JP2021129684A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、中空状の金属製のヘッド本体のクラウン部およびサイド部に開口部を設け、それら開口部を繊維強化樹脂製のカバー体で閉じたゴルフクラブヘッドが提案されている。
このゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッドの重心点に近い箇所に小さい比重のカバー体を配置すると共に、重心点から離れた箇所に比重の大きな金属製のヘッド本体の部分を配置することで慣性モーメントの向上が図られている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、慣性モーメントの向上を図りつつ心地よい打球音を得る上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
また、本発明は、前記リブが前記カバー体を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、前記カバー体のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じであることを特徴とする。
また、本発明は、前記リブは、前記カバー体の前記内面から前記ヘッド本体が前記空間に対向する前記ヘッド本体の内面に連続して延在形成され、前記リブは、前記カバー体の前記内面および前記ヘッド本体の前記内面からなる前記ゴルフクラブヘッドの内面の全周の80%以上にわたって延在形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッド本体のうち、前記クラウン部と前記サイド部との境の全長にわたって帯状に延在する境界部が形成され、前記境界部は、前記ヘッド本体を構成する金属材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記境界部のうち、前記第1範囲内の部分は、前記境界部に隣接する前記クラウン部および前記サイド部の肉厚よりも大きな寸法の肉厚で形成された厚肉部で構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド質量は、210g以下であり、前記基準状態で前記ゴルフクラブヘッドの重心点を通り前記水平面に直交する垂直な直線を回転軸とする慣性モーメントの大きさをMI(g・cm2)とするとき、前記慣性モーメントMIが6200g・cm2以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド体積が500cc以下であり、前記ヘッド最大幅Mが130mm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッド本体のうち、前記第1平面と前記第3平面とで区画される第3範囲に位置する部分と、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分との少なくとも一方の部分に、前記第1範囲に位置する部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とが金属材料で形成されその内部が空間とされる中空状のヘッド本体と、前記クラウン部、前記サイド部、前記ソール部の少なくとも1箇所に形成された開口部を前記ヘッド本体の外側から閉塞する繊維強化樹脂材料からなるカバー体と、を備える中空状のゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、前記基準状態で、前記水平面および前記フェース中心基準断面と直交しリーディングエッジ26に当接する平面を第1平面とし、前記第1平面と平行し前記フェースバックの外面に当接する平面を第2平面としたとき、前記第1平面と前記第2平面との距離をヘッド最大幅とし、前記第1平面と前記第2平面とを結ぶ寸法の1/2の位置で前記第1平面および前記第2平面と平行する平面を中心面とし、前記中心面から前記フェース部側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第3平面とし、前記中心面から前記フェースバック側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第4平面としたとき、前記第3平面と前記第4平面とで区画された第1範囲内に前記カバー体が位置し、前記ヘッド本体のうち、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分に、前記第4範囲を除く残りの部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッド本体のうち前記第4範囲に位置する部分の比重を後部比重Gaとし、前記ヘッド本体のうち前記第1平面と前記第3平面とで区画された第3範囲に位置する部分の比重を前部比重Gbとし、前記ヘッド本体のうち前記第1範囲に位置する部分の比重を中間部比重Gcとしたとき、以下の式(1)が満たされることを特徴とする。
Ga>Gb>Gc……(1)
さらに、カバー体よりも剛性が高いリブによってカバー体を支持することでカバー体を補強し、これにより、カバー体の剛性および弾性率を高めたのと同様の効果を発揮することができる。
したがって、金属材料からなるヘッド本体よりも剛性、弾性率が低いカバー体で開口部を閉塞する構造であるにも拘らず、打球時に発生する打球音を高音とすることができ、心地よい打球音を得る上で有利となる。
また、本発明によれば、比重の軽いカバー体がゴルフクラブヘッドの重心点から近い箇所に配置されると共に、カバー体よりも比重の重い材料で形成された大比重部が重心点から遠い箇所に配置されることにより、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントMIを確保でき、打球の方向性の向上を図る上で有利となる。
さらに、打球時の振動起点となるフェース部から最も離れたフェースバック寄りの箇所に大比重部を設けたので、打球時に発生する振動がヘッド本体の部分を介して重量物である大比重部に伝わる過程において、いわゆる、マスダンパー機能と同様の作用が発生し、振動が減衰され、振動のうち、より低周波数の振動成分が減衰されやすくなることから、打球音は低音の成分が減衰される一方、高音の成分はそれほど減衰されない。
したがって、金属材料からなるヘッド本体よりも剛性、弾性率が低いカバー体で開口部を閉塞する構造であるにも拘らず、打球時に発生する打球音を高音とすることができ、心地よい打球音を得る上で有利となる。
次に本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図8に示すように、本実施の形態において、ゴルフクラブヘッド10は、中空のウッド型ゴルフクラブヘッド(ドライバー)であり、ヘッド本体12と、カバー体46(図2)とを備えている。なお、図3ではカバー体46の図示を省略した。
前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。
ヘッド本体12は、フェース部14と、クラウン部16と、ソール部18と、サイド部20とを含んで構成されている。
フェース部14は、上下の高さを有して左右に延在している。
クラウン部16は、フェース部14の上部から後方に延在している。
ソール部18は、フェース部14の下部から後方に延在している。
サイド部20は、クラウン部16とソール部18の間でフェース部14のトウ22側縁とヒール24側縁との間をフェースバック28を通って延在している。
図4に示すように、ヘッド本体12は、フェース部14とクラウン部16とソール部18とサイド部20で囲まれた内部が空間13とされ中空状(中空構造)を呈している。
フェース部14の外側に露出する外面がボールを打撃するフェース面14Aであり、フェース部14の空間13に面した内面がフェース内面14Bとなっている。
クラウン部16の外側に露出する外面がクラウン面16Aであり、クラウン部16の空間13に面した内面がクラウン内面16Bである。
ソール部18の外側に露出する外面がソール面18Aであり、ソール部18の空間13に面した内面がソール内面18Bである。
サイド部20の外側に露出する外面がサイド面20Aであり、サイド部20の空間13に面した内面がサイド内面20Bである。
なお、以下では、クラウン面16A、ソール面18A、サイド面20Aを総称してヘッド本体12の外面といい、クラウン内面16B、ソール内面18B、サイド内面20Bを総称してヘッド本体12の内面という。
図中、符号26はリーディングエッジを示す。
境界部30は、ヘッド本体12の外面よりもカバー体46の厚さTc分ヘッド本体12の内部に変位した箇所に設けられている。
本実施の形態では、クラウン部16に第1開口部32Aが形成され、トウ22側のサイド部20からトウ22側のソール部18にわたって第2開口部32Bが形成され、ヒール24側のサイド部20からヒール24側のソール部18にわたって第3開口部32Cが形成されている。
