JP5943277B2 - 燃料電池系のインピーダンス演算方法、およびそのインピーダンス演算方法を実行するインピーダンス演算器を備える燃料電池車両 - Google Patents
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Description
燃料電池電気自動車(以下「車両」または「燃料電池車両」という)においては、搭載する燃料電池のインピーダンス特性は、車両の走行特性において重要な要素であり、逐次、把握しておく必要がある。
従来、燃料電池のインピーダンス計測の方法としては、所定の周波数の正弦波を加えて測定し、周波数を変えながら繰り返し測定を行うFRA(Frequency Response Analyzer)法が知られている(特許文献1)。
また、FRA法以外のインピーダンス計測としては、擬似白色信号やM系列信号を入力した後にFFT(Fast Fourier Transform)法を用いる方法がある。
ところが、前記計測において、インピーダンス算出に用いる電流と電圧の測定遅れや無駄時間がそれぞれ異なると、膜抵抗などの高周波数領域の計算精度が極端に低下する。電圧遅れが電流遅れより大きいと、膜抵抗が実際より低く算出され、逆に電流遅れが電圧遅れより大きいと、膜抵抗が実際より高く算出されてしまう。このような電流電圧の遅れの差は、例えば各ラインに異なる時間応答を持つ変換器が接続されている場合に発生する。
これら電流電圧の遅れの差を回避するために従来は、できるだけ燃料電池に近い電流電圧端子に直接インピーダンス計測ラインを最短距離で接続し、電流と電圧の計測系に遅れや無駄時間の差が生じないように十分留意した機器設計を行い、計測を行っていた。
また、FFT法を用いて計測する場合においても、前記のできるだけ燃料電池に近い電流電圧端子に直接インピーダンス計測ラインを最短距離で接続し、電流と電圧の計測系に遅れや無駄時間の差が生じないように十分留意した機器設計を行い、計測する方法では、インピーダンス計測のための特別な計測ラインを設ける手間やコストが必要となる。また、電流電圧ライン中に設ける素子の遅れレベルを揃える手間やコストが必要となる。また、任意の位置にある電流電圧端子から計測したデータからは、高精度のインピーダンスが算出できないという問題があった。
すなわち、第1の発明の燃料電池系のインピーダンス演算方法は、燃料電池が燃料電池車両の走行の事前に測定された既知の膜抵抗値を有する燃料電池に接続される電流計測端子を有する電流信号ラインから入力する電流と、前記燃料電池に接続される電圧計測端子を有する電圧信号ラインから入力する電圧とに基づいてインピーダンスを演算するインピーダンス演算器において、試行としての測定において、測定された膜抵抗値が前記既知の膜抵抗値よりも大きい場合には、前記電圧信号ラインに、測定された膜抵抗値とインピーダンス値から算出した膜抵抗値とが概ね同一となる遅れ補正要素を加え、また、試行としての測定において、測定された膜抵抗値が前記既知の膜抵抗値よりも小さい場合には、前記電流信号ラインに、測定された膜抵抗値とインピーダンス値から算出した膜抵抗値とが概ね同一となる遅れ補正要素を加え、その後、前記インピーダンス演算器によって、前記燃料電池のインピーダンスを演算することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池系のインピーダンス演算方法の第1実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、第1実施形態のインピーダンス演算方法の一例を示す図であり、(a)は電流遅れ1、2と電圧遅れ1、2をそのままの状態で、燃料電池(FC:Fuel Cell)101の電流と電圧を計測して、インピーダンス演算器(インピーダンス演算手段)105に入力して演算する図であり、(b)は電流遅れ1、2と電圧遅れ1、2の比較において電流遅れが大きい分を電圧側に遅れ補正要素124を挿入して電流と電圧間の遅れをなくしてから、電流と電圧を計測して、インピーダンス演算器105に入力して演算する図であり、(c)は電流遅れ1、2と電圧遅れ1、2の比較において電圧遅れが大きい分を電流側に遅れ補正要素114を挿入して電流と電圧間の遅れをなくしてから、電流と電圧を計測して、インピーダンス演算器105に入力して演算する図である。ここで、(a)、(b)、(c)のいずれも、図示しないインピーダンス計測用信号発生部からインピーダンス計測用信号が送信され燃料電池(FC)101に入力されている。
図1(a)において、燃料電池(FC)101の電流と電圧は、それぞれ電流計測端子112と電圧計測端子122を介して計測されてから、それぞれインピーダンス演算器105に入力され、その電流と電圧とからインピーダンスが計測(演算)される。
しかしながら、電流側の経路には、電流遅れ1(111)と電流遅れ2(113)があり、電圧側の経路には、電圧遅れ1(121)と電圧遅れ2(123)がある。
