添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1に本実施形態に係るシュート推定システム10を示す。シュート推定システム10は、ゴールに対してシュートが行われるスポーツに係る動画像から、シュートが行われているシュートシーンを推定するシステムである。シュート推定システム10は、例えばシュートシーンだけを集めた動画集を作成するため、動画像からシュートシーンを推定する。
シュートが行われるスポーツは、例えば、3×3(スリー・エックス・スリー、スリー・バイ・スリー、3人制バスケットボール)、バスケットボール、サッカー、ホッケー、ハンドボール等である。シュートシーンとは、例えば、選手がシュートを行ってからシュートが決まるか否かの結果までを含むシーンである。シュートシーンを含む動画像は、上述のスポーツの試合を撮像した動画像であり、例えば、スポーツ中継の動画像である。動画像は、例えば複数の画像により構成される。
シュートシーンを含む動画像は、例えばスポーツが行われているコート(試合会場)の側方から撮像される。シュートシーンを含む動画像には、少なくともボールが映り込んでいる。シュートシーンを含む動画像には、例えば、ゴール等の位置決めされて配置されている被写体、動き回る選手及びボール等が映り込んでいる。後述の撮像部において、例えば、コートの側方における位置、撮像する向き、画角及び拡大率が固定されている。このため、位置決めされて配置されている被写体の位置は、例えば、動画像を構成する複数の画像において同一の位置に映り込んでいる。
シュート推定システム10は、例えば、サーバ装置によって実現される。また、シュート推定システム10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。
引き続いて、本実施形態に係るシュート推定システム10の機能を説明する。図1に示すようにシュート推定システム10は、取得部11と、検出部12と、導出部13と、第1推定部14と、第2推定部15とを備える。シュート推定システム10は、記憶部16をさらに備える。本実施形態では、シュート推定システム10を適用するスポーツ(試合)として、バスケットボールを一例として説明する。
記憶部16は、情報を記憶する機能部である。記憶部16は各情報を格納するデータベースとして機能する。取得部11、検出部12、導出部13、第1推定部14及び第2推定部15は、記憶部16から情報を取得可能なように構成されている。検出部12、導出部13、第1推定部14及び第2推定部15は、記憶部16に情報を記憶させるように構成されている。記憶部16は、シュート推定システム10の外部に設けられていてもよい。
取得部11は、ゴールに対してシュートが行われるスポーツに係る動画像を取得する機能部である。取得された動画像は、シュート推定システム10における後述の第1のタイミング、後述の第2のタイミング、及びシュートシーンの検出対象である。動画像には、音声データが含まれていてもよい。動画像として、例えば、従来の動画像データ(例えば、MP4)が用いられる。
動画像は、例えば、シュート推定システム10が備える1台のカメラ等の撮像部(不図示)によりシュートシーンを撮像したデータである。取得部11は、例えば、取得部11と互いに情報を送受信可能な撮像部より当該動画像を取得する。動画像は、取得部11と互いに情報を送受信可能な記憶部16に予め記憶されていてもよく、取得部11は、記憶部16から当該動画像を取得してもよい。
なお、シュート推定システム10は、撮像部を備えなくてもよい。このとき、シュート推定システム10は、外部に設けられた撮像部と動画像データの送受信が可能であればよい。撮像部は、撮像した動画像データを記憶部16に記憶させてもよい。また、取得部11による動画像データの取得は、上記に限らず任意の方法で行われてもよい。取得部11は、取得した動画像データを検出部12及び導出部13に出力する。
検出部12は、取得部11によって取得された動画像内におけるゴールとボールとの間の距離である第1距離を検出する機能部である。この場合、検出部12は、具体的には、以下のように第1距離を検出する。
検出部12は、取得部11から入力した動画像内におけるゴール及びボールを検出する。図2に示すように、検出部12は、取得部11により取得された動画像を構成する各画像20において、ゴール22及びボール24を検出する。検出部12は、各画像20において、1つの検出対象を含む1つの区画された領域である対象領域30を検出する。各画像20において複数の検出対象が映り込んでいる場合、検出対象に対応する複数の対象領域30が検出される。また、検出部12は、上記と同様にスポーツをプレーする選手26も検出する。選手26の検出等の詳細については後述する。検出部12は、対象領域30の一例であってゴール22を含むゴール対象領域32と、対象領域30の一例であってボール24を含むボール対象領域34とを検出する。
例えば、検出部12は、機械学習用の画像群を用いて構築された認識モデル(Deep Learningベースの物体検出技術)を利用して、画像20内に検出対象が存在すると認識される領域を対象領域30として検出する。Deep Learningベースの物体検出技術は、例えば、Joseph Redmon, and Ali Farhadi, “YOLOv3: An Incremental Improvement”,arXiv:1804.02767v1[cs.CV], 8, April, 2018に示されている。検出部12は、取得部11から入力した動画像に含まれるスポーツのルールに基づき設定された物体検出技術を利用して、画像20内に検出対象が存在すると認識される領域を対象領域30として検出してもよい。ルールに基づく物体検出技術は、例えば、T. D'Orazio, M. Leo, P. Spagnolo, M. Nitti, N. Mosca, A. Distante, “Avisual system for real time detection of goal events during soccer matches”に示されている。
図2には、検出部12によって検出された対象領域30の一例であるゴール対象領域32及びボール対象領域34が、バウンディングボックスとして画像20内に示されている。バウンディングボックス(Bounding Box)とは、画像20内の検出対象に外接するように検出された矩形の枠である。対象領域30は、例えば、バウンディングボックスと同様、各検出対象に外接するように各検出対象を囲んで検出される。検出部12によって画像20に検出される対象領域30は、例えば、画像幅の方向に沿った幅、及び、画像高さの方向に沿った高さ、を有する矩形状をなしている。
検出部12は、例えば、各対象領域30の位置を示す座標、各対象領域30の一辺の長さ、及び各対象領域30の面積のそれぞれを、各対象領域30内の検出対象の座標、一辺の長さ及び面積のそれぞれとして検出する。対象領域30の位置を示す座標は、例えば、画像20の左下の角部を原点とし、画像幅の方向をx座標、画像高さの方向をy座標として検出される。対象領域30の位置を示す座標は、例えば、対象領域30の中心の座標である。以下、対象領域30の位置を示す座標を、単に「座標」と記載する場合がある。検出部12は、各画像20において検出された各対象領域30の座標、一辺の長さ及び面積を各対象領域30に関する情報として、画像20ごとに記憶部16に記憶させる。