すなわち、第1開口部32Aと第2開口部32Bとがトウ22側の境界部30で分離され、第1開口部32Aと第3開口部32Cとがヒール24側の境界部30で分離されている。
そして、各開口部32A〜32Cは後述する2つのカバー体46によって閉塞される。
図4〜図8に示すように、各開口部32A〜32Cの縁部に沿って後述するカバー体46を取り付ける取り付け部34が形成されている。
図5,図10に示すように、取り付け部34は、縦板部36と、横板部38と、境界部30とを備え、ヘッド本体12の内側に窪む凹部状に形成されている。
縦板部36は、ヘッド本体12の外面からヘッド本体12の内側にカバー体46の厚さTc分突出している。
横板部38は、縦板部36の先端に接続され、したがって、ヘッド本体12の外面からヘッド本体12の内側にカバー体46の厚さTc分変位した箇所で、各開口部32A〜32Cのフェース部14側、および、フェースバック28側の縁部に沿って延在している。
境界部30は、トウ22側、ヒール24側において、フェース部14側およびトウ22側の横板部38を接続している。
したがって、カバー体46が縦板部36の内側にはまり込んで各開口部32A〜32Cを閉塞した状態で、カバー体46が外側に露出するカバー体46の外面とヘッド本体12の外面との段差を生じないように図られている。
リブ40の長さは後述するように規定されるが、図9(A)に示す例では、リブ40は、ヘッド本体12の内面の全周にわたって形成されている。
具体的に説明すると、図5〜図8に示すように、リブ40は、第1開口部32Aを横切る第1リブ部40Aと、第2開口部32Bを横切る第2リブ部40Bと、第3開口部32Cを横切る第3リブ部40Cと、ソール部18の内面に沿って延在する第4リブ部40Dと、トウ22側およびヒール24側の境界部30の部分に設けられた第5リブ部40Eとを含んで構成されている。
また、本実施の形態では、第1リブ部40A、第2リブ部40B、第3リブ部40C、第4リブ部40D、第5リブ部40Eは、ヘッド本体12を構成する金属材料と同一の金属材料で形成されている。
支持壁部42は、第1〜第3リブ部40A〜40Cにおいては、カバー体46が空間13に対向するカバー体46の内面に重ね合わされる箇所であり帯板状を呈している。また、支持壁部42は第4リブ部40Dにおいてはソール部18のソール内面18Bに接合される箇所であり帯板状を呈している。また、支持壁部42は第5リブ部40Eにおいては境界部30の部分で形成されている。
カバー体46の内面に重ね合わされる支持壁部42の外面は、ヘッド本体12の外面よりもカバー体46の厚さTc分ヘッド本体12の内部に変位した箇所に設けられている。
したがって、第1リブ部40Aと境界部30とが交差する箇所では、支持壁部42の外面と境界部30の外面とが同一面上に位置し、第2リブ部40Bと境界部30とが交差する箇所では、支持壁部42の外面と境界部30の外面とが同一面上に位置し、第3リブ部40Cと境界部30とが交差する箇所では、支持壁部42の外面と境界部30の外面とが同一面上に位置している。
また、境界部30と横板部38とが交差する箇所では、支持壁部42の外面と横板部38の外面とが同一面上に位置している。
補強壁部44は、支持壁部42の延在方向と直交する幅方向の中央で支持壁部42が空間13に対向する支持壁部42の内面から支持壁部42の全長にわたって空間13側に突出している。
リブ40の高さHは、2mm以上10mm以下である。
ここでリブ40の高さHは、カバー体46の内面およびソール部18の内面に重ね合わされる支持壁部42の面から補強壁部44の先端までの寸法であり、また、境界部30の外面から補強壁部44の先端までの寸法である。
また、支持壁部42および補強壁部44の厚さDは、0.5mm以上3mm以下である。
また、リブ40の幅W、すなわち、支持壁部42の幅Wは、2mm以上10mm以下である。
高さH、厚さD、幅Wがそれぞれ下限値を下回ると、リブ40によって後述するカバー体46およびヘッド本体12の強度、剛性を高める効果が低く打球音を高音とする効果が低下する。
また、高さH、厚さD、幅Wがそれぞれ上限値を上回ると、リブ40の重量が重くなりすぎて、ヘッド本体12の軽量化を図る効果が低下する。
また、カバー体46の材料は、本体12の比重より軽いものであれば良く、金属であれば、マグネシウム合金、アルミ合金、チタン合金なども使用可能である。
なお、繊維強化樹脂材料の場合、繊維強化樹脂は繊維方向と繊維直交方向で強度が異なる異方性を有しているため、繊維方向を互いに異ならせた複数の層を積層させることでなるべく強度が等方性に近づくように構成され、カバー体46の強度、剛性の向上が図られている。
カバー体46は、均一の肉厚で形成されることが一般的だが偏肉でも良い。
カバー体46は、第1〜第3開口部32A〜32Cを閉塞した状態でヘッド本体12の外面と連続する形状で形成され、したがって、ヘッド本体12の外面とカバー体46の外面とによって、ゴルフクラブヘッド10の外面が構成されている。
図2に示すように、ヘッド本体12のクラウン部16側において、トウ側カバー体46Aとヒール側カバー体46Bとは、フェース部14とフェースバック28とを結ぶ方向に沿って延在するカバー接合部47を介して接合されている。
なお、トウ側カバー体46Aとヒール側カバー体46Bとが一体的に構成されていてもよいことは無論である。
カバー体46は、その内面がヘッド本体12の外側から取り付け部34の横板部38の外面および境界部30の外面、リブ40の支持壁部42の外面に重ね合わされ、カバー体46が縦板部36の内側にはまり込んで各開口部32A〜32Cを閉塞した状態で、接着やカシメなど従来公知の結合方法で取り付け部34および各リブ40の支持壁部42に取り付けられ(一体的に結合され)、これによりゴルフクラブヘッド10が組み立てられる。そして、ヘッド本体12の外面およびカバー体46の外面には適宜塗装がなされ、デザイン性が高められる。
フェース面14Aの中心点Pcは、フェース面14Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
フェース面14Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面14Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面14Aが明瞭に定義されることになる。
図11〜図14はフェース面14Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
すなわち、図11に示すように、トウ22およびヒール24を結ぶ水平面HPと平行な線(以下水平線という)の概略中心点と交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面14Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面14Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(4)次に図13に示すように水平線g0とフェース面14Aのトウ22側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面14Aのヒール24側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面14Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面14Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面14Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ22−ヒール24方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
次に、フェース面14Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面14Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面14Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図16に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面14A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面14Aの中心点Pcから外方向(図17における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面14Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた範囲が、図16、図17に示すように、フェース面14Aとして定義される。
