JP3992665B2 - 三相交流負荷模擬装置 - Google Patents

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Description

本発明は、解析対象とする実際の電力系統の三相交流負荷と電気的に相似な電気回路をアナログ回路(リアクトル、抵抗、コンデンサ、変圧器、演算機能付き電圧源、同電流源等)にて実現し、このアナログ回路に電力系統より低い電圧及び小さい電流を実際に印加または通流することにより、電力系統に発生する種々の系統現象をリアルタイムにシミュレーションするようにしたアナログシミュレータ用の三相交流負荷模擬装置に関する。
図9は、この種のアナログシミュレータ向けに使用されている負荷模擬装置の第1の従来技術を示すもので、可変抵抗11、可変リアクトル12及び可変コンデンサ13等の受動素子から構成されている。
また、図10は第2の従来技術を示しており、この負荷模擬装置20は、DSP(Digital Signal Processor)またはCPU(Central Processing Unit)等の演算処理部211、A/D変換部212及びD/A変換部213を有するディジタル演算装置21と、定数設定用端末22と、解析対象である電力系統を模擬したシミュレータ系統30からの印加電圧を検出する電圧検出器23と、負荷電流を流すための電流源24と、この電流源24とシミュレータ系統30との間に接続された遮断器25等を備えている。
この負荷模擬装置20は、無限大電源31及び送電線を模擬するリアクトル32を備えた前記シミュレータ系統30に接続され、電圧検出器23により検出した瞬時電圧v(t)と定数設定用端末22により設定したコンダクタンスやサセプタンス等を用いて、演算処理部211が瞬時電流指令値を生成し、この指令値に従って電流源24が負荷電流i(t)を流すように構成されている。
ここで、図9、図10に示した従来技術は、何れも負荷模擬装置の一相分を表したものである。
なお、上述したようなアナログシミュレータと、電力系統の現象を計算機による数値演算のみによって模擬するディジタルシミュレータとを組み合わせた電力系統ハイブリッドシミュレータが、下記の特許文献1に記載されている。
このハイブリッドシミュレータでは、電力系統の基準周波数からの周波数偏差を演算すると共に、アナログシミュレータにより計測した電流、電圧のベクトルデータの前記周波数偏差に起因するベクトル回転を補正演算し、その結果の電流、電圧データに基づいてアナログシミュレータの状態量(等価アドミタンス量)を最小二乗法により演算して電力系統の時々刻々の状態を模擬するものである。
また、ハイブリッド形三相負荷モデルとしてのアナログ系統シミュレータ用負荷モデルにおいて、三相系統モデルとの間に接続される絶縁変圧器のインピーダンス電圧降下により生じる誤差を補償するように補正演算を行う負荷モデルが、下記の特許文献2に記載されている。
更に、各相のCPUによる演算遅れに起因する零相電流を抑制可能とした三相電子的負荷モデルが下記の特許文献3に記載され、電圧の過渡的変動に対応した電力の過渡的変動を模擬可能とした三相電子的負荷モデルが下記の特許文献4に記載されている。
特開平10−322907号公報(請求項5,6等) 特開平2−231925号公報([課題を解決するための手段]、[作用]等) 特許第2737357号公報([課題を解決するための手段]、[作用]等) 特許第2919657号公報([0006],[0007]等)
図9の従来技術では、可変抵抗11、可変リアクトル12または可変コンデンサ13の値をある間隔で変更することは可能であるが、負荷特性としては定インピーダンス負荷のみを模擬可能であり、負荷機能を任意に変更する機能は全く持たないと言える。また、受動素子のみを使用しているため、容易に誤差補正を行うことが困難である。
一方、図10の従来技術では、ディジタル演算装置21に搭載されている演算処理部211に対して、予め定められた定インピーダンス、定電流、定電力負荷特性などの演算式をプログラミングすれば、所望の負荷特性を模擬することは可能である。
しかし、電力系統に存在する負荷は近年、電子機器等の普及により複雑な特性を持つ傾向にあり、これらの多様な負荷特性を模擬したい場合には、その都度、プログラムを変更する必要があり、多大な労力を要することになる。
