JP2021130427A - 車両用ピラー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】中立軸より剛性向上を図る凹ビードの底面部の位置を溶接個所のフランジ部に近づけることにより、側突時に溶接個所のフランジ部に発生する引張応力を低減し、溶接の破断の防止ないし抑制を図る。【解決手段】車両用センターピラー構造10は、長手方向の一部の範囲が荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状とされる長尺形態であり、ハット型断面形状のピラーアウタ部材12と、開口側を閉鎖するピラーインナ部材14とからなり、それぞれのフランジ部28、36は溶接により一体化接合されており、ピラーアウタ部材12の天板部24には長手方向に凹ビード30が形成されている。そして、ピラーアウタ部材12の天板部24に形成される凹ビード30は、その底面部40に稜線42が形成される形状であり、当該稜線42が形成される位置を当該車両用センターピラー構造10全体の中立軸Nより車両内側方向としている。【選択図】図8

Description

本発明は、車両用ピラー構造に関する。特に、自動車等車両の前方から2番目のセンターピラー構造に好適な車両用ピラー構造に関する。
自動車等車両には、車体の建付けのために各種のピラー構造を備える。代表的な車両用ピラー構造として、車両用センターピラー構造がある。車両用センターピラー構造は、自動車の前方から2番目の位置に配設されるピラー構造であることから車両用Bピラー構造とも称される。
車両用センターピラー構造は、車高方向で見て、上下方向に長尺形態で配設されるものであり、車幅方向で見て、相対的に車外方向位置に配設されるピラーアウタ部材と、相対的に車内方向位置に配設されるピラーインナ部材とから構成される。
ピラーアウタ部材は長尺方向に直交する断面形状の基本形態がハット型断面形状に形成されており、その両側には後述するピラーインナ部材のフランジ部と溶接接合されるフランジ部が形成される。ピラーインナ部材はピラーアウタ部材のハット型断面形状の開口側を閉鎖する強度構成部材として配設されており、その両側には前述したピラーアウタ部材のフランジ部と溶接接合されるフランジ部が形成される。そして、ピラーアウタ部材とピラーインナ部材のそれぞれのフランジ部が溶接接合されてセンターピラー構造が構成される。
車両用センターピラー構造は、少なくとも長手方向の一部の範囲が、側面衝突(側突)荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状とされる長尺形態として形成される。通常、この側突荷重はセンターピラー構造の上方部に作用するため、車両用センターピラー構造の上方部の位置が側突荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状とされている。すなわち、車外方向に向けて凸形状の曲率形状として形成される。
そして、かかる凸形状の曲率形状とされるピラーアウタ部材の天板部には、凹ビードが形成されて、ピラーアウタ部材の剛性を高めることが行われている。ピラーアウタ部材の天板部とは、断面ハット型形状の中央部位置の頂上面部を指しており、この中央部位置の頂上面部に長手方向に凹ビード形状を形成することにより、側突時の剛性強化が図られている。
ところで、車両用センターピラー構造におけるピラーアウタ部材とピラーインナ部材のフランジ部の溶接接合箇所は、側突時における側突荷重により荷重が集中するため、溶接接合箇所が破断する(溶接破断という)恐れがある。
このため、当該フランジ部の破断を防止ないし抑制するための各種対策が提案されている。例えば、ピラーアウタ部材の外壁(天板部)とフランジ部までの距離の1/2以内のピラーアウタ部材の側壁に屈曲部を設ける構成が提案されている(下記特許文献1参照)。これにより、側突時に、ピラーアウタ部材の側壁の屈曲部が折れ曲がりの起点となって、ピラーアウタ部材全体が車幅方向内側へ折れ曲がり変形を生じて、フランジ部の溶接個所に荷重が集中するのを避けて、溶接破断を防止ないし抑制している。
特開2018−094964号公報
本発明者は、上述した従来の解決方策と同様に、フランジ部の溶接個所に側突荷重が集中するのを避けることにより、溶接破断の防止ないし抑制を図ることを、他の方策により解決することを目指した。かつ、従来のセンターピラ―構造の剛性を確保した状態で対応することを目指した。
