JP2021133660A - 筆記ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】異物の侵入を抑制することができるとともに短時間で画像を消去することができ、且つ、筆記具を挿入可能なペン挿し付きの筆記ボードを提供する。【解決手段】可撓性を有するケース70と、ケース70内に配置された筆記シート10と、を備え、ケース70の側端に、筆記シート10に画像を記録するための筆記具を挿着可能なペン挿し部71を備え、筆記シート10は、粘着層37を有する第1シート30と、粘着層37に対面する非粘着層を有する第2シート50とを有し、粘着層37とマット面52aとが互いに密着することにより粘着層37とマット面52aとの密着部分に画像5が記録され、ケース70及び筆記シート10を共に撓ませることにより密着部分における粘着層37とマット面52aとが互いに剥離して画像5が消去される。【選択図】図1

Description

本発明は、筆記ボードに関する。
従来から、粘着性表面を有する基材と、その上に設けられた透明なカバーシートとから構成され、カバーシートの上から加圧することで、加圧された部分の基材とカバーシートとが密着し、密着部分に画像が記録できる筆記シートが知られている。また、非粘着性の基材と、その上に設けられた粘着性表面を有する透明なカバーシートとから構成される筆記シートも知られている。このような筆記シートは、基材とカバーシートとを引きはがすことによって画像が消去され、初期状態に復元することができる。したがって、記録と消去を繰り返し行うことができる。
特許文献1には、筆記棒の先端でシート状物の上面から筆記すると、このときの筆圧で台板の粘着面とシート状物が密着して筆跡部分が異色となる感圧書写板が開示されている。この感圧書写板において、筆跡の消去は以下のように行われる。消去機構の押圧レバーを押圧すると、消去機構の連結板の薄肉部が屈曲して、押圧レバーの両端から突設された作動板の先端が上昇する。両作動板の先端には揚杆が架け渡されており、揚杆は粘着面とシート状物との間に配置されている。したがって、作動板の先端の上昇に伴って揚杆も上昇し、これによりシート状物が粘着面から剥離される。
特許文献2には、インクを塗布した下紙を台板に固定保持させるとともに、半透明のフィルムシートの上紙を開口部および長孔をそれぞれ形成した上板に固定保持させ、この下紙と上紙に介在している摺動部材によって、下紙と上紙の圧着を剥離させることにより所望の文字や模様などの表示を消去できるマジックメモ器が開示されている。
特許文献3には、不透明シートと透明シートを透明シートが外面になるように重ね合わせて貼り付け、透明シートの一端縁を固着してヒンジ部とし前記不透明シートから分離可能とし、先端の尖った筆記具で透明シートの表面に文字を書くことの筆圧によって透明シートが不透明シートに密着してし文字等が現れるようにするとともに、前記透明シートの一部に筆記具を挿入可能な筒状部を形成した携帯電話用手控え用具が開示されている。
実公昭46−25522号公報 実開昭49−85228号公報 実用新案登録第3079142号公報
特許文献1に開示された感圧書写板では、粘着面とシート状物との間に配置された揚杆を用いてシート状物を粘着面から剥離するので、この剥離の際にシート状物と粘着面との間に比較的大きな隙間が生じる。したがって、大きく開いたシート状物と粘着面との隙間から塵埃等の異物が侵入し、粘着面に付着する虞があった。粘着面に異物が付着すると、当該異物によりシート状物と粘着面との密着が妨げられ、筆跡の視認性が低下し得る。また、シート状物を粘着面から剥離する際に、消去機構が設けられた側から反対側まで完全に筆跡が消去されるまでに時間がかかっていた。
また、特許文献2に開示されたマジックメモ器では、表示された文字や模様を消去する際に、摺動部材を下紙と上紙との間で摺動させる必要がある。この場合、摺動部材が下紙及び上紙と擦れ合うことにより、マジックメモ器を繰り返し使用することによって、下紙表面の粘着力が低下し、文字や模様の記録の安定性が低下する虞がある。
一方、特許文献3に開示された携帯電話用手控え用具では、透明シート上に筆記する際に使用する筆記具が携帯電話用手控え用具の一端縁に挿入可能であるため便利であるが、筆記具の挿入部となる筒状部を筆記面となる透明シートの一部を変形させて形成していることから、筆記時に手が筒状部に接触してしまうと、筆記面に歪みを生じさせ、筆記した部分の透明シートと非透明シートとの密着部に影響を与えて筆跡の一部が消去される虞があり、また、筒状部が筆記面の一端縁から上方(法線方向)へ突出するように形成されていることから、筆記時に手が筒状部に触れることで筆記し難くなる虞があった。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、異物の侵入を抑制することができるとともに短時間で画像を消去することができ、且つ、筆記具を挿着可能なペン挿し部を備えた筆記ボードを提供することを目的とする。
本発明による筆記ボードは、
可撓性を有するケースと、前記ケース内に配置された筆記シートと、を備え、
前記筆記シートは、粘着層を有する第1シートと、当該第1シートに隣接し少なくとも表面に非粘着層を有する第2シートとを備え、前記第1シートと前記第2シートとが互いに密着することで当該第1シートと当該第2シートとの密着部分に画像が記録され、
前記ケースの側端に、前記筆記シートに画像を記録するための筆記具を挿着可能なペン挿し部を備え、
前記ケース及び前記シートを共に撓ませることで、前記密着部分における第1シートと第2シートとが互いに剥離して前記画像が消去される。
本発明による筆記ボードにおいて、
前記ペン挿し部は、前記筆記具が少なくとも2方向から挿入可能な複数の挿入部を有していてもよい。
本発明による筆記ボードにおいて、
前記ペン挿し部は、内部に何も挿入していない状態では、前記挿入部が閉口して平面状になるようにしてもよい。
本発明による筆記ボードにおいて、
前記ケースが、前記筆記シートを着脱自在に装着するためのシート装着口を備えていてもよい。
本発明によれば、異物の侵入を抑制することができるとともに、短時間で画像を消去することができ、且つ、筆記具を挿着可能なペン挿し部を備えた筆記ボードを提供することができる。
図1は、本発明による第1実施形態を説明するための図であって、筆記シートとペン挿し部を有するケースとを備えた筆記ボードの一例を示す斜視図である。 図2は、図1の筆記ボードの平面図である。 図3は、筆記ボードに組み込まれる筆記シートを示す断面図である。 図4は、筆記シートの第1シート及び第2シートの一例を示す断面図である。 図5は、図2のB−B線に対応するケースの断面を示す断面図である。 図6は図1の筆記ボードにペン(筆記具)を挿着した状態を示す斜視図である。 図7は、図6のC−C線に対応する筆記ボードの端面を示す端面図である。 図8は、図1の筆記ボードの底面図である。 図9は、図8からペン(筆記具)を取り外した状態を示す端面図である。 図10は、図2のA−A線に対応する筆記ボードの断面を示す図であり、筆記ボードにおける画像の記録方法を説明するための図である。 図11は、筆記ボードにおける画像の消去方法を説明するための図である。 図12は、筆記シートの一変形例を示す断面図である。 図13は、図1の筆記ボードのケースから筆記シートを取り外す方法を説明するための図である。 図14は、図13のD−D線に対応して筆記ボード1の断面を示す断面図である。 図15は、本発明による第2実勢形態を説明するための図であって、筆記シートとペン挿し部を有するケースとを備えた筆記ボードの一例を示す底面図である。 図16は、図15のE−E線に対応する端面を示した端面図である。 図17は、図16の筆記ボードに対応してペン挿し部の挿入部を開口した状態を説明するための図である。 図18は、本発明による第3実勢形態を説明するための図であって、筆記シートとペン挿し部を有するケースとを備えた筆記ボードの一例を示す底面図である。 図19は、図18のF−F線に対応して筆記ボードの端面を示す端面図である。 図20は、図18の筆記ボードに対応してペン挿し部の挿入部を開口した状態を説明するための図である。 図21は、図20のG−G線に対応して筆記ボードの端面を示す端面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において、「シート」、「板」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は、「板」や「フィルム」と呼ばれ得るような部材も含む概念である。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。また、シート状(板状、フィルム状)の部材に対して用いる法線方向とは、当該部材のシート面(板面、フィルム面)に対する法線方向のことを指す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
