JP2021132619A - レッドエッジの波長を決定するための方法、プログラム、及び決定装置 - Google Patents

レッドエッジの波長を決定するための方法、プログラム、及び決定装置 Download PDF

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誠 丸家
綾子 正宗
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綾子 正宗
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Yuri Watanabe
ゆり 渡邉
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晴之 関
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Abstract

【課題】植物の反射スペクトルにおいて、より高い精度でレッドエッジの波長を決定することが可能な方法等を提供する。【解決手段】植物の反射スペクトルにおいてレッドエッジの波長を決定するための方法であって、600nm〜800nmの波長範囲内の所定の波長範囲において、反射スペクトルに対して単調増加性を有する所定の関数を用いてフィッティングするステップであって、該所定の関数は1つの変曲点を有する、フィッティングするステップと、フィッティングにより得られた所定の関数の変曲点に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定するステップと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、レッドエッジの波長を決定するための方法、プログラム及び決定装置に関する。
植物(植生)を表現する重要な指標の1つとしてレッドエッジの波長がある。植物の葉は、赤色の光を強く吸収し、近赤外を強く反射する特性を有し、植物の反射スペクトルは、可視から近赤外に変化する波長範囲において反射率が大きく変化する特性を有する。レッドエッジの波長は、上記波長範囲において、反射率を波長で微分し、その最大傾斜を示す波長により定義される。ミネラルが不足する植物のレッドエッジの波長は、非特許文献1が示すように、短波長側にシフトすることが知られている。
従来、レッドエッジの波長を決定するにあたって、電磁波(可視光、紫外線、近赤外線等)を利用したリモートセンシングが行われている。例えば特許文献1は、レッドエッジの波長を決定するためのシステムとして、小型飛行機に搭載された廉価な小型スペクトルセンサを用いて、広範囲の植生を走査して観測するシステムを開示している。
特許第6525204号
Alessandro Masoni, Laura Ercoli, Marco Mariotti: Spectral Properties of Leaves Deficient in Iron, Sulfur, Magnesium, and Manganese, Agronomy journal Vol.88, No.6, 937-943, 1996
レッドエッジの波長を決定するうえで、最も反射率変化が大きい波長を決定する際には、最も反射率変化が大きい波長を決定する必要があるが、通常の反射スペクトルのデータ(測定データ)は、一定のノイズを有する。そのため、反射率が最も大きく変化している波長を決定するのが難しかった。
また反射スペクトルは、一定の波長間隔で取得されたデータであり、波長分解能が高いと波長間隔の短いデータが取得され、波長分解能が低いと波長間隔の長いデータが取得される。より波長分解能が高いセンサ装置を用いれば、決定するレッドエッジの波長の精度を高めることが可能であるが、そのようなセンサ装置は、一般的に重量やサイズが大きく、高価であった。特許文献1に示すように広範囲の植生を走査する場合、より軽量化及び小型化されたセンサ装置が無人航空機などの小型の航空機に搭載されるため、波長分解能が比較的低いデータが取得されていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、植物の反射スペクトルにおいて、より高い精度でレッドエッジの波長を決定することが可能な方法等を提供することを主目的とする。
本発明の一態様としての方法は、
植物の反射スペクトルにおいてレッドエッジの波長を決定するための方法であって、
600nm〜800nmの波長範囲内の所定の波長範囲において、反射スペクトルに対して単調増加性を有する所定の関数を用いてフィッティングするステップであって、該所定の関数は1つの変曲点を有する、フィッティングするステップと、
フィッティングにより得られた前記所定の関数の変曲点に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定するステップと、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様として、前記所定の波長範囲は、655nm〜750nmである。
また、本発明の一態様として、前記所定の関数は、シグモイド関数である。
本発明の一態様としての方法は、植物からの反射光に基づいて生成された反射スペクトルから植物の状態を判定するための方法であって、