そのため、本発明者は、鋭意検討した結果、側突時においてフランジ部に作用する側突荷重の応力は、車両用センターピラー構造における中立軸の位置により変化することに着目した。かつ、中立軸がフランジ部に近いほどフランジ部の応力は小さくなることに着目した。この中立軸は車両用センターピラー構造の全体の剛性の形成構成により決まるものであるので、剛性を変化できる部位に着目した。車両用センターピラー構造の剛性は稜線の位置により変化するので、本発明者は稜線が形成されるピラーアウタ部材の天板部の凹ビードに着目して対応することにした。
なお、本発明における車両用センターピラー構造における中立軸とは、長手方向に凸形状の曲率形状に形成された長尺構造部材に対して、長手方向の両端部から凸形状を直線形状とする方向に曲げモーメントを加えた場合に生じる、次の状態である。曲げモーメントを加えた場合、断面形状で見て凸形状の外側位置には圧縮応力が生じ、内側位置には引張応力が生じる。この圧縮応力と引張応力の境界が中立軸と称される。したがって、通常、一般的な車両用センターピラー構造においては、ピラーアウタ部材とピラーインナ部材とが溶接接合されるフランジ部の位置は引張応力が生じる位置となっている。
図11は従来の車両用センターピラー構造110の模式断面を線図的に示したものである。車両用センターピラー構造110は、前述もしたように、ハット型断面形状のピラーアウタ部材112と、このピラ―アウタ部材112の開口部を閉鎖するピラーインナ部材114とからなる。そして、両部材112、114のフランジ部128、136をスポット溶接Wして一体化接合する。
図11に示す従来のピラ―アウタ部材112の天板部124にも、浅い深さの凹ビード130が形成されており、凹ビード130の図11で見て底面部140の両側には稜線142L、142Rが形成されている。そして、図11で示される車両用センターピラー構造110全体の中立軸Nは、図11で見て、フランジ部128,136より上方位置で、凹ビード130の底面部140に形成される稜線142L、142Rの位置より下方位置となっている。すなわち、中立軸Nは、図11の上下方向の位置関係で見て、凹ビード130の底面部140に形成される稜線142L、142Rとフランジ部128、136との間の位置となっている。
なお、以上は車両用センターピラー構造を例にして説明したが、他の車両用ピラー構造においても同様である。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、長手方向に凸形状の曲率を有するピラーアウタ部材の天板部に剛性向上を図るため形成される凹ビードを利用して、中立軸を溶接個所のフランジ部に近づけることにより、側突時に溶接個所のフランジ部に発生する引張応力を低減し、フランジ部における溶接の破断の防止ないし抑制を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る車両用ピラー構造は、次の手段をとる。
本発明の第1の発明は、少なくとも長手方向の一部の範囲に荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状とされる長尺形態の車両用ピラー構造であり、当該車両用ピラー構造は、長尺方向に直交する断面形状の基本形態がハット型断面形状のピラーアウタ部材と、前記ピラーアウタ部材のハット型断面形状の開口側を閉鎖するピラーインナ部材とからなり、前記ピラーアウタ部材のフランジ部と前記ピラーインナ部材のフランジ部は溶接により一体化接合されており、当該車両用ピラー構造における前記凸形状の曲率形状とされた前記ピラーアウタ部材のハット型断面形状の天板部には長手方向に凹ビードが形成されている車両用ピラー構造であって、前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードは、その底面部に稜線が形成される形状であり、当該稜線が形成される位置を当該ピラー構造全体により形成される中立軸より車両内側方向としている車両用ピラー構造である。
本発明の第2の発明は、上述した第1の発明の車両用ピラー構造であって、当該車両用ピラー構造における前記凸形状の曲率形状とされる範囲は、当該車両用ピラー構造の上方部位置であり、当該上方部位置に前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードも形成される車両用ピラー構造である。
