JP2020026151A - 車体骨格部材 - Google Patents

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俊助 金谷
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Abstract

【課題】フランジ部が受ける面内引張荷重を軽減し、スポット溶接部の破断を抑制することができる車体骨格部材を得る。【解決手段】センタピラー10は、両上下方向又は車両前後方向に延在されて車両側部の骨格の一部を構成し、延在方向に略垂直な断面内に曲げ中立軸N1を有するアウタパネル12と、アウタパネル12の車幅方向内側に配置されると共に延在方向に略垂直な車両前後方向又は車両上下方向両端に設けられたフランジ部14A、14Bがアウタパネル12と溶接されたインナパネル14と、を有する閉断面構造の本体部16と、本体部16の延在方向中間部に設けられ、インナパネル12に設けられた追加部材20、22を備えることにより、追加部材20、22を備えない場合に比べて曲げ中立軸N1がフランジ部側に変位されている曲げ中立軸変位部18と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車体骨格部材に関する。
特許文献1には、アウタパネルとインナパネルとをフランジ部同士で接合して形成された閉断面内に補強部材が配設されたセンタピラーが開示されている。この補強部材は、互いに離間して複数設けられた凸状部と、凸状部の間に形成された平板状部とで蛇腹状に形成されている。ここで、凸状部の頂部がインナパネルの中腹部に接合されることで折れ変形を抑制すると共に、平板状部がアウタパネル及びインナパネルのフランジ部間に介在して接合されることで断面潰れ現象が抑制されるというものである。
特開2012−126166号公報
富士本博紀、外3名、「高張力鋼板スポット溶接継手の面内引張試験での強度と伸びに及ぼすHAZ軟化の影響」、溶接学会論文集、2016年、第34巻、第4号、p.285−294
ところで、軽量化及び高強度化のためにホットスタンプ材(熱間成形材)などのハイテン材(高張力鋼板)で車体骨格部材を形成した場合、スポット溶接部において熱影響部(Heat Affected Zone、HAZ)が軟化することが知られている。特に、引張強度が1180MPa以上のハイテン材においては、このHAZ軟化部の面内引張強度が母材よりも低下する現象が報告されている(非特許文献1)。また、ナゲット部の靭性低下により、ナゲット部の強度が低下する現象も知られている。このため、ハイテン材で形成された車体骨格部材においては、スポット溶接部が面内引張荷重を受けた際のHAZ軟化部における破断やナゲット内破断を抑制することが求められる。
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成をハイテン材で形成された車両側部の骨格部材に適用しようとすると、側面衝突時等に車体骨格部材に曲げ変形が生じて車幅方向内側に引張荷重が作用した場合に、曲げ中立軸(圧縮ひずみも引張りひずみも生じない中立面と車体骨格部材の横断面とが交わる線)とフランジ部との距離を考慮していないことから、この距離が大きい場合にはフランジ部のスポット溶接部が受ける面内引張荷重が大きくなり、母材強度よりも低い応力でスポット溶接部の破断が生じる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、アウタパネルとインナパネルとで構成された閉断面構造の車体骨格部材におけるフランジ部が受ける面内引張荷重を軽減し、スポット溶接部の破断を抑制することができる車体骨格部材を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車体骨格部材は、車両上下方向又は車両前後方向に延在されて車両側面の骨格の一部を構成し、延在方向に略垂直な断面内に曲げ中立軸を有するアウタパネルと、前記アウタパネルの車幅方向内側に配置されると共に延在方向に略垂直な車両前後方向又は車両上下方向両端に設けられたフランジ部が前記アウタパネルと溶接されたインナパネルと、を有する閉断面構造の本体部と、前記本体部の延在方向中間部に設けられ、前記インナパネルに設けられた追加部材と、前記アウタパネル又は前記インナパネルの形状が前記本体部の延在方向の他の部分の前記アウタパネル又は前記インナパネルの形状と異なるように構成された形状変更部と、の少なくとも一方を備えることにより、前記追加部材及び前記形状変更部を備えない場合に比べて前記曲げ中立軸が前記フランジ部側に変位されている曲げ中立軸変位部と、を有する。
