JP2021132559A - 遠隔管理システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、この移植機は、その植え付け間隔に関する制御などを行う制御装置が搭載されている。この制御装置は、畝の高さを検知する畝高さセンサとも接続されており、畝高さセンサの検出に合わせて走行車体の車高を増減させ、苗の植付け深さを設定した通りに保つ機能も有している。
このため、移植機の操作者がその異常に気づかずに走行車体を前進させると、苗の植え付けが行われない箇所や、苗が設定した間隔や深さで植え付けられていない箇所が生じてしまうことがあり、この結果、その各箇所における苗の植え直しをするための作業に余分な時間と労力を費やすことになるという問題がある。
すなわち、請求項1に記載の発明は、圃場を走行して苗を圃場に移植する単数又は複数の移植機(2)の動作を検出しながら制御する単数又は複数の作業側制御装置(6)と、前記作業側制御装置(6)と通信接続して情報の送受信を行い、前記移植機(2)の遠隔管理を制御する管理側制御装置(7)と、を備え、
前記作業側制御装置(6)および管理側制御装置(7)のうち少なくとも作業側制御装置(6)には、前記移植機(2)の走行および苗植付け等の動作に関してそれぞれ検出される検出値が正常であるとみなす規定値の情報が記憶されており、
前記作業側制御装置(6)は、前記規定値から外れた検出値を検出したときに、その外れた検出値の情報を該当する前記移植機(2)の識別情報、位置情報および検出時間情報と関連付けた動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行し、
前記管理側制御装置(7)は、前記送信される動作異常情報を記憶保存するとともに報知する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
前記作業側制御装置(6)は、エンジン(23)の始動操作の回数が一定の時間内で所定の回数を超えた場合にかかわらず前記エンジン回転センサ(67)を通してエンジン(23)の回転が継続せず始動していないことを検出したときと、前記エンジン(23)が始動した後に前記エンジン回転センサ(67)を通してエンジンの回転数が規定値を超えて外れたことを検出したときに、その各検出された情報を前記動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
前記作業側制御装置(6)は、前記傾斜センサ(68)で検出された傾斜角度が前記規定値を超えて外れたことを検出したときに、その外れた傾斜角度の情報を記憶保存し、
前記作業側制御装置(6)は、前記傾斜角度の情報を記憶保存した後に該当する前記移植機(2)のエンジン(23)が再始動されたときに、前記傾斜角度の情報を前記動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
前記移植機(2)は、苗植付けの前後間隔である株間を設定する株間設定部(52)を有し、
前記作業側制御装置(6)は、前記株間設定部(52)の設定値の情報を前記通信端末(8)に送信する動作を実行することが可能であり、
前記通信端末(8)は、前記作業側制御装置(6)に通信接続して前記株間設定部(52)の設定値の情報を収集して記憶保存するとともに、その設定値の情報を該当する前記移植機(2)の識別情報、位置情報および時間情報と関連付けた動作設定情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行し、
前記管理側制御装置(7)は、前記送信される動作設定情報を記憶保存するとともに、その動作設定情報に該当する前記移植機(2)の株間の設定値を使用頻度から順位付けして記憶保存する動作を実行し、
前記通信端末(8)は、前記管理側制御装置(7)に通信接続して所要の前記移植機(2)に関する使用頻度の高い複数の株間の設定値の情報を受信する動作と、その受信した設定値の情報を該当する前記移植機(2)の前記作業側制御装置(6)に通信接続して送信するとともに当該移植機(2)の前記株間設定部(52)の設定値を前記使用頻度の最も高い株間の設定値に変更する動作が可能であることを特徴とする遠隔管理システムである。
前記作業側制御装置(6)は、前記操作手段が所定の時間以上操作されると、前記通信端末(8)から送信された使用頻度の高い複数の株間の設定値の情報を表示する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
