JP2021127607A - 部材連結構造、及び、部材連結構造の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
即ち、従来の部材連結構造においては、木部材よりもヤング係数が大きい金属部材に形成された貫通孔と金属製の軸材との接触部での結合を優先しており、木部材に形成された貫通孔の内周面と軸材の外周面との接触による力の伝達が行われにくい構造となっている。
つまり、木部材よりもヤング係数が大きい金属部材の貫通孔と金属製の軸材との接触部に力が集中する構造となっているため、金属部材の負担が大きくなってしまう。
上述したように、一方の部材(木部材)に設けられた一方の貫通孔と一方の部材よりもヤング係数が大きい他方の部材(金属部材)に設けられた他方の貫通孔とに一方の部材よりもヤング係数が大きい軸材(金属軸材)を貫通させて部材同士が連結された従来の部材連結構造においては、一方の部材よりもヤング係数が大きい他方の部材に設けられた他方の貫通孔と軸材との接触部に力が集中する一方で、一方の部材に設けられた一方の貫通孔の内周面と軸材の外周面との接触による力の伝達が行われにくい構造となっているため、他方の部材の負担が大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、一方の部材に設けられた一方の貫通孔と一方の部材よりもヤング係数が大きい他方の部材に設けられた他方の貫通孔とに軸材を貫通させて部材同士が連結された構成の部材連結構造において、一方の部材よりもヤング係数が大きい他方の部材の負担を軽減できるようにした部材連結構造等を提供するものである。
また、一方の貫通孔の径と他方の貫通孔の径とが同径であり、軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とが接触するとともに、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とが接触して、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたことを特徴とする。
また、一方の貫通孔の径が他方の貫通孔の径よりも小さく、軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とが接触するとともに、軸材から一方の貫通孔の内周面に所定の力が加わった場合に、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とが接触して、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたことを特徴とする。
また、一方の部材と他方の部材との間に中間部材が設けられたことを特徴とする。
本発明に係る部材連結構造によれば、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方の部材に力が伝達されるため、他方の部材の負担を軽減できる部材連結構造を提供できる。
また、前記軸材の代わりに、前記軸材と当該軸材の周囲を囲むように設けられた管とを備えて構成された拡径軸を用いたことを特徴とするので、拡径軸が各貫通孔の内周面に接触することにより当該各貫通孔の内周面に作用する支圧応力が軽減する。従って、拡径軸から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたとともに、一方の部材及び他方の部材の負担を軽減でき、しかも、強度、剛性の高い部材連結構造を提供できる。
また、一方の部材が木部材であり、他方の部材が金属部材であることを特徴とするので、金属部材の負担を軽減できる部材連結構造を提供できる。
本発明に係る上述した部材連結構造の製造方法は、外径が一方の貫通孔の径よりも大きい軸材を、一方の貫通孔に貫通させるとともに他方の貫通孔に貫通させることにより、軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とを接触させるとともに、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とを接触させたことを特徴とするので、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方の部材に力が伝達されて、他方の部材の負担を軽減できる部材連結構造を確実かつ容易に製造できるようになる。