第1実施形態
図1〜図9は、本発明による第1実施形態を説明するための図である。このうち図1は、筆記シート10と、ペン7(筆記具)を挿着可能なペン挿し部71を有するケース70と、を備えた筆記ボード1の一例を示す斜視図であり、図2は、筆記ボード1を示す平面図である。
図1及び図2に示されているように、筆記ボード1は、筆記シート10とペン7(筆記具)を挿着可能なペン挿し部71を有するケース70とを備えている。筆記シート10は、ケース70内に着脱自在に収容されている。このペン挿し付きの筆記ボード1においては、使用者が例えばペン7により筆記シート10の筆記面(後述の第2面10b)に圧力を付与することにより、ペン7の筆跡に対応した画像5が筆記ボード1に記録される。また、筆記ボード1は、全体として可撓性を有しており、使用者が筆記ボード1を撓ませることにより、筆記シート10とケース70とが共に撓んで、画像5を消去することが可能である。したがって、使用者は、筆記ボード1を利用して画像5の記録及び消去を繰り返して行うことができる。画像5の記録に用いられるペン7は、筆跡を形成するためのインキや芯を有している必要がない。このような筆記ボード1によれば、筆記具のインキや芯、紙等を消費することなく、画像5を繰り返し記録することができる。さらに、ケース70にペン挿し部71を備えているため、ペン挿し部71にペン7を挿着でき、筆記ボード1とペン7とをまとめて持ち運ぶことができる。したがって、必要な時にすぐにペン7をペン挿し部71から取り外して使用できるとともに、ペン7を紛失することを防止することができる。また、ペン挿し部71を把持することによりケース70をしっかり把持できることから、筆記ボード1を撓ませる際に力を掛けやすく、結果として、筆記ボード1における画像5の消去を容易に行うことができる。
図3及び図4を参照して、筆記シート10について説明する。図3は、筆記シート10を示す断面図であり、図4は、筆記シート10の第1シート30及び第2シート50の一例を示す断面図である。筆記シート10は、第1シート30及び第2シート50を備えている。第1シート30は粘着層37を有しており、第2シート50は粘着層37に対面するマット面52aを有している。この筆記シート10は、画像5を記録する前の初期状態では、第1シート30と第2シート50とが密着しておらず、第1シート30と第2シート50との間には空気層が存在する。画像5を記録する場合には、第2シート50の上方から所望の部分に加圧する。加圧された部分の直下で第1シート30と第2シート50とが密着する。とりわけ第1シート30の粘着層37と第2シート50のマット面52aとが密着する。その結果、第1シート30と第2シート50との間に存在していた空気層が実質的になくなり、第2シート50のマット面52aにおける光の屈折率が変化する。この結果、未加圧部分のマット面52aにおける光の屈折率と、加圧部分のマット面52aにおける光の屈折率が互いに異なるようになり、未加圧部分と加圧部分との間にコントラストが生じることにより筆記シート10に画像5が記録される。一般的には、加圧された部分では第1シート30の色彩が第2シート50上部から認識できるようになる。加圧する方法は任意であり、樹脂材料等で形成されたペン7で文字状に加圧して筆跡を形成したり、スタンプのようなレリーフを押しつけて当該レリーフに形成された模様を転写する方法等が含まれる。そして、第2シート50が第1シート30から剥離されることによって、第1シート30と第2シート50との間に再び空気層が生じて、画像5が消去される。本実施の形態では、後述するように、第1シート30及び第2シート50を共に撓ませることにより密着部分における粘着層37とマット面52aとを互いに剥離させて画像5を消去する。このようにして、本実施の形態による筆記シート10では、画像5の記録と消去とを繰り返し行うことができる。
本実施の形態の筆記シート10の構成について、以下に詳細に説明していく。図3に示された例では、筆記シート10は、背面側積層体20と前面側積層体40とを有している。背面側積層体20は、第1シート30、背面カバーフィルム22、及び第1シート30と背面カバーフィルム22とを互いに固定する接着層24を含んでいる。前面側積層体40は、第2シート50、前面カバーフィルム42、及び、第2シート50と前面カバーフィルム42とを互いに固定する接着層44を含んでいる。筆記シート10は、第1面10aと、第1面10aと反対側を向く第2面10bとを有している。図1及び図3に示された例では、第2面10bは、筆記シート10に画像5を記録する際に、ペン、レリーフ等が接触する面である。本明細書では、第1面10aを「背面」、第2面10bを「前面」、とそれぞれ呼称することがある。また、筆記シート10において、筆記シート10の法線方向に沿って第1面10aに近接する側を「背面側」、第2面10bに近接する側を「前面側」、とそれぞれ呼称することがある。
背面カバーフィルム22は、背面側から第1シート30及び第2シート50を保護するフィルム状の部材である。本実施の形態では、背面カバーフィルム22が筆記シート10の第1面10aを形成する。接着層24は、第1シート30と背面カバーフィルム22とを互いに固定する機能を有する。背面カバーフィルム22の材料は特に限定されないが、例えば樹脂材料を用いることができる。接着層24の材料も特に限定されないが、種々の接着剤や粘着剤を用いることができる。本実施の形態では、背面カバーフィルム22及び接着層24は、光透過性を有した材料で形成されるが、背面カバーフィルム22及び接着層24においては、光透過性は必須ではない。
前面カバーフィルム42は、前面側から第1シート30及び第2シート50を保護するフィルム状の部材である。本実施の形態では、前面カバーフィルム42が筆記シート10の第2面10bを形成する。接着層44は、第2シート50と前面カバーフィルム42とを互いに固定する機能を有する。前面カバーフィルム42及び接着層44は、当該前面カバーフィルム42及び接着層44を通して、第2シート50のマット面52aと第1シート30の粘着層37との密着した部分で形成される画像5を視認することができるよう、光透過性を有した材料で形成される。前面カバーフィルム42の材料は特に限定されないが、例えば光透過性を有した樹脂材料を用いることができる。前面カバーフィルム42は、筆記シート10への画像5の記録の際に、ペン7やレリーフから、筆記シート10の法線方向に沿った力を受ける。また、とりわけペン7を用いて画像5を記録する場合には、前面カバーフィルム42は、ペン7のペン先により筆記シート10のシート面に沿って擦過される。したがって、前面カバーフィルム42は、ペン7やレリーフから受ける力やペン7による擦過に対する十分な耐久力を有した材料で形成されることが望ましい。接着層44の材料は特に限定されないが、光透過性を有した種々の接着剤や粘着剤を用いることができる。
図3に示された例では、筆記シート10のシート面に沿った両端部(図3では左右の両端部)において、接着層24及び接着層44により、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されている。本実施の形態では、筆記シート10の法線方向から見たときに、すなわち平面視において、筆記シート10は2組の対辺を有する矩形形状を有しており、2組の対辺のうちの1組の対辺においては背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されており、他の1組の対辺においては背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていない。
次に、第1シート30及び第2シート50について説明する。本発明に用いられる第1シート30は、粘着層37を具備してなる。とりわけ、本実施の形態では、第1シート30は、有色層32を有する支持体31と、第2シート50に対向する粘着層37と、を有する。なお、第1シート30において、有色層32は必須の構成ではない。粘着層37は、画像記録時に第2シート50と密着する層であり、密着することによって、例えば支持体31の色彩が筆記シート10の第2面(前面)10bを介して観察できるようになる。
粘着層37は支持体31の少なくとも一方の面に形成される。支持体31の両側面にそれぞれ粘着層37を設けて、それぞれの面に対向する2枚の第2シート50を組み合わせれば、前面と背面の両方に記録可能な筆記シート10とすることもできる。