上記記載の方法により決定したレッドエッジの波長の大きさ又は波長の変化の程度に応じて植物の状態を判定することを特徴とする。
本発明の一態様としてのプログラムは、上記に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の一態様としての決定装置は、
植物の反射スペクトルにおいてレッドエッジの波長を決定するための決定装置であって、
600nm〜800nmの波長範囲内の所定の波長範囲において、反射スペクトルに対して単調増加性を有する所定の関数を用いてフィッティングするフィッティング処理部であって、該所定の関数は1つの変曲点を有する、フィッティング処理部と、
フィッティングにより得られた前記所定の関数の変曲点に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定する波長決定部と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、植物の反射スペクトルにおいて、より高い精度でレッドエッジの波長を決定することができる。
本発明の一実施形態の決定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の決定装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態の決定装置の波長を決定するための処理を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態のシステムの構成を示す図である。 一実施例のセンサ装置の構成を示す図である。 一実施例の決定装置の動作確認用の反射スペクトルの測定データを示す図である。 図6の反射率データの一次微分を示す図である。 図6の反射スペクトルの測定データから生成した反射スペクトルの疑似測定データを示す図である。 図8の反射率データの一次微分を示す図である。 図8の疑似測定データを波長シフトさせた場合における決定装置と従来方式により決定したレッドエッジの波長の評価結果を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態の決定装置1は、植物の反射スペクトルから、植生を表現する重要な指標の1つであるレッドエッジの波長を決定するための装置である。なお、各図において同一の符号は、特に言及が無い限り同一又は相当部分を示すものとする。また、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
植物の反射スペクトルは、既知のハイパースペクトルセンサなどのセンサ装置により植物からの反射光に基づいて得られた反射率のスペクトルのデータである。反射スペクトルは、所定の波長間隔の反射率を示し、波長と反射率の関係を示すデータである。反射スペクトルの波長間隔は、センサ装置の波長分解能に応じて、決定される。
植物の反射スペクトルは、大凡680nm〜750nmの波長範囲において、波長の増加に対して反射率が急激に上昇する。本実施形態では、この波長範囲をレッドエッジが現れる波長範囲と呼ぶ。レッドエッジの波長を決定するとは、植物の反射スペクトルから、所定の処理を行うことにより、レッドエッジが現れる波長範囲内において、最も反射率変化が大きいと考えられる波長を決定する(求める)ことである。
図1は本発明の一実施形態の決定装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。決定装置1は、プロセッサ11、入力装置12、表示装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。決定装置1は、一般的なコンピュータが有する構成を備える。
プロセッサ11は、決定装置1全体の動作を制御する。例えばプロセッサ11は、CPUである。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成されてもよい。
入力装置12は、決定装置1に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、又はボタンである。表示装置13は、プロセッサ11の制御に従って、アプリケーション画面などを決定装置1のユーザに表示するディスプレイである。
記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、例えばRAMのような半導体メモリである。RAMは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。主記憶装置は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であるROMを含んでいてもよい。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。記憶装置14は、反射スペクトルのデータからレッドエッジの波長を決定することが可能なプログラムを記憶する。
