JP2021128114A - ガラス線量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線計測に好適なガラス線量計を提供する。【解決手段】放射線検出用ガラスと金属フィルタとを含むガラス線量計であって、放射線検出用ガラスが、質量%で、SiO22.5超〜10%、P2O560〜80%、Al2O35〜30%、Na2O 5〜20%、Ag2O 0.01〜5%を含有することを特徴とするガラス線量計。【選択図】なし

Description

本発明は放射線の線量当量を計測するために好適なガラス線量計に関する。
放射線被ばく線量を測定するための検出物質として、放射線検出用ガラスが、医療分野、原子力分野等の放射線を取り扱う分野において広く用いられている。なお、ここで放射線とはベータ線、ガンマ線またはエックス線等を指す。一般に放射線検出用ガラスには、銀リン酸系ガラスが用いられている(例えば特許文献1参照)。このガラスに放射線を照射すると、ガラス中に正孔と電子が生成し、生成した正孔と電子がガラス中のAgイオンに捕捉されてAg2+、Agとなる。ガラス中のAg2+、Agを、波長300〜400nmの紫外光により励起すると蛍光を発する(ラジオフォトルミネッセンス現象、以下「RPL現象」と示す。)。
RPL現象による蛍光強度は照射された放射線の線量当量(以下、「放射線量」と記す。)に比例するので、蛍光強度を測定する事により放射線量を計測する事が出来る。このガラスの放射線量に対する蛍光検出感度は、ガラスの組成に応じて変化する。RPL現象によってガラス中に生成した蛍光中心は近接配位原子との相互作用により安定化し、室温下では蛍光中心の消失が起こらないため、長期間にわたり放射線量の計測が可能である。また、ガラス中に生成した蛍光中心は加熱処理により消失するため、繰り返して使用することが可能である。
ところで、放射線検出用ガラスは、高温高湿環境下で使用される場合があり、高い耐候性が必要になる。耐候性が悪いと、ガラス表面のひび割れや異物の発生による白濁等の問題が生じ、放射線量の計測を阻害する問題がある。
ガラス線量計は、ガンマ線、エックス線、ベータ線等の放射線エネルギーに応じて感度が異なる性質を持ち、特に低エネルギー放射線で感度が高くなる傾向がある(以下エネルギー依存性)。そこで、エネルギー補正を行うために、一般的に金属フィルタを用いる必要がある。
特開2016−145145号公報
特許文献1に記載されているような耐候性が悪い放射線検出用ガラスは、大気中の水分との反応によりガラス中からリン酸成分が溶出し易くなる。このリン酸成分が金属フィルタと反応し、ガラス中へ金属イオンが拡散する。金属フィルタとして用いられる銅又は錫には不純物として銀が含まれており、ガラス中に銀イオンが拡散すると、ガラス中の銀イオン濃度が上昇し、放射線計測に問題が生じる。
以上に鑑み、本発明は、放射線計測に好適なガラス線量計を提供することを目的とする。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、放射線検出用ガラスのガラス組成を厳密に規制することにより上記技術的課題を解決しえることを見出した。
本発明のガラス線量計は、放射線検出用ガラスと金属フィルタとを含むガラス線量計であって、放射線検出用ガラスが、質量%で、SiO 2.5超〜10%、P 60〜80%、Al 5〜30%、NaO 5〜20%、AgO 0.01〜5%を含有することを特徴とする。このように組成を規制することでガラスの耐候性が向上し、金属フィルタを用いてもガラス中に銀イオンの拡散が生じにくくなる。
本発明のガラス線量計は、金属フィルタが銅又は錫であることが好ましい。
本発明のガラス線量計は、金属フィルタの不純物濃度が5%以下であることが好ましい。
本発明のガラス線量計は、金属フィルタの厚みが0.1〜5mmであることが好ましい。
本発明によれば、放射線計測に好適なガラス線量計を提供することができる。
本発明のガラス線量計は、放射線検出用ガラスと金属フィルタとを含むガラス線量計であって、放射線検出用ガラスが、質量%で、SiO 2.5超〜10%、P 60〜80%、Al 5〜30%、NaO 5〜20%、AgO 0.01〜5%を含有する。
まず、放射線検出用ガラスについて説明する。
放射線検出用ガラスは、質量%で、SiO 2.5超〜10%、P 60〜80%、Al 5〜30%、NaO 5〜20%、AgO 0.01〜5%を含有する。
ガラス組成を上記のように限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
