JP2021127426A - (メタ)アクリレート、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物及び歯科材料 - Google Patents

(メタ)アクリレート、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物及び歯科材料 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的物性に優れる硬化物が製造可能な(メタ)アクリレート、モノマー組成物及び歯科材料用組成物、並びに、機械的物性に優れる成形体及び歯科材料を提供する。【解決手段】チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物である(メタ)アクリレート、モノマー組成物及び歯科材料用組成物、並びに、機械的物性に優れる成形体及び歯科材料。【選択図】図1

Description

本開示は、(メタ)アクリレート、モノマー組成物、成形体、歯科材料用組成物及び歯科材料に関する。
歯科材料用組成物の代表例であるコンポジットレジンは、典型的には、モノマーを含有するモノマー組成物、フィラー、重合開始剤、重合禁止剤、色素等を含有している。近年では、より高い機械的物性を持つコンポジットレジンが求められており、コンポジットレジンに含有されるモノマー組成物の硬化物の物性は、モノマー組成物を含有するコンポジットレジンの硬化物の物性に大きな影響を及ぼす。そのため、モノマー組成物に含まれるモノマーについて種々の検討がなされており、例えば、モノマーとして特許文献1〜特許文献4に示すような多官能性(メタ)アクリレートが知られている。
特開2000−204069号公報 特表2013−544823号公報 特開平11−315059号公報 国際公開第2012/157566号公報
上述したように、コンポジットレジンをはじめとするモノマーを含有する歯科材料用組成物の適用範囲の拡大には、その硬化物の機械的物性を向上させる必要がある。そのため、単独又は他の重合性化合物と組み合わせて使用することにより、機械的物性に優れる硬化物が得られる(メタ)アクリレートが求められている。
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、機械的物性に優れる硬化物が製造可能な(メタ)アクリレート、モノマー組成物及び歯科材料用組成物、並びに、機械的物性に優れる成形体及び歯科材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物である(メタ)アクリレート。
<2> (メタ)アクリロイルオキシ基と、ウレタン結合と、下記式(B)で表される構造とを含む<1>に記載の(メタ)アクリレート。
Figure 2021127426

式(B)中、Rは水素原子又はメチル基であり、*は結合位置を表す。
<3> 下記式(3)で表される<1>又は<2>に記載の(メタ)アクリレート。
Figure 2021127426

式(3)中、Xは式(3−1)で表される構造又は式(3−2)で表される構造である。nは2〜4のいずれかの整数である。複数存在するR、R及びRはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。式(3−1)及び式(3−2)中、*は結合位置を表す。
式(3)中、Xが式(3−1)で表される構造である場合、Rは、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つの水酸基を除いた残基である。式(3−1)中、Rは、ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基である。
式(3)中、Xが式(3−2)で表される構造である場合、Rは、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネートから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つのイソシアネート基を除いた残基である。式(3−2)中、Rは、ジオールから2つの水酸基を除いた残基である。
<4> 前記Rの分子量が100〜500である<3>に記載の(メタ)アクリレート。
<5> 前記Rが下記式(4)、(5)、(6)、(7)、(8−1)、(8−2)、(8−3)、(9)、(10)、(11)又は(12)で表される基である<3>又は<4>に記載の(メタ)アクリレート。
Figure 2021127426

