JP2021134178A - グリセリン配合によるミノキシジル含有育毛剤の連用塗布に伴う炎症及び刺激の低減方法並びに炎症抑制のための育毛外用剤 - Google Patents

グリセリン配合によるミノキシジル含有育毛剤の連用塗布に伴う炎症及び刺激の低減方法並びに炎症抑制のための育毛外用剤 Download PDF

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康孝 長田
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Abstract

【課題】ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用に伴って生じる炎症を抑制する方法並びに炎症抑制のための育毛外用剤を提供することを課題とする。【解決手段】ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用に伴う炎症の問題を解決するために、動物実験などを通して鋭意検討を行った結果、前記炎症の原因物質がミノキシジルであること、さらにそのメカニズムが炎症を誘引するサイトカインの増加によるものであることが明らかとなった。さらに鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、ミノキシジル、エタノール、及び水を含有する育毛外用剤に、グリセリンをさらに配合させることによって、TNF−α、IL−1β、IL−6等の炎症性サイトカイン濃度を低下させ、該育毛外用剤の頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制できることを見出した。【選択図】図2

Description

本発明は、ミノキシジルを有効成分として用いた育毛外用剤を適用する際に発生する炎症を抑制する方法並びに炎症抑制のための育毛外用剤に関する。
ミノキシジルは、化学式が6−(1−ピペリジニル)−2,4−ピリミジンジアミン−3−オキサイドである化合物であり、外用によって発毛、育毛、又は養毛(本明細書では、これらを総称して「育毛」という)の効果が得られることが知られている。そして、近年では、育毛を目的として、ミノキシジルを5w/v%(製剤溶液100ml中に占めるg重量)程度含有し、エタノールを含有する水系溶媒の液剤で使用されることも多くなっている。
ミノキシジル含有育毛外用剤は、塗布などの方法で患者の頭皮に適用することにより、その有効成分であるミノキシジルが頭皮の真皮内に浸透し、毛髪の成長を司る部位に直接作用して、頭髪の育毛を促進する効果があることが知られている。
しかしながら、その一方、ミノキシジル含有育毛外用剤を使用し続けることにより、皮膚炎症、発赤、湿疹、有害な刺激などの皮膚トラブル(本明細書では、これらを総称して「炎症」という)が発生するという問題も認識されている(日本皮膚科学会「2017年版 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」)。
ミノキシジル含有育毛外用剤は、一般的に頭皮に傷、湿疹あるいは炎症(発赤)等がある部位では、患部を悪化させることがあるため使用を控えなければならないとされている。そのため、ミノキシジル含有育毛外用剤が適用される頭皮での炎症の発生は、ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用、延いては育毛効果の発現に多大な支障を来たす問題であるが、その炎症の原因物質やメカニズムは十分に解明されておらず、これといった対策が立てられていないというのが現状である。
特開2001−288051 特開2002−308737 特開2018−203718 特開2019−142848
本発明者らは、上述したミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用に伴う炎症の問題を解決するために、動物実験などを通して鋭意検討を行った結果、前記炎症の原因物質がミノキシジルであること、そのメカニズムが炎症を誘引するサイトカインの増加によるものであること、さらには、そのサイトカインを減少させることにより、ミノキシジル含有育毛外用剤の適用に伴う炎症を抑制できるという知見を見出した。
本発明は、ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用に伴って生じる炎症を抑制する方法並びに炎症抑制のための育毛外用剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述した炎症の問題を解決すべく鋭意検討を行った結果、意外なことに、ミノキシジル、エタノール、及び水を含有する育毛外用剤にグリセリンをさらに配合することにより、炎症の原因となっているサイトカインを減少させ、延いては炎症を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ミノキシジル、エタノール、及び水を含有する育毛外用剤に、グリセリンをさらに配合させることを特徴とする、該育毛外用剤の頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制する方法、である。