SiOは、ガラスの耐候性を高めるために重要な成分であり、またガラスの機械的強度を高める成分である。SiOの含有量は2.5超〜10%であり、2.6〜9%、特に2.7〜8%であることが好ましい。SiOの含有量が少な過ぎると、耐候性が低下し易い。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
は、ガラスの骨格を形成する主成分である。Pの含有量は60〜80%であり、65〜78%、66〜77%、特に67〜76%であることが好ましい。Pの含有量が少な過ぎると、蛍光検出感度の低下が起こり易く、またガラスが分相、失透し易くなる。一方、Pの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。
Alは、ガラスの耐候性を高める成分であると共に、分相、失透を抑制する成分である。Alの含有量は5〜30%であり、7〜28%、8〜25%、特に10〜20%であることが好ましい。Alの含有量が少な過ぎると、耐候性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなる。
なお、P/(SiO+Al)は2.3以上、2.5以上、特に3.0以上であることが好ましい。P/(SiO+Al)が小さ過ぎると分相や失透が起り易くなって、ガラス化し難くなる。また、P/(SiO+Al)の上限は特に限定されないが、P/(SiO+Al)が大き過ぎるとガラス化し難くなったり、耐候性が低下し易くなるため、6以下、5以下、特に4.8以下であることが好ましい。なお、「P/(SiO+Al)」はPの含有量をSiO及びAlの合量で除した値を指す。
NaOは高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める、特にガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。NaOの含有量は5〜20%であり、7〜19%、特に8〜18%であることが好ましい。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなることに加えて、蛍光検出感度が低下しやすくなる。一方、NaOの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。
AgOはRPL現象によって蛍光中心を形成するための重要な成分である。AgOの含有量は、0.01〜5%であり、0.05〜4%、特に0.1〜3%であることが好ましい。AgOの含有量が少な過ぎると蛍光検出感度が低下し易くなる。一方、AgOの含有量が多過ぎると耐候性が低下し易くなる。
放射線検出用ガラスは、上記成分以外にも以下の成分を含有することができる。
MgOはガラスの耐候性を高める成分である。MgOの含有量は0〜10%、0.1〜7%、特に1〜4%であることが好ましい。MgOの含有量が多過ぎると、リン酸マグネシウム等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
ZnOはガラスの分相、失透を抑制する成分である。ZnOの含有量は0〜10%、0.1〜7%、特に1〜4%であることが好ましい。ZnOの含有量が多過ぎると、耐候性、蛍光検出感度が低下し易くなる。
はガラスの耐候性を高める成分である。Bの含有量は0〜10%、0〜8%、特に0〜5%であることが好ましい。Bの含有量が多過ぎると、逆に耐候性が低下し易くなる。
CaO、SrO及びBaOはガラスの耐候性を高める成分である。CaO+SrO+BaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。CaO+SrO+BaOの含有量が多すぎると蛍光検出感度が低下し易くなり、また液相温度が低下して、リン酸塩等の失透結晶が析出し易くなる。なお、「CaO+SrO+BaO」は、CaO、SrO及びBaOの各含有量の合量を意味する。
なお、CaO、SrO及びBaOの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。
CaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
SrOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
BaOの含有量は0〜15%、0〜10%、特に0〜5%であることが好ましい。
放射線検出用ガラスは、ガラス転移点が600℃以下、550℃以下、特に530℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が高すぎると、後述する熱処理温度が高くなるため、熱処理時にB、P、NaOが蒸発し組成ズレが起こりやすくなり、所望の特性が得にくくなる。ガラス転移点の下限は特に限定されないが、現実的には300℃以上である。