直線LTは、フェース面14Aのトウ22側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面14Aのヒール24側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面14Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面14Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
次に、ゴルフクラブヘッド10の各部の規定について詳細に説明する。
まず、ゴルフクラブヘッド10のフェース中心基準断面Pfcについて規定する。
図1〜図3に示すように、ゴルフクラブヘッド10を水平面HPに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態とする。
図1に示すように、フェース面14Aの中心点Pcを通る法線を含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面をフェース中心基準断面Pfcとする。言い換えると、フェース中心基準断面Pfcは、基準状態において、フェースセンターラインCLを含みかつ水平面HPと直交する平面Xでヘッド本体12を破断した断面である。
図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、水平面HPおよびフェース中心基準断面Pfcと直交しリーディングエッジ26に当接する平面を第1平面P1とする。
なお、図4では、ソール部18側に位置するカバー体46を図示するため、フェース中心基準断面Pfcに対してトウヒール方向に変位した箇所の断面を示している。
第1平面P1と平行しフェースバック28の外面に当接する平面を第2平面P2とする。
ヘッド本体12を平面視したときに、第1平面P1と第2平面P2との距離をヘッド最大幅Mとする。
第1平面P1と第2平面P2とを結ぶ寸法の1/2の位置で第1平面P1および第2平面P2と平行する平面を中心面P0とする。
中心面P0からフェース部14側にヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で中心面P0と平行する平面を第3平面P3とする。
中心面P0からフェースバック28側にヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で中心面P0と平行する平面を第4平面P4とする。
第3平面P3と第4平面P4とで区画された範囲を第1範囲A1とする。
中心面P0と平行しカバー体46の最もフェース部14寄りの縁部を通る平面を第5平面P5とする。
中心面P0と平行しカバー体46の最もフェースバック28寄りの縁部を通る平面を第6平面P6とする。
第5平面P5と第6平面P6とで区画された範囲を第2範囲A2とする。
カバー体46が第1範囲A1内に位置していると、後述するゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを確保する上で有利となる。
これは、重心点G0から近い箇所に比重が軽いカバー体46が位置し、重心点G0から遠い箇所に比重が重いヘッド本体12の部分が位置するためである。
一方、カバー体46が第1範囲A1外に位置していると、慣性モーメントMIを確保する上で不利となる。
これは、重心点G0から遠い箇所に比重が軽いカバー体46が位置し、重心点G0から近い箇所に比重が重いヘッド本体12の部分が位置するためである。
なお、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIの測定方法については後述する。
このようにすることで、リブ40によってカバー体46が補強され、カバー体46の強度、剛性が高められることから打球音が高音となりやすく、心地よい打球音を得る上で有利となる。
また、第2範囲A2のほぼ中央位置とは、以下のように規定される。
すなわち、第2範囲A2の寸法をαとし、第2範囲A2の中央位置βからフェース部14方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第7平面P7とし、第2範囲A2の中央位置からフェースバック28方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第8平面P8とすると、第7平面P7と第8平面P8とで区画される第5範囲A5を第2範囲A2のほぼ中央位置と規定する。
なお、本実施の形態では、クラウン部16側における第2範囲A2と、ソール部18側における第2範囲A2の位置が一致した場合について説明したが、クラウン部16側とソール部18側とでそれら2つの第2範囲A2の位置が一致しない場合は、少なくとも一方の第2範囲A2のほぼ中央位置(第5範囲A5)にリブ40が形成されていればよい。
すなわち、図38を流用して説明すると、図38(A)に示すように、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法(Lth1+Lth2+Lth3)は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長(Lc1)の70%以上あることが好ましい。
すなわち、ソール部18に設けられたリブ40が、カバー体46を支持している部分とカバー体を支持していない部分に分かれる場合は、カバー体46を支持していない部分のリブ40は、カバー体46を支持している部分のリブ40とは別に扱われ、トウヒール方向の寸法の全長に対するリブ40の割合の計算に含まれない。
図38(B)に示すように、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法(Lth1+Lth2+Lth3)が、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長(Lc1)の70%未満であると、カバー体46の強度、剛性を確保する効果が低下し、打球音を高音にする効果が低下する。
これは、リブ40によってカバー体46とヘッド本体12の双方の強度、剛性が高められるからである。
したがって、リブ40の長さがゴルフクラブヘッド10の内面の全周の80%を下回ると、カバー体46とヘッド本体12の双方の強度、剛性を確保する効果が低下し、打球音を高音にする効果が低下する。
なお、実際のゴルフクラブヘッド10の形状では、クラウン部16とサイド部20との間の境界部30の部分において、ヘッド本体12の内面の曲面の曲率が局所的に大きくなることから、製造上リブ40を形成することは難しい場合がある。そのため、リブ40をゴルフクラブヘッド10の内面の全周の100%にわたって形成できない場合もある。
したがって、境界部30は、その延在方向の中間で分断されることがないように形成されている。
このようにクラウン部16とサイド部20との境の全長にわたって境界部30が形成されることにより、ヘッド本体12の強度、剛性が確保されるため、ヘッド本体12の強度、剛性が高められ、打球音を高音にする上でより有利となる。
なお、境界部30の幅は、1mm以上であることがヘッド本体12の強度、剛性が高める上で有利であり、境界部30の幅が1mm未満であると、ヘッド本体12の強度、剛性を高める効果が低下する。
これは、重心点G0からなるべく離れた箇所に重量を有する部分を配置することで慣性モーメントMIを確保する上で有利となるためである。
なお、厚肉部31の厚さは、1mm以上あればよく、2mm以上5mm以下であればより好ましい。
厚肉部31の厚さが2mm以上5mm以下であれば、ゴルフクラブヘッド10の重量増を抑制しつつゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを確保し、また、ヘッド本体12の強度、剛性を確保する上でより有利となる。
厚肉部31の厚さが上記範囲を下回ると、上記効果が低下し、厚肉部31の厚さが上記範囲を上回ると、ゴルフクラブヘッド10の重量が過剰となる。
また、厚肉部31の長さは、10mm以上あればよく、20mm以上50mm以下であればより好ましい。
厚肉部31の長さが20mm以上50mm以下であれば、ゴルフクラブヘッド10の重量増を抑制しつつゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを確保し、また、ヘッド本体12の強度、剛性を確保する上でより有利となる。
厚肉部31の長さが上記範囲を下回ると、上記効果が低下し、厚肉部31の長さが上記範囲を上回ると、ゴルフクラブヘッド10の重量が過剰となる。
なお、ヘッド質量は、180g以上205g以下の範囲が好ましい。
ヘッド質量が上記範囲内であると、慣性モーメントMIを確保して打球の方向性の向上を図る上で有利となる。
