JP2018078431A - オブジェクト追跡装置及びそのプログラム - Google Patents

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【課題】本願明は、オブジェクトにセンサを付けることなく、高速で移動するオブジェクトを確実に追跡し、正確な軌跡を描画できるオブジェクト追跡装置を提供する。【解決手段】オブジェクト追跡装置30は、赤外画像Itから検出ブロブを検出する赤外光検出部311と、検出した検出ブロブに基づいて軌跡を生成する軌跡生成部313と、検出ブロブの予測位置及び探索範囲を算出する位置予測部315と、軌跡T毎に履歴データを生成する履歴データ生成部319と、履歴データの経過時間及び遅延時間を比較判定する遅延時間判定部333と、検出成功回数が閾値以上であるか否かを判定する検出成功回数判定部335と、可視画像Vtを遅延時間mだけ遅延させる可視画像遅延部351と、可視画像Vt-mに軌跡Tを描画する軌跡描画部353と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、赤外画像及び可視画像を用いて、オブジェクトを追跡するオブジェクト追跡装置及びそのプログラムに関する。
近年、映像解析技術の進展に伴い、カメラを用いた様々なアプリケーションが提案されている。この技術の発展は、特にスポーツシーンの映像解析において顕著である。例えば、ウィンブルドンでも使用されているテニスのホークアイシステムは、複数の固定カメラの映像を用いてテニスボールを3次元的に追跡し、IN/OUTの判定を行っている。また2014年のFIFAワールドカップでは、ゴールラインテクノロジーと称して、数台の固定カメラの映像を解析し、ゴールの判定を自動化している。さらにサッカースタジアムに多数のステレオカメラを設置し、フィールド内の全選手をリアルタイムに追跡するTRACABシステムも知られている。
これら映像解析技術は、時間解像度が30フレーム/秒(fps)のカメラで撮影した映像を利用する前提であることが多い。例えば、フェンシングの剣先、バドミントンのシャトルなど、目視が困難なほどの高速で移動するオブジェクトを撮影すると、映像上では、そのオブジェクトに極度のモーションブラーが発生する(図19の符号α)。このため、映像のみからオブジェクト位置を正確に計測することが極めて困難である。この場合、30fpsを超えるハイスピートカメラを利用したり、シャッター速度を高速化することで、モーションブラーを軽減できる。その一方、ハイスピードカメラは高価であり、シャッター速度を高速化すると映像の輝度が低下するという問題がある。
そこで、オブジェクトにセンサを装着し、その動きを解析する技術も提案されている。例えば、特許文献1、2に記載の発明は、選手のウェアやリストバンドに装着した加速度センサから、そのプレー内容を機械学習で識別するものである。この従来技術によれば、テニスでのサーブやボレー等のプレー内容を自動判定することができる。
特開2014−187481公報 特開2016−97228号公報
しかし、特許文献1、2に記載の発明では、オブジェクトに付けたセンサが競技の妨げとなることが多く、実際の試合でセンサを用いることは現実的でない。さらに、特許文献1、2に記載の発明では、高速で移動するオブジェクトを捉えられず、ノイズオブジェクトを誤検出し、誤った軌跡を描画する可能性がある。
そこで、本発明は、オブジェクトにセンサを付けることなく、高速で移動するオブジェクトを確実(頑健)に追跡し、正確な軌跡を描画できるオブジェクト追跡装置及びそのプログラムを提供することを課題とする。
前記した課題に鑑みて、本発明に係るオブジェクト追跡装置は、赤外光マーカを付けて移動する1以上のオブジェクトを赤外光で撮影した赤外画像と、オブジェクトを可視光で撮影した可視画像とを用いて、オブジェクトを追跡するオブジェクト追跡装置であって、赤外光検出部と、軌跡生成部と、位置予測部と、履歴データ生成部と、遅延時間判定部と、検出成功回数判定部と、可視画像遅延部と、軌跡描画部と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、オブジェクト追跡装置は、赤外光検出部によって、赤外画像から赤外光マーカの領域を赤外光候補領域として抽出し、予め設定した面積及び形状特徴量の範囲内の赤外光候補領域を、予め設定したオブジェクトの数だけ赤外光候補領域の面積が広い順に赤外光領域として検出する。
オブジェクト追跡装置は、軌跡生成部によって、赤外画像にオブジェクトを追跡した軌跡が存在しない場合、検出した赤外光領域を新たな軌跡として生成し、赤外画像に軌跡が存在する場合、赤外光マーカの予測位置を中心とした探索範囲内で予測位置に最も近い赤外光領域を、存在する軌跡に接続する。
オブジェクト追跡装置は、位置予測部によって、位置予測アルゴリズムにより、検出した赤外光領域の位置から、次の赤外画像における赤外光マーカの予測位置及び探索範囲を算出する。
オブジェクト追跡装置は、履歴データ生成部によって、軌跡毎に、軌跡生成からの経過時間、赤外光領域の検出成否、及び、赤外光領域の検出位置を表した履歴データを生成する。
オブジェクト追跡装置は、遅延時間判定部によって、軌跡毎に、履歴データの経過時間が予め設定した遅延時間を超えるか、及び、経過時間が遅延時間に等しいかを判定する。
オブジェクト追跡装置は、検出成功回数判定部によって、経過時間が遅延時間に等しい場合、履歴データの検出成否に基づいて軌跡生成からの検出成功回数を算出し、算出した検出成功回数が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する。
オブジェクト追跡装置は、可視画像遅延部によって、赤外画像と同一光軸及び同一画素数の可視画像を遅延時間だけ遅延させる。
オブジェクト追跡装置は、軌跡描画部によって、遅延させた可視画像に対して、経過時間が遅延時間を超える軌跡と、検出成功回数が閾値以上の軌跡とを履歴データの検出位置に描画する。
このように、オブジェクト追跡装置は、赤外光候補領域の面積及び形状特徴量により赤外光領域を検出するので、高速で移動するオブジェクトにセンサを付けることなく、オブジェクトを確実に追跡することができる。さらに、オブジェクト追跡装置は、軌跡描画まで意図的に遅延時間を設けると共に、生成した履歴データにより軌跡描画を制御するので、誤って軌跡を描画する可能性を低減させ、正確な軌跡を描画することができる。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本発明に係るオブジェクト追跡装置は、オブジェクトにセンサを付けることなく、高速で移動するオブジェクトを確実に追跡し、正確な軌跡を描画することができる。これにより、本発明に係るオブジェクト追跡装置は、様々なシーンにおけるオブジェクトの軌跡描画が可能になると共に、軌跡描画の品質を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るオブジェクト追跡システムの概略構成図である。 剣先の拡大図である。 