本発明の第3の発明は、上述した第1の発明又は第2の発明に記載の車両用ピラー構造であって、前記ピラーアウタ部材は高張力鋼板で形成される車両用ピラー構造である。
本発明の第4の発明は、上述した第1の発明〜第3の発明のいずれかの発明の車両用ピラー構造であって、前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの底面部と前記ピラーインナ部材とは溶接により一体的接合されている車両用ピラー構造である。
本発明の第5の発明は、上述した第1の発明〜第4の発明のいずれかの発明の車両用ピラー構造であって、前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの長手方向の形成深さは、中央部位置が最も深く、両側に行くにしたがって浅く徐変形成されている車両用ピラー構造である。
上述した本発明の手段によれば、長手方向に凸形状の曲率を有するピラーアウタ部材の天板部に剛性向上を図るため形成される凹ビードを利用して、中立軸を溶接個所のフランジ部に近づけることにより、側突時に溶接個所のフランジ部に発生する引張応力を低減し、フランジ部における溶接の破断の防止ないし抑制を図ることができる。
本実施形態の車両用センターピラー構造を車外方向から見た斜視図である。 ピラーアウタ部材を車外方向から見た正面図である。 図2に示すピラーアウタ部材の側面図である。 図1及び図2におけるIV-IV線矢視断面を模式的に示す断面図である。 図1及び図2におけるV-V線矢視断面を模式的に示す断面図である。 図1及び図2におけるVI-VI線矢視断面を模式的に示す断面図である。 図1及び図2におけるVII-VII線矢視断面を模式的に示す断面図である。 車両用センターピラー構造の図6に示す模式断面を、説明の便宜上、拡大して示した図である。 第2実施形態の凹ビード形態を線図的に示した模式断面図である。 第3実施形態の凹ビード形態を線図的に示した模式断面図である。 従来の車両用センターピラー構造を線図的に示した模式断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態は、車両用センターピラー構造10の場合である。なお、各図に適宜示す方向表示は、自動車等車両の通常の姿勢状態における方向を示す。矢印FRは車両前方方向、矢印UPは車両上方向、矢印INは車幅方向の内側方向を示す。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として示す。また、図示上、構成部品が左右に存在する場合に、左右の部品を個別に指称する場合は、当該構成部品を示す符号の後尾に、左側の構成部品にはLを付し、右側の構成部品にはRを付して示す。
<車両用センターピラー構造10>
図1は車両用センターピラー構造10を車外方向から見た斜視図を示す。図2は車両用センターピラー構造10を構成するピラーアウタ部材12を車外方向から見た正面図、図3はピラーアウタ部材の側面図を示す。なお、図1の車両用センターピラー構造10は自動車等車両の進行方向左側に設置された構成を示している。上掲の背景技術でも説明したように、自動車等車両の側部には、車体の建付け構造としてピラー構造が配設される。ピラー構造には、自動車の前方から通称Aピラーと称されるフロントピラー構造、通称Bピラーと称されるセンターピラ―構造、通称Cピラーと称されるリヤピラー構造がある。本実施形態のピラー構造は、そのうちBピラーと称される車両用センターピラー構造10である。
図1に示すように、車両用センターピラー構造10は車両上下方向へ延びる長尺状の形態として配設される。そして、車両用センターピラー構造10は車両の側面衝突(側突)時に強度部材として機能する構造部材であるため、剛性が高く構成される。そのため、通常、側突荷重が作用する長尺方向の一部の範囲において、荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状として形成され、剛性向上が図られている。
本実施形態では、図1で示す長尺形態の約上半分の範囲が、車外方向に凸形状の曲率形状の形態に構成されている。すなわち、図1に示すAの範囲がかかる形状に形成された範囲であり、車外方向に突出した湾曲形状に形成されている。この湾曲形状は図3に示すピラーアウタ部材12の側面図に良く示される。
なお、車両用センターピラー構造10の長尺形態の約下半分の範囲は、図3のピラーアウタ部材12の側面図で示すように、直線状の形態構成となっている。この範囲を、図1及び図3にBで示した。