なお、撮像部のコートの側方における位置、撮像する向き、画角及び拡大率が固定されている場合、位置決めされて配置されているゴール22が各画像20において同一の位置に映り込む。このため、検出部12は、動画像内の任意の1又は複数の画像20のみでゴール対象領域32を検出し、すべての画像20でゴール対象領域32を検出しなくてもよい。検出部12は、各画像20に共通のゴール対象領域32の座標、一辺の長さ及び面積を記憶部16に記憶させる。また、位置決めされて配置されているゴール22が各画像20において同一の位置に映り込む場合、記憶部16においてゴール22又はゴール対象領域32の座標、一辺の長さ及び面積が予め記憶されていてもよい。この場合、検出部12は、各画像20においてゴール対象領域32を検出しなくてもよい。
最初に、シュート推定システム10において、第1距離に基づきシュートシーンを推定する機能を説明する。検出部12は、取得部11によって取得された動画像を構成する各画像20において、ゴール22の位置とボール24の位置との距離である第1距離d1を検出する。例えば、検出部12は、各画像20において、ゴール対象領域32の座標(xg,yg)とボール対象領域34の座標(xb,yb)との間の距離を第1距離d1として検出する。検出部12は、各画像20における第1距離d1を記憶部16に記憶させる。
導出部13は、動画像内におけるボール24の動き及び位置の少なくとも一方の物理量を導出する機能部である。図2に示すように、導出部13は、例えば、ボールの位置の物理量として各画像20内におけるボール24の高さhを導出する。導出部13は、例えば、検出部12において検出された画像20内のボール24の位置に基づき、ボール24の高さhを導出する。導出部13は、例えば、ボール24の高さhとして、画像20の底辺からボール対象領域34の中心までの画像高さ方向の長さを導出する。導出部13は、例えば、ボール24の高さhとして、ボール対象領域34のy座標の値を採用してもよい。導出部13は、各画像20におけるボール24の高さhを記憶部16に記憶させる。
第1推定部14は、第1距離d1に基づき、シュートに係る第1のタイミングを推定する機能部である。第1のタイミングとは、シュートごとに生じるタイミングである。第1のタイミングとは、例えば、動画像内においてシュートによりボール24がゴール22に最接近しているタイミングである。この場合、第1推定部14は、具体的には、以下のように第1のタイミングを推定する。
第1推定部14は、検出部12により検出された各画像20に対応する第1距離d1を記憶部16から取得する。図3のグラフ40は、動画像内の第1距離に基づく値を時系列順にプロットしたグラフである。図3のグラフ40において、縦軸は第1距離d1であり、横方向は動画像の撮像開始時間からの時刻である。選手26によるシュート等のイベントが発生するため、図3のグラフ40に示すように、時刻の経過に伴い、ゴール22とボール24との間の距離である第1距離d1が変化する。
第1推定部14は、動画像の開始時間から時系列順に並ぶ各画像20に対応する第1距離d1が極小となり、かつ、第1距離d1が予め定められた閾値D1以下となる第1特徴点42を抽出する。ある画像20における第1距離d1が極小となる場合とは、当該画像20の前後の画像20よりも当該画像20の方が、ボール24がゴール22に近接している状態であることを示す。閾値D1は、例えば、シュート推定システム10を使用するユーザにより入力部(不図示)を通じて設定される。第1距離d1が閾値D1以下となる場合とは、ボール24がゴール22から所定の距離以下の範囲内に位置している状態を示す。すなわち、第1特徴点42は、ボール24がゴール22から所定の閾値D1以下の範囲内に位置し、ボール24がゴール22に近接している状態を示す。第1推定部14は、例えば、動画像内で複数の第1特徴点42a,42b,42cを抽出する。第1推定部14は、第1のタイミングとして、第1特徴点42a,42b,42cにおける動画像の時刻であるta1,tb1,tc1を推定する。第1推定部14は、第1のタイミングta1,tb1,tc1を記憶部16に記憶させる。
第2推定部15は、第1のタイミングta1,tb1,tc1及び導出部13から導出された物理量に基づき、シュートに係る第2のタイミングを推定する。第2のタイミングとは、シュートごとに生じるタイミングである。第2のタイミングとは、例えば、動画像内においてシュートを行ったタイミング、即ち、選手26によりシュートが放たれたタイミングである。この場合、第2推定部15は、具体的には、以下のように第2のタイミングを推定する。
第2推定部15は、検出部12により検出された各画像20に対応するボール24の高さhを記憶部16から取得する。図3のグラフ50は、動画像内のボールの高さに基づく値を時系列順にプロットしたグラフである。図3のグラフ50において、縦軸はボール24の高さhであり、横方向は動画像の撮像開始時間からの時刻である。選手26によるシュート等のイベントが発生するため、図3のグラフ50に示すように、時刻の経過に伴い、ボール24の高さhが変化する。
ゴール22に向かってシュートが行われる場合、多くのシュートがゴール22より下の場所で所定の選手26からボール24が離される(放たれる)ことで山なりのシュートが行われる。さらには、例えば、ゴール22に向かってシュートを行う場合、シュートを行う選手26はボール24に力を加えるために下方向に溜めを作るため、当該選手26が扱うボール24の高さhは小さくなる。そのため、シュートによりボール24がゴール22に到達する前において、少なくとも1回はプレー中にボール24の高さhが極小となるタイミングが生じうる。
このため、第2推定部15は、第1のタイミングより前のタイミングであり、かつ、グラフ50の中でボール24の高さhが極小となるタイミングをシュートに係る第2のタイミングとして推定する。第2のタイミングは、シュートによってボール24がゴール22に最接近しているタイミングである第1のタイミングより前であるため、シュートが所定の選手26によって行われているタイミングであると推定される。第2のタイミングは、例えば、第1のタイミングの直前の、ボール24の高さhが極小値を取ったタイミングである。
第2推定部15は、第1のタイミングta1,tb1,tc1のそれぞれより前のタイミングにおいて、グラフ50の中でボール24の高さhが極小となる第2特徴点52a,52b,52cをそれぞれ抽出する。第2特徴点52a,52b,52cを抽出することで、所定の選手26によるシュートに係るタイミングを取得することができる。第2推定部15は、例えば、第2のタイミングとして、第2特徴点52a,52b,52cにおける動画像の時刻であるta2,tb2,tc2を取得する。第2推定部15は、第2のタイミングta2,tb2,tc2を記憶部16に記憶させる。
