JP2021132461A - シミュレーションシステム、シミュレーション方法、および、プログラム - Google Patents

シミュレーションシステム、シミュレーション方法、および、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ハードウェアインザループシミュレーションにおいては、供試機の動作が不安定となってしまうことがある。【解決手段】 接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーションシステムであって、可変インピーダンス素子を含み供試機に接続されるインタフェース回路と、インタフェース回路を介して供試機に接続され、接続対象回路と、可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含みインタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション装置と、シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出装置と、を備えるシミュレーションシステムが提供される。【選択図】図11

Description

本発明は、シミュレーションシステム、シミュレーション方法、および、プログラムに関する。
従来、電力変換装置などの供試機をハードウェアインザループシミュレーションで試験する種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1,2および非特許文献1参照)。
特許文献1 特開2014−204503号公報
特許文献2 特開2017−77077号公報
非特許文献1 Wei Ren, et al. "Improve the Stability and the Accuracy of Power Hardware-in the Loop Simulation by Selecting appropriate Interface Algorithms," IEEE Trans. Industry Applications, vol. 44, No. 4, 2008
ハードウェアインザループシミュレーションにおいては、インタフェース(IF)に起因してシミュレーションが不安定となり、供試機が本来安定動作する状況においても、供試機の動作が不安定となってしまうことがある。したがって、本来模擬すべきハードウェアインザループシミュレーション特性が得られなかったり、供試機が実際に不安定に動作することで供試機やシミュレーション装置が損傷したりする虞がある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーションシステムが提供される。シミュレーションシステムは、可変インピーダンス素子を含み供試機に接続されるインタフェース回路を備えてよい。シミュレーションシステムは、インタフェース回路を介して供試機に接続され、接続対象回路と、可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含みインタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション装置を備えてよい。シミュレーションシステムは、シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出装置を備えてよい。
シミュレーションシステムは、可変インピーダンス素子のインピーダンスを、検出装置により検出されたインピーダンスの値に設定する設定装置をさらに備えてよい。
検出装置は、設定装置が可変インピーダンス素子のインピーダンスを変更する毎にシミュレーション装置により実行されるシミュレーションが収束するか否かを判定する判定部を有してよい。
シミュレーションシステムは、判定部によりシミュレーションが発散すると判定される場合に当該シミュレーションを停止する停止装置をさらに備えてよい。
検出装置は、シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子の最小のインピーダンスを検出してよい。
検出装置は、設定装置に可変インピーダンス素子のインピーダンスを第1インピーダンスから順次、小さくさせて最小のインピーダンスを検出してよい。
判定部は、供試機を用いてシミュレーション装置により実行されるシミュレーションで得られる信号波形に基づいて判定を行ってよい。
検出装置は、既知の特性を有する他の供試機を用いてシミュレーション装置により実行されるシミュレーションで得られた基準信号波形の特徴量に基づく閾値を記憶する記憶部を有してよい。判定部は、信号波形の特徴量と、基準信号波形の特徴量に基づく閾値との比較結果に基づいて判定を行ってよい。
検出装置は、供試機を用いてシミュレーション装置により実行されるシミュレーションにおいて得られる電圧信号または電流信号の閾値を記憶する記憶部を有してよい。判定部は、信号波形のピーク値と、閾値との比較結果に基づいて判定を行ってよい。
判定部は、信号波形の包絡線の傾きが正であるか否かに基づいて判定を行ってよい。
判定部は、インタフェース回路および仮想インタフェース回路を介して供試機と、シミュレーションされた接続対象回路とが接続された回路の一巡伝達関数から導出されるナイキスト線図またはボード線図に基づいて判定を行ってよい。
シミュレーションシステムは、シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子のインピーダンスを検出する検出モードと、検出モードにより検出されたインピーダンスに可変インピーダンス素子が設定された状態でシミュレーション装置により供試機を試験する試験モードと、の間で当該シミュレーションシステムの動作モードを切り替える切替装置をさらに備えてよい。
本発明の第2の態様においては、接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーション方法が提供される。シミュレーション方法は、可変インピーダンス素子を含むインタフェース回路を介して供試機に接続され、接続対象回路と、可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含みインタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション段階を備えてよい。シミュレーション方法は、シミュレーション段階によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出段階を備えてよい。
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータに、接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーション装置であって、可変インピーダンス素子を含むインタフェース回路を介して供試機に接続され、接続対象回路と、可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含みインタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション装置を実現させてよい。プログラムは、コンピュータに、シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出装置を実現させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
実施形態に係るシミュレーションシステム1を供試機2とともに示す。 算出装置13を示す。 設定装置17を位相補償フィルタ1119とともに示す。 接続回路115を含む仮想の回路1002(1)を示す。 接続回路116を含む仮想の回路1002(2)を示す。 シミュレーションシステム1による動作を示す。 減衰インピーダンス調整処理を示す。 位相補償フィルタ1119設定処理を示す。 位相補償フィルタ1119設定処理を示す。 伝達関数のゲイン特性曲線の例を示す。 変形例に係るシミュレーションシステム1Aを示す。 シミュレーションシステム1Aによる動作を示す。 共通インピーダンス調整処理を示す。 ハードウェアインザループ回路1001における信号の流れを示す。 ハードウェアインザループ回路1001のブロック線図である。 シミュレーションで得られる時間応答の信号波形を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[1.シミュレーションシステム]
図1は、本実施形態に係るシミュレーションシステム1を供試機2とともに示す。シミュレーションシステム1は、接続対象回路に接続されるべき供試機2のハードウェアインザループシミュレーションを行うものであり、本実施形態では一例として、接続対象回路をシミュレーションして、供試機2が接続対象回路に接続された場合の動作を試験する。シミュレーションシステム1は、インタフェース回路10と、シミュレーション装置11と、算出装置13と、調整装置14と、設定装置17と、切替装置18とを備えてよい。
[1.1.供試機]
供試機2は、シミュレーションシステム1による試験対象の装置である。例えば供試機2は、電力変換装置であってよく、本実施形態では一例として、PCS(Power Conditioning System)、UPS(Uninterruptible Power Supply)またはインバータであってよい。供試機2は、製品の実機であってもよいし、実機と同等の機能を有しながら容量などをスケールダウンしたミニモデルであってもよい。供試機2には、内部インピーダンスZが存在し得る。供試機2のインピーダンスZは、抵抗成分Rおよびリアクタンス成分Lを含んでよい。供試機2にはアナログで入出力が行われてよい。
供試機2が接続されるべき接続対象回路は、供試機2に対して電力を供給してもよいし、供試機2から電力の供給を受けてもよい。本実施形態では一例として、接続対象回路は、電力変換装置としての供試機2に電力を供給する電力系統であってよい。
[1.2.インタフェース回路]
インタフェース回路10は、供試機2に接続される。インタフェース回路10は、供試機2とシミュレーション装置11との間で信号や電力の遣り取りを仲介するパワーアンプであってよい。インタフェース回路10は、二次側インピーダンス素子Rab、電圧源101、電圧測定部102、電流測定部103、ADコンバータ104、105およびDAコンバータ106を有する。