前記通信端末(8)は、音を収集して記録する収音装置(91)を有し、
前記作業側制御手段(6)は、エンジン回転センサ(67)又は傾斜センサ(68)が前記規定値を外れた検出値を検出したときと前記畝センサ(69)が走行開始後の所定の時間内に又は所定の距離を走行する前に検出しないときに、前記音発生装置(59)を作動させて警告音を発生させる動作を実行し、
前記通信端末(8)は、前記収音装置(91)が前記警告音を収集して検知したときに、前記管理側制御装置(7)に通信接続してエンジン回転センサ(67)又は傾斜センサ(68)に関する前記動作異常情報の有無の検出と前記畝センサ(69)の非検出情報の有無を検出するとともに前記音発生装置(59)の作動の正誤を判定してその判定結果の情報を記憶保存する動作と、その判定結果の情報を前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
前記通信端末(8)は、前記移植機(2)のうち前記撮影装置(92)で撮影される部分の正常な動きの映像が記憶保存されており、また、前記撮影装置(92)で撮影された映像を前記正常な動きの映像と比較して相違する部分の有無を判定してその判定結果の情報を記憶保存する動作と、その判定結果の情報を前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システムである。
管理側制御装置7は、移植機2の作業側制御装置6とインターネット通信等の情報通信手段200を介して通信接続して情報の送受信を行うようになっている。この遠隔管理システム1に適用される移植機2は、通常、複数であるが、単数であってもかまわない。また移植機2は、例えば遠隔管理に関する契約を結んでいるもの等が含まれる。
操縦ハンドル25には、例えば、エンジン23からの回転動力を入切して走行と停止を切り替える走行クラッチレバー26a、走行車体20を昇降動させる昇降用油圧シリンダ27を作動させる昇降操作レバー26b、エンジン23の回転数の増減を調整するスロットルレバー26c、後述する操作部50等が配置されている。
機体制御機構は、後輪22の上げ下げによって走行車体20を昇降させる昇降用油圧シリンダ27と、走行車体を左右に傾斜させる水平用油圧シリンダ28(図4)とで構成されており、各油圧シリンダ27,28を作動させることで走行車体20の姿勢および車高を調整する仕組みになっている。走行車体20には、その傾斜する角度を検出する傾斜センサ68が設けられており、その検出された情報が後述の制御部61(図2)に送信される。
苗置台32は、トレイ搬送路33が前下がりに傾斜した状態で設けられている。トレイ搬送路33には、苗トレイ31の有無を検出するトレイセンサ33a、苗トレイ31の縦方向への移動を押さえて案内する図示しない押え案内部材等が配置されている。
トレイ縦送り装置35は、図5(B)に示されるように、苗置台32上に置かれる苗トレイ31の裏側において育苗ポット31aどうし間の隙間(溝部)にロッド先端部を差し込んで係合させながら苗トレイ31を下方に移動させるトレイ送りロッド35bを有している。
すなわち、横送り動作は、苗トレイ31の横方向一列分の育苗ポット31aの苗が植付け装置40の後述する取出し装置41により順次取り出されるよう、トレイ搬送路移動装置36により苗置台32のトレイ搬送路33を左右の横方向に間欠的に送る動作である。また縦送り動作は、上記横送り動作と苗の取り出しにより苗トレイ31における横方向一列分のすべての育苗ポット31aからの苗の取り出しが完了した後に、トレイ縦送り装置35のトレイ送りロッド35bにより苗置台32のトレイ搬送路33上の苗トレイ31をその育苗ポット31aの横方向一列分だけ下方向に送る動作である。
取出し部材42は、その先端の取出し爪42aが破線で例示する所定の軌跡Kを描くように作動することで、育苗ポット31aから苗を取り出した後にその苗を植付け具44に落下させて供給する。軌跡Kは、先端の取出し爪42aが育苗ポット31aの内部と植付け具44の上方との間を往復して移動するように動くパターンである。
ホッパー45は、その上端部が取出し装置41に接近する位置に移動したときに、閉じた状態になって取出し装置41から落下して供給される苗をホッパー内に収容するよう作動する。またホッパー45は、その下端部が圃場100の畝102に接近して差し込まれたときに、その下端部が左右に離間するよう開いた状態になって苗を畝102に植え付けるよう作動する。