通信装置15は、ネットワークを介してユーザ端末又はサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行うことが可能な無線LANモジュールである。通信装置15は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの他の無線用通信デバイスとすることもできるし、イーサネット(登録商標)モジュールやUSBインタフェースなどの有線用通信デバイスとすることもできる。
図2は本発明の一実施形態の決定装置1の機能ブロック図である。決定装置1は、フィッティング処理部21、及び波長決定部22を備える。本実施形態においては、プログラムがプロセッサ11により実行されることによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14に記憶されている又は通信装置15を介して受信したプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
フィッティング処理部21は、所定の波長範囲において、反射スペクトルのデータf(x)に対して、シグモイド関数g(x)を用いてフィッティングし、シグモイド関数g(x)のパラメータを決定する。所定の波長範囲は、レッドエッジが現れる波長範囲を含む例えば赤色及び遠赤色の波長範囲(600nm〜800nm)内において選択される。所定の波長範囲は、好ましくは、655nm〜750nmである。
シグモイド関数は、以下の式(1)で表される。
Figure 2021132619
(1)
式(1)において、g(x)は反射率に対応する値であり、xは波長(nm)に対応する値であり、k、d、α、及びβは関数のパラメータである。シグモイド関数g(x)は、単調増加関数であり、かつ1つの変曲点を有する関数であり、式(1)に示すシグモイド関数g(x)は、x=β、g(x)=k/2+dを変曲点とした関数である。1つの変曲点を有する関数は、変曲点を中心に点対称の関数であり、変曲点の2次導関数がゼロとなる性質がある。変形例として、フィッティング処理部21がフィッティングに用いる関数は、単調増加性を有し、1つの変曲点を有するシグモイド関数以外の関数とすることもできる。
反射スペクトルのデータは、波長x(nm)の関数f(x)で表される。反射スペクトルf(x)に対してシグモイド関数g(x)を用いてフィッティングするにあたって、反射スペクトルf(x)と関数g(x)との距離を以下の関数dist(f,g)で定める。
Figure 2021132619
(2)
フィッティング処理部21は、既知の最適化の手法を用いて、dist(f,g)が最小となるようなk、d、α、及びβのパラメータと、xmin及びxmaxとを求める。xmin及びxmaxは、所定の波長範囲の下限値と上限値に対応する。1つの例では、フィッティング処理部21は、修正Powell法を用いて、dist(f,g)が最小となるようなk、d、α、及びβのパラメータと、xmin及びxmaxを算出する。このとき、フィッティング処理部21は、xmin及びxmaxに対して、655[nm]<xmin<xmax<750[nm]の制約をかける。フィッティング処理部21の上記のパラメータの算出は、例えばPythonの既存のソフトウェアライブラリのプログラムをプロセッサ11が実行することにより実現される。
なお、上記のフィッティングでは、レッドエッジが現れる波長範囲を考慮して、655[nm]<xmin<xmax<750[nm]となるようにxmin及びxmaxに対して制約をかけているが、655[nm]及び750[nm]は1つの例示であり、これらの値に限定されない。またフィッティング処理部21は、xmin及びxmaxを所定の値に固定して、dist(f,g)が最小となるようなk、d、α、及びβのパラメータを求めることもできる。例えば、フィッティング処理部21は、xmin=655[nm]及びxmax=750[nm]で固定して、dist(f,g)が最小となるようなk、d、α、及びβのパラメータを求めることができる。フィッティング処理部21は、レッドエッジが現れる波長範囲においてdist(f,g)が最小となるようなk、d、α、及びβのパラメータを求めることができる方法であれば、修正Powell法以外の手法を用いることができる。
シグモイド関数g(x)の変曲点の位置に対応するx=β[nm]がレッドエッジの波長に対応する波長となるため、波長決定部22は、フィッティング処理部21が算出したパラメータのβ[nm]の値を、レッドエッジの波長として決定する。1つの例では、決定装置1は、波長決定部22が決定した波長を表示装置13に表示する。
1つの例では、決定装置1は、センサ装置3から反射スペクトルのデータを取得する。センサ装置3は、無人航空機などの小型の航空機に搭載されるハイパースペクトルセンサであり、例えば特許文献1が開示するセンシング装置である。ただし、決定装置1の記憶装置14には、予め反射スペクトルのデータが記憶されていてもよい。