このとき電流遅れの合計(電流遅れ1+電流遅れ2)と、電圧遅れの合計(電圧遅れ1+電圧遅れ2)とは必ずしも等しくはないので、インピーダンス演算器105において入力した電流と電圧に基づいたインピーダンスの演算には誤差が生ずる。
また、電流と電圧は、それぞれ前記電流遅れ確認部と前記電圧遅れ確認部とにおいて、1次遅れ伝達関数の時定数にそれぞれ変換され、時定数の大きさやそれ対応する遅れが確認される。インピーダンス演算器105は、この1次遅れ時定数の大小によって、電流遅れと電圧遅れのどちらが遅れているかを判定することができる。
まず、図3を参照して、燃料電池101の電解質膜のインピーダンス計測において、電流と電圧の測定遅れや無駄時間がそれぞれで異なると、インピーダンスの算出(演算)にどのような影響がでるかを説明する。
なお、図1(b)、(c)については、その後で説明する。
図3は、インピーダンス算出に用いる観測電流と観測電圧の遅れ差の関係の一例を示すコールコールプロット(図)であり、(a)は真の特性(C01)と、電流遅れが電圧遅れよりも大きい場合の特性(C02)とを比較して示し、(b)は真の特性(C01)と、電圧遅れが電流遅れよりも大きい場合の特性(C03)とを比較して示している。
図3(a)、(b)ともに、横軸は抵抗値であり、縦軸はリアクタンス値であって、測定周波数を低周波から高周波へ変化させたときのコールコールプロット(図)である。
また、特性線C02は、電流遅れが電圧遅れよりも大きい場合の特性である。
低周波数域(横軸の右側)においては、特性線C01と特性線C02の差はあまりないが、高周波数域(横軸の左側)においては、特性線C01と特性線C02の差は大きくなっている。
リアクタンス値(縦軸)が0である実軸と特性線C01、特性線C02とのそれぞれの交点における抵抗値(横軸)が、燃料電池101の電解質膜の抵抗値(膜抵抗値)に相当するが、特性線C01の示す真値である抵抗値よりも特性線C02の示す抵抗値は大きい値を示し、大きく異なって、測定誤差となっている。
低周波数域(横軸の右側)においては、特性線C01と特性線C03の差はあまりないが、高周波数域(横軸の左側)においては、特性線C01と特性線C03の差は大きくなっている。
リアクタンス値(縦軸)が0である実軸と特性線C01、特性線C02とのそれぞれの交点における特性線C01の示す真値である抵抗値よりも、特性線C03の示す抵抗値は小さい値を示し、測定誤差となっている。
以上のように、観測電流と観測電圧の遅れ差があると測定誤差が生ずるので、この遅れ差を解消する対策が必要である。再び図1に戻り、図1(b)、図1(c)について説明する。
つまり、(電流遅れ1の遅れ+電流遅れ2の遅れ=電圧遅れ1の遅れ+電圧遅れ1の遅れ+遅れ補正要素124の遅れ)が成立するようにする。
この遅れ補正要素124による遅れ差の調整により、インピーダンス演算器105に入力する電圧と電流は、燃料電池101における本来の関係となるので、正確な燃料電池101のインピーダンス計測が行われる。
つまり、(電圧遅れ1の遅れ+電圧遅れ2の遅れ=電流遅れ1の遅れ+電流遅れ2の遅れ+遅れ補正要素124の遅れ)が成立するようにする。
この遅れ補正要素114による遅れ差の調整により、インピーダンス演算器105に入力する電圧と電流は、燃料電池101における本来の関係となるので、正確な燃料電池101のインピーダンス計測が行われる。
次に、燃料電池101のインピーダンス計測において、遅れ補正要素を追加するか否かについて判定する手順を説明する。
図2は、第1実施形態における遅れ補正要素を追加するか否かを判定するフローチャートの一例である。以下にフローチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池101のインピーダンス計測において、遅れ補正要素を追加するか否かについて判定を開始する。
ステップS11において、電流系遅れと電圧系遅れが等しいか否かを比較する。
ここで、電流系遅れは、図1における、電流遅れ1(111)の遅れ+電流遅れ2(113)に相当し、電圧系遅れは、図1における、電圧遅れ1(121)+電圧遅れ2(123)に相当する。
この比較において、電流系遅れと電圧系遅れが等しい場合(Y:S11)は、このフローを終了する。つまり、遅れ補正要素を追加することなく、インピーダンス計測をすることになる。
これは図1(a)のように、遅れ補正要素がない状態のまま、インピーダンス演算器105でインピーダンス計測(演算)することに相当する。
また、この比較において、電流系遅れと電圧系遅れが等しくない場合(N:S11)は、ステップS12に進む。
ステップS12において、電流系遅れが電圧系遅れより大きいか否かを比較する。
この比較において、電流系遅れが電圧系遅れより大きい場合(Y:S12)は、ステップS13に進む。