また、例えば実効値にて演算するような演算周期が比較的遅くてもよい演算部分と、高速な演算周期を必要とする瞬時電流を計算する演算部分とが混在するにも関わらず、リアルタイムの負荷演算を行うための演算処理部211が単一であるため、高速な演算周期を用いて全ての負荷演算を実施しなければならなかった。これにより、実効値にて演算する部分は不必要に短い演算周期にて演算処理を終える必要が生じることとなり、その結果、多くの機能を模擬することは困難であった。
更に、実際の負荷がアナログ回路と一定の演算周期をもったディジタル形の制御回路とを組み合わせたような特性を有する場合、正確な負荷模擬を行うためには、1個の演算処理部211では実現が困難であった。
加えて、図10の従来技術では、負荷模擬装置を構成する電流検出抵抗(図示せず)、遮断器25のON抵抗、電流源24の出力インピーダンス等による出力電流のゲイン誤差の補正は行われておらず、また、電圧検出器23や電流源24、ディジタル演算装置211等の入出力遅延時間に起因する出力電流の位相誤差(負荷模擬装置接続端のシミュレータ系統電圧に対する位相誤差)の補正も行われていなかった。
この結果、負荷模擬装置を多数台設置したようなアナログシミュレータによる解析ケースでは、数%以下の高精度なシミュレーション結果が要求されるシステムでは無視できない負荷電流誤差を生じていた。
また、特許文献1に記載されたハイブリッドシミュレータでは、最小二乗法によるリアルタイムな演算を必要としており、プログラムの量や演算負荷が多くなるという問題があった。
特許文献2に記載された負荷モデル、特許文献3,4に記載された三相電子的負荷モデルは、あくまで絶縁変圧器に起因する誤差の補償やCPUによる演算遅れ、電圧の過渡的変動を考慮したものであり、負荷模擬装置構成機器の入出力ゲイン誤差や入出力遅延時間による位相誤差等の補正、更には負荷特性に応じた適正な演算周期等まで考慮したものではない。
そこで本発明は、上述した種々の問題点を解消し、高精度なシミュレーションを可能にすると共に、演算周期が異なる各種負荷の模擬を容易に実現可能とした三相交流負荷模擬装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、電力系統の三相交流負荷と電気的に相似なアナログ回路を構成し、解析対象である電力系統を模擬したシミュレータ系統から前記アナログ回路に電圧を印加すると共に電流を通流させて電力系統に発生する系統現象をシミュレーションするようにしたアナログシミュレータ用の三相交流負荷模擬装置であって、
この負荷模擬装置が、複数の演算処理部を備えたディジタル演算装置と、前記シミュレータ系統から印加される電圧を検出する電圧検出器と、前記ディジタル演算装置からの電流指令値に従って負荷電流を流すための電流源と、この電流源と前記シミュレータ系統との間に接続された遮断器とから構成される三相交流負荷模擬装置において、
前記ディジタル演算装置が、以下の数式aにより、前記負荷模擬装置の各構成機器の入出力遅延時間(位相遅れθ)及び入出力ゲイン誤差を補正した瞬時電流指令値i(t)生成して前記電流源に与えるものである。
[数式a]
i(t)=(G ・K+B ・S)・v(t)+(B ・K−G ・S)・v −90° (t)
但し、
={G −r(G +B )}/{(1−r・G ) +r ・B }−G x
=B /{(1−r・G ) +r ・B }−B x
ここで、
:前記ディジタル演算装置により前記電流源に設定されるコンダクタンス(入出力ゲイン誤差を補正したコンダクタンス)、
:前記ディジタル演算装置により前記電流源に設定されるサセプタンス(入出力ゲイン誤差を補正したサセプタンス)、
K:位相遅れθの余弦値cosθ(誤差補正定数)、
S:位相遅れθの正弦値sinθ(誤差補正定数)、
v(t):前記電圧検出器により検出した瞬時電圧、
−90° (t):上記v(t)に対して90°遅れた電圧、
:前記負荷模擬装置に設定されるコンダクタンス、
:前記負荷模擬装置に設定されるサセプタンス、
r:前記遮断器が有する直列抵抗(誤差補正定数)、
x :前記負荷模擬装置内に存在する誤差分のコンダクタンス(誤差補正定数)、
x :前記負荷模擬装置内に存在する誤差分のサセプタンス(誤差補正定数)。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した三相交流負荷模擬装置において、
前記負荷模擬装置に対して、誤差補正前に前記コンダクタンスG =0及び前記サセプタンスB =0と設定し、
このときの前記負荷模擬装置の前記シミュレータ系統への接続端からコンダクタンスG L0 及びサセプタンスB L0 を測定し、