請求項1に記載の本発明に係る車体骨格部材では、車両上下方向又は車両前後方向に延在されたアウタパネルの横断面内に曲げ中立軸が配置されるように構成され、インナパネルの車両前後方向両端又は車両上下方向両端に設けられたフランジ部がアウタパネルと溶接されて閉断面構造の本体部が構成されている。また、本体部の延在方向中間部には、インナパネルに設けられた追加部材と、アウタパネル又はインナパネルの形状が本体部の延在方向の他の部分と異なるように構成された形状変更部と、の少なくとも一方を備えることで、追加部材及び形状変更部を備えない場合に比べて曲げ中立軸がフランジ部側に変位されている曲げ中立軸変位部が設けられている。ここで、フランジ部は曲げ中立軸よりも車幅方向内側に配置されているため、側面衝突等により曲げ変形が生じた場合には、フランジ部には延在方向に引張荷重が作用するが、曲げモーメントが最大になると予測される本体部の延在方向中間部においては、曲げ中立軸がフランジ部側に変位し、曲げ中立軸とフランジ部との距離が小さくなるように設定されている。これにより、フランジ部に作用する引張荷重が軽減され、スポット溶接部の破断が抑制される。
以上、説明したように、本発明に係る車体骨格部材によれば、アウタパネルとインナパネルとで構成された閉断面構造の車体骨格部材におけるフランジ部が受ける面内引張荷重を軽減し、スポット溶接部の破断を抑制することができる、という優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車体骨格部材としてのセンタピラーの斜視図である。 図1のA線矢視部のセンタピラーの拡大図である。 センタピラーの要部を示す、図2の3−3線断面図である。 第1実施形態の第1変形例に係るセンタピラーの要部を示す横断面図である。 第1実施形態の第2変形例に係るセンタピラーの要部を示す横断面図である。 図5におけるビード部及び補強部を拡大して示す斜視図である。 第2実施形態に係る車体骨格部材としてのセンタピラーの要部を示す、横断面図である。 第2実施形態の変形例に係るセンタピラーの要部を示す横断面図である。 比較例に係るセンタピラーの要部を示す横断面図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係るセンタピラー10について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印RHは車両右側を示している。
図1に示されるように、本実施形態に係るセンタピラー10は、「アウタパネル」としてのセンタピラーアウタパネル12と「インナパネル」としてのセンタピラーインナパネル14とで構成される「本体部」としてのセンタピラー本体部16と、センタピラー本体部16の車両上下方向中間部に設けられた「曲げ中立軸変位部」としての中間部18に接合された一対の「追加部材」としての補強部20、22と、を含んで構成されている。
図2には、図1のA線矢視部のセンタピラー10が拡大して示されている。この図に示されるように、補強部20、22は、中間部18においてセンタピラーインナパネル14の車幅方向内側の面にレーザ溶接等により接合されている。補強部20、22を接合する中間部18のセンタピラー本体部16における車両上下方向の位置は、車両の構造やセンタピラー10の構造から、側面衝突等により生じる曲げモーメントが最大になると予測される位置とされている。
図3は、図2に示されるセンタピラー10の斜視図において3−3線に沿って切断された状態の断面図であり、中間部18の横断面として第1実施形態に係るセンタピラー10の要部が示されている。センタピラーアウタパネル12は、断面が略ハット形状とされ、車両前後方向両端部にそれぞれ設けられるフランジ部12A、12Bと、フランジ部12A、12Bの間に配置される本体部12Cと、を含んで構成されている。
センタピラーアウタパネル12の本体部12Cは、フランジ部12Aの車両後側端部から車幅方向外側に向かって延在する前壁部12C1と、前壁部12C1と対向し、且つフランジ部12Bの車両前側端部から車幅方向外側に向かって延在する後壁部12C2と、を備えている。本体部12Cはさらに、前壁部12C1及び後壁部12C2の車幅方向外側端部からそれぞれ車両前後方向後側及び前側に向かって延在する一対の中間外壁部12C3、12C4と、中間外壁部12C3、12C4よりも車幅方向内側において車両前後方向に延在する中間内壁部12C5と、中間外壁部12C3と中間内壁部12C5とを連結する中間後壁部12C6と、中間内壁部12C5と中間外壁部12C4とを連結する中間前壁部12C7と、を含んで構成されている。
センタピラーインナパネル14は、断面が略ハット形状とされ、車両前後方向両端部にそれぞれ設けられる「フランジ部」としてのフランジ部14A、14Bと、フランジ部14A、14Bの間に配置される本体部14Cと、を含んで構成されている。