二次側インピーダンス素子Rabは、いわゆる共通インピーダンス素子であり、供試機2の電源端子とグラウンドとの間に電圧源101と直列に接続される。二次側インピーダンス素子Rabは、可変インピーダンス素子の一例であり、可変のインピーダンスを有してよい。例えば、二次側インピーダンス素子Rabは可変抵抗器であってよい。本実施形態において二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスは自動で変更されるが、手動で変更されてもよい。電圧源101は、シミュレーション装置11からの制御信号に基づいて交流電圧を供試機2に供給する。DAコンバータ106は、電圧源101とシミュレーション装置11との間に設けられ、シミュレーション装置11からの制御信号のデジタル信号をアナログ信号に変換して電圧源101に供給する。
電圧測定部102は、二次側インピーダンス素子Rabと供試機2との間の供試機2に印加される電圧を測定し、測定結果をADコンバータ104に供給する。ADコンバータ104は、電圧測定部102とシミュレーション装置11との間に設けられ、電圧測定部102による測定結果のアナログ信号をデジタル信号に変換してシミュレーション装置11に供給する。
電流測定部103は、電圧源101と供試機2とに流れる電流を測定し、測定結果をADコンバータ105に供給する。ADコンバータ105は、電流測定部103とシミュレーション装置11との間に設けられ、電流測定部103による測定結果のアナログ信号をデジタル信号に変換してシミュレーション装置11に供給する。
[1.3.シミュレーション装置]
シミュレーション装置11は、インタフェース回路10を介して供試機2に接続される。シミュレーション装置11は、接続対象回路110と、仮想インタフェース回路111と、仮想インタフェース回路111に設けられた位相補償フィルタ1119とを含むシミュレーション対象回路1000をシミュレーションする。シミュレーション対象回路1000は、インタフェース回路10を介して供試機2に接続されてよい。シミュレーション装置11は、少なくとも接続対象回路110および供試機2を含むハードウェアインザループ回路1001を仮想の回路1002(図4、図5参照)としてさらにシミュレーション可能であってよい。シミュレーション装置11にはデジタルで入出力が行われてよい。
[1.3.1.接続対象回路]
接続対象回路110は、供試機2が接続されるべき接続対象回路をシミュレーションしたものである。接続対象回路110は、供試機2の反応を試験するべく、実際の接続対象回路では実現することが難しい故障や事故などの様々な異常状態を生じさせてよい。接続対象回路110は、実際に接続対象回路110と供試機2とが接続された場合に供試機2に交流電圧を供給するべき電圧源1101を有してよい。なお、シミュレーションが行われる場合に、電圧源1101から供試機2に供給されるべき電圧は、インタフェース回路10の電圧源101から供試機2に供給されることとなる。電圧源1101と、接続対象回路110における交流電力の出力端子との間には、内部インピーダンスRs(s)が存在し得る。接続対象回路110が電力系統である場合には、内部インピーダンスRs(s)は、その電力系統の内部のインピーダンスであってよい。
[1.3.2.仮想インタフェース回路]
仮想インタフェース回路111は、接続対象回路110と、インタフェース回路10との間を接続する回路であり、インタフェース回路10を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する。シミュレーション誤差は、インタフェース回路10の伝達特性に起因して生じてしまうシミュレーション誤差であってよく、例えば供試機2が実際の接続対象回路に接続された場合の挙動に対するシミュレーション誤差であってよい。仮想インタフェース回路111は、本実施形態では一例として減衰インピーダンス方式(DIM)のインタフェース回路である。仮想インタフェース回路111は、電圧源1111、電流源1112および電圧測定部1113に加え、一次側インピーダンス素子Rab(共通インピーダンスとも称する)と、減衰インピーダンス回路1115とを有する。
電圧源1111は、インタフェース回路10のADコンバータ104から供給されるデジタル信号に応じた電圧を発生する。電圧源1111は、接続対象回路110と、グラウンドとの間に接続されてよい。
一次側インピーダンス素子Rabは、仮想インピーダンス素子の一例であり、インタフェース回路10の二次側インピーダンス素子Rabと等しいインピーダンスを有する。一次側インピーダンス素子Rabは、接続対象回路110と、電圧源1111との間に設けられてよい。
減衰インピーダンス回路1115は、可変インピーダンスを有しており、供試機2のインピーダンスZに基づいて調整される。減衰インピーダンス回路1115は、単一の抵抗Rdmpと、単一のコイルLdmpまたはコンデンサ(図示せず)との直列回路を有してよい。減衰インピーダンス回路1115は、一次側インピーダンス素子Rabと、電圧源1111との間に設けられてよい。
電流源1112は、インタフェース回路10のADコンバータ105から供給されるデジタル信号に応じた電流を発生する。電流源1112は、一次側インピーダンス素子Rabおよび減衰インピーダンス回路1115の間と、グラウンドとの間に設けられてよい。電流源1112はシンク型であってよく、グラウンドに電流を流してよい。
電圧測定部1113は、接続対象回路110から供給される電圧を測定し、インタフェース回路10におけるDAコンバータ106に供給する。
[1.3.3.位相補償フィルタ]
位相補償フィルタ1119は、接続対象回路110と供試機2との間で通信される信号の伝達遅れを補償する。なお、接続対象回路110と供試機2との間の伝達遅れには、供試機2から接続対象回路110へ通信される信号(第1信号とも称する)の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2へ通信される信号(第2信号とも称する)の伝達遅れとが含まれる。位相補償フィルタ1119は、第1信号の経路と、第2信号の経路との何れか一方に設けられてよく、本実施形態では一例として第2信号の経路に設けられる。より具体的には、位相補償フィルタ1119は、電圧測定部1113とDAコンバータ106との間の通信経路に設けられてよい。
[1.4.算出装置]
算出装置13は、供試機2のインピーダンスZを算出する。算出装置13は、電圧測定部102およびADコンバータ104の何れか一方からの信号と、電流測定部103およびADコンバータ105の何れか一方からの信号とに基づいてインピーダンスを算出してよく、算出結果を調整装置14に供給してよい。なお、本実施形態では一例として、算出装置13は、少なくとも一部がシミュレーション装置11によって仮想インタフェース回路111内に仮想的に実現されており、仮想インタフェース回路111内に図示されている。但し、算出装置13は、接続対象回路110内に仮想的に実現されてもよいし、インタフェース回路10内に物理的に具備されてもよいし、シミュレーション装置11およびインタフェース回路10とは別個の装置として設けられてもよい。後述の調整装置14、設定装置17および切替装置18についても同様である。
[1.5.調整装置]
調整装置14は、算出された供試機2のインピーダンスZに基づいて、仮想インタフェース回路111のインピーダンスを調整する。本実施形態では一例として、調整装置14は、減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスを調整してよい。
[1.6.設定装置]
設定装置17は、位相補償フィルタ1119のパラメータを設定する。設定装置17は、供試機2から接続対象回路110への第1信号の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2への第2信号の伝達遅れとを加算してまとめた等価伝達遅れが位相補償フィルタ1119で補償されるように、位相補償フィルタ1119のパラメータを設定してよい。これに代えて/加えて、設定装置17は、接続対象回路110が直接的に供試機2に接続された場合に接続対象回路110で生じさせる信号と、供試機2で生じる信号との関係を表す伝達関数Gorg(s)(図4参照。但しsは複素数の変数)と、接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して供試機2に接続された場合に接続対象回路110で生じさせる信号と、供試機2で生じる信号との関係を表す伝達関数GIF(s,p)(図5参照)とを算出し、両者が近似するよう位相補償フィルタ1119のパラメータを設定してよい。
伝達関数Gorg(s)は、シミュレーションされた接続対象回路110内の電圧源1101の電圧Vsを入力uとし、供試機2に加わる電圧VLを出力yorgとした場合に入力uと出力yorgとの関係を表す関数(一例として入力uを出力yorgに変換する関数)であってよい。伝達関数Gorg(s)に関して供試機2は、シミュレーションされたものであってよい。
また、伝達関数GIF(s,p)は、シミュレーションされた接続対象回路110内の電圧源1101の電圧Vsを入力uとし、供試機2に加わる電圧VBackを出力yIFとした場合に入力uと出力yIFとの関係を表す関数であってよい。伝達関数GIF(s,p)に関して供試機2は、シミュレーションされたものであってよい。
[1.7.切替装置]
切替装置18は、シミュレーションシステム1の動作モードをオンライン設定モードと、オフライン設定モードと、試験モードとの間で切り替える。切替装置18は、オペレータの操作によって動作モードを切り替えてよく、動作モードの切替信号を算出装置13や設定装置17などに供給してよい。
オンライン設定モードは、シミュレーション装置11が供試機2に接続されて実行されるシミュレーション(オンラインシミュレーションとも称する)によって調整装置14によるインピーダンスの調整、および、設定装置17によるパラメータの設定の少なくとも一方を行うモードであってよい。例えば、オンライン設定モードでは、オンラインシミュレーションでのインタフェース回路10の伝達遅れを補償するようパラメータが設定されてよい。
オンライン設定モードでは、既知の特性を有する機器(校正用供試機2とも称する)が供試機2としてシミュレーション装置11に接続されてもよい。オンラインシミュレーションではシミュレーション装置11によってシミュレーション対象回路1000のシミュレーションが行われてよい。