Figure 2021127426

Figure 2021127426

式(4)〜式(12)中、*は結合位置を表す。
式(10)中、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
式(11)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
式(12)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。
<6> 前記Rが、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基、及び、炭素数4〜20の二価の環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1つを含む<3>〜<5>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート。
<7> 前記Rが、炭素数1〜6のアルキレン基である<3>〜<6>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート。
<8> 前記チオール化合物(1)は、炭素数が6〜20である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート。
<9> 前記チオール化合物(1)が、スルフィド結合、エーテル結合、及びエステル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を有する<1>〜<8>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート。
<10> 65℃における粘度が1mPa・s〜10,000mPa・sである<1>〜<9>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレート。
<11> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の(メタ)アクリレートを含むモノマー組成物。
<12> 歯科材料用である<11>に記載のモノマー組成物。
<13> <11>又は<12>に記載のモノマー組成物を硬化させてなる成形体。
<14> <11>又は<12>に記載のモノマー組成物、重合開始剤、及びフィラーを含有する歯科材料用組成物。
<15> <14>に記載の歯科材料用組成物を硬化させてなる歯科材料。
本開示の一実施形態によれば、機械的物性に優れる硬化物が製造可能な(メタ)アクリレート、モノマー組成物及び歯科材料用組成物、並びに、機械的物性に優れる成形体及び歯科材料を提供することができる。
実施例1で得た(メタ)アクリレート(A−1)のIRスペクトルである。 実施例2で得た(メタ)アクリレート(A−2)のIRスペクトルである。 実施例3で得た(メタ)アクリレート(A−3)のIRスペクトルである。 実施例4で得た(メタ)アクリレート(A−4)のIRスペクトルである。 実施例5で得た(メタ)アクリレート(A−5)のIRスペクトルである。 実施例6で得た(メタ)アクリレート(A−6)のIRスペクトルである。 実施例7で得た(メタ)アクリレート(A−7)のIRスペクトルである。 実施例8で得た(メタ)アクリレート(A−8)のIRスペクトルである。 実施例9で得た(メタ)アクリレート(A−9)のIRスペクトルである。 実施例10で得た(メタ)アクリレート(A−10)のIRスペクトルである。 実施例11で得た(メタ)アクリレート(A−11)のIRスペクトルである。 実施例12で得た(メタ)アクリレート(A−12)のIRスペクトルである。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本開示において、数値範囲を示す「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイル又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
≪(メタ)アクリレート≫
本開示の(メタ)アクリレートは、チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物である。この(メタ)アクリレートを用いることで機械的物性に優れる硬化物が製造可能である。
以下、本開示の(メタ)アクリレートは、本開示の(メタ)アクリレート(A)とも称する。
本開示の(メタ)アクリレート(A)が、チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、上記単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物であることで、本開示の(メタ)アクリレート(A)を用いて硬化物を製造する場合に、得られる硬化物の機械的物性を向上させることができる。
本開示のモノマー組成物に含まれる反応物は、チオール化合物(1)のチオール基と、(メタ)アクリレート化合物(2)の(メタ)アクリロイルオキシ基と、が反応してなる構造を有していてもよい。反応物は、チオール基を有さず、(メタ)アクリロイルオキシ基を有していてもよい。また、反応物は、スルフィド結合を有していてもよく、スルフィド結合及びエステル結合を有していてもよい。
なお、反応物中の、チオール基、スルフィド結合及びエステル結合は、例えば、FT−IR(フーリエ変換赤外分光、Fourier Transform Infrared)測定によって確認することができる。
本開示の(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基と、ウレタン結合と、下記式(B)で表される構造とを含むことが好ましい。この(メタ)アクリレートを用いることで機械的物性に優れる硬化物が製造可能である。
Figure 2021127426
式(B)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。*は結合位置を表す。例えば、結合位置には、チオール化合物(1)の1つ以上のチオール基を除いた残基、(メタ)アクリレート化合物(2)の1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を除いた残基、等が結合していてもよく、式(B)中の硫黄原子と隣り合う結合位置にチオール化合物(1)の1つ以上のチオール基を除いた残基が結合していてもよく、式(B)中の酸素原子と隣り合う結合位置に(メタ)アクリレート化合物(2)の1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を除いた残基が結合していてもよい。
反応物は、チオール基を有していても有していなくてもよい。例えば、チオール化合物(1)のチオール基と、(メタ)アクリレート化合物(2)の(メタ)アクリロイルオキシ基との反応において、チオール化合物(1)の全てのチオール基が反応していてもよく、一部のチオール基が反応せずに反応物中に残っていてもよい。チオール基の有無は、例えば、FT−IR測定によって確認することができる。
反応物は、チオール基を有していてもよく、さらに(メタ)アクリロイルオキシ基を有していてもよい。例えば、チオール化合物(1)のチオール基と、(メタ)アクリレート化合物(2)の(メタ)アクリロイルオキシ基との反応において、チオール化合物(1)の全てのチオール基が反応し、かつ、(メタ)アクリレート化合物(2)の一部の(メタ)アクリロイルオキシ基が反応せずに反応物中に残っていてもよい。(メタ)アクリロイルオキシ基の有無は、例えば、FT−IR測定によって確認することができる。
<チオール化合物(1)>
チオール化合物(1)は、チオール基を2つ以上有する。
チオール化合物(1)としては、脂肪族ポリチオール化合物、芳香族ポリチオール化合物、複素環ポリチオール化合物等が挙げられる。
また、前記チオール化合物(1)は、炭素数が6〜20であることが好ましい。
前記チオール化合物(1)が、スルフィド結合、エーテル結合、及びエステル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を有することが好ましい。
チオール化合物(1)としては、特に限定されず、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、2,5−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,4−ブタンジオールビス(チオグリコラート)、ビス(3−メルカプトプロピオン酸)エチレングリコール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,2,3−プロパントリチオール、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、これらのチオグリコール酸又はメルカプトプロピオン酸のエステル等の脂肪族ポリチオール化合物、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン等の芳香族ポリチオール化合物;2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等の複素環ポリチオール化合物;などが挙げられる。
チオール化合物(1)としては、機械的物性に優れる硬化物が製造可能な(メタ)アクリレート(A)を製造する点から、1,4−ブタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、3,7−ジチア−1,9−ノナンジチオール、1,4−ブタンジオールビス(チオグリコラート)、ビス(3−メルカプトプロピオン酸)エチレングリコール、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等が好ましい。
<(メタ)アクリレート化合物(2)>
(メタ)アクリレート化合物(2)は、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する。
(曲げ強度)
(メタ)アクリレート化合物(2)は、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上である。
これによって、本開示の(メタ)アクリレート(A)を硬化して得られる硬化物の曲げ強度を向上させることができる。
上記の観点から、(メタ)アクリレート化合物(2)は、上記曲げ強度が90MPa以上であることが好ましく、100MPa以上であることがより好ましい。
本開示において、硬化物の曲げ強度の測定は、測定するための試験片を下記の手順で得る点以外は、ISO4049に準じて測定を行う。
まず、測定対象の化合物又は組成物を2mm×2mm×25mmのステンレス製型に入れ、可視光照射装置を用いて、片面3分間ずつ両面合わせて6分間光照射して硬化物を得る。次いで、ステンレス製型より取りだした硬化物を、130℃、2時間の条件で熱処理を行う。熱処理後、硬化物について室温まで冷却を行った後、蒸留水に浸漬して、37℃で24時間保持を行う。保持後の硬化物を試験片として、曲げ試験の測定を行う。
試験片の作製及び曲げ強さの測定についての詳細は実施例にて後述する。
(メタ)アクリレート化合物(2)の上記曲げ強度の上限としては、特に制限はないが、例えば、400MPa以下であってもよく、350MPa以下であってもよい。
本開示において、(メタ)アクリレート化合物(2)の単独の硬化物の曲げ強度は、試験機(例えば、株式会社島津製作所製のオートグラフEZ−S)を使用して、三点曲げ試験を行うことにより測定できる。
(メタ)アクリレート化合物(2)としては、特に限定されず、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(2)としては、具体的には、以下の化合物を用いてもよい。
Figure 2021127426