図1のオブジェクト追跡装置の構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は軌跡の接続を説明する説明図である。 可視光領域の切り出しを説明する説明図であり、(a)〜(c)は左側の選手の剣先部分を表す。 可視光領域の切り出しを説明する説明図であり、(a)〜(c)は右側の選手の剣先部分を表す。 (a)及び(b)は履歴データを説明する説明図である。 (a)〜(c)は履歴データ解析手段の処理例を説明する説明図である。 軌跡合成画像の一例を説明する説明図である。 図3のオブジェクト追跡装置の動作を示すフローチャートである。 図3のオブジェクト追跡装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るオブジェクト追跡システムの概略構成図である。 図12のオブジェクト追跡装置の構成を示すブロック図である。 審判器用カメラでの撮影を説明する説明図である。 軌跡描画処理を説明する説明図であり、(a)は電気審判器を表し、(b)は軌跡合成画像の一例を表す。 図13のオブジェクト追跡装置の動作を示すフローチャートである。 図13のオブジェクト追跡装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係るオブジェクト追跡システムの概略構成図である。 フェンシングの映像におけるモーションブラーを説明する説明図である。
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の手段及び同一の処理には同一の符号を付し、説明を省略した。
(第1実施形態)
[オブジェクト追跡システムの概略]
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るオブジェクト追跡システム1の概略について説明する。
以後の各実施形態では、フェンシングにおいて、選手(第2オブジェクト)が持つ剣先(オブジェクト)を追跡対象として説明する。フェンシングの最中、両選手の剣先は、高速で移動することが多い。
オブジェクト追跡システム1は、可視光及び赤外光を同光軸で撮影可能な可視・赤外同軸光カメラ20を利用し、可視光画像V及び赤外画像Iを組み合わせて、高速で移動する2本の剣先位置を追跡し、その軌跡T(T,T)を描画するものである。図1に示すように、オブジェクト追跡システム1は、赤外光投光器10と、可視・赤外同軸光カメラ20と、オブジェクト追跡装置30と、を備える。
赤外光投光器10は、赤外光を投光する一般的な投光器である。
図2に示すように、この赤外光投光器10が投光した赤外光は、両選手の剣先90に付けた反射テープ(赤外光マーカ)91で反射され、後記する可視・赤外同軸光カメラ20で撮影される。
反射テープ91は、赤外光投光器10からの赤外線を反射するものである。この反射テープ91は、剣先90に1枚以上付ければよく、その大きさや枚数に特に制限はない。図2の例では、剣先90は、その側面に矩形状の反射テープ91を1枚付けている。ここで、剣先90は、側面反対側に反射テープ91を1枚追加してもよく、その側面を一周するように帯状の反射テープ91を巻いてもよい(不図示)。
可視・赤外同軸光カメラ20は、可視光と赤外光を同一光軸で撮影し、同一画素数の可視画像V及び赤外画像Iを生成するものである。本実施形態では、可視・赤外同軸光カメラ20は、フェンシングの競技を撮影した可視画像Vと、剣先90の反射テープ91を撮影した赤外画像Iと、を生成する。ここで、可視画像Vの剣先90と、赤外画像Iの反射テープ91との画像座標が対応するため、3次元空間での視点変換を行うことなく軌跡Tを描画できる。
オブジェクト追跡装置30は、可視・赤外同軸光カメラ20から入力された赤外画像Iと可視画像Vとを用いて、両選手の剣先90を追跡するものである。そして、オブジェクト追跡装置30は、追跡した両選手の剣先90の軌跡T,Tを異なる色で描画し、描画した軌跡T,Tを可視画像Vに合成することで、軌跡合成画像Fを生成する。
なお、図1では、左側の選手が持つ剣先90の軌跡Tを破線で図示し、右側の選手が持つ剣先90の軌跡Tを一点鎖線で図示した。
[オブジェクト追跡装置の構成]
図3を参照し、オブジェクト追跡装置30の構成について説明する。
図3に示すように、オブジェクト追跡装置30は、赤外光検出・識別手段31と、履歴データ解析手段33と、軌跡描画手段35と、を備える。
ここで、オブジェクト追跡装置30は、時間方向に連続するフレーム1,…,t−1,t,…の赤外画像I及び可視画像Vが入力され、入力された赤外画像I及び可視画像Vに順次処理を施すこととする。以後、現在のフレーム(現フレーム)をtとし、現フレームtの赤外画像I及び可視画像Vを赤外画像I及び可視画像Vとする。
赤外光検出・識別手段31は、現フレームtの赤外画像Iから赤外光を検出し、剣先90の位置や方向に関する履歴データを生成するものである。この赤外光検出・識別手段31は、赤外光検出部311と、軌跡生成部313と、剣先方向識別部(オブジェクト方向識別部)315と、位置予測部317と、履歴データ生成部319と、を備える。
赤外光検出部311は、可視・赤外同軸光カメラ20より入力された赤外画像Iから反射テープ91の領域を候補ブロブ(赤外光候補領域)として抽出するものである。そして、赤外光検出部311は、予め設定した面積及び形状特徴量の範囲内の候補ブロブを、予め設定したオブジェクト上限数だけ候補ブロブの面積が広い順に検出ブロブ(赤外光領域)として検出する。本実施形態では、オブジェクト上限数は、剣先90と同数の‘2’に設定する。
まず、赤外光検出部311は、下記の式(1)を用いて、赤外画像Iと、1つ前のフレーム(前フレーム)の赤外画像It−1との2値赤外差分画像を生成することで、動オブジェクトの領域Sのみを抽出する。つまり、赤外光検出部311は、赤外画像Iの画素(x,y)の輝度値Ixy と、赤外画像It−1の画素(x,y)の輝度値Ixy t−1との差分が、予め設定した閾値R_briを超える動オブジェクトの領域Sxy を、候補ブロブとして抽出する。
Figure 2018078431
ここで、x,yは、水平及び垂直の画像座標を表す。また、閾値R_briは、任意の値で予め設定する。また、式(1)の‘0’、‘255’は、各画素の輝度値を表す。
なお、赤外光検出部311は、静止しているノイズブロブの発生を抑えるために2値赤外差分画像Sxy を生成したが、赤外画像Iで輝度が高い領域を候補ブロブとして抽出してもよい。
次に、赤外光検出部311は、抽出した候補ブロブにモルフォロジ処理(オープニングモルフォロジ処理)を施し、小領域のノイズブロブを消去する。このモルフォロジ処理とは、画像をいくつかの方向に画素単位でずらした画像群と、もとの画像との画像間演算によって、小領域のノイズブロブを消去する処理である。
次に、赤外光検出部311は、モルフォロジ処理で残った候補ブロブにラベリング処理を施す。このラベリング処理とは、候補ブロブにラベル(番号)を割り当てる処理である。
次に、赤外光検出部311は、ラベリング処理を施した候補ブロブの位置、面積及び形状特徴量を求める。ここで、候補ブロブの位置は、候補ブロブの中心位置又は重心位置である。また、候補ブロブの形状特徴量は、円形度や外接矩形のアスペクト比とする。