ここで支持体31は特に限定されないが、画像記録時に筆記シート10の表面から観察される画像のコントラストを高く保つために、着色されていることが必要である。また、筆記シート10に物理的に十分な強度を付与するために、支持体31には強度も要求される。
このような観点から、図4に示すように、ひとつの実施形態において、基材層33と有色層32とを具備する支持体31を用いることができる。物理的に十分な強度を有する基材層33を用いることで、コストや色彩に応じて種々の有色層32を選択することが可能となる。このとき、基材層33は十分な物理的強度を有するものが好ましく、従来知られている任意の材料から選択することができる。例えば、ポリオレフィン樹脂やポリエステル樹脂から選択することができ、より具体的には、(i)ポリオレフィン樹脂基材としては、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などから、(ii)ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などから選択することができる。これらのうち、ポリエステル系樹脂が好ましく、強度や加工性の点からPET樹脂が特に好ましい。なお、支持体31は、有色層32のみから構成されていてもよい。
これら基材層33の表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、下塗り剤の塗布(下塗り層の形成)等の、従来公知の表面処理が施されていてもよい。
基材層33の厚さは、特に限定されないが、物理的に十分な強度を達成するために、厚さが50〜250μmであることが好ましい。これらの基材層33は、無色透明であっても、有色透明であっても、また不透明であってもよい。基材層33が無色透明である場合には、有色層32と積層されていることが好ましい。いずれの場合においても、支持体31は、全体として不透明であることが好ましい。なお、本発明において不透明であるとは、400〜760nmの波長領域全体にわたって、透過率が80%未満、好ましくは60%未満であることをいう。一方で無色透明であるとは、その波長領域の全領域に渡って、透過率が80%以上、好ましくは90%以上であることをいう。さらに有色透明とは、その波長領域の一部に透過率が80%未満の領域があることをいう。なお、本明細書において、「〜」を用いて示される数値範囲には、その両端の数値を含むものとする。例えば「50〜250μm」とは、「50μm以上250μm以下」を指すものとする。
支持体31を不透明とするために、有色層32を用いる場合には、有色層32は、着色されたシート状材料などを透明な基材層33と貼り合わせてもよいし、透明な基材層33の表面に有色層32を塗布して形成させてもよい。
着色されたシート状材料としては、例えば着色された紙、染色された樹脂基材、着色粒子が分散された樹脂材料からなる基材、着色された繊維集合体などが挙げられる。有色層32を塗布により形成させる場合には、着色された粒子が分散されたバインダーを含む組成物を塗布し、さらに乾燥または硬化させて、有色層32を形成させることができる。着色された粒子とは、無機顔料粒子、金属粉、金属酸化物粉などが挙げられる。
なお、支持体31として金属板または有色層32として金属層を具備する支持体31を用いることもできる。このような金属様表面を支持体31に用いた場合には、特殊な効果を得ることができる。この場合には、筆記により得られる画像のコントラストは比較的低い。ところが、その記録画像を複写機により複写すると、コントラストの高い画像が複写される。このような効果を利用することで、すかし絵の効果を得ることができる。
支持体31の前面側の表面は平滑性が高いことが好ましい。その面の上には、後述するように粘着層37が設けられるが、最終的にこの粘着層37の表面の平滑性が高いことが好ましいので、その下地となる支持体31の前面側の表面も平滑性が高いことが好ましい。このような観点から、支持体31の前面側の表面は、樹脂製の基材層33であることが好ましい。したがって、支持体31が基材層33と有色層32とが積層された構造を有する場合には、図4に示すように、有色層32は第2シート50が対向する面とは反対側の面に形成されることが好ましい。
第1シート30は粘着層37を具備する。この粘着層37を第1シート30の表面に形成するのに先だって、支持体31と粘着層37との接着性を改善するために、中間層35を設けることができる。筆記シート10は、使用に際して、粘着層37と第2シート50との密着と剥離を繰り返すため、粘着層37が第1シート30表面から剥離することがあるが、中間層35を設けることでこのような問題を改善することができ、また筆記シート10の保存安定性を改良することもできる。
中間層35に用いる材料としてはポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの各種樹脂が挙げられる。この中間層35は、たとえばポリエステル樹脂によって形成することができる。中間層35の厚さは、厚くすることによって支持体31と粘着層37との接着性を改良でき、薄くすることで画像記録時に支持体31の色彩が再現されやすくなる。このような観点から、中間層35の厚さは0.05〜1.0μmであることが好ましい。
本発明に用いられる第1シート30において、支持体31の表面に直接、または表面の上に中間層35を介して、粘着層37が形成されている。粘着層37は、画像記録時に第2シート50と密着することによって、画像が記録される。したがって、画像の記録安定性の観点からは、粘着力が高いことが好ましいが、過度に高いと、消去時に第2シート50の剥離が困難になったり、剥離の際に不快な音を発生したり、粘着層37または第2シート50を損傷する可能性がある。さらには、筆記シート10を放置している状態にもかかわらず、第2シート50と粘着層37とが密着してしまい、意図しない画像が記録されることもある。このため、粘着層37の粘着力は、1.0〜5.0N/mであることが好ましく、1.5〜4.0N/mであることがより好ましい。ここで粘着力は、JISZ0237 方法1に示された、試験板に対する180°引き剥がし粘着力測定に従って測定することができる。
このような粘着層37は、一般的には、粘着剤組成物に、必要に応じて触媒などを混合してから、支持体31または基材層33に、必要に応じて中間層35を介して塗布し、加熱などを行って反応させることによって形成させる。
粘着層37の材料として、従来知られている粘着剤から任意のものを選択することができる。
このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤等の各種粘着剤が挙げられる。
これらのうち、シリコーン系粘着剤は、主骨格がシロキサン結合を主体したポリマーを主成分とするものである。シリコーン系粘着剤は、適当な粘着性を示すものが多く、また耐薬品性、耐水性、耐熱性に優れているので好ましい。さらに、シリコーン系粘着剤は、圧力による粘着力変化が小さいことも好ましい理由である。また、ウレタン系粘着剤は、イソシアネート化合物とヒドロキシ化合物を縮合させたポリマーを主成分とするものである。剥離性にすぐれているので好ましい粘着剤であるが、粘着力がシリコーン系粘着剤よりも高いことが多く、粘着性の調整が必要な場合がある。また、ウレタン系粘着剤を用いると、画像記録時に加える圧力に依存して、第2シート50と粘着層37との粘着力が変わる傾向にある。このため、第2シート50の剥離に要する力の均一性や、記録される画像のコントラストの均一性が重視される場合には、シリコーン系粘着剤を用いることが好ましい。
このような方法に用いられる粘着剤は、種々のものが市販されており、それらから好適なものを選択して使用することができる。具体的には、シリコーン系粘着剤としては、LTC755、SD4580PSAなど(いずれも商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、KR3700、KR3701、KR3704(いずれも商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられ、これに組み合わせる触媒としては、NC−25 Catalyst(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社より販売)、CAT−PL−50T(商品名、信越化学工業株式会社より販売)が挙げられる。また、ウレタン系粘着剤としては、サイアバインシリーズSH−101M、SH−101、SP−205(いずれも商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられ、それに組み合わせる触媒としてはサイアバイン T501B(多官能イソシアネート系架橋剤)(商品名、トーヨーケム株式会社より販売)が挙げられる。