センタピラーインナパネル14の本体部14Cは、前壁部14C1と、後壁部14C2と、前壁部14C1及び後壁部14C2の車幅方向外側端部からそれぞれ車両前後方向後側及び前側に向かって延在する一対の中間外壁部14C3、14C4と、中間内壁部14C5と、中間外壁部14C3と中間内壁部14C5とを連結する中間後壁部14C6と、中間内壁部14C5と中間外壁部14C4とを連結する中間前壁部14C7と、を含んで構成されている。
センタピラーアウタパネル12のフランジ部12A、12Bと、センタピラーインナパネル14のフランジ部14A、14Bとは、それぞれ重ね合わされてスポット溶接により接合されている。これにより、センタピラーアウタパネル12とセンタピラーインナパネル14とで閉断面を形成している。
センタピラー10の閉断面内には、センタピラーアウタパネル12の車幅方向内側に沿うようにアウタリインフォースメント24が設けられている。アウタリインフォースメント24は、車幅方向内側に向かって開口したやや開いたコ字状に形成され、前壁部24Aと、前壁部24Aと対向して設けられた後壁部24Bと、前壁部24Aと後壁部24Bとを連結し、車両前後方向に延在する中間壁部24Cと、を含んで構成されている。前壁部24Aと後壁部24Bとは、センタピラーアウタパネル12の前壁部12C1と後壁部12C2とにそれぞれスポット溶接により接合されている。このとき、前壁部24Aと後壁部24Bとに図示しない座面を設けてスポット溶接を行う構成としてもよい。
補強部20、22は、センタピラーインナパネル14の中間外壁部14C3、14C4の車幅方向内側の面にそれぞれ接合されている。これにより、側面衝突等により曲げ変形が生じた場合のセンタピラー10の中間部18における曲げ中立軸N1(圧縮ひずみも引張りひずみも生じない中立面と、センタピラー10の横断面とが交わる線)が、補強部20、22が設けられていない場合の曲げ中立軸N2に比べてフランジ部12A、12B、14A、14B側に変位されている。
一例として、センタピラーアウタパネル12は、板厚が1.8mmのホットスタンプ材により構成され、センタピラーインナパネル14は、440MPaの引張強度を有する板厚が1.2mmのハイテン材により構成されている。また、補強部20、22は、1500MPaの引張強度を有する板厚が3.0mmのハイテン材により構成され、アウタリインフォースメント24は、板厚が2.3mmのホットスタンプ材により構成されている。
<作用及び効果>
次に、第1実施形態に係るセンタピラー10の作用及び効果について、図9に示す比較例と対比しつつ説明する。
図9に示されるように、比較例では、補強部20、22が設けられていない。したがって、曲げ中立軸N2はフランジ部12A、12B、14A、14B側に変位されておらず、フランジ部12A、12B、14A、14Bに作用する引張荷重は軽減されていない。
これに対し、第1実施形態に係るセンタピラー10では、図1〜図3に示されるように、センタピラー本体部16の中間部18においてセンタピラーインナパネル14に補強部20、22が設けられている。このため、補強部20、22が接合されている部分のセンタピラー10の板厚が増し、この部分の剛性が、比較例に比べて増す。これにより、比較例における曲げ中立軸N2に比べて、曲げ中立軸N1がフランジ部12A、12B、14A、14B側に変位している。ここで、フランジ部12A、12B、14A、14Bに作用する面内引張荷重は、曲げ中立軸からの距離が大きくなるほど増大するので、曲げ中立軸N1がフランジ部12A、12B、14A、14B側に変位して曲げ中立軸N1とフランジ部12A、12B、14A、14Bとの距離が小さくなることにより、フランジ部12A、12B、14A、14Bに作用する引張荷重が軽減される。結果として、フランジ部12A、12B、14A、14Bにおけるスポット溶接部の破断が抑制される。このように、第1実施形態に係るセンタピラー10では、大きな設計変更や部材強度の変更を要することなく、且つ車体重量の増加を招くことなくフランジ部12A、12B、14A、14Bにおけるスポット溶接部の破断を抑制することができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
上記第1実施形態においては、補強部20、22は、センタピラーインナパネル14における中間外壁部14C3、14C4の車幅方向内側の面にレーザ溶接等により接合されているものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られない。