ヘッド質量が上記範囲を下回ると、ヘッド重量が小さいため、慣性モーメントMIが小さくなり、打球の方向性を向上する効果が低下する。
ヘッド重量が上記範囲を上回ると、ヘッド重量が大きいため、スイング速度が低下し飛距離を確保する効果が低下する。
また、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIは、5000g・cm2以上6000g・cm2以下であることが好ましい。
慣性モーメントMIが上記範囲内であると、打球の方向性の向上を図る上で有利となる。
慣性モーメントMIが上記範囲を下回ると、打球の方向性の向上を図る効果が低下する。
なお、英国のR&Aゴルフ規則で定められた慣性モーメントMIの上限値は5900g・cm2+100g・cm2である。
また、ヘッド体積は440cc以上470cc以下の範囲であり、ヘッド最大幅Mは120mm以上127mm以下の範囲であることが好ましい。
ヘッド本体12の体積が上記範囲内であると、慣性モーメントMIを確保する上で有利となる。
ヘッド本体12の体積が上記範囲を下回ると、慣性モーメントMIを確保する効果が低下する。
なお、上記英国のR&Aゴルフ規則で定められたヘッド本体12の体積の上限値は470ccである。
また、ヘッド幅最大値Mが上記範囲内であると、慣性モーメントMIを確保する上で有利となる。
ヘッド幅最大値Mが上記範囲を下回ると、慣性モーメントMIを確保する効果が低下する。
なお、上記英国のR&Aゴルフ規則で定められたヘッド最大幅Mの上限値は127mmである。
この場合、ヘッド本体12のうち大比重部48を除く部分と、大比重部48とをそれぞれ比重の異なる金属材料で構成すればよく、このような金属材料として従来公知の様々な金属材料が使用可能である。
例えば、ヘッド本体12のうち大比重部48を除く部分をチタン合金(比重4.4)で構成し、フェースバック28に大比重部48としてステンレス(比重7.8)あるいはタングステン合金(比重9〜18)を設けても良い。
あるいは、ヘッド本体12のうち大比重部48を除く部分をチタン合金(比重4.4)で構成し、フェース部14をβチタン(比重4.8)で構成してもよい。
なお、大比重部48は、例えば、フェース部14を構成する部分48Aであり、あるいは、フェースバック28を構成する部分48Bである。
ここで、図19は、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメント測定器を示す模式的斜視図である。慣性モーメントMIは、図19に示す慣性モーメント測定器60により測定される。
なお、慣性モーメント測定器60として、Inertia Dynamics社製、慣性モーメント測定器 Model MOI−005−014が例示される。このような慣性モーメント測定器は公知のものであればよく、本発明において、特に制限されない。
次いで、図20(B)に示すように、治具70の上面部72にゴルフクラブヘッド10のソール部18を固定して、ゴルフクラブヘッド10および治具70の合計の慣性モーメントIbを測定する。次に、得られた各慣性モーメントIa、Ibから、(Ib−Ia)よりゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを得る。
なお、通常の慣性モーメント測定器60では、上記Iaの数値は、操作ボタン69を駆使し一連の手順によって自動的に風袋引きをされ、(Ib−Ia)の数値が表示される。
固定は、ゴルフクラブヘッド10のソール部18が治具70の上面部72に固定される。しかしながら、ソール部18が凸の曲面を有していれば、上面部72は凸の曲面に合致するような凹の曲面であることが好ましく、ソール部18が平面であれば、上面部72は平面であることが好ましい。つまり、固定する両面が合致することが好ましい。
ゴルフクラブヘッド10のソール部18が曲面である場合には、粘着体(図示せず)をソール部18及び上面部72に合致するように設け、ゴルフクラブヘッド10を固定する。この場合、粘着体のように接着剤などの固定手段の内質量を有するものは、治具の一部に含まれ、風袋引きにおいては治具と同様に風袋として引かれることは言うまでもない。
概ね一致とは、回転軸Rが水平面HPを通る点と第1の直線Vが水平面HPを通る点pとのなす距離が3mm以内、好ましくは2mm以内、より好ましくは1mm以内とすることである。
この範囲内にゴルフクラブヘッド10のソール部18を固定することによって、より正確にゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを測定することが可能になる。
この補正方法によってゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを得てもよい。このように、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIの測定方法については、特に限定されない。
ここで、概ね鉛直とは、鉛直方向に対する傾きが2°以内、好ましくは1°以内のことである。回転軸Rを鉛直または概ね鉛直に設定するためには、慣性モーメント測定器60に設けられた水準器部分を目安に測定器の水平を調整すること、又は測定器を水平に調整された平面板上に設置すること等が考えられる。
上記範囲内に設定することによって、ゴルフクラブヘッド10の重心Gを通り水平面HPに直交する第1の直線Vを第1の回転軸とする回転軸回りの慣性モーメントMIをより正確に測定することができる。
上記範囲内に設定することによって、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIをより正確に測定することができる。
治具70の重心位置Cを上記範囲内に設定することによって、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIをより正確に測定することができる。
したがって、カバー体46がゴルフクラブヘッド10の重心点G0から近い箇所に配置されると共に、カバー体46よりも比重の重い金属材料で形成されたヘッド本体12の部分が重心点G0から遠い箇所に配置されることにより、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを確保でき、打球の方向性の向上を図る上で有利となる。
さらに、カバー体46よりも剛性が高いリブ40によってカバー体46を支持することでカバー体46を補強し、これにより、カバー体46の剛性および弾性率を高めたのと同様の効果を発揮することができる。
したがって、金属材料からなるヘッド本体12よりも剛性、弾性率が低いカバー体46で開口部32を閉塞する構造であるにも拘らず、打球時に発生する打球音を高音とすることができ、心地よい打球音を得る上で有利となる。
図23〜図28は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、以下の4つの評価項目を測定し指数(評価点)を求めると共に、4つの指数の合計点を求めた。
なお、以下の実験例では、ゴルフクラブヘッド10としてドライバーを実験対象とした。
20人の被験者について実際にゴルフボールを各実験例のゴルフクラブヘッド10を用いて打撃した場合の打球音を指数で評価した。
比較例に相当する実験例の指数を100とし指数が大きいほど打球音が高音で心地良く、評価が良いことを示す。
打球音の評価は、1本のゴルフクラブヘッド10について20人のゴルファーがゴルフボールを実際に10打ずつ打撃してその平均値を求めた。
20人の被験者について実際にゴルフボールを各実験例のゴルフクラブヘッド10を用いて打撃した場合の飛距離のばらつきを指数で評価した。
ここで、飛距離のばらつきは以下のようにして求める。
飛距離の最大値と最小値の差分を飛距離のばらつきとして求める。
20人の被験者について各実験例のゴルフクラブを用いて飛距離ばらつきの評価データをそれぞれ求め、各ゴルフクラブのそれぞれについて20人の飛距離ばらつきの評価データの平均値を求めた。
そして、比較例に相当する実験例の評価データの平均値を100とし、比較例以外の実験例を指数(比較例に相当する実験例の評価データの平均値/比較例以外の実験例の評価データの平均値)×100)によって評価した。即ち、指数が高いほど飛距離ばらつきが少なく優れている。
20人の被験者について実際にゴルフボールを各実験例のゴルフクラブヘッド10を用いて打撃した場合の左右のばらつきを指数で評価した。
ここで、左右のばらつきは以下のようにして求める。
すなわち、打球フィールドに目標点を設定してゴルファーが目標点に向かって打球する。そして打球する地点と目標点を結んだ直線と、打球されたボールが停止した点までの距離を方向ブレ幅(ヤード)として記録する。
目標飛球線Lgに対して右方向のずれ量を正(+)の値で、左方向へのずれ量を負(−)の値で表示しており、何れの値も10球の測定値を算術平均した値を左右のばらつきの評価データとして求めた。