また、この植付け駆動機構47には、植付けクラッチ48の入り切りの状態を自動で切り替える植付けクラッチ切替え装置58が設けられている。植付けクラッチ切替え装置58は、例えばアクチュエータ、ソレノイド等で構成される。
反対に、ソレノイド49への通電が停止されてその作用ロッドを突出させた状態にしたときには、ストッパーが植付けクラッチ48を停止状態にするように動かされて、植付けクラッチ48が「切り」の状態になるよう構成されている。これにより、植付け装置40では、植付け駆動機構47への回転動力の伝達が遮断されて揺動アーム44a等を含む機構によるホッパー45の上下動が不可になり、植付け動作が行われないようになる。
なお移植機2では、畝102の端部ではない場所において畝102の一部が何らかの影響で崩れて接触検出板29が下方に向かって十分な範囲に回動し得る窪み(穴を含む)がある場合、畝センサ69が切りの状態になり、後述するブザー59等の報知装置が作動する。これにより、作業者に苗の植付け作業に支障があることを報知する。
記憶部62は、制御プログラム、各種データを記憶して保存する。入出力部63は、作業側制御装置6内の各部との間における必要な信号や情報の入出力を行うとともに、移植機2にある各種センサ、スイッチ等の検出手段との間における必要な情報の入出力を行う。通信部64は、所要の情報通信手段200を介して管理側制御装置7の間において必要な情報の送受信を行う。
計時部65は、時刻の記録や、経過時間の計測を行う。測位部66は、全地球測位システム、衛星測位システム等の測位システムを利用して移植機2の走行車体20の位置情報を計測する。
記憶部72は、制御プログラム、各種データを記憶して保存する。入出力部73は、管理側制御装置7内の各部との間における必要な信号や情報の入出力を行う。通信部74は、所要の情報通信手段200を介して作業側制御装置6の間において必要な情報の送受信を行う。
操作部75は、管理側制御装置7の利用に際して管理側制御装置7を運用する遠隔管理者が必要とする操作を行う。表示部76は、管理側制御装置7において必要な情報を表示する。
正常であるとみなす規定値(閾値)Sは、移植機2の操作者又は遠隔管理者によって予め行われる記憶部62に格納する作業により記憶されるか、あるいは、必要なタイミングで管理側制御装置7から送信されて記憶部62に自動で格納されて記憶される。この規定値(閾値)Sとしては、例えば、エンジン23の回転数に関する規定値Se、走行車体20の傾斜角度に関する規定値Si等が挙げられる。
すなわち、作業側制御装置6では、図7に示されるように、各種の検出手段からの検出した情報を入手し(ステップS10)、その検出値が規定値Sを超えて外れているか否かを判断する(S11)。このとき検出値が規定値Sを超えている場合には、その検出値の情報を動作異常情報Idとして管理側制御装置7に情報通信手段200を介して送信する(S12)。
すなわち、管理側制御装置7では、図8に示されるように、作業側制御装置6からの動作異常情報Idを受信するか否かを判断している(ステップS20)。このとき動作異常情報Idを受信した場合は、その動作異常情報Idを記憶部72に記憶保存し(S21)、また動作異常情報Idが発生したことを報知する(S22)。
また動作異常情報Idの発生の報知は、遠隔管理者に発見されやすい動作であればよく、例えば、表示部76に警告用の表示をすることや、警告用のランプや表示マークを点灯若しくは点滅させることや、ブザーで警告音を鳴らすことが行われる。
この場合、管理側制御装置7から作業側制御装置6に通信接続して移植機2に異常が発生したことを知らせる動作(警告通知)を行うことが好ましい。この警告通知は、遠隔管理者が手動で操作して行われるか、又は管理側制御装置7が動作異常情報Idを受信した後に自動で実行されるように構成すればよい。
この際、エンジン23の始動操作の回数が所定の回数を超えた場合とは、例えば、リコイルスタータ23aによる手動の始動操作が一定の時間内で10回以上行われた場合である。また、エンジン23の回転が継続せず始動していないこととは、エンジン回転センサ67が回転を検出しても比較的すぐにゼロになること等である。
また、エンジン23が正常に始動した後でもエンジン回転数が規定値Seを超えた場合には、その原因として操作者の誤操作や、エンジン制御の異常の発生が考えられ、そのエンジン異常が発生した状態での植付け精度が低下した移植作業が続行されることを早めに中止することができる。