例えば、図4に示されるように、「追加部材」としての一対の補強部30、32が、センタピラー本体部16の中間部18においてセンタピラーインナパネル14の前壁部14C1の車両前側の面との後壁部14C2の車両後側の面とにそれぞれレーザ溶接等により接合されていてもよい。
上記変形例によれば、フランジ部12A、12B、14A、14Bよりも車幅方向内側の位置に補強部30、32が設けられているので、曲げ中立軸N1が補強部30、32が設けられない場合の曲げ中立軸N2に比べてフランジ部12A、12B、14A、14B側に移動する。これにより、曲げ中立軸N1とフランジ部12A、12B、14A、14Bとの距離が小さくなり、フランジ部12A、12B、14A、14Bに作用する引張荷重が軽減され、スポット溶接部の破断が抑制される。
なお、補強部30、32を接合する位置は、フランジ部12A、12B、14A、14Bよりも車幅方向内側であれば曲げ中立軸がフランジ部12A、12B、14A、14B側に変位されるので、中間後壁部14C6及び中間前壁部14C7であってもよいし、閉断面内のフランジ部12A、12B、14A、14Bよりも車幅方向内側の位置であってもよい。
また、図5に示されるように、センタピラーインナパネル14における中間外壁部14C3、14C4に車幅方向外側に向かって突出するビード部34、36をそれぞれ設け、ビード部34、36の凹み部内に「追加部材」としての補強部38、40をそれぞれ配置してもよい。この場合、中間外壁部14C3、14C4の車幅方向内側の面と補強部38、40の車幅方向内側の面とが略面一とされてもよい。
図6には、図5に示されるビード部34、36及び補強部38、40を、車室側から見た斜視図が示されている。補強部38、40がビード部34、36の凹み部内に収容されることにより、センタピラー10の車室内側意匠面の凹凸を軽減し、意匠性を向上することができる。
なお、ビード部34、36及び補強部38、40を設ける位置は、フランジ部12A、12B、14A、14Bよりも車幅方向内側であればよい。
また、図1及び図2において補強部20と補強部22とは同じ寸法を有する部材として図示されているが、車両前側のフランジ部12A、14Aと後側のフランジ部12B、14Bとで引張荷重が均等になるように、補強部20と補強部22とを異なる寸法を有する部材としてもよい。補強部30、32及び補強部38、40についても同様である。
[第2実施形態]
以下、図7及び図8を参照して、第2実施形態に係るセンタピラー50について説明する。なお、これらの図では、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、第2実施形態に係るセンタピラー50においては、第1実施形態における補強部20、22は設けられていない。そして、センタピラー50のセンタピラー本体部52の車両上下方向中間部に設けられている「曲げ中立軸変位部」としての中間部54において、センタピラーインナパネル56は、第1実施形態に係るセンタピラー10のセンタピラーインナパネル14よりも車幅方向の寸法が大きくなるように形状が変更されている。言い換えると、中間部54においては、フランジ部12A、12B、56A、56Bよりも車幅方向内側における閉断面の面積が第1実施形態に係るセンタピラー10よりも大きくなるように設定されている。
具体的には、中間内壁部56C5が第1実施形態における中間内壁部14C5よりも車幅方向内側に配置されている。また、前壁部56C1、後壁部56C2、中間後壁部56C6、及び中間前壁部56C7の車幅方向の寸法が、第1実施形態における前壁部14C1、後壁部14C2、中間後壁部14C6及び中間前壁部14C7よりも大きくなるように設定されて、車幅方向内側に突出する突起の深さ形状が変更されている。したがって、中間外壁部56C3、56C4は、第1実施形態における中間外壁部14C3、14C4よりも車幅方向内側に配置されている。
言い換えると、中間部54におけるセンタピラーインナパネル56の「形状変更部」としての本体部56Cがセンタピラー本体部52の車両上下方向における中間部54以外の部分と異なる形状を有している。これにより、中間部54における図示しない曲げ中立軸は、異なる形状を有さない場合の曲げ中立軸N2と比べてフランジ部12A、12B、56A、56B側に変位されている。
また、中間部54の車両上下方向略中央部において、センタピラーインナパネル56の中間外壁部56C3、56C4には車幅方向内側に突出する「形状変更部」としての一対のビード部58、60が形成されている。ビード部58、60が設けられる車両上下方向の位置は、中間部54のうち、側面衝突等による曲げモーメントが最大になると予測される位置とされている。ビード部58、60が設けられている部位におけるセンタピラーインナパネル56は中間部54の他の部分と異なる形状を有することから、ビード部58、60が形成された部位の曲げ中立軸N3は、中間部54のうちビード部58、60が形成されていない部位の図示しない曲げ中立軸よりもフランジ部12A、12B、56A、56B側に変位されている。