以下の数式b及び数式cにより、前記誤差補正定数G ,B を求めるものである。
[数式b]
={G L0 −r(G L0 +B L0 )}/{(1−r・G L0 ) +r ・B L0
[数式c]
=B L0 /{(1−r・G L0 ) +r ・B L0
発明によれば、構成機器の入出力遅延時間や入出力ゲイン誤差等に起因する負荷電流の誤差を補正でき、高精度な負荷模擬装置を実現することが可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る負荷模擬装置の一相分を示す構成図であり、図10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図1において、20’はシミュレータ系統に直接接続される負荷模擬装置であり、ディジタル演算装置21’と、電圧検出器23と、電流源24と、遮断器25とを備えている。
ディジタル演算装置21’は、端末215が接続され、かつCPUが実装されたCPUボード214と、演算周期が異なる例えば4個の演算処理部としてのDSP 211A〜211D及び共有メモリ211Mを有する演算処理装置211’と、A/D変換部212及びD/A変換部213とから構成され、A/D変換部212には電圧検出器23により検出されたシミュレータ系統からの印加電圧v(t)が入力され、D/A変換部213から出力される負荷電流指令値としての瞬時電流指令値i(t)が電流源24に入力されている。なお、4個の演算処理部はCPUであっても良い。
前記CPUボード214には適宜なオペレーションシステム(OS)が搭載され、このOS上で汎用制御用ソフトウェアをアプリケーションソフトウェアとして使用することが可能になっている。
この汎用制御用ソフトウェアには、図2に示したような微分、積分、乗算、sin関数等の各種演算要素や、非線形要素、不感帯要素、遅延要素、スイッチ等の制御用パーツ216が各種用意されており、端末215からの入力操作によってこれらの制御用パーツ216を組み合わせることにより、本装置が模擬するべき負荷の機能を、図3のように視覚的に把握が容易な制御ブロック図(負荷演算ブロック図)によって表現可能となっている。
また、図3に示す制御ブロック図から、例えばC言語のプログラムを生成し、これをリアルタイム演算に使用するDSP(CPU)用のCコンパイラにより、DSP用の機械語プログラムにまで自動変換する機能も備えている。
更に、この機械語プログラムを、CPUボード214上のCPUから複数個のDSP 211A〜211Dに対してダウンロードすることも可能であり、各DSP 211A〜211Dはダウンロードしたプログラムを実行して所定の負荷演算を行うようになっている。
また、複数個のDSP 211A〜211Dに対して、CPUボード214上のOS上で演算周期設定用のプログラムを起動することにより、各DSPごとに演算周期を個別に設定可能である。
図4は、上記プログラムによる個別演算周期の設定画面を示しており、各DSP 211A〜211D(画面上のDSP−A〜DSP−D)に設定される個別の演算周期及びその実演算周期(実処理時間)が表示されるようになっている。
図示する如く、例えばDSP−Aの演算周期を100μs、DSP−Bの演算周期を1ms、DSP−C,DSP−Dの演算周期を10msというように個別に設定可能な機能を持たせることにより、例えば実効値で演算するような演算周期が比較的遅くてもよい演算部分と、高速な演算周期を必要とする瞬時電流を計算する演算部分とが混在したり、実際の負荷がアナログ回路と一定の演算周期を持つディジタル回路とを組み合わせたような特性を有する場合のように、複数の演算周期が複合した負荷特性を持つ場合でも、各演算部分または回路に最適な演算周期のDSPを割り当てることで効率よい演算を行うことができる。
また、演算周期を個別に設定可能とすれば、演算周期の長いDSP(例えばDSP−C,DSP−D)では、最も演算周期が短いDSP(例えばDSP−A)に合わせて短時間で演算を終了させる必要がなくなるため、より多くの負荷演算を可能にしてハードウェア資源を有効に利用することが可能になる。
次に、図1の構成において、電圧検出値としての瞬時電圧v(t)から負荷電流の電流指令値i(t)を求める理想的な計算式は、周知のように数式1によって表される。
Figure 0003992665
ここで、ディジタル演算装置21’、電圧検出器23及び電流源24等の入出力ゲイン誤差や入出力遅延時間等が存在しなければ、電圧検出器23による検出電圧v(t)と負荷模擬装置20’自身が端末215により設定した負荷量相当分のG,Bとに応じて数式1により求められる負荷電流i(t)を、誤差なく高精度にシミュレータ系統から引き込むことが可能である。