オフライン設定モードは、少なくとも接続対象回路110および供試機2を含む仮想の回路1002のシミュレーションにより設定装置17によるパラメータの設定を行うモードであってよい。仮想の回路1002はシミュレーションによりソフトウェア上に実現される回路であってよい。仮想の回路1002のシミュレーションは、シミュレーション装置11に供試機2が接続されなくてもよいため、オフラインシミュレーションとも称される。
オフライン設定モードでは、シミュレーションされた供試機2に接続対象回路110が直接的に接続された仮想の回路1002(1)(図4参照)のオフラインシミュレーションでの伝達関数Gorg(s)と、オンライン設定モードにより初期値としてパラメータが設定された位相補償フィルタ1119を含む仮想の回路1002(2)(図5参照)の伝達関数GIF(s,p)とが近似するよう位相補償フィルタ1119のパラメータが設定されてよい。仮想の回路1002(2)は、仮想インタフェース回路111およびシミュレーションされたインタフェース回路10をさらに含んでよい。
試験モードは、シミュレーション装置11が供試機2に接続されて実行されるシミュレーションにおいて、シミュレーション対象回路1000を用いて供試機2を試験するモードであってよい。試験モードにおけるシミュレーション対象回路1000は、オフライン設定モードによりパラメータが設定された位相補償フィルタ1119を含んでよい。
以上のシミュレーションシステム1によれば、供試機2から接続対象回路110への第1信号の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2への第2信号の伝達遅れとを加算してまとめた等価伝達遅れが位相補償フィルタ1119で補償されるように位相補償フィルタ1119のパラメータが設定されるので、第1信号の伝達遅れと、第2信号の伝達遅れとを別々に補償する場合と比較して、シミュレーションを簡素化することができる。
また、接続対象回路110が直接的に供試機2に接続された場合に接続対象回路110で生じさせる信号と、供試機2で生じる信号との関係を表す伝達関数Gorg(s)と、接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して供試機2に接続された場合に接続対象回路110で生じさせる信号と、供試機2で生じる信号との関係を表す伝達関数GIF(s,p)とが近似するよう位相補償フィルタ1119のパラメータが設定されるので、接続対象回路110と供試機2との間の伝達遅れを補償することができる。従って、供試機2と実際の接続対象回路とが接続された場合での正確な動作波形をハードウェアインザループ回路1001で再現することができるため、シミュレーションの精度を高めて供試機2に対する試験の精度を高めることができる。
また、供試機2のインピーダンスZに基づいて仮想インタフェース回路111のインピーダンス(本実施形態においては一例として減衰インピーダンス回路1115のインピーダンス)が調整されるので、シミュレーションされた接続対象回路110と供試機2との間の通信においてインタフェース回路10および仮想インタフェース回路111の影響を無くすことができる。従って、供試機2と実際の接続対象回路とが接続された場合での正確な動作波形をハードウェアインザループ回路1001で再現することができるため、シミュレーションの精度を高めて供試機2に対する試験の精度を高めることができる。
また、オンライン設定モードでは、シミュレーション装置11が供試機2に接続されて実行されるオンライシミュレーションにおいてインタフェース回路10の伝達遅れを補償するよう位相補償フィルタ1119のパラメータが設定される。従って、シミュレーション装置11と供試機2とが実際に接続された場合のインタフェース回路10の伝達遅れに合わせて位相補償フィルタ1119のパラメータを設定することができる。
また、オフライン設定モードでは、オンライン設定モードにより初期値としてパラメータが設定された位相補償フィルタ1119を含む仮想の回路1002(2)での伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようパラメータが設定される。従って、好適なパラメータを算出するための時間やコストを低減することができる。
また、試験モードでは、オフライン設定モードによりパラメータが設定された位相補償フィルタ1119を含むシミュレーション対象回路1000を用いて供試機2を試験するので、伝達遅れの影響を低減して供試機2に対する試験の精度を高めることができる。
[2.算出装置]
図2は、算出装置13を示す。算出装置13は、供給部131と、測定部132と、特定部133とを有してよい。なお、図示の簡略化のため、図2では、位相補償フィルタ1119や設定装置17、切替装置18などを省略している。
供給部131は、供試機2に基準交流電圧を供給する。例えば、供給部131は、インタフェース回路10のDAコンバータ106に制御信号を供給することで、インタフェース回路10の電圧源101を介して供試機2に基準交流電圧を供給してよい。供給部131は、定常状態(本実施形態では一例として電力変換を行っている状態)の供試機2に基準交流電力を供給するが、待機状態(本実施形態では一例として電力を出力していない状態)の供試機2に基準交流電力を供給してもよい。供給部131は、シミュレーション装置11によって仮想インタフェース回路111または接続対象回路110に仮想的に実現されてよい。
測定部132は、供試機2に加わる電圧および流れる電流を測定する。測定部132は、電圧および電流のそれぞれを、インタフェース回路10のADコンバータ104、105およびDAコンバータ106に対して供試機2に近い側で測定してよい。一例として、測定部132は、インタフェース回路10の電圧測定部102および電流測定部103であってよい。これにより、例えばADコンバータ104、105やDAコンバータ106よりもシミュレーション装置11の側で電流や電圧を測定する場合(一例として供給部131からDAコンバータ106への制御信号を測定して供試機2の電圧に換算する場合)と異なり、ADコンバータ104、105やDAコンバータ106による伝達遅れの影響を無くすことができる。また、測定部132は、二次側インピーダンス素子Rabよりも供試機2の側で電圧を測定するので、二次側インピーダンス素子Rabより電圧源101の側で電圧を測定する場合と異なり、供試機2に加わる電圧を正確に測定することができる。測定部132は、測定結果を特定部133に供給してよい。
特定部133は、測定部132による測定結果から供試機2のインピーダンスZを特定する。特定部133は、シミュレーション装置11によって仮想インタフェース回路111に仮想的に実現されてよい。特定部133は、特定したインピーダンスを調整装置14に供給してよい。
以上の算出装置13によれば、供試機2に基準交流電圧を供給して供試機2に加わる電圧および流れる電流を測定し、測定結果からインピーダンスを特定するので、外部構成を利用することなく供試機2のインピーダンスZを特定することができる。従って、供試機2のインピーダンスZを容易に特定することができる。
なお、算出装置13によるインピーダンスの特定は、シミュレーション装置11が試験対象の供試機2に接続されて実行されるオンライン設定モードで行われてよい。
[3.設定装置]
図3は、設定装置17を位相補償フィルタ1119とともに示す。設定装置17は、取得部171と、算出部172と、設定部173とを有してよい。
取得部171は、オンライン設定モードでは、シミュレーションされた接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して供試機2に接続された場合の供試機2(本実施形態では一例として校正用供試機2)に加わる電圧および流れる電流を取得する。取得部171は、電圧および電流のそれぞれを、電圧測定部102およびADコンバータ104の何れか一方からの信号と、電流測定部103およびADコンバータ105の何れか一方からの信号から取得してもよい。取得部171は、取得した電圧値と電流値を算出部172に供給してよい。
取得部171は、オフライン設定モードでは、接続対象回路110がシミュレーションされた供試機2に接続された仮想の回路1002(1),(2)のオフラインシミュレーションにおいて供試機2に加わる電圧および流れる電流を取得する。取得部171は、オンライン設定モードにおいて算出装置13によって特定された供試機2(一例として試験対象の供試機2)のインピーダンスをさらに取得してよい。取得部171は、取得した電圧値、電流値およびインピーダンスを算出部172に供給してよい。
算出部172は、オンライン設定モードでは、取得部171から取得した電圧値および電流値から、接続対象回路110と供試機2(本実施形態では一例として校正用供試機2)との間で通信される信号の伝達遅れを算出する。算出部172は、供試機2から接続対象回路110への第1信号の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2への第2信号の伝達遅れとを加算してまとめた等価伝達遅れを複数次数の伝達遅れ(一例として2次の伝達遅れ)として算出してもよいし、一次遅れとして近似して算出してもよい。算出部172は、算出した伝達遅れを補償するような、位相補償フィルタ1119のパラメータの値を算出してよい。算出部172は、算出したパラメータの値を設定部173に供給してよい。
算出部172は、オフライン設定モードでは、シミュレーションされた接続対象回路110が直接的に供試機2に接続された仮想の回路1002(1)のオフラインシミュレーションにおいて、伝達関数Gorg(s)を算出してよい。また、算出部172は、シミュレーションされた接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して供試機2に接続された仮想の回路1002(2)のオフラインシミュレーションにおいて、伝達関数GIF(s,p)を算出してよい。算出部172は、取得部171から取得した電圧値および電流値から伝達関数Gorg(s),伝達関数GIF(s,p)を算出してよい。なお、オフラインシミュレーションでは、オンライン設定モードで算出装置13により特定された供試機2のインピーダンスZを、仮想の回路1002におけるシミュレーションされた供試機2のインピーダンスとして用いてよい。
