JP2021129528A - 生体調整機能剤含有小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ及びその製造方法 - Google Patents

生体調整機能剤含有小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小麦粉と水とを混錬した粘度の高いドウを生地として使用する、うどんやそうめん等の麺類、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、及び、食パンやピロキシ等のパン類等、並びに、ドウを更に水で希釈したバッターを生地として使用する、クレープやホットケーキ等の菓子類、てんぷらやフライ等の揚げ物類、及び、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類等の小麦粉加工食品、並びに、和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉加工食品は、糖質が多量に含まれているだけでなく、単糖類及び二糖類である糖類、油脂、及び、バターやチーズ等の油脂を多く含む乳製品等を多量に使用した料理として食するため、肥満になり易く、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患等の生活習慣病の原因となるが、小麦粉及び/又は米粉加工食品には、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能等を高める生体調整機能剤を容易に混入することが困難であるという問題がある。【解決手段】本発明は、上記課題を解決することが可能な、生体調整機能剤が均一に存在する小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物で、小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地に混合容易である小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ及びその製造方法を提供することにある。【選択図】なし

Description

本発明は、うどんやそうめん等の麺類、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、及び、食パンやピロキシ等のパン類等の小麦粉と水とを混錬した粘度の高いドウという生地を用いる小麦粉加工食品、並びに、クレープやホットケーキ等の菓子類、天ぷらやフライ等の衣(ころも)類、及び、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類等のドウに加水して製造される粘度の低いバッターという生地を用いる小麦粉加工食品、並びに、和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉と水とを混錬した生地を用いる米粉加工食品に、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患等の生活習慣病の予防や治療等の対策に有効な生体調整機能剤を容易に混入させることが可能な小麦粉及び/又は米粉加工食品に適したマスターバッチに関する。
より具体的には、本発明は、生体調整機能剤として、脂質吸収抑制、糖質吸収抑制、及び、腸内環境改善等の効果を有する成分、及び、それらの成分を含み、自然界に存在する動植物又はその一部を用いて加工された、天然由来の生薬及び/又は伝承薬の粉末を用い、これらが少なくとも一種以上均一に混入された小麦粉及び/又は米粉と水の混錬物に関し、小麦粉加工食品の生地であるドウ及びバッター、並びに、米粉加工食品の生地に混合が容易で、生体調整機能剤を小麦粉及び/又は米粉加工食品に均一に混入させることが可能であることを特徴とする、生体調整機能剤、小麦粉及び/又は米粉、並びに、水の混錬物である小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ及びその製造方法に関する。
世界的なネットワーク社会が形成されて生成された情報のグローバル化は、産業、技術、及び、文化等あらゆる分野が世界に拡がることになった。日本及び東アジアにおける欧米型食生活の普及、欧米における日本型食生活対する関心の高まり等、食文化もその例外ではない(非特許文献1〜3)。
特に、日本においては、食文化のグローバル化に伴う食生活の欧米化の弊害が懸念されている。日本は、この50年間で、高カロリー、高脂肪、及び、高タンパクの食事に激変したことに加え、運動不足が原因であると考えられる肥満の割合が高い状態で推移している(非特許文献4)。平成29年の国民健康・栄養調査報告によれば、肥満者(体格指数(Body Mass Index):BMI≧25kg/m)の割合は、男性が30.7%、女性が21.9%で、男性の三人に一人、女性の5人に一人が肥満であり、この10年間、男女共に有意な増減が認められていない。また、運動習慣のある者の割合は、男性が35.9%、女性が28.6%で、男女共に三人に二人は運動習慣がなく、この10年間、男女共に有意な増減は認められていない。
肥満は、体重が単に多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態で、その体脂肪が蓄積する場所によって二つのタイプに分類され、健康に対する危険性が異なっている(非特許文献5)。一方は内臓脂肪型肥満、他方は皮下脂肪型肥満と一般的に呼称され、前者の方が生活習慣病を発症するリスクが高い。そして、この内臓脂肪型肥満が、糖尿病や脂質異常症・高血圧症・心血管疾患等の生活習慣病をはじめとして数多くの疾患の元凶となるため、男女共に、統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に最も罹り難いBMI値である22.0が標準とされている。しかし、上記の通り、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、BMIが25以上のもの」と定義づけられている肥満の割合は、健康の維持及び増進において、肥満の予防や治療等の対策が重要であると位置づけられているにもかかわらず、減少する傾向が認められない。
肥満は、基本的に、摂取したカロリーとその代謝の問題であるので、食事制限によるカロリー摂取量の削減及び運動による摂取カロリーの消費を実行すれば、予防することができる。しかし、食文化のグローバル化に伴う食生活の欧米化は、カロリーが高い、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、食パンやピロキシ等のパン類、及び、クレープやホットケーキ等の菓子類等の小麦粉加工食品、並びに、肉やソーセージ等の畜産食品を使用する欧米型料理に対する嗜好が強まっている(非特許文献3)。一方、日本が保有している伝統的な食品でも、小麦粉加工食品である、うどんやラーメン等の麺類、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類、及び、天ぷらやフライ等の揚げ物類等に対する嗜好にも根強いものがある。また、小麦粉と比較すると、欧米に多いセリアック病の原因と考えられているグルテンを含まず、タンパク質が豊富であるため、健康食品と称される和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等米粉加工食品、並びに、小麦粉代替え米粉加工食品であるが、米粉に含まれる糖質含有量は、小麦粉と遜色なく、70%以上もある(非特許文献6〜8)。
従って、肥満は、食生活の見直しと継続的な運動によって予防できるとはいうものの、人間の本能でもある食欲、特に、高カロリー、高脂肪、及び、高タンパクではあるが、嗜好が強い食品に対する食欲を抑圧する食事療法には、精神的にも栄養学的にも限界がある。それと共に、カロリーの消費を促進する運動療法や食行動を修正する行動療法等を習慣的に行うことは、誰にとっても、特に、仕事に携わる成人にとって、実行し得ることは困難である(非特許文献9及び特許文献1)。