本開示の(メタ)アクリレート(A)は、主成分モノマーと混合してモノマー組成物としたときの取り扱い性の点から、65℃における粘度が1mPa・s〜10,000mPa・sであってもよく、10mPa・s〜7,000mPa・sであってもよく、50mPa・s〜5,000mPa・sであってもよく、100mPa・s〜3,000mPa・sであってもよい。本開示における粘度は、E型粘度計(東機産業製TVE−22H)により、65℃で測定した値である。
また、(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレート(A)の製造に用いたチオール化合物(1)及び(メタ)アクリレート化合物(2)の少なくとも一方である未反応物との混合物について、65℃における粘度が1mPa・s〜10,000mPa・sであってもよく、10mPa・s〜7,000mPa・sであってもよく、50mPa・s〜5,000mPa・sであってもよく、100mPa・s〜3,000mPa・sであってもよい。
また、反応物は、前述のようにチオール化合物(1)の全てのチオール基が反応し、かつ、(メタ)アクリレート化合物(2)の一部の(メタ)アクリロイルオキシ基が反応せずに残っているものであってもよい。
本開示の(メタ)アクリレートは、下記式(3)で表されることが好ましい。
Figure 2021127426
式(3)中、Xは式(3−1)で表される構造又は式(3−2)で表される構造である。nは2〜4のいずれかの整数である。複数存在するR、R及びRはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。式(3−1)及び式(3−2)中、*は結合位置を表す。
式(3)中、Xが式(3−1)で表される構造である場合、Rは、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つの水酸基を除いた残基である。式(3−1)中、Rは、ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基である。
式(3)中、Xが式(3−2)で表される構造である場合、Rは、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネートから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つのイソシアネート基を除いた残基である。式(3−2)中、Rは、ジオールから2つの水酸基を除いた残基である。
式(3)中、チオール化合物(1)としては、前述のチオール化合物(1)であってもよく、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールとしては、前述の(メタ)アクリレート化合物(2)由来のアルコールであってもよい。
式(3)中、Rは、炭素数が2〜20であり、かつスルフィド結合、エステル結合、エーテル結合及びアルキレン基から選ばれる少なくとも1種の結合を有する2官能〜4官能のチオール化合物から全てのチオール基を除いた残基であることが好ましい。
前述のチオール化合物としては、炭素数が2〜20であり、かつスルフィド結合、エステル結合、エーテル結合及びアルキレン基から選ばれる少なくとも1種の結合を有する化合物が好ましく、炭素数が2〜20であり、かつスルフィド結合、エステル結合、エーテル結合又はアルキレン基を1つ以上有する化合物がより好ましく、炭素数が2〜20であり、かつスルフィド結合、エステル結合又はエーテル結合を2つ以上有する化合物、又はアルキレン基を有し、かつ、スルフィド結合、エステル結合及びエーテル結合を有さない化合物がさらに好ましく、炭素数が2〜20であり、かつスルフィド結合を2つ又は3つ有する化合物、炭素数が2〜20であり、かつエステル結合を3つ又は4つ有する化合物、炭素数が2〜20であり、かつエーテル結合を2つ有する化合物、又は炭素数が2〜20のアルキレン基を有し、かつ、スルフィド結合、エステル結合及びエーテル結合を有さない化合物が特に好ましい。
式(3)中、Rは、3官能又は4官能のチオール化合物から全てのチオール基を除いた残基であってもよく、nは3又は4であってもよい。
式(3)において、前記Rの分子量が100〜500であることが好ましい。
前記Rが下記式(4)、(5)、(6)、(7)、(8−1)、(8−2)、(8−3)、(9)、(10)、(11)又は(12)で表される基であることが好ましい。
Figure 2021127426
Figure 2021127426
Figure 2021127426
式(4)〜式(12)中、*は結合位置を表す。より具体的には、式(3)中に示されている硫黄原子との結合位置を表す。式(10)中、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。式(11)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。式(12)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。炭素数1〜10の二価の炭化水素基としては、後述の二価の非環状炭化水素基、二価の環状炭化水素基等が挙げられる。
式(3)において、Rはそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であり、複数存在するRは、いずれも水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(3)中、Xは式(3−1)で表される構造又は式(3−2)で表される構造である。Xとしては、式(3−1)で表される構造であることが好ましい。
式(3)中、Xが式(3−1)で表される構造である場合、本開示の(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコール及びジイソシアネートを用いて製造してもよい。
は、Xが式(3−1)で表される構造である場合、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つの水酸基を除いた残基である。式(3−1)中、Rは、ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基である。
式(3)中、Xが式(3−2)で表される構造である場合、本開示の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネート及びジオールを用いて製造してもよい。
は、Xが式(3−2)で表される構造である場合、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネートから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つのイソシアネート基を除いた残基である。式(3−2)中、Rは、ジオールから2つの水酸基を除いた残基である。
式(3)において、Rは特に制限されず、例えば、アルカンから2個の水素原子を除いた基、アレーンから2個の水素原子を除いた基、これらの基に−C(=O)−、−SO−、−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、水素原子が好ましい)等が1個以上結合した基、前述の基の組み合わせからなる基などが挙げられる。アルカンから2個の水素原子を除いた基は、炭化水素基の一部が−C(=O)−、−SO−、−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表し、水素原子が好ましい)等に置換されていてもよい。Rとしては、中でもアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。
上記アルカンの炭素数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルカンは、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。アルカンは、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよい。環状のアルカンは、単環、多環のいずれであってもよい。アルカンとしては、具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、2−メチルプロパン、ヘプタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン等が挙げられる。
アレーンの炭素数は、6〜18が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。アレーンとしては、具体的には、ベンゼン、2以上の芳香環が縮合した縮合多環芳香族化合物等が挙げられる。
前記Rは、炭素数1〜6のアルキレン基であることが好ましい。
また、式(3−1)及び式(3−2)において、Rは、炭素数が1〜50の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基、炭素数が3〜50の二価の環状炭化水素基、又は炭素数が1〜50であり、主鎖中に酸素原子を含む二価の有機基であることが好ましい。
炭素数が3〜50の二価の環状炭化水素基としては、環状炭化水素の部分のみで構成されていてもよく、環状炭化水素の部分及び非環状炭化水素の部分の組み合わせであってもよい。ここで、二価の非環状炭化水素基としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等が挙げられ、二価の環状炭化水素基としては、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、シクロアルキニレン基、アリーレン基等が挙げられる。