ここでは、20人の被験者について各実験例のゴルフクラブを用いて左右のばらつきの評価データをそれぞれ求め、各ゴルフクラブのそれぞれについて20人の左右のばらつきの評価データの平均値を求めた。そして、比較例に相当する実験例の評価データの平均値を100とし、比較例以外の実験例を指数((比較例に相当する実験例の評価データの平均値/比較例以外の実験例の評価データの平均値)×100)によって評価した。即ち、指数が高いほど左右のばらつきが少なく優れている。
シャフトに固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面14Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部14の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは50m/sとした。打点位置はフェース面14Aの中心点Pcとした。
この場合、比較例に相当する実験例のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
上述した打球音、飛距離ばらつき、左右のばらつき、耐久性の4つの指数を合計したものを合計点とした。
比較例に相当する実験例の合計点を400とし合計点が大きいほど評価が良いことを示す。
なお、実験例で使用したゴルフクラブヘッド10は、ドライバーであり、各実験例で規定したパラメータを除き以下の条件を共通としている。
ヘッド本体12の材料:チタン合金 Ti-8Al-1Mo-1V
フェース14の材料:Ti-6Al-4V
カバー体46の材料:CFRP(炭素繊維強化樹脂)
カバー体46の厚さTc:0.6mm
ただし、実験例2〜20においては、フェースバック28に大比重部48としてステンレス合金(比重7.8)質量30gを設けたものとした。
ロフト角 10.5°
ライ角 59°
ヘッド体積 460cc
各実験例について、図23に示すように、請求項1で規定する条件を変更した。
なお、請求項2〜8で規定する条件は以下のように一定条件とした。
すなわち、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じであるという規定を満たしておらず、具体的には、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長の60%であり、好ましい70%を下回っている。
すなわち、図38(B)に示すように、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法(Lth1+Lth2+Lth3)は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長(Lc1)の70%を下回っている。
また、請求項3で規定するリブ40は、カバー体46の内面およびヘッド本体12の内面からなるゴルフクラブヘッド10の内面の全周の80%以上にわたって延在形成されているという規定を満たしておらず、具体的には、リブ40はゴルフクラブヘッド10の内面の全周の70%にわたって延在形成されている。
なお、リブ40の寸法は、以下の通りであり、実験例1を除く全実験例で同一とする。
リブ40の高さH:5mm
リブ40の厚さD:1mm
リブ40の幅 W:5mm
また請求項4で規定する境界部30については幅5mmで形成されているものとした。
請求項5で規定する厚肉部31(図9(B))はその厚さが3mmで長さ50mmで形成されているものとした。
請求項6で規定するヘッド質量は200gとし、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、いずれも規定内とした。
請求項7で規定するヘッド体積は460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし、いずれも規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
なお、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置している(第5範囲A5内に位置している)。
なお、図29に示すように、ヘッド本体12のフェース部14側は開口を形成しており、フェース部14は溶接等で接合される。したがって、開口部32およびカバー体46は、フェース部14を除く範囲に設けられることになる。
なお、実験例を示す図29−図37においては、図面の簡略化を図るため、ヘッド本体12の取り付け部34の形状(縦板部36,横板部38)は図示を省略している。
なお、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置している(第5範囲A5内に位置している)。
図24に示すように、請求項1で規定する条件をその規定範囲内で一定条件とすると共に、請求項2で規定する条件を変更し、請求項3−8で規定する条件は一定条件とした。
すなわち、図4に示すように、請求項1で規定するカバー体46が第1範囲A1内に位置しており、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置しており(第5範囲A5内に位置しており)、本発明の範囲内である。
また、請求項3で規定するリブ40は、カバー体46の内面およびヘッド本体12の内面からなるゴルフクラブヘッド10の内面の全周の100%にわたって延在形成されている。
また請求項4で規定する境界部30については幅5mmで形成されているものとした。
請求項5で規定する厚肉部31(図9(B))はその厚さが3mmで長さ50mmで形成されているものとした。
請求項6で規定するヘッド質量は200gとし、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、いずれも規定内とした。
請求項7で規定するヘッド体積は460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし、いずれも規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
図24に示すように、実験例7は、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じであるという規定を満たしていない。
具体的には、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長の66%であり、好ましい70%を下回っている。
すなわち、図38(B)に示すように、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法(Lth1+Lth2+Lth3)は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長(Lc1)の70%を下回っている。
実験例8は、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じであるという規定を満たしている。
具体的には、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長の75%であり、70%を上回っている。
すなわち、図38(A)に示すように、リブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法(Lth1+Lth2+Lth3)は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長(Lc1)の70%を上回っている。
図25に示すように、請求項1、請求項2で規定する条件をその規定範囲内で一定条件とすると共に、請求項3で規定する条件を変更し、請求項4−8で規定する条件は一定条件とした。
すなわち、図4に示すように、請求項1で規定するカバー体46が第1範囲A1内に位置しており、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置しており(第5範囲A5内に位置しており)、本発明の範囲内である。
また、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じである(70%)とし、規定内とした。
また請求項4で規定する境界部30については幅5mmで形成されているものとした。
請求項5で規定する厚肉部31(図9(B))はその厚さが3mmで長さ50mmで形成されているものとした。
請求項6で規定するヘッド質量は200gとし、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、いずれも規定内とした。
請求項7で規定するヘッド体積は460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし、いずれも規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