本発明において、前記育毛外用剤がさらに1,3−ブチレングリコールを含有する場合も実施可能である。
本発明において、前記育毛外用剤がさらにシクロデキストリンを含有する場合も実施可能である。
本発明において、前記炎症抑制のメカニズムは、前記育毛外用剤の適用部である頭皮細胞中におけるサイトカイン濃度の低下を含む場合も実施可能である。
本発明において、前記サイトカインが、TNF−α、IL−1β、及びIL−6のうち1種または2種以上である場合も実施可能である。
本発明は、ミノキシジル、エタノール、及び水に加えて、グリセリンをさらに配合することを特徴とする、頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制するための育毛外用剤である。
本発明において、前記炎症抑制のメカニズムは、前記育毛外用剤の適用部である頭皮細胞中におけるサイトカイン濃度の低下を含む育毛外用剤も実施可能である。
本発明において、前記サイトカインが、TNF−α、IL−1β、及びIL−6のうち1種または2種以上である育毛外用剤も実施可能である。
本発明によれば、ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的適用に伴って生じる炎症を抑制することができる。
図1は、実施例に係る実験に用いた刈毛マウスの代表写真である。 図2は、炎症性サイトカイン3種のうちTNF−αについて、上記サンプル1(プラセボ)、サンプル2(5w/v%ミノキシジル)、サンプル3(10w/v%ミノキシジル)、並びにサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)それぞれについて、マウス皮膚中のサイトカイン濃度の測定結果をグラフで表したものである。 図3は、炎症性サイトカイン3種のうちIL−1βについて、上記サンプル1(プラセボ)、サンプル2(5w/v%ミノキシジル)、サンプル3(10w/v%ミノキシジル)、並びにサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)それぞれについて、マウス皮膚中のサイトカイン濃度の測定結果をグラフで表したものである。 図4は、炎症性サイトカイン3種のうちIL−6について、上記サンプル1(プラセボ)、サンプル2(5w/v%ミノキシジル)、サンプル3(10w/v%ミノキシジル)、並びにサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)それぞれについて、マウス皮膚中のサイトカイン濃度の測定結果をグラフで表したものである。
〔ミノキシジルの含有量〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤におけるミノキシジルの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜10w/v%、より好ましくは1〜6w/v%の範囲であり、さらに好ましくは5w/v%である。ミノキシジルの含有量が0.5w/v%を下回ると十分な育毛効果が期待できず、逆に10w/v%を上回っても、それ以上の育毛効果が期待できない上、炎症等の副作用が発現し易くなる。
〔ミノキシジル以外の有効成分〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤の有効成分としては、ミノキシジルのみでも良いが、ミノキシジルに加えて、ピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、l−メントール、パントテニルエチルエーテルの中から選択される1種または2種以上がさらに配合されてもよい。ミノキシジル以外の有効成分を用いる場合の配合量については、ミノキシジル含有育毛外用剤に対し、l−メントールについては0.1〜0.5w/v%程度、トコフェロール酢酸エステルについては0.05〜0.10w/v%程度、ピリドキシン塩酸塩については0.01〜0.1w/v%、パントテニルエチルエーテルについては0.5〜2.0w/v%の範囲で適宜配合すればよい。
〔グリセリンの配合量〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤に配合するグリセリンの配合量は、特に限定されないが、好ましくは0.5〜10w/v%、より好ましくは1〜5w/v%、さらに好ましくは1〜2w/v%の範囲である。0.5w/v%を上回ることにより、ミノキシジルによる頭皮の炎症抑制効果が得られ易くなり、10w/v%を上回っても、それ以上の炎症抑制効果が期待しにくくなる。
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤に配合するミノキシジルとグリセリンの含有量比率(質量比)は、特に限定されないが、好ましくは10:1〜1:2、より好ましくは5:1〜1:1の範囲である。このような数値範囲とすることにより、ミノキシジル含有育毛外用剤の継続的使用に伴う炎症を効果的に抑制することができる。