また、この比較において、電流系遅れが電圧系遅れより大きくない場合(N:S12)は、ステップS14に進む。
ステップS13において、電流系遅れが電圧系遅れより大きい分に相当する遅れ要素である遅れ補正要素を電圧系に追加する。
これは、図1(b)の遅れ補正要素124を電圧系に追加することに相当する。
そして、このフローを終了する。つまり、遅れ補正要素124を電圧系に追加して、電流系遅れを電圧系遅れと等しくし、インピーダンス計測をする。
ステップS14において、電圧系遅れが電流系遅れより大きい分に相当する遅れ要素である遅れ補正要素を電流系に追加する。
これは、図1(c)の遅れ補正要素114を電流系に追加することに相当する。
そして、このフローを終了する。つまり、遅れ補正要素114を電流系に追加して、電流系遅れを電圧系遅れと等しくし、インピーダンス計測をする。
次に、本発明に係る燃料電池系のインピーダンス演算方法の第2実施形態を、図4と図1を参照して説明する。
第1実施形態は、電流と電圧の遅れ差が把握できた。しかし、第2実施形態においては、電流と電圧の遅れがそれぞれ不明である。しかしながら、燃料電池101の膜抵抗値(電解質膜の抵抗値)が既知の場合であって、この既知であることを利用して遅れ補正要素を算出する方法について説明する。
なお、この遅れ補正要素(124、114)を追加することに関しては、図1と共通なので、図1を兼用する。
図4において、第2実施形態の遅れ補正要素を算出する方法の手順を説明する。
図4は、第2実施形態における遅れ補正要素を追加するか否かを判定する手順の一例を示すフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
《ステップS21》
まず、燃料電池101のインピーダンス計測において、既知膜抵抗を用いて遅れ補正要素を追加するか否かについて判定を開始する。
ステップS21において、まず、図1(a)のように遅れ補正要素がない状態で、燃料電池101の膜抵抗値を測定する。
そして、事前に把握していた燃料電池101の膜抵抗値の既知の値(既知膜抵抗、既知膜抵抗値)と、図1(a)のように遅れ補正要素がない状態で計測した抵抗値(計測膜抵抗、計測膜抵抗値)と比較する。
計測膜抵抗(計測膜抵抗値)と既知膜抵抗(既知膜抵抗値)との比較において等しい(概ね誤差が5%以内の)場合(Y:S21)には、遅れ補正要素を追加するか否かについて判定を終了する。
つまり、電流系遅れと電圧系遅れには問題となるような遅れ差はないとして、遅れ補正要素を追加することなく、インピーダンス計測をすることになる。これは図1(a)のように、遅れ補正要素がない状態のまま、インピーダンス演算器105でインピーダンス計測(演算)することに相当する。
ステップS22において、計測膜抵抗が既知膜抵抗より大きいか否か判定する。
計測膜抵抗が既知膜抵抗より大きい場合(Y:S22)は、ステップS23に進む。
また、計測膜抵抗が既知膜抵抗より大きくない場合(N:S22)は、ステップS24に進む。
なお、電流系が電圧系に比較して遅れる場合には、計測した膜抵抗は高めに算出される傾向がある。
ステップS23において、所定の遅れ要素を、遅れ補正要素124(図1(b))として電圧系(電圧信号)に追加する。
そして、ステップS21に戻り再計測する。
ステップS24において、所定の遅れ要素を、遅れ補正要素114(図1(c))として電流系(電流信号)に追加する。
そして、ステップS21に戻り再計測する。
遅れモデルの例として1次遅れモデルを追加する場合には、遅れの時定数を増減させて算出したインピーダンスより決定した膜抵抗(計測膜抵抗値)が、既知の膜抵抗(既知膜抵抗値)の概ね5%以内となるように遅れ補正要素(ソフトウエア)の時定数を繰り返し増減する。
次に、本発明に係る燃料電池系のインピーダンス演算方法の第3実施形態を、図5と図6を参照して説明する。
第3実施形態においては、電流と電圧の遅れがそれぞれ不明だが、燃料電池出力端子部に校正用素子を設置できる場合について説明する。
図5(b)において、校正用素子301は、抵抗器とコンデンサーを備えて構成されている。さらに必要に応じてコイルを備える場合もある。この校正用素子301のインピーダンスは既知である。つまり、校正用素子301の純抵抗成分の抵抗値は既知である。
校正用素子301を燃料電池(FC101)が外された計測ライン端に設置し、遅れ補正要素324を電圧遅れ2(123)とインピーダンス演算器105との間に追加している。
この図5(b)の構成で、校正用素子301のインピーダンスを測定する。そして、算出したインピーダンスの実軸との交点、つまり純抵抗成分の抵抗値が既知の校正用素子301の純抵抗成分の抵抗値と等しくなるように遅れ補正要素324を調整する。
この誤差が概ね5%以内となったときの遅れ補正要素324を用いた図5の構成において、燃料電池出力端子部から校正用素子301を取り外して、計測すれば燃料電池101のインピーダンスである膜抵抗が正確に計測できる。