シリコーン系粘着剤に組み合わせる触媒は、架橋密度を調整することができるので白金を含む貴金属触媒が好ましく、特に白金−ルテニウム合金、白金−パラジウム合金、白金−チタニウム合金等が好適に用いられる。
粘着剤組成物を塗布する方法は特に限定されず、例えば、グラビアロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の、従来公知のコーターを用いて行うことができる。あるいは、含浸やカーテンコート法等により粘着剤組成物を塗布してもよい。
塗布後、架橋反応を促進させ、製造効率を向上させるために、加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、一般的には40〜150℃、好ましくは60〜130℃の範囲から選択される。
粘着層37の厚さは、厚いほうが第2シート50と密着しやすく、薄いほうが画像記録時に支持体31の色彩が再現されやすく、また生産コストが低くなる。このため、粘着層37の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。また、粘着層37の表面は、平滑であることが好ましい。
なお、粘着層37が着色されていてもよい。支持体31の色彩と粘着層37の色彩とを異なったものとすることによって、粘着層37の色彩と支持体31の色彩とで合成された色彩で画像を記録することが可能になる。また、支持体31の色彩と粘着層37の色彩とを同じものとすることによって、粘着層37の色濃度と支持体31の色濃度との組み合わせでより濃度の高い色濃度で画像を記録することが可能になる。またさらには、粘着層37に有色層の機能を持たせることもできる。すなわち粘着層37に高濃度の色彩を付与することで、有色層32を別途設けることを省略することも可能である。
本発明に用いられる第2シート50は、粘着層37と密着した際に、第1シート30の色彩が筆記シート10の表面から観察できる必要がある。このため、第2シート50として光透過性の第2シートを用いる必要がある。ここで、光透過性の第2シートとは、上面からその下にある支持体31の色または模様が識別できるものをいう。一般的には第2シート50は無色透明であることが好ましい。第2シート50が400〜760nmの波長範囲全体にわたって高い透過率を有することにより、第1シート30に施された着色に忠実な画像記録が可能となる。ただし、第2シート50に着色することも可能である。400〜760nmの波長範囲の一部に透過性がある基材54を用いれば、第1シート30に施された色彩と異なった色彩で画像を記録することが可能となる。さらに、第2シート50にメタリック顔料を含ませることによって、特徴的な色彩表現が可能となる場合もある。
このような第2シート50は、一般的には透明な基材54を具備してなる。第2シート50には透明性だけでなく、物理的強度も要求されるため、前記した支持体31において例示した材料からなる基材54が好ましく用いられる。第2シート50に着色する場合には、そのような透明な基材54に有色層を積層することができる。なお、この場合の有色は、支持体31に含まれる有色層32とは独立したものである。
本発明において第2シート50の背面側の表面には非粘着層であるマット面52aが形成されている。このマット面52aの表面形状によって、筆記シート10の特性が大きく変動する。
本発明による筆記シート10において、マット面52aの算術平均高さSaが大きいとマット調表現が容易となり、また筆記シート10を放置しても、第2シート50と粘着層37とが密着してしまうことが少なく、Saが小さいとコントラストの高い画像が記録できる傾向にある。このような観点から、本発明において、マット面52aの算術平均高さSaは0.10〜0.50μmであり、0.15〜0.30μmであることが好ましい。
なお、算術平均高さSaは三次元粗さ計によって測定することができる。具体的には、これらの測定にはレーザー顕微鏡 LEXT−OLS4100(商品名、オリンパス株式会社製を用いることができる。
さらにマット面52aに存在する凹凸は、画像記録をする前の状態で、粘着層37と第2シート50が密着することを防ぎ、また画像記録の際には粘着層37と第2シート50との間の密着性を適切に維持し、さらに画像消去の際には容易に剥離が可能となる。このようなマット面52aとするためには、ヘーズ値が70〜95%であることが好ましい。ヘーズ値はヘーズメーター TC−HIII(商品名 有限会社東京電色社製)により測定することができる。
第2シート50の背面側の表面にマット面52aを形成する方法は特に限定されないが、第2シート50の主たる構造物である基材54の表面を、直接的に食刻する方法、凹凸を有する基材と積層する方法、微粒子が分散された樹脂組成物を基材表面に塗布し、乾燥または硬化させて凹凸のある面を形成させる方法、加熱などにより気泡を生じる化合物を含む組成物を基材表面に塗布し、加熱などによって組成物層の中に気泡を生じさせて表面に凹凸を形成させる方法などが挙げられる。また、基材54として、微粒子が分散された樹脂組成物を基材状に成形することによっても、表面にマット面52aが形成された第2シート50を得ることができる。
これらのうち、マット面52aの粗さの制御が容易であることから、微粒子を分散させた樹脂組成物を用いることが好ましい。特に、シリカなどの透明性の高い微粒子が分散された樹脂組成物を基材54の表面に塗布し、加熱して樹脂を硬化させる方法が、品質の安定性やカバー基材の特性の面から好ましく採用される。微粒子は、有機材料であっても無機材料であってもよい。微粒子に用いる有機材料としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂などが挙げられる。また、微粒子に用いる無機材料としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、金属フレーク、金属酸化物フレークなどが挙げられる。これらのうち、特にマイカ、金属フレークまたは金属酸化物フレークを用いると、画像記録時に生じる色がメタリック色となり、美麗な画像が記録されるという特徴がある。なお、この場合には、有色層32を濃度の高い色、典型的には黒とすることで、コントラストが大きくなり、メタリック色がより美麗に観察されるので好ましい。
これらの微粒子の平均粒子径は0.05〜5.0μmであることが好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折法(原理)により、体積基準で測定したものであり、例えばMICROTRAC9320−X100(Honeywell社製)により測定することができる。
また、組成物のバインダーとして用いられる樹脂としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、アクリルメラミン樹脂、ポリエステルメラミン樹脂、アクリルウレタン樹脂などは物理的強度および光学特性の面で優れていると考えられ、好ましく用いられる。
さらにこれらを溶解または分散させる溶媒としては、トルエンやメチルエチルケトンなどが挙げられる。
図4には、いずれかの方法によって基材54の背面側の表面に、マット面52aを有するマット層52が積層された構造が図示されている。
また、基材54の表面を直接的に食刻する方法には、物理的方法と化学的方法とがある。このうち物理的方法は、比較的工程が単純であり、より細かい凹凸を形成させることができるので好ましい。物理的に基材表面を食刻する方法としては、サンドブラスト法や、スクラッチ法が挙げられる。
本発明において、第2シート50のマット面52aの硬度は、高いことが好ましい。具体的には、鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4)がF以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましい。本発明者らの検討によれば、筆記シート10において、画像を記録した後に消去した場合、第2シート50に画像の痕跡が残ることがあった。この結果、その後に記録される画像のコントラスト低下が起きてしまう。ところが、本願発明において、マット面52aの硬度を適当に設定することによって、そのような問題が改善され、このようなコントラスト低下が抑制される。さらには、第2シート50と粘着層37との粘着性が適切となって、画像の記録および消去を容易にすることもできる。
本実施の形態では、第2シート50は、マット面52aを形成した面と反対側の面に、保護層56を具備している。なお、本実施の形態において、保護層56は必須の構成ではなく、保護層56を省略することも可能である。