図25、図38(A)に示すように、実験例9は、請求項3で規定するリブ40の長さをゴルフクラブヘッド10の内面の全周の75%とし、80%以上という規定を満たしていない。
実験例10は、図38(B)に示すように、請求項3で規定するリブ40の長さをゴルフクラブヘッド10の内面の全周の85%とし、80%以上という規定を満たしている。
図26に示すように、請求項1−3で規定する条件をその規定範囲内で一定条件とすると共に、請求項4、5で規定する条件を変更し、請求項6−8で規定する条件は一定条件とした。
すなわち、図4に示すように、請求項1で規定するカバー体46が第1範囲A1内に位置しており、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置しており(第5範囲A5内に位置しており)、本発明の範囲内である。
また、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じである(70%)とし、規定内とした。
また、請求項3で規定するリブ40の長さをゴルフクラブヘッド10の内面の全周の100%として、規定内とした。
請求項6で規定するヘッド質量は200gとし、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、いずれも規定内とした。
請求項7で規定するヘッド体積は460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし、いずれも規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
図39に示すように、実験例11は、請求項4で規定する境界部(金属部)30が無く、かつ、請求項5で規定する厚肉部31が無く、請求項4,5の規定を満たしていない。
実験例12は、請求項4で規定する境界部30の幅が5mmで存在し、請求項5で規定する厚肉部31の厚さが0.5mm、長さが50mmとなっており、請求項4の規定を満たしているものの、請求項5で規定する厚肉部31の厚さは1mm未満である。
実験例13は、請求項4で規定する境界部30の幅が5mmで存在し、請求項5で規定する厚肉部31の厚さが3mm、長さが50mmとなっており、請求項4、5の規定を満たしている。
図27に示すように、請求項1−5、8で規定する条件をその規定範囲内で一定条件とすると共に、請求項6、7で規定する条件を変更した。
すなわち、図4に示すように、請求項1で規定するカバー体46が第1範囲A1内に位置しており、請求項1で規定するリブ40は、第2範囲A2のほぼ中央位置に位置しており(第5範囲A5内に位置しており)、本発明の範囲内である。
また、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じである(70%)とし、規定内とした。
また、請求項3で規定するリブ40の長さをゴルフクラブヘッド10の内面の全周の100%として、規定内とした。
請求項4で規定する境界部30は幅5mmとして規定内とした。
請求項5で規定する厚肉部31は厚さ3mm、長さ50mmとして、規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
また、請求項7で規定するヘッド体積460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし規定内とし、好ましいヘッド体積440〜470cc、ヘッド最大幅120〜127mmの範囲内とした。
実験例15は、請求項6で規定するヘッド質量は200g、慣性モーメントMIは4400g・cm2とし、規定内とし、好ましいヘッド質量180〜205gの範囲内であるが、好ましい慣性モーメントMI5000〜6000g・cm2からは外れた値とした。。
また、請求項7で規定するヘッド体積420ccとし、ヘッド最大幅Mは118mmとし規定内とし、好ましいヘッド体積440〜470cc、ヘッド最大幅120〜127mmの範囲外とした。
た。
また、実験例16は、請求項6で規定するヘッド質量は200g、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、規定内とし、好ましいヘッド質量180〜205gの範囲内であり、好ましい慣性モーメントMI5000〜6000g・cm2の範囲内とした。
また、請求項7で規定するヘッド体積460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし規定内とし、好ましいヘッド体積440〜470cc、ヘッド最大幅120〜127mmの範囲内とした。
図28に示すように、請求項1−8のうち、請求項1で規定する条件をその規定範囲内で変更すると共に、請求項2−8で規定する条件を規定内で一定条件とした。
また、請求項2で規定するリブ40がカバー体46を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、カバー体46のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じである(70%)とし、規定内とした。
また、請求項3で規定するリブ40の長さをゴルフクラブヘッド10の内面の全周の100%として、規定内とした。
請求項4で規定する境界部30は幅5mmとして規定内とした。
請求項5で規定する厚肉部31は厚さ3mm、長さ50mmとして、規定内とした。
請求項6で規定するヘッド質量は200gとし、慣性モーメントMIは5500g・cm2とし、いずれも規定内とした。
請求項7で規定するヘッド体積は460ccとし、ヘッド最大幅Mは125mmとし、いずれも規定内とした。
請求項8で規定する大比重部48は、フェースバック28側にステンレス合金を配置した。
したがって、以下の実験例17〜20は全て請求項1−8の規定を満たしている。
図34に示すように、実験例17は、カバー体46が中央面P0と第4平面P4との間に位置している。
また、第2範囲A2の中央位置βからフェース部14方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第7平面P7とし、第2範囲A2の中央位置βからフェースバック28方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第8平面P8とすると、中央面P0と平行し中央位置βに位置する平面P20と第8平面P8とで区画される範囲のほぼ中央に(第5範囲A5内に)リブ40が位置している。
また、第2範囲A2の中央位置βからフェース部14方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第7平面P7とし、第2範囲A2の中央位置βからフェースバック28方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第8平面P8とすると、中央面P0と平行し中央位置βに位置する平面P20と第7平面P7とで区画される範囲のほぼ中央に(第5範囲A5内に)リブ40が位置している。
また、第2範囲A2の中央位置βからフェース部14方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第7平面P7とし、第2範囲A2の中央位置βからフェースバック28方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第8平面P8とすると、第7平面P7と第8平面P8とで区画される範囲のほぼ中央に(第5範囲A5内に)リブ40が位置している。
また、第2範囲A2の中央位置βからフェース部14方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第7平面P7とし、第2範囲A2の中央位置βからフェースバック28方向にα/4離間した位置を通り中央面P0と平行な平面を第8平面P8とすると、第7平面P7と第8平面P8とで区画される範囲のほぼ中央に(第5範囲A5内に)リブ40が位置している。
図40は、第1の実施の形態の変形例を示す。
この変形例では、リブ40に加えて、カバー体40を支持する支持板部60が別に設けられている。
支持板部60は、ヘッド本体12と同じ金属材料で形成されている。
支持板部60は、カバー体46が第1開口部32Aを介して空間13に対向するカバー体46の内面の部分を空間13側から支持するものである。
支持板部60は、第1開口部32Aを横切るようにフェース部14とフェースバック28とを結ぶ方向に沿って延在して形成されている、
カバー体46の内面に重ね合わされる支持板部60の外面は、ヘッド本体12の外面よりもカバー体46の厚さTc分ヘッド本体12の内部に変位した箇所に設けられている。
支持板部60の両端は、横板部38に接続され、支持板部60と横板部38とが交差する箇所では、支持板部60の外面と横板部38の外面とが同一面上に位置している。