そして、赤外光検出部311は、予め設定した最小面積Rarea_min、最大面積Rarea_maxの範囲にない候補ブロブを消去する。さらに、赤外光検出部311は、形状特徴量が予め設定した範囲内にない候補ブロブを消去する。さらに、赤外光検出部311は、候補ブロブの数がオブジェクト上限数を超えている場合、面積が大きい2個の候補ブロブを検出ブロブとして残し、他の候補ブロブを消去する。
軌跡生成部313は、赤外光検出部311より入力された検出ブロブから新たな軌跡Tを生成、又は、検出ブロブを既存の軌跡Tと接続するものである。ここで、軌跡生成部313は、赤外画像Iに2本の軌跡Tの何れか一方が存在しない場合、検出ブロブを新たな軌跡Tとして生成する。一方、軌跡生成部313は、赤外画像Iに2本の軌跡Tが存在する場合、検出ブロブの予測位置を中心とした探索範囲内で予測位置に最も近い検出ブロブを、既に生成した軌跡Tに接続する。
<軌跡の接続>
図4を参照し、軌跡生成部313による軌跡Tの接続を説明する。
図4に示すように、各軌跡T(T,T)には、赤外画像Iにおける予測位置p(pT1,pT2)と、探索範囲A(AT1,AT2)とが設定されている。ここで、前フレームt−1の処理を行った際、後記する位置予測部317が、現フレームtの予測位置p及び探索範囲Aを算出し、軌跡生成部313に出力する。
軌跡生成部313は、探索範囲Aの中に検出ブロブBが複数ある場合、予測位置pに最も近い検出ブロブBを軌跡Tに接続する。図4(a)の例では、検出ブロブB,Bのどちらも軌跡Tの探索範囲AT1の範囲内である。この場合、軌跡生成部313は、検出ブロブBと予測位置pT1との距離d、及び、検出ブロブBと予測位置pT1との距離dを算出する。そして、軌跡生成部313は、距離d,dを比較し、距離dが距離dより短いので、検出ブロブBを軌跡Tに接続する。さらに、軌跡生成部313は、2本目の軌跡Tが存在しないので、検出ブロブBの位置で新たな軌跡Tを生成(登録)する。
一方、軌跡生成部313は、検出ブロブBが探索範囲Aの外にある場合、軌跡Tに検出ブロブB(B,B)を接続しない。図4(b)の例では、2本目の軌跡Tが存在するものの、検出ブロブBは、軌跡Tに接続されず、軌跡Tの探索範囲AT2の範囲外である。このため、軌跡生成部313は、検出ブロブBを軌跡Tに接続せず、ノイズブロブとして消去する。
なお、軌跡生成部313は、予め設定した時間(フレーム数)、ある軌跡Tに検出ブロブBが接続されなかった場合、その軌跡Tを消去する。
図3に戻り、オブジェクト追跡装置30の構成について、説明を続ける。
剣先方向識別部315は、検出ブロブBに基づいて可視画像Vに可視光領域を設定し、設定した可視光領域の画像特徴量を算出し、算出した画像特徴量の機械学習により検索90の方向を識別するものである。ここで、剣先方向識別部315は、検出ブロブBが軌跡生成部313から入力され、現フレームtの可視画像Vが可視画像蓄積部351から入力される。
まず、剣先方向識別部315は、下記の式(2)を用いて、可視画像Vと、前フレームの可視画像Vt−1との2値可視差分画像Kを生成する。つまり、剣先方向識別部315は、可視画像Vの画素(x,y)の輝度値Vxy と、可視画像Vt−1の画素(x,y)の輝度値Vxy t−1との差分を求め、2値可視差分画像Kxy を生成する。
Figure 2018078431
次に、剣先方向識別部315は、2値可視差分画像Kから、現フレームtの検出ブロブBを中心に、可視光領域を切り出す。このとき、剣先方向識別部315は、検出ブロブBの大きさ(面積)に応じて、可視光領域の大きさを決定する。つまり、剣先方向識別部315は、検出ブロブBが大きくなる程、可視光領域を大きくし、検出ブロブBが小さくなる程、可視光領域を小さくする。
なお、剣先方向識別部315は、動領域に限定するため、2値可視差分画像Kから可視光領域を切り出したが、可視画像Vから可視光領域を切り出してもよい。
図5及び図6には、剣先方向識別部315が切り出した可視光領域の一例を図示した。図5(a)〜(c)は、左側の選手が持つ剣先90の可視光領域である。また、図6(a)〜(c)は、右側の選手が持つ剣先90の可視光領域である。
フェンシングは、細長いピスト上で両選手が対戦するため、左右の選手が入れ替わることがない。また、両選手が持つ剣は、対戦相手を向いていることが多い。つまり、剣先90の反対方向に、その剣を持つ選手がいる。従って、可視光領域の画像特徴量から剣先90の方向を識別できれば、剣先90の軌跡Tに左右の選手を対応付けることができる。つまり、オブジェクト追跡装置30は、赤外画像Iで剣先90を検出し、可視画像Vで剣先90の方向を識別し、剣先90の軌跡Tに対応する選手を決定する。
次に、剣先方向識別部315は、剣先90の方向を機械学習により識別する。ここで、剣先方向識別部315は、学習時、学習データの画像特徴量を学習した識別器を予め生成する。このとき、剣先方向識別部315は、剣先90の方向を、左右の2方向で予め設定しておく。そして、剣先方向識別部315は、識別時、可視光領域の画像特徴量を算出し、算出した画像特徴量を識別器に入力して、剣先90の方向を2値判定する。
ここで、剣先方向識別部315は、任意の機械学習を用いることができる。本実施形態では、剣先方向識別部315は、機械学習として、SVM(Support Vector Machine)を用いる。
また、剣先方向識別部315は、画像特徴量として、以下で説明する走査線毎の左右輝度比、LBP(Local Binary Pattern)、又は、画像モーメントの何れか1以上を算出する。つまり、剣先方向識別部315は、これら3種類の画像特徴量のうち、何れか1種類(例えば、走査線毎の左右輝度比)のみを算出してもよい。また、剣先方向識別部315は、これら3種類の画像特徴量のうち、2種類を組み合わせてもよい。さらに、剣先方向識別部315は、これら3種類の画像特徴量を全て組み合わせてもよい。
<走査線毎の左右輝度比>
走査線毎の左右輝度比は、下記の式(3)で表される。ここで、Fは、可視光領域で垂直座標yに位置する走査線における左右輝度比である。また、sumK ,sumK はそれぞれ、走査線yにおける左半分の輝度総和、右半分の輝度総和である。
Figure 2018078431
左側の選手であれば可視光領域の左側に(図5)、右側の選手であれば可視光領域の右側(図6)に高輝度領域が出現し易くなる。このため、走査線毎の左右輝度比を画像特徴量とすることで、剣先90の方向を高い精度で判定できる。
<LBP>
LBPは、テクスチャ解析で用いられるパターンベースの特徴量であり、識別精度が高く、計算コストが低い(参考文献1参照)。このLBPは、ラスタスキャンのように注目画素を移動させながら、下記の式(4)を用いて算出する。
参考文献1:寺島他、“勾配情報を用いたLocal Binary Pattern の改良”、DEIM Forum 2014, F5-4
Figure 2018078431