実施形態1に係る部材連結構造は、図1(a)乃至図1(c)に示すように、一方の部材Aに設けられた一方の貫通孔H1と一方の部材Aよりもヤング係数が大きい他方の部材Bに設けられた他方の貫通孔H2とにヤング係数が他方の部材のヤング係数と同じか又は大きい軸材Cを貫通させて部材A,B同士が連結された構成の部材連結構造であって、一方の貫通孔H1の径と他方の貫通孔H2の径とが同径(径寸法が同じ寸法)であり、軸材Cの外周面Dと一方の貫通孔H1の内周面とが全面接触するとともに、軸材Cの外周面Dと他方の貫通孔H2の内周面とが全面接触して、軸材Cから一方の部材A及び他方の部材Bの両方に力が伝達されるように構成した。
即ち、ヤング係数の大小関係が、一方の部材A<他方の部材B≦軸材Cである。
また、図1(b)は、一方の部材Aとしての木部材に形成された溝A1に他方の部材Bとしての金属部材を挿入して、木部材に設けられた一方の貫通孔H1と金属部材に設けられた他方の貫通孔H2とに軸材Cとしての金属部材である両端ねじ軸を貫通させて当該両端ねじ軸の両端のねじ部にそれぞれ座金E1及びナットE2を締結して木部材と金属部材とを連結した部材連結構造である。
さらに、図1(c)は、一方の部材Aとしての木部材と他方の部材Bとしての金属部材とを隣り合わせた状態にして、木部材に設けられた一方の貫通孔H1と金属部材に設けられた他方の貫通孔H2とに軸材Cとしての金属部材である両端ねじ軸を貫通させて当該両端ねじ軸の両端のねじ部にそれぞれ座金E1及びナットE2を締結して木部材と金属部材とを連結した部材連結構造である。
言い換えれば、一方の部材Aの負担及び他方の部材Bの負担を均すことができるようになり、各部材(一方の部材A及び他方の部材B)と軸材Cとの間での力の伝達が安定かつ良好に行われるようになって、他方の部材Bの負担を軽減できる部材連結構造となる。
実施形態2に係る部材連結構造は、図2に示すように、一方の部材Aに設けられた一方の貫通孔H1と一方の部材Aよりもヤング係数が大きい他方の部材Bに設けられた他方の貫通孔H2とに一方の部材Aよりもヤング係数が大きい軸材Cを貫通させて部材A,B同士が連結された構成の部材連結構造であって、一方の貫通孔H1の径d1が他方の貫通孔H2の径d2よりも小さく、軸材Cの外周面Dと一方の貫通孔H1の内周面とが全面接触するとともに、軸材Cから一方の貫通孔H1の内周面に所定の力が加わった場合に、軸材Cの外周面Dと他方の貫通孔H2の内周面とが接触して、軸材Cから一方の部材A及び他方の部材Bの両方に力が伝達されるように構成した。
一方の部材Aに設けられた一方の貫通孔H1と一方の部材Aよりもヤング係数が大きい他方の部材Bに設けられた他方の貫通孔H2とに一方の部材Aよりもヤング係数が大きい軸材Cを貫通させて部材A,B同士が連結され、軸材Cから一方の部材A及び他方の部材Bの両方に力が伝達されるように構成された部材連結構造の製造方法は、図3に示すように、外径dが一方の貫通孔H1の径d1よりも大きい軸材Cを、一方の貫通孔H1に貫通させるとともに他方の貫通孔H2に貫通させることにより、軸材Cの外周面Dと一方の貫通孔H1の内周面とを全面接触させるとともに、軸材Cの外周面Dと他方の貫通孔H2の内周面とを全面接触させた構成の部材連結構造を製造するようにした。
実施形態4に係る部材連結構造、及び、当該部材連結構造の製造方法は、実施形態1及び実施形態2で説明した部材連結構造、実施形態3で説明した部材連結構造の製造方法において、一方の部材Aと他方の部材Bとの間に中間部材Fが設けられた構成とした。
なお、図4(a)乃至図4(c)において、図1(a)乃至図1(c)と同一又は相当部分については、同一符号を付して、説明を省略する。
また、中間部材Fに設けられた貫通孔H3の径は、一方の部材Aの径と同径にすればよい。
実施形態5に係る部材連結構造、及び、当該部材連結構造の製造方法は、実施形態1及び実施形態2で説明した部材連結構造、実施形態3で説明した部材連結構造の製造方法において、上述した軸材Cの代わりに、図5(a)乃至図5(c)に示すように、当該軸材Cと当該軸材Cの周囲を囲むように設けられた管C1とを備えて構成された拡径軸CA、即ち、軸材Cよりも拡径された拡径軸CAを用いるようにした。
なお、図5(a)乃至図5(c)において、図1(a)乃至図1(c)と同一又は相当部分については、同一符号を付して、説明を省略する。
実施形態6に係る部材連結構造、及び、当該部材連結構造の製造方法は、実施形態5に係る部材連結構造、当該部材連結構造の製造方法において、図6(a)乃至図6(c)に示すように、一方の部材Aと他方の部材Bとの間に中間部材Fが設けられた構成とした。
実施形態6に係る部材連結構造及び当該部材連結構造の製造方法によれば、実施形態4及び実施形態5に係る部材連結構造及び当該部材連結構造の製造方法と同じ効果が得られる。
なお、図6(a)乃至図6(c)において、図4(a)乃至図4(c)及び図5(a)乃至図5(c)と同一又は相当部分については、同一符号を付して、説明を省略する。
上述した拡径軸CAの代わりに、図7に示すような、拡径軸CAXを用いても良い。