したがって、中間部54における曲げ中立軸は、中間部54のセンタピラーインナパネル56の本体部56Cが中間部54以外の部分と異なる形状を有さない場合の曲げ中立軸N2と比べてフランジ部12A、12B、56A、56B側に変位されている。また、ビード部58、60が形成された部位の曲げ中立軸N3はさらにフランジ部12A、12B、56A、56B側に変位されている。
<作用及び効果>
次に、第2実施形態に係るセンタピラー50の作用及び効果について、図9に示す比較例と対比しつつ説明する。
図9に示されるように、比較例では、センタピラーインナパネル56の形状を変更することにより曲げ中立軸がフランジ部12A、12B、14A、14Bに変位されている部位が設けられていない。したがって、フランジ部12A、12B、14A、14Bに作用する引張荷重は軽減されていない。
これに対し、第2実施形態に係るセンタピラー50では、図7に示されるように、センタピラー本体部52の延在方向中間部に設けられた中間部54におけるセンタピラーインナパネル56が中間部54以外の部分と異なる形状を有する。これにより、フランジ部12A、12B、56A、56Bよりも車幅方向内側の閉断面の面積が比較例よりも大きくなるように構成されている。また、中間部54の車両上下方向略中央部にビード部58、60が設けられている部位では、フランジ部12A、12B、56A、56Bよりも車幅方向内側の断面積がさらに大きくなると共に、剛性が増す。このため、比較例における曲げ中立軸N2に比べて、中間部54における図示しない曲げ中立軸は、フランジ部12A、12B、56A、56B側に変位され、ビード部58、60が形成された部位の曲げ中立軸N3はさらにフランジ部12A、12B、56A、56B側に変位されている。これにより、フランジ部12A、12B、56A、56Bに作用する引張荷重が軽減される。結果として、フランジ部12A、12B、56A、56B4Bにおけるスポット溶接部の破断が抑制される。このように、第2実施形態に係るセンタピラー50では、新たな部材を追加することなくフランジ部12A、12B、14A、14Bの破断を抑制することができる。
<第2実施形態の変形例>
次に、上記第2実施形態の変形例について説明する。
上記第2実施形態においては、中間部54におけるセンタピラーインナパネル56の形状をセンタピラー本体部52の延在方向における中間部54以外の部分のセンタピラーインナパネル56と異なる形状としたが、本発明の実施形態はこれに限られない。
例えば、図8に示されるように、センタピラーインナパネル14は第1実施形態と同様の形状とし、中間部54におけるセンタピラーアウタパネル62の「形状変更部」としての本体部62Cの形状をセンタピラー本体部52の延在方向における中間部54以外の部分と異なる形状としてもよい。
具体的には、センタピラーアウタパネル62の中間後壁部62C6、及び中間前壁部62C7の車幅方向の寸法が第1実施形態における中間後壁部12C6、及び中間前壁部12C7よりも大きくなるように設定されて、車幅方向外側に突出する突起の深さ形状が変更されている。したがって、中間内壁部62C5は、第1実施形態における中間内壁部12C5よりも車幅方向内側に配置されている。また、センタピラーアウタパネル62の形状変更に伴い、アウタリインフォースメント64の中間壁部64Cが車幅方向内側に変位されると共に、前壁部64A及び後壁部64Bの車幅方向の寸法が縮小されている。
このように、中間部54におけるセンタピラーアウタパネル62がセンタピラー本体部52の車両上下方向における中間部54以外の部分と異なる形状を有し、フランジ部62A、62B、14A、14Bよりも車幅方向外側の閉断面の面積が小さくなることにより、また、それに伴いアウタリインフォースメント64の中間壁部64Cが車幅方向内側に変位されることにより、中間部54における図示しない曲げ中立軸は、異なる形状を有さない場合の曲げ中立軸N2と比べてフランジ部62A、62B、14A、14B側に変位される。
また、中間部54の車両上下方向略中央部において、センタピラーアウタパネル62の中間外壁部62C3、62C4には車幅方向内側に突出する「形状変更部」としての一対のビード部66、68が形成されている。ビード部66、68が設けられる車両上下方向の位置は、中間部54のうち、側面衝突等による曲げモーメントが最大になると予測される位置とされている。ビード部66、68が設けられている部位におけるセンタピラーアウタパネル62は中間部の他の部分と異なる形状を有することから、ビード部66、68が形成された部位の曲げ中立軸N3は、中間部54のうちビード部66、68が形成されていない部位の図示しない曲げ中立軸よりもフランジ部62A、62B、14A、14B側に変位されている。