第2推定部15は、第1のタイミングta1,tb1,tc1のそれぞれ及び第2のタイミングta2,tb2,tc2のそれぞれに基づき、各シュートシーンを推定する。第2推定部15は、例えば、シュートシーンとしてta2からta1までの間のシーン、tb2からtb1までの間のシーン、tc2からtc1までの間のシーンをそれぞれ推定する。第2推定部15は、第1推定部14により推定された第1のタイミング(第2のタイミング)の数に応じた数のシュートシーンを推定する。第2推定部15は、第1のタイミングta1,tb1,tc1より所定の時間だけ加算されたタイミングまでの動画像をシュートシーンとして推定してもよい。第2推定部15は第2のタイミングta2,tb2,tc2より所定の時間だけ減算されたタイミングからの動画像をシュートシーンとして推定してもよい。以上、シュート推定システム10において、シュートシーンの推定を行うことが可能な基本構成について記載した。
ここで、例えば撮像部の撮像する向きによっては、シュート推定システム10は、第1距離d1のみでは動画像における手前−奥行方向(前後方向)の距離を適切に取得することができない場合がある。例えば、ボール24がゴール22から離れた位置に設けられた撮像部に近接し、ボール24が画像20内に大きく映り込むタイミングが起こりうる。このとき、当該タイミングにおける第1距離d1が極小値を取り、かつ、閾値D1以下である場合、第1推定部14は、当該タイミングを第1のタイミングとして推定する場合が生じうる。このように、実際の試合ではボール24がゴール22に接近するようなプレーではない場合であっても、上述の基本構成のみのシュート推定システム10では、動画像に含まれる当該プレーがシュートシーンとして推定される可能性がある。上述の課題を解決するため、シュート推定システム10は、第1距離d1及びボール24の大きさに基づきシュートシーンを推定する機能を有していてもよい。以下、当該機能を説明する。
検出部12は、取得部11によって取得された動画像を構成する各画像20において、ボール対象領域34の大きさであるボール24の大きさAbを検出する。ボール対象領域34の大きさは、例えば、ボール対象領域34の一辺の長さ又は面積である。検出部12は、各画像20におけるボール24の大きさAbを記憶部16に記憶させる。
第1推定部14は、第1距離d1及びボール24の大きさAbに基づき、第1のタイミングを推定する。第1推定部14は、記憶部16から各画像20に対応するボール24の大きさAbを取得する。選手26によるシュート等のイベントが発生するため、時刻の経過に伴い、ボール24の大きさAbが変化する。具体的には、画像20の手前側にボール24がある場合は、ボール24の大きさAbは大きくなり、画像20の奥側にボール24がある場合は、ボール24の大きさAbは小さくなる。
このため、第1推定部14が所定の大きさの範囲内に収まるボール24の大きさAbを検出したタイミング(時刻)を推定することは、撮像部からボール24までの距離がゴール22を含む所定の範囲内に収まっている状態の画像20のタイミング(時刻)を推定することを意味する。第1推定部14は、ボール24の大きさAbが閾値A1以上閾値A2以下となる大きさを計測したときの動画像の時刻を抽出する。閾値A1,A2は、例えば、シュート推定システム10を使用するユーザにより入力部を通じてそれぞれ設定される。閾値A1は、例えば、ゴール22にボール24が最接近している状態におけるボール24の大きさAb以下の値となるように設定される。閾値A2は、例えば、ゴール22にボール24が最接近している状態におけるボール24の大きさAb以上の値となるように設定される。閾値A1は、画像20の奥側において、ボール24がゴール22よりさらに奥側に位置する場合を除外するために設けられる。閾値A2は、画像20の手前側において、ボール24がゴール22より手前側に位置する場合を除外するために設けられる。
第1推定部14は、第1距離d1が極小値を取り、かつ、第1距離d1が閾値D1以下であり、かつ、ボール24の大きさAbが閾値A1以上閾値A2以下である場合の動画像の時刻をシュートに係る第1のタイミングとして推定する。第1推定部14は、例えば、極小値を取る第1距離d1が予め定められた閾値D1以下となった特徴点の時刻が、動画像内でボール24の大きさAbが閾値A1以上閾値A2以下となる動画像の時刻に該当する場合に、当該特徴点を第1特徴点42とし、当該第1特徴点42の時刻を第1のタイミングと推定する。本実施形態では、上述の動画像の時刻ta1,tb1,tc1における第1距離d1が極小値を取り、かつ、第1距離d1が予め定められた閾値D1以下であり、かつ、上述の動画像の時刻ta1,tb1,tc1におけるボール24の大きさAbが閾値A1以上閾値A2以下であったとする。以上、シュート推定システム10において、シュートシーンを推定する構成について記載した。
また、シュート推定システム10は、動画像内から各シュートシーンに対応するシュートを行った選手26を推定する機能を有していてもよい。シュート推定システム10は、シュートを行った選手26を推定することで、例えば、選手26ごとのシュートシーンを集めた動画集を作成することができる。シュート推定システム10は、例えば、シュートを行った選手26に付された番号を推定する機能を有する。選手26に付された番号とは、例えば、選手26が着用しているユニフォーム等の服飾の背、腕等に付された番号を指す。以下、選手26に付された番号を単に、背番号と記載する場合がある。以下、当該機能を説明する。
図4に示すように、検出部12は、動画像を構成する画像20において、ボール24及び選手26を検出する。シュートを行った選手26を推定するため、検出部12は、第2のタイミングに撮像された画像20におけるボール24及び選手26を検出する。検出部12は、対象領域30の一例である選手対象領域36により選手26を検出する。図4に示すように、画像20内に複数の選手26が映り込む場合、検出部12は、各選手対象領域36p,36q,36r,36s,36t,36uによって各選手26p,26q,26r,26s,26t,26uを検出する。
検出部12は、取得部11によって取得された動画像を構成する画像20において、ボール24の位置とスポーツをプレーする選手26の位置とに基づき第2距離d2を検出する。検出部12は、取得部11によって取得された動画像を構成する各画像20において、ボール24の位置とスポーツをプレーする選手26の位置との距離である第2距離d2を検出する。例えば、検出部12は、各画像20において、ボール対象領域34の座標(xb,yb)と各選手対象領域36の座標(xp,yp),(xq,yq),(xr,yr),(xs,ys),(xt,yt),(xu,yu)との間の距離を第2距離d2p,d2q,d2r,d2s,d2t,d2uとして検出する。検出部12は、各画像20における各第2距離d2を記憶部16に記憶させる。