次に、本発明の一実施形態の決定装置1の波長を決定するための処理について図3に示したフローチャートを用いて説明する。ステップ101において、決定装置1は、センサ装置3から反射スペクトルのデータを取得する。ステップ102において、決定装置1は、レッドエッジが現れる波長範囲において、反射スペクトルのデータに対してシグモイド関数g(x)を用いてフィッティングする。決定装置1は、フィッティングにより、シグモイド関数g(x)のパラメータを算出する。ステップ103において、決定装置1は、フィッティングにより得られたパラメータのうちシグモイド関数g(x)の変曲点のパラメータの値に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定する。なお、決定装置1が既に反射スペクトルのデータを記憶装置14に記憶する場合、ステップ101は省略することができる。
次に、本発明の実施形態による決定装置1の作用効果について説明する。植物のレッドエッジの波長はミネラルが不足すると短波長側にシフトすることなどから、植生を調査・観察する上で、より高い精度でレッドエッジの波長を求めること、そしてより高い精度でレッドエッジの波長の変化を検出することは、産業上重要である。レッドエッジが現れる波長範囲において、レッドエッジの波長を探す場合、波長方向にある程度広い範囲の中で最も反射率変化が大きい位置を見つける必要がある。反射スペクトルのデータには、ノイズに起因して反射率が大きく変化してしまうデータが多く、反射率変化の大きさを傾きから算出して、すなわち反射率の一次微分を算出してレッドエッジの波長を決定する従来の方法では、ノイズが発生した位置をレッドエッジの波長として誤認識する恐れがあった。また、波長分解能が低いセンサでは反射率変化を算出できる波長の間隔も大きくなるため、反射率が最も大きく変化している波長を決定するのが難しかった。更に、従来のレッドエッジの波長の決定方法は、局所的な変化に影響されやすいため、レッドエッジの波長の変化を検出できる程度に精度よく波長を求めることは難しかった。
出願人は、反射スペクトルf(x)が、レッドエッジが現れる波長範囲において、単調増加し、レッドエッジの波長が変曲点の位置に対応することを発見した。更に出願人は、単調増加関数であり、かつ1つの変曲点を有する関数であるシグモイド関数が、特にこの反射スペクトルの変化と同様の特性を有することを発見した。
本実施形態では、フィッティング処理部21は、植物から取得される反射スペクトルに対して、655nm〜750nmにおいて、シグモイド関数g(x)を用いてフィッティングする。波長決定部22は、フィッティング処理部21のフィッティングにより得られたシグモイド関数g(x)の変曲点に対応するパラメータ(波長)β[nm]を、レッドエッジの波長として決定する。
このような構成とすることにより、本実施形態では、レッドエッジの波長を含む一定の波長範囲でフィッティングを行うため、局所的な変化に影響されにくく、また、センサの波長分解能の影響を軽減した上で、より高い精度でレッドエッジの波長を算出(決定)することが可能となる。また、このように局所的な変化に影響されにくい方法でレッドエッジの波長を決定することで、より高い精度でレッドエッジの波長の変化を検出することが可能となる。
またセンサ装置3は、広範囲の植生を走査して観測する場合などは無人航空機に搭載されることから、軽量化や小型化が求められるため、波長分解能が比較的低いデータが取得されていた。本実施形態では、上記のとおり、局所的な変化に影響されずにレッドエッジの波長を決定することが可能であるため、反射スペクトルのデータの波長の間隔が比較的長い場合であっても、より高い精度でレッドエッジの波長を決定することが可能となる。
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や他の実施例においても同様である。
本発明の他の実施形態の決定装置1は、更なる機能部として、波長決定部22が決定したレッドエッジの波長を用いて、植物の状態を判定する状態判定部23を備える(図示せず)。非特許文献1が示すように、植物のレッドエッジの波長は、植物の種類に応じて異なり、1つの種類の植物のレッドエッジの波長は、ミネラルが不足すると短波長側にシフトし、シフトする波長の大きさは、ミネラルの栄養素の種類に応じて異なる。一の植物の一の栄養素の過不足を判定するための閾値の波長は、一の栄養素が十分な一の植物のレッドエッジの波長と、該一の栄養素が不足した該一の植物のレッドエッジの波長とに基づいて決定される。当該実施形態では、記憶装置14は、一の植物及び一の栄養素に関連付けて、閾値の波長を記憶する。
状態判定部23は、波長決定部22が決定したレッドエッジの波長の大きさに応じて植物の状態を判定する。状態判定部23は、一の植物の反射スペクトルからフィッティング処理部21及び波長決定部22により決定されたレッドエッジの波長の大きさが、記憶装置14に記憶される一の栄養素に関連付けられた閾値以上であるか否かを判定する。状態判定部23は、レッドエッジの波長の大きさが当該閾値以上の場合は一の栄養素が十分であると判定し、当該閾値未満の場合は一の栄養素が不足していると判定する。
上記他の実施形態の変形例では、記憶装置14は、栄養素が十分である植物についてのレッドエッジの波長である基準波長を記憶するとともに、一の植物及び一の栄養素に関連付けて、レッドエッジの波長のシフトする大きさの閾値を記憶する。状態判定部23は、波長決定部22が決定したレッドエッジの波長の変化の程度に応じて植物の状態を判定する。状態判定部23は、一の植物の反射スペクトルからフィッティング処理部21及び波長決定部22により決定されたレッドエッジの波長の大きさと基準波長の大きさとの差が、記憶装置14に記憶される一の栄養素に関連付けられた閾値以上であるか否かを判定する。状態判定部23は、レッドエッジの波長の大きさが当該閾値以上の場合は一の栄養素が不足していると判定し、当該閾値未満の場合は一の栄養素が十分であると判定する。