また、主鎖中に酸素原子を含む二価の有機基としては、主鎖中に酸素原子が連続して存在する構造、例えば、「−O−O−」を有さないことが好ましく、酸素原子以外の構造は炭化水素基であることが好ましい。また、非環状炭化水素基、及び炭化水素基における水素原子は、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基等の置換基に置換されていてもよく、環状炭化水素基における水素原子は、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボニル基、アルキル基等の置換基に置換されていてもよい。
炭素数が1〜50の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基としては、炭素数が1〜20の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基が好ましく、炭素数が4〜20の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基がより好ましく、炭素数が4〜10の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基がさらに好ましく、炭素数が6〜10の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基が特に好ましい。
炭素数が3〜50の二価の環状炭化水素基としては、炭素数が3〜30の二価の環状炭化水素基が好ましく、炭素数が4〜25の二価の環状炭化水素基がより好ましく、炭素数が4〜20の二価の環状炭化水素基がさらに好ましく、炭素数が5〜12の二価の環状炭化水素基が特に好ましい。
前記Rが、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基、及び、炭素数4〜20の二価の環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
炭素数が1〜50であり、主鎖中に酸素原子を含む二価の有機基としては、炭素数が1〜50であるオキシアルキレン基が好ましく、炭素数が2〜30であるオキシアルキレン基がより好ましい。
式(3−1)及び式(3−2)において、Rはそれぞれ独立に、前述の例示した(メタ)アクリレート化合物(2)から2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を除いた残基から選択される一つの置換基であってもよく、複数存在するRは、いずれも前述の例示した(メタ)アクリレート化合物(2)から2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を除いた残基から選択される一つの置換基であることが好ましい。
((メタ)アクリレート(A)の製造方法)
以下、本開示の(メタ)アクリレート(A)の製造方法について説明する。本開示の(メタ)アクリレート(A)の製造方法は、チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)と、を反応させることにより得られる。この製造方法にて用いるチオール化合物(1)及び(メタ)アクリレート化合物(2)としては、それぞれ前述した化合物が挙げられる。
チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)と、を反応させる際、効率よく(メタ)アクリレート(A)を製造する点から、チオール化合物(1)の質量aに対する(メタ)アクリレート化合物(2)の質量bの比(b/a)が0.5〜35の範囲が好ましく、2〜15の範囲がより好ましく、3〜10の範囲がさらに好ましい。
また、チオール化合物(1)が有するチオール基のモル数と、(メタ)アクリレート化合物(2)が有する(メタ)アクリロイルオキシ基のモル数との比((メタ)アクリロイルオキシ基のモル数/チオール基のモル数)は、効率よく(メタ)アクリレート(A)を製造する点から、0.5〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1.5〜10がさらに好ましい。
チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)と、を反応させる際には、反応速度向上の点から、触媒を添加してもよい。触媒としては、チオール化合物(1)に含まれるチオール基と、(メタ)アクリレート化合物(2)に含まれる(メタ)アクリロイルオキシ基との反応、すなわちエンチオール反応を加速させる公知の触媒を使用できる。
触媒としては、ホスフィン系化合物が好適に用いられる。ホスフィン系化合物としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のトリアルキルホスフィン化合物、メチルジフェニルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジクロロ(エチル)ホスフィン、ジクロロ(フェニル)ホスフィン、クロロジフェニルホスフィン等を挙げることができる。これらは単独でも2種類以上を混合して用いても良い。これらの触媒の中でも、ゲル化を抑制し、かつ反応が好適に進行する点から、トリアルキルホスフィン化合物が好ましい。
トリアルキルホスフィン化合物としては、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン化合物等が好ましい。トリアルキルホスフィン化合物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
触媒の使用量としては、反応の調節及び触媒効果の点から、チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)との合計100質量%に対して、0.001質量%〜0.5質量%が好ましく、0.002質量%〜0.3質量%がより好ましく、0.01質量%〜0.3質量%がさらに好ましく、0.01質量%〜0.2質量%が特に好ましく、0.05質量%〜0.2質量%がより一層好ましい。なお、触媒は反応の開始時に全量投入してもよく、必要に応じて逐次又は分割して反応系に投入してもよい。
反応温度としては、特に制限はなく、反応時間を短縮し、かつ副生成物の発生を抑制する点から、0℃〜100℃が好ましく、20℃〜80℃がより好ましく、30℃〜60℃がさらに好ましく、35℃〜50℃が特に好ましい。
反応時間としては、特に制限はなく、副生成物の発生を抑制する点から、1時間〜10時間が好ましく、1.5時間〜6時間がより好ましく、2時間〜5時間がさらに好ましい。
チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)と、を反応させる際には、(メタ)アクリレート化合物(2)同士の重合反応を抑制する点から、重合禁止剤を用いてもよい。重合禁止剤としては、特に限定されず、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン(HQ)、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、フェノチアジン(PTZ)等が挙げられる。
重合禁止剤の使用量としては、チオール化合物(1)と、(メタ)アクリレート化合物(2)との合計100質量%に対して、0.001質量%〜0.5質量%であってもよく、0.002質量%〜0.3質量%であってもよく、0.005質量%〜0.3質量%であってもよく、0.005質量%〜0.1質量%であってもよく、0.01質量%〜0.1質量%であってもよい。
<モノマー組成物>
本開示のモノマー組成物は、本開示の(メタ)アクリレート(A)を含む。また、本開示のモノマー組成物は、歯科材料用であってもよく、本開示の(メタ)アクリレート(A)以外の(メタ)アクリレート化合物(B)を含んでいてもよい。
一般的に、硬化物の強度を向上可能な主成分モノマーを選択した場合、モノマー組成物の粘度が上昇し、取り扱い性が低下することがある。
そこで、モノマー組成物の粘度を低下させて取り扱い性を向上させる点から、主成分モノマーに希釈モノマーを添加することがある。上記希釈モノマーとして、本開示の(メタ)アクリレート(A)以外の(メタ)アクリレート化合物(B)を含んでいてもよい。
(メタ)アクリレート化合物(B)としては、例えば、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(ウレタンジメタクリレート:UDMA)等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(B)は一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。例えば、モノマー組成物の粘度を低く調整するために、トリエチレングリコールジメタクリレート等の粘度調整用モノマーを用い、高い機械強度を得るためにさらにウレタンジメタクリレートを併用してもよい。粘度調整用モノマーとウレタンジメタクリレートとを併用する場合、粘度調整用モノマーとウレタンジメタクリレートとを1:0.8〜1.2の質量比で用いてもよい。
本開示のモノマー組成物では、(メタ)アクリレート(B)を含む場合、モノマー組成物の取り扱い性を向上させる点、及び主成分モノマーの機能低下を抑制する点から、(メタ)アクリレート(B)の含有率は、モノマー組成物全量に対して、5質量%以上50質量%未満が好ましく、10質量%〜40質量%がより好ましく、15質量%〜30質量%がさらに好ましい。
本開示のモノマー組成物では、(メタ)アクリレート(B)を含む場合、(メタ)アクリレート(A)の含有率は、モノマー組成物の取り扱い性を向上させる点、及び主成分モノマーの機能低下を抑制する点から、モノマー組成物全量に対して、50質量%を超えて95質量%以下が好ましく、60質量%〜90質量%がより好ましく、70質量%〜85質量%がさらに好ましい。