なお、電流と電圧の遅れ差の測定は、電流と電圧のそれぞれの1次遅れの時定数を比較し、時定数が揃ったときに、電流と電圧の遅れ差がなくなったものとする。
電流と電圧の遅れ差の関係において、電圧系の方が速い場合には、図5(c)のように遅れ補正要素314を電流系に追加した構成とする。この相違点以外は、概ね、図5(b)の説明と同じであるので重複する説明は省略する。
図6は、第3実施形態における校正用素子301(図5)を用いて、遅れ補正要素をどのように追加するかを判定する手順の一例を示すフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池101(図5)のインピーダンス計測において、校正用素子301を用いて遅れ補正要素314、324(図5)をどのように追加するかの判定を開始する。
ステップS31において、校正用素子301を用いてインピーダンス計測を行い、校正用素子301の計測した抵抗値(計測抵抗値)と既知の抵抗値(校正用素子抵抗値)とを比較する。
計測抵抗値と校正用素子抵抗値が等しい場合(Y:S31)には終了する。つまり、遅れ補正要素がない、もしくはその計測時点に追加していた遅れ補正要素314、324において、遅れ補正要素の調整は、終了して、燃料電池101のインピーダンス計測を行う状態となる。
計測抵抗値と校正用素子抵抗値とが等しくない場合(N:S31)には、ステップS32に進む。
ステップS32において、計測抵抗値が校正用素子抵抗値より大きいか否か判定する。
計測抵抗値が校正用素子抵抗値より大きい場合(Y:S32)には、ステップS33に進む。
また、計測抵抗値が校正用素子抵抗値より大きくない場合(N:S32)には、ステップS34に進む。
ステップS33において、所定の遅れ要素を、遅れ補正要素324(図5(b))として電圧系(電圧信号)に追加する。
そして、ステップS31に戻り再計測する。
ステップS34において、所定の遅れ要素を、遅れ補正要素314(図5(c))として電流系(電流信号)に追加する。
そして、ステップS31に戻り再計測する。
なお、以上のフローチャートにおいて、遅れ補正要素324、314はソフトウエアで遅れモデルとして追加する。
遅れモデルの例として1次遅れモデルを追加する場合には、遅れの時定数を増減させて算出したインピーダンスより決定した計測膜抵抗値が、既知の校正用素子抵抗値の概ね5%以内となるように遅れ補正要素(ソフトウエア)の時定数を繰り返し増減する。
なお、適正な遅れ補正要素が決定し、図6のフローが終了した場合には、校正用素子301は除かれる。ただし、適正な遅れ補正要素(324、もしくは、314)はそのまま備えられる。
次に、本発明に係る燃料電池系のインピーダンス演算方法の第4実施形態を、図7と図8を参照して説明する。
第4実施形態においては、電流と電圧の遅れがそれぞれ不明で、校正用素子もないが、燃料電池出力端子部に校正用信号を印加できる場合について説明する。
図7(b)において、校正用信号401として印加する遅れ検出信号は、M系列信号かステップ状信号または正弦波などが良い。インピーダンス計測用端子から遅れ検出信号を観測し、信号遅れや無駄時間レベルを同定する。
このときの電流と電圧の遅れ差の測定は、実際には、1次遅れ伝達関数の時定数で比較する。
ボード線図におけるゲインと位相から1次遅れ伝達関数の時定数を電流、電圧において共に推定し、双方の時定数の差を遅れ差と定義する。
なお、M系列信号(maximum length sequence signal、広範囲な周波数域でパワースペクトルが概ね一定)を印加する場合には、電流、電圧のそれぞれの時系列データをフーリエ変換後、1次遅れの時定数推定(システム同定)をそれぞれ行う。
そして、校正用信号401は除かれて、燃料電池101の燃料電池出力端子部と、電流計測端子112と電圧計測端子122とがある計測ラインが再び接続される。
なお、図7(c)は、
(電流遅れ1の遅れ+電流遅れ2の遅れ)>(電圧遅れ1の遅れ+電圧遅れ2の遅れ)
の場合であったのを、校正して遅れ補正要素424を電圧系に追加し、
(電流遅れ1の遅れ+電流遅れ2の遅れ)=(電圧遅れ1の遅れ+電圧遅れ2の遅れ+遅れ補正要素424の遅れ)
としたものである。
なお、このときの図は表記を省略している。
図8は、第4実施形態における校正用信号を用いて遅れ補正要素をどのように追加するかを判定する手順の一例を示すフローチャートである。以下にフローチャートに基づいて説明する。
まず、燃料電池101(図7)のインピーダンス計測において、校正用信号を用いて遅れ補正要素をどのように追加するかの判定を開始する。
ステップS41において、燃料電池101の燃料電池出力端子部から計測ラインを一旦、外し、この計測ライン端に校正用信号を印加して発信する。