本発明の他の実施形態のシステム2は、決定装置1と、無人航空機5に搭載されたセンサ装置3とを備える。決定装置1は、通信装置15を介して、センサ装置3から送信される反射スペクトルのデータを受信できるように構成される。図4は、本発明の一実施形態のシステム2の構成を示す図である。センサ装置3は、例えば特許文献1が開示するセンシング装置であるが、以下に一実施例のセンサ装置3について簡単に説明する。
図5は、一実施例のセンサ装置3の構成を示す図である。センサ装置3は、第1の凸レンズ31と、複数芯の第1の光ファイバ32と、回転可能な回転ミラー33と、第2の凸レンズ34と、複数芯の第2の光ファイバ35と、第1の分光器36と、第2の分光器37と、GPS38と、制御装置39とを備える。センサ装置3は、バッテリ40を備え、回転ミラー33と制御装置39に電源を供給する。
複数芯の第1の光ファイバ32は、一列に配置された16芯の光ファイバである。第1の凸レンズ31は、太陽光の地上(植物)からの反射光を集め、第1の光ファイバ32の一端が形成する面は、第1の凸レンズ31の焦点面となる。第2の光ファイバ35は、1芯の光ファイバである。第1の光ファイバの他端は、第2の光ファイバの一端とともに面(列)を形成する。第1の光ファイバ32の一端から入射し、その他端から出射された光は、第2の凸レンズ34を一の方向に通過し、回転ミラー33で反射して第2の凸レンズ34を一の方向とは逆の方向に通過して、第2の光ファイバ35の一端に入射する。第1の光ファイバ32の各ファイバから出射される光は、回転ミラー33の角度によって、順番に第2の光ファイバ35の一端に入射する。第1の分光器36は、第2の光ファイバ35の他端から出射された光を分光して反射スペクトルを取得し、制御装置39に伝送する。制御装置39は、GPS38で取得される位置情報及び受信したタイミングに基づいて、反射光を取得した位置(領域)に伝送された反射スペクトルを対応付けて、制御装置39が備える記憶装置に記憶する。制御装置39は、天空光の影響を排除して正確な植物の反射スペクトルを取得するために、第2の分光器37から天空光を分光した反射スペクトルを取得する。
上記実施例において、出願人は、上記構成を備えるセンサ装置3が、総重量約750g、寸法125mm×125mm×50mmで実現可能であり、多くのドローンに搭載可能であることを確認できた。この場合、実施例のセンサ装置3の性能は、観測波長帯340nm〜850nm、スペクトル分解能10nm、バンド数288であった。
1つの好適な例では、システム2は、センサ装置3により反射スペクトルを取得する観測対象の植物の背後に設置される青色の背景板6を更に備える。このような構成とすることにより、センサ装置3は、レッドエッジが現れる波長範囲との干渉を回避しつつ、植物からのスペクトルをより容易に分離して検出することが可能となる。この場合、背景板6は、センサ装置3により反射スペクトルを取得する観測対象の一部の植物の背後に設置され、背景板6を用いて取得された反射スペクトルのデータを他の反射スペクトルのデータのキャリブレーション用のデータとして用いることもできる。
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
[実施例]
以下に、本発明の実施形態の決定装置1の動作を確認するための実施例を示す。
図6は、一実施例の決定装置1の動作確認用の反射スペクトルの測定データを示す図である。図7は、図6の反射率データの一次微分を示す図である。図6に示す測定データは、決定装置1の動作確認用の測定データであるため、本発明の実施形態の決定装置1が想定する波長分解能よりも高い1nmの波長間隔で取得されたデータである。図6に示す反射スペクトルにおいて、反射率の一次微分が最大となる位置として定義されるレッドエッジの波長は、696nmであった。本実施例では、この値をレッドエッジの波長の真値(以下「真値」という。)として取り扱う。
図8は、図6の反射スペクトルの測定データから生成した反射スペクトルの疑似測定データを示す図である。図9は、図8の反射率データの一次微分を示す図である。疑似測定データは、10nmの波長間隔で取得したことを想定した波長間隔10nmの反射率のスペクトルのデータであり、実際に含まれる可能性があるノイズが付加されたデータである。例えば、疑似測定データは、図6の反射スペクトルの測定データから10nmごとに反射率を抽出することにより生成されたものである。決定装置1により決定されたレッドエッジの波長は、702nmであり、真値である696nmとの差は6nmであった。このとき決定装置1は、式(2)において、xmin=655[nm]及びxmax=750[nm]で固定してシグモイド関数g(x)をフィッティングし、パラメータの算出を行った。一方、従来方式の反射率の一次微分の最大値から決定されたレッドエッジの波長は、図9に示されるように、689nmであり、真値である696nmとの差は7nmであった。本実施形態の決定装置1の方が従来方式よりも真値との差が少ないことから、本実施形態の決定装置1は、より精度よくレッドエッジの波長を決定することが可能であることが確認できた。