そのため、摂取した食品のカロリーの吸収を抑制又は排泄する生体調整機能を有する成分を食品と共に取り入れ、食事療法、運動療法、及び、行動療法を補完する肥満の予防及び対策が注目されている。すなわち、機能糖質吸収抑制機能(例えば、特許文献1、5、7、及び、8)、脂質吸収抑制機能(例えば、特許文献3、4、5、及び、6)、並びに、整腸及び便性改善等の腸内環境改善機能(例えば、特許文献2、並びに、非特許文献10及び11)等を有する成分を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬及びその抽出物、並びに、これらの機能を有する成分である単糖類、オリゴ糖類(小糖類)、多糖類、及び、乳酸菌等に関する検討が活発に行われるようになってきた。
一方、最近では、世界に先駆けて、日本から提案された「食品の機能」という概念を取り入れた健康食品に対する関心が高まっている(非特許文献12)。「食品の機能」とは、食品が人の健康に対して果たす役割のことであり、三つの機能に分けられている。第一次機能は、栄養機能で、栄養素としての働き、第二次機能は、感覚機能で、五感(視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚)に訴える働き、そして、第三次機能は、生体調整機能で、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、神経系等の生理調節を行い、健康の維持・増進等、人の健康、身体能力、心理状態に対して良い影響を与える働きである。このような概念の健康食品は、日本の「保健機能食品」という具体的な制度に反映されてきた。
従来、日本において、「サプリメント」、「栄養補助食品」、「栄養強化食品」、及び、「健康飲料」等の名称が存在するものの、いずれの名称にも法令上の定義はなく、これらの飲食品を含む通常の飲食品は、飲食品が有する機能性を表示することができなかった。しかし、2001年4月、食品の機能性を表示することができる「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食 品」とから成る「保健機能食品」という制度が定められ、更に、2015年4月、「保健機能食品」は、食品の機能性を分かりやすく表示して、消費者が正しい食品の選択ができることを目的として、食品の機能性を表示することができる「機能性表示食品」が加えられ、拡充された(非特許文献13及び14)。
「特定保健用食品」は、生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示できるが、保健機能成分の有効性及び安全性が消費者庁によって個別に審査されて合格した食品に限定される。しかも、その有効性の証明として、査読付きの研究雑誌に掲載されることが条件となっており、定められた試験機関によって保健機能成分の含有量の分析試験も行われなければならない。このような特定保健用食品といえども、医薬品ではなく食品であるため、疾病名の表示や病態の改善に関する表示はできない。しかし、厳格な審査を経て認可された食品だけに、特定の保健機能の表示が許可されるだけでなく、「特定保健用食品」の機能に対する信頼性が高いため、健康志向の強い消費者のニーズに適した商品となっており、既に、1,000以上の特定保健用食品が生まれ、大きな市場を形成している(非特許文献15)。また、2005年に、保健機能成分の疾病リスク低減効果が、医学的及び栄養学的に確立されている場合には、疾病名の表示が認められるようになったことも、「特定保健用食品」の開発を促進しているものと考えられる。なお、現在、この新制度によって、「疾病リスク低減表示」が認められた保健機能成分は、「カルシウム」と「葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)」がある。
「栄養食品」は、人の生命・健康の維持に必要な特定の栄養成分の補給のために利用されることを目的とした食品で、国が決めた基準に沿っていれば、許可や届け等なくして、食品に含まれている科学的根拠がある栄養成分の栄養機能を表示することができる食品で、各種ビタミン及びミネラル、並びに、n−3系脂肪酸の栄養成分について規格基準が定められている。食品の第一次機能に相当するものである。
「機能性表示食品」は、「特定保健用食品」同様、保健機能を表示できる食品である。この制度によれば、事業者の責任で消費者庁へ届け出された、生理学的機能等に影響を与える保健機能の科学的根拠や安全性等の情報が受理されることによって、その情報に基づいた保健機能を表示することができる。そして、これらの情報は、最終製品を用いた臨床試験、又は、最終製品又は機能性関与成分に関する文献調査によって評価されたものでなければならない。しかし、「特定保健用食品」とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではなく、個別の審査も行われない。
例えば、2014年、公益財団法人日本健康・栄養食品協会が発表した「食品の機能性評価事業結果報告」で、サラシア属植物抽出物の『食後の血糖値上昇抑制機能』『空腹時血糖値の維持』が、機能性について肯定的な根拠がある(Probable)という総合評価「B」を受け、2015年施行の機能性表示食品制度に繋がっている(非特許文献16)。その結果、サラシア由来サラシノールを機能性関与成分とした森下仁丹の「サラシア」が、機能性表示食品として受理され、その後、サラシア属植物抽出物に含有される保健機能成分を含有した機能性表示食品」の品目数が増加して、44品目に達している(非特許文献17)。
このように、「特定保健用食品」及び「機能性表示食品」は、上記「食品の機能」の第三次機能である生体調整機能を有する食品であるといえる。ここで、「特定保健用食品」及び「機能性表示食品」に含まれる生理学的機能等に影響を与える生体調整機能を有する成分は、「保健機能成分」及び「機能性関与成分」、特に、「関与成分」と呼称されているので、本明細書における「保健機能成分」及び「機能性関与成分」は、上述したような、「特定保健用食品」及び「機能性表示食品」に含まれる保健機能を有する成分だけに限定する。
しかし、制度上認められた「保健機能成分」及び「機能性関与成分」以外にも、生理学的機能等に影響を与える生体調整機能を有する成分は幅広く検討されており、その存在が数多く認められている。これらは、既に述べたように、「保健機能成分」及び「機能性関与成分」同様、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、並びに、整腸及び便性改善等の腸内環境改善機能等の効果を有する、自然界に存在する動植物又はその一部を用いて加工された、天然由来の生薬及び/又は伝承薬、生薬及び/又は伝承薬の抽出物、その抽出物の中の機能を発現する機能成分、並びに、生体調整機能を有する成分である天然由来の単糖類、オリゴ糖類(小糖類)、多糖類、及び、乳酸菌等であり、数多く報告されている(例えば、特許文献1〜8及び非特許文献10及び11)。なお、ここで、生薬及び/又は伝承薬には、各種効能が報告及び伝承されているハーブ等の植物を含む。このような状況を鑑み、以下、本明細書では、「保健機能成分」、「機能性関与成分」、並びに、医薬部外品を含む、食品の第三次機能である生体調整機能を発現し得る可能性が示唆されている成分全般を「生体調整機能成分」と呼称する。また、「生体調整機能成分」、「生体調整機能成分」を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬、それら生薬及び/又は伝承薬の抽出物、並びに、それらの抽出物の少なくとも一つ以上の「生体調整機能成分」以外の機能成分を含めて、「生体調整機能剤」と呼称する。