また、このステップS23のような動作を行う場合は、その動作異常情報Idが正しいと判断したときには、原則通り、その動作異常情報Idを記憶部72に記憶保存する動作(S21)を行い、反対にその動作異常情報Idが正しくないときには、例えば、その動作異常情報Idを破棄(消去)する動作(S24)を行うように構成することも可能になる。
図9には、実施の形態2に係る遠隔管理システム1が示されている。
実施の形態2に係る遠隔管理システム1は、図1に二点鎖線で含めて示され、また図9に示されるように、作業側制御装置6と管理側制御装置7とにそれぞれ通信接続して情報の送受信を行うことが可能な通信端末8を新たに備えるようにしたことと、その作業側制御装置6の構成の一部を割愛したことで変更した以外は実施の形態1に係る遠隔管理システム1とほぼ同じ構成からなるものである。
また、通信端末8は、作業側制御装置6と管理側制御装置7との双方にそれぞれ通信接続して情報の送受信を行うことが可能なものである。この場合、通信端末8と管理側制御装置7との間の通信手段としては、例えば、インターネット通信、LTE等の携帯電話通信等の方式として知られている遠距離通信が可能な情報通信手段200Aを適用するとよいが、特にこれに限定されるものではない。また、通信端末8と作業側制御装置6との間の通信手段としては、例えば、Wi−Fi(登録商標。ワイヤレスLAN)、Bluetooth(登録商標)等の方式や規格として知られている近距離通信が可能な情報通信手段200Bを適用するとよいが、特にこれに限定されるものではない。
記憶部82は、制御プログラム、各種データを記憶して保存する。入出力部83は、通信端末8内の各部との間における必要な信号や情報の入出力を行う。通信部84は、所要の情報通信手段200A,200Bを介して作業側制御装置6および管理側制御装置7との間において必要な情報の送受信を行う。
計時部87と測位部88については、スマートフォン等の通信端末8が備えている計時機能や測位機能をそのまま活用すればよい。
撮影部92は、移植機2のうち特に苗植付け動作に関する部分の少なくとも一部を動画撮影等ができるような撮影機能を有する部分であり、撮影装置の一例である。この撮影部92は、例えば通信端末8に内蔵されている小型カメラを適用することができる。また、撮影部92は、通信端末8と通信接続が可能であって通信端末8に後付けした状態で使用することが可能な小型カメラであってもよい。
これにより、この遠隔管理システム1においては、作業側制御装置6に計時部65と測位部66を設ける必要がない分だけ、作業側制御装置6の構成の複雑化やコストの上昇を抑制することができる。
株間設定ボタン52による株間の設定は、増加ボタン52Aと減少ボタン52Bを押す操作により行われる。この際、操作部50における表示部53に設定される株間の情報が表示され、その表示内容を参照しながら設定操作が行われる。
これにより、管理側制御装置7では、遠隔管理者が移植機2における株間設定の運用情報を収集して管理することができる。
この場合、株間の設定値の順位付けは、株間の設定値の情報が複数収集された以降に行われる。また、このときの管理側制御装置7は、例えば、株間の設定値に関する情報について検索可能なデータベースソフトにより整理して保存するよう構成することができる。このときのデータベースソフトは、通信端末8にて操作可能なアプリケーションとしてインストール可能なものとし、もし必要な際にインストールされていなければ(あるいはアップデートの必要があれば)、管理側制御装置7または接続可能なサーバーから任意にダウンロードすることもできるものとする。
通信端末8の情報の通信や株間の設定値の変更等の動作については、その専用のアプリケーションソフトを記憶部82に格納しておき、そのアプリケーションソフトを起動して操作することで実行できるように構成される。
この場合、作業側制御装置6から管理側制御装置7に送信する動作異常情報Idは、作業側制御装置6から通信端末8にも送信するよう構成することができる。また、その動作異常情報Idの管理側制御装置7への送信について、作業側制御装置6に代えて通信端末8から管理側制御装置7に送信するよう構成しても構わない。
実施の形態3に係る遠隔管理システム1は、実施の形態1又は2に係る遠隔管理システム1(図1、図2、図9)における作業側制御装置6について、エンジン回転センサ67又は傾斜センサ68が各規定値Se,Siを外れた検出値を検出したときと畝センサ69が走行開始後の所定の時間内に又は所定の距離を走行する間に検出しないときに、音発生装置の一例であるブザー59を作動させて警告音を発生させる動作を実行するように構成している。