第2シート50の厚さは、十分な光透過性、好ましくは高い透明性を達成し、かつ画像記録の際の圧力を第2シート50と粘着層37との界面に伝達するためには薄いことが好ましく、物理的強度を高くするためには厚いことが好ましい。このような観点から、第2シート50を構成する主たる基材54の厚さは38〜100μmであることが好ましく、50〜75μmであることがより好ましい。また、マット層52を設ける場合、目的とする表面粗さを得るにはマット層52を厚くすることが好ましく、第2シート50の透明性を維持するためにはマット層52が薄いことが好ましい。このような観点から、マット層52の厚さは2〜20μmであることが好ましく、5〜10μmであることがより好ましい。また、保護層56を設ける場合、保護層56の厚さは0〜100μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。
次に、図1及び図2を参照して、ケース70について説明する。ケース70は、筆記シート10の第1面10a及び側面の全体を覆うとともに、筆記シート10の第2面10bの周辺部分を覆っている。これにより、筆記シート10の側面から筆記シート10内、とりわけ第1シート30と第2シート50との間、に塵埃等の異物が侵入することを効果的に抑制することができる。図示された例では、ケース70は、平面視において矩形状の輪郭を有している。なお、「矩形状」とは、平面視において矩形の角部が直線状又は曲線状又は直線と曲線が組み合わされた段状に面取りされている形状をも含む。とりわけ図2に示された例では、ケース70は、平面視において一方の角部(図2における左側の角部)が曲線状に面取りされ、他方の角部(図2における右側)が直線と曲線が組み合わされた段状に切り欠かれた矩形状の輪郭を有している。ケース70は、筆記シート10の第1面10a側に位置する部材と第2面10bに位置する部材とを周縁部において貼合線90(図2の仮想線部)に沿って互いに貼り合わせることにより形成されている。尚、貼り合わせる手段としては接着、縫着、溶着、融着等の手段を用いることができ、ケース70を構成する材料に応じて適宜選択して貼り合わせればよい。
ケース70は、可撓性を有している。これにより、筆記ボード1は、ケース70内に筆記シート10を収容した状態で撓むことができる。換言すると、ケース70は、筆記シート10とともに撓むことができる。そして、ケース70及び筆記シート10が共に撓むことにより、第1シート30の粘着層37と第2シート50のマット面52aとの密着部分において、粘着層37とマット面52aとが互いに剥離して画像5が消去される。このようなケース70を有する筆記ボード1によれば、筆記ボード1が持ちやすくなり、画像5を消去する際の作業性が向上する。また、筆記ボード1が落下した際に、ケース70が筆記シート10を落下の衝撃から保護することができるので、筆記シート10の破損が抑制される。ケース70は、例えば射出成型によって作製することができる。ケース70の材料としては、例えば、シリコーンゴム、エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)や、ステンレス等の金属を挙げることができる。
本実施形態のケース70は、筆記シート10の第1面10a側に位置する第1面側シート77と、筆記シート10の第2面10b側に位置する第2面側シート78とを有しており、第2面側シート78には開口部72を有している。開口部72は、第2面側シート78に設けられた貫通孔である。図示された例では、開口部72は、平面視において矩形状の輪郭を有している。筆記シート10の第2面10bの少なくとも一部は、開口部72から露出している。これにより、図1に示されているように、本実施形態の筆記ボード1では、開口部72を介して筆記シート10への画像5の記録が可能となっている。
図5は、図2のV−V線に対応するケース70の断面を示す図である。図5に示された例では、開口部72の輪郭を形成する内縁部74の内面側の角部に、面取り部76が設けられている。図示された例では、面取り部76は、内縁部74における、筆記シート10と対面する内面側の角部が曲線状に面取りされている。換言すると、内縁部74の内面側の角部が丸められている。なお、これに限られず、面取り部76は、図5に示された断面において、直線状に面取りされていてもよい。ケース70がこのような面取り部76を有していることにより、筆記ボード1を組み立てるために筆記シート10をケース70に挿入する際に、面取り部76によりケース70の内縁部に筆記シート10が引っかかることを防止できることから、筆記シート10をケース70内に容易に挿入することができる。したがって、筆記ボード1の組み立てにおける作業性が向上する。また、使用者が筆記シート10を交換する際にも、交換の作業性が向上する。さらに、ケース70を射出成型で製造する場合には、金型からの離型性が向上する。また、ケース70の質感及びデザイン性の向上にも寄与する。さらにまた、筆記シート10に記録された画像5を消去するために、使用者が筆記ボード1を撓ませた際に、ケース70が筆記シート10の第2面10bを傷つけにくい。
なお、開口部72には、ペン7等による筆記シート10の筆記面(第2面10b)への画像5の記録を妨げない限りにおいて、透明フィルム等の保護部材が設けられてもよい。例えば、筆記シート10に対面する内面側や、当該内面側と反対側である外面側から、開口部72の全体を覆うような保護部材が設けられてもよい。また、保護部材により、開口部72が密閉されてもよい。この場合、筆記シート10は、保護部材を含むケース70に密閉され得る。このような保護部材を有していると、ケース70内への塵埃等の異物の侵入が妨げられる。これにより、筆記シート10の側面から筆記シート10内、とりわけ第1シート30と第2シート50との間、に塵埃等の異物が侵入することを、より効果的に抑制することができる。
図6は、図1の筆記ボード1にペン7を挿着した状態を示す斜視図であり、図7は、図6のC−C線に対応する端面を示す端面図であり、図8は、図7においてペン7をペン挿し部71から取り外した状態を示す端面図である。
図1、図2、図6から図8に示すように、ケース70は、一方の側端部に断面が輪状に形成されたペン挿し部71を有している。ペン挿し部71の両端部にはペン7を着脱自在に挿入可能な複数の挿入部73(第1挿入部73a、第2挿入部73b)が形成され、第1挿入部73aは第2挿入部73bとトンネル状に連通すると共に各々の挿入部は端部が段状に切り欠かれ、ペン7が着脱(抜き差し)し易い形状になっている。これにより、ペン7を挿入部73に容易に挿入・挿着することができ、必要な時にペン7をすぐに取り外すことで効率的に筆記を開始することができる。さらに、ペン挿し部71にはペン7を挿入するための挿入部が複数形成されているため、使用時にペン挿し付き筆記ボード1のペン挿し部71が使用者にとって上下左右どちらの方向に配置されても複数の方向からペン7を着脱できることから、利き手や好みに合わせて自由に挿入方向を選択できる。このため利便性が向上する。さらにまた、図8に示すように、ペン挿し部71にペン7を含め何も挿入・挿着されていない状態では、各挿入部が閉口して平面状になるように構成してもよく、この場合、筆記時に手がペン挿し部71に触れることで筆跡に影響ができることを効果的に防止できる。尚、ペン挿し部71内部に何も挿着されていない状態で挿入部73が開口している場合でもケース70は可撓性を有しているため、筆記時にペン挿し部71に手の一部が当たってもペン挿し部71が変形してつぶれるため、筆記時における筆跡への影響を最小限にすることができる。
図9は、筆記ボード1の底面を示す底面図を示す図である。図9に示された例では、ケース70の第1面側シート77にはシート装着口75を有している。シート装着口75は、第1面側シート77に設けられ当該シート77の内面まで貫通するスリットである。図示された例では、シート装着口75は、シート70のペン挿し部71が形成された側端部側(図9における右側)に配置されると共に、側端部に並行して直線的に設けられていてもよい。また、使用時においては筆記シート10がシート70から抜け難くするとともに、必要に応じてシート70から筆記シート10を取り外して交換できるよう、ケース70におけるシート装着口75を配置する位置はシート10をケース70内に装着した状態において、シート10の端部より中心側(図9における左側)に位置するよう配置することが好ましい。この場合、使用時においては筆記シート10がシート70から抜け難くするとともに、必要に応じてシート70から筆記シート10を取り外して交換や筆記シート10単体で使用できる。なお、シート装着口75は筆記シート10を着脱するとき以外は開口している必要がないことから、開口部が開閉自在になるようチャックやボタンなどにより構成された開閉構造を備えていてもよい。