ステップS42において、図7(b)における電流遅れ1(111)、電流計測端子112、電流遅れ2(113)を経由した校正用信号の電流と、電圧遅れ1(121)、電圧計測端子122、電圧遅れ2(123)を経由した校正用信号の電圧のそれぞれの遅れをインピーダンス演算器105で計測する。
なお、電流と電圧のそれぞれの遅れの測定は、1次遅れ伝達関数の時定数に変換することは前記したとおりである。
ステップS43において、校正用信号の電流系遅れと電圧系遅れが等しいか否かを判定する。なお、電流系遅れと電圧系遅れの比較は、前記したとおり、それぞれの1次遅れ伝達関数の時定数で比較する。
電流系遅れと電圧系遅れが等しい場合(Y:S43)には、終了する。
つまり、遅れ補正要素を追加しないで、終了して、燃料電池101のインピーダンス計測を行う状態となる。
また、電流系遅れと電圧系遅れとが等しくない場合(N:S43)には、ステップS44に進む。
なお、電流系遅れと電圧系遅れの測定は、インピーダンス演算器105に備えられたそれぞれ電流遅れ確認部と電圧遅れ確認部で行う。
ステップS44において、校正用信号の電流系遅れが電圧系遅れより大きいか否か判定する。
電流系遅れが電圧系遅れより大きい場合(Y:S44)には、ステップS45に進む。
また、電流系遅れが電圧系遅れより大きくない場合(N:S44)には、ステップS46に進む。
ステップS45において、電流系遅れが電圧系遅れより大きい分の遅れ補正要素を電圧系に追加する。そして、終了する。つまり、この遅れ補正要素の追加で、終了して、燃料電池101のインピーダンス計測を行う状態となる。
なお、この場合は、図7(c)の遅れ補正要素424の追加に相当する。
また、この遅れ補正要素は、1次遅れ伝達関数のソフトウエアである。
ステップS46において、電圧系遅れが電流系遅れより大きい分の遅れ補正要素を電流系に追加する。そして、終了する。つまり、この遅れ補正要素の追加で、終了して、燃料電池101のインピーダンス計測を行う状態となる。
なお、この場合は、図7においては、図示していない。
次に、前記した実施形態の遅れ補正要素の効果を表す計測例を示す。
図9は、インピーダンス真値(電流と電圧の遅れ差がない状態、真の特性)に対して遅れが生ずる場合の影響と、遅れ補正要素の追加の効果の一例を示す図であり、(a)は真の特性と、電流遅れが電圧遅れよりも大きい場合の特性とを比較して示し、(b)は真の特性と、電圧遅れが電流遅れよりも大きい場合の特性とを比較して示し、(c)は遅れ補正要素を追加した場合の特性を示している。
図9(a)、(b)、(c)ともに、横軸は抵抗値であり、縦軸はリアクタンス値であって、測定周波数を低周波から高周波へ変化させたときのコールコールプロットである。
また、特性線C02は、電流系が時定数20msの1次遅れで、電圧系が時定数5msの1次遅れである。したがって、電流遅れが電圧遅れよりも大きい場合の特性である。
このとき、リアクタンス値(縦軸)が0である実軸と特性線C01、特性線C02とのそれぞれの交点における抵抗値(横軸)との比較において、電流遅れが電圧遅れよりも大きい特性線C02の抵抗値は、真値の特性線C01の抵抗値よりも大きく計測されており、図9(a)における符号M12で示す分の差異が生じている。
また、特性線C03は、電流系が時定数5msの1次遅れで、電圧系が時定数20msの1次遅れである。したがって、電圧遅れが電流遅れよりも大きい場合の特性である。
このとき、リアクタンス値が0である実軸と特性線C01、特性線C03とのそれぞれの交点における抵抗値との比較において、電圧遅れが電流遅れよりも大きい特性線C03の抵抗値は、真値の特性線C01の抵抗値よりも小さく計測されており、図9(b)における符号M13で示す分の差異が生じている。
また、特性線C04は、(a)で示した電圧系に時定数15msの1次遅れの遅れ補正要素を追加した場合の特性を示している。
このとき、(a)における特性線C02は、(c)の特性線C04に改善され、真値の特性線C01にかなり近い特性となる。
また、特性線C04は、(b)で示した電流系に時定数15msの1次遅れの遅れ補正要素を追加した場合の特性でもある。
このとき、(b)における特性線C03は、(c)の特性線C04に改善され、真値の特性線C01にかなり近い特性となる。
次に、燃料電池を駆動源として搭載した燃料電池車両において、燃料電池のインピーダンスを測定する場合に、本発明の燃料電池系のインピーダンス演算方法の第2実施形態を適用する形態を第5実施形態として説明する。
まず、燃料電池車両におけるモーターと燃料電池を駆動源とする概略の構成から先に説明する。この説明の後に、第5実施形態を説明する。
図10は、燃料電池車両におけるモーターと燃料電池を駆動源とする概略の構成の一例を示す図である。