ここで、gは注目画素の画素値であり、gは近傍領域の各画素の画素値である。また、Rは注目画素を中心とした近傍領域の範囲であり、Pは近傍領域の画素数である。近傍領域の範囲Rが1画素のとき近傍領域は縦3画素×横3画素の大きさとなる。この場合、近傍領域の画素数Pは、8となる。
そして、注目画素の画素値gと近傍領域の各画素の画素値gとの大小比較でs(x)を求め、パターンLBPP,Rを算出する。このとき、パターンLBPP,Rの種類は、2となる。LPBは、このパターンLBPP,Rの頻度を記述したヒストグラムとなる。通常、LBPは、R=1、P=8の256次元で用いられることが多い。本実施形態では、R=1、P=4の16次元と低次元にすることで、処理負荷を軽減し、実時間処理を実現している。
なお、P,Rの値は、前記した例に限定されないことは言うまでもない。
<画像モーメント>
座標(i,j)における画像f(i,j)の(p+q)次モーメントmpqは、下記の式(5)で定義される。2値画像の場合、0次モーメントm00は、面積を表す。また、m10/m00及びm01/m00は、重心座標G(i,j)を表す。
Figure 2018078431
重心の周りのモーメントMpqは、特に重心モーメントと呼ばれ、下記の式(6)で定義される。
Figure 2018078431
2次モーメントは、慣性モーメントと呼ばれる。画像f(i,j)の2次モーメントは、式(6)でp=2、q=0、及び、p=0、q=2となるので、下記の式(7)で定義される。
Figure 2018078431
このように、画像モーメントとして、面積、重心座標、重心モーメント、及び、慣性モーメントを利用することができる。
位置予測部317は、位置予測アルゴリズムにより、剣先方向識別部315より入力された検出ブロブBの位置から、1つ後のフレーム(次フレーム)t+1の赤外画像It+1における予測位置p及び探索範囲Aを算出するものである。
例えば、位置予測アルゴリズムとして、カルマンフィルタを用いる(参考文献2参照)。このカルマンフィルタは、離散的な誤差のある観測から、時々刻々と時間変化する量(例えば、物体の位置と速度)を推定できる。
参考文献2:西山, “カルマンフィルタ”、電子情報通信学会「知識ベース」-1群(信号・システム)-5編(信号理論)-6章,2011.3.4
本実施形態では、位置予測部317は、下記の式(8)を用いて、次フレームt+1の剣先90の位置x^を推定する。このとき、位置予測部317は、剣先方向識別部315から 入力された検出ブロブBの位置を観測値zとし、推定値Hx ̄との誤差の大きさに応じて、カルマンゲインKによる補正量を調節する。
Figure 2018078431
本実施形態では、運動モデルを等速直線運動とした。予測位置x ̄を次フレームt+1の探索位置Aの中心に設定することで、剣先90を確実に追跡することができる。さらに、誤差共分散行列Pの対角成分は、検出失敗時に大きな値となる。このため、位置予測部317は、誤差共分散行列Pの値と探索範囲Aのサイズを連動させて、追跡状況に応じて、探索範囲Aのサイズを適切に決定できる。
なお、位置予測部317は、位置予測アルゴリズムとして、計算コストが高くなるが、精度の高いパーティクルフィルタを用いることもできる。
図3に戻り、オブジェクト追跡装置30の構成について、説明を続ける。
履歴データ生成部319は、軌跡T毎に履歴データを生成するものである。本実施形態では、履歴データ生成部319は、図7に示すように、軌跡T,Tの履歴データをそれぞれ生成する。
この履歴データは、赤外光検出・識別手段31の処理結果を表す。図7に示すように、履歴データは、左側から順に、処理開始からの累計フレーム数と、軌跡生成からの経過時間と、検出ブロブBの検出位置と、検出ブロブBの検出成否と、剣先90の方向とが並んでいる。
処理開始からのフレーム数(以後、「累計フレーム数」)は、処理を開始してからのフレーム数を表す。ここで、履歴データには、累計フレーム数の代わりに、各フレームのタイムコードを含めてもよい。
軌跡生成からの経過時間(以後、「経過時間」)は、軌跡Tを生成してからのフレーム数を表す。
検出ブロブBの検出位置(以後、「検出位置」)は、検出ブロブBを検出した画像座標(x,y)を表す。つまり、検出位置をフレーム順に並べると、軌跡Tとなる。
検出ブロブBの検出成否(以後、「検出成否」)は、検出ブロブBの検出の成否を表す。
例えば、検出成否は、検出ブロブBの検出が成功した場合に‘1’、検出ブロブBの検出が失敗した場合に‘0’となる。
剣先90の方向(以後、「剣先方向」)は、識別した剣先90の方向を表す。例えば、剣先方向は、剣先90が左向きの場合に‘−1’、剣先90が右向きの場合に‘1’となる。
図7(a)は、最上段が‘T’なので、軌跡Tの履歴データを表す。また、図7(a)の1行目は、累計フレーム数が‘011501’、経過時間が‘3’、検出位置が(156,261),検出成否が‘1’なので検出成功、剣先方向が‘−1’なので剣先90が左向きを表す。
図7(b)は、最上段が‘T’なので、軌跡Tの履歴データを表す。また、図7(b)の4行目は、累計フレーム数が‘011504’、経過時間が‘1’、検出位置が(20,321),検出成否が‘1’なので検出成功、剣先方向が‘1’なので剣先90が右向きを表す。
なお、1〜3行目の経過時間が‘0’なので、この間は軌跡90が存在しないことを表す。また、5行目の検出成否が‘0’なので検出失敗を表す。つまり、累計フレーム数が‘011505’のフレームが欠落している。
図3に戻り、オブジェクト追跡装置30の構成について、説明を続ける。
履歴データ解析手段33は、履歴データを参照し、欠落したフレームの補間、ノイズブロブの消去、軌跡Tの平滑化、軌跡Tと選手との対応付けを行う。この履歴データ解析手段33は、履歴データ補間部331と、遅延時間判定部333と、消去判定部(検出成功回数判定部)335と、選手判定部(第2オブジェクト判定部)337と、を備える。
履歴データ補間部331は、履歴データ生成部319から入力された履歴データの検出位置を補間するものである。
前記したように、剣先90が高速に動いた場合、激しいモーションブラーにより、30fpsのカメラでは、剣先90を正確に捉えきれず、検出ブロブBの検出失敗が多発する。そこで、履歴データ補間部331は、欠落したフレームの検出位置を曲線補間又は線形補間することで、フレームの欠落がない履歴データとする。
軌跡Tを折れ線で描画した場合、剣先90が高速で移動するので、検出位置の間隔が離れ、軌跡Tの滑らかさが失われる。そこで、履歴データ補間部331は、欠落したフレームに前後するフレームで検出位置間の距離を求め、求めた距離が予め設定した閾値を超えたか否かを判定する。図7(b)では、履歴データ補間部331は、累計フレーム数が‘011505’のフレームが欠落しているので、累計フレーム数が‘011504’,‘011506’のフレームで検出位置間の距離を求め、閾値判定を行う。そして、履歴データ補間部331は、求めた距離が閾値を超えた場合、曲線アルゴリズムを適用することが好ましい。
<ラグランジュ補間>
本実施形態では、曲線補間アルゴリズムとして、以下で説明するラグランジュ補間を利用する。