さらに、算出部172は、算出した伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようなパラメータpの値を算出してよい。算出部172は、伝達関数GIF(s,p)を算出する場合に位相補償フィルタ1119のパラメータpの初期値として、オンライン設定モードにより設定されたパラメータを用いてよい。算出部172は、伝達関数GIF(s,p)を伝達関数Gorg(s)で規格化した伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値を算出してよい。算出部172は、算出したパラメータpの値を設定部173に供給してよい。
設定部173は、オンライン設定モードおよびオフライン設定モードのそれぞれにおいて、算出部172によって算出されたパラメータpの値を位相補償フィルタ1119に設定する。
以上の設定装置17によれば、オンライン設定モードにおいて、既知の特性を有する校正用供試機2を用いて信号の伝達遅れが算出され、この伝達遅れが補償されるように位相補償フィルタ1119のパラメータが設定されるので、オンライン設定モードでのインタフェース回路10の伝達遅れを確実に補償することができる。よって、当該オンライン設定モードと同じインタフェース回路10が用いられる試験モードにおいても、インタフェース回路10の伝達遅れを確実に補償することができるため、供試機2に対する試験の精度を高めることができる。
また、オフライン設定モードにおいて、伝達関数GIF(s,p)を伝達関数Gorg(s)で規格化した伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値が算出されて位相補償フィルタ1119に設定されるので、伝達される信号の振幅や伝達遅れの次元に関わらずに伝達関数GIF(s,p)を伝達関数Gorg(s)に近似することができる。従って、接続対象回路110と供試機2との間の伝達遅れが確実に補償されるように位相補償フィルタ1119を調整することができる。また、オンライン設定モードにより設定されたパラメータを位相補償フィルタ1119のパラメータの初期値として用いるので、好適なパラメータを算出するための時間やコストを低減することができる。また、オンライン設定モードで算出装置13により特定された供試機2のインピーダンスZを、仮想の回路1002におけるシミュレーションされた供試機2のインピーダンスとして用いるので、オフラインシミュレーションを高精度化することができる。
[3.1.接続回路115]
図4は、シミュレーションされた供試機2に接続対象回路110が直接的に接続されたソフトウェアによる仮想の回路1002(1)を示す。オフラインシミュレーションでの接続対象回路110とシミュレーションされた供試機2は接続回路115にて接続される。接続回路115は、接続対象回路110の主端子と、供試機2の主端子とを直接的に配線で接続した回路を模擬してよい。接続対象回路110から出力される電圧Vsを入力uとし、供試機2の主端子間に印加される電圧VLを出力yORGとした場合に、出力yORGは、シミュレーション装置11におけるシミュレーションの遅延によって入力uに遅れて追従してよい。この場合に、伝達関数Gorg(s)は、入力uを出力yORGに変換する関数であってよい。
[3.2.接続回路116]
図5は、シミュレーションされた供試機2に接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して接続された仮想の回路1002(2)を示す。オフラインシミュレーションでの接続対象回路110とシミュレーションされた供試機2は接続回路116にて接続される。接続回路116は、接続対象回路110の主端子と、シミュレーションされた供試機2の主端子とを仲介する仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を模擬してよい。接続対象回路110から出力される電圧Vsを入力uとし、シミュレーションされた供試機2の主端子間に印加される電圧Vbackを出力yIFとした場合に、出力yIFは、シミュレーション装置11におけるシミュレーションの遅延によって入力uに遅れて追従してよい。この場合に、伝達関数GIF(s)は、入力uを出力yIFに変換する関数であってよい。なお、シミュレーションされた供試機2のインピーダンスはオンライン設定モードで算出装置13により特定された供試機2のインピーダンスZであってよく、調整装置14によって調整された減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスと等しくてよい。
[4.動作]
図6は、シミュレーションシステム1による動作を示す。シミュレーションシステム1は、ステップS1〜S11の処理を行うことにより供試機2のハードウェアインザループシミュレーションを行う。なお、この動作の開始時には、シミュレーションシステムの動作モードが切替装置18によってオンライン設定モードに設定されていてよい。また、本動作において二次側インピーダンス素子Rabおよび一次側インピーダンス素子RabのインピーダンスZabは0に設定されてよい。
ステップS1において調整装置14は、供試機2のインピーダンスZに基づいて、仮想インタフェース回路111のインピーダンス(本実施形態では一例として減衰インピーダンス回路1115のインピーダンス)を調整する。調整装置14は算出装置13と協働して仮想インタフェース回路111のインピーダンスを調整してよく、シミュレーション装置11が試験対象の供試機2に接続されて実行されるオンラインシミュレーションにおいて測定された電圧・電流から試験対象の供試機2のインピーダンスZを算出装置13が算出し、この算出結果に基づいて調整装置14が減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスを調整してよい。一例として、調整装置14は、減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスを、算出装置13によって算出されたインピーダンスZに調整してよい。
ステップS3において設定装置17は、位相補償フィルタ1119のパラメータpを設定する。設定装置17は、インタフェース回路10の伝達遅れを打ち消すように位相補償フィルタのパラメータpを調整してよい。設定装置17は、既知の特性を有する校正用供試機2を用いたオンラインシミュレーションにおいて、インタフェース回路10の伝達遅れが補償されるように位相補償フィルタのパラメータpを設定してよい。
ステップS5において切替装置18は、シミュレーションシステム1の動作モードをオンライン設定モードからオフライン設定モードに切り替える。
ステップS7において設定装置17は、位相補償フィルタ1119のパラメータpを設定する。設定装置17は、仮想の回路1002のオフラインシミュレーションにおいて伝達関数Gorg(s)と、伝達関数GIF(s,p)とが近似するようパラメータを設定してよい。伝達関数GIF(s,p)は、ステップS3の処理によりパラメータが初期値として設定された位相補償フィルタ1119を含む仮想の回路1002(2)のオフラインシミュレーションによって算出されてよい。
ステップS9において切替装置18は、シミュレーションシステム1の動作モードをオフライン設定モードから試験モードに切り替える。
ステップS11においてシミュレーションシステム1は、接続対象回路110と、仮想インタフェース回路111と、位相補償フィルタ1119とを含むシミュレーション対象回路1000をシミュレーションし、供試機2の試験を行う。
[4.1.減衰インピーダンス調整処理]
図7は、減衰インピーダンス調整処理を示す。調整装置14および算出装置13は、ステップS21〜S25の処理を行うことにより仮想インタフェース回路111の減衰インピーダンス(本実施形態では一例として減衰インピーダンス回路1115のインピーダンス)を調整する。
ステップS21において算出装置13の供給部131は供試機2に加わる電圧の指令値をDAコンバータ106に供給し、測定部132は、供試機2に加わる電圧および流れる電流を測定する。例えば、供給部131は、DAコンバータ106に対し、下記の式(1)で表される定格電圧、定格周波数の基準交流電圧V(t)の指令値を供給してよい。これにより、供試機2が基準交流電圧V(t)で駆動される。
V(t)=V0・sin(ωt) …(1)
但し、式中、Vは基準交流電圧の振幅であり、ωは基準交流電圧の角周波数である。
また、測定部132は、供試機2に加わる電圧V(t)と流れる電流I(t)とを測定してよい。
ステップS23において算出装置13の特定部133は、供試機2の減衰インピーダンスを算出する。特定部133は、下記の式(2)で表されるように、測定結果を基準交流電圧V(t)と同じ周波数の正弦波として近似してよい。
I(t)≒I0・sin(ωt−θ) …(2)
但し、式中、Iは電流の振幅であり、θは電圧波形からの遅れ位相である。
また、特定部133は、供試機2を単一の抵抗と、単一のコイルまたはコンデンサとの直列回路に単純化して、供試機2のインピーダンスZを特定してよい。例えば、特定部133は、下記の式(3)によって供試機2のインピーダンスZを特定してよい。
=R+jX …(3)
但し、式中、RはインピーダンスZの抵抗成分であり、R=V/I・cosθから算出される。XはインピーダンスZのリアクタンス成分であり、X=V/Isinθから算出される。
特定部133は、リアクタンス成分Xが正の場合(0≦θ≦π/2)にはX=ωの式から誘導性のリアクタンスLを算出し、リアクタンス成分Xが負の場合(−π/2≦θ<0)にはX=−1/(ω)の式から容量性のリアクタンスCを算出してよい。これにより、供試機2の減衰インピーダンスが算出される。
ステップS25において調整装置14は、仮想インタフェース回路111の減衰インピーダンス(本実施形態では一例として減衰インピーダンス回路1115のインピーダンス)を調整する。調整装置14は、減衰インピーダンス回路1115の抵抗Rdmpと、コイルLdmpまたはコンデンサ(図示せず)との合成インピーダンスZdmpを、ステップS21で算出されたインピーダンスに調整してよい。
以上の減衰インピーダンス調整処理によれば、供試機2を単一の抵抗と、単一のコイルまたはコンデンサとの直列回路に単純化した場合のインピーダンスが算出されるので、供試機2のインピーダンスZを容易に算出することができる。
[4.2.位相補償フィルタ設定処理(1)]
図8は、ステップS3での位相補償フィルタ1119の設定処理を示す。設定装置17は、ステップS31〜S35の処理を行うことにより位相補償フィルタ1119のパラメータを設定する。