第2推定部15は、第2のタイミング及び検出部12により検出された各第2距離d2に基づき、スポーツをプレーする複数の選手26のうち、シュートを行った選手26を推定する。シュートが放たれた時点である第2のタイミングにおいては、ボール24との距離が他の選手26より小さい選手26がシュートを行ったと推定される。このため、第2推定部15は、画像20において検出された各第2距離d2p,d2q,d2r,d2s,d2t,d2uのうち、最小の第2距離d2(図4ではd2p)を有する選手26(図4では選手26p)がシュートを行ったと推定する。このため、第2推定部15は、各第2のタイミングta2,tb2,tc2において第2距離d2が最小となる選手26を、各第2のタイミングta2,tb2,tc2におけるシュートを行った選手26として推定することができる。
このとき、導出部13は、例えば、第2のタイミングにおける画像20内のシュートを行った選手26に付された背番号を導出してもよい。導出部13は、従来の物体検出技術を用いて、シュートを行った選手26に付された背番号を導出する。なお、シュート推定システム10は、動画像におけるシュートを行った選手26の推定を背番号ではなく従来の顔検出技術を用いて行ってもよい。以上、シュート推定システム10において、シュートを行った選手26を推定する構成について記載した。
さらに、シュート推定システム10は、動画像内から各シュートシーンに対応するシュートを行った選手26が所属するチームを推定する機能を有していてもよい。シュート推定システム10は、シュートを行った選手26が所属するチームを推定することで、例えば、選手26が所属するチームごとのシュートシーンを集めた動画集を作成することができる。シュート推定システム10は、例えばシュートを行った選手26が所属するチームのチーム名を推定する機能を有する。以下、当該機能を説明する。
導出部13は、動画像内における各選手26の外観に係る特徴量を導出する。導出部13は、従来の物体検出技術を用いて、シュートを行った選手26もシュートを行っていない選手26も含めて各選手26の外観に係る特徴量を導出する。選手26の外観とは、例えば、スポーツ時に選手26が着用しているユニフォーム等の服飾を指す。選手26の外観に係る特徴量とは、例えば、選手26の服飾の彩度、輝度、色相といった色情報などを指す。以下、選手26の外観に係る特徴量を単に、特徴量と記載する。
導出部13は、例えば、動画像内における各選手26に付された背番号を導出する。導出部13は、従来の物体検出技術を用いて、各選手26に付された背番号を導出する。
導出部13は、例えば、シュートを行った選手26が映り込んでいる第2のタイミングの1枚の画像を用いて上述の処理を行う。導出部13は、例えば、第2のタイミングの画像20と第2のタイミングの前又は後の画像20との複数の画像20を用いて上述の処理を行ってもよい。本実施形態では、導出部13は、例えば、あるシュートに対応する第2のタイミングにおける1枚の画像20を用いて上述の処理を行う。導出部13は、記憶部16に記憶された各選手26を囲む各選手対象領域36を参照して、画像20の各選手対象領域36内において認識可能な特徴量及び背番号を導出する。
なお、導出部13は、1枚の画像20において各選手26の少なくとも1人の特徴量又は背番号を導出できなかった場合、導出部13は、例えば、第2のタイミング前後の複数の画像20を用いて、各選手26のトラッキングを行ってもよい。導出部13は、従来のトラッキング技術を利用して、各選手26のトラッキングを行う。従来のトラッキング技術は、例えば、Alex Bewley, “Simple, online, and realtime tracking of multipleobjects in a video sequence.”に示されている。導出部13は、各選手26のトラッキングにより、第2のタイミングにおける画像20の各選手26が当該画像20の前又は後の画像20においてどの位置に移動した選手26かを推定する。これにより、第2のタイミングにおける画像20において認識できなかった選手26の特徴量又は背番号が当該画像20の前又は後の画像20において認識できた場合、導出部13は、第2のタイミングにおける画像20の当該選手26の特徴量又は背番号として導出する。導出部13は、導出された選手26の特徴量及び背番号を記憶部16に記憶させる。なお、トラッキング技術により、シュートを行った選手26をトラッキングできる場合、導出部13は、第2のタイミングにおける画像20ではなく他の時刻における1枚の画像20を用いて特徴量及び背番号を導出してもよい。
まず、一例として、記憶部16において、特徴量の一例であるユニフォームの色相が予め記憶されている場合を説明する。なお、この例では、動画像に映ったスポーツをプレーするチームが2つであり、ユニフォームの色はそれぞれに対応する異なる2色であるとする。
導出部13が導出する第2のタイミングにおける1枚の画像20の選手26の色相は、スポーツが行われる会場の照明の条件、動画像の撮像条件、選手26の動き、選手26の位置などによって異なる。このため、ある画像20から取得したある選手26の色相の値(例えば、RGB値)は、記憶されているユニフォームの2つの色相の値とはそれぞれ異なる可能性がある。
例えば、記憶されているユニフォームの2つの色相の値が互いに大きく異なる場合、第2推定部15は、選手26から取得された色相の値と、記憶されているユニフォームの2つの色相の値とのそれぞれの差分の大小を比較することで選手26が着用しているユニフォームの色相を推定する。例えば、第2推定部15は、選手26から取得された色相の値と記憶されているユニフォームの2つの色相の値とのそれぞれの差分のうち、小さい差分を算出した方の記憶されているユニフォームの色相を当該選手26のユニフォームの色相だと推定する。
例えば、記憶されているユニフォームの2つの色相の値が互いに大きく異ならない場合等、画像20より取得された各選手26のユニフォームの色相の値によっては、誤って違うユニフォームの色相に該当すると推定される場合がある。このような場合、第2推定部15は、各選手26のユニフォームの色相を識別するため、画像20から取得された各選手26の色相の値をクラスタリングする。第2推定部15のクラスタリングには、従来のクラスタリング技術が用いられる。従来のクラスタリング技術とは、例えば、k-means法又は階層的クラスタリングである。第2推定部15は、クラスタリングにより各選手26の色相の値を2つのチームに対応するように2つのクラスタに分ける。第2推定部15は、クラスタリングによりに分かれた集団(クラスタ)の色相の平均値を算出する。第2推定部15は、算出されたクラスタの色相の平均値と、記憶されているユニフォームの2つの色相の値とのそれぞれの差分の大小を比較することで、クラスタに属する選手26が着用しているユニフォームの色相を推定する。例えば、第2推定部15は、クラスタの色相の平均値と記憶されているユニフォームの2つの色相の値とのそれぞれの差分のうち、小さい差分を算出した方の記憶されているユニフォームの色相を当該クラスタに属する選手26のユニフォームの色相であると推定する。