更に、これは、例えば、サラシア属植物抽出物に含有される「サラシノール」が、一般的には「保健機能成分」として届けられているが、日本生薬学会で報告された研究結果に基づいて、サラシア属植物抽出物に含有される「ネオコタラノール」を「保健機能成分」として届けられ、受理されているように、生体調整機能を科学的に解明することが困難であり、解明するには多大な労力を有するため、解明されていないことが極めて多いことにも基づいている(非特許文献18)。つまり、本明細書における「生体調整機能剤」は、生体調整機能の科学的根拠及びその科学的解明の有無にかかわらず、中国に起源がある生薬、並びに、スリランカに起源があるサラシア属植物及びインドに起源があるギムネバ属植物等の伝承薬に代表されるように、これらに含まれる無数の化学成分が生体調整機能成分として有効であると一般に認められ、薬として使用されている植物、その抽出物、及び、その成分等も含むものとする必要性がある(特許文献1〜7)。それは、将来、これらの中から、サラシア属植物抽出物のように、「機能性表示食品」が認められる保健機能成分、更には、「カルシウム」及び「葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)」のように、「疾病リスク低減表示」が認められる保健機能成分が生まれる可能性が含まれているためである。
そして、科学的根拠が文献等で解明されている生体調整機能剤、例えば、難消化性デキストリンや各種難消化性オリゴ糖は、特定保健用食品の清涼飲料水として利用されている(非特許文献15)。また、同じく糖質吸収抑制機能(食後血糖値上昇抑制機能)を有する伝承薬のサラシア属植物の抽出物に含有されるサラシノールは、機能性表示食品のサプリメントや飲料水として利用されている(非特許文献16及び17)。しかしながら、これまで、高カロリー、高脂肪、及び、高タンパクの食品に適用された例はない。これは、生体調整機能剤の有効性を損なうことなく、食品に生体調整機能剤を均一に混入することが容易ではないためであると推察される。
特に、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、食パンやピロキシ等のパン類、クレープやホットケーキ等の菓子類、うどんやラーメン等の麺類、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類、及び、天ぷらやフライ等の揚げ物類等の小麦粉加工食品、並びに、和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉加工食品は、小麦粉及び米粉の約70%を占めるデンプンを主体とする炭水化物に加え、単糖類及び二糖類である糖類、油脂、及び、バターやチーズ等の油脂を多く含む乳製品と共に食される高カロリー食品であるため、これらに生体調整機能剤が含まれていれば、医薬品や特定保健用食品を特別に摂取することなく肥満の予防及び対策を講じることができ、安心してこれらを食することができる。
この場合、食品に生体調整機能剤を均一に混入することが容易ではない理由がある。これは、小麦粉及び/又は米粉加工食品には、食品それぞれによって異なる粘弾性を有する生地、すなわち、小麦粉と水との混合、混錬によって生成されるドウ及びバッターが必要であるが、これらの生地に、これらの生地との親和性が不明な生体調整機能剤を、「だま(小麦粉及び/又は米粉を水に溶いた時、完全に溶けずにできる塊)」が生じることなく、均一に混入することは極めて難しいということである。しかも、食品ごとに粘弾性が異なるため、食品ごとに異なる分散、混合、及び、混錬方法を適用しなければならないという問題もある。中でも、生体調整機能剤として、生体調整機能成分を含む生薬や伝承薬を使用する場合は困難を極める。また、このような小麦粉及び/又は米粉のドウ及びバッターへの生体調整機能剤の均一な混入は、調理現場での大きな負担となる。更に、生体調整機能剤が、例えば、生薬や伝承薬を粉砕した粉体を使用する場合には、調理現場で生体調整機能剤が飛散するという問題もある。
従って、高カロリー食品である小麦粉及び/又は米粉加工食品に、生体調整機能剤、すなわち、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能を有する、保健機能成分、生薬及び/又は伝承薬、それらの抽出物、並びに、それらの抽出物の中の機能を発現する機能成分を容易に混入させることができれば、生体調整機能を有する医薬品、特定保健用食品である清涼飲料水、及び、機能性表示食品等を使用することなく、肥満を予防することでき、安心して高カロリーの小麦粉及び/又は米粉加工食品を食することができて望ましい。
特開平06−321787号公報 特開2007−31345号公報 国際公開第2008/018638号 特開2009−179579号公報 特開2010−95500号公報 特開2011−173905号公報 特開2011−254782号公報 特表2018−530600号公報 国際公開第2010/010949号 特開2005−8572号公報
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マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、食パンやピロキシ等のパン類、クレープやホットケーキ等の菓子類、うどんやラーメン等の麺類、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類、及び、天ぷらやフライ等の揚げ物類等の小麦粉加工食品、並びに、和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉加工食品は、小麦粉及び米粉の約70%を占めるデンプンを主体とする炭水化物に加え、単糖類及び二糖類である糖類、油脂、及び、バターやチーズ等の油脂を多く含む乳製品と共に食され、高いカロリーを有する食品となるため、肥満の予防及び対策として、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、並びに、整腸及び便性改善等の腸内環境改善機能等を有する生体調整機能剤が配合されていることが望ましい。
しかし、うどんやそうめん等の麺類、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、及び、食パンやピロキシ等のパン類等の小麦粉加工食品の生地である小麦粉と水とを混錬した粘度の高いドウ、並びに、クレープやホットケーキ等の菓子類、天ぷらやフライ等の衣(ころも)類、及び、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類等の小麦粉加工食品の生地である、ドウに加水して製造される粘度の低いバッター、並びに、和菓子、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉加工食品の生地に、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患等の生活習慣病の予防や治療等の対策に有効な、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能等を有する成分を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬及びその抽出物、その抽出物の中の機能成分、並びに、これらの機能を有する成分である単糖類、オリゴ糖類(小糖類)、多糖類、乳酸菌等の生体調整機能剤を均一に混入させることは、「だま」が生じるため、極めて困難である上、それぞれの食品ごとに異なる分散方法又は混合方法を適用しなければならず、調理現場での大きな負担になるという問題がある。特に、生体調整機能剤として、それが含まれている生薬や伝承薬を使用する場合は、生薬や伝承薬を粉砕した粉体を使用する必要があり、調理現場で生体調整機能剤が飛散するという問題も発生し、各種食品及び調理器具等への混入という調理現場の管理上の問題ともなる。