図10において、燃料電池車両(不図示)は、車両を駆動するエネルギー源である燃料電池(FC)1001と、燃料電池1001を補完する役目の蓄電池1002と、車両を駆動するモーター1003と、燃料電池1001と蓄電池1002が出力する電力を指示する制御演算部1004と、モーター出力指示値とモーター1003のモーター出力の情報信号とを比較する偏差信号部1005と、燃料電池1001と蓄電池1002を制御する制御演算部1004と、を備えている。
制御演算部1004は、偏差信号G1005を参照して、電力指示値G1004を、燃料電池1001と蓄電池1002へ送る。
また、燃料電池1001は、燃料電池出力電力P1001を駆動電力合算部1006へ出力する。
また、蓄電池1002は、蓄電池出力電力P1002を駆動電力合算部1006へ出力する。
モーター1003は、駆動されて車両の動力源となるとともに、その駆動出力を反映した信号のモーター出力値G1003を、前記したように、偏差信号部1005に送る。
なお、燃料電池1001、蓄電池1002、駆動電力合算部1006、モーター1003の間には図示しないチョッパやインバータが備えられている。また燃料電池1001の出力は、モーター以外にも、図示しない補機(デバイス)でも消費される。
燃料電池1001の特性は環境や使用状況によって変化する。特に燃料電池1001の特性に大きく影響する燃料電池のインピーダンス特性、殊に電解質膜の抵抗値を把握しておくことは重要である。
この燃料電池のインピーダンス特性の測定には、本発明の第1実施形態から第4実施形態の燃料電池系のインピーダンス演算方法を用いると効果的である。
図11は、本発明に係る燃料電池系のインピーダンス演算方法の第5実施形態であって、燃料電池車両の燃料電池に第2実施形態を適用した燃料電池車両の概略の構成の一例を示す図である。
図11において、図10に示した燃料電池車両の概略の構成から、第2実施形態を適用するために新たに加わった要素は、遅れ補正機構付Imp演算器504、インピーダンス計測用信号発生ロジック541、信号反転部603、加算器601、602である。
なお、遅れ補正機構付Imp演算器は、インピーダンス演算手段、電流遅れ確認部、電圧遅れ確認部、遅れ補正要素を備える。
また、新たな信号としてはG51、G52、G53、G504、G541、G601、G602、G603である。なお、燃料電池501、燃料電池出力電力P501は符号を変えている。
この際の演算の方法や手順は、第2実施形態で説明したとおりである。重複する説明は省略する。
また、遅れ補正機構付Imp演算器504の演算結果(計測情報)は、制御演算部1004に入力している。つまり、燃料電池501の環境、使用状況を反映した電力指示値G1004が制御演算部1004によって出力されるように改善されている。
燃料電池制御信号G601は、燃料電池501に入力する。そして、燃料電池501の燃料電池出力電力P501を制御する。ただし、燃料電池制御信号G601には、電力指示値G1004以外にも、遅れ検出信号G541のM系列信号が含まれているので、燃料電池501の電流と電圧は、広い周波数成分(パワースペクトル)を含んで応答する。
このM系列信号による広い周波数成分を含んだ燃料電池501の電流と電圧について、それぞれ遅れ補正機構付Imp演算器504でフーリエ変換を含む演算をすれば、広い周波数帯域の燃料電池501のインピーダンス特性と、電解質膜の抵抗値が算出される。
なお、この計測の過程で第2実施形態を適用すれば、観測電流や観測電圧や遅れ差による誤差を解消した、より正確かつ精度の高い測定が可能となる。
加算器602においては、電力指示値G1004と反転信号G603(M系列信号の反転信号を含む)を加算して電池制御信号G602を出力する。
電池制御信号G602は、蓄電池1002に入力する。そして、蓄電池1002の蓄電池出力電力P1002を制御する。
燃料電池制御信号G601には、電力指示値G1004以外にも遅れ検出信号G541、つまりM系列信号が含まれている。このM系列信号を含む点が図10に示した基本的な構成と異なっている。
したがって、燃料電池501からはM系列信号の影響を受けた燃料電池出力電力P501が出力し、駆動電力合算部1006に入力する。駆動電力合算部1006のモーター駆動電力P1006は、モーター1003を駆動している。
したがって、前記の経路そのままでは、モーター駆動電力P1006にM系列信号に由来する電力が含まれてしまう。M系列信号は、インピーダンス解析には有効であるが、モーター1003にとっては、不要のものであり好ましくないものである。
したがって、駆動電力合算部1006においては、燃料電池501を経たM系列信号と、蓄電池1002を経たM系列信号の反転信号とが合算されるので、M系列信号は駆動電力合算部1006において相殺(キャンセル)される。この結果、モーター1003にとっては不要のものであり好ましくないM系列信号が、モーター1003に到達することが低減される。
以上のために信号反転部603とその経路が設けられたものである。
以上、図11の構成によって、第2実施形態を適用する。