車両用センターピラー構造10は、その車両側面から見た配置構成は、図2のピラーアウタ部材12の配置構成として示すように、ピラーアウタ部材12の下端位置より上端位置が車両後方となる傾斜形状として配設されている。そして、車両用センターピラー構造10は、ピラーアウタ部材12の上端に形成された略T字状の取付部16を介してルーフサイドレール18に接合されている。また、ピラーアウタ部材12の下端に形成された略T字状の取付部20を介してサイドシル22に接合されている。
次に、図8に基づいて、長尺形態に形成される車両用センターピラー構造10の長手方向に直交する断面形状の基本形態を説明する。図8は車両用センターピラー構造10の後述する図6に示す模式断面を、本説明の便宜のために拡大して示す模式線図である。図8に示すように、車両用センターピラー構造10は、車幅方向で見て外側に配設されるピラ―アウタ部材12と、車幅方向で見て内側に配設されるピラーインナ部材14とから構成される。
<ピラーアウタ部材12>
ピラ―アウタ部材12は、基本形態がハット型断面形状に形成されており、図8で見て、上面位置の天板部24と、アウタ側板部26と、アウタフランジ部28とから形成される。アウタ側板部26は天板部24の両端部から下垂して形成されており、図8で見て、左側のアウタ側板部26Lと右側のアウタ側板部26Rとからなる。左側と右側の両アウタ側板部26L、26Rは下方に向けて拡がる形態として形成されている。すなわち、図8で見て、山形状の傾斜形状に形成されている。
アウタフランジ部28はアウタ側板部26の下端部から左右方向に延伸して形成されており、左側のアウタフランジ部28Lと右側のアウタフランジ部28Rとからなる。左側のアウタフランジ部28Lは左側のアウタ側板部26Lの下端に接続して形成され、右側のアウタフランジ部28Rは右側のアウタ側板部26Rに接続して形成される。
ピラ―アウタ部材12は、その剛性を高めるために、本実施形態では高張力鋼板が用いられている。本実施形態では引張強度が980MPaとされている。そして、図8で見て、天板部24の中央位置には凹ビード30を設けて剛性を高めている。この凹ビード30は本実施形態の特徴とする構成であるので、後述において詳述する。
<ピラーインナ部材14>
引き続き、図8に基づいて、ピラーインナ部材14について説明する。ピラーインナ部材14は前述したピラーアウタ部材12のハット型断面形状の開口側を閉鎖する構造部材として配設される。そして、この閉鎖によりピラ―アウタ部材12とピラーインナ部材14により車両用センターピラー構造10の断面構成を閉じ断面形状とする。
ピラーインナ部材14は、基本形態が前述のピラーアウタ部材12とは逆形状の、逆ハット型断面形状に形成されており、図8で見て、底面位置の底板部32と、インナ側板部34と、インナフランジ部36とからなる。インナ側板部34は底板部32の両端部から上方に向けて形成されており、図8で見て、左側のインナ側板部34Lと右側のインナ側板部34Rとからなる。左側と右側の両インナ側板部34L、34Rは上方に向けて拡がる形態として形成されている。すなわち、図8で見て、受皿形状として形成されている。
インナフランジ部36はインナ側板部34の上端部から左右方向に延伸して形成されており、左側のインナフランジ部36Lと右側のインナフランジ部36Rとからなる。左側のインナフランジ部36Lは左側のインナ側板部34Lの上端に接続して形成され、右側のインナフランジ部36Rは右側のインナ側板部34Rに接続して形成される。
ピラーインナ部材14は通常の鋼板で形成されている。本実施形態では引張強度が440MPaで形成されている。そして、ピラーアウタ部材12と同様に底板部32の中央部位置には凹ビード38が形成されている。
ピラーアウタ部材12のアウタフランジ部28とピラーインナ部材14のインナフランジ部36は、重ね合わされて配設されて、スポット溶接Wにより一体化接合している。図8ではスポット溶接W個所を×印で示したが、図1では黒点で示した個所がスポット溶接個所である。図1以外では溶接W個所は×印で示した。
<ピラーアウタ部材12の凹ビード30>
次に、引き続き図8に基づいて、本実施形態が特徴とする構成であるピラーアウタ部材12の天板部24に形成される凹ビード30の構成について説明する。