そこで、本発明は、上記小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地に、上記生体調整機能剤が均一に混入可能な、生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物である小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを提供することを目的とする。また、本発明は、生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物である小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、ニシキギ目ニシキギ科サラシア属のサラシア・レティキュレータ(コタラヒムブツ)粉砕物と小麦粉及び/又は米粉との混合物に、水及びコタラヒムブツ粉砕物と小麦粉及び/又は米粉との混合物を加えながら、三本ロールを用いて製造した混錬物は、コタラヒムブツ粉砕物が均一に分散した小麦粉及び/又は米粉と水の混錬物となり、うどんのドウ及びたこ焼きのバッター、並びに、フォーの生地に速やかに混入して、コタラヒムブツ粉砕物が均一に分散することを見出し、最終製品として試食実験したところ、コタラフィムブツ粉砕物が含まれていることを感じることなく食することができた。そこで、この混錬物に、各種糖類及び生薬等の生体調整機能剤を適用したところ、同様の効果及び結果が得られ、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、生体調整機能剤が少なくとも一種以上が均一に存在する小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物で、小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地に混合容易であることを特徴とする小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチであり、あらゆる小麦粉及び/
又は米粉加工食品に適用できる。
食品の機能には、第一次機能として、栄養機能で、栄養素としての働き、第二次機能として、感覚機能で、五感(視覚・嗅覚・聴覚・味覚・触覚)に訴える働き、そして、第三次機能として、生体調整機能で、消化器系、循環器系、内分泌系、免疫系、神経系等の生理調節を行い、健康の維持・増進等、人の健康、身体能力、心理状態に対して良い影響を与える働きがあると分類されているが、特に、生体調整機能剤が、これらのどの機能を有するかは明確でないと考えられる。しかし、本発明の生体調整機能剤は、「生体調整機能成分」、「生体調整機能成分」を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬、それら生薬及び/又は伝承薬の抽出物、並びに、それらの抽出物の少なくとも一つ以上の「生体調整機能成分」以外の機能成分であれば、特に限定されないが、「保健機能成分」、「機能性関与成分」、及び、医薬部外品等のように、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、腸内環境改善機能等の生体調整機能を発現する成分、その成分を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬、並びに、それらの抽出物が好ましい。
糖質吸収抑制機能を有する代表的な生体調整機能剤としては、スクラーゼ、マルターゼ、イソマルターゼ、ラクターゼ、トレハラーゼ、グルコアミラーゼ等の炭水化物消化酵素の阻害物質、及び、それらを含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬、その抽出物、並びに、その抽出物に含まれる機能成分が使用される。
天然由来の生薬及び/又は伝承薬としては、ニシキギ科サラシア属のサラシア・レティキュレータ、サラシア・オブロンガ、サラシア
・プリノイデス、サラシア ・チネンシス、サラシア・フルチコーサ、及び、サラシア・マクロスペルマ、並びに、キョウチクトウ科ギムネマ属のギムネマ・シルベスタ及びフトモモ科バンジロウ属のグァバの葉等を挙げることができる。従って、これらの抽出物、及び、抽出物に含まれる機能成分、特に、サラシノール、コタラノール、ネオコタラノール、ギムネマ酸、並びに、タンニン、カテキン、及び、プロアントシアニジン等の各種ポリフェノール等が、糖質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤として用いることができる。また、植物の加工品である、蒸した大豆を塩漬けにして発酵、乾燥させた豆鼓、そのエキス、及び、その成分であるトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンも使用することができる。
また、主として、微生物又は植物より得られた、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、及び、ペプチド類等を用いることができる。特に、単糖類としては、ボグリボース、ミグリトール、フロリジン、及び、L−アラビノース等、オリゴ糖類としては、アルカボーズ及び難消化性オリゴ糖等、多糖類としては、難消化性デキストリン及びポリデキストロース(これらは、食物繊維に分類されることも多い)等、ペプチド類としては、小麦アルブミン等を用いることができる。
ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリエチルアミン、ポリメタリルアミン、ポリビニルメチルイミダゾール、ポリビニルピリジン、キトサン、1,5−ジメチル−1,5−ジアザウンデカメチレン−ポリメトブロマイド(ポリブレン)等のポリアミンも脂質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤として使用することも可能である。
脂質吸収抑制機能を有する代表的な生体調整機能剤としては、リパーゼ等の脂質消化酵素の阻害物質を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬、その抽出物、及び、その抽出物の中の機能成分が使用される。
天然由来の生薬及び/又は伝承薬としては、ブナ科クリ属のクリの皮、ブドウ科ブドウ属の各種ブドウの果実の種子、アオイ科カカオ属のカカオの果実の種子、ウリ科トウガン属のトウガンの果実の種子、キンポウゲ科オキナグサ属のオキナグサの根、セリ科ニンジン属のニンジン、トチュウ科トチュウ属のトチュウの葉、バラ科ビワ属のビワの葉、及び、ツバキ科ツバキ属のチャノキ等を使用することができる。また、糖質吸収抑制機能を有する生体調節機能剤として挙げたニシキギ科サラシア属の各種サラシア及びフトモモ科バンジロウ属のグァバの葉は、脂質吸収抑制機能も有している。従って、これらの抽出物、及び、その抽出物のリバーゼ阻害成分である、サラシノール、コタラノール、及び、ネオコタラノール、並びに、タンニン、プロアントシアニジン、及び、カテキン等の各種ポリフェノールを用いることができる。
また、ニンジンの発酵物、並びに、チャノキを発酵させた、白茶、黄茶、青茶(ウーロン茶等)、紅茶、及び、黒茶(プーアル茶等)等には、脂質吸収抑制機能があり、好ましく用いられる。
一方、脂質吸収抑制機能を有する成分として、油の成分として少量含まれているジシアルグリセロール、植物油に少量含まれている中鎖脂肪酸、イワシ及びサバ等の青魚に含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)等の不飽和脂肪酸、グロビンタンパク分解物等のオリゴペプチド等も使用することができる。
更に、糖質吸収抑制機能を有する成分として挙げた難消化性デキストリンは、脂質吸収抑制機能も有している。
整腸及び便性改善等の腸内環境改善機能を有する代表的な生体調整機能剤としては、各種オリゴ糖類、多糖類、食物繊維、及び、乳酸菌を挙げることができる。また、スイスチーズ由来のプロピオン酸菌で発酵させた乳清発酵物(乳清タンパク)も好ましい。
オリゴ糖類としては、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラクチュロース、ガラクトオリゴ糖、ラフィノース、及び、コーヒーオリゴ糖等を用いることができ、特に、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖以外の難消化性オリゴ糖が好ましい。