図10は、図8の疑似測定データを波長シフトさせた場合における決定装置1と従来方式により決定したレッドエッジの波長の評価結果を示す図である。本実施例では、図8の疑似測定データに対して、レッドエッジの波長を±3nm、±5nmシフトさせた疑似測定データを生成した。図10は、レッドエッジの波長が異なる5つのパターンの疑似測定データ(−5nm、−3nm、0nm、+3nm、+5nmシフトさせた疑似測定データ)の各々に対して、決定装置1により決定したレッドエッジの波長の値と、従来方式の反射率の一次微分が最大となる位置から決定したレッドエッジの波長の値を、各々示している。図10の実施例においても、決定装置1によるシグモイド関数のフィッティングは、下限値655nm及び上限値750nmで固定して行った。
従来方式で求めたレッドエッジの波長の値は、真値との差のばらつきが大きく、差は最大で7nmであった。これに対して、決定装置1で求めたレッドエッジの波長の値は、真値との差のばらつきは小さく、差は最大で6nmであり、比較的精度が高いことが確認できた。更に、5つのパターンの疑似測定データに対して従来方式で求めたレッドエッジの波長は、689nm、699nmの2パターンのみであった。このように、本実施例では、図8の疑似測定データに対する波長シフト量−5nm、−3nm、+3nm、+5nmの各々に対して従来方式で求めたレッドエッジの波長の変化は、各々0nm、0nm、+10nm、+10nmであり、波長シフト量に応じた変化が確認できなかった。これに対して、5つのパターンの疑似測定データに対して決定装置1で求めたレッドエッジの波長は、696nm、698nm、702nm、704nm、707nmの5パターンであった。このように、本実施例では、図8の疑似測定データに対する波長シフト量−5nm、−3nm、+3nm、+5nmの各々に対して決定装置1で求めたレッドエッジの波長の変化は、各々−6nm、−4nm、+2nm、+5nmであり、波長シフト量に応じた変化が確認できた。これにより、決定装置1は、より高い精度でレッドエッジの波長の変化を検出可能であることが確認できた。
1 決定装置
2 システム
3 センサ装置
5 無人航空機
6 背景板
11 プロセッサ
12 表示装置
13 入力装置
14 記憶装置
15 通信装置
21 フィッティング処理部
22 波長決定部
23 状態判定部
31 第1の凸レンズ
32 第1の光ファイバ
33 回転ミラー
34 第2の凸レンズ
35 第2の光ファイバ
36 第1の分光器
37 第2の分光器
38 GPS
39 制御装置
40 バッテリ

Claims (6)

  1. 植物の反射スペクトルにおいてレッドエッジの波長を決定するための方法であって、
    600nm〜800nmの波長範囲内の所定の波長範囲において、反射スペクトルに対して単調増加性を有する所定の関数を用いてフィッティングするステップであって、該所定の関数は1つの変曲点を有する、フィッティングするステップと、
    フィッティングにより得られた前記所定の関数の変曲点に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記所定の波長範囲は、655nm〜750nmである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記所定の関数は、シグモイド関数である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 植物からの反射光に基づいて生成された反射スペクトルから植物の状態を判定するための方法であって、
    請求項1又は2に記載の方法により決定したレッドエッジの波長の大きさ又は波長の変化の程度に応じて植物の状態を判定する、方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
  6. 植物の反射スペクトルにおいてレッドエッジの波長を決定するための決定装置であって、
    600nm〜800nmの波長範囲内の所定の波長範囲において、反射スペクトルに対して単調増加性を有する所定の関数を用いてフィッティングするフィッティング処理部であって、該所定の関数は1つの変曲点を有する、フィッティング処理部と、
    フィッティングにより得られた前記所定の関数の変曲点に対応する波長を、レッドエッジの波長として決定する波長決定部と、
    を含む、決定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005308733A (ja) * 2004-03-25 2005-11-04 Nagasaki Prefecture 植物の受けるストレスの測定方法及び装置
JP2016507223A (ja) * 2012-12-20 2016-03-10 ヘリオスペクトラ アクチエボラグ ストレスから植物を回復させるための方法及び照明システム

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