第2推定部15は、上述した選手26のユニフォームの色相の推定処理により、クラスタ内に包含されるシュートを行った選手26のユニフォームの色相を推定することができる。第2推定部15においてユニフォームの色相とチームの情報との関係性が記憶部16に予め記憶されている場合、第2推定部15は、シュートを行った選手26が所属するチームの情報を推定することができる。チームの情報とは、例えば、チーム名(後述の「A」、「B」)である。
次に、一例として、記憶部16において、チーム毎に各選手26の背番号が予め記憶されている場合を説明する。なお、この例では、動画像に映ったスポーツをプレーするチームが2つであり、ユニフォームの色はそれぞれに対応する2色であるとする。
第2推定部15は、導出部13により導出された背番号を記憶部16から取得する。記憶部16に記憶された全選手の背番号が重複しない数字で構成されている場合、第2推定部15は、導出部13により導出されたシュートを行った選手26の背番号を記憶部16にチームごとに予め記憶されている背番号の情報と突き合わせる。第2推定部15は、突き合わせたシュートを行った選手26の背番号が含まれるチームをシュートを行った選手26が所属するチームとして推定する。
記憶部16に記憶された各選手26の背番号が一部重複する数字で構成されている場合を説明する。この場合、例えば、記憶された2つのチームの背番号の情報において、一方のチームの少なくとも1人の選手26を除く選手26の番号が、他方のチームの少なくとも1人の選手26を除く選手26の番号と互いに一致している。例えば、スポーツとして3×3を挙げると、2つのチームA,Bに所属する選手26はそれぞれ3人である。例えば、チームAに所属する選手26の背番号を「10」、「11」、「12」とし、チームBに所属する選手26の背番号を「3」、「9」、「12」とする。この場合、チームA,Bにおいて、背番号「12」が一致している。
第2推定部15は、導出部13により第2のタイミングにおける画像20から導出された各選手26のユニフォームの色相によりクラスタリングする。第2推定部15は、当該クラスタリングを上述したクラスタリングと同様の手法で行う。第2推定部15は、クラスタリングを行う場合、導出部13が導出した特徴量であるユニフォームの色相及び背番号を選手26ごとに対応付けて行う。
第2推定部15は、クラスタリングによりに分かれた2つのクラスタにおいて、各クラスタに属する各選手26の背番号を抽出する。第2推定部15は、クラスタから抽出された背番号と、記憶されたチームの背番号の情報とを突き合わせることで、クラスタが2つのチームのうちどちらのチームに該当するかを推定する。例えば、第2推定部15は、一方のクラスタ内の背番号が「10」、「11」、「12」であった場合、記憶部16に記憶されたチーム及び背番号当該クラスタをチームAと推定する。同様に、第2推定部15は、他方のクラスタ内の背番号が「3」、「9」、「12」であった場合、当該クラスタをチームBと推定する。
このように、記憶された2つのチームの背番号の情報は、それぞれのチームに背番号が異なる選手26が所属していることから、第2推定部15は、一方のクラスタがいずれのチームに該当するかを区別することができる。第2推定部15は、シュートを行った選手26の背番号を推定していた場合、選手26の背番号とクラスタから抽出された背番号とを対応させ、当該クラスタから推定されたチーム名とを対応させることで、当該選手26が所属するチームを推定することができる。第2推定部15は、シュートを行った選手26の背番号、及びシュートを行った選手26が所属するチームを記憶部16に記憶させる。以上、シュート推定システム10において、シュートを行った選手26が所属するチームの推定を行う構成について記載した。
シュート推定システム10は、上述の推定により得られた情報を出力することで、ユーザにシュートシーンに係る情報を提供することができる。第1推定部14又は第2推定部15は、第1のタイミングに係る情報を出力する。第2推定部15は、第2のタイミングに係る情報を出力する。第2推定部15は、第1のタイミング及び第2のタイミングに基づくシュートシーンに係る情報を出力する。第2推定部15は、シュートシーンに係る情報として、例えば、シュートを行った選手26が所属するチーム及びシュートを行った選手26の背番号を出力する。第2推定部15は、出力として、例えば、動画集を作成する外部の装置に上述の推定により得られた情報を送信してもよく、外部の表示装置に上述の推定により得られた情報を表示させてもよい。なお、第2推定部15の出力の態様は、上記に限らず任意の態様で行われてもよい。
第2推定部15は、例えば、図5に示すようなシュートシーンに係る情報をまとめた表を出力する。図5に示す表中の「開始タイミング」とは、第2のタイミングに基づくタイミングの欄を示す。「開始タイミング」の欄には、第2のタイミングを出力してもよいし、第2のタイミングから所定の時間だけ前の時刻を出力してもよい。図5に示す表中の「終了タイミング」とは、第1のタイミングに基づくタイミングの欄を示す。「終了タイミング」の欄には、第1のタイミングを出力してもよいし、第1のタイミングから所定の時間だけ後のタイミングを出力してもよい。図5に示す表中のX,Yは、動画像の時刻を表す数値を示す。このように、第2推定部15は、出力部を通じて、第1のタイミング及び第2のタイミングに基づき、動画像内におけるシュートシーンの時刻を出力することができる。
第2推定部15は、出力部を通じて、上述したシュートシーンに係る情報として、シュートを行った選手26の情報を出力することができる。例えば、第2推定部15は、出力部を通じて、シュートを行った選手26が所属するチーム、又はシュートを行った選手26の背番号を出力する。図5に示す表中の「チーム」は、シュートを行った選手26が所属するチーム名を示す欄である。図5に示す表中の「選手」は、シュートを行った選手26の背番号を示す欄である。以上が、本実施形態に係るシュート推定システム10の機能である。
引き続いて、図6のフローチャートを用いて、本実施形態に係るシュート推定システム10で実行される処理(シュート推定システム10が行う動作方法)を説明する。本処理では、まず、取得部11によって、シュートシーンの検出対象となるスポーツの動画像(動画像データ)が取得される(S1)。続いて、検出部12によって、動画像を構成するすべての画像20において、動画像データからゴール22の位置とボール24の位置とが検出される(S2)。続いて、検出部12によって、動画像を構成するすべての画像20において、第1距離d1が検出される(S3)。
続いて、導出部13によって、動画像を構成するすべての画像20において、物理量としてボール24の高さhが導出される(S4)。続いて、第1推定部14によって、第1距離d1に基づき、動画像におけるシュートに係る第1のタイミングを推定する(S5)。続いて、第2推定部15によって、第1のタイミング及びボール24の高さhに基づき、動画像におけるシュートに係る第2のタイミングを推定する(S6)。続いて、第2推定部15は、第1のタイミング及び第2のタイミングに基づき、動画像におけるすべてのシュートシーンを推定する(S7)。これらの処理により、シュート推定システム10は、第1のタイミング、第2のタイミング及びシュートシーンを推定することができる。