多糖類としては、糖質及び脂質吸収抑制機能を有する難消化性デキストリン及びポリデキストロースが腸内環境改善機能も併せ持ち、好ましく用いられる。また、増粘剤等に使用されてきたガラクトマンナン及びその分解物もある腸内環境改善機能を有しており、好ましく用いられる。なお、これらは、次に示すように、水溶性食物繊維に分類されることが多い。
食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分類されるが、いずれの食物繊維も好ましく用いられる。不溶性食物繊維は、穀物、野菜、豆、キノコ、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻等に含まれているが、キノコを除いては、その含有量が少なく、食物繊維を抽出して用いる必要がある。特に、サイリウム種皮、ビール酵母、及び、寒天由来の不溶性食物繊維が好ましい。そして、水溶性食物繊維としては、上記多糖類として挙げた難消化性デキストリン、ポリデキストロース、並びに、ガラクトマンナン及びその分解物を用いることができる。
乳酸菌は、12以上の菌属に分類されており、桿菌としては、ラクトバチルス(Lactobacillus)、及び、カルノバクテリウム(Carnobacterium)等、球菌としては、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、テトラジェノコッカス(Tetragenococcus)、及び、ロイコノストック(Leuconostoc)等があるが、いずれの菌属に属する乳酸菌も使用することができる。植物性の乳酸菌が好ましく、特に、テトラジェノコッカス・ハロフィルス(Tetragenococcus halophilus、蔵華乳酸菌LTK−1と称して上市)及びラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum,KH3)が好ましい。
また、糖質吸収抑制機能及び脂質吸収抑制機能有する生体調節機能剤として挙げたニシキギ科サラシア属の各種サラシアは、更に、腸内環境改善機能をも有している。従って、これらの植物の抽出物、及び、その抽出物の中の機能成分である、サラシノール、コタラノール、及び、ネオコタラノール、並びに、タンニン、プロアントシアニジン、及び、カテキン等の各種ポリフェノールを用いることができる
以上、本発明に使用することが好ましい生体調整機能剤の代表例を挙げたが、これらに限定されるものではなく、中国に起源を有する生薬及び漢方薬、並びに、世界各地に存在する伝承薬を含めた生薬の中から、生体調整機能を有する生薬及びその抽出物を用いることができる。また、生体調整機能剤は、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能を有するものを複数組み合わせて用いることが好ましい。
特に、生体調整機能剤が、生薬、生薬の抽出物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、食物繊維、及び、乳酸菌から選択される少なくとも一つ以上であることが好ましい。中でも、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能を全て兼ね備えたニシキギ科サラシア属植物である、サラシア
・レティキュラータ、サラシア・プリノイデス、サラシア・チネンシス、サラシア・マクロスペルマ、サラシア・フルチコーサ、サラシア・オブロンガ等の根、茎、及び、葉、並びに、これらニシキギ科サラシア属植物の抽出物であることがより好ましく、サラシア・レティキュレータの根及び茎、並びに、その抽出物であることがより更に好ましい。また、生体調整機能剤として、ニシキギ科サラシア属植物の抽出物の中の機能成分である、サラシノール、コタラノール、及び、ネオコタラノールの中から選択される少なくとも一つ以上を用いることもできる。
なお、上記生薬及び伝承薬としては、これまでに報告されている、次に示すようなハーブ等の植物を含む生薬及び/又は伝承薬を使用することができる。なお、ここで示す生薬及び伝承薬は、特許文献1、3、4、5、6,7、9、及び、10、並びに、非特許文献20、21、22、及び、23等に基づいた一例であり、現時点では明らかであるとは断定できないが、その効能が示唆されている生薬及び伝承薬も全て含む。また、機能別に生薬及び伝承薬を記載するが、生薬及び伝承薬の機能は、これらの記載に限定されるものではない。このような注釈は、生体調整機能を明確にするためには、正確かつ高精度の実験データの蓄積等に多大な労力と時間が必要であることに基づいている。また、本発明の目的は、小麦粉及び/又は米粉加工食品に、均一に生体調整機能剤を混入させるための小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを提供することであり、生体調整機能剤が限定されるものではないからである。
中国由来の生薬と呼称される脂質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤としては、ハクトウオウ(白頭翁)、ミツモウカ(密蒙花)、カイトウヒ(海桐皮)、ハクシジン(柏子仁)、トウガシ(冬瓜子)、ドッカツ(独活)、ヨウバイヒ(楊梅皮)、チョウジ(丁子、クローブ)、リョウキョウ(良姜)、ビンロウシ(檳榔子)、ケツメイシ(決明子)、ウワウルシ、イチョウ葉、コウブシ(香附子)、シャクヤク(芍薬)、オオレン(黄連)、オウバク(黄柏)、ボタンピ
(牡丹皮)、ウコン(ターメリック)、オウゴン(黄今)、ダイオウ(大黄)、ガイヨウ(艾葉)、ゲンノショウコウ(玄草)、ゴマ(胡麻)、ニクズク(肉豆く、ナツメグ)、メース(肉豆く衣)、カシ(訶子)、ソウズク(草荳蒄)、ビャクダン(白檀)、ケイヒ(桂皮、支那肉桂)、レンニク(蓮肉)、カヨウ(荷葉)、トチュウヨウ(杜仲茶葉)、タラヨウ(多羅葉)、カモミール(カミツレ)、ダイウイキョウ(大茴香)、タマネギ(玉葱)、タマネギノカワ(玉葱の皮)、ツキミソウ(月見草)、カラモッコウ(唐木香)、ショウモッコウ(青木香)、センモッコウ(川木香)、ドモッコウ(土木香)、コウボク(厚朴)、マツバ(松葉)、マツノミ(松の実)、マツ(松)、シュロシ(棕櫚子)、シュロジツ(棕櫚実)、シュロヨウ(棕櫚葉)、スイコウカシ(水紅花子)、スイヨウバイ(水楊梅、大根草)、アンソクコウジュ(安息香樹)、セイヒ(青皮)、オウゴン(黄ごん)、バンカ(蕃果)、トウヒ(橙皮)、ハクガイシ(白芥子)、ガイハク(薤白)、サンヤク(山薬)、人参(発酵物)、サイチャ(細茶)、ラフマ(羅布麻)、トウヨウ(桃葉)、トウニン(桃仁)、キンギンカ(金銀花)、クジン(苦参)、フジキ(藤木)、クルミ(胡桃)、ジリュウ(地竜)、ソウキセイ(桑寄生)、ヤコウトウ(夜交藤)、及び、レイシ(霊芝)等を挙げることができる。
インド、スリランカ、ブラジル等の伝承薬と呼称される脂質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤としては、カスカラ(コーヒーの果肉皮)、カツアーバ (樹皮)、アムラ(ユカン、果実)、アラマキ(果実)、ビビタキ(果実)、ハリタキ(果実)、カイソウ(海葱、鱗茎)、クスノハガシワ(カラムの木の果実)、ガルシニア・インディカ(果実)、コパイバ(幹)、ジャボチカバ(果実)、スクピラ(果実)、ジュルベバ(幹・根・葉・果実)、カチャナール(花・樹皮)、ウアナルポマチョ(幹)等を挙げることができる。
ハーブと呼称される脂質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤としては、ハッカ
(薄荷、ペパーミント、全草)、セイボリー(キダチハッカ・全草)、ヒソップ(ヤナギハッカ・全草)、ペニーロイヤル(メグサハッカ・全草)、レモンバーム(コウスイハッカ・全草)、レモングラス(全草)、オリーブ(葉)、オールスパイス(葉・枝・果実)、タイム(全草)、リンデン(ボダイジュ・ライム・セイヨウナシノキ、葉・花)、ユーカリ(葉・枝)、オレガノ(葉)、アルファルファ(全草)、セイジ(葉)、ディル(葉・種子)、ローズヒップ(果実)、ローズマリー(葉)、ラベンダー(全草)、マジョラム(葉)、サフラワー(花)、ダンデリオン(西洋タンポポ、全草)、ラークスパー(全草)、ムラサキタデ(葉・茎)、バジル(メボウキ・葉)、及び、ハイビスカス(花)等を挙げることができる。ハーブと呼称されるものではない栗、ブドウ、オオアラセイトウ等の植物の、それぞれ、渋皮、種子、及び、種子等も効能が報告されている。