また移植機2では、苗を植え付けながら畝102に沿って前進しているとき、接触検出板29が畝面102aの凹凸に合わせて上下回動し、この上下回動に連動して油圧バルブの開度および送油方向がメカ的又は電子的に変更されることで昇降用油圧シリンダ27を伸縮させて移植機2の車高を逐次上下させ、これにより苗の植付け深さが設定した深さに維持される。
また畝センサ69は、移植機2が畝102の終端側の端部に到達すると、接触検出板29が押し上げられなくなって下方回動するので切りの状態になり、畝面102aを検出しない状態となる。
作業側制御装置6では、例えば、このように畝センサ69が一旦入り状態になった後に切り状態になると、ブザー59を作動させる。
ブザー59から警告音が発音されることにより、移植機2に異常が発生したことをその操作者も早期に知ることができる。
また、ブザー59の作動の正誤は、管理側制御装置7にエンジン回転センサ67又は傾斜センサ68に関する動作異常情報Idがある場合と畝センサ69の入り状態から切り状態になる検出の情報がある場合に正常であると判定し、それ以外の場合にはブザー59の作動が異常(誤作動)であると判定する。
また、このとき移植作業の途中であった場合には、その警告音が発生した圃場100の地点および時間の情報から苗の植え直しが必要であることとその植え直しが必要な範囲がわかるので、その植え直し作業を効率よく適切に行うことができる。
これにより、作業者が畝102の終端部に到達したことに気付かず、畝102に植え付けられない位置にホッパー45から苗が落とされることが生じることを防止できる。また、その落ちた苗を拾う作業に要する時間と労力を軽減できるとともに、苗が前輪21、後輪22及び作業者に踏まれて生育できなくなることが防止される。
この制御プログラムを採用した場合は、例えば、車高が作業に適した高さになる前に植付け作業が開始されて苗が畝102に植え付けられないことや、たとえ植え付けられても浅過ぎて簡単に倒れてしまう状態で苗の植付け作業が開始されることが防止される。
このように構成した場合は、作業者および遠隔管理者が畝102に異常があることに早期に気付くことができ、苗の植付けに適さない状態で作業を続けてしまうことで時間や労力をはじめ苗を余分に(無駄に)消費することを防止できる。
但しこの場合、崩れた部分や窪んだ部分の進行方向における前後幅が短く、苗の植付けに支障が無いときにもブザー59が作動すると、ブザー59を停止させるために走行クラッチレバー26aを操作する等の余分な作業に、より時間を取られてしまうことになる。このため、作業側制御装置6は、接触検出板29が下方回動した状態が一定時間(例えば1〜2秒)継続したときに、畝センサ69が切り状態になってブザー59を作動させるよう構成するとよい。
この場合は、遠隔管理者が、警告音の発生時における移植機2の状況に関する情報を管理運用情報として収集することができる。
この他、通信端末8がアプリケーションによりブザー59の機能を果たすように構成するときには、ブザー59として作動した際に、そのブザー59の作動の正誤についてマイク91を介さずに上記した判定と同様の判定を行うようにすればよい。
実施の形態4に係る遠隔管理システム1は、実施の形態2に係る遠隔管理システム1(図9)における通信端末8について、移植機2のうち通信端末8における撮影部92のカメラで撮影される苗植付け動作に関係する部分の正常な動きの映像が記憶部82に記憶保存されており、また、その撮影部92のカメラで撮影された映像を上記正常な動きの映像と比較して相違する部分の有無を判定してその判定結果の情報を記憶部82に記憶保存する動作と、その判定結果の情報を管理側制御装置7に送信する動作を実行するように構成している。
また、撮影の対象が植付け装置40における取出し装置41であれば、例えばその取出し部材42の動きが撮影され、例えばその取出し部材42又は取出し爪42aの軌跡Kについて、その同じ部分の正常な動きの映像との間で相違する部分があるか否かが比較して判定される。
この場合、ホッパー45の動きが正常な軌跡T1を外れて相違することが判明したときに、そのホッパー45の動作を支配する植付けクラッチ48(図6)の入り切り状態を制御するソレノイド49(図6)が故障原因であるとみなす判定をして、その判定結果を管理側制御装置7に送信するように構成してもよい。
この場合、ソレノイド49の作動時におけるオンオフの状態について、その撮影した結果を管理側制御装置7に逐次送信して移植機2の運用情報の一部として使用するよう構成してもよい。