本実施形態の凹ビード30の凹断面形状の深さは、図11に示す従来の一般的な凹ビード130より深い断面凹形状として形成される。その深さは、図8の図示状態における上下方向で見て、車両用センターピラー構造10の中立軸Nより下方位置となっている。すなわち、凹ビード30の底面部40の位置は、図8の図示状態における上下方向で見て、中立軸Nの位置より下方位置の、ピラーアウタ部材12とピラーインナ部材14が溶接接合される両フランジ部28、36の位置方向とされている。因みに、図11に示す従来の凹ビード130における底面部140の位置は、中立軸Nより上方位置となっている。なお、本実施形態においてビードとは、面状に形成されるひも状の凹凸形状のことを指します。
<稜線42>
そして、凹ビード30の底面部40の図8で見て両側は、稜線42が形成されている。稜線42は左側の稜線42Lと右側の稜線42Rとからなる。稜線42とは二つの面が180度以内の角度で屈曲接続されることにより形成される線であり、かかる稜線接続とすることにより当該部材の剛性を高めることができる。
本実施形態では、凹ビード30の底面部40の面と左側面44Lとの屈曲接続により左側の稜線42Lが形成され、凹ビード30の底面部40の面と右側面44Rとの屈曲接続により右側の稜線42Rが形成される。本実施形態では、左側の稜線42L及び右側の稜線42Rとも略直角の屈曲接続であり、これにより、剛性が非常に高められる。
したがって、本実施形態の凹ビード30の構成によれば、凹ビード30の底面部40の両端部に形成される稜線42の形成位置は、中立軸Nの位置より溶接W接合が行われるアウタフランジ部28及びインナフランジ部36の位置方向とされている。
<中立軸N>
なお、中立軸Nの説明は前述の「発明が解決しようとする課題」のところで説明した通りであるが、更に詳細には、本出願人の出願に係る特開2019−85073号公報にも説明されているので、参照されたい。
<凹ビード30の詳細構成>
本実施形態では、ピラーアウタ部材12の天板部24に形成される凹ビード30は、図1において、長手方向に対して凸形状の曲率形状とされたAの範囲とされている(図1〜図3参照)。Aの範囲は車両用センターピラー構造10における上方部位置であり、この位置において凹ビード30は長手方向に配設されて形成されている。
図1及び図2に示すように、凹ビード30の前後方向(図1及び図2の図示状態で見て左右方向)の形成幅は、上方から下方に向けて徐々に幅広に形成されている。そして、図3に示すように、凹ビード30の形成深さは、長手方向の中央部位置46の範囲が最も深く、両側48、50に行くにしたがって浅く徐変形成されている。符号48の範囲は上方向への徐変を示しており、符号50の範囲は下方向への徐変を示している。いずれの徐変形成も中央部位置46の深い位置から長手方向の端部に向けて徐々に浅くなり、天板部24に接続される。
図4〜図7はピラーアウタ部材12の天板部24に形成される凹ビード30の形成変化状態を模式的に示す断面図である。図4〜図6は図1において凹ビード30が形成された範囲における形成変化状態を示しており、図7は下方部位置の凹ビード30が形成されない位置の形成状態を示している。そして、図4は図1のIV-IV線矢視断面、図5は図1のV-V線矢視断面、図6はVI-VI線矢視断面、図7は図1のVII-VII線矢視断面を示している。
凹ビード30が形成された範囲の断面を示す図4〜図6における凹ビード30の底面部40の位置は、いずれも中立軸Nより下方位置となっている。すなわち、底面部40の両側に形成される稜線42の位置は中立軸Nより下方位置となっている。これにより、凹ビード30が形成された範囲の中立軸Nより下方位置の剛性は強く形成される。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。図9は第2実施形態の車両用センターピラー構造10の断面を模式的に示す。第2実施形態は、ピラーアウタ部材12に形成される凹ビード30と、ピラーインナ部材14に形成される凹ビード38とを重ね合わせた配設として、スポット溶接Wにより一体化接合した構成としたものである。より詳細には、凹ビード30の底面部40と凹ビード38の上面部52とを重ね合わせた形態として、重ね合わせ箇所を溶接により一体化接合したものである。かかる構成とすることにより、車両用センターピラー構造10の剛性を一層高めることができる。なお、上述した実施形態と実質的に同一構成箇所には、同じ符号を付して示すことにより、詳細説明は省略した。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態を説明する。図10は第3実施形態の車両用センターピラー構造10の断面を模式的に示す。第3実施形態は、ピラーアウタ部材12に形成される凹ビード30の底面部40の形状に特徴を有する。その特徴構成は、底面部40の図10で見て中央部位置に、上方に突出した凸ビード54を更に形成した構成である。この凸ビード54の形成により、いわゆる稜線の形成数は上述した実施形態の2個の稜線42L、42Rに加えて、更に4個の稜線56a、56b、56c、56dが追加された構成となる。これにより、車両用センターピラー構造10の剛性を一層高めることができる。