なお、検出処理(S3)において、ボールの大きさAbが検出されてもよい。このとき、第1推定処理(S5)において、第1距離d1及びボールの大きさAbに基づき、第1のタイミングを推定してもよい。
また、検出処理(S3)において、第2距離d2が検出されてもよい。このとき、第2推定処理(S6)以降の処理において、シュートを行った選手26に係る推定処理を行ってもよい。例えば、シュートシーン推定処理(S7)以降に、当該推定処理が行われるとすると、第2推定部15は、第2のタイミング及び第2距離d2に基づき、シュートを行った選手26を推定する(S8)。続いて、第2推定部15は、シュートを行った選手26が所属するチームを推定する(S9)。なお、シュートシーン推定処理(S7)、選手推定処理(S8)、及び情報取得処理(S9)は、それぞれ必ずしも行われる必要はない。シュートシーン推定処理(S7)は、第2のタイミング推定処理(S6)以降であればいつ行われてもよい。
本実施形態では、動画像からシュートのシーンを適切に推定することができる。上述したように、シュートが行われた時点(選手からボールが放たれた時点)からシュートによりボールがゴールに最接近した時点までの時間は、シュートごとに異なる。このため、シュートによりボールがゴールに最接近した時点からある一定の時間だけ前の時間をシュートが行われた時点とすることは、シュートが行われた時点を適切に推定したことにはならない。シュートによりボールがゴールに最接近した時点までの時間からある一定の時間だけ前の時間をシュートシーンの開始時間とすることは、バスケットボール、サッカー、ホッケー、ハンドボール等のシュートが行われるスポーツのシュートシーンの検出には適していない。その一方で、導出部13により導出される物理量は、シュートシーンに応じたものとなっている。当該物理量を用いることで本実施形態によれば、第1のタイミングからある一定の時間を減じて第2のタイミング及びシュートシーンを推定する場合と比べて、第2のタイミング及びシュートシーンを適切に検出することができる。シュートシーンを動画像から推定することで、例えばシュートシーンだけを集めた動画集を作成することができる。
また、上述した実施形態のように第2推定部は、第2のタイミングとして、第1のタイミングより前のタイミングであり、スポーツをプレーする選手26によってシュートが行われたタイミングを推定してもよい。これらの構成によれば、第2のタイミングを推定するときに用いられる物理量はシュート以外の動作でも変化する場合があるため、第1のタイミングより前のタイミングをシュートに係る第2のタイミングとすることでより適切に第2のタイミングを推定することができる。
また、上述した実施形態のように動画像内におけるボール24の大きさAbを検出し、第1推定部14は、第1距離d1とボール24の大きさAbとに基づき、第1のタイミングを推定してもよい。これらの構成によれば、第1推定部14は、第1距離d1とボール24の大きさAbとを用いることで、画像20の手前−奥行方向(前後方向)において、ゴール22に向けて行われたシュートを適切に推定することができる。第1推定部14は、第1距離d1とボール24の大きさAbとを用いることで、シュートの誤検出を抑制することができる。
また、上述した実施形態のように導出部13は、物理量として、動画像内におけるボール24の高さhを導出してもよい。導出部13は、各画像20から容易に物理量としてボール24の高さhを取得することができる。特にスポーツがバスケットボールの場合、第2推定部15は、第1のタイミング及びボール24の高さhを用いて第2のタイミングを推定することができる。
また、上述した実施形態のように検出部12は、スポーツをプレーする選手26とボール24との間の距離である第2距離d2を検出し、第2推定部15は、第2のタイミング及び第2距離d2に基づき、スポーツをプレーする1または複数の選手26のうち、シュートを行った選手26を推定してもよい。これらの構成によれば、検出部12により第2距離d2が検出されることで、第2推定部15は、シュートが行われた第2のタイミングに加えて、シュートを行った選手を推定することができる。
また、上述した実施形態のように導出部13は、動画像内における選手26の外観に係る特徴量を導出し、第2推定部15は、特徴量に基づいてクラスタリングすることでシュートを行った選手26が所属するチームを推定してもよい。これらの構成によれば、第2推定部15は、さらに、シュートを行った選手26が所属するチームを推定することができる。
なお、上述した実施形態に係る手法を従来の動画像を用いる手法と組み合わせてシュートシーンを検出してもよい。また、検出部12は、ボール24の高さhを画像20の上辺からの長さとして検出してもよい。この場合、第2推定部15は、ボール24の高さhの極大点のタイミングを抽出すればよい。ゴール22は、画像20内に映り込んでいなくてもよい。この場合、画像20に対して所定の座標位置に位置することが記憶部16に記憶されていればよい。画像20外に検出されたゴール対象領域32の座標は、例えば、入力部を通じて記憶部16に記憶される。このとき、検出部12は、ゴール22を含むゴール対象領域32の座標を用いて、第1距離d1を検出してもよい。
導出部13は、ボール24の動きの物理量としてボール24の加速度の大きさを導出してもよい。この場合、スポーツとして、例えば、バスケットボール、サッカー、ホッケー、ハンドボール等に適用できる。例えば、ボール24の加速度は、シュートが放たれたタイミング(第2のタイミング)において極大となり、シュートがゴールに最接近するタイミング(第1のタイミング)に近づくにつれ、重力、空気抵抗等によりボール24の加速度は減少する。
以下、導出部13における加速度の導出方法の一例を説明する。導出部13は、第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、動画像における少なくとも3枚以上の画像20から画像20が撮像された時点の加速度を算出する。まず、導出部13は、時間的に連続した2枚の画像20におけるボール24の位置から距離を導出し、動画像における画像20の撮像間隔で当該距離を除することで、ボール24の速さを導出する。当該ボール24の速さは、例えば、時間的に連続した2枚の画像20のうち、前の画像20におけるボール24の速さとする。導出部13は、時間的に連続した2枚の画像20間のボール24の速さを動画像内の複数の画像20においてそれぞれ導出する。次に、導出部13は、時間的に連続した3枚の画像20間からボール24の速さの変化量を導出し、動画像における画像20の撮像間隔で当該変化量を除することで、ボール24の加速度を導出する。当該ボール24の加速度は、例えば、時間的に連続した3枚の画像20のうち、最初の画像20におけるボール24の加速度とする。導出部13は、ボール24の加速度が極大値を取るまで第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、ボール24の加速度を導出する。導出部13は、上記以外の従来の方法でボール24の加速度を導出してもよい。導出部13は、従来の方法で、画像20から3次元空間におけるボール24の加速度を導出してもよい。