これにより、遠隔管理者は、該当する移植機2の操作者に異常の発生を速やかに連絡することができる。また、その連絡を受けた操作者は、移植機2の異常な植付け等の動作を速やかに停止させることができ、それに伴って苗の植え直し作業に要する時間や労力を軽減することもできる。
この場合、カメラ等の撮影装置としては、広範囲を撮影できるものを適用するかあるいは複数の撮影装置を適用するようにすればよい。また、撮影装置としては、通信端末8に内蔵される撮影部92のカメラに限らず、通信端末8と通信接続が可能である他の独立した撮影装置を適用してもよい。他の独立した撮影装置については、必要に応じて移植機2のうち撮影が可能な場所に設置してもよい。また独立した撮影装置としては、移植機2から独立したドローン等の移動体に設ける撮影装置を適用することも可能である。この場合は、その移動体で移動して移植機2から離間した位置から撮影して映像を利用することができる。
これにより、移植機2における撮影した複数箇所の状態に関する情報が得られるので、異常が発生したときに、その異常の発生原因を特定しやすくなることもある。
また挙動が正常であるかどうかについての判断は、判定用のデータベースあるいは人工知能が組み込まれた遠隔端末にデータを送信して正否判定を行い、その正否判定結果のデータを受信して行うように構成してもよい。このときの正否判定は、通信の負担を軽減すべく所定時間ごとに行うことが現状は望ましいが、より大容量で且つ高速の無線通信が使用可能な環境であれば、リアルタイム通信で常時監視し、問題の発生から通知までのタイムラグをより抑えるものとしてもよい。
実施の形態2では、その作業側制御装置6又は管理側制御装置7において株間の設定値ごとに動作異常情報Idが発生したときの異常の発生原因となった部分を種別して管理し、次回以降の作業で支障が多く使えない問題のある株間の設定値について選択できないようにする処理を実行するように構成してもよい。
選択できない株間の設定値が生じたときは、選択可能な他の株間の設定値に設定して暫定的な植え付け作業を行うことになる。これにより、本来所望する株間の植え付けができない場合であっても、他の株間での植え付けが可能になるので、暫定的な植え付けであるものの苗に適した移植時期や移植時の天候を逃すことを避けることができ、結果として苗の生育に悪影響が出ることを防止することができる。
これにより、移植機2の作業者は、選択できない株間による植え付け作業を再度行うことが可能になって所望の移植作業を継続させることができる。ただし、この構成を採用する場合においても、異常の発生原因がメーカー修理を要するような大掛かりのものである株間の設定値については、その復帰が適当でないため、再度有効にして復帰できないようにする必要がある。
このように構成した場合は、遠隔管理者が設定値の情報を参考にして異常の発生原因を詳細に確認することが可能になる。つまり、そのときの異常の発生原因が設定値によるものかどうかを把握できる。そして、発生原因が設定値による場合であったときには、例えば、遠隔管理者が遠隔管理システム1を通して移植機2の操作者に正しい設定値の情報を連絡することが早期に行うことができる。
このように構成した場合は、管理側制御装置7の制御動作の停止により移植機2を稼動させることができなくなり、その移植機2の操作者が異常な状態であることを知ることができる。また、移植機2が使用できない状態になるので、その早めの修理を促すことができる。また、早急な修理が必要な問題のある移植機2を続けて使用することによる植え付け不良が発生することも確実に防止できる。
このときの注意喚起の動作は、例えば、ブザー59から警告音を発生させることや、表示部53に警告表示をすることなどである。これにより、移植機2の操作者に異常の発生をより確実に知らせることができる。
このように構成した場合は、移植機2の操作者も異常の発生したことと設定値の不適切なことを早期に知ることができる。
この場合、メインライトとは、例えば、前方照明用のヘッドライトや、操作部50にある表示部53の照明用ランプなどである。これにより、遠隔管理者は、移植機2のメインライトに関する運用情報も収集して管理することができる。
この場合、遠隔管理システム1から独立して使用するとは、管理側制御装置7又は通信端末8による遠隔操作や設定変更等ができない状態にして、作業側制御装置6のみによる移植機2の制御を行える状態である。