ステップS31において、取得部171は、シミュレーションされた接続対象回路110が仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10を介して校正用供試機2に接続された場合のオンラインシミュレーションにおいて電圧測定部102およびADコンバータ104の何れか一方からの信号と、電流測定部103およびADコンバータ105の何れか一方からの信号を取得する。
ステップS33において、算出部172は、供試機2から接続対象回路110への第1信号の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2への第2信号の伝達遅れとを加算してまとめた等価伝達遅れを複数次数の伝達遅れとして算出する。算出部172は、複数次数の伝達遅れを単純な一次伝達遅れに近似してもよい。算出部172は、得られた伝達遅れが補償されるような位相調整フィルタのパラメータpの値を算出してよい。
ステップS35において、設定部173は、算出されたパラメータpの値を位相補償フィルタ1119に設定する。これにより、インタフェース回路10の伝達遅れ(供試機2から接続対象回路110への第1信号の伝達遅れと、接続対象回路110から供試機2への第2信号の伝達遅れとをまとめた等価伝達遅れ)が位相補償フィルタ1119で補償される。
[4.3.位相補償フィルタ設定処理(2)]
図9は、ステップS7での位相補償フィルタ1119の設定処理を示す。設定装置17は、ステップS41〜S45の処理を行うことにより位相補償フィルタ1119のパラメータを設定する。
ステップS41において、取得部171は、シミュレーションされた供試機2に接続対象回路110が接続された仮想の回路1002(1),(2)のオフラインシミュレーションにおいて、シミュレーションされた供試機2に加わる電圧および流れる電流を取得する。取得部171は、ステップS23の処理によって算出装置13によって特定された供試機2(一例として試験対象の供試機2)のインピーダンスをさらに取得してよい。また、取得部171は、ステップS33の処理で算出された等価伝達遅れ(本実施形態では一例として複数次数の伝達遅れ)を、インタフェース回路10の伝達遅れの特性として取得してよい。
ステップS43において、算出部172は、仮想の回路1002のオフラインシミュレーションによって伝達関数Gorg(s)と、伝達関数GIF(s,p)とを算出する。伝達関数GIF(s,p)の算出においては、ステップS33の処理で算出された等価伝達遅れ(本実施形態では一例として複数次数の伝達遅れ)をインタフェース回路10の伝達遅れとしてよい。なお、伝達関数Gorg(s)は算出部172で算出されずに、取得部171によってオペレータから取得されてもよい。
算出部172は、伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようなパラメータpの値を算出する。算出部172は、G(s,p)=GIF(s,p)/Gorg(s)が1に近似するようなパラメータpの値を算出してよい。算出部172は、パラメータpの値を変更する毎に伝達関数G(s,p)を算出して、伝達関数G(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようなパラメータpの値を算出してよい。この場合には、ステップS3の処理により位相補償フィルタ1119に設定されたパラメータが初期値として用いられてよい。
算出部172は、基準周波数帯域で伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようなパラメータpの値を算出してよい。基準周波数帯域は、シミュレーション対象の現象が有する周波数帯域を含んでよい。シミュレーション対象の現象とは、例えば定常状態であってよい。この場合、周波数帯域は50〜60Hzであってよい。また、シミュレーション対象の現象とは、例えば過渡状態でもあってよい。この場合、周波数帯域は超高周波領域であってよい。基準周波数帯域はオペレータにより任意に設定されてよく、例えば接続対象回路110で生じ得る周波数変動が帯域内に含まれるように設定されてよい。
ステップS45において、設定部173は、算出されたパラメータpの値を位相補償フィルタ1119に設定する。これにより、伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようにパラメータpの値が設定され、接続対象回路110と供試機2との間の伝達遅れが位相補償フィルタ1119で補償される。
以上の位相補償フィルタ設定処理によれば、シミュレーション対象の現象が有する周波数帯域を含む基準周波数帯域で伝達関数GIF(s,p)が伝達関数Gorg(s)に近似するようなパラメータpの適切な値が算出されるので、供試機2の評価に不必要な高周波帯域まで補償し、ノイズを増幅するようなパラメータpが算出されて位相補償フィルタ1119に設定されるのを防止することができる。
また、オンライン設定処理におけるステップS33の処理で算出された複数次数の伝達遅れをインタフェース回路10の伝達遅れとして伝達関数GIF(s,p)を算出するので、高次の複雑な伝達遅れをそのままオフラインシミュレーションに取り込んで位相補償フィルタ1119のパラメータを調整することができる。従って、供試機2に対する試験の精度をいっそう高めることができる。
[4.4.動作例]
図10は、伝達関数のゲイン特性曲線の例を示す。図中、左側のグラフは伝達関数Gorg(s),GIF(s,p)のゲイン特性曲線の例を示し、中央のグラフはパラメータpの変更前の伝達関数G(s,p)のゲイン特性曲線の例を示し、右側のグラフはパラメータpの変更後の伝達関数G(s,p)のゲイン特性曲線の例を示す。各グラフの縦軸はゲイン(dB)を示し、横軸は周波数を示す。なお、縦軸の0dBは、倍率が1であることを意味する。
設定装置17の算出部172は、図中、左側のグラフに示されるような伝達関数Gorg(s),GIF(s,p)を算出してよい。また、設定装置17の算出部172は、図中、中央のグラフに示される伝達関数G(s,p)が0dB(1倍)に近似されて図中、右側のグラフに示される伝達関数G(s,p)となるようなパラメータpの値を算出してよい。例えば、算出部172は、伝達関数G(s,p)のゲイン特性曲線とゼロ(dB)との差分の絶対値の積分結果(図中の網掛け部分)が最小となるようなパラメータpの値を、伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値として算出してよい。これに代えて、算出部172は、伝達関数G(s,p)のゲイン特性曲線とゼロ(dB)との差分の二乗の積分結果が最小となるようなパラメータpの値を、伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値として算出してよい。また、算出部172は、伝達関数G(s,p)のゲイン特性曲線とゼロ(dB)との間の最大乖離値(図中の「||G(s)||」参照)を算出し、算出された最大乖離値が最も小さくなる場合のパラメータpの値を、伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値として算出してもよい。以上のようにしてパラメータpの値を算出することにより、伝達関数GIF(s,p)を伝達関数Gorg(s)に確実に近似することができる。
なお、上記の実施形態においては、供試機2のインピーダンスZを単純に抵抗分Rとリアクタンス分Lとしているため、厳密には減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスZdmpと、供試機2のインピーダンスZとが一致しない場合がある。そのため、インタフェース回路10を介して信号伝達が行われるたびに、シミュレーションの誤差が増幅されてしまい、シミュレーションが不安定となってしまう場合がある。このような問題を解消する変形例について、次に説明する。
[5.変形例]
図11は、変形例に係るシミュレーションシステム1Aを示す。本実施形態に係るシミュレーションシステム1Aにおいて、図1に示されたシミュレーションシステム1の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
シミュレーションシステム1Aは、検出装置30と、停止装置31と、設定装置32と、切替装置18Aとを備える。なお、本変形例では一例として、検出装置30、停止装置31、設定装置32および切替装置18Aは、シミュレーション装置11Aに物理的および/または仮想的に具備されているが、これらの少なくとも1つがシミュレーション装置11およびインタフェース回路10とは別個の装置として設けられてもよいし、インタフェース回路10内に具備されてもよい。
[5.1.検出装置30]
検出装置30は、シミュレーション装置11Aによるシミュレーションが収束する可変インピーダンス素子(本変形例では一例として二次側インピーダンス素子Rab)のインピーダンスの値(収束インピーダンス値とも称する)を検出する。シミュレーションが収束するとは、シミュレーションが発散しないことであってよい。例えば、シミュレーションが収束するとは、インタフェース回路10および仮想インタフェース回路1000によってシミュレーションの発散が引き起こされないこと、別言すれば、インタフェース回路10および仮想インタフェース回路1000に起因するシミュレーションの発散が防止されることであってよい。本実施形態では一例として、シミュレーションが収束するとは、供試機2が実際の接続対象回路に接続されて安定に動作する場合を模擬したシミュレーションが収束することであってよく、供試機2が実際の接続対象回路に接続されて安定に動作しない場合を模擬したシミュレーションは発散してもよい。
一般にハードウェアインザループシミュレーションにおいて、インタフェース回路10や仮想インタフェース回路111の影響を低減する観点では、二次側インピーダンス素子Rabおよび一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスは小さい方が好ましい。但し、上述のステップS1の処理などにおいて供試機2のインピーダンスZの同定精度が低く減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスが供試機2のインピーダンスZに一致しない場合には、二次側インピーダンス素子Rabおよび一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが小さいと、シミュレーションが発散する場合がある。そのため、本変形例における検出装置30は、シミュレーションの発散を防止するべく、収束インピーダンス値を検出する。