したがって、中間部54における曲げ中立軸は、中間部54のセンタピラーアウタパネル62の本体部62Cが中間部54以外の部分と異なる形状を有さない場合の曲げ中立軸N2と比べてフランジ部62A、62B、14A、14B側に変位されている。また、ビード部66、68が形成された部位の曲げ中立軸N3はさらにフランジ部62A、62B、14A、14B側に変位されている。これにより、曲げ中立軸N3とフランジ部62A、62B、14A、14Bとの距離が小さくなり、フランジ部62A、62B、14A、14Bに作用する引張荷重が軽減され、スポット溶接部の破断が抑制される。
なお、第2実施形態においては、中間部54におけるセンタピラーインナパネル56の車幅方向の寸法が大きくなるように設定してセンタピラー本体部52の車両上下方向における中間部54以外の部分と異なる形状を有することと、中間部54の車両上下方向略中央部にビード部58、60を設けることと、を同時に行う構成としたが、いずれか一方のみにより、センタピラーインナパネル56の形状を変更してもよい。
また、第2実施形態の変形例においても、中間部54におけるセンタピラーアウタパネル62がセンタピラー本体部52の車両上下方向における中間部54以外の部分と異なる形状を有することと、中間部54の車両上下方向略中央部にビード部66、68を設けることと、を同時に行う構成としたが、いずれか一方のみにより、センタピラーアウタパネル62の形状を変更してもよい。
第2実施形態及びその変形例においては、中間部54の車両上下方向略中央部にビード部58、60、66、68を設けるものとしたが、これに限られない。例えば、中間部54の上端から下端まで、ビード部58、60、66、68が延在されていてもよい。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態においては、本発明をセンタピラー10、50に適用するものとして説明したが、これに限られない。例えば、車両側部の骨格を構成するルーフサイドレール、ロッカ、フロントピラー、及びリアピラーなどに適用してもよい。
さらに、第1実施形態、第2実施形態及びこれらの変形例を適宜組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態のようにセンタピラーインナパネル56の形状を変更して車幅方向の寸法を大きく設定すると共に、ビード部58、60の替わりに第1実施形態における補強部20、22をセンタピラーインナパネル56の中間外壁部56C3、56C4に設ける構成としてもよい。
10 センタピラー(車体骨格部材)
12 センタピラーアウタパネル(アウタパネル)
14 センタピラーインナパネル(インナパネル)
14A、14B フランジ部
16 センタピラー本体部(本体部)
18 中間部(曲げ中立軸変位部)
20、22 補強部 (追加部材)
30、32 補強部 (追加部材)
38、40 補強部 (追加部材)
50 センタピラー(車体骨格部材)
52 センタピラー本体部(本体部)
54 中間部(曲げ中立軸変位部)
56 センタピラーインナパネル(インナパネル)
56A、56B フランジ部
56C 本体部(形状変更部)
58、60 ビード部(形状変更部)
62 センタピラーアウタパネル(アウタパネル)
62C 本体部(形状変更部)
66、68 ビード部(形状変更部)
N1、N3 曲げ中立軸

Claims (1)

  1. 車両上下方向又は車両前後方向に延在されて車両側部の骨格の一部を構成し、延在方向に略垂直な断面内に曲げ中立軸を有するアウタパネルと、前記アウタパネルの車幅方向内側に配置されると共に延在方向に略垂直な車両前後方向又は車両上下方向両端に設けられたフランジ部が前記アウタパネルと溶接されたインナパネルと、を有する閉断面構造の本体部と、
    前記本体部の延在方向中間部に設けられ、前記インナパネルに設けられた追加部材と、前記アウタパネル又は前記インナパネルの形状が前記本体部の延在方向の他の部分の前記アウタパネル又は前記インナパネルの形状と異なるように構成された形状変更部と、の少なくとも一方を備えることにより、前記追加部材及び前記形状変更部を備えない場合に比べて前記曲げ中立軸が前記フランジ部側に変位されている曲げ中立軸変位部と、
    を備える車体骨格部材。
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