また上記した構成を採用する場合、ヒューズの着脱による切り替え方式や切替えモードでの切替え方式に代えて、作業側制御装置6から管理側制御装置7への送信により、作業側制御装置6を遠隔管理システム1から独立して使用することを選択することが可能な切替え方式を採用してもよい。
この熱伝導性部材96を組みつけた場合は、水タンク95P内で発生する水蒸気STの量が増え、エンジン23の温度上昇を抑制すること(換言すればエンジン23の冷却を補助すること)が可能になる。
図12における符号93はエンジン23の少なくとも前面および上面を覆うカバー、符号151は予備苗枠150の支柱、符号152A,152Bは走行車体20の長手方向に沿って前後に長く設置される前後の中央枠、符号153は走行車体20の左右両側において上下に多段状に配置される両脇枠を示す。
また、この霧発生装置97は、例えば、図12に示されるように、その作動の入り切り操作をするための操作手段(スイッチ、ボタン又は操作画面)55を移植機2の操作者の手元付近に設けて操作者が任意に作動させて使用できるように構成するか、あるいは、作業側制御装置6によりタイマー56で所定の時間間隔で自動的に作動するように構成される。図12では、操作手段55やタイマー56を操作部50に配置した構成例が示されている。
また、熱伝導性部材98は、図12に二点鎖線で示されるように、走行車体20の金属製の車体フレーム20Fについてエンジン23を搭載する部分から前方に突出する部分20Faを有する設け構造とし、しかも熱伝導性に優れた物性にしたものとしたものであっても構わない。
2 …移植機
6 …作業側制御装置
7 …管理側制御装置
8 …通信端末
20…走行車体
23…エンジン
40…苗植付け装置
52…株間設定ボタン(株間設定部の一例)
52A,52B…増減ボタン(操作手段の一例)
67…エンジン回転センサ
68…傾斜センサ
69…畝センサ
91…マイク、収音部(収音装置の一例)
92…カメラ、撮影部(撮影装置の一例)
Claims (8)
- 圃場を走行して苗を圃場に移植する単数又は複数の移植機(2)の動作を検出しながら制御する単数又は複数の作業側制御装置(6)と、
前記作業側制御装置(6)と通信接続して情報の送受信を行い、前記移植機(2)の遠隔管理を制御する管理側制御装置(7)と、
を備え、
前記作業側制御装置(6)および管理側制御装置(7)のうち少なくとも作業側制御装置(6)には、前記移植機(2)の走行および苗植付け等の動作に関してそれぞれ検出される検出値が正常であるとみなす規定値の情報が記憶されており、
前記作業側制御装置(6)は、前記規定値から外れた検出値を検出したときに、その外れた検出値の情報を該当する前記移植機(2)の識別情報、位置情報および検出時間情報と関連付けた動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行し、
前記管理側制御装置(7)は、前記送信される動作異常情報を記憶保存するとともに報知する動作を実行することを特徴とする遠隔管理システム。 - 前記移植機(2)は、エンジン(23)の回転および回転数を検出するエンジン回転センサ(67)を有し、
前記作業側制御装置(6)は、エンジン(23)の始動操作の回数が一定の時間内で所定の回数を超えた場合にかかわらず前記エンジン回転センサ(67)を通してエンジン(23)の回転が継続せず始動していないことを検出したときと、前記エンジン(23)が始動した後に前記エンジン回転センサ(67)を通してエンジンの回転数が規定値を超えて外れたことを検出したときに、その各検出された情報を前記動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする請求項1に記載の遠隔管理システム。 - 前記移植機(2)は、車体(20)の傾斜する角度を検出する傾斜センサ(68)を有し、
前記作業側制御装置(6)は、前記傾斜センサ(68)で検出された傾斜角度が前記規定値を超えて外れたことを検出したときに、その外れた傾斜角度の情報を記憶保存し、
前記作業側制御装置(6)は、前記傾斜角度の情報を記憶保存した後に該当する前記移植機(2)のエンジン(23)が再始動されたときに、前記傾斜角度の情報を前記動作異常情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔管理システム。 - 前記作業側制御装置(6)と前記管理側制御装置(7)とにそれぞれ通信接続して情報の送受信を行うことが可能でかつ測位機能および計時機能を有する通信端末(8)を備え、
前記移植機(2)は、苗植付けの前後間隔である株間を設定する株間設定部(52)を有し、