次に、放射線検出用ガラスの製造方法について具体的に説明する。ただし、これに制限されるものではない。
まず、所望の組成になるように調合した原料粉末を、均質なガラスが得られるまで溶融する。ここで、ガラス溶融用容器としては、石英ガラス、耐火物、グラッシーカーボン、等が使用できる。なお、ガラス溶融坩堝の材質としては、SiO、Al等が挙げられる。なお、一般的なガラス溶融坩堝の材質であるPt、Rhは、ガラスを還元してAg量を増加させ、放射線検出用ガラスのプレドーズ値を上昇させる傾向があるため、放射線検出用ガラスの製造には不適である。次いで、溶融ガラスをカーボン板等の上に流し出し、板状に成形した後、常温まで徐冷する。徐冷条件としては、例えば、徐冷点より約20℃高い温度から約2℃/分で降温することが好ましい。このようにして、放射線検出用ガラスを得ることができる。得られた放射線検出用ガラスは、個人被ばく線量計測や環境中の放射線計測に用いることができる。
また、上述した通り溶融時の酸素分圧が低くなるとAg成分が還元されやすくなり、ガラス中にAgが発生しやすくなる。Ag成分の還元を抑制する方法としては、溶融温度を1000〜1400℃に低くする方法、溶融雰囲気に酸化性ガスを導入する方法、原料として酸化剤である硝酸塩を使用する方法等が挙げられる。なお、酸化性ガスとしては、酸素、オゾン、窒素酸化物(亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素等)等が挙げられる。また、硝酸塩としては、硝酸銀、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム等を用いることができる。
次に、放射線検出用ガラスを用いて蛍光強度測定を行った後、再生する一連の流れについて説明する。
(自然放射線による蛍光中心の消失)
まず、得られた放射線検出用ガラスの両面を光学研磨面(鏡面)となるように研磨した後、熱処理し、自然放射線によって形成された蛍光中心を消失させる。
(放射線量の測定)
続いて、放射線検出用ガラスが受けた放射線量を測定する。具体的には、放射線検出用ガラスに放射線が照射されると、ガラス中にAg2+、Agが形成される。その後、下記の熱処理条件で熱処理し蛍光強度を安定化した後、紫外光を照射して蛍光強度を測定する。この蛍光強度から放射線量を算出する。
熱処理温度は、(ガラス転移点/4)〜(ガラス転移点/2.5)、特に(ガラス転移点/3.5)〜(ガラス転移点/2.7)であることが好ましい。熱処理温度が低すぎると、蛍光強度が安定化しにくく、放射線量測定値の再現性が低くなり易い。一方、熱処理温度が高すぎると、長期保管時に蛍光強度が低下し易く、放射線量測定値の再現性が低くなり易い。具体的には、熱処理温度は、105〜200℃、特に110〜180℃であることが好ましい。また、熱処理時間は、10〜120分、特に20〜70分であることが好ましい。熱処理時間が短過ぎると、ガラス内部にまで熱が伝わりにくいため、蛍光強度が安定化しにくく、放射線量測定値の再現性が低くなり易い。一方、熱処理時間が長過ぎると、長期保管時に蛍光強度が低下し易く、放射線量測定値の再現性が低くなり易い。
(ガラスの再生)
蛍光強度測定後のガラスを下記の熱処理条件で熱処理することにより、ガラスを再生(再利用)することができる。
熱処理温度は、(ガラス転移点−80℃)〜(ガラス転移点−10℃)、(ガラス転移点−55℃)〜(ガラス転移点−15℃)、(ガラス転移点−40℃)〜(ガラス転移点−15℃)、特に(ガラス転移点−25℃)〜(ガラス転移点−20℃)であることが好ましい。熱処理温度が低すぎると、ガラス中に形成された蛍光中心を十分に消失させにくく、ガラスを再生し難くなる。一方、熱処理温度が高すぎると、ガラス表面の銀イオン濃度が高まりガラスが変質しやすくなるため、ガラスを再生し難くなる。具体的には、熱処理温度は、420〜500℃、430〜490℃、440〜480℃、特に450〜470℃であることが好ましい。また、熱処理時間は、20〜150分、30〜120分、40〜90分、特に50〜70分であることが好ましい。熱処理時間が短過ぎると、ガラス内部にまで熱が伝わりにくいため、ガラス中に形成された蛍光中心を十分に消失させにくく、ガラスを再生し難くなる。一方、熱処理時間が長過ぎると、ガラス表面の銀イオン濃度が高まりガラスが変質しやすくなるため、ガラスを再生し難くなる。なお、ガラスを再生することにより、繰り返し使用することが可能になる。使用回数が多いほど、コストダウンに繋がることは言うまでもない。なお、自然放射線によって形成された蛍光中心を消失させる際の熱処理条件も上記と同様にすることが好ましい。