次に、図10及び図11を参照して、本実施の形態の筆記ボード1における画像5の記録方法及び消去方法について説明する。図10は、筆記ボード1における画像5の記録方法を説明するための図であり、とりわけ図1のA−A線に対応して筆記ボード1を示す断面図である。図11は、筆記ボード1における画像5の消去方法を説明するための図であり、図10の筆記ボード1を撓ませた状態で示す断面図である。図10及び図11では、背面側積層体20及び前面側積層体40が、それぞれ簡略化した断面で示されている。また、図11では、撓む前の筆記ボード1が仮想線(二点鎖線)で示されている。なお、図11で仮想線で示された撓む前の筆記ボード1は、図10に示された筆記ボード1に対応している。
筆記ボード1(筆記シート10)に画像5を記録する際には、図10に示されているように、筆記シート10の第2面(前面)10bを介して、第2シート50の所望の部分を加圧する。これにより、加圧された部分の直下で第1シート30と第2シート50とが密着する。とりわけ本実施の形態では、第1シート30の粘着層37と第2シート50の非粘着層であるマット面52aとが密着する。その結果、第1シート30と第2シート50との間に存在していた空気層が実質的になくなり、第2シート50のマット面52aにおける光の屈折率が変化する。この結果、未加圧部分のマット面52aにおける光の屈折率と、加圧部分のマット面52aにおける光の屈折率が互いに異なるようになり、未加圧部分と加圧部分との間にコントラストが生じることにより筆記シート10に画像5が記録される。一般的には、加圧された部分では第1シート30の色彩が第2シート50上部から認識できるようになる。なお、第1シート30が有色層32を有しない場合には、筆記シート10を他の有色部材(別体の有色部材)上に配置して筆記シート10に画像5を記録することにより、粘着層37とマット面52aとが密着した部分において当該他の有色部材の色彩が視認されるようになる。他の有色部材としては、机やテーブルの上板、下敷き、クリップボード、クリップファイル、壁、黒板等であってもよい。また、他の例として、第1シート30が有色層32を有しない場合には、背面カバーフィルム22として有色のフィルムを用いるようにしても良い。
筆記ボード1に記録された画像を消去する際には、例えば使用者の手で、図11に示されているように、筆記ボード1の全体を撓ませる。すなわち、筆記シート10及びケース70を共に撓ませる。ケース70は可撓性を有しているので、使用者が手で筆記ボード1が撓む方向に力を加えることにより、筆記シート10及びケース70が容易に撓む。これにより、背面側積層体20の第1シート30及び前面側積層体40の第2シート50が共に撓む。図示された例では、筆記シート10のシート面に沿った両端部(図10では左右の両端部)において、接着層24及び接着層44により、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されている。すなわち、当該両端部においては、背面側積層体20と前面側積層体40とが互いに固定されている。本実施の形態では、当該両端部が互いに近づくように、背面側積層体20及び前面側積層体40が共に撓む。図11では、筆記ボード1を、筆記シート10の前面側積層体40側に向かって曲がるように撓ませているが、これに限られず、筆記ボード1を、筆記シート10の背面側積層体20側に向かって曲がるように撓ませてもよい。
尚、筆記ボード1を撓ませる際、使用者はケース70のペン挿し部71を把持部として把持することでしっかりとケース70を把持できることから筆記ボード1全体を撓ませ易くなる。また、本実施形態では第1面側シート77のペン挿し部71側にはシート装着口75が形成されており、第2面側シート78には開口部72が形成されている。このため、筆記ボード1を撓ませる際に筆記シート10とケース70とが一体的に撓むことを阻害する虞があるが、ペン挿し部71にペン7を挿入した状態で筆記ボード1全体を撓ませることで、ペン7によりケース70の端部の硬さを部分的に向上させることができる。すなわち、ペン挿し部71をペン7ごと把持し、ペン7の硬さでケース70の一端を補強することで筆記ボード1全体を撓ませることが容易となる。
図11に示されているように、筆記ボード1を、筆記シート10の前面側積層体40側に向かって曲がるように撓ませた場合、背面側積層体20と前面側積層体40とが互いに固定されている両端部の間の領域において、曲げの内側となる前面側積層体40に生じた歪み(力)が逃げず、これにより背面側積層体20と前面側積層体40との間に隙間が生じる。このとき、背面側積層体20の第1シート30の粘着層37と、前面側積層体40の第2シート50のマット面52aとが互いに剥離(離間)する。これにより、粘着層37とマット面52aとが互いに密着した部分で形成された画像5が消去される。
尚、図11においては、図面の理解を容易にするために、背面側積層体20と前面側積層体40との間に形成される隙間の大きさが誇張されている。また、背面側積層体20と前面側積層体40との間に形成される隙間の大きさは、筆記シート10の撓みの程度に依存する。本実施の形態では、背面側積層体20と前面側積層体40との間に形成される隙間が比較的小さい場合であっても、粘着層37とマット面52aとを互いに剥離させて画像5を消去することが可能である。したがって、本実施の形態の消去方法によれば、筆記シート10に記録された画像5を消去する際に、粘着層37とマット面52aとの間に大きな隙間を生じさせる必要がない。したがって、粘着層37とマット面52aとの間に形成される隙間に塵埃等の異物が進入することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態の消去方法によれば、粘着層37とマット面52aとの間に摺動部材を配置する必要がないので、筆記シート10を繰り返し使用することによる粘着層37の粘着力の低下を抑制することができる。したがって、筆記シート10が繰り返し使用された際における、画像5の記録の安定性の低下を抑制することができる。
また、第1シート30及び第2シート50を共に撓ませることにより、粘着層37とマット面52aとの間の全体に、短時間で隙間を形成することができる。したがって、筆記シート10に記録された画像5が消去されるために要する時間を短縮することが可能になる。
図3に示された例では、筆記シート10のシート面に沿った両端部において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されている。しかしながら、これに限られず、筆記シート10のシート面に沿った両端部のうち少なくとも一方において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていなくてもよい。図12は、筆記シート10の一変形例を示す断面図である。図示された例では、筆記シート10のシート面に沿った一方の端部(図12では右側の端部)において、接着層24及び接着層44により、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されている。その一方、図示された例では、筆記シート10のシート面に沿った他方の端部(図12では左側の端部)において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とは互いに固定されていない。ここで、筆記シート10は、平面視において2組の対辺を有する矩形形状を有している。この矩形を構成する2組の対辺のうちの1組の対辺においては、当該対辺の1つの辺において背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定され、当該対辺の他の辺において背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていない。また、2組の対辺のうちの他の1組の対辺においては、当該対辺を構成する2つの辺において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていない。
背面側積層体20と前面側積層体40とを有する筆記シート10を製造する際には、第1シート30に背面カバーフィルム22を接着し、第2シート50に前面カバーフィルム42を接着する。この接着工程は、一例として、第1シート30及び背面カバーフィルム22、並びに、第2シート50及び前面カバーフィルム42をそれぞれ貼り合わせて加熱することにより行われる。この際、第1シート30と第2シート50との間の材質や厚さの違い等に起因して、一方のシートが他方のシートと比較して伸びてしまうことがある。