ここで、互いに異なるn+1個の点x,x,…,xに対して、関数値f(x),f(x),…,f(x)が与えられているとする。このとき、p(x)=f(x)を満たすxのn次多項式p(x)を下記の式(9)で求め、これを用いてf(x)の補間を行うことをラグランジュ補間という。
Figure 2018078431
なお、履歴データ補間部331は、ラグランジュ補間の他、曲線補間アルゴリズムとして、ベジェ曲線やスプライン曲線を用いてもよい。
遅延時間判定部333は、軌跡T毎に、履歴データ補間部331から入力された履歴データの経過時間dが予め設定した遅延時間mを超えるか、及び、経過時間dが遅延時間mに等しいかを判定するものである。つまり、遅延時間判定部333は、ノイズの抑制等を目的とし、軌跡Tを現フレームtで描画するか否かを判定する。なお、遅延時間mは、遅延させるフレーム数を表す。
具体的には、遅延時間判定部333は、履歴データの経過時間dが遅延時間mを超える場合、軌跡描画部353に履歴データを出力する。この場合、軌跡描画部353は、履歴データを参照し、軌跡Tを描画する。
また、遅延時間判定部333は、履歴データの経過時間dが遅延時間mに等しい場合、消去判定部335に履歴データを出力する。
また、遅延時間判定部333は、履歴データの経過時間dが遅延時間m未満の場合、軌跡Tを描画しないので、何の処理も行わない。つまり、軌跡Tを描画するまでにあえて遅延時間mを設け、ノイズの抑制や軌跡Tの描画品質の向上を図っている。
消去判定部335は、遅延時間判定部333から入力された履歴データの検出成否に基づいて、軌跡生成からの検出成功回数nを算出し、算出した検出成功回数nが予め設定した閾値N以上であるか否かを判定するものである。
具体的には、消去判定部335は、経過時間dが遅延時間mに達した時点において、履歴データを参照し、検出成否が‘1’となる回数を検出成功回数nとして算出する。そして、消去判定部335は、算出した検出成功回数nの閾値判定を行う。
ここで、消去判定部335は、検出成功回数nが閾値N未満の場合、剣先90以外の突発的なノイズブロブとみなし、その履歴データに対応する軌跡Tを消去する。
一方、消去判定部335は、検出成功回数nが閾値N以上の場合、選手判定部337に履歴データを出力する。
例えば、遅延時間m=10、閾値N=5の場合を考える。この場合、軌跡生成から10フレーム経過した時点で検出成功回数nを算出し、検出成功回数nの閾値判定を行う。そして、消去判定部335は、検出成功回数nが閾値N=5未満の場合、その履歴データに対応する軌跡Tを消去する。
選手判定部337は、消去判定部335から入力された履歴データの剣先方向を多数決することで、剣先90に対応した選手を判定し、判定した選手を軌跡Tに対応付けるものである。
ここで、選手判定部337は、軌跡Tが1本のみ存在する場合、その軌跡Tに対応する選手の対戦相手となる選手と判定する。これにより、2本の軌跡Tが同じ色で描画されることを防止できる。
また、選手判定部337は、軌跡Tが1本も存在しない場合、履歴データを参照し、剣先方向の多数決により選手を判定する。具体的には、選手判定部337は、多数決で剣先方向が‘−1’の場合、右側の選手と判定し、多数決で剣先方向が‘1’の場合、左側の選手と判定する。
本実施形態では、選手判定部337は、判定した選手のID(IDentification)を軌跡Tの履歴データに付加する。例えば、選手IDは、左側の選手であれば‘L’となり、右側の選手であれば‘R’となる。
<履歴データ解析手段の処理例>
図8を参照し、履歴データ解析手段33の処理例について説明する(適宜図3参照)。
図8では、履歴データにおいて、検出ブロブBの検出に成功したフレームを‘●’で図示し、検出ブロブBの検出に失敗した欠落フレームを‘○’で図示した。また、遅延時間m=15、閾値N=8とする。また、各軌跡を生成した時刻t−mから現フレームtまでの経過時間dが遅延時間mに等しいこととする。
図8(a)の履歴データには、検出ブロブBの検出に失敗したので、‘○’の欠落フレームが含まれている。この場合、履歴データ補間部331は、図8(b)の履歴データに曲線アルゴリズムを適用し、‘○’の欠落フレームを補間する。これにより、検出ブロブB間を滑らかにつなぐ曲線を生成し、軌跡Tを平滑化できる。
図8(b)の履歴データには、剣先90以外の反射(ノイズ)が検出ブロブBとして含まれている。この場合、消去判定部335は、図8(a)の履歴データを参照し、軌跡生成の時刻t−mから現フレームtまでの検出成功回数(‘●’のフレーム数)を算出する。ここでは、時刻t−mから現フレームtまでの間、‘●’のフレーム数が‘6’であり、閾値N=‘8’以上とならない。このため、消去判定部335は、この履歴データに対応する軌跡Tを消去する。このように、予め遅延時間mを設けて軌跡Tの可否を判断することにより、剣先90以外の軌跡Tの誤描画を防止できる。
図8(c)の履歴データでは、剣先方向が左向きを示す‘−1’と、右向きを示す‘1’とに分かれている。この場合、選手判定部337は、軌跡生成の時刻t−mから現フレームtまでの剣先方向の多数決により、選手を判定する。ここでは、時刻t−mから現フレームtまでの間、剣先方向‘−1’のフレーム数が12であり、剣先方向‘1’のフレーム数が3である。このため、選手判定部337は、多数決により右側の選手と判定する。このように、履歴データの剣先方向から総合的に選手を判定することで、選手識別機能の信頼性を高めている。
図3に戻り、オブジェクト追跡装置30の構成について、説明を続ける。
軌跡描画手段35は、履歴データを参照し、軌跡Tを描画すると共に、描画した軌跡Tを可視画像Vに合成するものである。この軌跡描画手段35は、可視画像蓄積部(可視画像遅延部)351と、軌跡描画部353と、を備える。
可視画像蓄積部351は、可視・赤外同軸光カメラ20より入力された可視画像Vを遅延時間mだけ蓄積した後、軌跡描画部353に出力する。現フレームtにおいては、可視画像蓄積部351は、遅延時間mだけ遅延させた可視画像Vt-mを軌跡描画部353に出力する。さらに、可視画像蓄積部351は、可視画像Vを剣先方向識別部315に出力する。
軌跡描画部353は、可視画像蓄積部351から入力された可視画像Vt-mに対して、遅延時間判定部333から入力された履歴データと、選手判定部337から入力された履歴データとの検出位置に軌跡Tを描画するものである。ここで、遅延時間判定部333からの履歴データは、経過時間dが遅延時間mを超えた軌跡Tを表す。また、遅延時間判定部333からの履歴データは、検出成功回数が閾値N以上となった軌跡Tを表す。
ここで、軌跡描画部353は、選手毎に異なる色を予め設定しておく、例えば、遅延時間判定部333は、左側の選手であれば青色、右側の選手であれば赤色に設定する。そして、軌跡描画部353は、履歴データに付加された選手IDを取得し、選手ID毎に異なる色で軌跡Tを描画する。例えば、軌跡描画部353は、図9に示すように、可視画像Vt-mと軌跡Tとを合成した軌跡合成画像Ft-mを生成し、生成した軌跡合成画像Ft-mを出力する。この軌跡合成画像Ft-mには、左側の選手が持つ剣先90の軌跡Tと、右側の選手が持つ剣先90の軌跡TとがCGで合成されている。