〔グリセリン以外の多価アルコール〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤においては、グリセリン以外の多価アルコールを配合することができ、具体的には二価アルコールである1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、その他炭素数が6以下の低分子多価アルコールからなる群から選ばれる1種ないし2種以上の多価アルコールが使用できる。グリセリン以外の多価アルコールを配合する場合には、ミノキシジルの溶解性頭皮への浸透性の観点から、1,3−ブチレングリコールが特に好ましい。その配合量は特に限定されないが、好ましくは5〜40w/v%、より好ましくは8〜20w/v%、さらに好ましくは10〜12w/v%の範囲である。
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤に、グリセリン以外の多価アルコールとして1,3−ブチレングリコールを配合する場合、グリセリンと1,3−ブチレングリコールとの含有量比率(質量比)は特に限定されないが、育毛剤組成物の安定性、並びに炎症抑制効果の観点から、1,3−ブチレングリコールの含有量に対するグリセリンの含有量が、質量比で1/25以上1未満が好ましく、より好ましくは1/20以上1/4未満であり、さらに好ましくは1/15以上1/10未満である。
〔シクロデキストリン〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤においては、ミノキシジル等の溶解性を高める目的で、さらにシクロデキストリンを配合することが出来る。シクロデキストリンは、5分子以上のD−グルコースが、α−1,4グリコシド結合によって結合することによって環状構造を形成する化合物である。本発明で用いることが出来るデキストリンとしては、例えば、α-シクロデキストリン(D−グルコース6分子の結合体)、β-シクロデキストリン(D−グルコース7分子の結合体)、γ-シクロデキストリン(D−グルコース8分子の結合体)が挙げられ、この中でも特にβ-シクロデキストリンが好ましい。その配合量は特に限定されないが、溶解性の観点から、好ましくは0.01〜10w/v%、より好ましくは0.05〜5w/v%、さらに好ましくは0.08〜3w/v%である。
〔pH調整剤〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤においては、pH調整剤をさらに含有させることができ、例えば、クエン酸、乳酸、塩酸、リン酸、硫酸、リンゴ酸、並びにそれらの塩のうち、1種または2種以上を使用することができるが、育毛剤組成物の安定性等の観点から、特に乳酸の使用が好ましい。乳酸等のpH調整剤の使用量は、目的とするミノキシジル含有育毛外用剤のpH値に応じて決定すればよく、そのpH値は特に限定されないが、育毛剤組成物の安定性等の観点から、好ましくは5.0〜7.0であり、より好ましくは6.2〜6.5の範囲である。
〔エタノールの含有量〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤におけるエタノールの含有量は、特に限定されないが、ミノキシジルの溶解性並びに頭皮への浸透性の観点から、好ましくは10〜80w/v%、より好ましくは30〜60w/v%である。
〔水の含有量〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤における水の含有量は、特に限定されないが、ミノキシジルの溶解性並びに頭皮への浸透性の観点から、好ましくは10〜50w/v%、より好ましくは15〜30w/v%である。
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤におけるエタノールと水の含有量比率(質量比)は、特に限定されないが、ミノキシジルの溶解性並びに頭皮への浸透性の観点から、好ましくは5:1〜1:2、より好ましくは3:1〜1:1の範囲である。
〔その他の成分〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤においては、上記以外にも、本発明の作用効果を損なわない範囲において、その他の成分を適宜配合することができる。その他の成分として、非限定的な例としては、例えば、抗酸化剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、刺激軽減剤、安定化剤、防腐剤、着色剤、香料、溶解補助剤などが挙げられる。これらの各成分は1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされ使用されてもよい。また、目的の剤型に応じて、それに適した溶剤、噴射剤などを適宜配合することができ、その使用量もその目的に応じ適宜選択すればよい。