しかし、負荷模擬装置20’の各構成機器は実際にはそれぞれ相当の誤差を有しており、これらを組み合わせた場合には、シミュレータの如く高精度(2%程度)が要求される装置に適応した演算精度、模擬精度を得ることはできない。
そこで、本実施形態では、以下のようにして数式1を補正し、最終的に後述する数式21を得てこの数式21により瞬時電流指令値i(t)を生成することとした。
(1)各構成機器の入出力遅延時間を補正するための手段
最初に負荷模擬装置20’の各構成機器の入出力遅延時間について着目し、これをまとめて補正する方法について述べる。
まず、数式1に示した瞬時電流指令値i(t)を、実数部I及び虚数部IからなるベクトルI(なお、本文において、ベクトルを示すドット“・”は数式を除いて便宜上、省略する。)により以下のように表記する。
Figure 0003992665
また、入出力遅延時間、すなわち位相遅れθにより実際に流れてしまう電流ベクトルをIとし、瞬時電流指令値ベクトルIに対して位相をθ進ませることにより位相遅れθを補正するように設定される電流ベクトルをIとおく。
これらの電流ベクトルI,I,Iの関係を図示すると、図5のようになる。
また、Iを基準とした実際に流れる電流ベクトルIの遅れ位相をθとおくと、Iは次式のように表せる。
Figure 0003992665
数式3は、数式2の如く有効電力P成分の電流成分Iと無効電力Q成分の電流成分Iとを設定しても、位相遅れθが存在すると、実際に流れる電流ベクトルIのP,Q電流成分がI,Iとは異なることを意味する。
一方、数式2は、数式1から数式4のように表すことができる。
Figure 0003992665
従って、数式4より、次式が成り立つ。
Figure 0003992665
数式5を数式3に代入すると、次式が得られる。
Figure 0003992665
更に、数式6を数式1のように瞬時値電流i(t)にて表現すると、次式のようになる。
Figure 0003992665
次に、遅れ位相θによる誤差電流分を補正するための演算式を考えてみる。
まず、遅れ位相θを進み位相θにすればよいことから、θ分だけ進相させた設定すべき電流ベクトルIは、次式で表される。
Figure 0003992665
数式8を数式1のように瞬時値電流i(t)にて表現すると、次式のようになる。
Figure 0003992665
(2)各構成機器の入出力ゲイン誤差を補正するための手段
次に、負荷模擬装置20’の各構成機器の入出力ゲイン誤差を補正する方法について述べる。
図6は、図1に示した負荷模擬装置20’に基づいて構成された入出力ゲイン誤差を補正するための具体的な等価回路を示している。
図6の等価回路において、Gはディジタル演算装置21’により電流源24に対して設定したコンダクタンス、Bは同じくサセプタンス、Gは負荷模擬装置20’内に存在する誤差分のコンダクタンス、Bは同じくサセプタンス、Gは接続端子b−b’から負荷モデル(負荷模擬装置20’)側を見た場合のコンダクタンス、Bは同じくサセプタンス、rは遮断器25が有する直列抵抗である。
ここで、負荷模擬装置20’を構成する電流源24、ディジタル演算装置21’、電圧検出器23の入出力ゲイン誤差は、誤差分のコンダクタンスG,サセプタンスBの中にまとめて補正するものとする。
図6の等価回路において、本来、負荷模擬装置20’に対して設定したい値は、接続端子b−b’から負荷モデル側を見た場合のアドミタンスYを構成する負荷模擬装置20’のコンダクタンスG(負荷量P)及びサセプタンスB(負荷量Q)である。
しかし、誤差分r,G,Bが負荷模擬装置20’内に存在するため、実際に電流源24に対して設定する負荷量相当分のコンダクタンスG及びサセプタンスBは、G,Bとは異なる値になるべきである。このため、以下ではG,BとG,Bとの関係を求める。
まず、図6から、以下の関係式が求まる。
Figure 0003992665
また、数式11のようにおくと、数式10は数式12となる。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
数式12を変形して、数式13を得る。
Figure 0003992665
数式13の両辺を比較してG,BとGsx,Bsxとの関係を求めると、数式14,15のようになる。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