第1のタイミングより前のタイミングであって、第1のタイミングから順に遡って、最初にボール24の加速度が極大となるタイミングが、シュートが行われたタイミングであると推定される。このため、第2推定部15は、上述の方法により導出されたボール24の加速度の大きさが極大値を取るときを第2のタイミングとすることができる。なお、第2推定部15は、ボール24の加速度の大きさが閾値以上となるタイミングを第2のタイミングとしてもよい。このとき、第2推定部15は、ボール24の加速度の大きさが極大値となり、かつ、ボール24の加速度の大きさが閾値以上となる場合を第2のタイミングとしてもよい。第2推定部15は、ボール24の加速度の大きさが極大値ではない場合であっても、ボール24の加速度の大きさが閾値以上となる場合を第2のタイミングとしてもよい。
また、導出部13は、ボール24の動きの物理量としてボール24の向きの変化量を導出してもよい。この場合、スポーツとして、例えば、サッカー、ホッケー、ハンドボール等に適用できる。例えば、ボール24の向きの変化量は、例えば、ボール24が移動する方向により算出される角度である。ボール24が移動する方向により算出される角度とは、あるタイミングにおけるボール24が移動する方向に延びる直線と、当該タイミングの直後にボール24が移動する方向に延びる直線とによって形成される角度である。ボール24が移動する方向が同一進行方向である場合、角度は例えば0度である。以下、ボール24が移動する方向により算出される角度を、単にボール24の角度として記載する。
上述のスポーツにおいて、多くのシュートにおけるボール24の角度は、シュートが放たれたタイミング(第2のタイミング)以降は、シュートがゴールに最接近するタイミング(第1のタイミング)まで、シュートが放たれる前と比較して大きく変化しない。このため、第1のタイミングより前において、ボール24の角度が変化するタイミングは、シュートが放たれたタイミングであると推定される。
以下、導出部13におけるボール24の角度の導出方法の一例を説明する。導出部13は、第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、動画像における少なくとも3枚以上の画像20から画像20が撮像された時点のボール24の角度を算出する。導出部13は、時間的に連続した2枚の画像20におけるボール24の位置からボール24の移動方向を導出する。当該ボール24の移動方向は、例えば、時間的に連続した2枚の画像20のうち、前の画像20におけるボール24の移動方向とする。導出部13は、時間的に連続した2枚の画像20間のボール24の移動方向を動画像内の複数の画像20においてそれぞれ導出する。導出部13は、時間的に連続した3枚の画像20間からボール24の移動方向の直線が形成する角度を導出することで、ボール24の角度を導出する。当該ボール24の角度は、例えば、時間的に連続した3枚の画像20のうち、最初の画像20におけるボール24の角度とする。導出部13は、ボール24の角度が所定の閾値より大きくなるまで第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、ボール24の角度を導出する。導出部13は、上記以外の従来の方法でボール24の角度を導出してもよい。導出部13は、従来の方法で、画像20から3次元空間におけるボール24の角度を導出してもよい。
第1のタイミングより前のタイミングであって、第1のタイミングから順に遡って、最初にボール24の角度が所定の閾値より大きくなるタイミングが、シュートが行われたタイミングであると推定される。このため、第2推定部15は、上述の方法により導出されたボール24の角度が所定の閾値より大きいときを第2のタイミングとすることができる。
以上のように、導出部13がボール24の動きの物理量としてボール24の加速度又はボール24の角度を導出することで、シュート推定システム10は第2のタイミングを正確に推定することができ、シュートシーンの誤推定を抑制することができる。特に、バスケットボールに比べてボール24の高さhがシュートに関連することが少ないスポーツの動画像、又はコートの大きさがボール24の高さhに比べて大きいスポーツの動画像において、シュート推定システム10は、高さ方向以外の方向にも基づいたボール24の加速度又はボール24の角度によりシュートを推定することができる。
導出部13は、ボール24の位置の物理量としてボール24とボール24に最も近い選手26との相対的な位置の物理量を導出してもよい。この場合、スポーツとして、例えば、バスケットボール、サッカー、ホッケー、ハンドボール等に適用できる。例えば、バスケットボールの多くのシュートは、ゴール22より下方に位置する選手26からゴール22に向かってボール24を投げ上げることで行われる。このように、バスケットボールのシュートにおいては高さ方向の指標に注目することから、ボール24とボール24に最も近い選手26との相対的な位置の物理量として、例えば、当該選手26に対するボール24の相対的な高さを採用することができる。ボール24に最も近い選手26とは、例えば、第1のタイミングより前の画像20において、第2距離d2の中で最も小さい第2距離d2に対応する選手26を指す。以下、ボール24に最も近い選手26に対するボール24の相対的な高さを単に「相対的な高さ」として記載する場合がある。
例えば、ゴール22に向かって選手26がシュートを行うタイミングにおいて、当該選手26はボール24を保持すること、又は当該選手26はボール24に力を加えるために下方向に溜めを作ることから、当該選手26に対するボール24の相対的な高さは小さくなり、所定の閾値以下となる。このため、第1のタイミングの直前において相対的な高さが所定の閾値以下であるとき、ボール24に最も近い選手26がシュートを放ったと推定される。これにより、第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、ボール24に最も近い選手26に対するボール24の相対的な高さが最初に所定の閾値以下となるタイミングを第2のタイミングとする。なお、第2のタイミング以降、シュートがゴール22に最接近するタイミング(第1のタイミング)に近づくにつれ、ボール24は選手26からゴール22に向かって移動するため、相対的な高さが増大する。
以下、導出部13における相対的な高さの導出方法の一例を説明する。導出部13は、第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、順に検出部12により検出された第2距離d2の中で最も小さい第2距離d2に対応する選手26とボール24との相対的な高さをそれぞれ導出する。導出部13は、当該相対的な高さが所定の閾値以下となるまで第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、当該相対的な高さを導出する。導出部13は、第1のタイミングより前に1枚の画像ごとに遡って、全選手26に対するボール24の相対的な高さを導出してもよい。この場合、当該相対的な高さが所定の閾値以下を取るとき、所定の閾値以下の相対的な高さが導出された対象の選手26が、全選手26の中で第2距離d2の中で最も小さい第2距離d2に対応する選手26であるとき、導出部13は当該相対的な高さを導出する。導出部13は、例えば、第2距離d2の中で最も小さい第2距離d2に対応する選手26の座標と、ボール24の座標とを取得し、相対的な高さを導出する。なお、導出部13は、上記以外の従来の方法で相対的な高さを導出してもよい。