また、茶類も脂質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤として有用であると報告されており、緑茶、白茶、黄茶、青茶(ウーロン茶等)、紅茶、及び、黒茶(プーアール茶等)を挙げられるが、特に、発酵茶であり、発酵度が高い程好ましい。
次いで、中国由来の生薬と呼称される糖質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤としては、ラカンカ(羅漢果)、マオウ(麻黄)、オウセイ(黄精)、キグシ(枳具子)、ランソウ(蘭草)、レンセンソウ(連銭草)、ソウコンピ(そう根皮)、及び、タラノキカワ(たらの木皮)等を挙げることができる。
インド、スリランカ、ブラジル等の伝承薬と呼称される糖質吸収抑制機能を有する生体調整機能剤としては、ギムネマ・シルベスタ(葉)、ヒロハセネガ(根)、サトウダイコン(根)、ホウキギ(トンブリ、果実)、タラノキ(芽)、ホウレンソウ(全草)、ツルムラサキ(全草)、トチノキ(種子)、チャノキ(種子)、ツバキ(種子)、及び、インスリーナ(葉)等を挙げることができる。
腸内環境改善機能を有する生体調整機能剤としては、中国由来の生薬が多く、ソウジュツ
(蒼朮)、タイソウ(大棗)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、ハンゲ(半夏)、ブクリョウ(茯苓)、アカメガシワ(赤芽柏)、ウイキョウ(茴香)、ウヤク(烏薬)、エイジツ(営実)、エンメイソウ(延命草)、ガジュツ(莪朮)、カッコウ(霍香)、カンキョウ(乾姜)、キコク(枳殻)、キジツ(枳実)、キッピ(橘皮)、クコヨウ(枸杞葉)、クコシ(枸杞子)、クロモジ(黒文字)、ケンゴシ(牽牛子)、コウシ(香鼓)、コジョウコン(虎杖根)、サンザシ(山査子)、サンショウ(山椒)、シュクシャ(縮砂)、ショウマ(升麻)、ショウブコン(菖蒲根)、シンギク(神麹)、ショウモク(椒目)、セキショウコン(石菖根)、ソウカ(草果)、ソウジュツ(蒼朮)、トウジン(党参)、バクガ(麦芽)、ハクシニン(柏子仁)、ハクヘンズ(白扁豆)、ハンゲ(半夏)、ビャクジュツ(白朮)、ブクシン(茯神)、マシニン(麻子仁)、及び、リュウタン(竜胆)等を挙げることができる。
このような生体調整機能剤の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチに占める配合量は、最終的な小麦粉及び/又は米粉加工食品を食する際の摂取量から適宜設定してもよいが、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチに占める生体調整機能剤が多い程、種々の小麦粉及び/又は米粉加工食品のドウ及びバッターに適用することができるマスターバッチとなると共に、その添加量を少なくすることができ好ましい。しかし、生体調整機能剤をマスターバッチに均一に混入可能な量には限界があるため、マスターバッチに占める生体調整機能剤は、20〜50質量%であることが好ましい。
一方、生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉に対する水の配合量も、種々の小麦粉及び/又は米粉加工食品のドウ及びバッターに適用するためには、水の配合量は少ない程好ましい。しかし、この場合も、生体調整機能剤が小麦粉及び/又は米粉と水の混錬物の中に均一に存在するためには、生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉と水とには適切な配合比がある。これは、小麦粉の約10〜15%を占めるタンパク質の内、約90%を占める2種類のタンパク質であるグリアジンとグルテニンが、徐々に水を吸収して、粘性と弾性を合わせ持つ独特の物質、すなわち、穀類の中では小麦粉だけに形成されるグルテンという水に不溶なタンパク質を形成するが、その粘弾性を有するグルテンと小麦粉の約70%を占める炭水化物の主成分であるデンプンとが、水を介して結合した凝集体を形成しており、その凝集体に生体調整機能剤が均一に混入する必要があることに基づいている(非特許文献23)。生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉100質量部に対して、水が10〜90質量部であることが好ましく、20〜80質量部であることがより好ましく、30〜70質量部であることがより更に好ましい。水が少なすぎると弾性が高すぎて、生体調整機能剤が、グルテン、デンプン、及び、水から形成される凝集体に均一に分散することが困難になる。逆に、水が少なすぎると粘性が低く、分散時の圧縮力及び剪断力が加わらないため、生体調整機能剤が、グルテン、デンプン、及び、水から形成される凝集体に均一に分散することが困難になる。このようなグルテン、デンプン、及び、水から形成される凝集体の粘弾性は、pH、温度、酸化剤の有無等によって調整することができるが、ここでは、中性で、常温(約25℃)において、酸化剤を使用しない場合における適正な配合量である。
特に、生体調整機能剤として、天然由来の生薬及び/又は伝承薬、及び、それらの原料となる植物を使用する場合は、水分が10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下となるように乾燥させる。更に、その乾燥物を、長軸方向の長さが、300μm以下となるように細かく粉砕することが、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチに均一な分散させるために望ましく、200μm以下であることがより望ましい。この粉砕には、一般的なクラッシャー、例えば、ロータリークラッシャー、ハンマークラッシャー、ウイングミル、ロール&ハンマークラッシャー、ロールクラッシャー、及び、カッターミル等を使用することが好ましく、ウイングミルがより好ましい。
水については、特に限定されることはなく、水道水、純水、蒸留水、及び、イオン交換水等を用いることができる。
生体調整機能剤が均一に混入した小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを製造するためには、固体の生体調整機能剤の場合、生体調整機能剤を乾式混合した小麦粉及び/又は米粉に、水及び生体調整機能剤を乾式混合した小麦粉及び/又は米粉を加えながら圧縮及び剪断により分散及び混錬し、最終的に、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉100質量部に対する水が10〜90質量部となるように圧縮及び剪断により分散及び混錬することが好ましい。10質量部未満である場合、生体調整機能剤、小麦粉及び/又は米粉、並びに、水が、粘弾性を有する均一な塊状物となることはできず、90質量部以上の場合、圧縮力及び剪断力が十分伝わらず、生体調整機能剤、小麦粉及び/又は米粉、並びに、水の均一な分散及び混錬を実現することはできない。一方、液状の生体調整機能剤の場合は、小麦粉及び/又は米粉に、水及び生体調整機能剤を加えながら、最終的に、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉100質量部に対する水が10〜90質量部、より好ましくは20〜80質量部、より更に好ましくは30〜70質量部となるように圧縮及び剪断により分散及び混錬することが好ましい。特に、分散及び混錬開始から終了時まで、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉100質量部に対する水の配合量を、それぞれ、10〜90質量部、20〜80質量部、及び、30〜70質量部に保つことが、十分に安定した圧縮力及び剪断力が加わり好ましい。