〔剤型、適用方法〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤の剤型、並びに患部への適用方法については、特に限定されず、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤など任意の剤型で、その剤型に応じた方法により適宜適用することができる。これら剤型のなかでも、液剤、乳剤、ローション剤がより好ましく、患部である頭皮への適用方法としては、塗布の方法がより好ましい。
〔適用回数、適用量〕
本発明のミノキシジル含有育毛外用剤の適用回数、及び適用量については、毛髪や頭皮の状態、年齢、性別などによって異なるが、例えば、1日1〜3回、好ましくは1〜2回程度、適量(例えば、0.1〜2mL、より好ましくは0.5〜1.0mL程度)を頭皮などの患部に適用すればよい。ミノキシジルの1日使用量については、例えば、1〜500mg程度となるように患部に適用すればよい。使用期間(日数)は、特に限定されないが、好ましくは7日間以上、より好ましくは10日間以上であり、育毛効果の発現に応じて適宜調整して使用すればよい。
〔炎症抑制のメカニズム〕
本発明における炎症抑制のメカニズムは、主に該育毛外用剤の適用部である頭皮細胞中におけるサイトカイン濃度の低下を主に想定したものである。サイトカインは、細胞から分泌される低分子のタンパク質よりなる生理活性物質で、その生理活性はその種類や産生する細胞によって区々であるが、細胞に存在する特定のレセプター(受容体)に作用することにより、細胞間相互作用に関与し、周囲の細胞に様々な影響を与えることが知られているが、特に炎症性サイトカインは、生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として知られている。
腫瘍壊死因子(TNF−α)は、炎症性サイトカインとして知られており、主にマクロファージにより産生され、免疫細胞の制御、発熱、悪液質、炎症、アポトーシスの誘導などに関わるが、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ミノキシジルによりその濃度が上昇し患部における炎症の原因となっていることを見出した。また、同じく炎症性サイトカインとして知られ、主にマクロファージにより産生されるインターロイキン(IL−1β、及びIL−6)についても同様に、ミノキシジルによりその濃度が上昇し患部における炎症の原因となっていることを見出した。
本発明者らがさらに鋭意検討を行った結果、驚くべきことに、ミノキシジル、エタノール、及び水を含有する育毛外用剤に、グリセリンをさらに配合させることによって、TNF−α、IL−1β、IL−6等の炎症性サイトカイン濃度を低下させ、該育毛外用剤の頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制できることを見出した。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
〔育毛外用剤サンプルの調製〕
本実施例(及び比較例)に用いる育毛外用剤として、以下の処方に係るサンプルを調製した。このうち、サンプル1はミノキシジルを含有しないプラセボサンプル、サンプル2,3はミノキシジルを含有するがグリセリンを含有しない比較サンプル、サンプル4はミノキシジル含有する育毛外用剤にグリセリンをさらに配合させた本発明の実施例に係るサンプルである。なお、これらの各配合成分の配合割合を示す数字は、当量計算でのw/v%を示しており、精製水については各サンプルの合計量が100mLとなるように調整した。
〔サンプル1〕
(w/v%)
1,3−ブチレングリコール 37
β−シクロデキストリン 0.09
乳酸(pH調整剤) pH5.0になるように適量
エタノール 32.7
精製水 バランス
100ml
〔サンプル2〕
(w/v%)
ミノキシジル 5
1,3−ブチレングリコール 37
β−シクロデキストリン 0.09
乳酸(pH調整剤) pH5.0になるように適量
エタノール 32.7
精製水 バランス
100ml
〔サンプル3〕
(w/v%)
ミノキシジル 10
1,3−ブチレングリコール 37
β−シクロデキストリン 0.09
乳酸(pH調整剤) pH5.0になるように適量
エタノール 32.7
精製水 バランス
100ml
〔サンプル4〕
(w/v%)
ミノキシジル 10
グリセリン 10
1,3−ブチレングリコール 37
β−シクロデキストリン 0.09
乳酸(pH調整剤) pH5.0になるように適量
エタノール 32.7
精製水 バランス
100ml
〔実験用マウスの調製〕
一般的な近交系実験用マウスであるC57BL/6マウス(♂、6週齢)を用意し、背部体毛を刈毛し、刈毛1日後より上記サンプル1(プラセボ)、サンプル2(5w/v%ミノキシジル)、サンプル3(10w/v%ミノキシジル)、並びにサンプル4(10w/v%ミノキシジル10w/v%+10w/v%グリセリン)のいずれかを、それぞれ1日1回、1匹あたり0.1mLを、10日間連続塗布した。図1は、本実験に用いた刈毛マウスの代表写真である。塗布終了翌日にマウス皮膚を採取後、液体窒素で瞬間凍結し、遺伝子解析まで−80℃で保管した。さらに、皮膚中の各炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6)の発現量を解析するために、上記冷凍皮膚サンプルからRNAを抽出し、リアルタイムPCR法によって各サイトカインの発現量を定量的に解析した。