本開示のモノマー組成物は、ホスフィン系化合物の酸化物を含むことが好ましい。
ホスフィン系化合物の酸化物としては、トリアルキルホスフィン化合物の酸化物が好ましく、酸化トリ−n−ブチルホスフィン、酸化トリ−n−ヘキシルホスフィン、酸化トリシクロヘキシルホスフィン、酸化トリ−n−オクチルホスフィンがより好ましく、酸化トリ−n−ブチルホスフィンがさらに好ましい。
本開示のモノマー組成物がホスフィン系化合物の酸化物を含む場合、ホスフィン系化合物の酸化物の含有量は、モノマー組成物全体の質量に対して、0.001質量%〜0.5質量%が好ましく、0.002質量%〜0.3質量%がより好ましく、0.01質量%〜0.3質量%がさらに好ましく、0.01質量%〜0.2質量%が特に好ましく、0.05質量%〜0.2質量%がより一層好ましい。
(モノマー組成物の製造方法)
本開示のモノマー組成物の製造方法は、本開示の(メタ)アクリレートの製造方法により(メタ)アクリレート(A)を得る工程と、(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレート(A)以外の(メタ)アクリレートである(メタ)アクリレート(B)と、を混合してモノマー組成物を製造する工程と、を含んでもよい。
<成形体>
本開示の成形体は、本開示のモノマー組成物を硬化させてなる。
即ち、本開示の成形体は、本開示の歯科材料用モノマー組成物の硬化物である。例えば、(メタ)アクリレート(A)と、一般式(A)で表される化合物である(メタ)アクリレート(B)とを含むモノマー組成物を硬化させることにより、耐熱性、耐溶剤性及び耐衝撃性に優れた硬化物を得ることができる。
<歯科材料用組成物>
本開示の歯科材料用組成物は、本開示のモノマー組成物、重合開始剤、及びフィラーを含有する。
この歯科材料用組成物は、常温重合性、熱重合性、又は光重合性を有し、例えば歯科修復材料として好ましく使用することができる。
モノマー組成物の配合量は、歯科材料用組成物100質量%に対して、20質量%〜80質量%が好ましく、20質量%〜50質量%がより好ましい。
重合開始剤としては、歯科分野で用いられる一般的な重合開始剤を使用することができ、通常、歯科材料用組成物に含まれる(メタ)アクリレート(A)、(メタ)アクリレート(B)等の重合性化合物の重合性と重合条件を考慮して選択される。
常温重合を行う場合には、重合開始剤としては、例えば、酸化剤及び還元剤を組み合わせたレドックス系の重合開始剤が好ましい。レドックス系の重合開始剤を使用する場合、酸化剤と還元剤が別々に包装された形態をとり、使用する直前に両者を混合すればよい。
酸化剤としては、特に限定されず、例えば、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類等の有機過酸化物が挙げられる。上記有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーオキシエステル類;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類などが挙げられる。
また、還元剤としては、特に限定されず、通常第三級アミンが用いられる。第三級アミンとしては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−i−プロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−i−プロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(2−メタクリロイルオキシ)エチル、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−メチルアミン、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−メタクリロイルオキシエチルアミン、N,N−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、トリス(メタアクリロイルオキシエチル)アミンなどが挙げられる。
これら有機過酸化物/アミン系の他には、クメンヒドロパーオキサイド/チオ尿素系、アスコルビン酸/Cu2+塩系、有機過酸化物/アミン/スルフィン酸(又はその塩)系等のレドックス系重合開始剤を用いることができる。また、重合開始剤として、トリブチルボラン、有機スルフィン酸等も好適に用いられる。
加熱による熱重合を行う場合には、過酸化物、アゾ系化合物等の重合開始剤が好ましい。
過酸化物としては特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等が挙げられる。アゾ系化合物としては特に限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
可視光線照射による光重合を行う場合には、α−ジケトン/第3級アミン、α−ジケトン/アルデヒド、α−ジケトン/メルカプタン等のレドックス系開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、α−ジケトン/還元剤、ケタール/還元剤、チオキサントン/還元剤等が挙げられる。α−ジケトンとしては、例えば、カンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタンジオン等が挙げられる。ケタールとしては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等が挙げられる。チオキサントンとしては、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。還元剤としては、例えば、ミヒラ−ケトン等、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N,N−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕−N−メチルアミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブトキシエチル、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、ジメチルアミノフェナントール等の第三級アミン;シトロネラール、ラウリルアルデヒド、フタルジアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等のアルデヒド類;2−メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、4−メルカプトアセトフェノン、チオサリチル酸、チオ安息香酸等のチオール基を有する化合物;などを挙げることができる。これらのレドックス系に有機過酸化物を添加したα−ジケトン/有機過酸化物/還元剤等の系も好適に用いられる。
紫外線照射による光重合を行う場合には、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール等の光重合開始剤が好ましい。また、(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤も好適に用いられる。
(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類のうち、アシルフォスフィンオキサイド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート等が挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これら(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤は、単独で使用、又は各種アミン類、アルデヒド類、メルカプタン類、スルフィン酸塩等の還元剤と併用してもよい。これら(ビス)アシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤は、上記可視光線の光重合開始剤とも併用してもよい。
上記重合開始剤は1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。重合開始剤の配合量は、歯科材料用組成物100質量%に対して、0.01質量%〜20質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましい。
フィラーは、歯科分野で用いられる一般的なフィラーを使用することができる。フィラーは、通常、有機フィラーと無機フィラーに大別される。
有機フィラーとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等の微粉末が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、各種ガラス類(二酸化珪素を主成分とし、必要に応じ、重金属、ホウ素、アルミニウム等の酸化物を含有する)、各種セラミック類、珪藻土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイトなどの微粉末が挙げられる。このような無機フィラーの具体例としては、例えば、バリウムボロシリケートガラス(キンブルレイソーブT3000、ショット8235、ショットGM27884、ショットGM39923等)、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス(レイソーブT4000、ショットG018−093、ショットGM32087等)、ランタンガラス(ショットGM31684等)、フルオロアルミノシリケートガラス(ショットG018−091、ショットG018−117等)、ジルコニウム、セシウム等を含むボロアルミノシリケートガラス(ショットG018−307、G018−308、G018−310等)が挙げられる。