検出装置30は、予め定められた範囲内で収束インピーダンス値を検出してよい。これにより、現実の環境から掛け離れたシミュレーションが防止され、シミュレーションの精度が向上する。
検出装置30は、予め定められた範囲内の複数のインピーダンスの値それぞれでシミュレーション装置11Aによるシミュレーションが収束する場合には、シミュレーションが収束する最小の収束インピーダンス値を検出してよい。検出装置30は、検出した収束インピーダンス値を設定装置32に供給してよい。
検出装置30は、判定部300を有してよい。判定部300は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが変更される毎にシミュレーション装置11Aにより実行されるシミュレーションが収束するか否かを判定してよい。検出装置30は、判定部300による判定結果に基づいて収束インピーダンス値を検出してよい。なお、判定部300の判定結果は、停止装置31にも供給されてよい。
[5.2.停止装置31]
停止装置31は、判定部300によりシミュレーションが発散すると判定される場合に当該シミュレーションを停止する。停止装置31がシミュレーション装置11Aの外部に設けられている場合には、停止装置31は、シミュレーションを停止させるための信号をシミュレーション装置11Aや供試機2に供給してよい。例えば、停止装置31は、供試機2の過電流を防止する過電流保護装置であってよい。
[5.3.設定装置32]
設定装置32は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを、検出装置30により検出された収束インピーダンス値に設定する。二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが変更される場合には、一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが自動的に同じ値に変更される。本変形例では一例として、設定装置32が一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスに合わせて変更してよい。
[5.4.切替装置18A]
切替装置18Aは、シミュレーションシステム1の動作モードを検出モードおよび試験モードの間で切り替える。切替装置18Aは、上述の実施形態におけるオンライン設定モードと、オフライン設定モードと、試験モードとに動作モードをさらに切り替えてもよい。
検出モードは、二次側インピーダンス素子Rabの収束インピーダンス値を検出するモードであってよい。
試験モードは、本変形においては、二次側インピーダンス素子Rabが収束インピーダンス値に設定された状態でシミュレーション装置11Aにより供試機2を試験するモードであってよい。
以上のシミュレーションシステム1Aによれば、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスの値として、シミュレーションが収束する収束インピーダンス値が検出される。従って、検出された収束インピーダンス値に二次側インピーダンス素子Rab、ひいては一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを設定することで、シミュレーションの発散を防止することができる。
また、シミュレーションが収束する最小のインピーダンスが検出装置30により検出されるので、インタフェース回路10がシミュレーションに与える影響を最小化し、シミュレーションの精度を高めることができる。
また、検出された収束インピーダンス値に二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが設定装置32によって設定されるので、手動で二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを設定する手間を省くことができる。
また、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが変更される毎にシミュレーションが収束するか否かが判定部300により判定されるので、収束インピーダンス値を自動で検出することができる。
また、シミュレーションが発散すると判定される場合に当該シミュレーションが停止装置31により停止されるので、発散したシミュレーションが行われて供試機2が不安定に動作するのが防止される。従って、シミュレーションの安全性を高めることができる。
また、切替装置18Aによって検出モードと試験モードとの間で動作モードが切り替えられるので、シミュレーションが収束する条件でシミュレーションを行って供試機2の試験を行うことができる。
[5.5.変形例の動作]
図12は、シミュレーションシステム1Aによる動作を示す。本変形例においては、ステップS1の処理からステップS11の処理までの間(本変形例では一例としてステップS1,S3の処理の間)にステップS2の処理を行う。
ステップS2の処理において設定装置32は、検出装置30および停止装置31と協働して二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを調整する。例えば検出装置30はシミュレーション装置11Aによるシミュレーションが収束する二次側インピーダンス素子Rabの収束インピーダンス値を検出してよく、設定装置32は二次側インピーダンス素子Rabインピーダンスを、検出された収束インピーダンス値に調整してよい。設定装置32は、一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスと同様に調整してよい。これにより、シミュレーションが収束する条件でシミュレーションが行われて、供試機2の試験が行われる。なお、シミュレーション装置11Aによるシミュレーションとは、ステップS3,S7,S11の処理の少なくとも1つで行われるシミュレーションであってよい。
図13は、共通インピーダンス調整処理を示す。設定装置32は、検出装置30および停止装置31と協働してステップS51〜S61の処理を行うことにより、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスおよび一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを調整する。
ステップS51において検出装置30の判定部300は、インタフェース回路10および仮想インタフェース回路111を介して供試機2(本変形例では一例として試験対象の供試機2)と、シミュレーションされた接続対象回路110とが接続された回路(本変形例では一例としてハードウェアインザループ回路1001)の一巡伝達関数を取得する。
検出装置30は、ハードウェアインザループ回路1001の回路方程式から算出される一巡伝達関数を外部から取得してもよいし、シミュレーション装置11Aによるシミュレーションにおいてハードウェアインザループ回路1001内で伝達される信号(一例として電圧測定部102,1113や電流測定部103、ADコンバータ104,105、DAコンバータ106などから出力される信号)に基づいて一巡伝達関数を算出してもよい。ハードウェアインザループ回路1001内で伝達される信号に基づいて一巡伝達関数を算出する場合には、検出装置30は、シミュレーション装置11によるシミュレーションが微小時間(一例として1秒程度)だけ継続された場合の信号に基づいて一巡伝達関数を算出してよい。
ステップS53において判定部300は、シミュレーション装置11Aにより実行されるシミュレーションが収束するか否かの判定を行う。例えば、判定部300は、一巡伝達関数から導出されるナイキスト線図またはボード線図に基づいて判定を行ってよい。ナイキスト線図やボード線図に基づく判定は、ゲイン余裕や位相余裕によって判定するなど従来より公知の手法により行われてよい。但し、シミュレーションが収束するか否かの判定が行われる限りにおいて、ナイキスト線図やボード線図は必ずしも描画されなくてよい。
ステップS53の処理によりシミュレーションが収束すると判定された場合(ステップS53;Yes)には、検出装置30はステップS55に処理を移行してよい。また、シミュレーションが収束しないと判定された場合(ステップS53;No)には、検出装置30はステップS57に処理を移行してよい。
ステップS55において検出装置30は、設定装置32に二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを現在の値よりも小さくさせ、ステップS51に処理を移行する。検出装置30は、一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを二次側インピーダンス素子Rabと同様に設定してよい。
検出装置30は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスの初期値を第1インピーダンスとしてよい。これにより、ステップS55の処理が複数回行われることで、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが第1インピーダンスから順次、小さくなる。検出装置30は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを0まで小さくしてよい。インピーダンスの減少幅は任意に設定されてよい。
第1インピーダンスは、任意の値としてよい。また、第1インピーダンスは、校正用供試機2を用いてステップS51〜S59の処理により予め検出された収束インピーダンス値にマージンを加えた値であってもよい。校正用供試機2を用いたステップS51〜S59の処理内のステップS55の処理において、検出装置30は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを任意の値から順次、小さくしてもよいし、0から順次、大きくしてもよい。なお、校正用供試機2を用いて第1インピーダンスを取得する場合には、シミュレーションされた校正用供試機2に接続対象回路110が直接的に接続された仮想の回路1002(1)(図4参照)のオフラインシミュレーションを予め行い、当該オフラインシミュレーションが収束するシミュレーション条件を用いてステップS51〜S59の処理を行うことが好ましい。これにより、供試機2が実際の接続対象回路に接続されて安定に動作する場合を模擬したシミュレーションが収束する条件でのインピーダンス素子Rab,Rabの初期値(第1インピーダンス)を取得することができる。