[オブジェクト追跡装置の動作]
図10,図11を参照し、オブジェクト追跡装置30の動作について説明する(適宜図3参照)。
図10に示すように、赤外光検出部311は、2値赤外差分画像(I−It−1)を生成し、抽出した候補ブロブにモルフォロジ処理を施す(ステップS1)。
赤外光検出部311は、モルフォロジ処理で残った候補ブロブにラベリング処理を施し、候補ブロブの位置、面積及び形状特徴量を求める。そして、赤外光検出・識別手段31は、面積及び形状特徴量を基準にフィルタリングし、検出ブロブBを検出する(ステップS2)。
軌跡生成部313は、軌跡Tが2本存在する場合、探索範囲A内で予測位置pに最も近い検出ブロブBを軌跡Tに接続する。また、軌跡生成部313は、存在する軌跡Tが1本以下の場合、探索範囲Aから外れる検出ブロブBを新たな軌跡Tとして生成する(ステップS3)。
剣先方向識別部315は、2値可視差分画像(V−Vt−1)を生成し、検出ブロブBを中心として切り出す。そして、剣先方向識別部315は、切り出した領域の画像特徴量を算出し、剣先90の方向を識別する(ステップS4)。
位置予測部317は、位置予測アルゴリズムにより、次フレームt+1の赤外画像It+1における予測位置p及び探索範囲Aを算出する(ステップS5)。
履歴データ生成部319は、軌跡T毎に、経過時間、検出成否及び検出位置を表す履歴データを生成する(ステップS6)。
履歴データ補間部331は、履歴データで欠落したフレームを、欠落したフレームに前後するフレームの検出位置に基づいて補間する(ステップS7)。
図11に示すように、履歴データ補間部331は、検出位置間の距離を求め、求めた距離が閾値を超えた場合、曲線アルゴリズムで補間し、軌跡Tを平滑化する(ステップS8)。
遅延時間判定部333は、経過時間dと遅延時間mを比較する(ステップS9)。
経過時間dが遅延時間mに等しい場合(ステップS9でd=m)、消去判定部335は、検出成功回数nを算出し、検出成功回数nが閾値N以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
検出成功回数nが閾値N以上の場合(ステップS10でYes)、選手判定部337は、選手を判定する。
ここで、軌跡Tが1本も存在しない場合(軌跡数が0の場合)、選手判定部337は、剣先方向の多数決により選手を判定する。
一方、軌跡Tが1本のみ存在する場合(軌跡数が1の場合)、選手判定部337は、存在する軌跡Tに対応した選手と対戦相手の選手と判定する。つまり、選手判定部337は、フェンシングでは選手が二人しかいないので、残った選手と判定する(ステップS11)。
可視画像蓄積部351は、遅延時間mだけ可視画像Vを蓄積する(ステップS12)。
経過時間dが遅延時間mを超える場合(ステップS9でd>m)、又は、ステップS12の処理に続いて、軌跡描画部353は、選手ID毎に異なる色で軌跡Tを描画し(ステップS13)、処理を終了する。
検出成功回数nが閾値N未満の場合(ステップS10でNo)、消去判定部335は、履歴データに対応した軌跡Tを消去し(ステップS14)、処理を終了する。
経過時間dが遅延時間m未満の場合(ステップS9でd<m)、オブジェクト追跡装置30は、処理を終了する。
[作用・効果]
本発明の第1実施形態に係るオブジェクト追跡装置30は、剣先90にセンサを付けることなく、高速で移動する剣先90を確実に追跡し、正確な軌跡Tを描画することができる。これにより、オブジェクト追跡装置30は、フェンシングにおける剣先90の軌跡描画が可能になると共に、軌跡描画の品質を向上させることができる。
さらに、オブジェクト追跡装置30は、可視画像Vから画像特徴量を算出し、機械学習により剣先90の方向を識別し、剣先90の軌跡Tに左右の選手を対応付けることができる。これにより、オブジェクト追跡装置30は、両選手に対応した軌跡Tを異なる色で描画できるので、視聴者がフェンシングの試合状況を把握し易くなる。
さらに、オブジェクト追跡装置30は、軌跡描画までに意図的に遅延時間mを設け、多数決により選手IDを決定するので、誤検出したノイズ軌跡を描画するリスクを軽減し、軌跡識別の精度を高めることができる。
さらに、オブジェクト追跡装置30は、遅延時間分の履歴データを利用することで、軌跡Tを滑らかに描画することができる。
(第2実施形態)
図12を参照し、本発明の第2実施形態に係るオブジェクト追跡システム1Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
オブジェクト追跡システム1Bは、フェンシングの試合状況に応じて、軌跡Tの描画を制御するものである。例えば、オブジェクト追跡システム1Bは、一方の選手がポイントを取得した場合、その選手の剣先90の軌跡Tのみを表示する。
図12に示すように、オブジェクト追跡システム1Bは、赤外光投光器10と、可視・赤外同軸光カメラ20と、オブジェクト追跡装置30Bと、電気審判器40と、審判器用カメラ50と、を備える。
オブジェクト追跡装置30Bは、電気審判器40から入力された識別信号、又は、審判器用カメラ50から入力された色領域画像を用いて、予め設定した軌跡描画処理を行うものである。この軌跡描画処理としては、例えば、軌跡Tの描画停止、軌跡Tの消去、又は、軌跡Tの強調をあげることができる。
なお、オブジェクト追跡装置30Bの詳細は、後記する。
電気審判器40は、フェンシングにおいて、ポイントを取得した選手を電気的に判定するものであり、ライト41(41,41)を備える。この電気審判器40は、両選手の剣に電流を印加している。また、両選手は、通電性のメタルジャケットを着用している。そして、電気審判器40は、対戦相手の選手が着用するメタルジャケットに剣が接触すると、ライト41を点灯させる。例えば、電気審判器40は、左側の選手が右側の選手を剣で突いた場合、左側のライト41を赤色で点灯させる。一方、電気審判器40は、右側の選手が左側の選手を剣で突いた場合、右側のライト41を緑色で点灯させる。このように、左側の選手に赤色のライト41が対応し、右側の選手に緑色のライト41が対応する。
また、電気審判器40は、ライト41の点灯に連携して、識別信号をオブジェクト追跡装置30Bに出力してもよい。この識別信号は、ポイントを取得した選手を識別する信号である。例えば、電気審判器40は、ライト41を点灯させた場合、左側の選手ID‘L’を格納した識別信号をオブジェクト追跡装置30Bに出力する。一方、電気審判器40は、ライト41を点灯させた場合、右側の選手ID‘R’を格納した識別信号をオブジェクト追跡装置30Bに出力する。
審判器用カメラ50は、電気審判器40を撮影し、撮影した色領域画像をオブジェクト追跡装置30Bに出力するカメラである。本実施形態では、審判器用カメラ50は、同一画角で電気審判器40を撮影する。
なお、オブジェクト追跡システム1Bは、電気審判器40からの識別信号、又は、審判器用カメラ50からの色領域画像のうち、何れか一方をオブジェクト追跡装置30Bに入力すればよい。