当該拡径軸CAXは、上述した軸材Cと、軸材Cの周囲を囲むように設けられた管C2と、当該軸材Cの外周面と管C2の内周面との間に充填されたコンクリートやグラウト等の充填材C3とで構成された拡径軸とした。
上述した拡径軸CAの代わりに、図8に示すような、拡径軸CAYを用いても良い。
当該拡径軸CAYは、軸材Cと、軸材Cの周囲を囲むように設けられた管C2と、当該軸材Cの外周面と管C2の内周面との間に充填されたコンクリートやグラウト等の充填材である軸材側充填材C3と、管C2の外周面と貫通孔H1C,H2Cの内周面との間に充填されたコンクリートやグラウト等の充填材である貫通孔側充填材C4とで構成された拡径軸とした。
一方の部材A(例えば木部材)と他方の部材B(例えば金属部材)との接触面、一方の部材A(例えば木部材)と中間部材F(例えば樹脂部材)との接触面、他方の部材B(例えば金属部材)と中間部材F(例えば樹脂部材)との接触面を、凹凸面に形成すれば、各部材相互間の位置ずれ防止効果が向上して、貫通孔相互間の位置ずれ防止効果が向上するので、金属部材の貫通孔と軸材との接触部の負担軽減効果、及び、各部材の各貫通孔の内周面に作用する支圧応力軽減効果を向上できる。
また、拡径軸CA,CAX,CAYの外径寸法を、軸材Cの外径寸法の数倍、例えば、1.5倍以上に設定することにより、一方の部材A及び他方の部材Bに設けられた各貫通孔の内周面と拡径軸の外周面との接触面の曲率を小さくできるようになるため、拡径軸の外周面と各貫通孔の内周面との接触により当該各貫通孔の内周面に作用する支圧応力をより小さくできる。
また、上述した「外周面と内周面との全面接触」とは、完全な全面接触だけでなく、例えば、外周面の一部又は内周面の一部に窪み部分等が存在して、当該一部の窪み部分等が接触していないような場合も含む。
CA,CAX,CAY 拡径軸、D,DA,DB,DC 軸材又は拡径軸の外周面、
F 中間部材、H1,H1A,H1B,H1C 一方の貫通孔、
H2,H2A,H2B,H2C 他方の貫通孔、d 軸材の径、
d1 一方の貫通孔の径、d2 他方の貫通孔の径。
Claims (7)
- 一方の部材に設けられた一方の貫通孔と一方の部材よりもヤング係数が大きい他方の部材に設けられた他方の貫通孔とにヤング係数が他方の部材のヤング係数と同じか又は大きい軸材を貫通させて部材同士が連結された構成の部材連結構造であって、
軸材から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたことを特徴とする部材連結構造。 - 一方の貫通孔の径と他方の貫通孔の径とが同径であり、
軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とが接触するとともに、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とが接触して、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の部材連結構造。 - 一方の貫通孔の径が他方の貫通孔の径よりも小さく、
軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とが接触するとともに、軸材から一方の貫通孔の内周面に所定の力が加わった場合に、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とが接触して、軸材から一方の部材及び他方の部材の両方に力が伝達されるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の部材連結構造。 - 一方の部材と他方の部材との間に中間部材が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の部材連結構造。
- 前記軸材の代わりに、前記軸材と当該軸材の周囲を囲むように設けられた管とを備えて構成された拡径軸を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の部材連結構造。
- 一方の部材が木部材であり、他方の部材が金属部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の部材連結構造。
- 請求項1に記載の部材連結構造の製造方法であって、
外径が一方の貫通孔の径よりも大きい軸材を、一方の貫通孔に貫通させるとともに他方の貫通孔に貫通させることにより、軸材の外周面と一方の貫通孔の内周面とを接触させるとともに、軸材の外周面と他方の貫通孔の内周面とを接触させたことを特徴とする部材連結構造の製造方法。
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