なお、第3実施形態において、追加されて形成される4個の稜線56a、56b、56c、56dの位置も、図10で見て、中立軸Nより下方位置となっている。なお、第3実施形態においても、上述した実施形態と実質的に同一構成箇所には、同じ符号を付して示すことにより、詳細説明は省略した。
<本実施形態の作用効果>
本実施形態によれば、先ず、従来設定されていたピラーアウタ部材12の天板部24に形成される凹ビード30により、従来同様に、ピラーアウタ部材12の剛性の向上を図ることができる。
そして、当該凹ビード30により形成される稜線42の位置が、中立軸Nよりピラーアウタ部材12とピラーインナ部材14が溶接接合されるフランジ部位置28、36方向とされていることにより、側突時にフランジ部28、36に作用する引張応力の低減を図ることができる。その結果、フランジ部28、36の溶接の破断の防止ないし抑制を図ることができる。
なお、本実施形態では、凹ビード30は車両用センターピラー構造10の上下方向の上方位置に形成されており、かかる位置は長手方向に凸形状の曲率形状とされているので、側突時に効果的に機能する。
<その他の実施形態>
以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明は、その他各種の形態でも実施できる。
例えば、上記実施形態は車両用センターピラー構造10の場合であった。しかし、自動車等車両における前方から一番目のAピラー構造や、3番目のCピラー構造にも適用可能である。
また、上記実施形態における凸形状の曲率形状に構成される範囲は、上方部の範囲であったが、長手方向の全体を凸形状に形成する構成であってもよい。そして、かかる場合には、天板部24に形成する凹ビード30も全範囲に形成してもよい。また、凸形状の曲率形状に形成されない個所に凹ビード30を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、ピラーアウタ部材12は高張力鋼板で形成したが、通常の一般的な鋼板であってもよい。
また、上記実施形態におけるピラーアウタ部材12の天板部24に形成する凹ビード30の長手方向の形成深さは、中央部位置が最も深く、両側に行くにしたがって浅く徐変形成されている。しかし、成形が可能であれば、凹ビード30の長さ全範囲にわたって同じ形成深さとする構成であってもよい。
<「課題を解決するための手段」に記載した各発明の作用効果>
なお、最後に上述の「課題を解決するための手段」における各発明に対応する上記実施形態の作用効果を付記しておく。
先ず、第1の発明によれば、ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードは、その底面部に稜線が形成される形状となっている。凹ビードは稜線の構成により剛性の向上が図られる。
そして、第1の発明によれば、当該稜線が形成される位置を、ピラー構造全体により形成される中立軸の位置より車両内側方向としている。このように凹ビードの稜線が形成される位置を中立軸より車両内側方向とすることにより、側突時にピラーアウタ部材とピラーインナ部材とのフランジ接合部に作用する引張応力を低減することができる。その結果、フランジ接合部の溶接個所の破断の防止ないし抑制を図ることができる。
次に、第2の発明によれば、車両用ピラー構造における凸形状の曲率形状とされる範囲は、上方部位置であり、この上方部位置においてピラーアウタ部材の天板部に凹ビードが形成される。側突時における側突荷重は一般的に車両用ピラー構造の上方部位置に作用するので、車両の側突に効果的に機能する。
次に、第3の発明によれば、ピラーアウタ部材は高張力鋼板で形成される。高張力鋼板におけるスポット溶接では、引張応力が大きいといわゆるHAZ破断の問題が生じる。本発明によれば、ピラーアウタ部材の剛性を高めるために高張力鋼板を用いる場合でも、高張力鋼板の溶接個所に働く引張応力を小さくできることから、HAZ破断を防止ないし抑制することができる。