逆に、数式14,15より、Gsx,BsxをG,Bで表すと、数式16,17のようになる。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
また、数式11より、数式18を得る。
Figure 0003992665
数式18に数式16,17を代入して、数式19,20を得る。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
数式19,20は、ディジタル演算装置21’により実際に設定すべきコンダクタンスG、サセプタンスBが、G,B,G,B及びrから求められることを意味する。
ただし、負荷模擬装置20’に使用される各構成機器によって、G,B,rの値は異なってくる。
(3)入出力遅延時間と入出力ゲイン誤差とを併せた誤差補正演算
前述した数式9による入出力遅延時間による誤差補正の演算式に、数式19,20による入出力ゲイン誤差を補正するための演算式を代入すれば、負荷模擬装置20’が有する誤差を補正した電流指令値を得ることができる。
すなわち、数式9,19,20により、検出した瞬時電圧v(t)と電流指令値i(t)との関係を改めて記すと、数式21のようになる。なお、この数式21におけるr,G,B,K,Sを、以下では誤差補正定数というものとする。
Figure 0003992665
(4)誤差補正定数(r,G,B,K,S)の求め方
数式21において、未知数すなわち誤差補正定数r,G,B,K,Sを求める方法を以下に具体的に述べる。
(a)G,B,rの求め方
図6において、電流源24に対する電流指令値、言い換えればG,Bを0[pu]に設定すると、端子a−a’からディジタル演算装置21’側を見たインピーダンスは無限大(開放)とみなせる。
従って、端子a−a’を開放すると、数式19,20から次式が得られる。
なお、以下において、G L0 ,B L0 は、G ,B を0[pu]に設定した時に端子b−b’から測定したコンダクタンス、サセプタンスである。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
ここで、数式22,23には未知数がそれぞれ三つある。このうち、rについては、端子a−b間の抵抗値をディジタルマルチメータ等の抵抗測定器にて測定すれば簡単に求めることができるから、残りのG ,B の求め方を考えれば良い。
すなわち、図6のG,B=0[pu]に設定したときのP,Qをディジタルパワーメータ33等の測定器により測定すれば、G ,B を求めることができ、これらのG ,B と前記rとを用いて数式22,23からG,Bを求めることができる。
なお、測定したP,Q,|V|とG ,B との関係は、次式のとおりである。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
(b)K,S(これらを位相補正定数とする)の求め方
数式1の位相補正を行っていない瞬時電流i(t)を計算する式において、G,Bをディジタル演算装置21’のソフトウェア内で固定値 s1 ,B s1 に設定すると、その時に実際に測定されるG ,B は、数式7から以下のように求めることができる。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
数式26,27から、K,Sについて求めると次式になる。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
数式28,29はG,Bを固定値 s1 ,B s1 に設定し、G ,B を測定により求めればK,Sが求まることを意味している。
ただし、測定されたG ,B には回路中に存在するG,Bの値が含まれることから、前述したG,Bを用いて、K,Sを次式により求める。
Figure 0003992665
Figure 0003992665
以上によって誤差補正定数(r,G,B,K,S)を求めることができ、これらと定値G,B及び電圧検出値v(t),v−90°(t)を用いれば、数式21により入出力遅延時間による誤差補正及び入出力ゲインの誤差補正を行った電流指令値を得ることができるから、この電流指令値を電流源24に与えればよいことになる。
なお、上記の演算は、演算処理装置211’内の何れかのDSPを用いて実行すれば良い。
図7及び図8は、本実施形態において、有効電力Pの設定値を変化させた場合の誤差補正前後の相対誤差(負荷電流指令値と実際の負荷電流との誤差)を比較したもので、図7は誤差補正前、図8は誤差補正後を示している。