また、小麦粉及び/又は米粉加工食品の種類によって、小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地の粘度が異なるので、どのような小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地に対応するためには、水の配合量は少ない程好ましいが、小麦粉及び/又は米粉加工食品の種類に応じて配合量を調整することが必要な場合もある。しかし、上述したように、生体調整機能剤の均一な混入を考慮すると、少なくとも、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉100質量部に対する水が10〜90質量部、より好ましくは20〜80質量部、より更に好ましくは30〜70質量部とすることによって、幅広い小麦粉及び/又は米粉加工食品に対応可能である。
生体調整機能剤が固体の場合には、小麦粉及び/又は米粉との乾式混合は、タンブラーミキサー等を用いることができるが、液体の場合には、乾式混合は省略される。圧縮及び剪断による分散及び混錬は、三本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押し出し機、及び、二軸押し出し機等を使用することができるが、これらの中から選択される少なくとも二つ以上を併用することが好ましい。しかし、特に、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉と水との配合比を制御することが容易な三本ロールを用いて分散及び混錬することが好ましく、二つ以上の分散及び混錬を併用する場合は、三本ロールで分散及び混錬を行った後、その他の分散及び混錬方法を併用することが望ましい。
このようにして製造された小麦及び/又は米粉加工用マスターバッチは、分散及び混錬方法によって製造される形状が異なり、調理現場への供給及び調理現場での取り扱いを考慮して、カッターで裁断する工程、又は、凍結して粉砕する工程を設け、粒状、棒状、及び、板状等の小さな塊状物にすることが好ましい。
三本ロールや押し出し機を分散及び混錬の最終工程とした場合は、シート状及び棒状となるので、一般的な、カッター、例えば、シートカッター、ロータリーカッター、スライドカッター、及び、ローラカッター等を用いることができ、又は、凍結して粉砕することが可能である。なお、この粉砕には、天然由来の生薬及び/又は伝承薬、及び、それらの原料となる植物の乾燥物を粉砕するクラッシャーを使用することもできる。
しかし、ニーダー及びバンバリーミキサーを用いて混入した場合は、塊状となるので、三本ロール又は押し出し機で、シート状又は棒状とする必要がある。
一方、小麦粉は、特に限定されるものではなく、小麦粉及び/又は米粉加工食品の用途に応じて使い分ける必要がある。パン、餃子の皮、及び、中華麺等には、たんぱく質の含有量が多い硬質小麦から製造される強力粉、うどん、そうめん、及び、きしめん等には、たんぱく質の含有量が適度な中間質小麦から製造される中力粉、クレープ、ケーキ、たこ焼き、及び、天ぷら等には、たんぱく質の含有量が少ない軟質小麦から製造される薄力粉、並びに、スパゲッティ、マカロニ、及び、ピッツァ等には、特にグルテンを作るたんぱく質であるグリアジンとグルテニンが多いデュラム小麦から製造されるデュラムセモリナが適している。しかし、実際には、各用途で、各種小麦粉が配合されているが、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの場合は、下記に示すように、複雑な配合を必要としない。
また、米粉も、もち米及びうるち米から製造されるものであれば、特に限定されることはなく、米粉加工食品の用途に応じて使い分ける必要がある。もち米から製造される白玉粉、餅粉、求肥粉、道明寺粉、寒梅粉、落雁粉、微塵粉、及び、リ・ファリーヌ・レジェール等は、主として、和菓子に、うるち米から製造される上新粉、かるかん粉、乳児粉、及び、リ・ファリーヌ等は、ビーフン、フォー、及び、生春巻き等の米粉加工食品、並びに、小麦粉代替え米粉加工食品に使用される。しかし、実際には、各用途で、各種小麦粉が配合されているが、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの場合は、下記に示すように、複雑な配合を必要としない。
本発明の小麦粉及び/又は加工食品用マスターバッチは、上記各用途の生地である各種小麦粉及び/又は米粉が配合されている各種生地に対して、少量添加するだけでよいため、本発明の小麦粉及び/又は加工食品用マスターバッチの小麦粉及び/又は米粉としては、4種類の小麦粉及び2種類の米粉から適宜選択して製造すれば良い。この点も、本発明の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの大きな特徴の一つである。
本発明の生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチは、うどんやそうめん等の麺類、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、及び、食パンやピロキシ等のパン類等の小麦粉加工食品の生地である小麦粉と水とを混錬した粘度の高いドウ、並びに、クレープやホットケーキ等の菓子類、天ぷらやフライ等の衣(ころも)類、及び、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類等の小麦粉加工食品の生地である、ドウに加水して製造される粘度の低いバッター、並びに、ビーフン、フォー、生春巻き等の米粉加工食品、及び、小麦粉代替え米粉加工食品の生地の代替として使用することができる。しかし、本発明の特徴は、従来の各種小麦粉及び/又は米粉加工食品の生地に、本発明の生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ添加することによって、一部を置き換えて均一に混入可能であり、このような各種加工食品に生体機能調整剤を添加できることにある。従って、本発明は、各加工食品に共通して使用可能であり、少量で各加工食品に生体調整機能剤を均一に添加することが容易な生地、すなわち、生体調整機能剤を含有する小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを提供するものである。
本発明により、うどんやそうめん等の麺類、マカロニやスパゲッティ等のマカロニ類、及び、食パンやピロキシ等のパン類等の小麦粉加工食品の生地である小麦粉と水とを混錬した粘度の高いドウ、並びに、クレープやホットケーキ等の菓子類、天ぷらやフライ等の衣(ころも)類、及び、お好み焼きやたこ焼き等の軽食類等の小麦粉加工食品の生地である、ドウに加水して製造される粘度の低いバッター、並びに、ビーフン、フォー、生春巻き等の米粉加工食品、及び、小麦粉代替え米粉加工食品等の生地の一部を置き換えて均一に混入させることができ、各種小麦粉及び/又は米粉加工食品に生体機能調整剤を添加できる。しかも、異なる小麦粉及び/又は米粉を使用する各種小麦粉及び/又は米粉加工食品に共通して使用可能な、生体調整機能を含有した生地、すなわち、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを提供することができる。
従って、本発明の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを使用することによって、高カロリー、高脂肪、高タンパクの各種小麦粉及び/又は米粉加工食品の摂取において懸念される糖尿病、脂質異常症、高血圧症、心血管疾患等の生活習慣病の予防や治療等の対策に有効な、糖質吸収抑制機能、脂質吸収抑制機能、及び、腸内環境改善機能等を有する成分を含む天然由来の生薬及び/又は伝承薬及びその抽出物、並びに、これらの機能を有する成分である単糖類、オリゴ糖類(小糖類)、多糖類、乳酸菌等の生体調整機能剤を均一に分散及び混入された小麦粉及び/又は加工食品を提供することができるようになる。
特に、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチは、「だま」が生じることなく、小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地に容易に溶解、混合するので、調理現場における負担を掛けずに、肥満の予防及び対策が講じられた小麦粉及び/又は米粉加工食品を提供することができる。その結果、消費者の小麦粉及び/又は米粉加工食品に対する肥満への不安を低減し、購買意欲を増進させる効果も期待できる。