また、無機フィラーに重合性化合物を予め添加し、ペースト状にした後、重合硬化させ、粉砕して得られる有機無機複合フィラーを用いてもよい。
また、歯科材料用組成物において、粒径が0.1μm以下のミクロフィラーが配合された組成物は、歯科用コンポジットレジンに好適な態様の一つである。かかる粒径の小さなフィラーの材質としては、シリカ(例えば、商品名アエロジル)、アルミナ、ジルコニア、チタニア等が好ましい。このような粒径の小さい無機フィラーの配合は、コンポジットレジンの硬化物の研磨滑沢性を得る上で有利である。
これらのフィラーは、目的に応じて、シランカップリング剤等の表面処理剤により表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては、公知のシランカップリング剤、例えば、メタクリルオキシアルキルトリメトキシシラン(メタクリルオキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3〜12)、メタクリルオキシアルキルトリエトキシシラン(メタクリルオキシ基と珪素原子との間の炭素数:3〜12)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等の有機珪素化合物が使用される。表面処理剤の量は、表面処理前のフィラー100質量%に対して、0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
これらのフィラーは1種単独で用いても、2種以上を用いてもよい。フィラーの配合量は、歯科材料用組成物(例えばコンポジットレジンペースト)の操作性(粘稠度)、その硬化物の機械的物性等を考慮して適宜決定すればよく、歯科材料用組成物中に含まれるフィラー以外の全成分100質量部に対して、10質量部〜2000質量部が好ましく、50質量部〜1000質量部がより好ましく、100質量部〜600質量部がさらに好ましい。
本開示の歯科材料用組成物は、本開示のモノマー組成物、重合開始剤、及びフィラー以外の成分を、目的に応じて適宜含んでもよい。例えば、保存安定性を向上させるための前述した重合禁止剤を含んでもよい。また、色調を調整するために、公知の顔料、染料等の色素を含んでいてもよい。さらに、硬化物の強度を向上させるために、公知のファイバー等の補強材を含んでもよい。また、本開示の歯科材料用組成物は、殺菌剤、消毒剤、安定化剤、保存剤などの添加剤を本発明の効果を奏する限り必要に応じて含有してもよい。
本開示の歯科材料用組成物は、前述の重合開始剤の重合方式にて適切な条件で硬化することができる。例えば、可視光照射による光重合開始剤を含有している本開示の歯科材料用組成物の場合は、歯科材料用組成物を所定の形状に加工したのち、公知の光照射装置を用いて所定の時間可視光を照射することにより、所望の硬化物を得ることができる。照射強度、照射強度等の条件は、歯科材料用組成物の硬化性に合わせて適切に変更することができる。また、可視光をはじめとした、光照射により硬化した硬化物を、さらに適切な条件で熱処理をすることにより、硬化物の機械的物性を向上させてもよい。
以上のようにして得られる本開示の歯科材料用組成物の硬化物は、歯科材料として好適に用いることができる。
本開示の歯科材料用組成物の使用方法は、歯科材料の使用法として一般に知られているものであれば、特に制限されない。例えば、本開示の歯科材料用組成物を齲蝕窩洞充填用コンポジットレジンとして使用する場合は、口腔内の窩洞に歯科材料用組成物を充填した後、公知の光照射装置を用いて光硬化させることにより、目的を達成できる。また、歯冠用コンポジットレジンとして使用する場合は、歯科材料用組成物を適切な形状に加工した後、公知の光照射装置を用いて光硬化させ、さらに所定の条件で熱処理を行うことで、所望の歯冠材料を得ることができる。
本開示の歯科材料用組成物及び歯科材料は、例えば、歯科修復材料、義歯床用レジン、義歯床用裏装材、印象材、合着用材料(レジンセメント、レジン添加型グラスアイオノマーセメント等)、歯科用接着材(歯列矯正用接着材、窩洞塗布用接着材等)、歯牙裂溝封鎖材、CAD/CAM用レジンブロック、テンポラリークラウン、人工歯材料等として好ましく使用することができる。また、歯科修復材料を適用範囲別に分類すると、歯冠用コンポジットレジン、齲蝕窩洞充填用コンポジットレジン、支台築造用コンポジットレジン、充填修復用コンポジットレジン等に分類できる。
(歯科材料用組成物の製造方法)
本開示の歯科材料用組成物の製造方法は、本開示の(メタ)アクリレートの製造方法により(メタ)アクリレート(A)を得る工程と、(メタ)アクリレート(A)と、(メタ)アクリレート(B)と、重合開始剤と、フィラーと、を混合して歯科材料用組成物を製造する工程と、を含む。得られた歯科材料用組成物は、常温重合性、熱重合性、又は光重合性を有し、例えば歯科修復材料として好ましく使用することができる。また、本開示の歯科材料用組成物の製造方法は、本開示のモノマー組成物の製造方法によりモノマー組成物を得る工程と、モノマー組成物と、重合開始剤と、フィラーと、を混合して歯科材料用組成物を製造する工程と、を含んでいてもよい。
<歯科材料>
本開示の歯科材料は、本開示の歯科材料用組成物を硬化させてなる。
即ち、本開示の歯科材料は、本開示の歯科材料用組成物の硬化物である。歯科材料用組成物の硬化条件としては、歯科材料用組成物の組成、歯科材料の用途等に応じて適宜定めればよい。
(歯科材料の製造方法)
本開示の歯科材料の製造方法は、本開示の歯科材料用組成物の製造方法により歯科材料用組成物を得る工程と、歯科材料用組成物を硬化させて歯科材料を製造する工程と、を含む。硬化条件は、歯科材料用組成物の組成、歯科材料の用途等によって適宜定めればよい。
以下、本開示の一実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
本発明の実施例に使用した化合物の略号を以下に示す。
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TCDDM:トリシクロデカンジメタノール
TMHDI:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとの混合物
NBDI:2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンと2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとの混合物
AOI:2−イソシアナトエチルアクリラート
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
BHT:ジブチルヒドロキシトルエン
DOOT:3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール
TMMP:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)
CQ:カンファーキノン
DMAB2−BE:4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−ブトキシエチル
TBP:トリブチルホスフィン
NPG:ネオペンチルジメタクリレート
2,6E:2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン
UDMA:ウレタンジメタクリレート
UDA1:ウレタンジアクリレート1
UDA2:ウレタンジアクリレート2
Bis−GMA:ビスフェノール A ジメタクリレート
DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート
[IRスペクトルの測定方法]
各実施例で得られた化合物のIRスペクトルを、株式会社パーキンエルマージャパン製、フーリエ変換赤外分光分析装置、Spectrum Two/UATR (Universal Attenuated Total Reflectance)を用いて測定した。
各実施例で得られた化合物を20℃にて24時間静置した後、化合物について20℃で赤外線吸収スペクトルの測定を行った。
[曲げ試験の方法]
本発明の実施例及び比較例における曲げ試験の方法を、以下に示す。
〜曲げ試験用試験片αの作製〜
反応前の原料である(メタ)アクリレート化合物(2,6E、UDMA、UDA1又はUDA2) 10質量部に対して、CQ 0.05質量部、DMAB2−BE 0.05質量部を添加し、均一になるまで室温で撹拌したのち、脱泡を行うことで原料強度確認用組成物を調製した。得られた原料強度確認用組成物を、2mm×2mm×25mmのステンレス製型に入れ、可視光照射装置(株式会社松風製 ソリディライトV)を用いて、片面3分間ずつ両面合わせて6分間光照射して硬化物とした。さらにステンレス製型より取りだした硬化物を、オーブン中において130℃、2時間の条件で熱処理した。オーブンより取り出した硬化物を室温まで冷却したのち、密閉できるサンプル瓶中で硬化物を蒸留水に浸漬して、37℃で24時間保持したものを試験片α(曲げ試験用試験片)として使用した。
〜曲げ試験用試験片βの作製〜
各実施例及び比較例で得たモノマー組成物 10質量部に対して、CQ 0.05質量部、DMAB2−BE 0.05質量部を添加し、均一になるまで室温で撹拌してさらに、シリカガラス(Fuselex−X(株式会社龍森製))15質量部を配合し、乳鉢を用いて均一になるまで撹拌したのち、脱泡を行うことで歯科材料用組成物を調製した。得られた歯科材料用組成物を、2mm×2mm×25mmのステンレス製型に入れ、可視光照射装置(株式会社松風製 ソリディライトV)を用いて、片面3分間ずつ両面合わせて6分間光照射して硬化物とした。さらにステンレス製型より取りだした硬化物を、オーブン中において130℃、2時間の条件で熱処理した。オーブンより取り出した硬化物を室温まで冷却したのち、密閉できるサンプル瓶中で硬化物を蒸留水に浸漬して、37℃で24時間保持したものを試験片β(曲げ試験用試験片)として使用した。