また、筆記ボード1を繰り返し使用した場合にも、第1シート30と第2シート50との間の材質や厚さの違い等に起因して、一方のシートが他方のシートと比較して伸びてしまうことがある。
これらの場合、筆記シート10のシート面に沿った両端部において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていると、第1シート30と第2シート50との間に意図しない隙間が生じ、これにより筆記シート10に対する画像5の記録や消去が妨げられる虞がある。図12に示された筆記シート10では、筆記シート10のシート面に沿った一方の端部において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定される一方、他方の端部において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とは互いに固定されないので、一方のシートが他方のシートと比較して伸びていても、第1シート30と第2シート50との間に意図しない隙間が生じることを抑制することができる。したがって、筆記シート10に対する画像5の記録や消去が妨げられることを効果的に抑制することができる。
したがって、筆記シート10は、当該筆記シート10のシート面に沿った一方の端部において、背面カバーフィルム22と前面カバーフィルム42とが互いに固定されていなくてもよい。
次に、図13及び図14を参照して、本実施の形態の筆記ボード1におけるケース70から筆記シート10を取り外す方法を説明する。図13は、筆記ボード1のケース70から筆記シート10を着脱する方法を説明するための図であり、図14は、図13のD−D線に対応して筆記ボード1の断面を示す断面図である。また、図14では、背面側積層体20及び前面側積層体40が、それぞれ簡略化した端面で示されている。
ケース70は可撓性を有している。このため、ケース70の第1面側シート77に指で力を掛けることでシート装着口75を変形させて開口することができる。これにより、シート装着口75から筆記シート10を容易に着脱することができる。この際、面取り部76によりケース70の開口部72の内縁部に筆記シート10が引っかかることを防止できることから、とりわけ筆記シート10をケース70内に挿入することが容易となる。尚、図9に示すように、第1面側シート77におけるシート装着口75の位置から筆記シート10の側端部(図9における右側の側端部)までの長さXは、長さXが短すぎると筆記ボード1全体を撓ませた際に、筆記シート10がケース70から簡単に外れてしまい、また、長さXが長すぎると、ケース70からシート10を取り外すことが困難になる。このため、長さXを10mm以上20mm以下なるよう形成することが好ましい。本実施形態では長さXを15mmに設定することで、筆記ボード1全体を撓ませてもケース70から筆記シート10が外れにくく、且つ、ケース70から筆記シート10を取り出すことができるものとなった。
本実施形態の筆記ボード1は、可撓性を有するケース70と、ケース70内に配置された筆記シート10と、を備え、ケース70の側端に、筆記シート10に画像を記録するためのペン7(筆記具)を挿着可能なペン挿し部71を備え、筆記シート10は、粘着層37を有する第1シート30と、粘着層37に対面する非粘着層であるマット面52aを有する第2シート50とを有し、粘着層37とマット面52aとが互いに密着することにより粘着層37とマット面52aとの密着部分に画像5が記録され、ケース70及び筆記シート10を共に撓ませることにより密着部分における粘着層37とマット面52aとが互いに剥離して画像5が消去される。
また、本実施形態のケース70は、筆記シート10及びペン7を収容するために用いられるケース70であって、可撓性を有する。
このような筆記シート10及びケース70を有する筆記ボード1によれば、筆記シート10の側面から筆記シート10内、とりわけ第1シート30と第2シート50との間、に塵埃等の異物が侵入することを効果的に抑制することができる。また、筆記ボード1が持ちやすくなり、画像5を消去する際の作業性が向上する。また、筆記ボード1が落下した際に、ケース70が筆記シート10を落下の衝撃から保護することができるので、筆記シート10の破損が抑制される。さらにまた、筆記ボード1とペン7とをまとめて持ち運ぶことができる。したがって、ペン7を紛失することを防止することができる。また、ペン挿し部71を把持することでケース70を把持しやすくなるとともに、筆記ボード1を撓ませることが容易になる。したがって、筆記ボード1における画像5の消去が容易になる。
本実施形態の筆記ボード1では、ペン挿し部71が複数の挿入部73を有し、ペン7を複数の方向(本実施形態では2箇所)から挿入可能である。
このような筆記ボード1によれば、筆記ボード1の置き方(ペン挿し部71が使用者から視て上下左右のどの位置に配置されるか)や使用者の利き手の違いによらずにペン7が着脱しやすい方向の挿入部を選択可能となる。
本実施形態の筆記ボード1では、ペン挿し部71が当該ペン挿し部71に何も挿入されていない状態では挿入部が閉口して平面状にすることが可能である。
このような筆記ボード1によれば、ペン挿し部71に挿入されていたペン7を用いて筆記シート10に筆記を行う際、ペン挿し部71が平面状に変形するため、筆記時にペン挿し部71に手の一部が当たって筆記動作を阻害する虞が軽減される。
本実施形態の筆記ボード1では、ケース70の第1面側シート77にシート装着口75を有し、シート装着口75から筆記シート10を着脱可能である。
このような筆記ボード1によれば、筆記と筆跡の消去を繰り返すことにより筆記シート10の粘着層37の粘着力が低下して筆記や筆跡の消去性能が低下した際に筆記シート10を取り替ええることができ、また、ケース70が破損した場合に、問題のない筆記シート10をケース70から取り外して別のケースに装着して使用することができる。
第2実施形態
次に、図15〜図17を参照して、第2実施形態について説明する。図15は、第2実施形態に係る筆記ボード100の一例を示す底面図であり、図16は、図15のE−E線に対応する端面を示した端面図であり、図17は、図16の筆記ボード100においてペン挿し部の挿入部を開口した状態を説明するための図である。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第1実施形態と同様に構成され得る部分について、第1実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図15〜図17に示されているように、筆記ボード100は、筆記シート10とケース170とを備えている。筆記シート10は、ケース170内に収容されている。本実施形態の筆記シート10は、第1実施形態において図12を参照して説明した筆記シート10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ケース170は、筆記シート10の第1面10a側に位置する第1面側シート177と、筆記シート10の第2面10b側に位置する第2面側シート178とを有している。第1面側シート177と第2面側シート178とは、周縁部において貼合線190(図15の仮想線部)に沿って互いに貼り合わせてある。第1面側シート177と第2面側シート178とを貼り合わせる手段は、接着層を介して互いに固定されてもよいし、縫着により互いに固定されていてもよいし、熱融着により互いに固定されてもよい。この状態において、ケース170は、可撓性を有している。本実施形態のケース170は、第1面側シート177にペン挿し部171を有している。図示された例では、ペン挿し部171の側端部を第1面側シート177の側端部に貼り合わせることで固定し、ペン挿し部171と第1面側シート177とを一体化してある。また、ペン挿し部171には筆記用のペン7(図1または図6を参照)を挿着するための複数の挿入部173(第1挿入部173a、第2挿入部173b)を有しており、第1挿入部173aと第2挿入部173bとはトンネル状に連通させてある。なお、挿入部173はペン7を挿着していない状態では、図16に示すように閉口しており、ペン7を挿入する際には図17に示すように挿入部173を開口させてることができる。
本実施形態におけるペン挿し部171は、ケース170を構成している第1面側シート177及び第2面側シート178と同様に可撓性を有しており、ペン挿し部171、第1面側シート177及び第2面側シート178の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーンゴム、エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。