なお、このような生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチが、小麦粉のドウ及びバッター、並びに、米粉の生地へ容易に溶解、混合するのは、粘度の高い状態で強い圧縮力及び剪断力の下で生体調整機能剤が分散及び混錬された混錬物であって、このような混錬物の生体調整機能剤は、液体又は水溶性物質の場合、分子レベルで小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物に溶解していること、固体の場合、生体調整機能剤が小麦粉及び/又は米粉と水との混錬物で完全に被覆されていることに起因している。従って、生体調整機能剤を各種小麦粉及び/又は米粉加工食品の生地に直接混入すると、「だま」が生じ、生体調整機能剤が均一に混入しないのに対し、小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを用いることによって、このような問題が解消されるのである。
また、生体調整機能剤として、例えば、天然由来の生薬及び/又は伝承薬を粉砕した粉体、並びに、それらの原料の植物の根、茎、樹皮、及び、葉等の乾燥物を粉砕した粉体を使用する場合には、調理現場で、生体調整機能剤が飛散しないという効果もある。
以下、本発明に対する理解を深めるために、実施例を用いて、具体的に本発明を説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
≪実施例1≫
食パン用の生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを製造した。生体調整機能剤としてサラシア・レティキュレータの根及び茎を、小麦粉として強力粉を、水として純水を使用した。サラシア・レティキュレータは、水分が10%以下となるまで予め乾燥しておき、長軸の長さが約200μm以下となるようにウイングミルを用いて粉砕し、それぞれ、下記のように秤量して準備した
サラシア・レティキュレータ粉砕物 500g
強力粉 4,167g
純水 833g
まず、サラシア・レティキュレータ粉砕物500gと強力粉4,167gとをタンブラーミキサーを用いて乾式混合し、生体調整機能剤を含む小麦粉4,667gを製造した。この内、2,667gと純水400gとをニーダーを用い、圧縮力及び剪断力を加えながら、塊状物になるまで混錬した。
次いで、この塊状物を取り出し、三本ロールで混錬しながら、残る生体調整機能剤を含む小麦粉2,000gと純水433gを徐々に添加しつつ、圧縮力及び剪断力を加えながら混錬し、厚さ1mm、幅約500mmの連続シートに成形した。
このようにして製造された連続シートを長さ500mmとなるように、シートカッターで裁断した後、ロータリーカッターで棒状の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチを製造した。
一方、食パン用のドウは、小麦粉100質量部に対し水65質量部となるように、強力粉3,606g、水2,344gをニーダーに投入して製造された。この食パン用ドウ5,950gが入っているニーダーに、上記マスターバッチ550gを添加して混錬したところ、マスターバッチは容易に混合し、生体調整機能剤が均一に分散したドウが製造された。なお、このドウは、更に、イースト、油脂、砂糖、及び、食塩等を添加した後焼き上げられるが、その結果得られる食パン一食分65g中に、一日に必要なサラシア・レティキュレータ摂取量約0.5gが含まれている。
≪実施例2≫
うどん用の生体調整機能剤を含む小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチは、小麦粉として中力粉を使用することを除き、≪実施例1≫と全く同様にして製造した。
うどん用のドウは、小麦粉100質量部に対し水31.5質量部となるように、中力粉4,437g、水1,398gをニーダーに投入して製造された。このうどん用ドウ5,835gが入っているニーダーに、上記マスターバッチ165gを添加して混錬したところ、マスターバッチは容易に混合し、生体調整機能剤が均一に分散したドウが製造された。なお、このドウに食塩等を添加して混錬した後、成形されるが、その結果得られるうどん一食分200g中に、一日に必要なサラシア・レティキュレータ摂取量約0.5gが含まれている。
≪実施例3≫
食パン用のドウとして、強力粉3,606gの替わりに、強力粉1,606gとリ・ファリーヌ・レジェール2,000gとの混合物を使用することを除き、≪実施例1≫と全く同様に製造し、評価したところ、≪実施例1≫と全く同様に、生体調整機能剤が食パン用ドウ全体に均一に分散することができた。
本発明の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチは、生体調整機能剤を、うどん、マカロニ、及び、食パン等の小麦粉及び/又は米粉加工食品に、食感を損ねることなく、均一にかつ効率的に混入する技術を提供するものである。しかし、本発明のマスターバッチの技術思想は、小麦粉及び/又は米粉加工食品への生体調整機能剤の混入に限定されるものではなく、各種かまぼこ、ソーセージ、ハンバーグ、コロッケ、ペット用餌、ソース、及び、ドレッシング等の、固体状、ペースト状、及び、液体状のあらゆる状態及び種類の混錬食品及び混合食品に幅広く利用することが可能な産業技術としての価値がある。

Claims (8)

  1. 生体調整機能剤が少なくとも一種以上が均一に存在する小麦粉と水との混錬物で、ドウ及びバッターに混合容易であることを特徴とする小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  2. 前記生体調整機能剤が、生薬及び伝承薬、前記生薬及び伝承薬の抽出物、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、食物繊維、並びに、乳酸菌から選択される少なくとも一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  3. 前記生薬及び前記生薬が、それぞれ、ニシキギ科サラシア属植物であることを特徴とする請求項2に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  4. 前記生薬及び伝承薬の抽出物が、ニシキギ科サラシア属植物及の抽出物であることを特徴とする請求項2に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  5. 前記生体調整機能剤が、サラシノール、コタラノール、及び、ネオコタラノールの中から選択される少なくとも一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  6. 前記生体調整機能剤を含有する前記小麦粉及び/又は米粉100質量部に対する前記水が10〜90質量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチ。
  7. 前記生体調整機能剤を含有する前記小麦粉及び/又は米粉に、前記水及び前記生体調整機能剤を含有する前記小麦粉を加えながら圧縮及び剪断により分散及び混錬し、最終的に、前記生体調整機能剤を含有する前記小麦粉100質量部に対する前記水が10〜90質量部となるように圧縮及び剪断により分散及び混錬する工程を経ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの製造方法。
  8. 前記分散及び混錬する工程後に、カッターで裁断する工程、又は、凍結して粉砕する工程を設けたことを特徴とする請求項8に記載の小麦粉及び/又は米粉加工食品用マスターバッチの製造方法。

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