つまり、概要としては、燃料電池501の電解質膜の膜抵抗値を既知(事前に所定の環境、使用状態で測定)として、既知膜抵抗(既知膜抵抗値)を把握しておく。
そして、図11の構成において、燃料電池501のインピーダンス(膜抵抗を含む)を計測する。図11の構成では、実際には、計測の各ラインの長さや形状が異なっていたり、異なる時間応答を持つ変換器が接続されていたりすることがある。
したがって、この状態での計測したインピーダンス(膜抵抗を含む)は、正確である保証はない。
補正要素が適正に加えられると燃料電池501の電解質膜の膜抵抗値を含むインピーダンスは精度よく計測(演算)される。
以上が概略である。遅れ補正要素の選択、追加の詳細は第2実施形態で説明したとおりである。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態、およびその変形に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があってもよく、以下にその例をあげる。
第1〜第4実施形態において、遅れ補正要素をソフトウエアで追加する方法を示したが、ソフトウエアとして1次遅れモデルを用いる方法がある。1次遅れモデルの1次遅れの時定数によって、遅れの演算を代用することによって、演算処理が軽減される。
前記したように、電流遅れ確認部や電圧遅れ確認部において、1次遅れ伝達関数の時定数にそれぞれ変換する場合や、遅れ補正要素を1次遅れモデルのソフトウエアを用いる場合において、1次遅れモデルの時定数を推定する。また、入力信号は正弦波以外の場合もある。したがって、インピーダンス演算器105が、応答信号をフーリエ変換するフーリエ変換機能を備えることが望ましく、精度の向上が期待できる。
また、第3実施形態においては、電流と電圧の遅れ差を、電流と電圧のそれぞれの1次遅れの時定数で比較するが、この1次遅れモデルの時定数を推定するためにM系列信号を印加し、その応答した電流と電圧をそれぞれフーリエ変換して1次遅れの時定数推定をすると説明した。それのみならず、フーリエ変換する前のデータに対して、平均ゼロ化処理や窓関数処理などの所定の処理を行うと、さらに精度が向上する。
第4実施形態においては、校正用信号においてM系列信号を印加する方法について、説明したが、M系列信号のみに限定されない。ステップ応答の信号を用いてもよい。
第5実施形態においては、燃料電池車両の燃料電池に第2実施形態(膜抵抗値が既知)を適用した場合を示したが、適用できるのは第2実施形態に限らない。
第1実施形態(電流と電圧の遅れ差が自明)や、第3実施形態(校正用素子)や、第4実施形態(校正用信号)を適用することもできる。
第5実施形態においては、燃料電池車両(燃料電池自動車)に搭載する燃料電池におけるインピーダンス計測として、説明したが、車両(自動車)のみならず、船舶、航空機等に搭載した燃料電池への適用が可能である。また、1次電池のみならず2次電池への適用も可能である。
燃料電池のインピーダンス計測において、電流ラインと電圧ラインの計測遅れ差異を各種方法で検出し、この遅れ差を補正する遅れ補正要素を、遅れが小さい計測ラインに追加することで、インピーダンス算出精度を向上させた。
なお、燃料電池系のインピーダンス演算方法として説明したが、計測ラインにおける遅れ要素が測定上の課題となる各種のインピーダンス計測において、本願発明の各種方法は、有効な方法として適用、応用される。
105 インピーダンス演算器
111 電流遅れ1
112 電流計測端子
113 電流遅れ2
114、124、314、324、424 遅れ補正要素
121 電圧遅れ1
122 電圧計測端子
123 電圧遅れ2
301 校正用素子
401 校正用信号
504 遅れ補正機構付Imp演算器(インピーダンス演算手段、電流遅れ確認部、電圧遅れ確認部、遅れ補正要素)、インピーダンス演算器
601、602 加算器
603 信号反転部
1002 蓄電池
1003 モーター
1004 制御演算部
1005 偏差信号部
1006 駆動電力合算部
G51 電流信号
G52 電圧信号
G53 観測信号
G541 遅れ検出信号(M系列信号)
G601 燃料電池制御信号
G602 蓄電池制御信号
G603 反転信号
G1000 モーター出力指示値
G1003 モーター出力、モーター出力値
G1004 電力指示値
G1005 偏差信号
P1001 燃料電池出力電力
P1002 蓄電池出力電力
P1006 モーター駆動電力
Claims (9)
- 燃料電池が燃料電池車両の走行の事前に測定された既知の膜抵抗値を有する燃料電池に接続される電流計測端子を有する電流信号ラインから入力する電流と、前記燃料電池に接続される電圧計測端子を有する電圧信号ラインから入力する電圧とに基づいてインピーダンスを演算するインピーダンス演算器において、
試行としての測定において、測定された膜抵抗値が前記既知の膜抵抗値よりも大きい場合には、前記電圧信号ラインに、測定された膜抵抗値とインピーダンス値から算出した膜抵抗値とが概ね同一となる遅れ補正要素を加え、