ステップS57において停止装置31は、シミュレーション装置11Aによるシミュレーションを停止する。これにより、シミュレーションが発散すると判定される場合に当該シミュレーションが停止される。なお、ステップS51の処理においてシミュレーション装置11Aによるシミュレーションが行われていない場合には、ステップS57の処理は行われなくてよい。
ステップS59において、検出装置30は、複数回行われたステップS55の処理のうち、前回行われたステップS55の処理で設定された二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを収束インピーダンス値として検出する。これにより、シミュレーションが収束する最小のインピーダンスが検出される。
ステップS61において設定装置32は、二次側インピーダンス素子Rabおよび一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを、検出装置30により検出された収束インピーダンス値に設定する。
以上の動作によれば、一巡伝達関数から導出されるナイキスト線図またはボード線図に基づいて判定が行われるので、シミュレーションが収束するか否かを正しく判定することができる。
また、収束インピーダンス値を探索する過程で二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスが順次、小さくされるので、インピーダンスが小さくされ過ぎてシミュレーションが発散する場合に、1つ前に設定されたインピーダンスを収束インピーダンス値として検出することができる。従って、収束インピーダンス値を探索する過程でインピーダンスが順次、大きくされる場合と比較して、発散するシミュレーションの実行回数を減らすことができるため、安全に収束インピーダンス値を検出することができる。
[5.6.一巡伝達関数]
図14は、ハードウェアインザループ回路1001における信号の流れを示す。図14のハードウェアインザループ回路1001においては、シミュレーションされた接続対象回路110から供試機2の側に向かって信号Zおよび信号rが順に伝達され、供試機2から接続対象回路110の側に向かって信号Z11,Z12および信号r11,r12が順に伝達される。
図15は、ハードウェアインザループ回路1001のブロック線図である。ハードウェアインザループ回路1001は、伝達要素T11,T12,T21,T22,TFWD,TBCKを有する。
伝達要素T11は、シミュレーションされた接続対象回路110において、入力信号u1を仮想インタフェース回路111へ伝達する。伝達要素T12は、シミュレーションされた接続対象回路110において、仮想インタフェース回路111からのフィードバック信号rを伝達する。伝達要素T11,T12で伝達された信号は、加え合わせ点p1において加算されて信号z(=Vforward)として仮想インタフェース回路111に供給される。本実施形態では一例として、加え合わせ点p1は電圧測定部1113の近傍であってよい。信号rは、ADC104,105から電圧源1111や電流源1112に供給される信号r11、r12であってよい。
伝達要素T21は供試機2においてインタフェース回路10からの信号rを伝達し、伝達要素T22は供試機2への入力信号u(本実施形態では一例としてu=0)を伝達する。伝達要素T21,T22で伝達された信号は、加え合わせ点p2において加算されて信号zとしてインタフェース回路10に供給されてよい。本実施形態では一例として、信号zは電圧測定部102や電流測定部103からの出力信号でよく、加え合わせ点p2は電圧測定部102や電流測定部103の近傍であってよい。
伝達要素TFWDは、仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10において、シミュレーションされた接続対象回路110からの信号zを伝達し、信号rとして出力する。伝達要素TBCKは、仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10において供試機2からの信号zを伝達し、信号rとして出力する。
以上のブロック線図において重ねあわせ点p1を起点として一巡する信号の一巡伝達関数GLPは次の式で示されてよい。
Figure 2021132461
なお、式中、Z(s)はシミュレーションされた接続対象回路110のインピーダンスである。Z(s)は供試機2のインピーダンスである。Zdmp(s)は減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスである。Zab(s)は二次側インピーダンス素子Rabであり、従って一次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスでもある。e−sTは信号の伝達遅れを表す項である。
ここで、一巡伝達関数GLPの絶対値はインタフェース回路10および仮想インタフェース回路1000によって構成されるフィードバック系において信号が一巡する際のループゲインを表すため、絶対値の値が大きいほどシミュレーションが不安定になり発散しやすい。このことから、二次側インピーダンス素子Rabおよび一次側インピーダンス素子RabのそれぞれのインピーダンスZab(s)が大きいほど一巡伝達関数のゲイン、すなわち、ループゲインが小さくなり、シミュレーションが安定化することが分かる。
但し、インピーダンスZab(s)が大きくなると、その分、シミュレーションの精度が低下する虞がある。そのため、シミュレーションの誤差が増幅しない場合、例えば供試機2のインピーダンスZを正確に特定することができ供試機2のインピーダンスZと、減衰インピーダンス回路1115のインピーダンスZdmpとを概ね同じ値とすることができる場合には、シミュレーション精度を向上させるべくインピーダンスZab(s)を0にしてもよい。この場合には、接続対象回路110と供試機2との間に仮想インタフェース回路111およびインタフェース回路10が介在しない理想的なハードウェアインザループ回路のシミュレーションを行うことができる。
なお、一巡伝達関数GLPの絶対値は接続対象回路110のインピーダンスZ(s)によっても調整しうる。そのため、上述のステップS51においては、一巡伝達関数が算出されるハードウェアインザループ回路1001内の接続対象回路110のインピーダンスZ(s)を調整してもよい。例えば、ステップS51においては、供試機2が実際に接続されるべき接続対象回路のインピーダンスよりも小さい値(または大きい値)をインピーダンスZ(s)として一巡伝達関数GLPを算出してよい。また、ステップS3,S7,S11の処理では、供試機2が実際に接続されるべき接続対象回路のインピーダンスをインピーダンスZ(s)としてシミュレーションを行ってよい。この場合には、ステップS11の試験処理においてより収束しにくい厳しい条件(または、より収束しやすい緩やかな条件)で供試機2を試験することができる。一例として、供試機2が実際に接続されるべき接続対象回路がインピーダンスの大きい電力網である場合には、ステップS51の処理では、これよりも小さい値をインピーダンスZ(s)として一巡伝達関数GLPを算出してよい。
[5.7.他の判定手法]
上記の変形例においては、判定部300はシミュレーションが収束するか否かの判定を、ハードウェアインザループ回路1001の一巡伝達関数から導出されるナイキスト線図などに基づいて行うこととして説明したが、他の手法により行ってもよい。例えば、判定部300は、供試機2を用いてシミュレーション装置11Aにより実行されるシミュレーションで得られる信号波形に基づいて判定を行ってよく、一例として次の手法(1)〜(3)を用いて判定を行ってよい。この場合には、シミュレーションで得られる実際の信号波形に基づいて判定が行われるので、シミュレーションが収束するか否かを正しく判定することができる。
[5.7.1.他の判定手法(1)]
判定部300は、試験対象の供試機2を用いたシミュレーションで得られる信号波形の特徴量と、既知の特性を有する他の供試機を用いてシミュレーション装置11Aにより実行されるシミュレーションで得られた基準信号波形の特徴量に基づく閾値との比較結果に基づいて判定を行う。基準信号波形の特徴量に基づく閾値は、検出装置30に具備される記憶部(図示せず)に予め記憶されてよい。既知の特性を有する他の供試機は、校正用供試機2であってよい。波形の特徴量は、波形のピーク値でもよいし、平均値でもよいし、波形の包絡線(一例として複数のピークを結んだ直線)上の点でもよい。基準信号波形の特徴量に基づく閾値は、特徴量に係数(一例として1.2)を乗じた値であってもよいし、特徴量にマージンを加えた値であってもよい。なお、値の比較は判定部300に具備されるコンパレータで行われてよい。後述の手法(2),(3)でも同様である。
図16は、シミュレーションで得られる時間応答の信号波形を示す。図中の横軸は時間(秒)を示し、縦軸は信号値(V)を示す。信号1は、校正用供試機2を用いたシミュレーションで得られる基準信号波形を示す。信号2は、試験対象の供試機2を用いたシミュレーションで得られる基準信号波形を示す。
判定部300は、信号1の包絡線上の任意時点(T)での信号値に1.2を乗じた値(V1)と、信号2の包絡線上の時点(T)での信号値(V2)との比較結果に基づいて判定を行ってよい。一例として判定部300は、V1<V2の場合にシミュレーションが発散すると判定し、V2≦V1の場合にシミュレーションが収束すると判定してよい。
[5.7.2.他の判定手法(2)]
判定部300は、試験対象の供試機2を用いたシミュレーションで得られる信号波形の包絡線の傾きが正であるか否かに基づいて判定を行う。一例として、判定部300は、信号波形にいて連続する2つのピーク値を比較し、先のピーク値(P1)よりも後のピーク値(P2)が大きいか否かを判定してよい。判定部300は、P1≧P2の場合にシミュレーションが収束すると判定し、P1<P2の場合にシミュレーションが発散すると判定してよい。
[5.7.3.他の判定手法(3)]
判定部300は、試験対象の供試機2を用いたシミュレーションで得られる信号波形のピーク値と、供試機2(一例として試験対象の供試機2)を用いてシミュレーション装置11Aにより実行されるシミュレーションにおいて得られる電圧信号または電流信号の閾値との比較結果に基づいて判定を行う。閾値は電流または電圧の許容範囲の上限値であってもよいし、上述の基準信号波形のピーク値に係数(一例として1.2)を乗じた値であってもよいし、これらにマージンを加えた値であってもよい。閾値は、検出装置30に具備される記憶部(図示せず)に予め記憶されてよい。