このような変形例によれば、支持壁部60によってヘッド本体12の剛性が高められるため、打球時に発生する打球音を高音とする上でより有利となり、心地よい打球音を得る上でより有利となる。
なお、本例では、支持板部60が、第1開口部32Aのトウヒール方向のほぼ中央に1つ設けられている場合について示したが、支持板部60をトウヒール方向に間隔をおいて複数設けても良い。
次に図41を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施の形態は、リブ40を省略すると共に、フェースバック28側に大比重部50を設けた点が第1の実施の形態と異なっている。
ゴルフクラブヘッドの10Aの基準状態で、水平面HPおよびフェース中心基準断面Pfcと直交しリーディングエッジ26に当接する平面を第1平面P1とし、第1平面P1と平行しフェースバック28の外面に当接する平面を第2平面P2とし、ヘッド本体12Aを平面視したときに、第1平面P1と第2平面P2との距離をヘッド最大幅Mとする。
第1平面P1と第2平面P2とを結ぶ寸法の1/2の位置で第1平面P1および第2平面P2と平行する平面を中心面P0とする。
中心面P0からフェース部側にヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で中心面P0と平行する平面を第3平面P3とする。
中心面P0からフェースバック28側にヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で中心面P0と平行する平面を第4平面P4とする。
第3平面P3と第4平面P4とで区画された第1範囲A1内にカバー体46が位置している。
ヘッド本体12Aのうち、第4平面P4からフェースバック28までの第4範囲A4に位置する部分に、第4範囲A4を除く残りの部分の比重よりも比重の大きな(金属)材料で形成された大比重部50が設けられている。
例えば、大比重部50はタングステン合金(比重12)で構成されており、大比重部50を除くヘッド本体12Aはチタン合金(比重4.4)で構成されている。
したがって、カバー体46がゴルフクラブヘッド10の重心点G0から近い箇所に配置されると共に、カバー体46よりも比重の重い金属材料で形成された大比重部50が重心点G0から遠いヘッド本体12の箇所に配置されることにより、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントMIを確保でき、打球の方向性の向上を図る上で有利となる。
さらに、打球時の振動起点となるフェース部14から最も離れたフェースバック28寄りの箇所に大比重部50を設けたので、打球時に発生する振動がヘッド本体12Aの部分を介して重量物である大比重部50に伝わる過程において、いわゆる、マスダンパー機能と同様の作用が発生し、振動が減衰される。
この際、振動のうち、より低周波数の振動成分が減衰されやすくなることから、打球音は低音の成分が減衰される一方、高音の成分はそれほど減衰されない。
したがって、金属材料からなるヘッド本体12Aよりも剛性、弾性率が低いカバー体46で開口部32を閉塞する構造であるにも拘らず、打球時に発生する打球音を高音とすることができ、心地よい打球音を得る上で有利となる。
変形例では、フェースバック28に大比重部50を設けることに加えて、フェース部14にも大比重部52を設けた点が第2の実施の形態と異なっている。
すなわち、フェース部14の大部分(あるいは全部)を、βチタンDAT55G(比重4.7)を用いた大比重部52で構成した。
したがって、タングステン合金(比重12)からなる大比重部50と、βチタンDAT55G(比重4.7)からなる大比重部52とを除く残りのヘッド本体12の部分はチタン合金(比重4.4)で構成されている
すなわち、ヘッド本体12のうち第4範囲A4に位置する部分の比重を後部比重Gaとし、ヘッド本体12のうち第1平面P1と第3平面P3とで区画された第3範囲A3に位置する部分の比重を前部比重Gbとし、ヘッド本体12のうち第1範囲A1に位置する部分の比重を中間部比重Gcとしたとき、以下の式(1)が満たされている。
Ga>Gb>Gc……(1)
このような構成とすれば、第2の実施の形態の効果に加え、重心点G0から離れた箇所に大比重部50,52の2つの大比重部を配置するので、慣性モーメントMIをより大きく確保する上で有利となるという効果が奏される。
なお、実験例のヘッド本体12Aは第1の実施の形態と同様に以下のように作成した。
ヘッド本体12の材料:チタン合金 Ti-8Al-1Mo-1V
フェース14の材料:Ti-6Al-4V
カバー体46の材料:CFRP(炭素繊維強化樹脂)
カバー体46の厚さTc:0.6mm
大比重部50の材料:タングステン合金(比重12)質量60gを設けたものとした。
大比重部52の材料:βチタンDAT55G(比重4.7)質量58gを設けたものとした。
ロフト角 10.5°
ライ角 59°
ヘッド体積 460cc
図41に示すように、請求項9の規定を満たす実験例21は、慣性モーメントMIを確保すると共に、打球音を高音とする上で有利となるため、打球音、飛距離ばらつき、左右のばらつき、耐久性、合計点が本発明の範囲外である実験例1を上回っている。
また、請求項10の規定を満たす実験例22は、慣性モーメントMIを確保する上でより有利となるため、実験例21よりも打球音、飛距離のばらつき、左右のばらつきの評価がより高くなり合計点も高くなっている。
12、12A ヘッド本体
13 空間
14 フェース部
16 クラウン部
18 ソール部
20 サイド部
22 トウ
24 ヒール
26 リーディングエッジ
28 フェースバック
29 ホーゼル
30 境界部
31 厚肉部
32 開口部
32A 第1開口部
32B 第2開口部
32C 第3開口部
34 取り付け部
40 リブ
40A 第1リブ部
40B 第2リブ部
40C 第3リブ部
40D 第4リブ部
40E 第5リブ部
42 支持壁部
44 補強壁部
46 カバー体
46A トウ側カバー体
46B ヒール側カバー体
48 大比重部
50 大比重部
52 大比重部
Pfc フェース中心基準断面
P0 中心面
P1 第1平面
P2 第2平面
P3 第3平面
P4 第4平面
P5 第5平面
P6 第6平面
A1 第1範囲
A2 第2範囲
A3 第3範囲
A4 第4範囲
HP 水平面
M ヘッド最大幅
また、本発明は、前記リブが前記カバー体を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、前記カバー体のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じであることを特徴とする。
また、本発明は、前記リブは、前記カバー体の前記内面から前記ヘッド本体が前記空間に対向する前記ヘッド本体の内面に連続して延在形成され、前記リブは、前記カバー体の前記内面および前記ヘッド本体の前記内面からなる前記ゴルフクラブヘッドの内面の全周の80%以上にわたって延在形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッド本体のうち、前記クラウン部と前記サイド部との境の全長にわたって帯状に延在する境界部が形成され、前記境界部は、前記ヘッド本体を構成する金属材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記境界部のうち、前記第1範囲内の部分は、前記境界部に隣接する前記クラウン部および前記サイド部の肉厚よりも大きな寸法の肉厚で形成された厚肉部で構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド質量は、210g以下であり、前記基準状態で前記ゴルフクラブヘッドの重心点を通り前記水平面に直交する垂直な直線を回転軸とする慣性モーメントの大きさをMI(g・cm2)とするとき、前記慣性モーメントMIが6200g・cm2以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ゴルフクラブヘッドのヘッド体積が500cc以下であり、前記ヘッド最大幅Mが130mm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記ヘッド本体のうち、前記第1平面と前記第3平面とで区画される第3範囲に位置する部分と、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分との少なくとも一方の部分に、前記第1範囲に位置する部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とが金属材料で形成されその内部が空間とされる中空状のヘッド本体と、前記クラウン部、前記サイド部、前記ソール部の少なくとも1箇所に形成された開口部を前記ヘッド本体の外側から閉塞する繊維強化樹脂材料からなるカバー体と、を備える