次に、第4の発明によれば、ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの底面部とピラーインナ部材とは溶接により一体接合されて構成される。これにより、凹ビードの剛性向上を図ることができる。
次に、第5の発明によれば、ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの形成深さは、中央部位置が最も深く、両側に行くにしたがって浅く徐変形成される。これにより、凹ビードを形成するピラーアウタ部材の天板部の成形性が良くなる。すなわち、凹ビードの成形は割れ易いが、割れの防止ないし抑制を図ることができる。
10 車両用センターピラー構造(車両用ピラー構造)
12 ピラーアウタ部材
14 ピラーインナ部材
16 取付部
18 ルーフサイドレール
20 取付部
22 サイドシル
24 天板部
26 アウタ側板部
26L 左側のアウタ側板部
26R 右側のアウタ側板部
28 アウタフランジ部
28L 左側のアウタフランジ部
28R 右側のアウタフランジ部
30 凹ビード(ピラーアウタ部材12に形成される)
32 底板部
34 インナ側板部
34L 左側のインナ側板部
34R 右側のインナ側板部
36 インナフランジ部
36L 左側のインナフランジ部
36R 右側のインナフランジ部
38 凹ビード(ピラーインナ部材14に形成される)
40 底面部
42 稜線
42L 左側の稜線
42R 右側の稜線
44L 左側面(凹ビード30に形成される)
44R 右側面(凹ビード30に形成される)
46 中央部位置(凹ビード30の長手方向の)
48 両側(中央部位置46の長手方向の)
50 両側(中央部位置46の長手方向の)
52 上面部
54 凸ビード
56a〜d 稜線
A 凸形状の曲率形状の範囲
N 中立軸
W 溶接

Claims (5)

  1. 少なくとも長手方向の一部の範囲に荷重が作用する方向に対して凸形状の曲率形状とされる長尺形態の車両用ピラー構造であり、当該車両用ピラー構造は、長尺方向に直交する断面形状の基本形態がハット型断面形状のピラーアウタ部材と、前記ピラーアウタ部材のハット型断面形状の開口側を閉鎖するピラーインナ部材とからなり、前記ピラーアウタ部材のフランジ部と前記ピラーインナ部材のフランジ部は溶接により一体化接合されており、当該車両用ピラー構造における前記凸形状の曲率形状とされた前記ピラーアウタ部材のハット型断面形状の天板部には長手方向に凹ビードが形成されている車両用ピラー構造であって、
    前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードは、その底面部に稜線が形成される形状であり、当該稜線が形成される位置を当該ピラー構造全体により形成される中立軸より車両内側方向としている車両用ピラー構造。
  2. 請求項1に記載の車両用ピラー構造であって、
    当該車両用ピラー構造における前記凸形状の曲率形状とされる範囲は、当該車両用ピラー構造の上方部位置であり、当該上方部位置に前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードも形成される車両用ピラー構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用ピラー構造であって、
    前記ピラーアウタ部材は高張力鋼板で形成される車両用ピラー構造。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかの請求項に記載の車両用ピラー構造であって、
    前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの底面部と前記ピラーインナ部材とは溶接により一体的接合されている車両用ピラー構造。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかの請求項に記載の車両用ピラー構造であって、
    前記ピラーアウタ部材の天板部に形成される凹ビードの長手方向の形成深さは、中央部位置が最も深く、両側に行くにしたがって浅く徐変形成されている車両用ピラー構造。
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