ちなみに、SiOを含有するガラスは熱処理によるガラスの再生が不十分になり易い。これは、ガラスがSiOを含有すると、粘度が高くなって正孔や電子の動きを妨げるため、Ag2+、AgがAgに戻り難くなるためであると考えられる。そこで、SiOを含有するガラスを上記の通り比較的高い温度で熱処理することで、ガラスの粘度を低下させ、正孔や電子の動きを活性化することができる。結果として、Ag2+、AgをAgに十分に戻すことができ、放射線検出用ガラスを再生することが可能になる。
次に、金属フィルタについて説明する。
金属フィルタは銅又は錫であることが好ましい。銅、錫は放射線遮蔽能力が高く、本発明に使用される金属フィルタとして好適である。なお、銅、錫以外にも、アルミニウム、鉄、亜鉛、鉛、シリコン、ニッケル、コバルト、ビスマス、マンガン、タングステン、クロム、モリブデン等を金属フィルタとして使用することも可能である。
金属フィルタの不純物濃度は、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、特に1%以下であることが好ましい。金属フィルタの不純物濃度が高過ぎると、放射線エネルギーを減衰するための放射線遮蔽能力が低下し易くなる。なお、金属フィルタのコストの観点から、金属フィルタの不純物濃度は0.0001%以上であることが好ましい。
金属フィルタの厚みは0.1〜5mm、0.2〜4mm、特に0.3〜3mmであることが好ましい。金属フィルタの厚みが小さ過ぎると、放射線遮蔽能力が小さくなり易い。一方、金属フィルタの厚みが大き過ぎると、ガラス線量計を小型化しにくくなる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(No.1〜12)及び比較例(No.13〜16)を示している。
Figure 2021128114
Figure 2021128114
まず表中のガラス組成になるように、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の通常のガラスに使用される高純度原料を選定し、秤量して均一に混合したガラスバッチを石英ガラスるつぼに投入し、電気炉にて1000〜1300℃で1〜5時間、均質なガラスが得られるまで溶融した。なお、ガラスの均質化及び泡切れ等を目的として、溶融時に攪拌を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板形状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から2℃/分で常温まで徐冷し放射線検出用ガラスを得た。得られた各試料について、金属フィルタと接触させ耐候性試験を行い金属イオンの拡散度合いを評価した。両面を光学研磨面(鏡面)となるように研磨した試料を使用した。
耐候性試験は40℃、90%湿度の環境下に試料を静置させ、30日放置した。
耐候性試験後の外観観察は次のようにして評価した。得られた試料を肉眼にて観察を行った。ひび割れ、白濁が観察されなかったものを「○」、ひび割れ、白濁が観察されたものを「×」とした。
金属イオンの拡散度合いの評価には、エネルギー分散型エックス線分析装置を用い、ガラス表面から内部にかけての金属フィルタ由来の成分の検出や銀イオン濃度の上昇を分析し、金属フィルタ由来の成分の検出や銀イオン濃度の上昇が確認できたものを「有」とし、確認できなかった試料は「無」とした。
表1および表2から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜12の試料は、耐候性が高いため金属フィルタ由来の成分のガラス中への拡散が確認できなかった。一方、比較例であるNo.13〜16の試料は、ガラス表面が変質しており、金属フィルタ由来の成分のガラス中への拡散が確認された。
本発明のガラス線量計は、放射線の個人被ばく線量計、環境中の放射線計測、放射線治療時の患者の被ばく量モニタリング等として好適である。なお、ここで放射線とはベータ線、ガンマ線またはエックス線等を指す。

Claims (4)

  1. 放射線検出用ガラスと金属フィルタとを含むガラス線量計であって、放射線検出用ガラスが、質量%で、SiO 2.5超〜10%、P 60〜80%、Al 5〜30%、NaO 5〜20%、AgO 0.01〜5%を含有することを特徴とするガラス線量計。
  2. 金属フィルタが銅又は錫であることを特徴とする請求項1に記載のガラス線量計。
  3. 金属フィルタの不純物濃度が5%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス線量計。
  4. 金属フィルタの厚みが0.1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス線量計。
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