中空状のゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、前記基準状態で、前記水平面および前記フェース中心基準断面と直交しリーディングエッジに当接する平面を第1平面とし、前記第1平面と平行し前記フェースバックの外面に当接する平面を第2平面としたとき、前記第1平面と前記第2平面との距離をヘッド最大幅Mとし、前記第1平面と前記第2平面とを結ぶ寸法の1/2の位置で前記第1平面および前記第2平面と平行する平面を中心面とし、前記中心面から前記フェース部側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第3平面とし、前記中心面から前記フェースバック側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第4平面としたとき、前記第3平面と前記第4平面とで区画された第1範囲内に前記カバー体が位置し、前記ヘッド本体のうち、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分に、前記第4範囲を除く残りの部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設け、前記ヘッド本体のうち前記第4範囲に位置する部分の比重を後部比重Gaとし、前記ヘッド本体のうち前記第1平面と前記第3平面とで区画された第3範囲に位置する部分の比重を前部比重Gbとし、前記ヘッド本体のうち前記第1範囲に位置する部分の比重を中間部比重Gcとしたとき、以下の式(1)が満たされる、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
Ga>Gb>Gc……(1)
Claims (10)
- 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とが金属材料で形成されその内部が空間とされる中空状のヘッド本体と、
前記クラウン部、前記サイド部、前記ソール部の少なくとも1箇所に形成された開口部を前記ヘッド本体の外側から閉塞する繊維強化樹脂材料からなるカバー体と、
を備える中空状のゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
前記基準状態で、前記水平面および前記フェース中心基準断面と直交しリーディングエッジに当接する平面を第1平面とし、前記第1平面と平行し前記フェースバックの外面に当接する平面を第2平面としたとき、前記第1平面と前記第2平面との距離をヘッド最大幅Mとし、
前記第1平面と前記第2平面とを結ぶ寸法の1/2の位置で前記第1平面および前記第2平面と平行する平面を中心面とし、前記中心面から前記フェース部側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第3平面とし、前記中心面から前記フェースバック側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第4平面としたとき、前記第3平面と前記第4平面とで区画された第1範囲内に前記カバー体が位置し、
前記中心面と平行し前記カバー体の最も前記フェース部寄りの縁部を通る平面を第5平面とし、前記中心面と平行し前記カバー体の最も前記フェースバック寄りの縁部を通る平面を第6平面としたとき、前記第5平面と前記第6平面とで区画された第2範囲のほぼ中央位置において前記カバー体が前記開口部を介して前記空間に対向する前記カバー体の内面の部分を前記空間側から支持する金属材料からなるリブが前記開口部を横切るようにトウヒール方向に延在して形成されている、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記リブが前記カバー体を支持している部分のトウヒール方向の寸法は、前記カバー体のトウヒール方向の寸法の全長とほぼ同じである、
ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記リブは、前記カバー体の前記内面から前記ヘッド本体が前記空間に対向する前記ヘッド本体の内面に連続して延在形成され、
前記リブは、前記カバー体の前記内面および前記ヘッド本体の前記内面からなる前記ゴルフクラブヘッドの内面の全周の80%以上にわたって延在形成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ヘッド本体のうち、前記クラウン部と前記サイド部との境の全長にわたって帯状に延在する境界部が形成され、
前記境界部は、前記ヘッド本体を構成する金属材料で形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記境界部のうち、前記第1範囲内の部分は、前記境界部に隣接する前記クラウン部および前記サイド部の肉厚よりも大きな寸法の肉厚で形成された厚肉部で構成されている、
ことを特徴とする請求項4記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ゴルフクラブヘッドのヘッド質量は、210g以下であり、
前記基準状態で前記ゴルフクラブヘッドの重心点を通り前記水平面に直交する垂直な直線を回転軸とする慣性モーメントの大きさをMI(g・cm2)とするとき、前記慣性モーメントMIが6200g・cm2以下である、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ゴルフクラブヘッドのヘッド体積が500cc以下であり、
前記ヘッド最大幅Mが130mm以下である、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 前記ヘッド本体のうち、前記第1平面と前記第3平面とで区画される第3範囲に位置する部分と、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分との少なくとも一方の部分に、前記第1範囲に位置する部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設けた、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。 - 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の上部から後方に延在するクラウン部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部と、前記クラウン部と前記ソール部の間で前記フェース部のトウ側縁とヒール側縁との間をフェースバックを通って延在するサイド部とが金属材料で形成されその内部が空間とされる中空状のヘッド本体と、
前記クラウン部、前記サイド部、前記ソール部の少なくとも1箇所に形成された開口部を前記ヘッド本体の外側から閉塞する繊維強化樹脂材料からなるカバー体と、
を備える中空状のゴルフクラブヘッドであって、
前記ゴルフクラブヘッドを水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態において、フェース面の中心点を通る法線を含みかつ前記水平面と直交する平面で前記ヘッド本体を破断した断面をフェース中心基準断面とし、
前記基準状態で、前記水平面および前記フェース中心基準断面と直交しリーディングエッジに当接する平面を第1平面とし、前記第1平面と平行し前記フェースバックの外面に当接する平面を第2平面としたとき、前記第1平面と前記第2平面との距離をヘッド最大幅Mとし、
前記第1平面と前記第2平面とを結ぶ寸法の1/2の位置で前記第1平面および前記第2平面と平行する平面を中心面とし、前記中心面から前記フェース部側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第3平面とし、前記中心面から前記フェースバック側に前記ヘッド最大幅Mの1/4離間した位置で前記中心面と平行する平面を第4平面としたとき、前記第3平面と前記第4平面とで区画された第1範囲内に前記カバー体が位置し、
前記ヘッド本体のうち、前記第4平面から前記フェースバックまでの第4範囲に位置する部分に、前記第4範囲を除く残りの部分の比重よりも比重の大きな材料で形成された大比重部を設けた、
ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 - 前記ヘッド本体のうち前記第4範囲に位置する部分の比重を後部比重Gaとし、
前記ヘッド本体のうち前記第1平面と前記第3平面とで区画された第3範囲に位置する部分の比重を前部比重Gbとし、
前記ヘッド本体のうち前記第1範囲に位置する部分の比重を中間部比重Gcとしたとき、
以下の式(1)が満たされる、
ことを特徴とする請求項9記載のゴルフクラブヘッド。
Ga>Gb>Gc……(1)
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