(曲げ試験)
上記方法で作製した試験片α又は試験片βを、試験機(株式会社島津製作所製 オートグラフEZ−S)を使用して、支点間距離20mm、クロスヘッドスピード1mm/分で三点曲げ試験を行い、破断強度を測定した。
[屈折率の測定方法]
各実施例及び比較例において、屈折率はアッベ式フルデジタル屈折率計(Anton Paar社製Abbemat550)を用いて測定した。温度は25℃にコントロールした。
[粘度の測定方法]
各実施例及び比較例において、(メタ)アクリレートの粘度は、E型粘度計(東機産業製TVE−22H)を用いて測定した。温度は循環式恒温水槽を用いて、65℃にコントロールした。
[(メタ)アクリレート化合物の製造法(UDMA)]
十分に乾燥させた撹拌羽根、及び温度計を備えた200mLの4ツ口フラスコ内に、DBTDL 0.2質量部、BHT 0.1質量部、TMHDI 44.68質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を、80℃まで昇温し、さらにHEMA 55.32質量部を1時間かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、90℃以下となるように滴下量をコントロールした。HEMAを全量滴下した後、反応温度を90℃に保って、5時間反応を行った。この際、HPLC分析で反応の進行を追跡して、反応の終点を確認した。反応器から生成物を排出することにより、(メタ)アクリレート化合物として下記一般式で表されるウレタンジメタクリレート(UDMA)100gを得た。得られた(メタ)アクリレート化合物は、65℃における粘度が170mPa・sであり、25℃における屈折率が1.4836であった。
Figure 2021127426
[(メタ)アクリレート化合物の製造法(UDA1)]
十分に乾燥させた撹拌羽根、及び温度計を備えた200mLの4ツ口フラスコ内に、DBTDL 0.2質量部、BHT 0.1質量部、TCDDM 41.02質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を、80℃まで昇温し、さらにAOI 58.98質量部を1時間かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、90℃以下となるように滴下量をコントロールした。AOIを全量滴下した後、反応温度を90℃に保って、8時間反応を行った。この際、HPLC分析で反応の進行を追跡して、反応の終点を確認した。反応器から生成物を排出することにより、(メタ)アクリレート化合物として下記一般式で表されるウレタンジアクリレート1(UDA1)100gを得た。得られた(メタ)アクリレート化合物は、65℃における粘度が1640mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5108であった。
Figure 2021127426
[(メタ)アクリレート化合物の製造法(UDA2)]
十分に乾燥させた撹拌羽根、及び温度計を備えた200mLの4ツ口フラスコ内に、DBTDL 0.2質量部、BHT 0.1質量部、NBDI 47.03質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、この溶液を、80℃まで昇温し、さらにHEA 52.67質量部を1時間かけて滴下した。滴下中に反応熱により内温が上昇したので、90℃以下となるように滴下量をコントロールした。HEAを全量滴下した後、反応温度を90℃に保って、8時間反応を行った。この際、HPLC分析で反応の進行を追跡して、反応の終点を確認した。反応器から生成物を排出することにより、(メタ)アクリレート化合物として下記一般式で表されるウレタンジアクリレート2(UDA2)100gを得た。
得られた(メタ)アクリレート化合物は、65℃における粘度が910mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5049であった。
Figure 2021127426
[実施例1]
反応前の原料化合物であるUDMAから(曲げ試験用試験片αの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い原料強度確認用組成物及び試験片α(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度175MPaであった。
十分に乾燥させた撹拌羽根、及び温度計を備えた100mLの4ツ口フラスコ内に、TBP 0.04質量部、チオール化合物であるDOOT 2.5質量部、(メタ)アクリレート化合物であるUDMA 47.5質量部を装入し、溶解させて均一溶液とした後、50℃まで昇温した。昇温後、反応温度を50℃に保って、3時間反応を行った。この際、IR分析で反応の進行を追跡して、反応の終点を確認した。反応器から生成物を排出することにより、(メタ)アクリレート(A−1)50gを得た。
得られた(メタ)アクリレート(A−1)は、65℃における粘度が295mPa・sであり、25℃における屈折率が1.4879であった。(メタ)アクリレート(A−1)のIRスペクトルを図1に示す。
得られた(メタ)アクリレート(A−1)10.5質量部と、NPG 4.5質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は185MPaであった。
[実施例2〜12]
反応前の(メタ)アクリレート化合物を表1に示す化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、(曲げ試験用試験片αの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い原料強度確認用組成物及び試験片α(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施した。測定した破断強度は表1に示す。
チオール化合物及び(メタ)アクリレート化合物を、表1に示す化合物に変更したこと以外は、実施例1と同様にして(メタ)アクリレート(A−2)〜(A−12)50gを得た。得られた(メタ)アクリレート(A−2)〜(A−12)の65℃における粘度及び25℃における屈折率は、表1に示すとおりである。(メタ)アクリレート(A−2)〜(A−12)のIRスペクトルを図2〜図12にそれぞれ示す。
また、(メタ)アクリレート(A−1)を、(メタ)アクリレート(A−2)〜(A−12)にそれぞれ変更したこと以外は、実施例1と同様にしてモノマー組成物をそれぞれ得た。そして、得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を行った。測定した破断強度は表1に示す。
[比較例1]
UDMA12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は139MPaであった。また、UDMAは、65℃における粘度が170mPa・sであり、25℃における屈折率が1.4836であった。
[比較例2]
UDA1 12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は182MPaであった。また、UDA1は、65℃における粘度が1640mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5109であった。
[比較例3]
UDA2 12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物(11)及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は201MPaであった。また、UDA2は、65℃における粘度が907mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5049であった。
[比較例4]
2,6E 12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は140MPaであった。また、2,6Eは、65℃における粘度が1000mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5400であった。
[比較例5]
Bis−GMA 12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は138MPaであった。また、Bis−GMAは、65℃における粘度が1500mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5524であった。
[比較例6]
DCP 12.0質量部と、NPG 3.0質量部とを容器に入れ、均一になるまで50℃で撹拌して、モノマー組成物を得た。得られたモノマー組成物から(曲げ試験用試験片βの作製)及び(曲げ試験)の項に記載の方法に従い歯科材料用組成物及び試験片β(曲げ試験用試験片)を得て、曲げ試験を実施したところ、破断強度は124MPaであった。また、DCPは、65℃における粘度が5mPa・sであり、25℃における屈折率が1.5004であった。
Figure 2021127426
表1に示す通り、チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物である実施例に係る(メタ)アクリレートは、破断強度が優れていた。
一方、チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)を用いていない比較例に係る(メタ)アクリレートは、破断強度に劣っていた。

