との上部は伸縮が可能な上部連結部材によって連結されており、軌道スラブと突起との間隔が一定でないときにも、第1部材と第2の部材とを相対的に変位させ、双方の円筒曲面部をしわ等が生じていない状態で突起の外周面及び軌道スラブの凹状の円筒曲面に当接させることができる。
なお、繊維はすべてが熱可塑性樹脂からなるものに限定されず、熱可塑性樹脂以外の材料からなる繊維や熱可塑性樹脂で溶融温度が異なるものからなる繊維を混合して使用されたものであってもよい。
図1は、本発明の填充材収容体を使用して構築することができるスラブ軌道の概略斜視図である。
このスラブ軌道は、路盤コンクリート1の上にセメントアスファルトモルタル層2を介して多数の軌道スラブ3が軌道の方向に配列されており、この上にレール4が締結具5によって締結されている。
配列されて隣り合う軌道スラブ3の端面が対向する部分には、路盤コンクリート1から円柱形状の突起6が立ち上げられている。軌道スラブ3の端部にはこの突起の形状に対応して平面形状が円の一部となる切欠部3aが設けられ、隣り合う軌道スラブの切欠部3aが上記突起6と間隔をあけて囲むものとなっている。軌道スラブ3に設けられた切欠部内の鉛直方向に軸線を有する円筒曲面と突起6の外周面の円筒曲面との間に填充材を充填し、路盤コンクリート1に固定されている突起6によって軌道スラブ3の位置を規制するものとなっている。
なお、上記不織布は全ての繊維が熱可塑性樹脂からなるものであってもよいが、熱可塑性樹脂以外の材料からなる繊維が含まれるものであってもよく、熱可塑性樹脂も溶融温度が異なる樹脂を用いた繊維が混在するものであってもよい。また、繊維の太さ、繊維の密度等も上記繊維の材料とともに、上記薄板材の剛性及び小孔の存在の条件を満たすように調整することができるものである。
この第2部材12は、第1部材11と同じ薄板材からなるものであり、同様に金型内で円筒曲面部12a、第2フランジ部12b、下端縮径部12c及び周端ガイド部12dが一体に連続するものとして形成されたものである。そして、同様に円筒曲面部12aが自立し、第2フランジ部が張り出した状態を維持することができる程度の剛性を有するとともに、填充材がにじみ出す多数の小孔を有するものである。
上部連結部材13と第1部材11及び第2部材12との接合は、加熱及び加圧によって接着する、いわゆるヒートシールとするのが望ましいが、その他の方法、例えば縫合等であっても良い。
なお、上記許容最小幅は、突起6の外周面と軌道スラブ3の切欠部内の円筒曲面との間隔の設計値に対して施工誤差等による増減が許容される範囲として定められた最小値である。また、許容される範囲の最大値は許容最大幅として予め定められる。
側端連結部材14と第1部材11及び側端連結部材14と第2部材12との接合は、図5に示すように、第1部材の周端張出部11dと第2部材の周端ガイド部12dにそれぞれ側端連結部材14の両縁部を接着するものである。接着は加熱及び加圧によるヒートシールとするのが望ましい。
突起6の外周面と軌道スラブ3の切欠部内の円筒曲面との間隔が、あらかじめ定められた設計値より大きくなっているときには、第1フランジ部11bの先端と第2フランジ部12bの先端とが離れた状態になることがあるが、上面板16が第1フランジ部11bと第2フランジ部12bとの間に架け渡された状態で填充材の上面を平坦に規制する。そして、許容最大幅となって第1フランジ部11bの先端と第2フランジ部12bの先端が上面板16の幅より大きく離れたときにも、図9(a)に示すように上部連結部材13に貼り付けられた上面板16が第1フランジ部11bと第2フランジ部12bとの間で填充材の上面の形状を平坦に規制するものとなる。
上記実施の形態の填充材収容体10は、突起6と軌道スラブ3との間隔の設計値が40mmで、許容最大幅が60mm、許容最小幅が20mmに設定されたスラブ軌道に使用するものであり、第1フランジ部11b及び第2フランジ部12bの張り出し長が20mm、上面板16の幅が20mmとなっている。
この填充材収容体20は、図2から図9までに示すものと同様に、自立する円筒曲面部21a,22aを有する第1部材21及び第2部材22と、対向する第1部材の円筒曲面部21aと第2部材の円筒曲面部22aとの上部に接続された上部連結部材23と、第1部材21と第2部材22の側端部を連結する側部連結部材(図示しない)と、上部連結部材23に貼り付けられた上面板26とを有するものであるが、この填充材収容体20では、第1部材21及び第2部材22に下端拡径部及び下端縮径部が形成されておらず、これらに代えて下端支持部材27が設けられている。