〔実験結果〕
図2ないし図4は、炎症性サイトカイン3種(TNF−α、IL−1β、IL−6)それぞれについて、上記サンプル1(プラセボ)、サンプル2(5w/v%ミノキシジル)、サンプル3(10w/v%ミノキシジル)、並びにサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)それぞれについて、マウス皮膚中のサイトカイン濃度の測定結果をグラフで表したものである。なお、本実験は1サンプル当たり5匹のマウスを用いて行っており、図2ないし図4に示す数字(縦軸の値)はそれらの平均値を表している。
図2ないし図4の上記サンプル1(プラセボ)とサンプル2(5w/v%ミノキシジル)との比較から明らかなとおり、5w/v%ミノキシジルを含有する育毛剤を塗布したマウスは、いずれの炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6)においても、ミノキシジルを含有する場合に顕著に高い濃度を示すことが明らかとなった。これらの結果は、ミノキシジルが該育毛外用剤適用時の炎症を引き起こす原因物質であること、さらにそのメカニズムが炎症性サイトカインの増加によるものであることを示している。
図2ないし図4のサンプル3(10w/v%ミノキシジル)とサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)との比較から明らかなとおり、10w/v%グリセリンを含有するミノキシジル含有育毛外用剤を塗布したマウスは、いずれの炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6)においても、グリセリンを含有しないミノキシジル含有育毛外用剤を塗布したマウスと比較して、炎症性サイトカイン濃度が顕著に低くなることが明らかとなった。これらの結果は、ミノキシジル含有育毛外用剤に、グリセリンをさらに配合させることによって、TNF−α、IL−1β、IL−6等の炎症性サイトカイン濃度を低下させ、該育毛外用剤の頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制できることを示している。
図2ないし図4のサンプル4(10w/v%ミノキシジル+10w/v%グリセリン)では、いずれも10w/v%ミノキシジルに対して10w/v%グリセリンを更に配合させたサンプルを0.1mLずつ適用した場合のデータを示している。なお上記の実験では、炎症抑制効果を分かりやすくする目的で、全体的に通常想定される濃度の中でも高めの濃度に設定されているが、例えば、5w/v%ミノキシジルに対して5w/v%グリセリンを更に配合させたサンプルを適用した場合、並びに1w/v%ミノキシジルに対して1w/v%グリセリンを更に配合させたサンプルを適用した場合においても、無論、これと同様の結果となる。また、ここでは示していないが、ミノキシジルに対するグリセリンの配合比率を変更した場合、例えば5w/v%ミノキシジルに対して1w/v%グリセリンを更に配合させたサンプルを適用した場合においても、これと同様の傾向となる。

Claims (8)

  1. ミノキシジル、エタノール、及び水を含有する育毛外用剤に、グリセリンをさらに配合させることを特徴とする、該育毛外用剤の頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制する方法。
  2. 前記育毛外用剤がさらに1,3−ブチレングリコールを含有する、請求項1記載の炎症を抑制する方法。
  3. 前記育毛外用剤がさらにシクロデキストリンを含有する、請求項1または2記載の炎症を抑制する方法。
  4. 前記炎症抑制のメカニズムは、前記育毛外用剤の適用部である頭皮細胞中におけるサイトカイン濃度の低下を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の炎症を抑制する方法。
  5. 前記サイトカインが、TNF−α、IL−1β、及びIL−6のうち1種または2種以上である、請求項4記載の炎症を抑制する方法。
  6. ミノキシジル、エタノール、及び水に加えて、グリセリンをさらに配合することを特徴とする、頭皮への継続的適用に伴う炎症を抑制するための育毛外用剤。
  7. 前記炎症抑制のメカニズムが、前記育毛外用剤の適用部である頭皮細胞中におけるサイトカイン濃度の低下を含む、請求項6記載の育毛外用剤。
  8. 前記サイトカインが、TNF−α、IL−1β、及びIL−6のうち1種または2種以上である、請求項7記載の育毛外用剤。
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