[6.その他の変形例]
なお、上記の実施形態においては、シミュレーションシステム1は、算出装置13および切替装置18を備えることとして説明したが、これらの何れかを備えないこととしてもよい。例えばシミュレーションシステム1が算出装置13を備えない場合には、シミュレーションシステム1の外部の算出装置13から、供試機2のインピーダンスZが供給されてよい。
また、シミュレーションシステム1は調整装置14および設定装置17を備えることとして説明したが、何れか一方を備えないこととしてもよい。また、シミュレーションシステム1が設定装置17を備えない場合には、切替装置18はシミュレーションシステム1の動作モードをオフライン設定モードに切り替えなくてよい。
また、伝達関数GIF(s,p)を伝達関数Gorg(s)で規格化した伝達関数G(s,p)が1に近似するようなパラメータpの値が算出されることとして設定したが、伝達関数GIF(s,p)と伝達関数Gorg(s)との差分が0に近似するようなパラメータpの値が算出されることとしてもよい。
また、伝達関数GIF(s,p)に関して供試機2をシミュレーションされたものとして説明したが、シミュレーションされていない実際の装置(例えば実機やミニモデル)としてもよい。この場合には、ステップS41〜S43の処理では、実際の供試機2に対し、シミュレーションされた接続対象回路110が仮想インタフェース回路111や実際のインタフェース回路10を介して接続された回路における伝達関数GIF(s,p)が算出されてよい。
また、シミュレーション装置11にはデジタルで入出力が行われることとして説明したが、アナログで入出力が行われてもよい。この場合には、インタフェース回路10には、ADコンバータ104、105やDAコンバータ106が具備されなくてもよい。
また、接続対象回路110を、供試機2に電力を供給する電力系統として説明したが、直流または交流の電源としてもよいし、供試機2から供給される電力を消費する1または複数の負荷としてもよい。
また、上記の変形例においては、シミュレーション装置11Aは算出装置13や調整装置14、設定装置17、切替装置18A、位相補償フィルタ1119、停止装置31、設定装置32を有することとして説明したが、これらの少なくとも一部を有しないこととしてもよい。このような場合であっても、シミュレーション装置11Aが検出装置30を有する場合には、シミュレーションの発散を防止することができる。
また、収束インピーダンス値を探索する過程で検出装置30が二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを順次、小さくすることとして説明したが、順次、大きくしてもよい。例えば、検出装置30は、二次側インピーダンス素子Rabのインピーダンスを0から順次、大きくしてよい。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図17は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 シミュレーションシステム
1A シミュレーションシステム
2 供試機
10 インタフェース回路
11 シミュレーション装置
11A シミュレーション装置
13 算出装置
14 調整装置
17 設定装置
18 切替装置
18A 切替装置
30 検出装置
31 停止装置
32 設定装置
101 電圧源
102 電圧測定部
103 電流測定部
104 ADコンバータ
105 ADコンバータ
106 DAコンバータ
110 接続対象回路
111 仮想インタフェース回路
115 接続回路
116 接続回路
131 供給部
132 測定部
133 特定部
171 取得部
172 算出部
173 設定部
300 判定部
1000 シミュレーション対象回路
1001 ハードウェアインザループ回路
1002 仮想の回路
1101 電圧源
1111 電圧源
1112 電流源
1113 電圧測定部
1115 減衰インピーダンス回路
1119 位相補償フィルタ
2200 コンピュータ
2201 DVD−ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD−ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
Figure 2021132461

Claims (14)

  1. 接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーションシステムであって、
    可変インピーダンス素子を含み前記供試機に接続されるインタフェース回路と、
    前記インタフェース回路を介して前記供試機に接続され、前記接続対象回路と、前記可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含み前記インタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション装置と、
    前記シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する前記可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出装置と、
    を備えるシミュレーションシステム。
  2. 前記可変インピーダンス素子のインピーダンスを、前記検出装置により検出されたインピーダンスの値に設定する設定装置をさらに備える、請求項1に記載のシミュレーションシステム。
  3. 前記検出装置は、前記設定装置が前記可変インピーダンス素子のインピーダンスを変更する毎に前記シミュレーション装置により実行されるシミュレーションが収束するか否かを判定する判定部を有する、請求項2に記載のシミュレーションシステム。
  4. 前記判定部によりシミュレーションが発散すると判定される場合に当該シミュレーションを停止する停止装置をさらに備える、請求項3に記載のシミュレーションシステム。
  5. 前記検出装置は、前記シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する前記可変インピーダンス素子の最小のインピーダンスを検出する、請求項3または4に記載のシミュレーションシステム。
  6. 前記検出装置は、前記設定装置に前記可変インピーダンス素子のインピーダンスを第1インピーダンスから順次、小さくさせて前記最小のインピーダンスを検出する、請求項5に記載のシミュレーションシステム。
  7. 前記判定部は、前記供試機を用いて前記シミュレーション装置により実行されるシミュレーションで得られる信号波形に基づいて判定を行う、請求項3から6のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
  8. 前記検出装置は、既知の特性を有する他の供試機を用いて前記シミュレーション装置により実行されるシミュレーションで得られた基準信号波形の特徴量に基づく閾値を記憶する記憶部を有し、
    前記判定部は、前記信号波形の特徴量と、前記基準信号波形の特徴量に基づく閾値との比較結果に基づいて判定を行う、請求項7に記載のシミュレーションシステム。
  9. 前記検出装置は、前記供試機を用いて前記シミュレーション装置により実行されるシミュレーションにおいて得られる電圧信号または電流信号の閾値を記憶する記憶部を有し、
    前記判定部は、前記信号波形のピーク値と、前記閾値との比較結果に基づいて判定を行う、請求項7に記載のシミュレーションシステム。
  10. 前記判定部は、前記信号波形の包絡線の傾きが正であるか否かに基づいて判定を行う、請求項7に記載のシミュレーションシステム。
  11. 前記判定部は、前記インタフェース回路および前記仮想インタフェース回路を介して前記供試機と、シミュレーションされた前記接続対象回路とが接続された回路の一巡伝達関数から導出されるナイキスト線図またはボード線図に基づいて判定を行う、請求項3から7のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
  12. 前記シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する前記可変インピーダンス素子のインピーダンスを検出する検出モードと、前記検出モードにより検出されたインピーダンスに前記可変インピーダンス素子が設定された状態で前記シミュレーション装置により前記供試機を試験する試験モードと、の間で当該シミュレーションシステムの動作モードを切り替える切替装置をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のシミュレーションシステム。
  13. 接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーション方法であって、
    可変インピーダンス素子を含むインタフェース回路を介して前記供試機に接続され、前記接続対象回路と、前記可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含み前記インタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション段階と、
    前記シミュレーション段階によるシミュレーションが収束する前記可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出段階と、
    を備えるシミュレーション方法。
  14. コンピュータに、
    接続対象回路に接続されるべき供試機のハードウェアインザループシミュレーションを行うシミュレーション装置であって、可変インピーダンス素子を含むインタフェース回路を介して前記供試機に接続され、前記接続対象回路と、前記可変インピーダンス素子に等しいインピーダンスを持つ仮想インピーダンス素子を含み前記インタフェース回路を介した接続によるシミュレーション誤差を補償する仮想インタフェース回路と、を含むシミュレーション対象回路をシミュレーションするシミュレーション装置と、
    前記シミュレーション装置によるシミュレーションが収束する前記可変インピーダンス素子のインピーダンスの値を検出する検出装置と、
    を実現させるプログラム。
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