[オブジェクト追跡装置の構成]
図13を参照し、オブジェクト追跡装置30Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図13に示すように、オブジェクト追跡装置30Bは、赤外光検出・識別手段31と、履歴データ解析手段33と、軌跡描画手段35Bと、を備える。なお、赤外光検出・識別手段31及び履歴データ解析手段33は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
軌跡描画手段35Bは、軌跡Tを描画すると共に、軌跡描画処理を行うものである。この軌跡描画手段35Bは、可視画像蓄積部351と、軌跡描画部353Bと、識別信号生成部355と、を備える。なお、軌跡描画制御部351は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
識別信号生成部355は、電気審判器40から識別信号が入力されるか、又は、審判器用カメラ50から色領域画像が入力されるかを予め設定する。この識別信号生成部355は、入力に応じて処理内容が異なるため、順に説明する。
<色領域画像入力時の処理>
前記したように、審判器用カメラ50は、同一画角で電気審判器40を撮影する。従って、色領域画像では、図14に示すように、ライト41,41が同一の位置に映っている。
識別信号生成部355は、色領域画像のライト41,41を囲むように、色領域画像に検出対象領域A,Aを予め設定する。また、識別信号生成部355は、色領域画像からフレーム差分画像を生成し、このフレーム差分画像を解析することで、色領域を検出する。具体的には、識別信号生成部355は、フレーム差分画像の検出対象領域A,Aに、下記の式(10)の処理を施すことで、ライト41又はライト41の点灯を検出できる。
Figure 2018078431
なお、Rxy がフレームtにおける検出対象領域A内の赤チャンネルの平均画素値であり、Gxy がフレームtにおける検出対象領域A内の緑チャンネルの平均画素値である。
また、閾値Tは、ライト41が点灯しているときの平均画素値Rxy より低く、ライト41が点灯していないときの平均画素値Rxy より高くなるように、予め設定する(閾値Tも同様)。
ここで、識別信号生成部355は、判定結果Sxy が赤判定の場合、左側の選手ID‘L’を格納した識別信号を生成する。一方、識別信号生成部355は、判定結果Sxy が緑判定の場合、右側の選手ID‘R’を格納した識別信号を生成する。その後、識別信号生成部355は、生成した識別信号を軌跡描画部353Bに出力する。
なお、識別信号生成部355は、色領域画像の検出対象領域A,Aに色検出処理を施して、ライト41又はライト41の点灯を検出してもよい。また、識別信号生成部355は、色領域画像からグレースケール画像を生成し、グレースケール画像の検出対象領域A,Aの輝度差を求め、ライト41又はライト41の点灯を検出してもよい。
<識別信号入力時の処理>
識別信号生成部355は、電気審判器40から識別信号が入力された場合、入力された識別信号をそのまま軌跡描画部353Bに出力する。
図13に戻り、オブジェクト追跡装置30Bの構成について、説明を続ける。
軌跡描画部353Bは、識別信号生成部355から識別信号が入力された場合、予め設定した軌跡描画処理を行うものである。ここで、軌跡描画部353Bは、識別信号が表す選手に対応する軌跡Tの描画停止や、その軌跡Tの消去を行う。また、軌跡描画部353Bは、識別信号が表す選手以外の他の選手に対応する軌跡Tの強調を行う。
例えば、図15(a)に示すように、左側の選手がポイントを取得したこととする。この場合、軌跡描画部353Bは、左側の選手ID‘L’が格納された識別信号が入力されるので、軌跡描画処理として、対戦相手となる右側の選手に対応した軌跡Tの描画を停止し、その後、軌跡Tを消去する。さらに、図15(b)に示すように、ポイントを取得した左側の選手に対応した軌跡Tのみを描画する。さらに、軌跡描画部353Bは、軌跡Tを強調してもよい。
[オブジェクト追跡装置の動作]
図16,図17を参照し、オブジェクト追跡装置30Bの動作について説明する(適宜図13参照)。
なお、図16のステップS1〜S8、図17のステップS9〜S14の処理は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
図17に示すように、軌跡描画部353Bは、識別信号生成部355から識別信号が入力されたか否かを判定する(ステップS15)。
識別信号が入力されていない場合(ステップS15でNo)、オブジェクト追跡装置30Bは、処理を終了する。
識別信号が入力された場合(ステップS15でYes)、軌跡描画部353Bは、軌跡描画処理を行い、処理を終了する。例えば、軌跡描画部353Bは、ポイントを失った選手に対応した軌跡Tの描画停止や消去を行う。また、例えば、軌跡描画部353Bは、ポイントを取得した選手に対応する軌跡Tを強調する(ステップS16)。
[作用・効果]
本発明の第2実施形態に係るオブジェクト追跡装置30Bは、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、オブジェクト追跡装置30Bは、ポイントを失った選手に対応する軌跡Tの描画停止や消去、ポイントを取得した選手に対応する軌跡Tの強調といった、軌跡描画処理を行うことができる。これにより、オブジェクト追跡装置30Bは、視聴者がフェンシングの試合状況をより把握し易くなる。
(変形例)
以上、本発明の各実施形態を詳述してきたが、本発明は前記した各実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した各実施形態では、可視・近赤外同光軸カメラを利用することとして説明したが、これに限定されない。例えば、本発明は、可視・近赤外同時撮影カメラ、及び、可視・近赤外マルチ波長カメラを利用することができる。
<可視・近赤外同時撮影カメラ>
可視・近赤外同時撮影カメラは、RGBに加えIR(近赤外光)を分光する4波長分光プリズムを用いて、それぞれの波長毎のセンサ、合計4枚のセンサで撮影するカメラである。この可視・近赤外同時撮影カメラは、RGBセンサによる可視画像、及び、IRセンサによる赤外画像を個別に出力することが可能である。つまり、オブジェクト追跡装置は、第1実施形態と同様、可視・近赤外同時撮影カメラから可視画像及び赤外画像を取得し、軌跡合成画像を出力できる。
<可視・近赤外マルチ波長カメラ>
可視・近赤外マルチ波長カメラは、RGB3色以外に近赤外領域で3つの波長を分光するマルチ波長分光プリズムを利用したカメラである。通常、カメラは、IRカットフィルタ又は可視光カットフィルタを装着して可視分光特性又は近赤外分光特性に示される波長を取り出し、可視光又は近赤外のみの画像を取得する。しかし、可視・近赤外マルチ波長カメラは、IRカットフィルタ及び可視光カットフィルタを装着せず、基本分光特性に示される波長全てを取り出すことで、可視光及び近赤外光を合成した可視・赤外合成画像を生成する。