第1のタイミングより前のタイミングであって、第1のタイミングから順に遡って、最初に相対的な高さが所定の閾値より小さくなるタイミングが、シュートが行われたタイミングであると推定される。このため、第2推定部15は、上述の方法により導出された相対的な高さが所定の閾値より小さくなるときを第2のタイミングとすることができる。
以上のように、導出部13がボール24の位置の物理量としてボール24と選手26との相対的な位置(高さ)を導出することで、シュート推定システム10は第2のタイミングを正確に推定することができ、シュートシーンの誤推定を抑制することができる。特に、相対的な高さが導出されることで、バスケットボールにおいてドリブルを行った後にシュートを放つ場合などに、ドリブルのタイミングを第2のタイミングと誤推定することを抑制することができる。
導出部13により導出される物理量として、スポーツのシュートの態様によって適宜他の物理量が用いられてもよい。第2推定部15は、導出部13により導出されたボール24の高さh、ボール24の加速度、ボール24の角度、及び相対的な高さを含む複数の物理量のうち、少なくとも1つの物理量に基づき第2のタイミングを推定する。第2推定部15は、導出部13により導出された当該複数の物理量を組み合わせて第2のタイミングを推定してもよい。この場合、例えば、第2推定部15は、各物理量を基準に推定された第2のタイミングが一致した場合に、当該第2のタイミングをシュート推定システム10における第2のタイミングとして推定してもよい。また、例えば、第2推定部15は、複数の物理量のうち、過半数の物理量を基準に推定された第2のタイミングが一致した場合に、当該過半数の物理量に基づき推定された第2のタイミングをシュート推定システム10における第2のタイミングとして推定してもよい。
シュートシーンを含む動画像は、スポーツが行われるコートの側方から撮像されなくてもよい。この場合、当該動画像は、上方から撮像されてもよい。このとき、ボールの位置(高さ)は、ボールの大きさにより表される。スポーツが行われるコートに対する撮像部の位置、撮像する向き、画角及び拡大率は固定されていなくてもよい。この場合、例えば、撮像部は、スポーツが行われるコートに対してスポーツが行われている間、移動していてもよい。このとき、検出部12は、ゴール22の大きさを画像20ごとに検出する。撮像部は、複数設けられてもよい。
シュート推定システム10に適用する動画像を撮像する撮像部において、コートに対する撮像部の位置、撮像する向き、画角、拡大率等の撮像条件は、動画像によって異なってもよい。動画像によって撮像条件が異なるとは、例えば、撮像部が移動することで同一の動画像内において撮像条件が異なる場合、又は異なる撮像部により撮像されることで複数の動画像間において撮像条件が異なる場合がある。
この場合、第1推定部14は、第1距離d1をゴール22の大きさで除算した値である第1推定距離d10を用いて第1のタイミングを推定してもよい。ゴール22の大きさとは、例えば、検出部12により検出されたゴール対象領域32の面積又は一辺の長さである。第1推定部14が第1距離d1をゴール22の大きさで除算することで、規格化された第1推定距離d10を得ることができる。これにより、シュート推定システム10は、コートに対する撮像部の位置、撮像する向き、画角、拡大率等の撮像条件が異なる動画像において、第1推定距離d10に対する共通の閾値D10を適用することができる。第1推定部14は、例えば、時系列順に並ぶ第1推定距離d10が極小となり、かつ、閾値D10以下となる特徴点の時刻を第1のタイミングとしてもよい。シュート推定システム10は、第1推定処理(S5)において、第1推定距離d10を算出してもよい。
また、第2推定部15は、ボール24の高さhをゴール22の大きさで除算した値である推定高さh10を用いて第2のタイミングを推定してもよい。第2推定部15がボール24の高さhをゴール22の大きさで除算することで、規格化された推定高さh10を得ることができる。これにより、シュート推定システム10は、コートに対する撮像部の位置、撮像する向き、画角、拡大率等の撮像条件が異なる動画像において、推定高さh10に対する共通の閾値B10,B20を適用することができる。第2推定部15は、例えば、時系列順に並ぶ推定高さh10が極小となり、かつ、閾値B10以上閾値B20以下となる特徴点の時刻を第2のタイミングとしてもよい。シュート推定システム10は、第2推定処理(S6)において、推定高さh10を算出してもよい。第2推定部15は、ボール24の高さhだけでなく、第2推定部15の推定に用いられる他の物理量も、適宜、ゴール22の大きさで除算した値である推定物理量を算出し、推定物理量を用いて第2のタイミングを推定してもよい。
第1推定部14又は第2推定部15は、第1推定距離d10、推定高さh10及び推定物理量を計算するとき、ゴール22の大きさではなくボール24の大きさを用いてもよい。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
例えば、本開示の一実施の形態におけるシュート推定システム10は、本開示の情報処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図7は、本開示の一実施の形態に係るシュート推定システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のシュート推定システム10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。シュート推定システム10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
シュート推定システム10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のシュート推定システム10における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、シュート推定システム10における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る情報処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。記憶部16は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
また、シュート推定システム10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。