この実施形態によれば、有効電力Pの設定値を1[pu]に設定した時に1アームにつき25[mA]流れるが、誤差補正により図8の相対誤差は図7の約1/3程度となり、高精度な負荷模擬装置を実現できることが立証されている。
本発明の実施形態に係る負荷模擬装置の一相分を示す構成図である。 制御ブロック図(負荷演算ブロック図)を構成するための制御用パーツの説明図である。 制御用パーツを用いて構成された制御ブロック図の一例である。 複数個のDSPに対する個別演算周期の設定画面を示す図である。 各電流ベクトルの関係を示す図である。 図1の負荷模擬装置に基づいて構成された入出力ゲイン誤差を補正するための具体的な等価回路図である。 有効電力Pの設定値を変化させた場合の、誤差補正前の相対誤差を示す図である。 有効電力Pの設定値を変化させた場合の、誤差補正後の相対誤差を示す図である。 従来技術を示す構成図である。 従来技術を示す構成図である。
符号の説明
20’:負荷模擬装置
21’:ディジタル演算装置
23:電圧検出器
24:電流源
25:遮断器
211’:演算処理装置
211A,211B,211C,211D:DSP(演算処理部)
212:A/D変換部
213:D/A変換部
214:CPUボード
215:端末
216:制御用パーツ
31:無限大電源
32:リアクトル
33:ディジタルパワーメータ

Claims (2)

  1. 電力系統の三相交流負荷と電気的に相似なアナログ回路を構成し、解析対象である電力系統を模擬したシミュレータ系統から前記アナログ回路に電圧を印加すると共に電流を通流させて電力系統に発生する系統現象をシミュレーションするようにしたアナログシミュレータ用の三相交流負荷模擬装置であって、
    この負荷模擬装置が、複数の演算処理部を備えたディジタル演算装置と、前記シミュレータ系統から印加される電圧を検出する電圧検出器と、前記ディジタル演算装置からの電流指令値に従って負荷電流を流すための電流源と、この電流源と前記シミュレータ系統との間に接続された遮断器とから構成される三相交流負荷模擬装置において、
    前記ディジタル演算装置が、以下の数式aにより、前記負荷模擬装置の各構成機器の入出力遅延時間(位相遅れθ)及び入出力ゲイン誤差を補正した瞬時電流指令値i(t)生成して前記電流源に与えることを特徴とする三相交流負荷模擬装置。
    [数式a]
    i(t)=(G ・K+B ・S)・v(t)+(B ・K−G ・S)・v −90° (t)
    但し、
    ={G −r(G +B )}/{(1−r・G ) +r ・B }−G
    =B /{(1−r・G ) +r ・B }−B
    ここで、
    :前記ディジタル演算装置により前記電流源に設定されるコンダクタンス(入出力ゲイン誤差を補正したコンダクタンス)、
    :前記ディジタル演算装置により前記電流源に設定されるサセプタンス(入出力ゲイン誤差を補正したサセプタンス)、
    K:位相遅れθの余弦値cosθ(誤差補正定数)、
    S:位相遅れθの正弦値sinθ(誤差補正定数)、
    v(t):前記電圧検出器により検出した瞬時電圧、
    −90° (t):上記v(t)に対して90°遅れた電圧、
    :前記負荷模擬装置に設定されるコンダクタンス、
    :前記負荷模擬装置に設定されるサセプタンス、
    r:前記遮断器が有する直列抵抗(誤差補正定数)、
    :前記負荷模擬装置内に存在する誤差分のコンダクタンス(誤差補正定数)、
    :前記負荷模擬装置内に存在する誤差分のサセプタンス(誤差補正定数)。
  2. 請求項1に記載した三相交流負荷模擬装置において、
    前記負荷模擬装置に対して、誤差補正前に前記コンダクタンスG =0及び前記サセプタンスB =0と設定し、
    このときの前記負荷模擬装置の前記シミュレータ系統への接続端からコンダクタンスG L0 及びサセプタンスB L0 を測定し、
    以下の数式b及び数式cにより、前記誤差補正定数G ,B を求めることを特徴とする三相交流負荷模擬装置。
    [数式b]
    ={G L0 −r(G L0 +B L0 )}/{(1−r・G L0 ) +r ・B L0
    [数式c]
    =B L0 /{(1−r・G L0 ) +r ・B L0
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