10:填充材収容体, 11:第1部材, 11a:第1部材の円筒曲面部, 11b:第1部材の第1フランジ部, 11c:第1部材の下端拡径部, 11d:第1部材の周端張出部, 12:第2部材, 12a:第2部材の円筒曲面部, 12b:第2部材の第2フランジ部, 12c:第2部材の下端縮径部, 12d:第2部材の周端ガイド部, 13:上部連結部材, 14:側部連結部材, 15:注入口, 16:上面板,
20:填充材収容体, 21:第1部材, 21a:第1部材の円筒曲面部, 21b:第1部材の第1フランジ部, 22:第2部材, 22a:第2部材の円筒曲面部, 22b:第2部材の第2フランジ部, 23:上部連結部材, 26:上面板, 27:下端支持部材, 27a:発泡材, 27b:不織布
Claims (7)
- 路盤コンクリート上に配列されて上面に鉄道レールが締結される軌道スラブと、前記路盤コンクリートから立ち上げられた円柱形状の突起との間の円弧状の間隙に填充材を充填するための填充材収容体であって、
前記填充材がにじみ出す多数の小孔を有する薄板材からなり、前記突起の周面に沿った円筒曲面部を含み、該円筒曲面部の形状を維持して自立する第1部材と、
前記填充材がにじみ出す多数の小孔を有する薄板材からなり、前記突起の周面と間隔を開けて対向するように形成された前記軌道スラブの凹状の円筒曲面に沿った円筒曲面部を含み、該円筒曲面部の形状を維持して自立する第2部材と、
伸縮可能な布状材からなり、対向する第1部材の円筒曲面部と第2部材の円筒曲面部との間の空間の上方を塞ぐように、第1部材及び第2部材の上部に接続された上部連結部材と、を有し、
第1部材と第2部材とは、双方の前記円筒曲面部の周方向の端部及び双方の円筒曲面部の下部が、第1部材と第2部材との間に充填された填充材の漏出が生じないように、互い連結又は連結用の布状材を介して連結されていることを特徴とする填充材収容体。 - 第1部材は、該第1部材の円筒曲面部の上縁から第2部材に向かってほぼ水平に張り出した第1フランジ部を有し、
第2部材は、該第2部材の円筒曲面部の上縁から第1部材に向かってほぼ水平に張り出した第2フランジ部を有するものであることを特徴と請求項1に記載の填充材収容体。 - 第1部材及び第2部材を構成する薄板材は、熱可塑性樹脂を主材料とする多数の繊維が互いに交叉するように平坦な面又は曲面に沿って配され、交叉する繊維が加熱及び加圧によって接合され、繊維間に前記填充材がにじみ出す小孔が形成されているものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の填充材収容体。
- 前記上部連結部材の上面には、第1部材と第2部材との間のほぼ中央部に、第1部材及び第2部材が有する円筒曲面部の周方向に沿った帯状の上面板が貼り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の填充材収容体。
- 第2部材の円筒曲面部の周方向の両端縁から該円筒曲面部の外側へ張り出した周端ガイド部を有することを特徴する請求項1から請求項4までのいずれかに記載の填充材収容体。
- 第1部材の円筒曲面部の下端に連続し、第2部材と対向する方向に拡径された円筒曲面を形成する下端拡径部と、
第2部材の円筒曲面部の下端に連続し、第1部材と対向する方向に縮径された円筒曲面を形成する下端縮径部と、を有し、
前記下端拡径部と前記下端縮径部とが重ね合わされ、接合されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の填充材収容体。 - 第1部材及び第2部材が有する円筒曲面部の周方向の両端部には、布状の側端連結部材が填充材の漏出を防ぐように接合され、
両端部に設けられた前記側端連結部材の少なくとも一方は第1部材及び第2部材の上方に延長され、
前記上部連結部材は、前記側端連結部材が上方に延長された周方向の端部を越えて延長され、
該上部連結部材の延長された部分が前記側端連結部材の上方に延長された部分と重ね合わされ、双方の側縁が接合されて筒状となり、内側が第1部材と第2部材との間に填充材を注入する注入口となっていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の填充材収容体。
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