本実施形態では、必要な時にペン挿し部171の挿入部173を開口してペン7(図1及び図6参照)を挿着できる。また、ペン挿し部171が筆記ボード100の開口部72がある筆記面側とは反対面(底面側)に形成されていることから、筆記時に手がペン挿し部171に接触することで筆跡に影響することがない。さらに、ペン挿し部171からペン7を取り外して筆記ボード100を机やテーブルなどの平面盤上に置いて筆記する場合、ペン挿し部171の挿入部173が開口されたままになっていても、ペン挿し部171が底面側にあると共に可撓性の材料で形成されていることから、筆記時にケース70の本体のよって押しつぶされて自然と閉口するため、ペン挿し部171が筆記動作を阻害することがない。さらにまた、本実施形態の筆記ボード100を机やテーブルなどの平面盤上に置かずに片手で把持して筆記する場合、ペン7を取り出したペン挿し部171に使用者の指の1本を入れて把持することで筆記ボード100の落下を防止するとともに片手での把持でも安定した筆記を行うことができる。
第3実施形態
次に、図18〜図21を参照して、第3実施形態について説明する。図18は、第2実施形態に係る筆記ボード200の一例を示す底面図であり、図19は、図18のF−F線に対応する端面を示した端面図であり、図20は、図18の筆記ボード200において、ペン挿し部271の挿入部273を開口した状態を示した図であり、図21は、図20のG−G線に対応する端面を示した端面図である。なお、以下の説明および以下の説明で用いる図面では、第1実施形態と同様に構成され得る部分について、第1実施形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。
図18〜図21に示されているように、筆記ボード200は、筆記シート10とケース270とを備えている。筆記シート10は、ケース270内に収容されている。本実施形態の筆記シート10は、第1実施形態において図12を参照して説明した筆記シート10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ケース270は、筆記シート10の第1面10a側に位置する第1面側シート277と、筆記シート10の第2面10b側に位置する第2面側シート278とを有している。第1面側シート277と第2面側シート278とは、周縁部において貼合線290(図18の仮想線部)に沿って互いに貼り合わせてある。第1面側シート277と第2面側シート278とを貼り合わせる手段としては、接着層を介して互いに固定されてもよいし、縫着により互いに固定されていてもよいし、熱融着により互いに固定されてもよい。この状態において、ケース270は、可撓性を有するとともに、第1面側シート277にペン挿し部271を有している。
図示された例では、ケース270の第1面側シート277の一方の側端部には矩形状の切欠部281が形成されており、後述するペン挿し部271がない状態においては第1面側シート277側から視て切欠部281を介して第2面側シートの一部が露出した状態となる。また、可撓性を有するベルト状のペン挿し部271の一方の側端部である固定端271aを、切欠部281により露出している第2面側シート278の側端部に貼り合わせることで固定し、ペン挿し部271と第2面側シート278とを一体化してある。そして、図19に示すように、ペン挿し部271の固定されていない他方の側端部である解放端271bは、切欠部281から第1面側シート277と第2面側シート278との間に挿入されている。なお、ペン挿し部271の解放端271bは突起状の抜止部282を有しており、解放端271bが切欠部281から簡単には抜けないようにしてある。また、ペン挿し部271と第2面側シート278とを貼り合わせる手段としては縫着、接着、融着、溶着等を用いることができる。
本実施形態ではペン挿し部271は、ケース270を構成している第1面側シート277及び第2面側シート278と同様に可撓性を有しており、ペン挿し部271、第1面側シート277及び第2面側シート278の材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーンゴム、エラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。
次に、本実施形態の筆記ボード200のペン挿し部271にペン7(図1及び図6参照)を挿着する状態を説明する。
例示した筆記ボード200は、図18に示す状態から、ペン挿し部271を切欠部281からを引っ張ることで、第1面側シート277と第2面側シート278と間に挿入されていた解放端271b側が引き出され、図20及び図21に示すようにペン挿し部271と第2面側シート278とが離間し、その間にペン7を挿入するための挿入部273が開口する、この際、挿入部273の大きさは、ペン挿し部271の抜止部282が切欠部281に当接するまでは引き出したペン挿し部271の長さに比例して大きくなる。このため、挿着するペン7の大きさに合わせて挿入部273の大きさを調整することができる。また、引き出されたペン挿し部271には複数の挿入部273(第1挿入部273a、第2挿入部273b)が形成され、第1挿入部273aと第2挿入部273bとはトンネル状に連通させてあることから、使用時に筆記ボード200のペン挿し部271が使用者にとって上下左右どちらの方向に配置されても複数の方向からペン7を着脱できることから、利き手や好みに合わせて自由に挿入方向を選択できる。なお、図20の状態からペン7をペン挿し部271から取り外して筆記シート10に筆記する際は、ペン挿し部271を切欠部281に押し込むことで図18の状態に戻すことができる。このため、挿入部273は閉口して閉じることがきるともに、ペン挿し部271は筆記面である開口部72とは反対側の底面側に形成されているため、筆記時にペン挿し部271が筆記動作を阻害することがないものとなった。
1 筆記ボード
5 画像
7 ペン
10 筆記シート
10a 第1面
10b 第2面
20 背面側積層体
22 背面カバーフィルム
24 接着層
30 第1シート
31 支持体
32 有色層
33 基材層
35 中間層
37 粘着層
39 有色粘着層
40 前面側積層体
42 前面カバーフィルム
44 接着層
50 第2シート
52 マット層
52a マット面
54 基材
56 保護層
70 ケース
71 ペン挿し部
72 開口部
73 挿入部
73a 第1挿入部
73b 第2挿入部
74 内縁部
75 シート装着口
76 面取り部
77 第1面側シート
78 第2面側シート
90 貼合線
100 筆記ボード
170 ケース
171 ペン挿し部
173 挿入部
173a 第1挿入部
173b 第2挿入部
177 第1面側シート
178 第2面側シート
190 貼合線
200 筆記ボード
270 ケース
271 ペン挿し部
271a 固定端
271b 解放端
273 挿入部
273a 第1挿入部
273b 第2挿入部
277 第1面側シート
278 第2面側シート
281 切欠部
282 抜止部
290 貼合線

Claims (4)

  1. 可撓性を有するケースと、前記ケース内に配置された筆記シートと、を備え、
    前記筆記シートは、粘着層を有する第1シートと、当該第1シートに隣接し少なくとも表面に非粘着層を有する第2シートとを備え、前記第1シートと前記第2シートとが互いに密着することで当該第1シートと当該第2シートとの密着部分に画像が記録される筆記ボードであって、
    前記ケースの側端に、前記筆記シートに画像を記録するための筆記具を挿着可能なペン挿し部を備え、
    前記ケース及び前記シートを共に撓ませることで、前記密着部分における第1シートと第2シートとが互いに剥離して前記画像が消去されることを特徴とした筆記ボード。
  2. 前記ペン挿し部は、前記筆記具が少なくとも2方向から挿入可能な複数の挿入部を有することを特徴とする請求項1に記載の筆記ボード。
  3. 前記ペン挿し部は、内部に何も挿入していない状態では、前記挿入部が閉口して平面状になることを特徴とする請求項1または2に記載の筆記ボード。
  4. 前記ケースが、前記筆記シートを着脱自在に装着するためのシート装着口を備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の筆記ボード。
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