この可視・近赤外マルチ波長カメラ60を利用したときのオブジェクト追跡システム1Cを図18に図示した。図18に示すように、オブジェクト追跡システム1Cは、赤外光投光器10と、可視・近赤外マルチ波長カメラ60と、可視・赤外分離装置70と、オブジェクト追跡装置30と、を備える。
可視・近赤外マルチ波長カメラ60は、可視・赤外合成画像IVを生成し、可視・赤外分離装置70に出力する。この可視・赤外合成画像IVは、赤外光投光器10から照射した赤外光の反射光が緑色の蛍光色で撮影されている以外、可視画像と同様の画像である。
可視・赤外分離装置70は、可視・近赤外マルチ波長カメラ60から入力された可視・赤外合成画像IVを、可視画像Vと赤外画像Iとに分離するものである。例えば、可視・赤外分離装置70は、RGB、HSV等の色空間内で抽出領域を設けるクロマキー法で可視・赤外合成画像IVの分離を行ってもよい。また、可視・赤外分離装置70は、赤外光領域が特定の形状をしている場合、領域形状に基づいて可視・赤外合成画像IVの分離を行ってもよい。
オブジェクト追跡装置30は、第1実施形態と同様のため、これ以上の説明を省略する。つまり、オブジェクト追跡装置30は、可視・近赤外マルチ波長カメラ60を利用した場合でも、第1実施形態と同様、軌跡追跡画像Fを出力できる。
<その他変形例>
前記した各実施形態では、フェンシングを一例として説明したが、オブジェクト追跡装置は、これに限定されない。つまり、オブジェクト追跡装置は、テニス、バドミントン、バレーボール等、選手の位置が入れ替わらないスポーツにも適用することができる。例えば、バドミントンの場合、オブジェクト追跡装置は、選手が持つラケットの方向を識別し、ラケットの軌跡に左右の選手を対応付けることで、両選手が持つラケットの軌跡を異なる色で描画することができる。
さらに、オブジェクト追跡装置は、軌跡を異なる色で描かない場合、選手の位置が入れ換わるスポーツにも適用することができる。例えば、オブジェクト追跡装置は、バドミントンのシャトルを追跡し、その軌跡を描画することができる。この他、オブジェクト追跡装置は、オーケストラにおける指揮棒の軌跡や、ドラマや映画における刀等の軌跡を描画することができる。
オブジェクト追跡装置は、追跡対象となるオブジェクトの移動速度が特に制限されず、特に、モーションブラーが発生する移動速度でも確実に追跡可能である。この移動速度は、可視・近赤外同光軸カメラとオブジェクトとの距離、可視・近赤外同光軸カメラの撮影画角及び感度、ノイズ量に大きく依存する。例えば、時間解像度が30フレーム/秒の場合、移動速度が100km/hを超えたあたりで、モーションブラーが多くなる。
前記した各実施形態では、オブジェクト追跡装置を独立したハードウェアとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、オブジェクト追跡装置は、コンピュータが備えるCPU、メモリ、ハードディスク等のハードウェア資源を、前記した各手段として協調動作させるオブジェクト追跡プログラムで実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布してもよく、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布してもよい。
本発明は、フェンシング等のスポーツシーンの映像解析に利用することができる。また、本発明は、映画、ゲームやドラマの制作にも利用することができる。さらに、本発明は、工業やセキュリティシステムにも利用することができる。
30,30B オブジェクト追跡装置
311 赤外光検出部
313 軌跡生成部
315 剣先方向識別部(オブジェクト方向識別部)
317 位置予測部
319 履歴データ生成部
331 履歴データ補間部
333 遅延時間判定部
335 消去判定部(検出成功回数判定部)
337 選手判定部(第2オブジェクト判定部)
351 可視画像蓄積部(可視画像遅延部)
353,353B 軌跡描画部
355 識別信号生成部

Claims (3)

  1. 赤外光マーカを付けて移動する1以上のオブジェクトを赤外光で撮影した赤外画像と、前記オブジェクトを可視光で撮影した可視画像とを用いて、前記オブジェクトを追跡するオブジェクト追跡装置であって、
    前記赤外画像から前記赤外光マーカの領域を赤外光候補領域として抽出し、予め設定した面積及び形状特徴量の範囲内の前記赤外光候補領域を、予め設定した前記オブジェクトの数だけ前記赤外光候補領域の面積が広い順に赤外光領域として検出する赤外光検出部と、
    前記赤外画像に前記オブジェクトを追跡した軌跡が存在しない場合、検出した前記赤外光領域を新たな前記軌跡として生成し、前記赤外画像に前記軌跡が存在する場合、前記赤外光マーカの予測位置を中心とした探索範囲内で前記予測位置に最も近い赤外光領域を、存在する前記軌跡に接続する軌跡生成部と、
    位置予測アルゴリズムにより、前記検出した赤外光領域の位置から、次の前記赤外画像における前記赤外光マーカの予測位置及び探索範囲を算出する位置予測部と、
    前記軌跡毎に、軌跡生成からの経過時間、前記赤外光領域の検出成否、及び、前記赤外光領域の検出位置を表した履歴データを生成する履歴データ生成部と、
    前記軌跡毎に、前記履歴データの経過時間が予め設定した遅延時間を超えるか、及び、前記経過時間が前記遅延時間に等しいかを判定する遅延時間判定部と、
    前記経過時間が前記遅延時間に等しい場合、前記履歴データの検出成否に基づいて前記軌跡生成からの検出成功回数を算出し、算出した前記検出成功回数が予め設定した閾値以上であるか否かを判定する検出成功回数判定部と、
    前記赤外画像と同一光軸及び同一画素数の前記可視画像を前記遅延時間だけ遅延させる可視画像遅延部と、
    遅延させた前記可視画像に対して、前記経過時間が前記遅延時間を超える軌跡と、前記検出成功回数が前記閾値以上の軌跡とを前記履歴データの検出位置に描画する軌跡描画部と、
    を備えることを特徴とするオブジェクト追跡装置。
  2. 前記抽出した赤外光領域に基づいて前記可視画像に可視光領域を設定し、設定した前記可視光領域の画像特徴量を算出し、算出した前記画像特徴量の機械学習により予め設定した前記オブジェクトの方向を識別するオブジェクト方向識別部、をさらに備え、
    前記履歴データ生成部は、前記履歴データに前記オブジェクトの方向を付加し、
    前記履歴データのオブジェクト方向を多数決することで前記オブジェクトに対応する第2オブジェクトを判定し、判定した前記第2オブジェクトを前記軌跡に対応付ける第2オブジェクト判定部、をさらに備え、
    前記軌跡描画部は、前記検出成功回数が前記閾値以上の軌跡を、当該軌跡に対応付けた第2オブジェクト毎に異なる色で描画することを特徴とする請求項1に記載のオブジェクト追跡装置。
  3. コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載のオブジェクト追跡装置として機能させるためのオブジェクト追跡プログラム。
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