Claims (15)

  1. チオール基を2つ以上有するチオール化合物(1)と、
    単独の硬化物の曲げ強度が80MPa以上であり、(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物(2)と、の反応物である(メタ)アクリレート。
  2. (メタ)アクリロイルオキシ基と、ウレタン結合と、下記式(B)で表される構造とを含む請求項1に記載の(メタ)アクリレート。
    Figure 2021127426

    式(B)中、Rは水素原子又はメチル基であり、*は結合位置を表す。
  3. 下記式(3)で表される請求項1又は請求項2に記載の(メタ)アクリレート。
    Figure 2021127426

    式(3)中、Xは式(3−1)で表される構造又は式(3−2)で表される構造である。nは2〜4のいずれかの整数である。複数存在するR、R及びRはそれぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。式(3−1)及び式(3−2)中、*は結合位置を表す。
    式(3)中、Xが式(3−1)で表される構造である場合、
    は、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、
    は、水素原子又はメチル基であり、
    は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコールから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つの水酸基を除いた残基である。
    式(3−1)中、Rは、ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基である。
    式(3)中、Xが式(3−2)で表される構造である場合、
    は、チオール基をn個以上有するチオール化合物(1)からn個のチオール基を除いた残基であり、
    は、水素原子又はメチル基であり、
    は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するイソシアネートから1つの(メタ)アクリロイルオキシ基及び1つのイソシアネート基を除いた残基である。
    式(3−2)中、Rは、ジオールから2つの水酸基を除いた残基である。
  4. 前記Rの分子量が100〜500である請求項3に記載の(メタ)アクリレート。
  5. 前記Rが下記式(4)、(5)、(6)、(7)、(8−1)、(8−2)、(8−3)、(9)、(10)、(11)又は(12)で表される基である請求項3又は請求項4に記載の(メタ)アクリレート。
    Figure 2021127426

    Figure 2021127426

    Figure 2021127426

    式(4)〜式(12)中、*は結合位置を表す。
    式(10)中、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
    式(11)中、R、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基である。
    式(12)中、R、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、Y及びYはそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。
  6. 前記Rが、炭素数4〜20の直鎖状又は分岐状である二価の非環状炭化水素基、及び、炭素数4〜20の二価の環状炭化水素基から選ばれる少なくとも1つを含む請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート。
  7. 前記Rが、炭素数1〜6のアルキレン基である請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート。
  8. 前記チオール化合物(1)は、炭素数が6〜20である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート。
  9. 前記チオール化合物(1)が、スルフィド結合、エーテル結合、及びエステル結合から選ばれる少なくとも1種の結合を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート。
  10. 65℃における粘度が1mPa・s〜10,000mPa・sである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレートを含むモノマー組成物。
  12. 歯科材料用である請求項11に記載のモノマー組成物。
  13. 請求項11又は請求項12に記載のモノマー組成物を硬化させてなる成形体。
  14. 請求項11又は請求項12に記載のモノマー組成物、重合開始剤、及びフィラーを含有する歯科材料用組成物。
  15. 請求項14に記載の歯科材料用組成物を硬化させてなる歯科材料。
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