また、試行としての測定において、測定された膜抵抗値が前記既知の膜抵抗値よりも小さい場合には、前記電流信号ラインに、測定された膜抵抗値とインピーダンス値から算出した膜抵抗値とが概ね同一となる遅れ補正要素を加え、
その後、前記インピーダンス演算器によって、前記燃料電池のインピーダンスを演算することを特徴とする燃料電池系のインピーダンス演算方法。 - 燃料電池に接続される電流計測端子を有する電流信号ラインから入力する電流と、前記燃料電池に接続される電圧計測端子を有する電圧信号ラインから入力する電圧とに基づいてインピーダンスを演算するインピーダンス演算器において、
試行としての測定において、前記燃料電池に接続された前記電流計測端子および前記電圧計測端子を一旦外したのち、前記燃料電池の出力端子部に既知の校正用素子抵抗値を有する校正用素子を接続して前記インピーダンス演算器によってインピーダンスを演算し、
前記試行で測定された前記校正用素子の抵抗値が前記既知の校正用素子抵抗値よりも大きい場合には、前記電圧信号ラインに、前記試行で測定された校正用素子の抵抗値と前記既知の校正用素子抵抗値とが概ね同一となるように遅れ補正要素を加え、
前記試行で測定された校正用素子の抵抗値が前記既知の校正用素子抵抗値よりも小さい場合には、前記電流信号ラインに、前記試行で測定された校正用素子の抵抗値と前記既知の校正用素子抵抗値とが概ね同一となるように遅れ補正要素を加え、
その後、接続された前記校正用素子を外したのち、前記電流計測端子および前記電圧計測端子を前記燃料電池に接続して、インピーダンスを演算することを特徴とする燃料電池系のインピーダンス演算方法。 - 前記校正用素子は、抵抗素子とコンデンサーとを備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法。
- 燃料電池に接続される電流計測端子を有する電流信号ラインから入力する電流と、前記燃料電池に接続される電圧計測端子を有する電圧信号ラインから入力する電圧とに基づいてインピーダンスを演算するインピーダンス演算手段と、
遅れ検出用信号を前記電流信号ラインと電圧信号ラインに印加する遅れ検出用信号印加手段と、
前記インピーダンス演算手段による演算に基づいて電流遅れを確認する電流遅れ確認部と、
前記インピーダンス演算手段による演算に基づいて電圧遅れを確認する電圧遅れ確認部と、
を備えるインピーダンス演算器において、
試行としての測定において、
前記燃料電池と前記電流信号ラインおよび前記電圧信号ラインとの接続を解除し、
その後、前記遅れ検出用信号印加手段と電流信号ラインおよび電圧信号ラインとを接続してインピーダンスを演算し、
前記電流遅れ確認部で確認された電流遅れが、前記電圧遅れ確認部で確認された電圧遅れよりも大きい場合には、前記電圧信号ラインに、前記電流遅れと前記電圧遅れとの差と同じ大きさの遅れ補正要素を加え、
前記電圧遅れ確認部で確認された電圧遅れが、前記電流遅れ確認部で確認された電流遅れよりも大きい場合には、前記電流信号ラインに、前記電圧遅れと前記電流遅れとの差と同じ大きさの遅れ補正要素を加え、
次に、前記遅れ検出用信号印加手段と前記電流信号ラインおよび前記電圧信号ラインとの接続を解除し、
次に、前記燃料電池と前記電流信号ラインおよび前記電圧信号ラインとを再度接続し、
その後、前記インピーダンス演算手段によって、前記燃料電池のインピーダンスを演算することを特徴とする燃料電池系のインピーダンス演算方法。 - 前記遅れ検出用信号印加手段の出力する前記遅れ検出用信号は、M系列信号を含むことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法。
- 前記電流遅れ確認部における電流遅れと、前記電圧遅れ確認部における電圧遅れとの大小関係の比較において、前記電流と前記電圧のそれぞれの1次遅れの時定数を用いることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法。
- 前記インピーダンス演算手段は、フーリエ変換機能を備えたことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法。
- 前記遅れ補正要素は、前記インピーダンス演算手段が演算するソフトウエアで構成されることを特徴とする請求項4または請求項7に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法。
- 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の燃料電池系のインピーダンス演算方法を実行するインピーダンス演算器を備えることを特徴とする燃料電池車両。
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