前記作業側制御装置(6)は、前記株間設定部(52)の設定値の情報を前記通信端末(8)に送信する動作を実行することが可能であり、
前記通信端末(8)は、前記作業側制御装置(6)に通信接続して前記株間設定部(52)の設定値の情報を収集して記憶保存するとともに、その設定値の情報を該当する前記移植機(2)の識別情報、位置情報および時間情報と関連付けた動作設定情報として前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行し、
前記管理側制御装置(7)は、前記送信される動作設定情報を記憶保存するとともに、その動作設定情報に該当する前記移植機(2)の株間の設定値を使用頻度から順位付けして記憶保存する動作を実行し、
前記通信端末(8)は、前記管理側制御装置(7)に通信接続して所要の前記移植機(2)に関する使用頻度の高い複数の株間の設定値の情報を受信する動作と、その受信した設定値の情報を該当する前記移植機(2)の前記作業側制御装置(6)に通信接続して送信するとともに当該移植機(2)の前記株間設定部(52)の設定値を前記使用頻度の最も高い株間の設定値に変更する動作が可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遠隔管理システム。 - 前記移植機(2)の株間設定部(52)に株間を増減させる操作手段(52A,52B)を有し、
前記作業側制御装置(6)は、前記操作手段が所定の時間以上操作されると、前記通信端末(8)から送信された使用頻度の高い複数の株間の設定値の情報を表示する動作を実行することを特徴とする請求項4に記載の遠隔管理システム。 - 前記作業側制御装置(6)は、前記使用頻度の高い複数の株間の設定値の情報が表示された後に前記操作手段(52A,52B)が所定の時間内で操作されないときに前記株間設定部(52)の設定値を前記使用頻度の最も高い株間の設定値に変更する動作を実行する一方で、前記操作手段(52A,52B)が所定の時間内で増減させる操作が続けられたときに増減の要求に応じて前記使用頻度の高い複数の株間の設定値を上位側又は下位側の設定値にずらして表示する動作と前記株間設定部(52)の設定値をその表示された設定値から選択した設定値に変更する動作を実行することを特徴とする請求項5に記載の遠隔管理システム。
- 前記移植機(2)は、エンジン(23)の回転および回転数を検出するエンジン回転センサ(67)と、車体の傾斜する角度を検出する傾斜センサ(68)と、苗を植え付ける畝(102)の畝面(102a)に接触して高低の変化を検出するとともに畝(102)への到達を検出する畝センサ(69)と、警告音を発生する音発生装置(59)を有し、
前記通信端末(8)は、音を収集して記録する収音装置(91)を有し、
前記作業側制御手段(6)は、エンジン回転センサ(67)又は傾斜センサ(68)が前記規定値を外れた検出値を検出したときと前記畝センサ(69)が走行開始後の所定の時間内に又は所定の距離を走行する前に検出しないときに、前記音発生装置(59)を作動させて警告音を発生させる動作を実行し、
前記通信端末(8)は、前記収音装置(91)が前記警告音を収集して検知したときに、前記管理側制御装置(7)に通信接続してエンジン回転センサ(67)又は傾斜センサ(68)に関する前記動作異常情報の有無の検出と前記畝センサ(69)の非検出情報の有無を検出するとともに前記音発生装置(59)の作動の正誤を判定してその判定結果の情報を記憶保存する動作と、その判定結果の情報を前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の遠隔管理システム。 - 前記移植機(2)の苗植付け動作に関係する部分の少なくとも一部の動きを撮影することが可能であり、前記通信端末(8)に搭載されているか又は前記通信端末(8)と通信接続が可能である撮影装置(92)を有し、
前記通信端末(8)は、前記移植機(2)のうち前記撮影装置(92)で撮影される部分の正常な動きの映像が記憶保存されており、また、前記撮影装置(92)で撮影された映像を前記正常な動きの映像と比較して相違する部分の有無を判定してその判定結果の情報を記憶保存する動作と、その判定結果の情報を前記管理側制御装置(7)に送信する動作を実行することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の遠隔管理システム。
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